JP6020419B2 - 屋外タンクの防水施工方法 - Google Patents

屋外タンクの防水施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6020419B2
JP6020419B2 JP2013233713A JP2013233713A JP6020419B2 JP 6020419 B2 JP6020419 B2 JP 6020419B2 JP 2013233713 A JP2013233713 A JP 2013233713A JP 2013233713 A JP2013233713 A JP 2013233713A JP 6020419 B2 JP6020419 B2 JP 6020419B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base
outdoor tank
waterproof
waterproof sheet
construction method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013233713A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015093697A (ja
Inventor
貴雄 宇野
貴雄 宇野
米山 勉
勉 米山
正夫 稲子
正夫 稲子
中島 剛
中島  剛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2013233713A priority Critical patent/JP6020419B2/ja
Publication of JP2015093697A publication Critical patent/JP2015093697A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6020419B2 publication Critical patent/JP6020419B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、屋外タンク、主に製油所や化学工場等に多く設置されている大型タンクの底部側と土台との境界部分への雨水の浸入を防止するのに有効な屋外タンクの防水施工方法に関する。
従来より、屋外タンク、主に製油所等に多く設置されている大型タンクには、その底部側と土台との境界部分への雨水の浸入の点で問題があった。この問題の対策として大型タンクの底部側と土台との境界部分をブチル系粘着ゴムシートで覆うことで雨水の浸入を防止することが行われていた。しかし、ブチル系粘着ゴムシートは耐候性、耐熱性、耐寒性に問題があり、雨水の浸入を長期間防止することができずに、屋外タンク底部に錆が発生しタンクが破損する危険性があった。
例えば、特許文献1(特許第3580887号公報)に記載の遮塩性と防水性を有するシーラント層、保護層、更に表被層を積層した被覆材を用いた場合、雨水の侵入を長期間防止することができず、屋外タンクの底部に錆が発生することがあった。
また、特許文献2(特許第4076673号公報)に記載の折り返し部を設けたシール材、材質がEPDM系加硫ゴム、未加硫ゴム系ブチルゴムであるシール材を用いた場合も、雨水の浸入を長期間防止することができず、屋外タンクの底部に錆が発生することがあった。
更に、特許文献3(特開2012−215057号公報)に記載の基材ゴム層上に粘着性シリコーン樹脂又はゲルからなる粘着層が形成されてなる防水シートを、屋外タンクの底部と土台との境界部分にまたがって貼着し、更には防水シートの重なる部分及び周面をシーリングすることによって、長期に亘って粘着力の低下がなく、また、長期に亘って物性の低下をきたすことなく使用し得る、長期間防水性を有する防水シートが得られる。しかしながら、屋外タンクの底部と土台との間には、通常段差が生じている。この段差が生じている箇所に直接防水シートを貼着した場合、外部からの物理的衝撃や、外気温の変動に伴う熱膨張・熱収縮の繰り返し等により、シートが破損してしまう可能性が非常に高くなる。そのため該段差の解消が必要である。
特許第3580887号公報 特許第4076673号公報 特開2012−215057号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、雨水の浸入を長期間防止することができ、屋外タンク底部に錆が発生せず、タンクの破損を防止するのに好適な防水シートを用いた屋外タンクの防水施工方法において、より長期間安定な状態で、かつより簡便な施工手順により防水シートを敷設する方法を提供することを目的とする。
雨水の浸入を防止するための防水シートは、屋外タンクの底部と土台との境界部分にまたがって貼着される。屋外タンクの底部と土台との間には、大概の場合、段差が存在しており、段差の大きさはタンクの種類、設置環境に応じて多様である。防水シートが施工後に、より安定な状態で存在するには、防水施工を実施する前工程において、屋外タンクの底部と土台との間の段差の解消を行なうのが非常に重要である。段差の解消には、モルタルを用いてタンク底部から土台にかけて、スロープ付けするのが好ましい。しかしながら、モルタル施工を行なうには、タンク底部と土台との隙間が開き過ぎていたり、土台部分がタンク底部よりはみ出している部分が少ない、或いは配管が通っていたりして、物理的にモルタル施工が困難な場合もある。そこで、段差が生じている箇所に緩衝材を用いることで、該段差を解消する方法を発明した。
すなわち、本発明は、上記目的を達成するため、下記の屋外タンクの防水施工方法を提供する。
〔1〕
土台上に設置した屋外タンクの底部と前記土台との境界部分を、防水シートを屋外タンクから土台にまたがって貼着することにより液密に被覆する屋外タンクの防水施工方法において、屋外タンクの底部と土台との間に空隙が生じている段差の該空隙を埋めるように断面円形状、長円状もしくは楕円状、三角形状、又は少なくとも先端が先細の多面体形状のバックアップ用緩衝材を配設すると共に、該緩衝材に隣接して断面三角形状の第2の緩衝材を前記屋外タンク側からこれより離間する方向に漸次土台からの高さが低くなるように配設し、これら両緩衝材を覆って防水シートを貼着することを特徴とする屋外タンクの防水施工方法。

緩衝材が、エラストマー、エラストマー系スポンジ、又はプラスチック系スポンジにより形成された〔1記載の防水施工方法。

緩衝材が、シリコーンゴム又はシリコーンゴムスポンジにより形成されたものである〔〕記載の防水施工方法。

シリコーンゴムの硬さがデュロメータータイプA硬度計で30〜80の範囲であり、シリコーンゴムスポンジの硬さがアスカーC硬度計で5〜60の範囲である〔〕記載の防水施工方法。

防水シートの屋外タンク及び土台への貼着が、プライマーなしに直接行われる〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の屋外タンクの防水施工方法。

防水シートが、少なくとも片面が粘着層を有するものであり、この粘着層を有する面を、前記境界部分を挟んで屋外タンクから土台にまたがって貼着させ、更には屋外タンク側の端縁部、土台側の端縁部、及び互いに隣接する防水シートの重なり部にそれぞれシーリング材を施工するようにした〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の屋外タンクの防水施工方法。
〔7〕
防水シートが、シリコーンゴムからなる基材ゴムの片面に粘着性を有するシリコーン樹脂又はシリコーンゲルからなる粘着層が形成されたものである〔6〕記載の屋外タンクの防水施工方法。
本発明によれば、屋外タンク、主に製油所や化学工場等に多く設置されている大型タンクの底部側と土台との境界部分への雨水の浸入を防止するのに有効で、その効果をより長期間継続させることが可能で、かつ簡便な防水施工方法を提供できる。
屋外タンクの設置状態を示す概略断面図である。 本発明に係る防水シートの一実施例を示す断面図である。 防水施工を行なう屋外タンクの一部省略断面図である。 防水シートを用いて防水施工を行なった時の一実施例を示す一部省略断面図である。 防水シートを用いて防水施工を行なった時の一実施例を示す一部省略図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は断面図である。 本発明に係る防水施工を行なう屋外タンクの一例を示す一部省略断面図である。 本発明に係る、緩衝材を用いて防水施工を行なった時の他の実施例を示す一部省略断面図である。
屋外タンクの防水施工方法は、土台上に設置した鋼鉄製等の屋外タンクの底部と土台との境界部分に雨水が浸入するのを防止する目的で、該境界部分を挟んで屋外タンクから土台にまたがって防水シートを貼着配設し、これにより前記境界部分を防水シートにより液密に被覆した防水施工方法において、前記屋外タンクの底部と前記土台との間に生じている段差を、モルタル施工によるスロープ付けよりも簡便な手法で解消させ、その防水機能をより長期間継続させることが可能である。
その方法の一例について図1を参照して説明すると、図1は、地面10上に設置された土台20に支持されて設置された屋外タンク30で、この屋外タンク30内には、例えば石油類、アスファルト、種々の化学薬品類等の内容物が収容されている。この屋外タンク30は、通常円柱形をしており、直径10〜80m、高さ10〜50mの大きさで、上記のように土台20上に設置されている。屋外タンク30のタンク底部はアニュラ板31にて構成され、土台20とアニュラ板31との境界部分が屋外タンクと土台との境界部分32である。この境界部分32への雨水浸入を防ぎ、タンク底部の錆、タンクの破損を防止するために、防水シートで屋外タンク、土台との境界部分を露出させることなく、その境界部分を完全に覆う。なお、33はタンク壁面を示す。
その防水シートの一例について図2を用いて説明すると、少なくとも片面の土台及びアニュラ板に接する面が粘着性を有するものを用いて施工することが好ましい。これにより境界部分32への雨水浸入防止をより確実に行なうことができる。即ち、防水シート40は、基材ゴム41の片面に粘着層42が積層されてなるもので、通常粘着層42上にはカバーフィルム43が剥離可能に積層され、施工時にカバーフィルム43を剥離し、粘着層42を土台20及びアニュラ板31に接するように施工する。この場合、防水シートは、耐候性、耐熱性、耐寒性を有する点からシリコーンが好ましい。図2を用いて例示すると、基材ゴム41はシリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムとしては特に限定されず、従来公知のシリコーンゴム組成物を硬化することにより得られるいずれのシリコーンゴムを用いても良い。粘着層42は粘着性を有するシリコーン樹脂又はシリコーンゲルが好ましい。シリコーン樹脂又はシリコーンゲルについても特に限定されないが、以下(A)〜(E)に説明する組成を有しているものが好ましい。
(A)下記平均組成式(1)
1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基、aは1.5〜2.8の範囲の正数である。)
で示される1分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:20〜100質量部、
(B)R3SiO1/2単位(式中、Rは非置換又は置換の1価炭化水素基である)とSiO2単位とを主成分とし、R3SiO1/2単位とSiO2単位とのモル比[R3SiO1/2/SiO2]が0.5〜1.5であり、Rはアルケニル基を含み、その総量が0.0001mol/g以上である樹脂質共重合体:0〜80質量部(但し、(A)、(B)成分の合計は100質量部である)、
(D)珪素原子と結合する水素原子を1分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)、(B)成分の合計100質量部に対し0.5〜30質量部であり、かつ(A)、(B)成分中に含まれる珪素原子に結合したアルケニル基に対する(D)成分中の珪素原子に結合した水素原子の量がモル比で0.2〜1.5となる量、
(E)付加反応触媒:触媒量。
土台20はコンクリート、モルタル、アスファルトコンクリート、アスファルトモルタルのいずれか或いはその組み合せからなる。土台と相性の良い防水シート40を用いて施工することが好ましい。
なお、上記少なくとも片面に粘着性を有する防水シートにおいて、土台及びアニュラ板(屋外タンク)と貼着される防水シートの少なくとも片面の粘着力が、屋外タンクと防水シートとでは0.5〜15N/25mmであり、土台と防水シートとでは0.5〜25N/25mmである防水シートを用いて施工を行なうことが好ましい。上記粘着力を有する防水シートを使用することで、屋外タンクと防水シートとの境界、土台と防水シートとの境界からの雨水の侵入を長期間防止することができる。上記粘着力より小さい場合は剥がれが生じやすく、その剥がれの部分から雨水の侵入が発生する。上記粘着力より大きい場合は境界部分を完全に覆うために必要となる施工中の部分的な覆い直しの作業がしづらくなり施工時間がかかってしまう。更に上記粘着力がより大きい場合は覆い直しができなくなり境界部分を完全に覆うことができなくなってしまう。
防水シートを設置する箇所について、図3を用いて説明すると、土台20とアニュラ板31との境界部分32について、防水措置が必要である。防水シートで境界部分を覆う一例について図4を参照して説明すると、土台20とアニュラ板31との境界部分32を覆うように防水シート40を施工する。ところが直接施工するには、境界部分32は、アニュラ板31の厚さの分だけ少なくとも段差100が生じている。この段差は、防水シート40に外的な物理的衝撃:例えば、防水シートの上に物が落下する、シートの上を人や動物が通行する、が加わったり、或いは熱的な膨張収縮の繰返し等により応力がかかったりして、防水シートが破損する原因となり得る。そこで、段差を解消するようにスロープ付けをすることが好ましい。スロープ付けの方法は、緩衝材を配設することにより行われる。図4は、かかる方法を示すもので、段差100に断面三角形状の緩衝材50の底面を対向させ、段差100から遠ざかるにつれて土台20からの高さが漸次低くなるように土台20上に配設し、その上を覆って防水シート40で配設するものである。
また、防水シートは、通常、複数枚を用い、これら複数枚を前記境界部分に沿って並設し、境界部分全部を防水シートにて被覆するが、この場合、屋外タンクと土台との境界部分で露出しやすい部分は隣り合う防水シート40,40同士の部分である。図5を参照して説明すると、隣り合う防水シートは重ね合わさることが好ましく、その防水シートの重なり部分50の幅は5mm以上が好ましく、10mm以上が更に好ましく、20mm以上がよりいっそう好ましい。防水シートの重なり部分の幅が5mmより小さい場合は施工中に剥がれが生じることがあり、境界部分32を完全に覆うことができず雨水の侵入が発生するおそれがある。防水シート同士の重なり部分が大きくなる、例えば50mmを超える場合は境界部分32全てを覆うための防水シートの必要量が多くなり、コスト高となる。
しかしながら、全ての屋外タンクにおいて、図3のように、アニュラ板31と土台20がきれいに接している訳ではない。図6のように大きく隙間が開いている場合もあり得る。その状況は、タンクの種類(構造)、設置環境に応じて多様である。このように空隙100aを有する段差100がある箇所に防水シート40を施工した場合、段差100による応力が防水シート40に掛かり、前述のように外部からの物理的衝撃や、外気温の変動に伴う熱膨張・熱収縮の繰り返し等により、シートが破損してしまう可能性が非常に高くなる。
そこで、空隙を有する段差を解消するための手段を実施する必要がある。この場合、モルタルを該段差に施工して段差を埋める方法は、作業環境が整わず、モルタルを使用出来ない場合がある。例えば、該空隙100aが大きかったり、犬走り部分が狭かったりして、モルタルでのスロープ付けが困難な場合である。また使用環境が苛酷である場合、モルタルがひび割れるなど破壊が生じてしまう可能性があり、使用に不適な場合もある。
また、シーラント材を直接該空隙100aに施工して段差を埋めることもできる。この場合シーラントが少なくとも表面が硬化するまで待つ必要があるが、モルタルが硬化するのにも同様に時間を要するので、施工時間が長くなることはない。その場合、ノズルから吐出されたシーラント材を該段差に直接施工できるので、モルタル施工より簡便である。
しかし、空隙100aが大きい場合、シーラント材を施工しても、硬化前のシーラント材が流動性を有しているため、アニュラ板31と土台20との隙間に流れてしまう可能性があり、有効に隙間を埋めることが出来ない。
この場合、図7に示したように、紐状或いはチューブ状の細長いバックアップ用緩衝材60を用いて上記空隙100aを有効に埋めることが可能である。
なお、上記緩衝材50及びバックアップ用緩衝材60としては、エラストマー、エラストマー系スポンジ、プラスチック系スポンジが好ましい。具体的には、天然ゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、EPDMゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、メラミン樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、EVA樹脂等が挙げられ、特にシリコーンゴム、シリコーンゴムスポンジが好ましい。この場合、シリコーンゴムの硬さは、デュロメータータイプA硬度計で30〜80の範囲であり、シリコーンゴムスポンジの硬さは、アスカーC硬度計で5〜60の範囲であることが好ましい。
防水シート40の基材がエラストマーの場合、同じエラストマー系の材質のものを用いることが、屋外に設置された場合の外気温の変化に伴う熱膨張・熱収縮の違いにより、施工初期との設置位置のずれが発生しにくいためである。設置位置のずれが発生した場合、長期的に防水シートが剥がれてしまう可能性があり、防水機能を損なうおそれがある。
バックアップ用緩衝材60の形状は、屋外タンクのアニュラ板を含む金属板の外間に沿って設置することを考えると、細長い形状(紐状)が好ましい。その断面の形状は、特に限定されないが、空隙100aに先端部が挿入可能で、かつ中間部乃至後端部が空隙100aにつかえる形状を有するものが好ましく、かかる点から断面円形、楕円形、長円形や三角形、或いは少なくとも先端が先細の多面体である紐状のものを用いることが好ましい。空隙100aを埋めるためのバックアップ用緩衝材60はスポンジ状であることが好ましい。その大きさは、空隙100aを埋めるのに必要な分の大きさがあればよい。
更に、段差100の上端から土台20にかけてスロープを付けられるように断面三角形状の紐状緩衝材(第2の緩衝材)70を併用することが好ましい。即ち、図7に示したように、上記バックアップ用緩衝材60に隣接して断面三角形状の第2の緩衝材70をその底面をバックアップ用緩衝材60に対向させ、屋外タンク30側からこれより離間する方向に漸次土台20からの高さが低くなるように土台20上に配設することが好ましい。断面三角形状は、断面二等辺三角形状であることが好ましい。断面直角三角形形状の方が、土台との隙間が無く設置できると考えられるので、形状的に好ましいと考えられる。しかし、実際の施工に際しては、土台が必ずしも完全な平坦ではないこと、また直角三角形にした場合、設置する向きが決まってしまい、作業現場では煩わしさが生じてしまうこともあり、必ずしも施工する作業者に歓迎されない。
断面三角形状の紐材の大きさは、底辺部分の長さがアニュラ板の厚さの60〜95%になるのが好ましい。例えば、日本ではアニュラ板の厚さは9〜12mmのケースが多いので、断面三角形状の紐状緩衝材50及び70の、断面の三角形の底辺部分の長さ(高さ)は6〜11mmが好ましい。また他の辺は底辺の3倍程度あると緩やかなスロープ付けがしやすいため、長さは15〜40mmが好ましい。より好ましくは20〜30mmである。
断面三角形状の紐状の緩衝材50及び70は、土台の上に直接設置してもよいが、より密着して設置するには、土台の上にシーラント等のシーリング材をアニュラ板と土台の上に塗布し、その上にシーリング材が硬化してしまう前に設置して、更に断面の三角形の鋭角の部分を目地止めテープで固定するとよい。目地止めテープの種類は特に限定されないが、例えば、吉野石膏製タイガーGファイバーテープを用いて固定する。
また、本発明の施工方法において、防水シート40と土台20及びアニュラ板31とをプライマーなしに直接貼着するものを用いて施工することが好ましい。気候による寒暖の差や、天候、特に雨雪など水分が多く結露等が発生する場合、施工面が乾燥するまで施工できないといった問題点があったが、本発明の防水施工方法を用いることにより、プライマーレスで施工できるため、接着面に水分が残っていても、ウエス等で十分拭き取るだけで施工が可能となり、天候回復後直ちに施工が開始できるという画期的な特徴を有している。また、施工中の降雨による雨水の浸入の可能性を大幅に低減できる。
更に、防水シート40の屋外タンク30側の端縁部及び土台20側に端縁部をシーリング材80にて接着施工することが好ましい。これにより、防水施工がより確実になされる。また、上記防水シート40,40相互の重ね合せ部を覆ってシーリング材80にて施工することも好ましい。
シーリング材は公知のシリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系等のいずれのものも使用できるが、シリコーンシーリング材を用いた施工方法が好適である。このようなシーリング材としては、信越化学工業株式会社製のシーラントマスター300、シーラント70、シーラント701等を使用できる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
参考例1]
厚さ10mmのモルタルテストピース(1辺の長さ150mm×幅50mm)の上に、厚さ5mmの炭素鋼板(炭素含有量0.25%)のテストピース(1辺の長さ150mm×幅50mm)を3枚重ねて15mmの段差を作った。その段差に沿うように、緩衝材として底辺12mmで他の辺の長さ25mmの二等辺三角形の断面を有するシリコーン製スポンジをおいてスロープを作った。これらテストピースとスポンジを覆うように、長さ200mm×幅30mmにカットした、片面に粘着層のあるシリコーン製防水シートHNS−200(信越化学工業株式会社製)を、粘着層が下側になるようにスロープに沿って設置した。また、HNS−200の端部はシーラントマスター300でシーリングして一晩室温で放置した。
[実施例
厚さ10mmのモルタルテストピース(1辺の長さ150mm×幅50mm)の上に、厚さ5mmの炭素鋼板(炭素含有量0.25%)を1枚のせ、更にその上に、最初の1枚目とずらして5mmの隙間が生じるように3枚重ねて計20mmの段差を作った。その段差に沿うように、緩衝材として、まずはポリエチレン製の断面が直径15mmの丸状のスポンジを最初に作った隙間に潜りこませるようにおき、それに接するように底辺12mmで他の辺の長さ25mmの二等辺三角形の断面を有するシリコーン製スポンジをおいてスロープを作った。これらテストピースとスポンジを覆うように、長さ200mm×幅30mmにカットした、片面に粘着層のあるシリコーン製防水シートHNS−200(信越化学工業株式会社製)を、参考例1と同様に粘着層が下側になるように設置した。シーリングも参考例1と同様に行なった。
[比較例1]
厚さ10mmのモルタルテストピース(1辺の長さ150mm×幅50mm)の上に、厚さ5mmの炭素鋼板(炭素含有量0.25%)を3枚重ねて15mmの段差を作った。その段差に沿うようにこれらテストピースを覆うように、長さ200mm×幅30mmにカットした、片面に粘着層のあるシリコーン製防水シートHNS−200(信越化学工業株式会社製)を、参考例1と同様に粘着層が下側になるように設置した。シーリングも参考例1と同様に行なった。
[比較例2]
厚さ10mmのモルタルテストピース(1辺の長さ150mm×幅50mm)の上に、厚さート5mmの炭素鋼板(炭素含有量0.25%)を2枚重ねて置いた。その段差に沿うように前記モルタルテストピースを1枚置いた。これら2種類のテストピースを覆うように、長さ200mm×幅30mmにカットした、片面に粘着層のあるシリコーン製防水シートHNS−200(信越化学工業株式会社製)を、参考例1と同様に粘着層が下側になるように設置した。シーリングも参考例1と同様に行なった。
[各評価項目]
・耐久性
実際のモデルケースとなる実施例及び比較例に示したテストピースに設置したシリコーン製防水シートに対して、該段差の部分に長さ200mm×幅3mmの長方形の断面積を持つ鋼性ツールを持つ簡易圧着装置(大崎エンジニアリング製)を用いて、繰り返し圧力をかけて押した。シートが切断、或いは破損するまでの回数によって耐久性を評価した。
ツールの設定温度:50℃、圧力:10MPa、1回の印加時間:10秒間
・粘着性
得られた防水シートを、オートグラフ(島津製作所製)を用いて、貼り付け20分後及び常温1週間放置後の、モルタルテストピース貼り付け側からの粘着力を測定した。但し、粘着性測定時のHNS−200は長さ200mm×幅25mmにし、シート端部へのシーリングは行なっていない。テストスピードは300mm/min.とした。常温1週間放置後の粘着力は、経時の粘着力の変化を確認する目的で測定した。
・施工の簡便さ
実施例及び比較例は、施工現場での状況を想定しており、特に、比較例2はモルタルによるスロープ付けを想定している。相対比較を表1に示す。
Figure 0006020419


10 地面
20 土台
30 屋外タンク
31 アニュラ板(屋外タンクの一部)
32 屋外タンクと土台との境界部分
33 タンク壁面(屋外タンクの一部)
40 防水シート
41 基材ゴム
42 粘着層
43 カバーフィルム
50 緩衝材
60 バックアップ用緩衝材
70 第2の緩衝材
80 シーリング材
100 段差
100a 空隙

Claims (7)

  1. 土台上に設置した屋外タンクの底部と前記土台との境界部分を、防水シートを屋外タンクから土台にまたがって貼着することにより液密に被覆する屋外タンクの防水施工方法において、屋外タンクの底部と土台との間に空隙が生じている段差の該空隙を埋めるように断面円形状、長円状もしくは楕円状、三角形状、又は少なくとも先端が先細の多面体形状のバックアップ用緩衝材を配設すると共に、該緩衝材に隣接して断面三角形状の第2の緩衝材を前記屋外タンク側からこれより離間する方向に漸次土台からの高さが低くなるように配設し、これら両緩衝材を覆って防水シートを貼着することを特徴とする屋外タンクの防水施工方法。
  2. 緩衝材が、エラストマー、エラストマー系スポンジ、又はプラスチック系スポンジにより形成された請求項記載の防水施工方法。
  3. 緩衝材が、シリコーンゴム又はシリコーンゴムスポンジにより形成されたものである請求項記載の防水施工方法。
  4. シリコーンゴムの硬さがデュロメータータイプA硬度計で30〜80の範囲であり、シリコーンゴムスポンジの硬さがアスカーC硬度計で5〜60の範囲である請求項記載の防水施工方法。
  5. 防水シートの屋外タンク及び土台への貼着が、プライマーなしに直接行われる請求項1〜のいずれか1項記載の屋外タンクの防水施工方法。
  6. 防水シートが、少なくとも片面が粘着層を有するものであり、この粘着層を有する面を、前記境界部分を挟んで屋外タンクから土台にまたがって貼着させ、更には屋外タンク側の端縁部、土台側の端縁部、及び互いに隣接する防水シートの重なり部にそれぞれシーリング材を施工するようにした請求項1〜のいずれか1項記載の屋外タンクの防水施工方法。
  7. 防水シートが、シリコーンゴムからなる基材ゴムの片面に粘着性を有するシリコーン樹脂又はシリコーンゲルからなる粘着層が形成されたものである請求項6記載の屋外タンクの防水施工方法。
JP2013233713A 2013-11-12 2013-11-12 屋外タンクの防水施工方法 Active JP6020419B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013233713A JP6020419B2 (ja) 2013-11-12 2013-11-12 屋外タンクの防水施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013233713A JP6020419B2 (ja) 2013-11-12 2013-11-12 屋外タンクの防水施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015093697A JP2015093697A (ja) 2015-05-18
JP6020419B2 true JP6020419B2 (ja) 2016-11-02

Family

ID=53196371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013233713A Active JP6020419B2 (ja) 2013-11-12 2013-11-12 屋外タンクの防水施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6020419B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6630158B2 (ja) * 2016-01-20 2020-01-15 積水化学工業株式会社 セメント硬化体構造物の保護工法およびセメント硬化体構造物の保護構造
JP6756304B2 (ja) * 2017-06-12 2020-09-16 信越化学工業株式会社 防水シート及び防水施工方法
CN113104417A (zh) * 2021-05-11 2021-07-13 正博(廊坊)石油管道技术有限公司 油罐防水裙

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5836296U (ja) * 1981-09-04 1983-03-09 三信整熱工業株式会社 貯蔵タンク底板への雨水浸入防止装置
JPS6225697U (ja) * 1985-07-30 1987-02-17
JPH02140370A (ja) * 1988-11-22 1990-05-30 Zenetetsuku:Kk 石油タンクの施工方法
JP3580887B2 (ja) * 1995-01-18 2004-10-27 株式会社共和 屋外貯蔵タンクの雨水浸入防止用被覆材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015093697A (ja) 2015-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102488799B1 (ko) 방수 시트 및 방수 시공 방법
KR20080086805A (ko) 신축이음부재를 이용한 콘크리트 구조물의 신축이음부방수구조 및 방수방법
JP6020419B2 (ja) 屋外タンクの防水施工方法
JP6780289B2 (ja) ボックスカルバートの補修方法
JP2016000889A (ja) 直線状隙間の覆いシート材及びそれを用いた塗膜防水工法
CN105980642A (zh) 防蛇行可溶胀止水带
JP2007198119A (ja) コンクリート水路目地部遮水構造および遮水工法
KR100956884B1 (ko) 방수시트 및 이의 시공방법
KR101168688B1 (ko) 내부가 비어 있는 돌기를 가진 방수용 요철성형 방수재와 이를 이용한 방수공법
JP6511652B2 (ja) コンクリート構造物の防水工法
JP7068767B2 (ja) 防水樹脂シート、スラブ、スラブの施工方法
JP5864523B2 (ja) 空隙封止構造及びその方法
JP6102154B2 (ja) 屋外タンクの防水施工方法
KR101864090B1 (ko) 실내 복합시트 방수공법
JP6520321B2 (ja) コンクリート構造物の防水防食構造およびコンクリート構造物の防水防食工法
JP6936708B2 (ja) 封止構造及び封止工法
JP6717454B2 (ja) コンクリート構造物の防水工法
KR100712129B1 (ko) 콘크리트 구조물의 이음부 방수구조 및 그 시공방법
JP6046960B2 (ja) サイディング材の目地の防水材、同防水材を備えた防水構造、同防水構造を備えた建築物、並びに、同防水材を使用した防水方法
JP6866916B2 (ja) ボックスカルバートの施工方法及び保護シート
JP7379617B2 (ja) 目地構造、及び、目地構造用部材の製造方法
JP7046572B2 (ja) 防水樹脂シート、デッキプレート、デッキプレートの施工方法
JP5668104B2 (ja) 防水構造及び防水方法
KR101558457B1 (ko) 탄소섬유를 이용한 옥상방수공법
JP6173386B2 (ja) 空隙封止構造及び空隙封止方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160816

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6020419

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150