JPH05303201A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
感光性樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH05303201A JPH05303201A JP10986692A JP10986692A JPH05303201A JP H05303201 A JPH05303201 A JP H05303201A JP 10986692 A JP10986692 A JP 10986692A JP 10986692 A JP10986692 A JP 10986692A JP H05303201 A JPH05303201 A JP H05303201A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- photosensitive resin
- component
- pts
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】この発明は、完全ケン化または部分ケン化ポリ
酢酸ビニル100重量部、分子中にエチレン性二重結合
を有する光重合性不飽和化合物20〜300重量部、そ
れにキレ−ト化合物金属塩を0.001〜5重量部から
なる感光性樹脂組成物である。 【効果】耐熱安定性の優れた完全ケン化または部分ケン
化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂組成物を得る。その耐熱
安定性は感光性樹脂組成物の溶液のみならず、版材の耐
熱安定性にも大きな効果を発揮する。
酢酸ビニル100重量部、分子中にエチレン性二重結合
を有する光重合性不飽和化合物20〜300重量部、そ
れにキレ−ト化合物金属塩を0.001〜5重量部から
なる感光性樹脂組成物である。 【効果】耐熱安定性の優れた完全ケン化または部分ケン
化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂組成物を得る。その耐熱
安定性は感光性樹脂組成物の溶液のみならず、版材の耐
熱安定性にも大きな効果を発揮する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高度の画像再現性,す
ぐれた印刷適性および良好な水現像性を有する完全ケン
化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂印刷用
版材を与える感光性樹脂組成物に関するものである。
ぐれた印刷適性および良好な水現像性を有する完全ケン
化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂印刷用
版材を与える感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属またはプラスチックの基材上に光重
合性の感光性樹脂層を設けた構造をもつ凸版、平版およ
び凹版印刷用の感光性樹脂版材が従来の金属版に代わっ
て印刷分野での主流を成している。市場における感光性
樹脂版材に対する性能要求は多岐にわたり、より高度な
品質が要求されている。これらの版材は、透明部分を持
つネガティブ、またはポジティブの原図フィルムを感光
性樹脂層に密着させた後に、活性光線を照射して原図フ
ィルムの透明部分に対応する感光性樹脂層に光重合を起
こし、ついで未重合部分を適当な溶剤に溶出することに
よって基材上にレリ−フを形成するものである。
合性の感光性樹脂層を設けた構造をもつ凸版、平版およ
び凹版印刷用の感光性樹脂版材が従来の金属版に代わっ
て印刷分野での主流を成している。市場における感光性
樹脂版材に対する性能要求は多岐にわたり、より高度な
品質が要求されている。これらの版材は、透明部分を持
つネガティブ、またはポジティブの原図フィルムを感光
性樹脂層に密着させた後に、活性光線を照射して原図フ
ィルムの透明部分に対応する感光性樹脂層に光重合を起
こし、ついで未重合部分を適当な溶剤に溶出することに
よって基材上にレリ−フを形成するものである。
【0003】このように光重合反応を利用した感光性樹
脂組成物は印刷版を初めとして各種の用途に用いられて
いる。なかでも中性水で未重合部分を溶出させて現像で
きるポリマ−として完全ケン化または部分ケン化ポリ酢
酸ビニルを基体樹脂として使用し、これにエチレン性不
飽和結合を有する光重合性架橋剤を配合することによっ
て、感光性を付与したものが実用化されている。
脂組成物は印刷版を初めとして各種の用途に用いられて
いる。なかでも中性水で未重合部分を溶出させて現像で
きるポリマ−として完全ケン化または部分ケン化ポリ酢
酸ビニルを基体樹脂として使用し、これにエチレン性不
飽和結合を有する光重合性架橋剤を配合することによっ
て、感光性を付与したものが実用化されている。
【0004】完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ルを基体ポリマ−とする光重合性樹脂組成物の欠点は、
組成物溶液の耐熱安定性が悪く、容易に熱重合すること
である。この機構については、必ずしも明らかではない
が、井本らは、完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビ
ニルと水、アルコ−ルおよび光重合性架橋剤が錯体を形
成してラジカルを発生することを報告している(Mak
romolChem.104,244/1967)。こ
のように組成物溶液の耐熱安定性が不良であるために、
プラスチックや金属の基版上に感光層を設ける際の成形
温度を低くする必要がある。成形温度を低くするために
は、感光性樹脂組成物を多量の水または、水とアルコ−
ルの混合溶媒に溶解させた溶液の形で基版上に塗布し、
低温で長時間をかけて乾燥するプロセスをとらざるを得
ない(例えば米国特許第3936254号明細書)。こ
のようなプロセスは極めて生産性が低い。
ルを基体ポリマ−とする光重合性樹脂組成物の欠点は、
組成物溶液の耐熱安定性が悪く、容易に熱重合すること
である。この機構については、必ずしも明らかではない
が、井本らは、完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビ
ニルと水、アルコ−ルおよび光重合性架橋剤が錯体を形
成してラジカルを発生することを報告している(Mak
romolChem.104,244/1967)。こ
のように組成物溶液の耐熱安定性が不良であるために、
プラスチックや金属の基版上に感光層を設ける際の成形
温度を低くする必要がある。成形温度を低くするために
は、感光性樹脂組成物を多量の水または、水とアルコ−
ルの混合溶媒に溶解させた溶液の形で基版上に塗布し、
低温で長時間をかけて乾燥するプロセスをとらざるを得
ない(例えば米国特許第3936254号明細書)。こ
のようなプロセスは極めて生産性が低い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】完全ケン化または部分
ケン化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂版材製造上の問題点
は、成形温度を高くできない点にある。これは、感光性
樹脂組成物溶液が容易に熱重合することに起因してい
る。したがって、成形温度を高くするためには、感光性
樹脂組成物溶液の耐熱安定性を飛躍的に向上させること
が必要である。また、得られた感光性樹脂版材を高温で
保存した場合でも、その感光特性を変化させないことも
重要である。本発明者らは、これらの課題の解決につい
て鋭意検討の結果、本発明に到達した。
ケン化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂版材製造上の問題点
は、成形温度を高くできない点にある。これは、感光性
樹脂組成物溶液が容易に熱重合することに起因してい
る。したがって、成形温度を高くするためには、感光性
樹脂組成物溶液の耐熱安定性を飛躍的に向上させること
が必要である。また、得られた感光性樹脂版材を高温で
保存した場合でも、その感光特性を変化させないことも
重要である。本発明者らは、これらの課題の解決につい
て鋭意検討の結果、本発明に到達した。
【0006】従って、この発明の目的は完全ケン化また
は部分ケン化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂組成物の組成
物溶液および版材の耐熱安定性を大幅に向上させること
にある。
は部分ケン化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂組成物の組成
物溶液および版材の耐熱安定性を大幅に向上させること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の構成
は、次のA、BおよびC成分を少なくとも含んで成るこ
とを特徴とする感光性樹脂組成物である。
は、次のA、BおよびC成分を少なくとも含んで成るこ
とを特徴とする感光性樹脂組成物である。
【0008】 A.ケン化度50モル%以上の完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル 100重量部 B.分子中にエチレン性二重結合を有する光重合性不飽和化合物 20〜300重量部 C.キレ−ト化合物金属塩 0.001〜5重量部 本発明のA成分として使用される完全ケン化または部分
ケン化ポリ酢酸ビニルとしてはケン化度50モル%以上
のものが使用される。ケン化度が50モル%未満では水
溶性が著しく低下するので水現像が不可能になる。逆
に、ケン化度100モル%の完全ケン化ポリ酢酸ビニル
は常温水に対する溶解性が乏しいことが知られている
が、ジメチルアミノエチルメタクリレ−トと2ヒドロキ
シエチルメタクリレ−トの共重合物などの水溶性ポリマ
−を併用した場合には水現像性が得られるのでケン化度
の上限は100モル%である。以上の理由から、ケン化
度は50モル%以上であることが必要であり、水現像速
度の面からは70〜95モル%の範囲のものがより好ま
しい。
ケン化ポリ酢酸ビニルとしてはケン化度50モル%以上
のものが使用される。ケン化度が50モル%未満では水
溶性が著しく低下するので水現像が不可能になる。逆
に、ケン化度100モル%の完全ケン化ポリ酢酸ビニル
は常温水に対する溶解性が乏しいことが知られている
が、ジメチルアミノエチルメタクリレ−トと2ヒドロキ
シエチルメタクリレ−トの共重合物などの水溶性ポリマ
−を併用した場合には水現像性が得られるのでケン化度
の上限は100モル%である。以上の理由から、ケン化
度は50モル%以上であることが必要であり、水現像速
度の面からは70〜95モル%の範囲のものがより好ま
しい。
【0009】また、分子量としては任意のものが使用可
能であるが,水溶解性の面からは低分子量のものが良好
であり、画像再現性とレリ−フの強靭性の面からは分子
量の高いものが好ましい。このように水現像性と画像再
現性および印刷適性は、完全ケン化または部分ケン化ポ
リ酢酸ビニルの分子量に関しては相反する選択条件であ
るが、通常重合度300〜3000のものが用いられ、
より好ましくは分子量500〜2000の完全ケン化ま
たは部分ケン化ポリ酢酸ビニルが用いられる。A成分と
して、ケン化度および重合度の異なる2種類以上のもの
を使用することも可能である。
能であるが,水溶解性の面からは低分子量のものが良好
であり、画像再現性とレリ−フの強靭性の面からは分子
量の高いものが好ましい。このように水現像性と画像再
現性および印刷適性は、完全ケン化または部分ケン化ポ
リ酢酸ビニルの分子量に関しては相反する選択条件であ
るが、通常重合度300〜3000のものが用いられ、
より好ましくは分子量500〜2000の完全ケン化ま
たは部分ケン化ポリ酢酸ビニルが用いられる。A成分と
して、ケン化度および重合度の異なる2種類以上のもの
を使用することも可能である。
【0010】A成分の完全ケン化または部分ケン化ポリ
酢酸ビニルの末端のカルボキシル基にグリシジルメタク
リレ−トなどの不飽和エポキシ化合物を反応させて、二
重結合を導入した完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸
ビニルやアリルスルホン酸などの他の架橋剤を1〜10
モル%の範囲で少量共重合した完全ケン化または部分ケ
ン化ポリ酢酸ビニル、および水酸基にエチレンオキサイ
ドを反応させて変性した部分ケン化ポリ酢酸ビニルなど
も残存する水酸基から計算されるケン化度が50〜10
0モル%の範囲を満足すれば使用可能である。特にグリ
シジルメタクリレ−トを末端に付加反応させて二重結合
を導入した完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル
は、B成分の光重合性架橋剤の光重合によって形成され
る架橋構造に完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ル自体が化学結合で組み込まれる。そのため、非常に高
度の画像再現性が得られるので特に好ましく用いられ
る。また、A成分として平均分子量300〜50000
のポリエチレンオキサイドなどの他のポリマ−を完全ケ
ン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニルに1〜20重量%
の範囲で少量混合して使用することも可能である。
酢酸ビニルの末端のカルボキシル基にグリシジルメタク
リレ−トなどの不飽和エポキシ化合物を反応させて、二
重結合を導入した完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸
ビニルやアリルスルホン酸などの他の架橋剤を1〜10
モル%の範囲で少量共重合した完全ケン化または部分ケ
ン化ポリ酢酸ビニル、および水酸基にエチレンオキサイ
ドを反応させて変性した部分ケン化ポリ酢酸ビニルなど
も残存する水酸基から計算されるケン化度が50〜10
0モル%の範囲を満足すれば使用可能である。特にグリ
シジルメタクリレ−トを末端に付加反応させて二重結合
を導入した完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル
は、B成分の光重合性架橋剤の光重合によって形成され
る架橋構造に完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ル自体が化学結合で組み込まれる。そのため、非常に高
度の画像再現性が得られるので特に好ましく用いられ
る。また、A成分として平均分子量300〜50000
のポリエチレンオキサイドなどの他のポリマ−を完全ケ
ン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニルに1〜20重量%
の範囲で少量混合して使用することも可能である。
【0011】本発明のB成分として使用される光重合性
不飽和化合物としては、A成分と一定程度以上の相溶性
のあるものは全て使用可能である。具体的には、次のよ
うなものが挙げられる。2−ヒドロキシエチルアクリレ
−ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレ−ト、2−ヒドロキシブチルアクリレ−ト、
2−ヒドロキシブチルメタクリレ−ト、3−クロロ−2
−ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、3−クロロ−2−
ヒドロキシプロピルメタクリレ−トなどの水酸基を有す
るモノアクリレ−トおよびモノメタクリレ−ト。エチレ
ングリコ−ルなどの多価アルコ−ルとアクリル酸または
メタクリル酸などの不飽和カルボン酸の反応によって得
られる多価アクリレ−トおよび多価メタクリレ−ト。エ
チレングリコ−ルジグリシジルエ−テルなどの多価グリ
シジルエ−テルとアクリル酸、メタクリル酸などの不飽
和カルボン酸の反応によって合成されるところの水酸基
を有する多価アクリレ−トおよび多価メタクリレ−ト。
グリシジルメタクリレ−トなどの不飽和エポキシ化合物
とアクリル酸またはメタクリル酸などの不飽和カルボン
酸の反応によって合成されるところの水酸基を有する多
価アクリレ−トおよび多価メタクリレ−ト。アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチロ−ルアクリルアミ
ド、N−メチロ−ルメタクリルアミド、ダイアセトンア
クリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、N−メチ
ロ−ルアクリルアミドまたはN−メチロ−ルメタクリル
アミドと多価アルコ−ルの縮合反応によって得られる多
価アクリルアミドおよび多価メタクリルアミドなどアク
リルアミド系の光重合性不飽和化合物などであり、好ま
しくは水酸基を有するアクリルまたはメタクリル酸エス
テル類およびアクリルまたはメタクリルアミド類であ
る。
不飽和化合物としては、A成分と一定程度以上の相溶性
のあるものは全て使用可能である。具体的には、次のよ
うなものが挙げられる。2−ヒドロキシエチルアクリレ
−ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレ−ト、2−ヒドロキシブチルアクリレ−ト、
2−ヒドロキシブチルメタクリレ−ト、3−クロロ−2
−ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、3−クロロ−2−
ヒドロキシプロピルメタクリレ−トなどの水酸基を有す
るモノアクリレ−トおよびモノメタクリレ−ト。エチレ
ングリコ−ルなどの多価アルコ−ルとアクリル酸または
メタクリル酸などの不飽和カルボン酸の反応によって得
られる多価アクリレ−トおよび多価メタクリレ−ト。エ
チレングリコ−ルジグリシジルエ−テルなどの多価グリ
シジルエ−テルとアクリル酸、メタクリル酸などの不飽
和カルボン酸の反応によって合成されるところの水酸基
を有する多価アクリレ−トおよび多価メタクリレ−ト。
グリシジルメタクリレ−トなどの不飽和エポキシ化合物
とアクリル酸またはメタクリル酸などの不飽和カルボン
酸の反応によって合成されるところの水酸基を有する多
価アクリレ−トおよび多価メタクリレ−ト。アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチロ−ルアクリルアミ
ド、N−メチロ−ルメタクリルアミド、ダイアセトンア
クリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、N−メチ
ロ−ルアクリルアミドまたはN−メチロ−ルメタクリル
アミドと多価アルコ−ルの縮合反応によって得られる多
価アクリルアミドおよび多価メタクリルアミドなどアク
リルアミド系の光重合性不飽和化合物などであり、好ま
しくは水酸基を有するアクリルまたはメタクリル酸エス
テル類およびアクリルまたはメタクリルアミド類であ
る。
【0012】B成分の光重合性架橋剤の使用量はA成分
の完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル100重
量部に対して20〜300重量部の範囲にあることが必
要であり、好ましくは50〜150重量部である。B成
分の使用量がA成分の完全ケン化または部分ケン化ポリ
酢酸ビニル100重量部に対して20重量部未満である
と、光重合によって生成する架橋構造の密度が不足する
ために十分な画像再現性が得られない。また高品質な画
像再現性を得るために架橋性のより高い光重合性不飽和
化合物を使用すると印刷版材の刷版硬度が高くなり印刷
用途によってはインキ着肉性が低下し良好な印刷物がで
きなくなる。逆にB成分の使用量が300重量部を越え
ると光重合によって生成する架橋構造の密度が過剰とな
るために、製版されたレリ−フが非常に脆くなり、その
ため印刷中にレリ−フにクラックが入るなどの問題が発
生する。
の完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル100重
量部に対して20〜300重量部の範囲にあることが必
要であり、好ましくは50〜150重量部である。B成
分の使用量がA成分の完全ケン化または部分ケン化ポリ
酢酸ビニル100重量部に対して20重量部未満である
と、光重合によって生成する架橋構造の密度が不足する
ために十分な画像再現性が得られない。また高品質な画
像再現性を得るために架橋性のより高い光重合性不飽和
化合物を使用すると印刷版材の刷版硬度が高くなり印刷
用途によってはインキ着肉性が低下し良好な印刷物がで
きなくなる。逆にB成分の使用量が300重量部を越え
ると光重合によって生成する架橋構造の密度が過剰とな
るために、製版されたレリ−フが非常に脆くなり、その
ため印刷中にレリ−フにクラックが入るなどの問題が発
生する。
【0013】次に本発明で最も重要であるC成分のキレ
−ト化合物金属塩としては、アミノポリカルボン酸の金
属塩、例えばイミノジ酢酸、N−3,3−ジメチルブチ
ルイミノジ酢酸、2−ヒドロキシベンジルイミノジ酢
酸、アミノエチルイミノジ酢酸などのRX2 型化合物の
金属塩,カルボキシメチルイミノジプロピオン酸、ニト
リロトリ酢酸などのNX2 型化合物の金属塩、N−N´
ジヒドロキシエチルエチレンジアミンジ酢酸、N−N´
エチレンジアミンジ酢酸などのRNX−CH2 −CH2
−XNR型化合物の金属塩,N−(O−ヒドロキシシク
ロヘキシル)エチレンジアミントリ酢酸などのRNX−
CH2 −CH2 −NX2 型化合物の金属塩,エチレンジ
アミンテトラ酢酸、シクロヘキサン−1、4ジアミンテ
トラ酢酸、チオグリコ−ルチオエ−テルジアミンテトラ
酢酸などのNX2 群を2つ以上もつ化合物の金属塩、ま
た、脂肪族カルボン酸の金属塩、例えば蟻酸、酢酸、プ
ロピオン酸などモノカルボン酸の金属塩、シュウ酸、コ
ハク酸、マレイン酸などジカルボン酸の金属塩、トリカ
ルバリル酸、ブタン−1、2、3、4−テトラカルボン
酸などのポリカルボン酸の金属塩などを挙げることがで
きる。
−ト化合物金属塩としては、アミノポリカルボン酸の金
属塩、例えばイミノジ酢酸、N−3,3−ジメチルブチ
ルイミノジ酢酸、2−ヒドロキシベンジルイミノジ酢
酸、アミノエチルイミノジ酢酸などのRX2 型化合物の
金属塩,カルボキシメチルイミノジプロピオン酸、ニト
リロトリ酢酸などのNX2 型化合物の金属塩、N−N´
ジヒドロキシエチルエチレンジアミンジ酢酸、N−N´
エチレンジアミンジ酢酸などのRNX−CH2 −CH2
−XNR型化合物の金属塩,N−(O−ヒドロキシシク
ロヘキシル)エチレンジアミントリ酢酸などのRNX−
CH2 −CH2 −NX2 型化合物の金属塩,エチレンジ
アミンテトラ酢酸、シクロヘキサン−1、4ジアミンテ
トラ酢酸、チオグリコ−ルチオエ−テルジアミンテトラ
酢酸などのNX2 群を2つ以上もつ化合物の金属塩、ま
た、脂肪族カルボン酸の金属塩、例えば蟻酸、酢酸、プ
ロピオン酸などモノカルボン酸の金属塩、シュウ酸、コ
ハク酸、マレイン酸などジカルボン酸の金属塩、トリカ
ルバリル酸、ブタン−1、2、3、4−テトラカルボン
酸などのポリカルボン酸の金属塩などを挙げることがで
きる。
【0014】以上のキレ−ト化合物の金属塩のなかでも
好ましいのはアミノポリカルボン酸で、中でも好ましい
のはNX2 群を2つ以上もつ化合物の金属塩であるエチ
レンジアミンテトラ酢酸のナトリウム塩、カリウム塩、
アルミニウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、鉄塩など
である。
好ましいのはアミノポリカルボン酸で、中でも好ましい
のはNX2 群を2つ以上もつ化合物の金属塩であるエチ
レンジアミンテトラ酢酸のナトリウム塩、カリウム塩、
アルミニウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、鉄塩など
である。
【0015】C成分の使用量は、A成分の完全ケン化ま
たは部分ケン化ポリ酢酸ビニル100重量部に対して
0.001〜5重量部の範囲にあることが必要である。
使用量が0.001重量部未満であるとC成分の熱重合
防止効果が実質的に不足する。また、5重量部より多く
使用してもそれによる効果の増加はない。以上の理由か
ら、C成分の使用量は0.001〜5重量部の範囲にあ
ることが必要であり、より好ましくは、0.001〜3
重量部の範囲である。C成分として2種類以上のものを
併用することも可能である。
たは部分ケン化ポリ酢酸ビニル100重量部に対して
0.001〜5重量部の範囲にあることが必要である。
使用量が0.001重量部未満であるとC成分の熱重合
防止効果が実質的に不足する。また、5重量部より多く
使用してもそれによる効果の増加はない。以上の理由か
ら、C成分の使用量は0.001〜5重量部の範囲にあ
ることが必要であり、より好ましくは、0.001〜3
重量部の範囲である。C成分として2種類以上のものを
併用することも可能である。
【0016】本発明の感光性樹脂組成物の耐熱安定性を
増すためにC成分のキレ−ト化合物金属塩と従来公知の
重合禁止剤を併用することもできる。好ましい熱重合禁
止剤としては、フェノ−ル類、ハイドロキノン類、カテ
コ−ル類などが挙げられる。これらの熱重合禁止剤は、
組成物全量に対して0.001〜0.5重量部の範囲で
使用することができる。また、染料、顔料、界面活性
剤、消泡剤、紫外線吸収剤、ハレ−ション防止剤などを
添加することもできる。
増すためにC成分のキレ−ト化合物金属塩と従来公知の
重合禁止剤を併用することもできる。好ましい熱重合禁
止剤としては、フェノ−ル類、ハイドロキノン類、カテ
コ−ル類などが挙げられる。これらの熱重合禁止剤は、
組成物全量に対して0.001〜0.5重量部の範囲で
使用することができる。また、染料、顔料、界面活性
剤、消泡剤、紫外線吸収剤、ハレ−ション防止剤などを
添加することもできる。
【0017】本発明の光重合反応を速やかに行わせるた
めの光増感剤としては、従来公知の化合物が全て使用で
きる。例えば、ベンゾインアルキルエ−テル類、ベンゾ
フェノン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフ
ェノン類、ジアセチル類などがある。これらの光増感剤
は完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル100重
量部に対して0.01〜10重量部の範囲で使用でき
る。
めの光増感剤としては、従来公知の化合物が全て使用で
きる。例えば、ベンゾインアルキルエ−テル類、ベンゾ
フェノン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフ
ェノン類、ジアセチル類などがある。これらの光増感剤
は完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル100重
量部に対して0.01〜10重量部の範囲で使用でき
る。
【0018】本発明の感光性樹脂組成物に、A成分の完
全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニルとB成分の光
重合性架橋剤との相溶助剤としてエチレングリコ−ル、
ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、グリ
セリン、トリメチロ−ルプロパン、トリメチロ−ルエタ
ンなどの多価アルコ−ル類を添加することも可能であ
る。これらの多価アルコ−ル類は、光重合部分の柔軟性
をより高めてレリ−フクラックの発生を防止する効果が
認められる。このような多価アルコ−ルは、感光性樹脂
組成物に対して40重量%以下の範囲で使用できる。
全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニルとB成分の光
重合性架橋剤との相溶助剤としてエチレングリコ−ル、
ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、グリ
セリン、トリメチロ−ルプロパン、トリメチロ−ルエタ
ンなどの多価アルコ−ル類を添加することも可能であ
る。これらの多価アルコ−ル類は、光重合部分の柔軟性
をより高めてレリ−フクラックの発生を防止する効果が
認められる。このような多価アルコ−ルは、感光性樹脂
組成物に対して40重量%以下の範囲で使用できる。
【0019】本発明の組成物を製造する方法としては、
A成分の完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニルを
水/アルコ−ルの混合溶媒に加熱溶解した後に、B成分
の光重合性不飽和化合物、C成分のキレ−ト化合物金属
塩、および光増感剤等を添加し、攪拌して十分に混合す
ることが一般的である。このようにして感光性樹脂溶液
が得られる。上記の混合溶液から感光層を形成せしめる
には、たとえば溶剤の大部分を留出した後に加熱して溶
融状態にして支持体上に押し出して成形することができ
る。また、乾式製膜法で感光性シ−トを作り、このシ−
トを支持体上に接着して感光層を形成することも可能で
ある。さらに、支持体上に直接に乾式製膜して感光層を
得ることもできる。支持体としては、スチ−ル、ステン
レス、アルミニュ−ム、銅などの金属板、ポリエステル
フイルムなどのプラスチックシ−ト、スチレン−ブタジ
エン共重合体などの合成ゴムシ−トが使用される。感光
層は、0.01〜10mmの厚さに形成することが好ま
しい。
A成分の完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニルを
水/アルコ−ルの混合溶媒に加熱溶解した後に、B成分
の光重合性不飽和化合物、C成分のキレ−ト化合物金属
塩、および光増感剤等を添加し、攪拌して十分に混合す
ることが一般的である。このようにして感光性樹脂溶液
が得られる。上記の混合溶液から感光層を形成せしめる
には、たとえば溶剤の大部分を留出した後に加熱して溶
融状態にして支持体上に押し出して成形することができ
る。また、乾式製膜法で感光性シ−トを作り、このシ−
トを支持体上に接着して感光層を形成することも可能で
ある。さらに、支持体上に直接に乾式製膜して感光層を
得ることもできる。支持体としては、スチ−ル、ステン
レス、アルミニュ−ム、銅などの金属板、ポリエステル
フイルムなどのプラスチックシ−ト、スチレン−ブタジ
エン共重合体などの合成ゴムシ−トが使用される。感光
層は、0.01〜10mmの厚さに形成することが好ま
しい。
【0020】本発明の感光性樹脂組成物を用いて印刷用
レリ−フ像を形成するには、上記のようにして作成した
感光層上にネガティブまたはポジティブの原図フイルム
を密着し通常300〜400nmの波長を中心とする高
圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセ
ノン灯、カ−ボンア−ク灯、ケミカル灯からの紫外線を
照射し、光重合によって不溶化を行わせる。次いで未重
合部分を中性水使用のスプレ−式現像装置またはブラシ
式現像装置で水中に溶出させることによりレリ−フが支
持体上に形成される。
レリ−フ像を形成するには、上記のようにして作成した
感光層上にネガティブまたはポジティブの原図フイルム
を密着し通常300〜400nmの波長を中心とする高
圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセ
ノン灯、カ−ボンア−ク灯、ケミカル灯からの紫外線を
照射し、光重合によって不溶化を行わせる。次いで未重
合部分を中性水使用のスプレ−式現像装置またはブラシ
式現像装置で水中に溶出させることによりレリ−フが支
持体上に形成される。
【0021】本発明の感光性樹脂組成物は、凸版印刷版
材として用いられるときに最もその効果を発揮するが平
版印刷材、凹版印刷材、孔版印刷材、フォトレジストと
して使用することも可能である。
材として用いられるときに最もその効果を発揮するが平
版印刷材、凹版印刷材、孔版印刷材、フォトレジストと
して使用することも可能である。
【0022】
【実施例】以下に実施例で本発明をさらに詳しく説明す
る。
る。
【0023】実施例1 重合度800、ケン化度75モル%の部分ケン化ポリ酢
酸ビニル100重量部をエタノ−ル/水=50/50
(重量比)の混合溶媒150重量部と80℃に加熱して
溶解した。この溶液にグリシジルメタクリレ−ト3重量
部を添加し、80℃で1時間反応させることによってポ
リマに二重結合を導入した。次いで、ジメチルアミノエ
チルメタクリレ−トと2ヒドロキシエチルメタクリレ−
トを60/40(重量比)の組成で共重合したコポリマ
10重量部を添加し、さらに光重合性不飽和化合物とし
て、グリシジルメタクリレ−トとメタクリル酸の付加反
応物80重量部とペンタエリスリト−ルトリアクリレ−
ト10重量部を加え、エチレンジアミンテトラ酢酸ナト
リウム塩を0.1重量部、ジエチレングリコ−ルを10
重量部、光増感剤としてジメチルベンジルケタ−ル2重
量部を加えて70℃で1時間攪拌して十分に混合した。
上記の操作は全て窒素雰囲気下で行った。
酸ビニル100重量部をエタノ−ル/水=50/50
(重量比)の混合溶媒150重量部と80℃に加熱して
溶解した。この溶液にグリシジルメタクリレ−ト3重量
部を添加し、80℃で1時間反応させることによってポ
リマに二重結合を導入した。次いで、ジメチルアミノエ
チルメタクリレ−トと2ヒドロキシエチルメタクリレ−
トを60/40(重量比)の組成で共重合したコポリマ
10重量部を添加し、さらに光重合性不飽和化合物とし
て、グリシジルメタクリレ−トとメタクリル酸の付加反
応物80重量部とペンタエリスリト−ルトリアクリレ−
ト10重量部を加え、エチレンジアミンテトラ酢酸ナト
リウム塩を0.1重量部、ジエチレングリコ−ルを10
重量部、光増感剤としてジメチルベンジルケタ−ル2重
量部を加えて70℃で1時間攪拌して十分に混合した。
上記の操作は全て窒素雰囲気下で行った。
【0024】このようにして得られた感光性樹脂組成物
の溶液を70℃で減圧系にして溶媒を留出し、溶質濃度
を75重量%まで濃縮した。得られた溶液の粘度は20
0ポイズであった。溶液の温度を70℃に保持して、そ
の後の経過粘度を測定した。その結果、4時間,8時間
および12時間経過した溶液の粘度はそれぞれ210ポ
イズ,220ポイズおよび220ポイズで極めて安定し
ていることが確認できた。
の溶液を70℃で減圧系にして溶媒を留出し、溶質濃度
を75重量%まで濃縮した。得られた溶液の粘度は20
0ポイズであった。溶液の温度を70℃に保持して、そ
の後の経過粘度を測定した。その結果、4時間,8時間
および12時間経過した溶液の粘度はそれぞれ210ポ
イズ,220ポイズおよび220ポイズで極めて安定し
ていることが確認できた。
【0025】感光性樹脂組成物の溶液を乾式製膜法によ
りシ−ト化し、予めポリエステル/イソシアネ−ト系接
着剤を塗布、キュアしてある厚さ350μのスチ−ル基
版上に接着することで全体の厚さが1500μになるよ
うに設定して感光性樹脂版を得た。
りシ−ト化し、予めポリエステル/イソシアネ−ト系接
着剤を塗布、キュアしてある厚さ350μのスチ−ル基
版上に接着することで全体の厚さが1500μになるよ
うに設定して感光性樹脂版を得た。
【0026】得られた版材の感光層表面に感度測定用グ
レイスケ−ルネガフイルムおよび画像再現性評価用ネガ
フイルム(133線、3%、5%、10%網点、直径2
00μおよび300μの独立点、幅50μおよび70μ
の細線あり)を真空密着させ、高圧水銀灯で2分間露光
した。次いで30℃の中性水を入れたブラシ式現像装置
を使用して、現像を行ったところ4分間で非画線部が完
全に水中に溶出してレリ−フ像を得ることができた。得
られたレリ−フを評価した結果、グレイスケ−ルは17
ステップまで残っており高感度であることがわかった。
画線部は3%網点、300μ独立点、50μ細線などの
微細な部分まで問題なく再現していることを確認した。
レイスケ−ルネガフイルムおよび画像再現性評価用ネガ
フイルム(133線、3%、5%、10%網点、直径2
00μおよび300μの独立点、幅50μおよび70μ
の細線あり)を真空密着させ、高圧水銀灯で2分間露光
した。次いで30℃の中性水を入れたブラシ式現像装置
を使用して、現像を行ったところ4分間で非画線部が完
全に水中に溶出してレリ−フ像を得ることができた。得
られたレリ−フを評価した結果、グレイスケ−ルは17
ステップまで残っており高感度であることがわかった。
画線部は3%網点、300μ独立点、50μ細線などの
微細な部分まで問題なく再現していることを確認した。
【0027】また、この版材を50℃3%RHの雰囲気
中に30日間保存したもの、40℃80%RH雰囲気中
に30日間保存したものについて同様のテスト用ネガフ
ィルムを用いて、高圧水銀灯露光、ブラシ式現像を行い
室内保存版と比較評価を行った結果、感度、画像再現
性、および洗いだし性が三者ともに同等であり良好であ
ることを確認した。
中に30日間保存したもの、40℃80%RH雰囲気中
に30日間保存したものについて同様のテスト用ネガフ
ィルムを用いて、高圧水銀灯露光、ブラシ式現像を行い
室内保存版と比較評価を行った結果、感度、画像再現
性、および洗いだし性が三者ともに同等であり良好であ
ることを確認した。
【0028】比較例1 実施例1において使用したエチレンジアミンテトラ酢酸
ナトリウム塩を添加しないで、代わりに一般的な熱重合
禁止剤であるハイドロキノンモノメチルエ−テルを0.
1重量部添加して感光性樹脂組成物の溶液を得た。
ナトリウム塩を添加しないで、代わりに一般的な熱重合
禁止剤であるハイドロキノンモノメチルエ−テルを0.
1重量部添加して感光性樹脂組成物の溶液を得た。
【0029】この溶液を70℃で減圧系にして溶媒を留
出し、溶質濃度75重量%まで濃縮した。得られた溶液
の粘度は380ポイズであつた,溶液の温度を70℃に
保持して、その後の径時粘度を測定したが、1時間経過
時点で800ポイズに粘度上昇しており、溶液の色相に
も異常が認められた。以上のことから感光性樹脂版材を
得る事ができなかった。
出し、溶質濃度75重量%まで濃縮した。得られた溶液
の粘度は380ポイズであつた,溶液の温度を70℃に
保持して、その後の径時粘度を測定したが、1時間経過
時点で800ポイズに粘度上昇しており、溶液の色相に
も異常が認められた。以上のことから感光性樹脂版材を
得る事ができなかった。
【0030】このように高温下、窒素雰囲気下ではエチ
レンジアミンテトラ酢酸ナトリウム塩の添加なしでは感
光性樹脂溶液の調製は極めて困難であった。
レンジアミンテトラ酢酸ナトリウム塩の添加なしでは感
光性樹脂溶液の調製は極めて困難であった。
【0031】実施例2 重合度600、ケン化度85モル%の部分鹸化ポリ酢酸
ビニル100重量部をエタノ−ル/水=30/70(重
量比)の混合溶媒150重量部と80℃に加熱して溶解
した。次いで光重合性不飽和化合物としてグリシジルメ
タクリレ−トとメタクリル酸の付加反応物60重量部と
プロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル1モルとア
クリル酸2モルの付加反応物50重量部を添加した。さ
らにエチレンジアミンテトラ酢酸カリウム塩を0.1重
量部と光増感剤としてベンゾインエチルエ−テル3重量
部を加え1時間攪拌混合した。以上の操作は全て窒素雰
囲気下で行った。
ビニル100重量部をエタノ−ル/水=30/70(重
量比)の混合溶媒150重量部と80℃に加熱して溶解
した。次いで光重合性不飽和化合物としてグリシジルメ
タクリレ−トとメタクリル酸の付加反応物60重量部と
プロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル1モルとア
クリル酸2モルの付加反応物50重量部を添加した。さ
らにエチレンジアミンテトラ酢酸カリウム塩を0.1重
量部と光増感剤としてベンゾインエチルエ−テル3重量
部を加え1時間攪拌混合した。以上の操作は全て窒素雰
囲気下で行った。
【0032】この様にして得られた感光性樹脂溶液を減
圧濃縮して溶質濃度90重量%にした。得られた高濃度
溶液の粘度は3000ポイズであった。これを90℃に
保持した二軸押出機に注入しさらに数重量%高濃度化し
たものをギヤポンプで定量化して口金からケミカルエッ
チングで表面をマット化したポリエステルフィルム(厚
さ100μ)上に感光層の厚さが700μになるように
キャスティングした。このフィルム上にキャスティング
された感光性樹脂層を、あらかじめポリウレタン系接着
剤を塗布したポリエステルフィルム基版(厚さ250
μ)上に温度80℃でラミネ−トした。このようにして
フィルム基版で裏打ちされ、マット化フィルムをカバ−
フィルムとする感光性樹脂版材がえられた。
圧濃縮して溶質濃度90重量%にした。得られた高濃度
溶液の粘度は3000ポイズであった。これを90℃に
保持した二軸押出機に注入しさらに数重量%高濃度化し
たものをギヤポンプで定量化して口金からケミカルエッ
チングで表面をマット化したポリエステルフィルム(厚
さ100μ)上に感光層の厚さが700μになるように
キャスティングした。このフィルム上にキャスティング
された感光性樹脂層を、あらかじめポリウレタン系接着
剤を塗布したポリエステルフィルム基版(厚さ250
μ)上に温度80℃でラミネ−トした。このようにして
フィルム基版で裏打ちされ、マット化フィルムをカバ−
フィルムとする感光性樹脂版材がえられた。
【0033】この版材を実施例1で使用した感度測定用
グレイスケ−ルネガフイルムおよび画像再現性評価用ネ
ガフイルムを用いて評価した。感光層表面には、カバ−
フィルムのマット形状が転写されているためにネガフィ
ルムの真空密着性は非常に容易であった。次いで、ケミ
カル灯で4分間露光した後に、中性水を入れたスプレ−
式現像装置(水温30℃、スプレ−圧力4kg/cm2 )で
4分間現像して未重合部分を完全に水中に溶出してレリ
−フ像を得ることができた。得られたレリ−フを評価し
た結果、グレイスケ−ルは16ステップまで残ってお
り、画線部は3%網点、200μ独立点、50μ細線な
ど高級印刷に必要とされる非常に微細な部分まで問題な
く再現していることを確認した。
グレイスケ−ルネガフイルムおよび画像再現性評価用ネ
ガフイルムを用いて評価した。感光層表面には、カバ−
フィルムのマット形状が転写されているためにネガフィ
ルムの真空密着性は非常に容易であった。次いで、ケミ
カル灯で4分間露光した後に、中性水を入れたスプレ−
式現像装置(水温30℃、スプレ−圧力4kg/cm2 )で
4分間現像して未重合部分を完全に水中に溶出してレリ
−フ像を得ることができた。得られたレリ−フを評価し
た結果、グレイスケ−ルは16ステップまで残ってお
り、画線部は3%網点、200μ独立点、50μ細線な
ど高級印刷に必要とされる非常に微細な部分まで問題な
く再現していることを確認した。
【0034】また、この版材についても実施例1と同様
に50℃3%RHの雰囲気中に30日間保存したもの、
40℃80%RH雰囲気中に30日間保存したものの感
度、画像再現性および洗いだし性を評価した結果、室内
保存版と同等の水現像性を示し良好な画像特性が確認で
きた。
に50℃3%RHの雰囲気中に30日間保存したもの、
40℃80%RH雰囲気中に30日間保存したものの感
度、画像再現性および洗いだし性を評価した結果、室内
保存版と同等の水現像性を示し良好な画像特性が確認で
きた。
【0035】比較例2 実施例2において使用したエチレンジアミンテトラ酢酸
カリウム塩の代わりに一般的な熱重合禁止剤であるハイ
ドロキノンを0.1重量部添加した。その他は全く同一
組成、同一手法で感光性樹脂溶液を調製しようとした。
しかし、光重合性不飽和化合物とジエチレングリコ−ル
およびベンゾインエチルエ−テルとハイドロキノンを加
えて80℃で1時間攪拌している間に、感光性樹脂組成
物溶液に増粘現象がみられ、白濁も認められた。最終的
にゲル状になって流延不可能となった。このように高温
下、窒素雰囲気下ではエチレンジアミンテトラ酢酸カリ
ウム塩の添加なしでは感光性樹脂溶液の調製は極めて困
難であった。
カリウム塩の代わりに一般的な熱重合禁止剤であるハイ
ドロキノンを0.1重量部添加した。その他は全く同一
組成、同一手法で感光性樹脂溶液を調製しようとした。
しかし、光重合性不飽和化合物とジエチレングリコ−ル
およびベンゾインエチルエ−テルとハイドロキノンを加
えて80℃で1時間攪拌している間に、感光性樹脂組成
物溶液に増粘現象がみられ、白濁も認められた。最終的
にゲル状になって流延不可能となった。このように高温
下、窒素雰囲気下ではエチレンジアミンテトラ酢酸カリ
ウム塩の添加なしでは感光性樹脂溶液の調製は極めて困
難であった。
【0036】
【発明の効果】本発明は、耐熱安定性のすぐれた完全ケ
ン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂組成
物を得る。すぐれた耐熱安定性はC成分のキレ−ト化合
物金属得んの添加に由来する。このC成分の添加は感光
性樹脂組成物の溶液のみならず版材の耐熱安定性にも大
きな効果を発揮する。
ン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂組成
物を得る。すぐれた耐熱安定性はC成分のキレ−ト化合
物金属得んの添加に由来する。このC成分の添加は感光
性樹脂組成物の溶液のみならず版材の耐熱安定性にも大
きな効果を発揮する。
【0037】完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ルは水分の共存下でラジカルを発生しやすいために、6
0℃を超える高温での成形が不可能であったが、キレ−
ト化合物金属塩を少量添加することで飛躍的に耐熱安定
性が改良されて、90〜100℃の高温での成形も可能
となった。成形温度がたかめられるようになったので、
感光性樹脂組成物溶液の高濃度でのキャスティングや、
高温での乾燥が可能になり版材成形プロセスの著しい合
理化が達成できた。以上のように、本発明は完全ケン化
または部分ケン化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂版材で最
大の問題であった成形中の熱重合を根本的に解決するも
のである。このように優れた熱重合防止効果は、本発明
のC成分であるキレ−ト化合物金属塩によってのみ得ら
れ、通常用いられているフェノ−ル類、ハイドロキノン
類、カテコ−ル類の熱重合禁止剤では達成できない。
ルは水分の共存下でラジカルを発生しやすいために、6
0℃を超える高温での成形が不可能であったが、キレ−
ト化合物金属塩を少量添加することで飛躍的に耐熱安定
性が改良されて、90〜100℃の高温での成形も可能
となった。成形温度がたかめられるようになったので、
感光性樹脂組成物溶液の高濃度でのキャスティングや、
高温での乾燥が可能になり版材成形プロセスの著しい合
理化が達成できた。以上のように、本発明は完全ケン化
または部分ケン化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂版材で最
大の問題であった成形中の熱重合を根本的に解決するも
のである。このように優れた熱重合防止効果は、本発明
のC成分であるキレ−ト化合物金属塩によってのみ得ら
れ、通常用いられているフェノ−ル類、ハイドロキノン
類、カテコ−ル類の熱重合禁止剤では達成できない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/038 H01L 21/027
Claims (1)
- 【請求項1】次のA、B、およびC成分を少なくとも含
んで成ることを特徴とする感光性樹脂組成物。 A.ケン化度50モル%以上の完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル 100重量部 B.分子中にエチレン性二重結合を有する光重合性不飽和化合物 20〜300重量部 C.キレ−ト化合物金属塩 0.001〜5重量部
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10986692A JPH05303201A (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 感光性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10986692A JPH05303201A (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 感光性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05303201A true JPH05303201A (ja) | 1993-11-16 |
Family
ID=14521187
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10986692A Pending JPH05303201A (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 感光性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05303201A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005343845A (ja) * | 2004-06-04 | 2005-12-15 | Hakuto Co Ltd | アクリロニトリルの重合抑制剤および重合抑制方法 |
CN102262357A (zh) * | 2010-05-27 | 2011-11-30 | 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 | 光刻胶和光刻胶图形的优化方法 |
-
1992
- 1992-04-28 JP JP10986692A patent/JPH05303201A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005343845A (ja) * | 2004-06-04 | 2005-12-15 | Hakuto Co Ltd | アクリロニトリルの重合抑制剤および重合抑制方法 |
CN102262357A (zh) * | 2010-05-27 | 2011-11-30 | 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 | 光刻胶和光刻胶图形的优化方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4828963A (en) | Printing plate having photosensitive polymer composition | |
US3740224A (en) | Photosensitive compositions for the production of printing plates | |
JP2003507758A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
US4606993A (en) | Water developable photosensitive resin composition | |
JPS5911096B2 (ja) | 樹脂凸版用感光性組成物 | |
JPH05303201A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JPH04283749A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JPS60252341A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JPS5811931A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JPH06175363A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JPH0363736B2 (ja) | ||
JPS60173543A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JPS6348328B2 (ja) | ||
JPH025062A (ja) | ネガ型の感光性記録層 | |
JPH0363739B2 (ja) | ||
JPH03274558A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JPS61264339A (ja) | 印刷版材用感光性樹脂組成物 | |
JPS61103150A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JPH0616978A (ja) | ネガ型感光性電着塗料樹脂組成物、これを用いた電着塗装浴及びレジストパターンの製造法 | |
JPS63253350A (ja) | 感光性樹脂凸版材料 | |
JPS60122937A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JPH06317903A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JPH1062967A (ja) | 感光性樹脂凸版材 | |
JP2002055447A (ja) | 感光性樹脂組成物、それよりなる印刷原版および印刷版の製造方法 | |
JPS59149354A (ja) | 感光性樹脂組成物 |