JPH05303201A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物

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JPH05303201A
JPH05303201A JP10986692A JP10986692A JPH05303201A JP H05303201 A JPH05303201 A JP H05303201A JP 10986692 A JP10986692 A JP 10986692A JP 10986692 A JP10986692 A JP 10986692A JP H05303201 A JPH05303201 A JP H05303201A
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JP
Japan
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photosensitive resin
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pts
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JP10986692A
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Hirofumi Inamura
広文 稲村
Shigetora Kashio
重虎 樫尾
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】この発明は、完全ケン化または部分ケン化ポリ
酢酸ビニル100重量部、分子中にエチレン性二重結合
を有する光重合性不飽和化合物20〜300重量部、そ
れにキレ−ト化合物金属塩を0.001〜5重量部から
なる感光性樹脂組成物である。 【効果】耐熱安定性の優れた完全ケン化または部分ケン
化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂組成物を得る。その耐熱
安定性は感光性樹脂組成物の溶液のみならず、版材の耐
熱安定性にも大きな効果を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高度の画像再現性,す
ぐれた印刷適性および良好な水現像性を有する完全ケン
化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂印刷用
版材を与える感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属またはプラスチックの基材上に光重
合性の感光性樹脂層を設けた構造をもつ凸版、平版およ
び凹版印刷用の感光性樹脂版材が従来の金属版に代わっ
て印刷分野での主流を成している。市場における感光性
樹脂版材に対する性能要求は多岐にわたり、より高度な
品質が要求されている。これらの版材は、透明部分を持
つネガティブ、またはポジティブの原図フィルムを感光
性樹脂層に密着させた後に、活性光線を照射して原図フ
ィルムの透明部分に対応する感光性樹脂層に光重合を起
こし、ついで未重合部分を適当な溶剤に溶出することに
よって基材上にレリ−フを形成するものである。
【0003】このように光重合反応を利用した感光性樹
脂組成物は印刷版を初めとして各種の用途に用いられて
いる。なかでも中性水で未重合部分を溶出させて現像で
きるポリマ−として完全ケン化または部分ケン化ポリ酢
酸ビニルを基体樹脂として使用し、これにエチレン性不
飽和結合を有する光重合性架橋剤を配合することによっ
て、感光性を付与したものが実用化されている。
【0004】完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ルを基体ポリマ−とする光重合性樹脂組成物の欠点は、
組成物溶液の耐熱安定性が悪く、容易に熱重合すること
である。この機構については、必ずしも明らかではない
が、井本らは、完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビ
ニルと水、アルコ−ルおよび光重合性架橋剤が錯体を形
成してラジカルを発生することを報告している(Mak
romolChem.104,244/1967)。こ
のように組成物溶液の耐熱安定性が不良であるために、
プラスチックや金属の基版上に感光層を設ける際の成形
温度を低くする必要がある。成形温度を低くするために
は、感光性樹脂組成物を多量の水または、水とアルコ−
ルの混合溶媒に溶解させた溶液の形で基版上に塗布し、
低温で長時間をかけて乾燥するプロセスをとらざるを得
ない(例えば米国特許第3936254号明細書)。こ
のようなプロセスは極めて生産性が低い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】完全ケン化または部分
ケン化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂版材製造上の問題点
は、成形温度を高くできない点にある。これは、感光性
樹脂組成物溶液が容易に熱重合することに起因してい
る。したがって、成形温度を高くするためには、感光性
樹脂組成物溶液の耐熱安定性を飛躍的に向上させること
が必要である。また、得られた感光性樹脂版材を高温で
保存した場合でも、その感光特性を変化させないことも
重要である。本発明者らは、これらの課題の解決につい
て鋭意検討の結果、本発明に到達した。
【0006】従って、この発明の目的は完全ケン化また
は部分ケン化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂組成物の組成
物溶液および版材の耐熱安定性を大幅に向上させること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の構成
は、次のA、BおよびC成分を少なくとも含んで成るこ
とを特徴とする感光性樹脂組成物である。
【0008】 A.ケン化度50モル%以上の完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル 100重量部 B.分子中にエチレン性二重結合を有する光重合性不飽和化合物 20〜300重量部 C.キレ−ト化合物金属塩 0.001〜5重量部 本発明のA成分として使用される完全ケン化または部分
ケン化ポリ酢酸ビニルとしてはケン化度50モル%以上
のものが使用される。ケン化度が50モル%未満では水
溶性が著しく低下するので水現像が不可能になる。逆
に、ケン化度100モル%の完全ケン化ポリ酢酸ビニル
は常温水に対する溶解性が乏しいことが知られている
が、ジメチルアミノエチルメタクリレ−トと2ヒドロキ
シエチルメタクリレ−トの共重合物などの水溶性ポリマ
−を併用した場合には水現像性が得られるのでケン化度
の上限は100モル%である。以上の理由から、ケン化
度は50モル%以上であることが必要であり、水現像速
度の面からは70〜95モル%の範囲のものがより好ま
しい。
【0009】また、分子量としては任意のものが使用可
能であるが,水溶解性の面からは低分子量のものが良好
であり、画像再現性とレリ−フの強靭性の面からは分子
量の高いものが好ましい。このように水現像性と画像再
現性および印刷適性は、完全ケン化または部分ケン化ポ
リ酢酸ビニルの分子量に関しては相反する選択条件であ
るが、通常重合度300〜3000のものが用いられ、
より好ましくは分子量500〜2000の完全ケン化ま
たは部分ケン化ポリ酢酸ビニルが用いられる。A成分と
して、ケン化度および重合度の異なる2種類以上のもの
を使用することも可能である。
【0010】A成分の完全ケン化または部分ケン化ポリ
酢酸ビニルの末端のカルボキシル基にグリシジルメタク
リレ−トなどの不飽和エポキシ化合物を反応させて、二
重結合を導入した完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸
ビニルやアリルスルホン酸などの他の架橋剤を1〜10
モル%の範囲で少量共重合した完全ケン化または部分ケ
ン化ポリ酢酸ビニル、および水酸基にエチレンオキサイ
ドを反応させて変性した部分ケン化ポリ酢酸ビニルなど
も残存する水酸基から計算されるケン化度が50〜10
0モル%の範囲を満足すれば使用可能である。特にグリ
シジルメタクリレ−トを末端に付加反応させて二重結合
を導入した完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル
は、B成分の光重合性架橋剤の光重合によって形成され
る架橋構造に完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ル自体が化学結合で組み込まれる。そのため、非常に高
度の画像再現性が得られるので特に好ましく用いられ
る。また、A成分として平均分子量300〜50000
のポリエチレンオキサイドなどの他のポリマ−を完全ケ
ン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニルに1〜20重量%
の範囲で少量混合して使用することも可能である。
【0011】本発明のB成分として使用される光重合性
不飽和化合物としては、A成分と一定程度以上の相溶性
のあるものは全て使用可能である。具体的には、次のよ
うなものが挙げられる。2−ヒドロキシエチルアクリレ
−ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレ−ト、2−ヒドロキシブチルアクリレ−ト、
2−ヒドロキシブチルメタクリレ−ト、3−クロロ−2
−ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、3−クロロ−2−
ヒドロキシプロピルメタクリレ−トなどの水酸基を有す
るモノアクリレ−トおよびモノメタクリレ−ト。エチレ
ングリコ−ルなどの多価アルコ−ルとアクリル酸または
メタクリル酸などの不飽和カルボン酸の反応によって得
られる多価アクリレ−トおよび多価メタクリレ−ト。エ
チレングリコ−ルジグリシジルエ−テルなどの多価グリ
シジルエ−テルとアクリル酸、メタクリル酸などの不飽
和カルボン酸の反応によって合成されるところの水酸基
を有する多価アクリレ−トおよび多価メタクリレ−ト。
グリシジルメタクリレ−トなどの不飽和エポキシ化合物
とアクリル酸またはメタクリル酸などの不飽和カルボン
酸の反応によって合成されるところの水酸基を有する多
価アクリレ−トおよび多価メタクリレ−ト。アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチロ−ルアクリルアミ
ド、N−メチロ−ルメタクリルアミド、ダイアセトンア
クリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、N−メチ
ロ−ルアクリルアミドまたはN−メチロ−ルメタクリル
アミドと多価アルコ−ルの縮合反応によって得られる多
価アクリルアミドおよび多価メタクリルアミドなどアク
リルアミド系の光重合性不飽和化合物などであり、好ま
しくは水酸基を有するアクリルまたはメタクリル酸エス
テル類およびアクリルまたはメタクリルアミド類であ
る。
【0012】B成分の光重合性架橋剤の使用量はA成分
の完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル100重
量部に対して20〜300重量部の範囲にあることが必
要であり、好ましくは50〜150重量部である。B成
分の使用量がA成分の完全ケン化または部分ケン化ポリ
酢酸ビニル100重量部に対して20重量部未満である
と、光重合によって生成する架橋構造の密度が不足する
ために十分な画像再現性が得られない。また高品質な画
像再現性を得るために架橋性のより高い光重合性不飽和
化合物を使用すると印刷版材の刷版硬度が高くなり印刷
用途によってはインキ着肉性が低下し良好な印刷物がで
きなくなる。逆にB成分の使用量が300重量部を越え
ると光重合によって生成する架橋構造の密度が過剰とな
るために、製版されたレリ−フが非常に脆くなり、その
ため印刷中にレリ−フにクラックが入るなどの問題が発
生する。
【0013】次に本発明で最も重要であるC成分のキレ
−ト化合物金属塩としては、アミノポリカルボン酸の金
属塩、例えばイミノジ酢酸、N−3,3−ジメチルブチ
ルイミノジ酢酸、2−ヒドロキシベンジルイミノジ酢
酸、アミノエチルイミノジ酢酸などのRX2 型化合物の
金属塩,カルボキシメチルイミノジプロピオン酸、ニト
リロトリ酢酸などのNX2 型化合物の金属塩、N−N´
ジヒドロキシエチルエチレンジアミンジ酢酸、N−N´
エチレンジアミンジ酢酸などのRNX−CH2 −CH2
−XNR型化合物の金属塩,N−(O−ヒドロキシシク
ロヘキシル)エチレンジアミントリ酢酸などのRNX−
CH2 −CH2 −NX2 型化合物の金属塩,エチレンジ
アミンテトラ酢酸、シクロヘキサン−1、4ジアミンテ
トラ酢酸、チオグリコ−ルチオエ−テルジアミンテトラ
酢酸などのNX2 群を2つ以上もつ化合物の金属塩、ま
た、脂肪族カルボン酸の金属塩、例えば蟻酸、酢酸、プ
ロピオン酸などモノカルボン酸の金属塩、シュウ酸、コ
ハク酸、マレイン酸などジカルボン酸の金属塩、トリカ
ルバリル酸、ブタン−1、2、3、4−テトラカルボン
酸などのポリカルボン酸の金属塩などを挙げることがで
きる。
【0014】以上のキレ−ト化合物の金属塩のなかでも
好ましいのはアミノポリカルボン酸で、中でも好ましい
のはNX2 群を2つ以上もつ化合物の金属塩であるエチ
レンジアミンテトラ酢酸のナトリウム塩、カリウム塩、
アルミニウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、鉄塩など
である。
【0015】C成分の使用量は、A成分の完全ケン化ま
たは部分ケン化ポリ酢酸ビニル100重量部に対して
0.001〜5重量部の範囲にあることが必要である。
使用量が0.001重量部未満であるとC成分の熱重合
防止効果が実質的に不足する。また、5重量部より多く
使用してもそれによる効果の増加はない。以上の理由か
ら、C成分の使用量は0.001〜5重量部の範囲にあ
ることが必要であり、より好ましくは、0.001〜3
重量部の範囲である。C成分として2種類以上のものを
併用することも可能である。
【0016】本発明の感光性樹脂組成物の耐熱安定性を
増すためにC成分のキレ−ト化合物金属塩と従来公知の
重合禁止剤を併用することもできる。好ましい熱重合禁
止剤としては、フェノ−ル類、ハイドロキノン類、カテ
コ−ル類などが挙げられる。これらの熱重合禁止剤は、
組成物全量に対して0.001〜0.5重量部の範囲で
使用することができる。また、染料、顔料、界面活性
剤、消泡剤、紫外線吸収剤、ハレ−ション防止剤などを
添加することもできる。
【0017】本発明の光重合反応を速やかに行わせるた
めの光増感剤としては、従来公知の化合物が全て使用で
きる。例えば、ベンゾインアルキルエ−テル類、ベンゾ
フェノン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフ
ェノン類、ジアセチル類などがある。これらの光増感剤
は完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル100重
量部に対して0.01〜10重量部の範囲で使用でき
る。
【0018】本発明の感光性樹脂組成物に、A成分の完
全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニルとB成分の光
重合性架橋剤との相溶助剤としてエチレングリコ−ル、
ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、グリ
セリン、トリメチロ−ルプロパン、トリメチロ−ルエタ
ンなどの多価アルコ−ル類を添加することも可能であ
る。これらの多価アルコ−ル類は、光重合部分の柔軟性
をより高めてレリ−フクラックの発生を防止する効果が
認められる。このような多価アルコ−ルは、感光性樹脂
組成物に対して40重量%以下の範囲で使用できる。
【0019】本発明の組成物を製造する方法としては、
A成分の完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニルを
水/アルコ−ルの混合溶媒に加熱溶解した後に、B成分
の光重合性不飽和化合物、C成分のキレ−ト化合物金属
塩、および光増感剤等を添加し、攪拌して十分に混合す
ることが一般的である。このようにして感光性樹脂溶液
が得られる。上記の混合溶液から感光層を形成せしめる
には、たとえば溶剤の大部分を留出した後に加熱して溶
融状態にして支持体上に押し出して成形することができ
る。また、乾式製膜法で感光性シ−トを作り、このシ−
トを支持体上に接着して感光層を形成することも可能で
ある。さらに、支持体上に直接に乾式製膜して感光層を
得ることもできる。支持体としては、スチ−ル、ステン
レス、アルミニュ−ム、銅などの金属板、ポリエステル
フイルムなどのプラスチックシ−ト、スチレン−ブタジ
エン共重合体などの合成ゴムシ−トが使用される。感光
層は、0.01〜10mmの厚さに形成することが好ま
しい。
【0020】本発明の感光性樹脂組成物を用いて印刷用
レリ−フ像を形成するには、上記のようにして作成した
感光層上にネガティブまたはポジティブの原図フイルム
を密着し通常300〜400nmの波長を中心とする高
圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセ
ノン灯、カ−ボンア−ク灯、ケミカル灯からの紫外線を
照射し、光重合によって不溶化を行わせる。次いで未重
合部分を中性水使用のスプレ−式現像装置またはブラシ
式現像装置で水中に溶出させることによりレリ−フが支
持体上に形成される。
【0021】本発明の感光性樹脂組成物は、凸版印刷版
材として用いられるときに最もその効果を発揮するが平
版印刷材、凹版印刷材、孔版印刷材、フォトレジストと
して使用することも可能である。
【0022】
【実施例】以下に実施例で本発明をさらに詳しく説明す
る。
【0023】実施例1 重合度800、ケン化度75モル%の部分ケン化ポリ酢
酸ビニル100重量部をエタノ−ル/水=50/50
(重量比)の混合溶媒150重量部と80℃に加熱して
溶解した。この溶液にグリシジルメタクリレ−ト3重量
部を添加し、80℃で1時間反応させることによってポ
リマに二重結合を導入した。次いで、ジメチルアミノエ
チルメタクリレ−トと2ヒドロキシエチルメタクリレ−
トを60/40(重量比)の組成で共重合したコポリマ
10重量部を添加し、さらに光重合性不飽和化合物とし
て、グリシジルメタクリレ−トとメタクリル酸の付加反
応物80重量部とペンタエリスリト−ルトリアクリレ−
ト10重量部を加え、エチレンジアミンテトラ酢酸ナト
リウム塩を0.1重量部、ジエチレングリコ−ルを10
重量部、光増感剤としてジメチルベンジルケタ−ル2重
量部を加えて70℃で1時間攪拌して十分に混合した。
上記の操作は全て窒素雰囲気下で行った。
【0024】このようにして得られた感光性樹脂組成物
の溶液を70℃で減圧系にして溶媒を留出し、溶質濃度
を75重量%まで濃縮した。得られた溶液の粘度は20
0ポイズであった。溶液の温度を70℃に保持して、そ
の後の経過粘度を測定した。その結果、4時間,8時間
および12時間経過した溶液の粘度はそれぞれ210ポ
イズ,220ポイズおよび220ポイズで極めて安定し
ていることが確認できた。
【0025】感光性樹脂組成物の溶液を乾式製膜法によ
りシ−ト化し、予めポリエステル/イソシアネ−ト系接
着剤を塗布、キュアしてある厚さ350μのスチ−ル基
版上に接着することで全体の厚さが1500μになるよ
うに設定して感光性樹脂版を得た。
【0026】得られた版材の感光層表面に感度測定用グ
レイスケ−ルネガフイルムおよび画像再現性評価用ネガ
フイルム(133線、3%、5%、10%網点、直径2
00μおよび300μの独立点、幅50μおよび70μ
の細線あり)を真空密着させ、高圧水銀灯で2分間露光
した。次いで30℃の中性水を入れたブラシ式現像装置
を使用して、現像を行ったところ4分間で非画線部が完
全に水中に溶出してレリ−フ像を得ることができた。得
られたレリ−フを評価した結果、グレイスケ−ルは17
ステップまで残っており高感度であることがわかった。
画線部は3%網点、300μ独立点、50μ細線などの
微細な部分まで問題なく再現していることを確認した。
【0027】また、この版材を50℃3%RHの雰囲気
中に30日間保存したもの、40℃80%RH雰囲気中
に30日間保存したものについて同様のテスト用ネガフ
ィルムを用いて、高圧水銀灯露光、ブラシ式現像を行い
室内保存版と比較評価を行った結果、感度、画像再現
性、および洗いだし性が三者ともに同等であり良好であ
ることを確認した。
【0028】比較例1 実施例1において使用したエチレンジアミンテトラ酢酸
ナトリウム塩を添加しないで、代わりに一般的な熱重合
禁止剤であるハイドロキノンモノメチルエ−テルを0.
1重量部添加して感光性樹脂組成物の溶液を得た。
【0029】この溶液を70℃で減圧系にして溶媒を留
出し、溶質濃度75重量%まで濃縮した。得られた溶液
の粘度は380ポイズであつた,溶液の温度を70℃に
保持して、その後の径時粘度を測定したが、1時間経過
時点で800ポイズに粘度上昇しており、溶液の色相に
も異常が認められた。以上のことから感光性樹脂版材を
得る事ができなかった。
【0030】このように高温下、窒素雰囲気下ではエチ
レンジアミンテトラ酢酸ナトリウム塩の添加なしでは感
光性樹脂溶液の調製は極めて困難であった。
【0031】実施例2 重合度600、ケン化度85モル%の部分鹸化ポリ酢酸
ビニル100重量部をエタノ−ル/水=30/70(重
量比)の混合溶媒150重量部と80℃に加熱して溶解
した。次いで光重合性不飽和化合物としてグリシジルメ
タクリレ−トとメタクリル酸の付加反応物60重量部と
プロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル1モルとア
クリル酸2モルの付加反応物50重量部を添加した。さ
らにエチレンジアミンテトラ酢酸カリウム塩を0.1重
量部と光増感剤としてベンゾインエチルエ−テル3重量
部を加え1時間攪拌混合した。以上の操作は全て窒素雰
囲気下で行った。
【0032】この様にして得られた感光性樹脂溶液を減
圧濃縮して溶質濃度90重量%にした。得られた高濃度
溶液の粘度は3000ポイズであった。これを90℃に
保持した二軸押出機に注入しさらに数重量%高濃度化し
たものをギヤポンプで定量化して口金からケミカルエッ
チングで表面をマット化したポリエステルフィルム(厚
さ100μ)上に感光層の厚さが700μになるように
キャスティングした。このフィルム上にキャスティング
された感光性樹脂層を、あらかじめポリウレタン系接着
剤を塗布したポリエステルフィルム基版(厚さ250
μ)上に温度80℃でラミネ−トした。このようにして
フィルム基版で裏打ちされ、マット化フィルムをカバ−
フィルムとする感光性樹脂版材がえられた。
【0033】この版材を実施例1で使用した感度測定用
グレイスケ−ルネガフイルムおよび画像再現性評価用ネ
ガフイルムを用いて評価した。感光層表面には、カバ−
フィルムのマット形状が転写されているためにネガフィ
ルムの真空密着性は非常に容易であった。次いで、ケミ
カル灯で4分間露光した後に、中性水を入れたスプレ−
式現像装置(水温30℃、スプレ−圧力4kg/cm2 )で
4分間現像して未重合部分を完全に水中に溶出してレリ
−フ像を得ることができた。得られたレリ−フを評価し
た結果、グレイスケ−ルは16ステップまで残ってお
り、画線部は3%網点、200μ独立点、50μ細線な
ど高級印刷に必要とされる非常に微細な部分まで問題な
く再現していることを確認した。
【0034】また、この版材についても実施例1と同様
に50℃3%RHの雰囲気中に30日間保存したもの、
40℃80%RH雰囲気中に30日間保存したものの感
度、画像再現性および洗いだし性を評価した結果、室内
保存版と同等の水現像性を示し良好な画像特性が確認で
きた。
【0035】比較例2 実施例2において使用したエチレンジアミンテトラ酢酸
カリウム塩の代わりに一般的な熱重合禁止剤であるハイ
ドロキノンを0.1重量部添加した。その他は全く同一
組成、同一手法で感光性樹脂溶液を調製しようとした。
しかし、光重合性不飽和化合物とジエチレングリコ−ル
およびベンゾインエチルエ−テルとハイドロキノンを加
えて80℃で1時間攪拌している間に、感光性樹脂組成
物溶液に増粘現象がみられ、白濁も認められた。最終的
にゲル状になって流延不可能となった。このように高温
下、窒素雰囲気下ではエチレンジアミンテトラ酢酸カリ
ウム塩の添加なしでは感光性樹脂溶液の調製は極めて困
難であった。
【0036】
【発明の効果】本発明は、耐熱安定性のすぐれた完全ケ
ン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂組成
物を得る。すぐれた耐熱安定性はC成分のキレ−ト化合
物金属得んの添加に由来する。このC成分の添加は感光
性樹脂組成物の溶液のみならず版材の耐熱安定性にも大
きな効果を発揮する。
【0037】完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ルは水分の共存下でラジカルを発生しやすいために、6
0℃を超える高温での成形が不可能であったが、キレ−
ト化合物金属塩を少量添加することで飛躍的に耐熱安定
性が改良されて、90〜100℃の高温での成形も可能
となった。成形温度がたかめられるようになったので、
感光性樹脂組成物溶液の高濃度でのキャスティングや、
高温での乾燥が可能になり版材成形プロセスの著しい合
理化が達成できた。以上のように、本発明は完全ケン化
または部分ケン化ポリ酢酸ビニル系感光性樹脂版材で最
大の問題であった成形中の熱重合を根本的に解決するも
のである。このように優れた熱重合防止効果は、本発明
のC成分であるキレ−ト化合物金属塩によってのみ得ら
れ、通常用いられているフェノ−ル類、ハイドロキノン
類、カテコ−ル類の熱重合禁止剤では達成できない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/038 H01L 21/027

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次のA、B、およびC成分を少なくとも含
    んで成ることを特徴とする感光性樹脂組成物。 A.ケン化度50モル%以上の完全ケン化または部分ケン化ポリ酢酸ビニル 100重量部 B.分子中にエチレン性二重結合を有する光重合性不飽和化合物 20〜300重量部 C.キレ−ト化合物金属塩 0.001〜5重量部
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005343845A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Hakuto Co Ltd アクリロニトリルの重合抑制剤および重合抑制方法
CN102262357A (zh) * 2010-05-27 2011-11-30 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 光刻胶和光刻胶图形的优化方法

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