JP3580887B2 - 屋外貯蔵タンクの雨水浸入防止用被覆材 - Google Patents

屋外貯蔵タンクの雨水浸入防止用被覆材 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、屋外貯蔵タンク底部の外側張出部位からの雨水の浸入を防止してタンク下部の水や塩害による腐食を防ぐ雨水浸入防止用被覆材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋外貯蔵タンク底部の外側張出部位近傍から貯蔵タンク下部への雨水の浸入を防止するための措置としては、貯蔵タンク底部の外側張出部,即ちアニュラ板(または底板)と犬走り面を保護しているアスファルトサンド層(またはコンクリート層)の表面にタンニン酸または防錆材を含むペトロラタム(これは可燃性である)を主成分とするパテ状物を塗布するか,もしくはこれらパテ状物を溶かしてポリエステル不織布,ガラス布等のシート状繊維基材に含浸させたシート状またはテープ状のものを貼り合わすか,あるいはウレタン,シリコーン等の液状ポリマーで保護層を形成せしめるかして措置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の措置手段では、その用いる被覆材がいずれも低粘度であるため、作業時にべとついて手や衣服に付着するなど作業性が悪いという施工上の欠点およびタンク内容物の出し入れに伴うタンク上下動に追従できないという性能上の欠点を有する他に、施工後の屋外の気候変化に対応できず、雨水や夏場の太陽熱または保温タンク等での熱による変形および蒸散、冬場の硬化による接着不良を生じ、本来の雨水浸入防止効果を著しく損ない、水や塩害からタンクの腐食を長期間守り得ないという重大な欠点を有していた。
【0004】
この発明はかかる問題点を解消するためになされたもので、遮塩性、防水性に優れ、冬場の硬化がなく、冬場でも夏場と同様の接着性を有するシーラント層の片面に,シーラント層の雨水による流出や太陽熱による変形や老化を防ぐ保護層を貼り合わせると共に、保護層の表面にべとつかず取扱易く施工作業性と施工後の検査を容易にしかつシーラント層と保護層の揮発分の蒸散を抑えて長期間にわたってシーラント層及び保護層の性能を維持し続ける表被層を積層してなることにより、タンク上下動への追従性を容易にすると共に長期間にわたって雨水の浸入を防止して水や塩害からタンク腐食を防ぐことができる屋外貯蔵タンクの雨水浸入防止用被覆材を得ることを目的とする。
【0005】
また、この発明はシーラント層及び/又は保護層の難燃化により、火災に対して安全性を確保できる屋外貯蔵タンクの雨水浸入防止用被覆材を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る屋外貯蔵タンクの雨水浸入防止用被覆材は、ゴム状弾性体を主成分とした塩素イオン透過量0.05×10−3mg/cm ・日以下の遮塩性と吸水率1%以下の防水性を有するテープ状又はシート状のシーラント層の片面に,耐候性と弱粘性を有する非加硫ゴムのテープ状またはシート状の保護層を貼り合わせ、さらにこの保護層の表面に25μm〜150μmの紙又は不織布又は布帛又はプラスチックフィルムの表被層を積層してなるものである。
【0007】
【作用】
この発明においては、シーラント層が遮塩性能と防水性能と温度依存性の少ない良好な接着性能を有し、このシーラント層の片面に貼り合わせた保護層がシーラント層の雨水による流出や太陽熱による変形や老化を防ぐ働きを有し、この保護層の表面に設けた紙又は不織布又は布帛又はプラスチックフィルムの表被層がべとつかず,取り扱いやすく、施工作業性が良く、施工後の検査が容易でシーラント層と保護層の揮発分の蒸散を抑えて長期間にわたってシーラント層と保護層の性能を維持し続ける機能を有するので、本被覆材施工後のタンクには雨水の浸入がなく、当該タンクの雨水や塩害からの腐食を長期間にわたっての防ぐ働きを有する。
【0008】
【実施例】
図1〜図5はこの発明による屋外貯蔵タンクの雨水浸入防止用被覆材1の各種の一部斜視図であって、図1はその断面形状が長方形のもの、図2はその断面形状が三角形のもの、図3はその断面形状が半円形のもの、図4はその断面形状が台形のもの、図5はその断面形状が正方形のものを示す。
【0009】
ここにおいて、これらの多種の形状を有する被覆材1は複雑な形状と凹凸を有する屋外貯蔵タンク外側張出部位近傍にあって、これらを組み合わせることによってどのような形状にも対応することができる。
【0010】
一方これらの被覆材1は、テープ状又はシート状のシーラント層2の片面に非加硫ゴムのテープ状又はシート状の保護層3を貼り合わせ、さらにこの保護層3の表面に紙又は不織布又は布帛又はプラスチックフィルムの表被層4を積層してなる構成を有するものである。尚、図中5は離型紙である。
【0011】
以下、個々の構成について説明すれば、この発明に使用するシーラント層2は、NR,ブチルゴム,ポリイソブチレン,EPR,EPDMR,EPDM,BR,IR,SBR,ウレタンゴム,シリコーンゴム等の金属腐食のない天然ゴム,又は合成ゴムの単体もしくはこれらのブレンド物からなるゴム状弾性体を主成分とし、これに珪酸および珪酸塩類,クレー,カタルポ類,タルク類,炭酸塩類,アルミナ水和物,チタン白,硫酸バリウム,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,亜鉛華などの無機充填剤,カーボンブラック,ハイスチレン樹脂,フェノール系樹脂,リグニン,変性メラミン樹脂などの有機補強剤,IR,シリコーンゴム,ポリブデン,などの液状ゴム,植物油系,鉱物油系オイル,フタル酸系,エステル系,セバチン酸系等の可塑剤などの軟化剤,フェノールアセチレン樹脂,クマロンインデン樹脂,フェノールホルムアルデヒド系樹脂,キシレンホルムアルデヒド樹脂,テルペンフェノール系樹脂,ロジン及びロジン誘導体樹脂,石油系樹脂,ポリテルペン樹脂などの粘結剤,タンニン酸,ペトロラタム,ピッチなどの防錆剤及び老防を適宜選択配合し、さらに要すれば、ホウ酸亜鉛,酸化アンチモン,水酸化アルミニウムなどの無機化合物難燃剤,トリクレジフォスフェートなどのリン酸エステル系難燃剤等を加えて難燃化することができる。
【0012】
即ち、この発明のシーラント層2を構成するゴムと配合材料の好適な組成比率は、ゴム100重量部に対し無機充填剤200〜500PHR、有機補強剤5〜20PHR、液状ゴム30〜60PHR、軟化剤10〜50PHR、粘結剤30〜70PHR、防錆剤15〜30PHR、老防1〜5PHR、要すれば難燃剤30〜80PHRである。
【0013】
ここにおいて配合材料がこれらの範囲において好適とされる理由は、シーラント層2は、施工時の作業性及び夏場,冬場の各温度における接着性の保持の面から、その針入度を50mm〜250mmに、粘着力を−10℃から+50℃の温度範囲において1.0〜20kgf/25mm幅(対スチール)の範囲に保持するように設計されることが必要であるからである。またこれらの粘弾性性能を保持しつつ塩素イオン透過量が0.05×10−3mg/cm ・日以下の良好な遮塩性(JIS K 5400)と吸水率が1%以下と実質的に吸水しない防水性をシーラント層(2)に与えるためである。
【0014】
一般に多量の充填剤(ゴム100重量部に対し200部以上)を配合するゴム系シーラントはどうしても塩素イオン透過量が5×10−3mg/cm ・日以上、吸水率が1%以上(通常略5%)となり、臨海に位置することの多い石油タンク等の屋外貯蔵タンクの雨水浸入防止材用途として必要な遮塩性、吸水性をクリアーできず遮塩性,防水性に問題があるとされている。
【0015】
これを防ぐには遮塩性・防水性のある軟化剤例えばオイルや可塑剤を多量に配合すればよいが、軟化剤の多量配合(ゴム100重量部に対し50PHR以上)はシーラント層2を極端に軟化させ、べとつきによる作業性の困難性の他、夏場のフロー,冬場の硬化など本用途には適しがたい。一方配合する充填剤の量を少なく(ゴム100重量部に対し200PHR以下)しても、ある程度遮塩性・防水性は向上するが、前述のごとき針入度及び粘着力が得られず本用途のシーラント層2としての機能を得にくい。
【0016】
この発明のシーラント層2はかかる点を考慮し、充填剤を減らすことなく、又必要以上の軟化剤物質を使うことなく、塩素イオン透過量を0.05×10−3mg/cm ・日以下、吸水率を1%以下という実質的に塩害や吸水の影響を受けない遮塩性,防水性を得、あわせて夏場のべとつき、冬場の硬化を防ぐことに成功したのである。
【0017】
即ち、一般的に石油タンク等屋外タンクの雨水浸入防止材として、塩害による腐食、含水による腐食から長期間にわたりタンクを保護するためには、低吸水性(1%以下)であることはもちろんのこと、その遮塩性が最低でも5×10−3mg/cm ・日以下、望ましくは実質的に塩害の影響を受けない0.05×10−3mg/cm ・日以下の塩素イオン透過量であることが必要といわれている。発明者らは、試行錯誤の結果、ゴム100重量部に対して軟化剤を50PHR以下(10〜50PHR)配合し、これに液状ゴムを30〜60PHR、防錆剤を15〜30PHR併用使用することにより、無機充填剤200〜500PHRの存在下において、はじめて温度依存性の少ない接着性能と良好な遮塩性(塩素イオン透過量0.05×10−3mg/cm ・日以下、JIS K 5400)と防水性(吸水率1%以下、JISK6911)を合わせて得ることができたのである。
【0018】
さらに、この発明のシーラント層2を難燃化する場合には、前述の他の配合剤の存在下に難燃剤がゴム100重量部に対し30〜80PHRが必要であった。これは難燃剤が30PHR以下では十分な難燃性をシーラント層2に与えることができず、80PHR以上ではシーラント層2に弾性がなくなり、シーラント層2として必要な50〜250mmの針入度を保持し得なかったからである。
【0019】
次に、シーラント層2の雨水による流出や太陽熱による変形・老化を防ぐために用いる耐候性,弱粘性を有する非加硫ゴムのテープ状又はシート状からなる保護層3は、耐候性に優れる,天然ゴム又はEPR,EPDM,IIR,CR,塩素化ポリエチレン,シリコーンゴム等の合成ゴム又はスチレン系,ウレタン系,ポリエステル系,弾性塩ビ等の熱可塑性ゴム、又はこれらのいずれかの2種以上のブレンド物を主成分とし、これにカーボンブラック,ホワイトカーボン,クレー,タルク,炭酸マグネシウム,硫酸バリウム,炭酸カルシウム等の充填剤、ステアリン酸などの加工助剤,亜鉛華,チタン白などの耐候性顔料,クマロンインデン樹脂、フェノール系樹脂、石油系樹脂などの粘結剤,CR,IR,シリコーン,ウレタンの液状ゴム,パラフィン系,ナフテン系,アロマティック系,植物系のオイル,フタル酸系,エステル系,セバチン酸系の可塑剤などの軟化剤を適宜選択して配合し、更に要すればホウ酸亜鉛,三酸化アンチモン,水酸化アルミニウムなどの無機難燃剤,トリクレジルフォスフェートなどのリン酸エステル系難燃剤,塩素化パラフィン,パークロルペンタシクロデカンなどの塩素系難燃剤及び老防を適宜選択して加え、シーティングして得ることができる。
【0020】
即ち、これらの耐候性,弱粘性を有する非加硫ゴムのテープ状またはシート状の保護層3を構成するゴムと配合材料の好適な組成比率は、特に限定されるものではないが、ゴム100PHRに対し、充填剤30〜100PHR,加工助剤0.5〜3PHR,耐候性顔料3〜30部,粘結剤及び/又は軟化剤5〜50PHR,老防1〜5PHRである。また良好な難燃性を得るための難燃剤の添加量はゴム100PHRに対し、30〜80PHRである。即ち、充填剤が100PHR以上の場合はゴムパーセントが低下して、硬度が高くなりすぎ、柔軟な弱粘性を有するテープ又はシートを得ることができない。これに対し、30PHR以下ではシーティング加工性に難がある。また粘結剤及び/又は軟化剤が5PHR以下の場合もシーティング加工性が悪い他、テープ又はシートにしなやかさが欠け、弱粘着性も有し得ないので好ましくない。また粘結剤及び/又は軟化剤が50PHR以上ではテープ又はシートの難燃性を阻害すると共に強度が低下するので避けなければならない。
【0021】
さらにまた、難燃剤が30PHR以下の場合は十分な難燃性を非加硫ゴムシートの保護層3に与えることができず、80PHR以上では添加過多によるテープ又はシートの表面へのブリード,ブルームが起こるおそれがあり、シーラント層2との接着不良、及びシーラント層2への移行などの問題があり好ましくない。
【0022】
次に、被覆材1をべとつかせず、取扱易く、施工作業性や施工後の検査を容易にし、さらにシーラント層2と保護層3の揮発分の蒸散を抑えて、長期間にわたってシーラント層2及び保護層3の性能を維持し続けるために用いる表被層4は、紙又は不織布又は布帛又はPE,PET,PP,ナイロン,PVC等の軟質プラスチックフィルムが使用される。表被層4の厚さは25μm〜150μmが適当である。これは弱粘性を有する非加硫ゴムのテープ状又はシート状の保護層3との積層性の面からまたシーラント層2と保護層3の揮発分の蒸散を抑えて長期間にわたってこれらの性能を維持し続けなければならないことから、また耐候性を保持する点からまた柔軟性の保持などの作業性の面からさらには強度保持の点から一定範囲の厚みが必要であるからである。
尚、これらの表被層4は要すれば発水処理が施されたものが用いられる。
【0023】
図6はこの発明の被覆材1の使用例を示す図である。即ち、被覆材1は石油タンク等の屋外貯蔵タンク6の外側張出部{アニュラ板(又は底板)7と犬走り面8}及びそれを保護しているアスファルトサンド層9からの屋外貯蔵タンク6への雨水の浸入を防止するために、屋外貯蔵タンク6の側板とアスファルトサンド層9の表面に貼着される。屋外貯蔵タンク6およびアスファルトサンド層9への貼着は被覆材1のシーラント層2によってなされる。また、貼着にあたっては、貼着部の屋外貯蔵タンク6面とアスファルトサンド層9との表面の錆,ホコリをよく掃除してから行う。またコーナー部や凹面にはそれぞれの形状にあった被覆材(1)をあらかじめ用いてその上からさらに被覆材(1)を貼着するとよい。
【0024】
このようにして用いられる被覆材1は前述のごとくシーラント層2と非加硫ゴムのテープ状又はシート状の保護層3とこの保護層3の表面に設けられるプラスチックフィルムの表被層4とにより構成されているため、タンクの上下動への追従性を確かなものとする他、施工時,施工後において、複合的な機能を発揮する。
【0025】
即ち、被覆材1の主要な一部を構成するシーラント層2はゴム状弾性体を主成分とする限定された配合組成物より成っているため、温度依存性が低く、夏場時のべとつきや変形が少なく、さらに冬場の低温時における硬度変化も少ない。さらにシーラント層2は当然シーラントとしての機能(軟らかく、アスファルトサンド層9やタンク6に極めて添いやすく、かつ良好な接着性を示す)を有するので、屋外貯蔵タンク6の側板あるいはアスファルトサンド層9と被覆材1との密着部に隙間ができるということがなく、これらからの雨水の浸入を防止することができる。又多量の充填剤を含むシーラント組成物であるにもかかわらず、優れた遮塩性、防水性を有しているので、季節を通じて雨水のしみこみがなく、きわめて良好な雨水浸入防止効果を発揮する。さらにこの結果、雨水の浸入による水や塩害による屋外貯蔵タンク6の下部の腐食をシーズンを通じて防ぐことができる。
【0026】
一方、被覆材1の他の主要な一部を構成する耐候性と弱粘性を有する保護層3は施工後の被覆材の雨水による流出を防止する。さらに施工後のシーラント層2の季節や温度による伸び縮みにある程度追随してシーラント層2のちぎれや盛り上がりを防ぐと共に柔らかなシーラント層2の大きな流動を規制することができるので、施工後の形状保持性がよい。またシーラントの太陽熱等による老化を長期間にわたって防止する。そしてこれらの結果、被覆材1としての寿命を飛躍的に伸ばすことができる。
【0027】
また、保護層3は、シーラント層2と共に、又は独立して難燃性も付与することができるので、万一タンク溶接修理工事等で火花,火の粉が被覆材1に落下した場合でも、容易に燃えることがなく、仮に燃えた場合でも延焼防止効果があるので安全である。
【0028】
さらに、保護層3の表面に設けられる表被層4は耐候性を有することはもちろんのこと、夏場におけるシーラント層2及び保護層3からの揮発分の蒸散を防ぐ働きを有している。このため、シーラント層2及び保護層3の必要な性能を長期にわたって維持し続ける。
【0029】
また、手にべとつかないなど施工中の作業性を改善できる。さらにゴミやホコリが柔らかなシーラント層2や弱粘性を有する保護層3に付着するのを防ぐとともに、施工中或いは施工後の検査において貼着した被覆材1の上をそのまま歩いても靴にくっつくということもなく安全である。また施工の過程で被覆材1をオーバーラップして用いる場合があるがこのような場合でもシーラント層2によく接着するので施工上問題となるようなこともない。
【0030】
さらに表被層4は施工時又は施工後において、剥離や貼り替えを必要とするような場合でも、保護層3が弱粘性であるため簡単に手で保護層3より剥離することも新しく貼り替えすることもできる。
【0031】
実験例(1)
遮塩,防水シーラント層(肉厚3.5mm)の表面にEPDMを主成分とする配合物をシーティングして得た保護層(1.5mm)を貼り合わせさらに保護層の表面にポリエチレンフィルム(肉厚30μm)の表被層を積層した幅200mm,長さ5m/枚の雨水浸入防止材50枚を用いて11万キロリッターの屋外貯蔵石油タンクの外側張出部(即ち、アニュラ板と犬走り面)を保護しているアスファルトサンド層の表面に雨水浸入防止措置を施した。
【0032】
施工5年後、施工状態を観察したところ被覆材には「剥がれ」や「破れ」「膨れ」「ちぎれ」が全くなく、施工初期の良好な表面及び接着状態を保持していた。またこの雨水浸入防止用被覆材を剥がしてタンク下部の腐食を調べたところ、雨水の浸入のあとはなく、水や塩害によるタンク下部の腐食も全く認められなかった。
【0033】
また、シーラント層の一部を切り取り遮塩性(JIS K 5400)と吸水率(JIS K 6911)を測定したところ、塩素イオン透過量は0.037×10−3mg/cm ・日、吸水率は0.23%と、きわめて良好な遮塩性,防水性が保持されていることが認められた。
【0034】
実験例(2)
難燃化を施した遮塩、防水シーラント層(肉厚2mm)の表面に天然ゴムを主成分とする難燃化した配合物をシーティングして得た保護層(肉厚2mm)を貼り合わせ、さらに保護層の表面に不織布(肉厚70μm)の表被層を積層した幅300mm,長さ3m/枚の雨水防止材を60枚用いて、6万キロリッターの屋外貯蔵タンクの外側張出部(即ち、アニュラ板と犬走り面)を保護しているアスファルトサンド層の表面に雨水浸入防止措置を施した。
【0035】
施工5年後、施工状態を観察したところ被覆材には「剥がれ」や「破れ」「膨れ」「ちぎれ」といった変化が全く認められず、施工初期の良好な状態を保持していた。またこの雨水浸入防止用被覆材を剥がしてタンク下部の腐食を調べたところ、雨水の浸入のあとはなく、水や塩害等によるタンク下部の腐食も全く認められなかった。
【0036】
また、シーラント層と保護層の一部を切り取り難燃性を調べたところ(消防危57号による難燃試験方法)、シーラント層及び保護層と共に難燃性に変化はなく、良好なる難燃性(V0相当)を保持していた。
またシーラント層の遮塩性(JIS K 5400)と吸水性(JIS K 6911)も測定したが、塩素イオン透過量は0.038×10−3mg/cm ・日,吸水率は0.35%と、きわめて良好な遮塩性,防水性を保持していることが認められた。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば遮塩性,防水性に優れ、冬場の硬化がなく、冬場でも夏場と同様の接着性を有するシーラント層の片面に,シーラント層の雨水による流出や太陽熱による変形や老化を防ぐ保護層を貼り合わせると共に、保護層の表面にべとつかず取扱易く施工作業性と施工後の検査を容易にしかつシーラント層と保護層の揮発分の蒸散を抑えて長期間にわたってシーラント層及び保護層の性能を維持し続ける表被層を積層してなることにより、タンク上下動への追従性を容易にすると共に長期間にわたって雨水の浸入を防止して水や塩害からタンク腐食を防ぐことができるという効果が得られる。
【0038】
また、この発明によればシーラント層及び/又は保護層の難燃化により、火災に対して安全性を確保できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す断面形状が長方形の一部斜視図である。
【図2】この発明の実施例を示す断面形状が三角形の一部斜視図である。
【図3】この発明の実施例を示す断面形状が半円形の一部斜視図である。
【図4】この発明の実施例を示す断面形状が台形の一部斜視図である。
【図5】この発明の実施例を示す断面形状が正方形の一部斜視図である。
【図6】この発明の実施例を示す縦断断面図である。
【符号の説明】
1 被覆材
2 シーラント層
3 保護層
4 表被層
5 離型紙
6 屋外貯蔵タンク

Claims (2)

  1. ゴム状弾性体を主成分とした塩素イオン透過量0.05×10−3mg/cm ・日以下の遮塩性と吸水率1%以下の防水性を有するテープ状又はシート状のシーラント層の片面に,耐候性と弱粘性を有する非加硫ゴムのテープ状又はシート状の保護層を貼り合わせ、さらにこの保護層の表面に25μm〜150μmの紙又は不織布又は布帛又はプラスチックフィルムの表被層を積層してなることを特徴とする屋外貯蔵タンクの雨水浸入防止用被覆材。
  2. シーラント層及び/又は保護層を難燃性としたことを特徴とする請求項1記載の屋外貯蔵タンクの雨水浸入防止用被覆材。
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