JPH04225009A - 感光性ゲル状物質およびそれから形成される成形体 - Google Patents

感光性ゲル状物質およびそれから形成される成形体

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JPH04225009A
JPH04225009A JP3034267A JP3426791A JPH04225009A JP H04225009 A JPH04225009 A JP H04225009A JP 3034267 A JP3034267 A JP 3034267A JP 3426791 A JP3426791 A JP 3426791A JP H04225009 A JPH04225009 A JP H04225009A
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JP
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gel
methyl methacrylate
room temperature
polymer
resin composition
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JP3034267A
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Yoshichi Hagiwara
萩原 洋七
Yuichi Mori
有一 森
Kazuhide Saigo
斉郷 和秀
Hiroshi Sagawa
博司 寒川
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WR Grace and Co
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子部品等の封止材、
接着剤、あるいは印刷用凸版材料、印刷回路基板製造用
のレジスト材料等、広範囲に利用可能な、光硬化性樹脂
組成物、及びそれをもちいて成形した未硬化の、光硬化
性樹脂組成物成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光硬化性樹脂組成物は、活性光線
の非照射下では、室温付近で長期間安定であり、しかも
活性光線照射下では室温付近の低温で、短時間で硬化し
た成形体を与える事、あるいは、画像を形成できる事な
どの利点があり、塗料、インキ、コーティング剤、電気
絶縁ワニス、印刷回路基板製造用レジスト材料などとし
て、広く使用されている。これら材料は一般に室温で液
状あるいは固体状の組成物として供給され、使用されて
いる。
【0003】液状感光性樹脂組成物は、組成物の調製が
比較的容易に行う事ができる点で有利である反面、例え
ば印刷回路基板製造用フォトレジストとして使用した場
合、液状であるために、レジスト塗布後の基板を積み重
ねて一時保存できない、あるいは露光時に原画を密着し
て露光出来ない等の問題を持っている。また、例えば電
子部品などの封止材料として使用する場合、一定量の感
光性樹脂組成物を計量し、所望の形状の容器に注入し、
そのままの状態で活性光線を照射して硬化する必要があ
り、煩雑かつ不経済であるばかりでなく、例えばここで
用いた所望の形状の容器が金属などの光不透過性材料で
出来ている場合、開口部もしくはその付近しか光が照射
されず、この部分しか硬化されない為、その大きさ、形
状が制限される等の理由から、必ずしも広く利用されて
いるとは言いにくい。
【0004】他方、室温で固体の感光性樹脂組成物を、
低沸点の溶媒に溶解した、溶液状感光性樹脂組成物も広
く実用に供されており、この場合、使用に先立ち溶媒を
除去、乾燥して使用する必要がある。例えば印刷回路基
板製造用フォトレジストとして用いる場合、直接基板に
塗布した後乾燥するか、あるいはポリエステルフィルム
等の一時的支持体の上に塗布乾燥して、フィルム状レジ
ストとしたのち、基板にラミネートして次行程に供され
るのが一般的であり、溶媒の除去、乾燥に時間がかかる
だけでなく、溶媒による環境問題、あるいは乾燥行程で
の気泡などの欠陥発生の問題が避けられない。また、例
えば凸版印刷用固形状感光性シートのように、比較的厚
く、また、厚み精度の高いシート状材料が必要な場合、
溶媒の除去、乾燥を気泡の発生無く、経済的に行う事は
至難であり、さらには乾燥行程での収縮、表面張力、乾
燥のための熱風などに起因した厚み精度の乱れを回避す
るのが難しく、特別の工夫、大がかりな装置が必要とな
る。ましてや、複雑な形状の電子部品の封止などに用い
るのに、溶液状の感光性樹脂組成物が適しているとは到
底言い難い。
【0005】これら欠点を除くべく、特に凸版用、固形
状感光性シートの分野では、実質的に無溶媒の状態で感
光性樹脂組成物を調製し、高温での溶融成形を行うなど
の努力がなされている(例えば特開昭62−13884
5;63−8648;64−131548など)。しか
しながら、光重合性組成物は、本来熱重合性を有してお
り、とくに光重合性組成物として実用的なレベルに高い
感光性の組成物は一般に熱重合速度も早く、高温で連続
して安定に溶融成形する為には組成上、および装置上の
多くの工夫が必要となる。また、たとえ室温での十分な
感光性と、溶融成形可能な高温での粘度安定性を兼ね備
えた、室温で固体状の組成物がえられたとしても、口金
からの吐出後、室温で流動性が無くなるまで固化するの
に比較的長時間を要し、生産性に問題が有るばかりでな
く十分な厚み精度のシートを得るための、特別の工夫が
必要である。またこれら組成物は、たとえ高温に加熱し
ても、電子部品の封止等に用いる場合の脱泡等を行うに
十分な程に低粘度には成り難く、併せて型から取り外せ
るまでに固化するのに長時間かかるために、これら用途
には実用に供されていないのが実状と言える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
上記したような従来技術の欠点を回避するために成され
たものであり、加熱する事によって実質的に無溶媒下で
安定して溶融状態を保つ事が出来、しかも室温に冷却す
れば速やかにゲル化して、自己形態保持性を有する固形
状態となる光硬化性ゲル状組成物、及び、該ゲル状組成
物を所定の形状に成形して得られる、未硬化の光硬化性
樹脂成形体を提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の光硬化性ゲル状組成物は、 (1)(A)アイソタクチック部分とシンジオタクチッ
ク部分とを有するメタクリル酸メチル重合体、(B)分
子内にすくなくとも1個のエチレン系二重結合を有する
光重合可能なエチレン系不飽和化合物、及び(C)光重
合開始剤を含む、加熱及び冷却することによって可逆的
かつ速やかにゲル/ゾル転移させることができることを
特徴とする、室温において固体状である光硬化性自己形
態保持性ゲル状物質、 (2)上記(1)で述べた、該光硬化性自己形態保持性
ゲル状物質が更に、分子内に少なくとも2個のエポキシ
基を有する化合物を含有することを特徴とする、室温に
おいて固体状である光硬化性自己形態保持性ゲル状物質
、 (3)上記(1)及び(2)で、該光硬化性自己形態保
持性ゲル状物質が更に、油ゲル化剤を含むことを特徴と
する、室温に放置したときにエチレン系二重結合を有す
る化合物あるいはその他の液状成分のしみだしの少ない
室温においてゲル状の光硬化性樹脂組成物、あるいは(
4)上記(1)−(3)で、アイソタクチック部分とシ
ンジオタクチック部分とを有するメタクリル酸メチル重
合体の、アイソタクチック部分またはシンジオタクチッ
ク部分の少なくとも一方がブロック状のメタクリル酸メ
チル重合体部分を含み、かつメタクリル酸メチル以外の
他のモノマーとの共重合体であることを特徴とする、室
温に放置したときにエチレン系二重結合を有する化合物
あるいはその他の液状成分のしみだしの少ない室温にお
いてゲル状の光硬化性樹脂組成物、であることを特徴と
しており、さらに本発明は、 (5)上記(1)−(4)で述べたゲル状物質を成形す
ることによって得られる、室温において自己形態保持性
を有する未硬化の感光性樹脂組成物成形体、を供するも
のであり、さらに (6)上記(5)記載の未硬化の感光性樹脂組成物成形
体をそのままの状態または再溶融した状態で、活性光線
を照射することを特徴とする硬化成形体の製造方法、(
7)上記(5)記載の未硬化の感光性樹脂組成物成形体
の一部を遮蔽性物体で遮蔽したのちに、活性光線を照射
し、次に活性光線未照射部分を除去することを特徴とす
る硬化成形体の製造方法、 (8)上記(6)で、活性光線を照射後にさらに加熱す
ることを特徴とする硬化成形体の製造方法、および、(
9)上記(7)で、活性光線を照射し、次に活性光線未
照射部分を除去した後にさらに加熱することを特徴とす
る硬化成形体の製造方法、を提供するものである。
【0008】アイソタクチックメタクリル酸メチル重合
体と、シンジオタクチックメタクリル酸メチル重合体と
の混合物が、高分子錯体を形成することは古くからしら
れている。また、このような高分子錯体の工業的利用方
法も、これまでいくつか提案されている。
【0009】例えば、特公昭53−40615号、同5
5−28054号または特開昭62−254142号に
おいては、溶媒の非存在下で形成されたアイソタクチッ
ク体とシンジオタクチック体との高分子錯体を主成分と
した、光分解型(ポジ型)のパターン形成用放射線感応
性高分子組成物が提案されている。
【0010】また、溶媒等の存在下でアイソタクチック
体とシンジオタクチック体のメタクリル酸メチル重合体
の高分子錯体を形成させることによって得られるゲル状
物質を利用または経由する例としては、例えば、有機電
解電池に関するもの(特開昭55−21862号)、抗
凝血性材料に関するもの(特開昭48−55946号)
、半透膜または、分離膜材料に関するもの(特開昭50
−128773号等)等を挙げる事が出来る。溶媒等の
存在下でアイソタクチック体とシンジオタクチック体の
メタクリル酸メチル重合体の高分子錯体を形成すること
によって得られるこの組成物は、そのゲル融点の前後で
可逆的にかつ迅速にゲル/ゾル転移することが知られて
いる(Journal  of  Applied  
PolymerScience,Vol.20,177
5−1785(1976)参照)。
【0011】本発明者は、重合性不飽和二重結合を持つ
液状モノマーあるいはオリゴマー中、あるいはこれにエ
ポキシ化合物を加えた混合物中にアイソタクチック体と
シンジオタクチック体のメタクリル酸メチル重合体を混
合して、該モノマー中で高分子錯体を形成させることに
よって、可逆的にかつ迅速にゲル/ゾル転移させること
ができる、常温で固体状であり自己形態保持性を有する
ゲル状組成物が極めて広範囲の用途に応用可能であると
いうことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0012】本発明の感光性ゲル状物質を、未硬化のゲ
ル状成形体に成形するには、目的とする未硬化成形体が
フィルム状等の、厚さの薄いものである場合には、例え
ば溶媒等を用いて乾燥行程を経る事によって行う事が出
来るのは勿論である。しかしながら、環境問題等を考慮
すれば、本発明の未硬化成形体の成形は、無溶媒下で行
うのが好ましい。さらにまた、感光性ゲル状物質に沸点
の低い成分が含まれていると、臭気等の問題が有るばか
りでなく、成形行程中での発泡等の問題が起こるので好
ましくない。したがって、感光性ゲル状物質を調製する
際に使用される成分は好ましくは沸点が100℃以上で
ある事が好ましい。また、本発明組成物の固化は通常、
室温あるいはそれ以下に冷却することにより容易に行わ
れるが、例えばシート状に成形する場合ゲル化が遅いと
厚み精度の十分なシートが得られ難く、また、例えば電
子部品等の封止に用いる場合には、ゲル化が遅いと型か
ら取り外すのに時間がかかり経済的でなく、さらにはプ
リント基板製造用レジストとして使用する場合、基板塗
布後のゲル化が遅いと、原図を密着させて露光するまで
に長時間を要しいずれも実用に供し難い。したがって本
発明の感光性ゲル状樹脂組成物は室温でのゲル化時間を
30分以下に調製する事が望ましい。ゲル化時間の調節
は、主としてエチレン系不飽和化合物を適宜選択、配合
することによって可能であるが、メタクリル酸重合体成
分が3重量%以下では室温で形態保持性のある成形体を
得る事が困難な場合がある。従って、メタクリル酸重合
体成分の配合割合は、3重量%以上が好ましく、5重量
%以上が更に好ましい。
【0013】本発明組成物は、無溶媒下で特殊な設備を
使用する事無く、容易に、しかも気泡等の無いゲル状成
形体を与える事を目的とする。ゲルを溶融するに必要な
温度が高いとエチレン系不飽和化合物の熱重合が起こり
易く、安定な溶融状態を保ち難くなるだけでなく、微量
の、例えば水分などの揮発成分に起因した気泡が混入し
易くなるので、本発明のゲル状組成物のゲル溶融温度は
150℃以下、好ましくは130℃以下である事が望ま
しい。また、溶融時の粘度は、その用途や態様によって
広範囲に調製する事が出来るが、10000ポイズ以上
になると、溶解、吐出、成形時に、大がかりな設備が必
要となり、また、例えば注型作業が必要な場合には、気
泡の混入なく行う事が困難となり、汎用に供し難い。従
って、本発明の感光性樹脂組成物の溶融粘度は150℃
好ましくは130℃で10000ポイズ以下に調整する
ことが望ましい。この場合、溶融粘度は、選択されるエ
チレン系不飽和化合物、その他の添加剤にも依存するが
、通常はメタクリル酸重合体の配合割合が70重量%以
上では上記の値を得る事が困難となる。従って本発明の
感光性ゲル状組成物中のメタクリル酸重合体の配合割合
は通常は70重量%以下、好ましくは50重量%以下の
範囲から選択される。
【0014】本発明に使用されるメタクリル酸メチル重
合体のアイソタクチック部分とシンジオタクチック部分
との比は通常核磁気共鳴スペクトルから計算することが
できるが、トライアッドの値で示せばほぼ0.1−10
の間にあって、アイソタクチック部分とシンジオタクチ
ック部分とを合わせた割合が、ヘテロタクチック部分よ
り多ければ良い。このような条件を満たす重合体組成物
を工業的に有利に製造する一例を示せば、アイソタクチ
シティーが比較的高い重合体と、シンジオタクチシティ
ーが比較的高い重合体とを混合することによって、容易
に製造することが出来、アイソタクチック重合体はそれ
ぞれ従来公知の方法で製造されるもので良い。以上のよ
うな条件を満たすメタクリル酸メチル重合体組成物の製
造法は前記の例に限定されるものではなく、勿論単独の
重合体でも良い。また、メタクリル酸メチル重合体とし
ての前記の条件を満たすものであれば、メタクリル酸メ
チル以外の他のモノマーを一部共重合したものであって
もよい。即ち、メタクリル酸メチル重合体として、アイ
ソタクチシティーとシンジオタクチシティーとの割合を
乱さぬ程度の量の、通常はメタクリル酸メチルを基準と
して10モル%以下の他のコモノマーを含有するものを
用いることができる。このコモノマーとしては、メタク
リル酸メチルと共重合可能なすべてのビニルモノマーを
用いることができる。かかるビニルモノマーの例として
は、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n
−ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、グリセリンモノメタクリレート、ポリエチレン
グリコールメタクリレート、メチルビニルケトン、メチ
ルイソプロペニルケトン、N−ビニルピロリドン、ダイ
アセトンアクリルアミド、無水マレイン酸、イタコン酸
ジメチル、酢酸アリル、アクリル酸、メタクリル酸、ア
ルファークロルアクリル酸、アルファーエチルアクリル
酸、アルファーシアノアクリル酸、アリルカルボン酸、
クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸およびそれらのナ
トリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ジエチルア
ミン塩、ピリジン塩、キノリン塩、テトラメチルアンモ
ニウム塩など、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、
メタリルスルホン酸、パラスチレンスルホン酸、3−メ
タクリロキシプロパンスルホン酸、3−アクリロキシプ
ロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸、およびこれらのナトリウム塩、カリ
ウム塩、アンモニウム塩、ジエチルアミン塩、ピリジン
塩、キノリン塩、テトラメチルアンモニウム塩などが挙
げられる。なおこのほかにエチレングリコールジメタク
リレート、メチレンビスアクリルアミド、トリアリルシ
アヌレートなどの多官能性ビニルモノマーを共重合成分
として併用することは得られる重合体が重合性モノマー
に対して可溶性を失わない限りにおいて差し支えない。
【0015】本発明のアイソタクチック部分とシンジオ
タクチック部分とを有するメタクリル酸メチル重合体を
含むことからなる室温で自己形態保持性の光硬化性ゲル
状物質は従来の方法による欠点を解決し、きわめて有用
なものである。
【0016】更に、メタクリル酸メチル重合体として、
アイソタクチック部分又はシンジオタクチック部分の少
なくとも一方が、ブロック状のメタクリル酸メチル重合
体部分を含むメタクリル酸メチル以外の他のモノマーと
の共重合体であるものを用いると、未硬化成形体中に含
有される液状成分のしみだしを効果的に防止することが
でき、本発明のゲル状物質の性質が更に改良される。
【0017】このような重合体としては、公知のメタク
リル酸メチルブロック共重合体、グラフト共重合体があ
る。これら重合体の合成は古くから多くの例が知られて
おり、例えば共重合モノマーとしてスチレンを取り上げ
ればポリスチレンをアルキル化したのち過酸化物でヒド
ロペルオキシド基を導入後、メタクリル酸メチルを重合
すればブロック状のメタクリル酸メチル重合体部分を含
むグラフト重合体が得られるし、スチレンをリビング重
合したのちメタクリル酸メチルを重合させればブロック
状のメタクリル酸メチル重合体部分を含むブロック重合
体が得られる。これら旧来の方法によるブロックまたは
グラフト共重合体のほかに、近年盛んに行われているい
わゆる“マクロモノマー”法による重合体を挙げること
ができる(東亜合成化学のカタログ「マクロモノマー/
反応性高分子」及び「レセダーRESEDA/マクロモ
ノマー法:くし型グラフトポリマー」を参照)。“マク
ロモノマー”法によれば容易に、しかも多種類のブロッ
ク状のメタクリル酸メチル重合体部分を含むブロック共
重合体あるいはグラフト共重合体が得られる。“マクロ
モノマー”としては多種のものが知られており、すでに
いくつかのものが市販されている。そのうちメタクリル
酸メチル重合体鎖をもつ“マクロモノマー”としては例
えば東亜合成化学株式会社製“マクロモノマー”グレー
ド番号、AA−6、HA−6、CA−6などがあり、A
A−6はメタクリル酸メチルモノマーと同様に既に挙げ
た多種類のモノマーと共重合してポリメタクリル酸ブロ
ックをもつ多種類の共重合体を与え、そのうちのいくつ
かは例えば“レセダ”GP−100、GP−200、G
P−300(いずれも東亜合成化学製)として市販され
ている。またHA−6、CA−6は例えばジオール類、
ジカルボン酸類と縮合させてポリメタクリル酸ブロック
をもつポリエステル類を与えるし、またイソシアネート
類と反応させてポリメタクリル酸ブロックをもつポリウ
レタンあるいはポリアミドを与える。さらには酸無水物
、グリシジル基等の水酸基、カルボン酸基などと反応す
る官能基をもつポリマーと反応させてポリマー中にポリ
メタクリル酸ブロックを導入でき、これらはいずれも本
発明に用いることができる。
【0018】本発明において光硬化性成分として使用さ
れるエチレン系不飽和化合物は目的とする未硬化ゲルの
要求特性に応じて、また使用するメタクリル酸メチル重
合体との組み合わせで、適宜選択されるものであり、特
に限定されない、原則的には分子内に少なくとも1個の
エチレン性二重結合を有する光重合可能な化合物であり
、公知の化合物がすべて使用できるものであるが、例え
ば各種のモノアクリレートないし、モノメタクリレート
の他にアルキレングリコールとアクリル酸、メタクリル
酸等の不飽和カルボン酸の反応、エポキシ化合物とアク
リル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸との反応お
よび得られた反応物とカルボン酸無水物との反応、不飽
和エポキシ化合物とカルボン酸、不飽和カルボン酸、ア
ミン類の反応によって合成されるところのモノあるいは
多価アクリレート、モノあるいは多価メタクリレート、
さらにはモノあるいは多価アクリルアミドないしモノあ
るいは多価メタクリルアミド、ウレタン系あるいはエス
テル系オリゴマーのモノあるいは多価アクリレート、モ
ノあるいは多価メタクリレートさらには液状ゴムまたは
ポリエンオリゴマーとして知られるポリブタジエン、ポ
リイソプレンあるいはこれら液状ゴムの変性物等が使用
されるが、これに限定されない。また、これらエチレン
系不飽和化合物は、単純で使用しても良いが目的とする
要求特性、あるいは使用するメタクリル酸メチル重合体
との相溶性、ゲル形成性などの観点から、適宜混合して
、使用することができる。これらエチレン系不飽和化合
物の配合割合は、特に限定されないが、通常は97−1
0重量%、好ましくは95−30重量%である。
【0019】これらエチレン系不飽和化合物は、光硬化
性を付与するために、光重合開始剤が併用される。光重
合開始剤としては従来公知のすべての光重合開始剤を使
用できるが、例えばベンゾフェノン類、ベンゾイン類、
アセトフェノン類、ベンジル類、ベンゾインアルキルエ
ーテル類、ベンジルアルキルケタール類、アントラキノ
ン類、チオキサントン類等が好ましく挙げられる。感光
性樹脂組成物への配合割合は、全組成物を基準にして0
.01−10重量%が好ましい。またこれらエチレン系
不飽和化合物は適宜、重合禁止剤を併用することが、好
ましい。これら重合禁止剤としては従来公知のすべての
禁止剤を使用することができる。好ましい重合禁止剤と
しては、フェノール類、ハイドロキノン類、カテコール
類などが挙げられる。感光性樹脂組成物への配合割合は
、全組成物を基準にして0.001−5重量%が好まし
い。
【0020】本発明においては、硬化物の接着性、耐熱
性等の特性を改善するために他の熱硬化性成分、例えば
エポキシ化合物を適宜配合することが出来る。このよう
な目的に使用されるエポキシ化合物は目的とするゲル状
組成物あるいは硬化物の要求特性に応じて、また使用す
るメタクリル酸メチル重合体との組み合わせで適宜選択
されるものであり特に限定されない。原則的には使用さ
れるエポキシ化合物のうちの少なくとも一部が分子内に
少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物であれば公
知の化合物がすべて使用できるものであり、例えばビス
フェノールAあるいはノボラック樹脂から誘導されるグ
リシジルエーテル類、ダイマー酸グリシジルエステル等
のグリシジルエステル類、グリシジルアミン類、脂環族
エポキサイド、線状脂肪族エポキサイド等をあげること
ができ、これらは単独あるいは混合して使用できる。な
お、これらエポキシ化合物を本発明の一成分として用い
る場合、エポキシ樹脂硬化剤を併用する必要がある。こ
のように併用されるエポキシ樹脂硬化剤としては、公知
の付加重合型の硬化剤あるいは重付加型の硬化剤及び併
用して用いられる硬化助触媒があるが、本発明で特に好
ましく用いられる硬化剤は一般に潜在性硬化剤と言われ
る硬化剤がよい。これら潜在性硬化剤としては三フッ化
ホウ素アミン錯塩類、イミダゾール誘導体、ジシアンジ
アミド及びその誘導体、有機酸ヒドラジド類、ジアミノ
マレオニトリル及びその誘導体、メラミンおよびその誘
導体、アミンイミド類、ジメチル尿素類、粉末状アミン
類のイソシアネート処理物等をあげられる。さらに潜在
性硬化剤として市販されているその他の各種硬化剤、例
えば旭化成社から市販されている商品名ノバキュア、味
の素社から市販されている商品名アミキュアなどが使用
できる。エポキシ化合物を本発明組成物中に含ませる場
合には、その配合割合は、組成物の用途等によって異な
るが、一般に、全組成物を基準として5〜85重量%、
好ましくは10〜75重量%とする。
【0021】本発明の硬化性ゲル状組成物には、さらに
必要に応じて硫酸バリウム、酸化珪素、タルク、クレー
、炭酸バリウムなどの公知の充填剤、フタロシアニング
リーン、酸化チタン、カーボンブラックなどの公知の着
色剤、油ゲル化剤、レベリング剤、密着性向上剤、揺変
剤、可塑剤、モノエポキサイド等の反応性希釈剤等が添
加される。
【0022】これら添加剤のうち特に有用なものとして
、油ゲル化剤が挙げられる。即ち、本発明組成物中に油
ゲル化剤を併用することにより、効果的にゲル状成形体
からの、液状物のしみだしを防止する事ができる。この
ような目的に使用できる油ゲル化剤としては公知の油ゲ
ル化剤、例えばN−アシルアミノ酸アミン塩類、N−ア
シルアミノ酸エステル類、N−アシルアミノ酸アミド類
、12−ヒドロキシステアリン酸、ベンズアルデヒドと
多価アルコールの縮合物、あるいは多糖アシル化物など
を使用することができる。具体的には、N−アシルアミ
ノ酸アミン塩類、N−アシルアミノ酸エステル類、N−
アシルアミノ酸アミド類としては、アミノ酸部にグリシ
ン、アラニン、セリン、フェニルアラニン、システィン
、メチオニン、アミノカプロン酸、リジン、オルニチン
、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸等が好ま
しい。N−アシル基としては、炭素数1−30の直鎖及
び分枝の飽和ないし不飽和の脂肪族アシル基または芳香
族アシル基であれば良く、特にカプロイル基、カプリロ
イル基、ラウロイル基、ミリストイル基、ステアロイル
基等がよい。エステル化に使用するアルコールは炭素数
1−30のアルコールが良く特にオクチルアルコール、
ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルア
ルコール、イソステアリルアルコール等が良い。アミド
化、アミン塩に使用するアミン塩は、アンモニアおよび
、炭素数1−60の1、2級アミン、モノ、ジアルコー
ルアミン、アミン塩に於いては3級アミン、トリアルコ
ールアミン等が使用出来る。ベンズアルデヒドと多価ア
ルコールの縮合物に用いられる多価アルコールとしては
、4価以上のものであればよく、ソルビトール、キシリ
トール、マントニール等が挙げられる。また、ペンタエ
リスリトールも使用できる。多糖アシル化物としては、
セルロース、デキストリン等の多糖と炭素数8−18の
脂肪酸との脱水縮合物が使用できる。その他、使用でき
るものとして12−ヒドロキシステアリン酸がある。こ
れらの油ゲル化剤の使用量は0.1−20重量%である
。0.1%以下ではしみだし防止効果が十分で無く、ま
た、20%以上では得られるゲルが脆くなる。
【0023】前述したアイソタクチック部分又はシンジ
オタクチック部分の少なくとも一方が、ブロック状のメ
タクリル酸メチル重合体部分を含むメタクリル酸メチル
以外の他のモノマーとの共重合体であるメタクリル酸メ
チル重合体を用い、更に上記の油ゲル化剤を併用するこ
とによって、液状成分のしみだしをより効果的に防止し
、本発明のゲル状物質の特性を更に改良することができ
る。
【0024】本発明の、未硬化の感光性樹脂組成物成形
体の形状及びそれを得るための成形方法は、その使用目
的、所望の形状等に応じて適宜決められるものであり、
特に限定されるものではない。印刷用凸版材料として使
用する場合には、適当な支持体の上に所望の厚さのシー
トを成形すれば良いし、印刷基板製造用のフォトレジス
トとして用いる場合には、一時的な支持材の上にフィル
ムを形成したのち、印刷基板用基材に転写しても良いし
、基材上に直接塗布しても良いし、さらには、溶融した
感光性樹脂組成物に基材を浸積したのち引き上げる方法
も本発明における成形方法に包含されるものである。 電子部品等の封止の場合には、溶融した感光性樹脂組成
物を、金型に直接注入する事もできるし、金型の開口部
が広い場合、あるいは金型を用いない場合には、感光性
樹脂組成物を一旦シート状に成形した後、適当な形状、
大きさに裁断したのち、封止すべき部品上に配置し、温
度を上げて、ゲル状組成物を融解させて、所望の形状に
した後、室温に戻して再びゲル化させる事もできる。ま
た、接着剤あるいはシーリング材として本発明の未硬化
感光性樹脂成形体を用いる場合には、一時的支持体上に
フィルム状あるいはシート状に成形した本発明成形体を
適当な形状に裁断した後、シールあるいは接着すべき対
象物に転写する方法が好ましい。なお、適当な画像状フ
ィルムあるいはシート状に成形して用いるのが望ましい
場合には、スクリーン印刷機等を用いる事もできるし、
一旦均一なフィルム状もしくはシート状に成形した後、
キスカットして用いても良いし、不要部分をゲル融解点
以上に加熱した後、取り除いて用いる事もできる。さら
に、不要部分をネガ原図等を通して硬化したのち、未硬
化の必要部分を加熱溶解して対象物に転写することも可
能である。このような方法は本発明組成物が明確、鋭敏
なゲル溶融点を有し、溶融状態において低い溶融粘度を
有するように調整することができるという利点を生かし
て、初めて可能となるものである。
【0025】上記の記載から明らかなように、本発明に
おける「成形方法」及び「成形体」の概念には、ゾル状
に溶融している状態で、支持体上に流延したりまたは所
定の形状を有する場所に流し込んだりした後、室温に冷
却してゲル化すること及びそれによって得られる成形体
に加えて、一旦シート状等の形状に成形したものを所定
の場所に配置し、溶融させることによってその部分の形
状に適合させた後に室温に冷却して再度ゲル化させるこ
と及びそれによって得られる所定形状のゲル状成形体を
も包含するものである。
【0026】本発明のゲル状未硬化成形体は加熱/冷却
により容易にゾル/ゲル転移させる事が出来、また、ゾ
ルの粘度を用途に合わせて広い範囲に調節する事ができ
る。また、本発明のゲル状未硬化成形体は、通常室温で
は粘着性が無く、極めて取扱い易い。例えばフィルム状
接着剤として用いる場合、離形紙上から接着対象物へ手
、衣服等を汚す事無く容易に転写できるし、鋏等で任意
の形状に切りとる事もできる。また、例えば電子部品の
封止に用いる場合、シート上の成形体から必要量を自動
的に切りとってフィードすることも容易である。
【0027】本発明のゲル状物質は、可逆的にゲル/ゾ
ル転移させることができるという有利性を有しているの
で、その使用態様に応じて、極めて広範囲な適用が可能
であり、また、その溶融状態における溶融粘度を任意に
調節することができるので、種々の態様が可能となる。 例えば、一旦成型した成型体の不要な部分を局部的に加
熱、溶融させて除去することによって、所望形状の成型
体を得ることができる。また、常温ではゲル状であるの
で、例えばフィルムを基板上に形成させた状態(未硬化
状態)で移送したり積層したりすることができ、また、
例えばフィルム状に成型したものを切断加工等の極めて
簡便な手段によって複雑な形状のものにすることができ
る。更に、例えばICチップを回路板の所定の位置に装
着し封止するというような複雑な形状のものを得る場合
などには、予めフィルム状に成型したゲル状組成物を小
片状に切断したものを所定の位置に配置し、熱をかけて
溶融させてその部分の形状に適合させた後に再ゲル化さ
せることによって容易に成型体を得ることができる。こ
のように固体状のものを配置する方が、液体状のものを
一定量分配するよりも操作が簡便であり、自動化が容易
である。
【0028】本発明のゲル状の未硬化成形体の光による
硬化は、通常、200−600nmの波長を持つ光によ
って行われる。好ましい光源として例えば高圧水銀灯、
メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯
、ケミカル灯等がある。
【0029】本発明の、未硬化の感光性樹脂組成物成型
体の活性光線による硬化は、各種方法を用いて行なうこ
とが出来る。凸版印刷用刷版あるいは印刷回路用フォト
レジストとして使用する場合には、原図を用いて画像状
に露光、硬化したのち、未露光部分を溶媒等を用いて除
去して像状の硬化成型体を作成することができる。また
、電子部品等の封止の場合には、型枠内で溶融した状態
で露光・硬化しても良いし、ゲル化させたのち露光・硬
化しても良い。とくに本発明成型体にとって好ましい方
法として、ゲル化したのち、型枠から取り外して露光す
る方法があげられる。このような方法を取れば、型枠を
繰り返し使用することができ、工程を連続化することが
容易であり、さらには活性光線が細部まで到達し、複雑
な形状のものも容易に硬化出来るという利点がある。 フィルム状あるいはシート状の接着剤として使用する場
合には、対象物の間に、フィルムあるいはシートをはさ
んだのち、加熱、加圧してゲル状物を一旦溶融させたの
ち溶融状態で活性光線を照射しても良いし、再度、冷却
してゲル化させたのち、活性光線を照射しても良い。ま
た、本発明の光硬化性組成物中にエポキシ化合物を配合
する場合には、光によって硬化させた後、エポキシ樹脂
の硬化温度以上に加熱することによってエポキシ樹脂を
より完全に硬化させることが好ましい。かかる加熱工程
の条件は、配合するエポキシ樹脂の種類、配合量等によ
って異なるが、一般に、温度は通常100℃〜200℃
、好ましくは120℃〜180℃であり、加熱時間は通
常30分以上、好ましくは1時間以上である。
【0030】本発明の光硬化性ゲル状物質は、室温にお
いてゲル状であるので、例えばある程度の大きさを有す
る成型体を光硬化させる場合においても、常温で液体状
のものとは異なり、成形型から取り外して四方から光を
照射して硬化させることができる。また、未硬化状態に
おいては容易にかつ速やかにゲル/ゾル転移させること
が可能であるので、前記のように、不要な部分を遮蔽し
て光を照射し硬化させた後、不要な未露光部分を溶融さ
せて容易に除去することができ、したがって、任意の所
望形状の硬化成型体を得ることが可能である。また、こ
のような部分露光を行う場合には、常温でゲル状である
ので、原図を成型体に密着させて露光することができ、
極めて正確な部分露光を行うことができる。この操作を
、ゲル状物質の成型の際の前記操作と組み合わせれば更
に複雑な形状の硬化成型体を得ることが可能になる。
【0031】
【実施例】以下実施例で本発明をさらに詳しく説明する
。以下の実施例で使用される「部」は、全て重量部であ
る。また、アイソタクチックメタクリル酸メチル重合体
としては、フェニルマグネシウムプロマイドを開始剤と
したアニオン重合によって製造したGPCによる重量平
均分子量約32万のものを用いた。シンジオタクチック
ポリメタクリル酸メチルとしては実施例中で特に断りの
無い限りアゾビスイソブチロニトリルを触媒としてラジ
カル重合によって調製した、GPCによる重量平均分子
量が約10万のものを用いた。
【0032】実施例1 アイソタクチックポリメタクリル酸メチル2部、シンジ
オタクチックポリメタクリル酸メチル10部を、メタク
リル酸メチルモノマー48部に、0.06部のハイドロ
キノンの存在下に、加熱して溶解し、2,2−ジメトキ
シ−2−フェニルアセトフェノン0.9部を加えて感光
性組成物とした。この組成物はゲル流動温度が約80℃
であり、室温に冷却するとゲル状物を与えた。
【0033】得られた感光性組成物を、100℃に加熱
して均一で透明なゾル状物にしたのち、厚さ50μのポ
リエステルフィルム上に厚さ1mmのスペーサーを用い
て、ドクターナイフを用いて流延した。室温放置約2分
後に流延した感光性組成物はゲル化した透明な感光性組
成物のシート状物を与えた。
【0034】得られたゲル化シートのポリエステルフィ
ルム面側からオーク社製ジェットプリンターJP−20
00を用いて、20mJ/cm2 で、全面裏露光を行
なってレリーフ像用の基部を形成した後、感光性ゲル組
成物の表面に、ネガ原図を密着させて、ネガ原図を通し
て200mJ/cm2の露光を行なった。
【0035】ネガ原図を取り除いたのち、約120℃に
保持したホットプレート上に、露光済のシートを、ポリ
エステルフィルム面をホットプレート面に接するように
して置き、さらに、感光性組成物面に、吸収紙(十条キ
ンバリー社製キムワイプ、ワイパーS−200)を数枚
折りたたんだものを、軽く圧着して約2分間保持した。 約2分後、吸収紙の上から、ゴムロールで軽く数回往復
してロールがけしたのち、吸収紙を引き剥したところ、
溶融した未露光部の感光性樹脂組成物はほぼ完全に吸収
紙に吸収され、鮮明なポジ画像のレリーフ像が得られた
【0036】次に、同様に作成した別の未露光のゲル化
シートの表面および裏面から、各々850mJ/cm2
 づつ露光して光重合させたのち、得られたシートを沸
騰水中に入れ、20時間浸積して、耐水性を見た。沸騰
水中で20時間煮沸後の重量変化(増加)は、0.36
%であった。
【0037】実施例2 アイソタクチックポリメタクリル酸メチル2.5部、シ
ンジオタクチックポリメタクリル酸メチル12.5部、
ヒドロキシエチルメタクリル酸59.5部、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート25.5部をとり、ハ
イドロキノン0.1部を加えて120℃に加熱して均一
な組成物とし、100℃に冷却したのち、2,2−ジメ
トキシ−2−フェニルアセトフェノン1.5部を加えて
、感光性組成物とした。得られた感光性組成物を、実施
例1と同様にして、ポリエステルフィルムに流延し、室
温で2分間放置して感光性ゲル状シートを得た。得られ
た感光性ゲル状シートのゲル流動温度は約70℃であっ
た。
【0038】得られた感光性ゲル状シートから、実施例
1と同様な操作によって、鮮明なポジ画像のレリーフ像
が得られた。
【0039】次に、同様にして作成した別の未露光のゲ
ル化シートの表面および裏面から各々850mJ/cm
2 づつ露光をして光重合させたのち、得られたシート
を沸騰水中に入れ20時間浸積して、耐水性を見た。沸
騰水で煮沸後の重量変化(増加)は、0.56%であっ
た。
【0040】実施例3 実施例2で得られた感光性樹脂組成物を、厚さ1mmの
透明なポリメチルメタクリレート板の上に、実施例1と
同様にして流延し、ゲル状感光性シートを得た。
【0041】得られた感光性シートに、ネガ原図を密着
させて200mJ/cm2 の露光を行ったのち、75
℃に保った温水浴中でナイロン製ブラシを用いて表面を
軽くこすった。未露光部の感光性樹脂組成物は、容易に
取り除かれ、鮮明なポジ画像のレリーフ像が得られた。
【0042】実施例4 実施例2で、ヒドロキシエチルメタクリル酸のうちの3
部をアクリル酸に置き換えた他は、実施例2と同様にし
て感光性樹脂組成物を得た。
【0043】得られた感光性樹脂組成物を、80℃に加
熱して、液状となしたのち、この中へあらかじめ80℃
に加熱した、直径3mmのスルーホールを持つ厚さ1.
5mmの両面銅張積層板を浸積してのち引き上げ、過剰
の樹脂組成物を、約90°の熱風を用いたエヤーナイフ
で除去したのち、室温に冷却して、厚さ約15μのゲル
状組成物が塗布された積層板を得た。原図を通して、ス
ルーホール部分を含めて両面を、それぞれ200mJ/
cm2 の光量で露光した。露光後の積層板の表面を、
クロロホルム中でナイロンブラシを用いて軽くこすって
現像したところ、スルーホールの内壁部を含めて露光部
分にのみ、硬化した組成物が残存し、鮮明な画像が得ら
れた。
【0044】実施例5 実施例4の感光性樹脂組成物に、スペーサー粒子として
粒径10〜15μの、ジビニルベンゼン重合体粒子(積
水化学製“ミクロパール”)を5重量%添加して分散し
たのち、シリコーン離型紙上に、ドクターブレードを用
いて流延し、室温に冷却して、厚さ約20μのゲル状フ
ィルムを得た。得られたフィルムをシリコン離型紙ごと
、5cm×5cmの正方形に切り取ったのち、ゲル状フ
ィルムの全面を濾紙でおおい、濾紙の上から4cm×4
cmの正方形の、厚さ1cmの、120℃で加熱した鉄
板を押し当てて、ゲル状フィルムの中心部4cm×4c
mの部分を溶融して取り除いた。さらに得られた感光性
ゲル状フィルムの一部をはさみで切り取って、内周へ通
じる空気用通路を設けたのち、6cm×6cm角の厚さ
1mmのガラス板へ転写した。もう一枚の同サイズのガ
ラス板を感光性ゲル状フィルム面に重ね合せたのちその
上に先に用いた鉄板を乗せ、120℃のホットプレート
上で加熱して、ゲル状フィルムが溶融したことを確認し
て、室温に冷却した。そののち水銀灯露光機で400m
J/cm2 の露光を行ない、樹脂組成物を硬化した。 このようにして、外縁に沿って約1.2cmの幅で樹脂
でシールされた、切り取り部分を通じて外部と連絡した
、厚さ約4μの4cm×4cm角の空間部を持つ、液晶
用容器として用いることのできる合せガラスを得た。
【0045】また、上述の方法において、ゲル状フィル
ムの全面を濾紙でおおう代りに、中央に4cm×4cm
の開口部をもつアルミ箔でおおったのち、水銀灯で20
0mJ/cm2 の光量で開口部に相当する部分のみ硬
化させたのち、アルミ箔を取り除き、未硬化部分を12
0℃のホットプレート上で加熱したガラス板に転写し、
その後同一の操作を行なうことにより、同様の合せガラ
スを得た。
【0046】実施例6 アイソタクチックメタクリル酸メチル重合体5部、シン
ジオタクチックメタクリル酸メチル15部を、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート20部、メタクリル酸
6部、及び式CH2 =CHCOOCH2 CH2 O
CONHC4 H9 で示されるウレタンアクリレート
モノマー154部に、ハイドロキノン0.2部を加えて
加熱溶解したのち、2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン3部を加えて感光性組成物とした。この
ものはゲル流動温度約65℃であり、室温に冷却すると
すみやかにゲル化した。
【0047】得られた組成物を、厚さ50μのポリエス
テルフィルム上にドクターブレードを用いてそれぞれ厚
さ約40μのゲル状フィルム(A)及び厚さ約1.5m
mのシート(B)を作成した。
【0048】別途、導通試験用テスト回路と、サイズ約
100μ角の、高さ約30μの金バンプ付きパッドを0
.2mmの等間かくに、1辺当り30個、合計120個
を持った、一辺が0.7cm、厚さが0.3mmの正方
形のテスト用ICチップと、該ICチップのパッド位置
に合せた端子部分を、中央部に透明導電膜(酸化インジ
ウム−錫)で形成した5cm×5cm、厚さ1.1mm
のガラス板、及び中央部を、1.5cm×1.5cm角
に打ち抜いた厚さ2.0mm、サイズ5cm×5cmの
シリコーンゴム枠を用意した。
【0049】ガラス板上の透明導電膜端子部分に、1c
m×1cm角に切り取ったゲル状フィルム(A)を転写
し、その上にテスト用ICチップをバンプが透明導電膜
端子部に合致するよう位置合せしたのち、100℃の金
属製ボンダーヘッドで20Kgの荷重をかけて圧着し、
そのまま30秒経過後、透明導電ガラスの背面から、水
銀灯で400mJ/cm2 の光量で露光して硬化した
。 室温に戻したのち、先に用意したシリコーンゴム枠でI
Cチップのまわりにせきを設けたのち、1.4cm×1
.4cm角に切り取ったゲル状シート(B)をICチッ
プの上に乗せ、ガラス板ごと、100℃に加熱したホッ
トプレート上に置いた。約3分後、ゲル状シートが完全
に溶解したのを確認して室温に戻して、感光性樹脂組成
物をゲル化させたのち、シリコーンゴム枠を取り除き、
水銀灯で400mJ/cm2 の光量で露光して完全に
硬化した。
【0050】このようにしてICチップを実装し、封止
したガラス板上の端子をテスターを用いて導通テストし
たところ、ICチップの全パッドともガラス基板上の端
子に電気的に接続できていることが確認できた。
【0051】実施例7 実施例6で用いたテスト用ICチップに合せて作成した
、12mm×12mm角のデバイスホールと、0.2m
m間かくで合計120本のインナーリードを持つ、外形
35mm角のポリイミド製のテープキャリヤー(ポリイ
ミド厚さ75μ)のインナーリードに、実施例6のテス
ト用ICチップを常法により、一括接続した。別途用意
した、内側サイズ40mm×40mmのアルミ製角型容
器の底部に、35mm角に切り取った実施例6のゲル状
シート(B)を1枚置き、その上にICチップを接合し
たテープキャリヤーを、接合面を下にしておき、さらに
その上にもう1枚のゲル状シート(B)を置いたあと容
器ごと、100℃に加熱したオーブン中で10分間加熱
した。オーブンから取り出し室温に冷却してゲル化させ
たのち、アルミ製容器から未硬化のゲル状感光性樹脂組
成物で封止されたテープキャリヤーを取り外した。
【0052】遮光テープで、ICチップを中心とした1
5mm×15mm角部分を除いて両面をマスキングし、
片面を、各400mJ/cm2 ずつの光量で、両面か
ら露光した。そののち遮光テープを取り除き、100℃
に加熱したホットプレート上におき、溶融した未露光部
分の感光性樹脂組成物を、吸収紙を用いて取り除き、テ
ープキャリヤー上に樹脂封止されたテスト用ICチップ
を得た。
【0053】実施例8 アイソタクチックメタクリル酸メチル重合体(1.66
部)、シンジオタクチックメタクリル酸メチル重合体(
5.00部)およびハイドロキノン(0.06部)をト
リメチロールプロパントリアクリレート(30部)とビ
スフェノールAタイプ  エポキシ樹脂(15部;“エ
ピコート  828”;シェル化学製)の混合物に12
0℃で溶解し、そののち100℃に冷却した。この溶液
に別途用意したジシアンジアミド(0.22部)の“エ
ピコート  828”(0.44部)への分散物(0.
66部)を加え、さらに2,2′−ジメトキシ−2−フ
ェニルアセトフェノン(0.66部)および3−(パラ
−クロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(2.0部
)を加え均一にかき混ぜた後、ガラス板のうえに流延し
冷蔵庫中で冷却して、厚さ5mmの未硬化ゲル状シート
を得た。
【0054】得られた未硬化ゲル状シート5gをはさみ
で切断してアルミ容器(20mm×20mm  角、深
さ  30mm)に取り、100℃の熱板上で加熱し溶
融したのち冷却してゲル化させたのち、ゲル化した樹脂
のうえに小型電子部品のモデルとして10mm×10m
mに切断した厚さ0.7mmのシリコンチップを乗せ、
さらにその上にさきに得た未硬化ゲル状シート5gを乗
せ、120℃のオーブン中で加熱し、ゲルを溶融した。 ゲルが溶融したのちオーブンから取りだし、冷却して溶
融物を再度ゲル化させた。
【0055】アルミ容器からゲル物を取りだし、ゲル物
の周囲を高圧水銀灯で1000mJ/平方センチの光量
で照射したのち、150℃のオーブン中で1時間、17
0℃のオーブン中で2時間加熱して、硬化物を得た。
【0056】高圧水銀灯で照射しなかったゲル物を同様
にしてオーブン中で加熱したが、ゲル物の形状を保った
まま硬化させることは出来なかった。
【0057】実施例9 実施例8で得たゲルシートを加熱して再溶融し、離形紙
上に流延して厚さ約0.5mmの自己形態保持性のゲル
状フィルムを得た。得られたフィルムを高圧水銀灯を用
いて1000mJ/平方センチの光量で露光した。この
ようにして得られた光硬化フィルムを50mm×50m
m角に切りとり、2枚の100mm×100mm角のガ
ラス板の間に挟み込み、1kgの重りを乗せて170℃
のオーブン中で1時間加熱硬化した。樹脂のフローは見
られなかったが、2枚のガラス板は強固に接着され、ガ
ラス板を破損することなく引きはがすことは出来なかっ
た。
【0058】実施例10 アイソタクチックメタクリル酸メチル重合体(4.24
部)、シンジオタクチックメタクリル酸メチル重合体(
12.72部)およびハイドロキノン(0.15部)を
エチレングリコール  ジアクリレート(45.8部)
、“エポキシエステル  3000A”(42.0部;
ビスフェノールA  タイプ  エポキシ樹脂とアクリ
ル酸の反応物;共栄社油脂製)の混合物に120℃で加
熱して溶解し、透明な溶液を得た。得られた溶液を90
℃に冷却したのちヘキサヒドロフタル酸無水物(30.
8部)を添加して2時間反応させ、“エポキシエステル
  3000A”の水酸基をカルボキシル化した。
【0059】反応終了後、別途調製した2,2′−ジメ
トキシ−2−フェニル  アセトフェノン(1.8部)
および3−(パラ−クロロフェニル)−1,1−ジメチ
ル尿素(3.8部)をビスフェノールA  タイプ  
エポキシ樹脂(34.0部;“エピコート  828”
;シェル化学製)に溶解した溶液38.8部を加えたの
ちポリエステルフィルム上に流延し−5℃で1時間冷却
して、厚さ5mmの自己形態保持性の光硬化性のゲルシ
ートを得た。
【0060】得られたゲルシートをポリエステルフィル
ムとともに  25mm×55mmに切断し、ポリエス
テルフィルムの側から100mj/平方センチの光量で
ゲル化シートを部分的に光硬化した。その後、図1に示
したネガ原図をゲルシートの未露光面に密着させたのち
ネガ原図を通して水銀灯で1000mj/平方センチの
光量で露光した。その後、ネガ原図を取り除き、ポリエ
ステルフィルム面を下にしてシートを100℃に加熱し
た熱板上で加熱し、シートの未露光部分を溶解した。
【0061】小型電子部品のモデルとして、10個の、
2mm×2mmに切断した厚さ0.7mmのシリコンチ
ップを、溶解したシートの未硬化部分10カ所のそれぞ
れに埋め込み、室温に放置し冷却した。得られた、未硬
化部分に10個のシリコンチップを埋め込んだシートの
全面を再度水銀灯で1000mj/平方センチの光量で
露光した。全体を、このようにして光硬化した後、15
0℃のオーブン中で2時間加熱して全体を熱硬化し、1
0個のチップが10カ所に封止された成形体を得た。
【0062】実施例11 アイソタクチックメタクリル酸メチル重合体(1.0部
;フェニルマグネシウムブロマイドを開始剤としたアニ
オン重合によって製造したGPCによる重量平均分子量
約32万のもの)、シンジオタクチックメタクリル酸メ
チル重合体(3.0部;東亜合成化学製“レセダ”GP
−100;幹が酸変性アクリル重合体であり、枝がメタ
クリル酸メチル重合体である。)、2,2−ジメトキシ
−2−フェニルアセトフェノン(0.4部)、およびハ
イドロキノン(0.04部)を用いて、表1に示した各
種不飽和化合物(40部)との組み合わせで、120℃
に加熱して溶解し、感光性組成物を調合した。得られた
組成物10gを取り、内径28mmのガラス容器に注ぎ
、冷却して厚さ約10mmの未硬化ゲル成形体を得た。 得られたゲル成形体をガラス瓶に密封して室温に30日
間放置し、しみだした液状物をガーゼでよく拭き取り、
重量を測った。放置前後の重量比は表1に示した通りで
あった。
【0063】 表1、“レセダ”GP−100を用いたゲルの重量変化
(30日放置後の重量/初期の重量)         不飽和化合物           
                       重量
変化    ───────────────────
────────────     CH2=CHCO
OCH2CH2OCOCH2CH2COOH     
               0.99     C
H2=CHCOO(CH2CH2O)4COCH=CH
2                     0.9
8     CH2=C(CH3)CO(OCH2CH
2)4OCH3                  
    0.99     CH2=C(CH3)CO
O(CH2CH2O)4COC(CH3)=CH2  
           0.97     CH2=C
HCOO(CH2CH(CH3)O)2CH3    
                  0.91  ─
─────────────────────────
──────  実施例12 アイソタクチックメタクリル酸メチル重合体(1.0部
;フェニルマグネシウムブロマイドを開始剤としたアニ
オン重合によって製造したGPCによる重量平均分子量
約32万のもの)、シンジオタクチックメタクリル酸メ
チル重合体(3.0部;東亜合成化学製“レセダ”GP
−300;幹がエポキシ変性ポリスチレンであり、枝が
メタクリル酸メチル重合体である。)、2,2−ジメト
キシ−2−フェニルアセトフェノン(0.4部)、およ
びハイドロキノン(0.04部)を用いて、表2に示し
た各種不飽和化合物(40部)との組み合わせで、12
0℃に加熱して溶解し、感光性組成物を調合した。得ら
れた組成物10gを取り、内径28mmのガラス容器に
注ぎ、冷却して厚さ約10mmの未硬化ゲル成形体を得
た。得られたゲル成形体をガラス瓶に密封して室温に3
0日間放置し、しみだした液状物をガーゼでよく拭き取
り、重量を測った。放置前後の重量比は表2に示した通
りであった。
【0064】 表2、“レセダ”GP−300を用いたゲルの重量変化
(30日放置後の重量/初期の重量)         不飽和化合物           
                       重量
変化    ───────────────────
────────────     CH2=CHCO
OCH2CH2OCOCH2CH2COOH     
               0.97     C
H2=CHCOO(CH2CH2O)4COCH=CH
2                     0.8
5     CH2=C(CH3)CO(OCH2CH
2)4OCH3                  
    1.00     CH2=C(CH3)CO
O(CH2CH2O)4COC(CH3)=CH2  
           0.99     CH2=C
HCOO(CH2CH(CH3)O)2CH3    
                  1.00  ─
─────────────────────────
──────  実施例13 アイソタクチックメタクリル酸メチル重合体(1.0部
)、シンジオタクチックメタクリル酸メチル重合体(3
.0部)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノン(0.4部)、油ゲル化剤として12−ヒドロキ
システアリン酸(表3に示した部数)、およびハイドロ
キノン(0.04部)を用いて、表3に示した各種不飽
和化合物(40部)との組み合わせで、120℃に加熱
して溶解し、感光性組成物を調合した。得られた組成物
10gを取り、内径28mmのガラス容器に注ぎ、冷却
して厚さ約10mmの未硬化ゲル成形体を得た。得られ
たゲル成形体をガラス瓶に密封して室温に30日間放置
し、しみだした液状物をガーゼでよく拭き取り、重量を
はかった。放置前後の重量比は表3に示した通りであっ
た。
【0065】 表3、油ゲル化剤(12−ヒドロキシステアリン酸)を
用いたゲルの重量変化 (30日放置後の重量/初期の重量)       不飽和化合物             
     油ゲル化剤(重量%)  重量変化────
─────────────────────────
─────  HO−CH(CH2OCOC(CH3)
=CH2)2                  1
            0.98         
                         
          3            1.
00                       
                     5   
         1.00  CH2=C(CH3)
COOCH2CH(OH)CH3          
       3            0.97 
                         
                  5      
      1.00  CH2=CHCOOCH2C
H(OH)CH3                 
    1            0.95    
                         
               3         
   0.96                  
                         
 5            0.98───────
─────────────────────────
──実施例14 アイソタクチックメタクリル酸メチル重合体(1.0部
)、シンジオタクチックメタクリル酸メチル重合体(3
.0部)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノン(0.4部)、油ゲル化剤としてN−ラウロイル
−L−グルタミン酸ジブチルアミド(表4に示した部数
)、およびハイドロキノン(0.04部)を用いて、表
4に示した各種不飽和化合物(40部)との組み合わせ
で、120℃に加熱して溶解し、感光性組成物を調合し
た。得られた組成物10gを取り、内径28mmのガラ
ス容器に注ぎ、冷却して厚さ約10mmの未硬化ゲル成
形体を得た。得られたゲル成形体をガラス瓶に密封して
室温に30日間放置し、しみだした液状物をガーゼでよ
く拭き取り、重量をはかった。放置前後の重量比は表4
に示した通りであった。
【0066】 表4、油ゲル化剤(N−ラウロイル−L−グルタミン酸
ジブチルアミド)を用いたゲルの重量変化(30日間放
置後の重量/初期の重量)      不飽和化合物 
                 油ゲル化剤(重量
%)  重量変化─────────────────
──────────────────  HO−CH
(CH2OCOC(CH3)=CH2)2      
            1            
1.00                     
                         
  3            1.00      
                         
                 5       
     1.00      CH2=C(CH3)
COOCH2CH(OH)CH3          
       1            0.94 
                         
                  3      
      0.97               
                         
        5            1.00
      CH2=CHCOOCH2CH(OH)C
H3                     3 
           0.98          
                         
             5           
 0.98    ────────────────
───────────────────
【0067】
【発明の効果】本発明の、室温で自己形態保持性を有す
るゲル状組成物は、種々の態様で成型体とすることがで
き、その用途も、印刷用凸版材料、印刷回路用フォトレ
ジスト、液晶製造用接着剤、IC回路基板用の装着・封
止材料など、極めて広範囲に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例10に用いたネガ原図を示す図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  (A)アイソタクチック部分とシンジ
    オタクチック部分とを有するメタクリル酸メチル重合体
    、(B)分子内にすくなくとも1個のエチレン系二重結
    合を有する光重合可能なエチレン系不飽和化合物、及び
    (C)光重合開始剤を含む、加熱及び冷却することによ
    って可逆的かつ速やかにゲル/ゾル転移させることがで
    きることを特徴とする、室温において固体状である光硬
    化性自己形態保持性ゲル状物質。
  2. 【請求項2】  請求項1で、該光硬化性自己形態保持
    性ゲル状物質が更に、分子内に少なくとも2個のエポキ
    シ基を有する化合物を含有することを特徴とする、室温
    において固体状である光硬化性自己形態保持性ゲル状物
    質。
  3. 【請求項3】  請求項1及び2で、該光硬化性自己形
    態保持性ゲル状物質が更に、油ゲル化剤を含むことを特
    徴とする、室温に放置したときにエチレン系二重結合を
    有する化合物あるいはその他の液状成分のしみだしの少
    ない室温においてゲル状の光硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】  請求項1−3で、アイソタクチック部
    分とシンジオタクチック部分とを有するメタクリル酸メ
    チル重合体のアイソタクチック部分またはシンジオタク
    チック部分の少なくとも一方が、ブロック状のメタクリ
    ル酸メチル重合体部分を含むメタクリル酸メチル以外の
    他のモノマーとの共重合体であることを特徴とする、室
    温に放置したときにエチレン系二重結合を有する化合物
    あるいはその他の液状成分のしみだしの少ない室温にお
    いてゲル状の光硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】  請求項1−4記載のゲル状物質を成形
    することによって得られる、室温において自己形態保持
    性を有する未硬化の感光性樹脂組成物成形体。
  6. 【請求項6】  請求項5記載の未硬化の感光性樹脂組
    成物成形体をそのままの状態または再溶融した状態で、
    活性光線を照射することを特徴とする硬化成形体の製造
    方法。
  7. 【請求項7】  請求項5記載の未硬化の感光性樹脂組
    成物成形体の一部を遮蔽性物体で遮蔽したのちに、活性
    光線を照射し、次に活性光線未照射部分を除去すること
    を特徴とする硬化成形体の製造方法。
  8. 【請求項8】  請求項6で、活性光線を照射後にさら
    に加熱することを特徴とする硬化成形体の製造方法。
  9. 【請求項9】  請求項7で、活性光線を照射し、次に
    活性光線未照射部分を除去した後にさらに加熱すること
    を特徴とする硬化成形体の製造方法。
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