JP6511652B2 - コンクリート構造物の防水工法 - Google Patents

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この発明は、例えば、地中に埋設した水槽などのコンクリート構造物の防水工法に関する。
例えば、地中に埋設された防火水槽などのコンクリート構造物は、設計時における設計基準に基づいて設計され、部材厚や配筋量が設定されている。したがって、現在新設するコンクリート構造物は、地震時の外力に対する検討も行い、所定の地震力に対する耐震性も備えている。しかしながら、供用中のコンクリート構造物には、地震時の外力に対する検討がされていないコンクリート構造物もある。このような地震時の外力に対する検討されていないコンクリート構造物は、現在の地震時に作用する外力を検討したコンクリート構造物に比べ、部材厚も薄く、配筋量もすくない。さらに、古い構造物の場合、鉄筋が配筋されていない無筋コンクリートで構成されている場合もある。
なお、このように、部材厚が薄かったり、配筋量が少ない、あるいは無筋のコンクリート構造物に対して、地震などの設計時に検討した外力以上の力、つまりコンクリート構造物の耐力を超える外力が作用すると、コンクリート構造物にはクラックと呼ばれるひび割れが発生する惧れがある。
このようなひび割れが発生すると、鉄筋コンクリートの場合、コンクリート内部に配置された鉄筋に外気が触れ、酸化して錆が発生し、ひび割れが拡大する惧れがある。
また、無筋コンクリートの場合であっても、防火水槽のように液体を溜めることを主たる目的としたコンクリート構造物の場合、ひび割れによって、溜める液体が漏出する惧れがある。特に、地中に埋設された既設の防火水槽の場合、防火水槽の防水処理は外側から行うことは、工事費が大幅に増大したり、工事によって地域や交通に多大な影響を及ぼすため、非常に困難であった。
これまで、このようなひび割れに対する防水処理として、例えば、特許文献1に記載するように、コンクリート内面に対して、下層ほどせん断弾性係数の小さな防水塗料を塗布して複層防水膜を形成するなどのひび割れ追従性のある防水塗装を塗布して塗膜防水構造を構成することで対応していたが、ひび割れが大きくなると、ひび割れ箇所の防水塗装自体に伸びが生じ、許容伸び量を超えると防水塗装膜自体が剥がれたり、割れたりして、防水効果を得られなくなる惧れがあった。
特開平7−11744号公報
そこで、この発明は、ひび割れが発生しても確実に防水することができるコンクリート構造物の防水工法を提供することを目的とする。
この発明は、不透水性のシート基材と、該シート基材の片面に配置され、コンクリート構造物の内面に貼り付られる粘着層とを積層して構成されるとともに、前記シート基材に比べて前記粘着層の変形性が高い防水シートを、コンクリート構造物の内面に貼り付け、前記内面のひび割れによって前記粘着層が変形するコンクリート構造物の防水工法であることを特徴とする。
上記コンクリート構造物は、鉄筋コンクリート、あるいは無筋コンクリートで構成された既設のコンクリート構造物あるいは、新設するコンクリート構造物を含むものとする。
上述の前記シート基材に比べて前記粘着層の変形性が高いとは、伸縮性のないシート基材に対して粘着層が伸縮性のある場合、あるいは所定の伸縮性を有するシート基材に対してそれ以上の伸縮性のある粘着層である場合を含むものとし、なお、変形性とは、上述の伸縮性のみならず、硬さ、引張強度、粘着強度及び厚みなどの様々な性状に影響する要素に基づいて定まる性能とする。
この発明により、コンクリート構造物にひび割れが発生しても確実に防水することができる。
詳述すると、不透水性のシート基材と、該シート基材の片面に配置し、コンクリート構造物の内面に貼り付ける粘着層とで構成する防水シートにおいて、前記シート基材に比べて前記粘着層の変形性が高いため、コンクリート構造物の内面に貼り付けることによって、コンクリート構造物にひび割れが生じても、防水シートで防水することができる。
特に、シート基材の許容伸び量を超えるような大きなひび割れが生じた場合であっても、粘着層の高い変形性によって大きなひび割れに追従することで、ひび割れ幅に対して広い範囲のシート基材が伸びてシート基材に過剰な引っ張り力が作用することを防止するため、不透水性のシート基材が破損することなく、確実に防止することができる。
また、このように大きなひび割れに対しても確実な防水性を得ることができる防水シートをコンクリート構造物の内面に貼り付けるため、例えば、地中に埋設された既設の防火水槽のような、外側からの防水処理を行うことが困難であるコンクリート構造物であっても、確実に防止することができる。
この発明の態様として、前記シート基材はシリコーンゴムを主成分とするとともに、前記粘着層がシリコーンゲルを主成分とし、前記基材と前記粘着層とを直接積層して前記防水シートを構成することができる。
この発明により、不透水性、伸びに加え、耐候性、耐熱性、耐寒性を有し、さらには撥水性の高いシート基材を構成し、また、その親和性によって常温において固体状で粘着性を有するとともに、伸び(変形性)がシート基材より大きい粘着層を構成することができる。したがって、屋外でも使用でき、大きなひび割れに対しても確実な防水性を得ることができる防水シートを構成することができる。
またこの発明の態様として、前記防水シートを帯状に構成するとともに、前記コンクリート構造物の内面に並列配置するとともに、並列配置する前記防水シートの一方の一部を他方の前記防水シートに重ねて貼り付けることができる。
上述の並列配置とは、帯状に形成した防水シートの幅方向に並べて配置することとする。
この発明により、取り扱いが容易である帯状の防水シートを用いて、隙間をあけることなく、防水シートを貼り付けて確実に防水することができる。
またこの発明の態様として、複数枚の前記防水シートを所定の方向に直列配置するとともに、前記防水シートの前記所定の方向に並ぶ端部同士を跨ぐように前記シート基材を接着剤で貼り付けることができる。
上記所定の方向とは、例えば、帯状の防水シートを配置する場合は、帯状の長手方向とすることができ、多角形状の防水シートの場合、多角形を構成する各辺に対して直交する方向などとすることができる。
上述の前記防水シートの前記所定の方向に並ぶ端部同士は、所定の方向において突合せて配置した端部同士、わずかな隙間を隔てて対向配置した端部同士、一部を重ね合わせて配置した端部同士など適宜の態様で配置された端部同士とすることができる。
この発明により、直列配置した複数枚の防水シートを、シート基材を貼り付けてつなぎ合わせることで一体化し、1枚の防水シートで防水する場合に比べて広い範囲を防水することができる。
詳述すると、複数枚の前記防水シートを所定の方向に直列配置するとともに、前記防水シートの前記所定の方向に並ぶ端部同士を跨ぐように前記シート基材を接着剤で貼り付けることによって、防水シートの端部同士において、防水シートを構成するシート基材を一体化することができるため、シート基材の許容伸び量を超えるような大きなひび割れが生じた場合であっても、粘着層の高い変形性によって大きなひび割れに追従することで、ひび割れ幅に対して広い範囲のシート基材が伸びてシート基材に過剰な引っ張り力が作用することを防止するため、不透水性のシート基材が破損することなく、確実に防止することができる。
またこの発明の態様として、前記防水シートの端部をシーリング材によりシールすることができる。
上記防水シートの端部は、防水シート同士の長手方向、あるいは幅方向の重なり部分や突き合わせ部分を構成する防水シートの端部とすることができる。
この発明により、より防水性の高い防水構造を構築することができる。
この発明により、ひび割れが発生しても確実に防水することができるコンクリート構造物の防水工法を提供することができる。
内面防水処理を施した防火水槽の概略斜視図。 防水シートの概略斜視図。 貼り付け状態の防水シートの概略断面図。 貼り付け状態の防水シートの継手部の概略断面図。 防水工法の施工フロー図。 防水シートのひび割れ追従性についての断面図による説明図。 内面防水処理を施した別の防火水槽の概略斜視図。 従来の防水シートのひび割れ追従性についての断面図による説明図。
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
なお、図1は内面防水処理を施した防火水槽1の概略斜視図を示し、図2は防水シート10の概略斜視図を示し、図3は貼り付け状態の防水シート10の概略断面図を示し、図4は貼り付け状態の防水シート10のラップ部10aを説明する概略断面図を示し、図5は防水工法の施工フロー図を示し、図6は防水シート10のひび割れ追従性についての断面図による説明図を示している。
詳述すると、図1は地中に埋設され、防水シート10による防水処理を行った防火水槽1の概略斜視図であり、内面に貼り付けた防水シート10を図示するため、手前側の一部を透過状態で図示している。
図2は2層構造の防水シート10の斜視図であり、シート基材20の手前側の一部を透過状態で図示し、図3は防火水槽1の内面1aに対して貼り付けた貼り付け状態の複数枚の防水シート10の幅方向Wに沿う方向の断面図を示している。
図4(a)は長さ方向Lに連続する防水シート10の端部11同士を突き合わせた突合せ部10bの平面図を示し、図4(b)はその長さ方向Lに沿う方向の断面図を示している。
図6(a)は初期状態、つまりひび割れCが発生する前の貼り付け状態の防水シート10の断面図を示し、図6(b)はひび割れ幅Cwが比較的小さなひび割れCが生じた状態の断面図を示し、図6(c)はひび割れ幅Cwが大きくなった状態の断面図を示している。なお、図8(a)乃至(c)は従来の防水シート100で防止処理した場合における図6(a)乃至(c)と同状態における断面図を示している。
また、図2、3、4、6、8では、シート基材20と粘着層30とで2層構造である防水シート10の構成をより明確に図示するため、幅方向Wや長さ方向Lに比べて厚さ方向Hを厚く図示している。
防水シート10で防止処理を行う防火水槽1は、地中に埋設され、内部空間Xに水を貯留できるコンクリート製の水槽であり、より詳しくは、耐震性の低い、無筋コンクリート、あるいは耐震性の水槽に比べて部材厚及び鉄筋量の少ない鉄筋コンクリート製の略直方体状の中空体であり、天蓋2に、地表面まで延び、内部空間Xに連通する人孔3を備えている。
このように構成した防火水槽1の内面1aに貼り付けて防水処理する防水シート10は、シート基材20と粘着層30とを積層した2層構造のシリコーン粘着シートであり、幅方向Wに対して長さ方向Lに長い帯状に形成している。なお、本実施形態においては、幅方向Wが40mm、厚さ方向Hが2mmの断面で、所定長さの帯状に形成している。
シート基材20は、本発明が解決しようとする課題から、不透水性、伸びを有するシート状であり、屋外でも使用されることを想定すると、耐候性、耐熱性、耐寒性があることが好ましい。このような材料として、シリコーンゴム、EPDMゴムなどが挙げられるが、撥水性が高いことからシリコーンゴムであることが好ましい。
上記シリコーンゴム組成物は、硬化型の種類として、有機過酸化物加硫、付加加硫などが例示される。
有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物として、アルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサンに硬化剤として有機過酸化物を硬化有効量(通常、上記オルガノポリシロキサン100質量部に対し1〜10質量部)配合したものが用いられる。有機過酸化物としては、パラーメチルベンゾイルパーオキサイド、オルトーメチルベンゾイルパーオキサイドに代表されるアシル系有機過酸化物や、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチルー2,5−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)へキサンに代表されるアルキル系有機過酸化物や、パーカーボネート系有機過酸化物、パーオキシケタール系有機過酸化物などが挙げられる。
付加加硫の場合は、1分子中に少なくとも2個以上のアルケニル基を有するオルガノシロキサンポリマーに、1分子中に、アルケニル基と反応する官能基を少なくとも2個以上有する化合物を触媒存在下で反応させて行なう。ヒドロシリル化反応が、この場合の好例として挙げられる。この付加反応硬化型シリコーンゴム組成物は、ビニル基に代表されるアルケニル基を1分子中に2個以上有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンと、SiH基を2個以上、好ましくは3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(通常、アルケニル基に対するSiH基のモル比が0.5〜4となる量)と、白金又は白金化合物に代表される白金族金属系付加反応触媒(通常、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンに対し白金族金属として1〜1,000ppm)とを含有するものが用いられる。
シート基材20の厚さは0.5〜3mmであればよい。また、その物理的特性は、JIS K6249に準拠した測定方法において、デュロメーターA硬度計による硬さが30〜85、引張り強さが5MPa以上、伸びが200%以上、クレセント型による引裂き強さが3kN/m以上が好ましい。
シート基材20に直接積層された粘着層30は、その硬さがシート基材20よりも小さく、伸び(変形性)がシート基材20より大きい粘着層であり、より詳細には、硬さがアスカーC硬度で15以下(デュロメーターA硬度2以下)であり、モルタルテストピースに対する粘着力が5N/25mm以上であることが好ましい。
また、粘着層30は、シート基材20がシリコーンゴムで構成されている場合、その親和性から常温において固体状で粘着性を有するシリコーンゲルで構成することが好ましい。
その構造はRSiO1/2単位とSiO2単位とを主成分とする樹脂質共重合体 からなる。
ここで、Rは非置換又は置換の1価炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基や、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基等が挙げられる。
この樹脂質共重合体は、上記RSiO1/2単位及びSiO2単位のみからなるものであってもよく、また必要に応じ、RSiO単位やRSiO3/2単位(Rは上記の通り)を含んでよい。この樹脂質共重合体は、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、加硫されたものである方が好ましい。加硫方法の種類としては、有機過酸化物加硫、付加加硫などが例示される。粘着層を硬化させる加硫剤は、公知のものでよい。
硬化方法はシリコーンゴムの加硫方法に準じて行なうが、硬化後の硬さは、基材ゴムの硬さより小さいもので、アスカーC硬度で15未満の正数が好ましい。アスカーC硬度で15を超えると粘着性が低下してしまう場合がある。
粘着性の指標として、前記基材に前記粘着層が積層してなる防水シートにおける、モルタルテストピースに対する粘着力が5N/25mm以上であることが好ましい。なお、粘着力はJIS
Z0237に準拠し、モルタルテストピースに25mm幅の防水シートを貼り着け、剥離速度300mm/minで180°ピール試験を行って測定する。
粘着層30の厚さは0.5〜2mmであればよい。なお、変形性とは、そのものが有する性能を発揮できる状態で変形する量を示している。また、粘着層30は、直接積層されていても、接着層を介して積層されていてもよい。
なお、粘着層30は、シート基材20に対して、ディッピング、スクリーン印刷、あるいはコーティング等の方法で積層して構成されるが、コーティング成形が好適に使用できるので好ましい。
このような性状のシート基材20及び粘着層30を積層して構成した帯状の防水シート10を、防火水槽1の内面1aに貼り付ける際には、例えば、図1に示すように、長さ方向Lが水平方向となるように、そして、高さ方向に並べて貼り付ける。
詳しくは、内面1aに対して、帯状の防水シート10を水平方向に沿って貼り付け、それを高さ方向に複数並べて配置する。そのとき、高さ方向に並ぶ防水シート10同士は、図3に示すように、防水シート10の幅方向Wの一部を、既に貼り付けた防水シート10の幅方向Wの一部に被せるように貼り付ける。つまり、水平方向に沿って貼り付けた防水シート10を、高さ方向において、一部がラップするラップ部10aを形成しながら貼り付ける。
なお、ラップ部10aは、防水シート10の幅方向Wの長さに対しておよそ1割程度の長さで形成しており、幅方向Wが40mmで防水シート10を形成した本実施形態において、ラップ部10aの長さを5mmで形成している。
また、図3に示すように、側面と天端面との角部や側面と底面との角部のように、防水シート10の長さ方向Lに平行な角部に対しては、一方の面に貼り付ける防水シート10を角部に沿って貼り付け、他方の面に貼り付ける防水シート10を、角部を跨ぐようにしてラップ部10aを形成しながら貼り付けていく。このように、長さ方向Lに沿う角部に対して、一方の防水シート10を角部に沿って貼り付けるとともに、他方の防水シート10を、角部を跨ぐようにラップ部10aを形成しながら貼り付けることで、両方の防水シート10が角部を跨がないため、容易、且つ確実に防水シート10を張り付けることができる。
また、長さ方向Lにおいて所定長さに形成した防水シート10を水平方向に沿って貼り付け、長さ方向Lの長さが足りない場合、既に貼り付けた防水シート10の端部11aと、これから貼り付ける防水シート10の端部11bとを、長さ方向Lに突合せるように、長さ方向Lに連続させて貼り付け、端部11(11a,11b)同士が突き合わさる突合せ部を跨ぐように、シート基材20のみで構成したつなぎ合せシート13を接着して突合せ部10bを構成する。
このようにして防火水槽1の内面1aに対して防水シート10を貼り付ける防水処理について、図5とともに、その施工方法について、以下で詳細に説明する。
まず、防水処理を行うにあたって、防火水槽1の内面1aに対して、ハイウォッシャー等を用いて高圧洗浄する(下地処理工:ステップs1)。そして、防火水槽1の内面1aにひび割れCが既に生じている場合は、止水剤等を低圧注入してひび割れCに対して止水処理を行う(止水工:ステップs2)。
また、内面1aにひび割れCが生じている場合だけでなく、目地等が損傷している場合も、ひび割れCや目地等を補修したり(ひび割れ・目地補修工:ステップs3)、防火水槽1の壁面等の部材自体が損傷している場合は修復する(断面修復工:ステップs4)。
このようにして、内面1aに発生していたひび割れCを止水したり、損傷している目地や部材自体の補修・修復を行った防火水槽1の内面1aに対してパテや補修材などを用いて不陸整正してから(不陸修正工:ステップs5)、不陸整正された内面1aに対して、上述したように、ラップ部10aや突合せ部10bを形成しながら防水シート10を貼り付けて(内面防水工:ステップs6)、防火水槽1の内面1aに対する防止処理を完了する。
このように、不透水性のシート基材20と、シート基材20の片面に配置した粘着層30とで構成する防水シート10を、防火水槽1の内面1aに貼り付けることにより、防火水槽1にひび割れCが発生しても確実に防水することができる。
詳述すると、不透水性のシート基材20と、シート基材20の片面に配置した粘着層30とで構成する防水シート10において、シート基材20に比べて粘着層30の変形性が高いため、防火水槽1の内面1aに貼り付けることによって、防火水槽1にひび割れCが生じても、防水シート10で防水することができる。
特に、図6(c)、図8(c)に示すように、ひび割れ幅Cwがシート基材20の許容伸び量を超えるような大きなひび割れCが生じた場合において、シート基材20を内面1aに対して接着剤40で接着しただけの防水シート100では、図8(b)に示すように、ひび割れCが発生した段階で接着剤40が破断し、その後拡大するひび割れCに対してシート基材20の伸縮性で追従するものの、ひび割れ幅Cwがシート基材20の伸縮性を超えると、図8(c)に示すように、シート基材20は破断する。ひび割れCによって、シート基材20及び接着剤40がともに破断した防水シート100は、防止効果を得ることができない。
すなわち、ひび割れ0mmからひび割れ幅Cwに広がる場合、ひび割れ個所直近の防水シート100は接着剤40によって接着されているため、せん断弾性の範囲で追従はするが、せん断弾性の範囲を超えると、ひび割れ個所のみのシート基材20の伸びで追従することとなる。
このため、せん断弾性による変形を0.1mmとすれば、0.01mm部分の防水シートがひびわれ幅Cwに伸びるため、阪神大震災などで発生した最大ひび割れ幅Cwである10mmとすれば1000%以上の伸びが必要となるが、シート基材20より変形性が高い粘着層30を備えた防水シート10は、粘着層30の高い変形性によって大きなひび割れCに追従することで、ひび割れ幅Cwに対して広い範囲のシート基材20が伸びてシート基材20に過剰な引っ張り力が作用することを防止するため、シート基材20が非常に破損しにくくなり、防水性が増大する。
すなわち、ひび割れ0mmからひび割れ幅Cwに広がる場合、ひび割れ個所直近の防水シート10は粘着層30で接着されているため、まず粘着層30の変形性で追従すると共に周辺の防水シート10にもシート基材20に作用する引張力を伝えて伸びることで、ひび割れ部分周辺の広い範囲のシート基材20の伸びで追従することになる。
このため、粘着層30の変形性が周辺のシート基材20の伸びもひび割れ追従に対応することとなり、ひび割れ幅Cwが阪神大震災などで発生した最大ひび割れ幅である10mmとしても、シート基材20が100mmの伸びで対応すれば、伸び率10%となる。
また、複数枚の防水シート10を長さ方向Lに直列配置するとともに、防水シート10の長さ方向Lに並ぶ端部11(11a,11b)同士を跨ぐようにシート基材20で構成するつなぎ合せシート13を貼り付けることにより、直列配置した複数枚の防水シート10の端部11(11a,11b)同士を、つなぎ合せシート13をつなぎ合わせて一体化し、1枚の防水シート10で防水する場合に比べて広い範囲を防水することができる。
詳述すると、長さ方向Lに直列配置する防水シート10の端部11(11a,11b)同士を跨ぐようにつなぎ合せシート13を貼り付けることによって、端部11同士がつなぎ合わされたシート基材20を一体化することができるため、突合せ部10bに対応する箇所の内面1aにシート基材20の許容伸び量を超えるような大きなひび割れCが生じた場合であっても、突合せ部10bが局所的な弱点とならず、粘着層30の高い変形性によって大きなひび割れCに追従することで、シート基材20に過剰な引っ張り力が作用することを防止するため、不透水性のシート基材20が破損することなく、確実に防止することができる。
また、帯状の防水シート10を、防火水槽1の内面1aに対して幅方向Wに配置するとともに、幅方向Wに配置する防水シート10の一部を防水シート10に重ねて貼り付けることにより、取り扱いが容易である帯状の防水シート10を用いて、隙間をあけることなく、防水シート10を貼り付けて確実に防水することができる。
この発明の構成と、実施形態との対応において、この発明のコンクリート構造物は、防火水槽1に対応し、
以下同様に、
所定の方向は、長さ方向Lに対応し、
並列配置は、幅方向Wに配置に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述の説明では、端部11(11a,11b)同士を突き合わせるとともに、端部11同士の突き合わせ部分を跨ぐようにつなぎ合せシート13を貼り付けたが、端部11同士がわずかな隙間を隔てて対向配置した状態でつなぎ合せシート13を貼り付けてもよく、端部11同士、一部重ね合わせて配置した状態でつなぎ合せシート13を貼り付けてもよい。
また、突き合わせた防水シート10の端部11(11a,11b)同士や一部を重ね合わせた端部11同士に対して、シーリング材でシーリングしてもよい。さらにまた、幅方向Wに配置した帯状の防水シート10を幅方向Wに重ね合わせた重ね合わせ部分や幅方向Wに突き合わせた突合せ部分をシーリング材でシーリングしてもよい。
また、上述の説明では、埋設された既設のコンクリート製の防火水槽1の内面1aに対して防水シート10を貼り付けて防水処理したが、新設する防火水槽1の内面に対して予め防水シート10を貼り付けて防止処理を行ってもよい。
さらにまた、防火水槽1としては、その形状は限定されず、例えば、図7に示すように、略円柱状の円形防火水槽1’に防水シート10を貼り付けて防水処理してもよい。
1,1’…防火水槽
1a…内面
10…防水シート
11,11a,11b…端部
13…つなぎ合せシート
20…シート基材
30…粘着層
L…長さ方向
W…幅方向

Claims (5)

  1. 不透水性のシート基材と、該シート基材の片面に配置され、コンクリート構造物の内面に貼り付られる粘着層とを積層して構成されるとともに、前記シート基材に比べて前記粘着層の変形性が高い防水シートを、コンクリート構造物の内面に貼り付け
    前記内面のひび割れによって前記粘着層が変形する
    コンクリート構造物の防水工法。
  2. 前記シート基材はシリコーンゴムを主成分とするとともに、前記粘着層がシリコーンゲルを主成分とし、
    前記基材と前記粘着層とを直接積層して前記防水シートを構成する
    請求項1に記載のコンクリート構造物の防水工法。
  3. 前記防水シートを帯状に構成するとともに、
    前記コンクリート構造物の内面に並列配置するとともに、並列配置する前記防水シートの一方の一部を他方の前記防水シートに重ねて貼り付ける
    請求項1または2に記載のコンクリート構造物の防水工法。
  4. 複数枚の前記防水シートを所定の方向に直列配置するとともに、
    前記防水シートの前記所定の方向に並ぶ端部同士を跨ぐように前記シート基材を接着剤で貼り付ける
    請求項1乃至3のうちいずれかに記載のコンクリート構造物の防水工法。
  5. 前記防水シートの端部をシーリング材によりシールする
    請求項1乃至4のうちいずれかに記載のコンクリート構造物の防水工法。
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