JP2017119730A - 二液型塗料組成物及びこれを用いた塗装方法 - Google Patents

二液型塗料組成物及びこれを用いた塗装方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塗り残しや塗りむら等の塗装状態を目視で確認することができ、かつ、施工後は短時間で退色して、無色透明な塗膜を得ることができる二液型塗料組成物及びこれを用いた構造物壁面等の塗装方法を提供する。【解決手段】バインダー樹脂、クルクミン色素、及び硬化触媒を含む第一剤と、イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートを含む第二剤とを備えてなり、第一剤に含まれるクルクミン色素の含有量は、第一剤に含まれる成分の合計100質量部に対して、0.0015〜0.25質量部であり、硬化触媒の含有量は、バインダー樹脂成分100質量部に対して、0.001〜5質量部であることを特徴とする二液型塗料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、退色性を有する二液型塗料組成物及びこれを用いた構造物壁面等の塗装方法に関するものである。
ビル、集合住宅、及び一般住宅等の建造物の壁面等には、意匠性に優れたタイルが広く用いられている。しかしながら、大気汚染、天災、季節の変化等によって、タイルにひび割れが発生したり、タイルが下地から剥がれたりする等の不具合現象が発生することがある。このような不具合の発生したタイルの補修方法としては、浮き部の空隙に樹脂を注入する方法や、不具合の発生したタイルの表面を含む全面に無色透明な多層塗膜を形成する方法等が提案されている。
例えば、特許文献1には、改修すべきタイルの表面に、プライマー層、防水層及び仕上材を、この順に形成することによりタイルを補修する方法であって、特定の防水層及び仕上材を形成する組成物を用いてタイルを補修する方法が開示されている。
一方、透明なプライマーの塗布状態を目視によって確認することができ、またプライマーがはみ出した場合でも目地の美観を損ねることがないシーリング材用のプライマー組成物が提案されている。例えば、特許文献2には、(A)可視光線及び/又は紫外線により退色する染料、(B)分子中に2個以上のイソシアネート基を含有するイソシアネート化合物及び/又は(C)分子中に加水分解基を含有する有機珪素化合物、を必須成分とするプライマー組成物が開示されている。また、特許文献3には、太陽光により退色するナフトール系染料を用いたシーリング材用プライマーが開示されている。更に、特許文献4には、(A)バインダー樹脂と、(B)クルクミン色素、紅麹色素、クロロフィル、トウガラシ色素、マリーゴールド色素及びカラメル色素から選ばれる1種又は2種以上の色素とを含んでなる、シーリング材用プライマー組成物が開示されている。
特開2009−13591号公報 特開平4−306283号公報 特開平5−280104号公報 特開2010−195850号公報
しかし、特許文献1に開示されるようなタイルの補修方法では、透明なプライマー、防水材及び仕上材を施工する際に、塗布状態を目視で確認することは難しく、塗り残しや塗りむらが生じやすい。そのため、施工の仕上がり品質を一定に維持することが難しいという問題がある。
一方、特許文献2及び3に開示されるようなシーリング材用プライマー組成物は、プライマーを塗布した部分の視認性は改善されるものの、退色するまでに長期間要することや、退色性が不十分で塗膜が無色透明にならないという問題がある。また、特許文献4に記載のシーリング材用プライマー組成物では、退色性染料としてクルクミン色素が記載されているが、一液型で退色するまでに長時間要するという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、塗り残しや塗りむら等の塗装状態を目視で確認することができ、かつ、施工後は短時間で退色して、無色透明な塗膜を得ることができる二液型塗料組成物及びこれを用いた構造物壁面等の塗装方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、バインダー樹脂、クルクミン色素、及び硬化触媒を含む第一剤と、イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートを含む第二剤とを備える二液型塗料組成物とし、施工時にこれら二液を混合することにより、光による退色性が著しく向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.バインダー樹脂、クルクミン色素、及び硬化触媒を含む第一剤と、イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートを含む第二剤とを備えてなり、第一剤に含まれるクルクミン色素の含有量は、第一剤に含まれる成分の合計100質量部に対して、0.0015〜0.25質量部であり、硬化触媒の含有量は、バインダー樹脂成分100質量部に対して、0.001〜5質量部であることを特徴とする二液型塗料組成物。
2.上記バインダー樹脂の水酸基価が10〜1200mgKOH/gであり、かつ、数平均分子量が2,000〜30,000である上記1に記載の二液型塗料組成物。
3.上記バインダー樹脂が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及び不飽和炭素−炭素結合を有するポリオール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である上記1又は2に記載の二液型塗料組成物。
4.上記有機ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環族ポリイソシアネートのうちの少なくとも一方である上記1〜3のいずれかに記載の二液型塗料組成物。
5.上記第一剤は、更にケト−エノール互変異性体を含有し、該ケト−エノール互変異性体の含有量は、第一剤に含まれる成分の合計100質量部に対して、0.1〜6質量部である上記1〜4のいずれかに記載の二液型塗料組成物。
6.上記第一剤は、更に艶消剤を含有し、該艶消剤の含有量は、第一剤に含まれる成分の合計100質量部に対して、3〜20質量部である上記1〜5のいずれかに記載の二液型塗料組成物。
7.塗装する面に、プライマー層及び上塗層を、この順に形成することにより塗装する方法であって、前記プライマー層及び上塗層のいずれか一方が、上記1〜6のいずれかに記載の二液型塗料組成物により形成されたものであることを特徴とする塗装方法。
8.塗装する面に、プライマー層、中塗層及び上塗層を、この順に形成することにより塗装する方法であって、前記プライマー層、中塗層及び上塗層のいずれか一層が、上記1〜6のいずれかに記載の二液型塗料組成物により形成されたものであることを特徴とする塗装方法。
本発明に係る二液型塗料組成物は、バインダー樹脂、クルクミン色素、及び硬化触媒を含む第一剤と、イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートを含む第二剤とを備え、施工直前に二液を混合して使用する。そのため、塗り残しや塗りむら等の塗装状態を目視で確認することができ、かつ、施工後は短時間で退色して、無色透明な塗膜を得ることができる。また、本発明の二液型塗料組成物を用いて構造物壁面等を塗装することにより、施工後の仕上り品質を一定に維持することができる。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
1.二液型塗料組成物
本発明に係る二液型塗料組成物は、バインダー樹脂、クルクミン色素、及び硬化触媒を含む第一剤と、イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートを含む第二剤とを備える。第一剤には、更にケト−エノール互変異性体及び/又は艶消剤を含有させることもできる。また、第一剤及び/又は第二剤には、前記成分に加えて、その他の成分を含有させることもできる。以下に、本発明に係る二液型塗料組成物の各構成成分について、具体的に説明する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」なる用語は、アクリレート及びメタクリレートの総称として用いる。
第一剤に含まれるバインダー樹脂としては、透明であり、かつ、耐水性を有する塗膜を形成するものであれば、特に限定されない。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及び不飽和炭素−炭素結合を有するポリオール樹脂等を用いることができる。これらのバインダー樹脂は、1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、耐水性、耐薬品性、及び耐紫外線が良好である点で、アクリル系樹脂が好ましい。
上記バインダー樹脂の水酸基価は、10〜1200mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは15〜600mgKOH/gであり、更に好ましくは20〜300mgKOH/gである。上記範囲の水酸基価を有するバインダー樹脂を用いることにより、第二剤とともに均一な3次元網目構造を形成することができる。
なお、上記水酸基価は、JIS K1557(水酸基価の求め方)に準じて測定することができる。
また、バインダー樹脂について、ポリスチレン換算の数平均分子量(以下、「Mn」ともいう)は、2,000〜30,000であることが好ましく、より好ましくは2,000〜15,000であり、更に好ましくは2,000〜10,000である。上記範囲の水酸基価を有するバインダー樹脂を用いることにより、第一剤を用いる際の作業性に優れ、柔軟性に優れた硬化物(硬化皮膜)を形成することができる。更に、バインダー樹脂について、ポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう)と、上記Mnとの比である多分散度(Mw/Mn)は、通常、3.0以下であり、好ましくは1.5〜2.5である。上記多分散度が、この範囲にあれば、得られる硬化物(硬化皮膜)が安定した3次元網目構造を備え、耐久性に優れる。
なお、上記数平均分子量(Mn)、及び、上記重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、テトラヒドロフラン溶媒を用いて測定することができる。
上記アクリル系樹脂としては、水酸基を有するエチレン性不飽和化合物よりなる単位を1種以上含む共重合体が好ましく、平均で2個以上の水酸基を有するアクリル系共重合体がより好ましい。
水酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等のヒドロキシアルキルメタクリレート;ペンタエリスリトールトリアクリレート、グリセリンモノアクリレート等の多価アルコールのモノ又はポリアクリレート;ペンタエリスリトールトリメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート等の多価アルコールのモノ又はポリメタクリレート;ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリブチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールポリブチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリブチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールポリブチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノメタクリレート等のポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数は、2以上)のモノアクリル酸エステル又はモノメタクリル酸エステル;シクロヘキセンオキシドとアクリル酸との付加物等のエポキシドと、アクリル酸との付加物;シクロヘキセンオキシドとメタクリル酸との付加物等のエポキシドと、メタクリル酸との付加物、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルアルコール、イソプロペニルフェノール、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、ヒドロキシアルキルアクリレート及び/又はヒドロキシアルキルメタクリレートを含むことが好ましい。
上記成分を構成する、水酸基を有するエチレン性不飽和化合物よりなる単位の含有割合は、成分を構成する全単位の合計を100質量%とした場合に、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜45質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。上記単量体の含有量が5〜50質量%の範囲内であると、第一剤と第二剤による二液硬化反応時の可使時間を十分確保しつつ、反応終了後は目的とする硬化物(硬化皮膜)を得ることができる。
他のエチレン性不飽和化合物としては、芳香族ビニル化合物、脂環族ビニル化合物、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物、酸無水物基を有するエチレン性不飽和化合物、アルキルエステル結合を有するエチレン性不飽和化合物、アルコキシ基を有するエチレン性不飽和化合物、アミノ基を有するエチレン性不飽和化合物、アミド基を有するエチレン性不飽和化合物、スルホン酸基を有するエチレン性不飽和化合物、ニトリル基を有する不飽和化合物、アルコキシポリアルキレングリコールのモノアクリル酸エステル又はモノメタクリル酸エステル、及びビニルエステル等が挙げられる。これらは、組み合わせて用いることができる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、β−メチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、2−イソプロペニルナフタレン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、脂環族ビニル化合物としては、ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、4−ビニル安息香酸等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸無水物基を有するエチレン性不飽和化合物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルキルエステル結合を有するエチレン性不飽和化合物は、−COOR基(Rは脂肪族炭化水素基)を有する化合物であり、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸n−オクチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ノニル、アクリル酸n−デシル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸n−ヘキサデシル、アクリル酸n−オクタデシル等のアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−ヘプチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ノニル、メタクリル酸n−デシル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸n−ヘキサデシル、メタクリル酸n−オクタデシル等のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等の脂環族炭化水素基を含むエステル結合を有する不飽和化合物、又は、芳香族炭化水素基を含むエステル結合を有する不飽和化合物を用いることもできる。
アルコキシ基を有するエチレン性不飽和化合物としては、メトキシメチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシプロピルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート等のアルコキシアルキルアクリレート;メトキシメチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、メトキシプロピルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート等のアルコキシアルキルメタクリレート等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和化合物としては、ジメチルアミノメチルアクリレート、ジエチルアミノメチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジエチルアミノエチルアクリレート、2−(ジ−n−プロピルアミノ)エチルアクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、2−ジエチルアミノプロピルアクリレート、2−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピルアクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−ジエチルアミノプロピルアクリレート、3−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピルアクリレート等のジアルキルアミノアルキルアクリレート;ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジエチルアミノメチルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−(ジ−n−プロピルアミノ)エチルメタクリレート、2−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、2−ジエチルアミノプロピルメタクリレート、2−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−ジエチルアミノプロピルメタクリレート、3−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピルメタクリレート等のジアルキルアミノアルキルメタクリレート等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アミド基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N’−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N,N’−エチレンビスメタクリルアミド、N,N’−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、クロトン酸アミド、ケイ皮酸アミド等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
スルホン酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、アクリロキシベンゼンスルホン酸、メタクリロキシベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチルアクリレート等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ニトリル基を有する不飽和化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−クロロメチルアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、クロトン酸ニトリル、ケイ皮酸ニトリル、イタコン酸ジニトリル、マレイン酸ジニトリル、フマル酸ジニトリル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルコキシポリアルキレングリコールのモノアクリル酸エステル又はモノメタクリル酸エステルとしては、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、メトキシポリブチレングリコールモノアクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、エトキシポリブチレングリコールモノアクリレート、メトキシポ
リエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリブチレングリコールモノメタクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノメタクリレート、エトキシポリブチレングリコールモノメタクリレート等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸イソプロペニル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記アクリル系共重合体は、溶液重合、及び高温連続重合等の公知の方法により製造することができる。
溶液重合を適用する場合には、通常、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の有機過酸化物;過酢酸、過コハク酸;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物等の重合開始剤が用いられる。この重合開始剤の使用量は、単量体全量を100質量部とした場合、好ましくは0.01〜10質量部である。
重合溶媒は、生成するアクリル系共重合体を溶解可能なものであれば、特に限定されず、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、メチルプロピレングリコールアセテート、カルビトールアセテート、メチルプロピレングリコールアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。重合溶媒の使用量は、得られるアクリル系共重合体の固形分が10〜90質量%となる量であることが好ましい。
溶液重合によりアクリル系共重合体を製造する場合、単量体の使用方法は特に限定されないが、好ましくは、予め一部の単量体を反応系に収容して重合を開始し、重合反応の進行とともに残りの単量体を連続添加又は分割添加しながら更に重合を行う方法である。この方法によると、多分散度の小さなアクリル系共重合体を製造することができる。また、重合温度は、単量体の種類、重合開始剤の種類及びその分解温度又は半減期、並びに重合溶媒の沸点等により選択されるが、通常、50℃〜120℃である。
また、高温連続重合によりアクリル系共重合体を製造する場合は、特開昭57−502171号公報、特開昭59−6207号公報、及び特開昭60−215007号公報等に開示された方法を適用することができる。この方法の一例としては、加圧可能な反応器を溶媒で満たし、加圧下で所定温度に設定した後、単量体のみ、又は、単量体及び重合溶媒の混合物からなる原料成分を一定の供給速度で反応器へ供給し、該原料成分の供給量に見合う量の反応液を抜き出す方法が挙げられる。
上記原料成分が、単量体及び重合溶媒の混合物である場合、反応開始時に、予め反応器に収容された溶媒と、上記重合溶媒は同一であっても、異なっていてもよい。これら溶媒及び重合溶媒は、上記溶液重合において用いられる有機溶媒として例示した化合物であってよいし、そのほか、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、及びトリプロピレングリコール等のアルコールを使用又は併用することができる。なお、上記原料成分における重合溶媒の含有割合は、単量体全量100質量部に対して、好ましくは200質量部以下である。
上記原料成分は、重合開始剤を含有してよいし、含有されなくてもよい。上記原料成分に、重合開始剤を含有させる場合、その配合量は、単量体全量100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部である。
上記高温連続重合における重合温度は、好ましくは150〜350℃である。この重合温度が150℃未満であると、得られる重合体の分子量が大きくなりすぎる場合や、反応速度が遅くなってしまう場合等がある。一方、350℃を超えると、生成した重合体の分解反応が発生して重合溶液が着色することがある。
反応系の圧力は、重合温度と、使用する単量体及び重合溶媒の各沸点に依存するものであり、重合反応に影響を及ぼさないが、前記重合温度を維持できる圧力であればよい。反応系における単量体の滞留時間は、好ましくは2〜60分である。この滞留時間が短すぎると、未反応の単量体が残留する場合がある。一方、長すぎると、生産性が低下することがある。
上記高温連続重合によれば、Mnが2,000〜30,000の範囲にあり、比較的低粘度のアクリル系共重合体を得ることができる。また、溶液重合に比べて、多分散度の低いアクリル系共重合体を得ることができる。更に、この重合方法は、重合開始剤を用いる必要がないか、又は、重合開始剤を用いる場合でも少量の使用で目的の分子量のアクリル系共重合体が得られるため、熱や光によりラジカル種を発生するような不純物をほとんど含有しない純度の高いアクリル系共重合体を得ることができる。従って、各組成物により形成される硬化物(硬化皮膜)を耐候性に優れたものとすることができる。
第一剤に含まれるクルクミン色素は、塗料の視認性を向上させるための成分である。クルクミン色素は、一般式(1)で表される染料色素であり、酸性から中性では黄色を示し、アルカリ性では赤褐色を示す。クルクミン色素にはケト型とエノール型の二つの異性体が存在するが、本発明では区別することなく両者を使用することができる。クルクミン色素は食品添加物として広く使用されており、ウコンを原料とした有機溶媒抽出によって製造することができる。例えば、キリヤ化学社製の商品名「ウィナイエローコンク」、「キリヤスオイルイエローU」、三菱化学フーズ社製の商品名「テクノカラーUS」、「テクノカラーUK」、保土谷化学社製の商品名「クルクミンW」等として市販されている。一般的に、ウコン、ウコン色素、クルクミン、クルクミン色素、ターメリック、着色料(ウコン)、着色料(クルクミン)等の表記がなされる。なお、これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
クルクミン色素は、可視光線や紫外線によって退色して無色になる。これは、分子間又は環化によりマイケル付加反応が進み、黄色から無色に変化するためである。この反応に対しては、金属、塩基性化合物、及び酸性化合物等が触媒活性を有する。本発明の二液型塗料組成物は、第一剤と第二剤がウレタン化反応することにより塗膜を形成するが、ウレタン化反応の際にウレア基やウレタン基が生成するため、これらが前記マイケル付加反応を促進し、クルクミン色素の退色性が向上すると考えられる。
Figure 2017119730
(1)
[式中、R1及びR2は、水素原子又はメトキシ基である。R1及びR2は、同一でも異なっていてもよい。]
クルクミン色素の含有量は、第一剤に含まれる成分(固形分)の合計100質量部に対して、0.0015〜0.25質量部であり、0.0018〜0.23質量部であることが好ましく、0.002〜0.2質量部であることがより好ましい。クルクミン色素の含有量が0.0015質量部未満では、塗料組成物を塗布した部分の視認性が十分得られない。一方、含有量が0.25質量部を超えると、十分な退色性が得られず、退色まで1日以上要したり、特に日光が当たりにくい場所等では、退色まで2日以上要したりする等の問題が生じる。
クルクミン色素は、アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール等)、芳香族化合物(キシレン等)、エステル(酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、ケトン(アセトン等)、エーテル(ブチルセロソルブ等)の有機溶剤に溶解することから、これら溶剤は塗料組成物に含有させることができる。
第一剤に含まれる硬化触媒としては、バインダー樹脂と、第二剤に含まれる有機ポリイソシアネートとの反応を促進するものであれば、特に限定されず、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、N,N,N’,N",N"−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N",N"−ペンタメチルジプロピレン−トリアミン、テトラメチルグアニジン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノ)−エチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−(N’−ジメチルアミノエチル)−モルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタノール、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)−エタノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス(3−ジメチル)−アミノプロピルエーテル等のアミン類;オクテン酸鉛、オクチル酸鉛、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫メルカプチド、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫ジマレート、ジオクチル錫メルカプチド、ジオクチル錫チオカルボキシレート等の有機金属化合物;炭酸カルシウム、重炭酸ソーダ等の無機塩等が挙げられる。これらのうち、反応を促進させる効果が高いことから、有機金属化合物を用いることが好ましい。硬化触媒の含有量は、バインダー樹脂成分100質量部に対して、0.001〜5質量部であり、好ましくは0.005〜3質量部であり、より好ましくは0.01〜2質量部である。当該含有量が0.001質量部未満であると、塗料組成物の硬化性が不十分であり、退色性が低下する場合がある。一方、含有量が5質量部を超えても、塗料組成物の硬化性や、塗膜の退色性は向上しない。
第一剤には、更にケト−エノール互変異性体を含有させることができる。当該ケト−エノール互変異性体はウレタン化反応の遅延剤として働くものであり、塗料組成物の可使時間を調整することができる。本発明に用いられるケト−エノール互変異性体としては、例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、及びマロン酸エステル等が挙げられる。
ケト−エノール互変異性体の含有量は、第一剤に含まれる成分(固形分)の合計100質量部に対して、0.1〜6質量部であることが好ましく、0.5〜3質量部であることがより好ましい。含有量が0.1〜6質量部の範囲内であれば、二液混合後の可使時間を十分に調整することができ、塗膜の退色性に悪影響を与えることもない。
また、第一剤には、更に艶消剤を含有させることができる。艶消剤を含有させることにより、退色後は艶消し塗膜となるため、元々の塗装面との光沢差によって、視認性がより向上する。本発明に用いられる艶消剤としては、例えば、シリカ粉末、ガラスビーズ、セラミックス、ガラス繊維、及び樹脂ビーズ等が挙げられる。
艶消剤の含有量は、第一剤に含まれる成分(固形分)の合計100質量部に対して、3〜20質量部であることが好ましく、5〜15質量部であることがより好ましい。含有量が3〜20質量部の範囲内であれば、塗料組成物の作業性や、塗膜の物性に悪影響を与えることはない。
第一剤には上記成分に加えて、低分子量多価アルコールを含有させることもできる。低分子量多価アルコールを含有させることにより、得られる硬化塗膜の機械的物性を向上させることができる。
上記低分子量多価アルコールは、飽和化合物及び不飽和化合物のいずれでもよく、また、脂肪族化合物、脂環族化合物及び芳香族化合物のいずれでもよいが、アルコール性水酸基を平均で2個以上有し、かつ、分子量が2,000以下のものであることが好ましい。第一剤に、多価アルコールが1種のみ含有されてよいし、2種以上が含有されてもよい。
具体的な多価アルコールとしては、次のものが挙げられる。
2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,1
2−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノール、2,5−ノルボルナンジオール、アダマンタンジオール、カテコール、ヒドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシアントラキノン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、ポリカーボネートジオール、及びポリラクトンジオール等が挙げられる。
3価アルコールとしては、グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、2,3,4−ヘキサントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、及び2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール等が挙げられる。
4価アルコールとしては、エリスリトール、ペンタエリスリトール、1,2,3,4−ペンタテトロール、2,3,4,5−ヘキサテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、及びソルビタン等が挙げられる。
5価アルコールとしては、アドニトール、アラビトール、キシリトール、及びトリグリセリン等が挙げられる。
6価アルコールとしては、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、及びイノシトール等が挙げられる。
その他の多価アルコールとして、ダイマージオール;水添ダイマージオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、グリセリン脂肪酸モノエステルに、アルキレンオキサイドを付加して得られたグリセリン変性ポリオール、2価アルコールに、アルキレンオキサイドを付加させて得られたポリエーテルジオール等のポリエーテルポリオール;ひまし油変性ポリオール等の、多価カルボン酸と、多価アルコールとを反応させて得られた縮合物、環状エステル(ラクトン)の開環重合物、多価カルボン酸と、多価アルコールと、環状エステルとを反応させて得られた生成物等のポリエステルポリオール等を用いることもできる。
なお、上記ダイマージオールとしては、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸や、トール油、綿実油、大豆油等から得られる乾性油脂肪酸又は半乾性油脂肪酸等を2分子加熱重合して製造されたダイマー酸を還元して得られた、通常、炭素数が30〜42の不飽和化合物を用いることができる。
上記低分子量多価アルコールの含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが好ましく、1〜30質量部であることがより好ましい。多価アルコールの含有量が前記範囲内であれば、得られる塗膜の機械的物性を向上させることができる。
また、プライマー層に対する接着性、柔軟性、塗膜強度、及び作業性等の観点から、第一剤に含有される低分子量多価アルコールは、水酸基価の異なる2種の多価アルコールを含むことが好ましい。具体的には、水酸基価が110〜250mgKOH/gの多価アルコール(以下、「多価アルコール(A)」ともいう)、及び、水酸基価が250mgKOH/gを超えて1,200mgKOH/g以下の多価アルコール(以下、「多価アルコール(B)」ともいう)であり、特に好ましくは、水酸基価が130〜220mgKOH/gの多価アルコール、及び、水酸基価が500〜1,000mgKOH/gの多価アルコールである。また、上記範囲外の水酸基価を有する多価アルコールを更に用いてもよい。水酸基価は、JIS K1557(水酸基価の求め方)に準じて測定することができる。
上記多価アルコール(A)としては、ダイマージオール、水添ダイマージオール、ポリエステルポリオール(ひまし油変性ポリオール)、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記多価アルコール(B)としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用
いることができる。
上記低分子量多価アルコールが、上記の多価アルコール(A)及び(B)を含む場合、これらの含有割合(A)/(B)は、両者の合計を100質量%とした場合に、好ましくは5〜95質量%/5〜95質量%、より好ましくは10〜90質量%/10〜90質量%である。上記割合であると、プライマー層に対する接着性、柔軟性、塗膜強度、及び作業性等に特に優れる。
第一剤には、シランカップリング剤も含有させることができる。シランカップリング剤としては、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のシラン化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。シランカップリング剤の含有量は、上記バインダー樹脂100質量部に対して、通常、0.001〜50質量部である。
第一剤は、バインダー樹脂、クルクミン色素、硬化触媒及びその他の成分を混合することにより製造することができる。混合方法は特に限定されず、第一剤が均一になればよい。第一剤は、溶液の状態で好ましく用いられることから、通常は、有機溶剤も使用される。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノナン、オクタン、石油ナフサ等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。第一剤が有機溶剤を含む溶液であると、作業性が良好で構造物壁面等への塗工を円滑に行うことができる。また、所望の厚さの塗膜を容易に得ることができる。
第一剤が有機溶剤を含む場合、塗膜の形成を含む作業性の観点から、固形分濃度は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%の範囲である。
第一剤には、上記成分に加えて、分散剤、消泡剤、加水分解防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、脱水剤、レベリング剤、防汚剤、及び増粘剤等を含有してもよい。
第二剤には、イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートを含む。前記有機ポリイソシアネートは、分子内に平均2個以上のイソシアネート基を有するものであれば、特に限定されず、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート及び芳香族ポリイソシアネートのいずれでもよい。また、第二剤に、1種のみ含有されてよいし、2種以上が含有されてもよい。
脂肪族のジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、及びリジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族のジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、及び水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族のジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、3,3−ジメチルフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、及び1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族のトリイソシアネートとしては、ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート等が挙げられる。
脂環族のトリイソシアネートとしては、ビシクロヘプタントリイソシアネート等が挙げられる。
また、芳香族のトリイソシアネートとしては、トリフェニルメタン−4,4’,4"−トリイソシアネート等が挙げられる。
更に、上記化合物のビウレット体、イソシアヌレート体、カルボジイミド変性物、二量体、三量体等を用いることもできる。
本発明においては、有機溶剤で希釈する必要がなく、常温で液状を示す化合物が好ましく、耐候性に優れることから、脂肪族のポリイソシアネート、及び/又は脂環族のポリイソシアネートを用いることが特に好ましい。
上記第一剤に含まれるバインダー樹脂及び低分子量多価アルコールの合計量と、第二剤に含まれる有機ポリイソシアネートとの質量割合は、特に限定されないが、有機ポリイソシアネートが有するイソシアネート基のモル数と、バインダー樹脂が有する水酸基のモル数及び低分子量多価アルコールが有する水酸基のモル数の和との比(NCO/OH)は、0.3〜3.0であることが好ましく、0.5〜2.0であることがより好ましく、0.7〜1.5であることが更に好ましい。該当量比が0.3〜3.0の範囲内であれば、初期の接着性に優れた塗料組成物とすることができるとともに、十分な架橋密度を有し、かつ、柔軟性等に優れた塗膜を形成することができる。
第二剤には、上記成分に加えて、シランカップリング剤、有機溶剤等を含有してもよい。
上記第一剤と第二剤は、施工直前に混合して使用する。混合方法は、特に限定されない。また、混合後の可使時間は、通常混合直後から3時間であるが、第一剤にケト−エノール互変異性体を含有させることにより、可使時間を調整することができる。
2.塗装方法
本発明に係る塗装方法は、塗装する面に、プライマー層、中塗層及び上塗層を、この順に形成することにより塗装する方法であって、前記プライマー層、中塗層及び上塗層のいずれか一層以上が、上記二液型塗料組成物により形成されたものである。好ましくは、上塗層(最上層)が、上記二液型塗料組成物により形成されたものである。前記中塗層は、省略することもできる。
また、前記プライマー層と中塗層との間、及び、中塗層と上塗層との間には、それぞれ中間層を備えてもよい。
ここで、塗装する面とは、例えば、タイル、コンクリート、モルタル、金属、木材、又はサイディングボード等により形成された建築構造物又は土木構造物の壁面等の壁面等である。
以下に、各層について、好ましい実施態様を説明する。
上記プライマー層を形成するために用いられるプライマー層形成用組成物は、透明又は略透明であり、かつ、耐水性を備える塗膜を形成するものであれば、特に限定されず、コンクリート等の下塗材等として公知の組成物、例えば、アクリル系樹脂組成物、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂組成物、アクリルウレタン樹脂組成物、ウレタン樹脂組成物、アクリルシリコン樹脂組成物、シリコン樹脂組成物、フッ素樹脂組成物等を用いることができる。これらのうち、アクリルウレタン樹脂組成物、ウレタン樹脂組成物等が好ましい。本発明に係る二液硬化型塗料組成物も用いることができる。
これらのプライマー層形成用組成物は、水系組成物及び有機溶剤系組成物のいずれでもよいが、作業性の観点から、有機溶剤系組成物であることが好ましい。
上記プライマー層形成用組成物は、公知の添加剤、例えば、成膜助剤、硬化触媒、凍結安定剤、防腐剤、防かび剤、シランカップリング剤、分散剤、増粘剤及び消泡剤等を含有することができる。
上記中塗層は、中塗層形成用組成物を用いて形成されるものであり、本発明の二液硬化型塗料組成物を用いることができる。中塗層は、防水層等として機能するものである。
上記二液硬化型塗料組成物の第一剤に含まれるバインダー樹脂としては、アクリル系共重合体が好ましい。具体的には、水酸基を有するエチレン性不飽和化合物よりなる単位(x11)と、アルキルエステル結合を有するエチレン性不飽和化合物よりなる単位(x12)とからなる共重合体であり、前記単位(x11)及び(x12)の含有量は、該共重合体を構成する全単位量を100質量%としたときに、それぞれ、5〜50質量%及び50〜95質量%であることが好ましい。
また、水酸基を有するエチレン性不飽和化合物よりなる単位(x11)と、アルキルエステル結合を有するエチレン性不飽和化合物よりなる単位(x12)と、芳香族ビニル化合物よりなる単位(x13)と、他の化合物よりなる単位(x14)からなる共重合体であり、前記単位(x11)、(x12)、(x13)及び(x14)の含有量は、前記共重合体を構成する全単位量を100質量%としたときに、それぞれ、5〜50質量%、30〜80質量%、10〜40質量%及び0〜20質量%であるアクリル系共重合体も好ましい。
中塗層の形成に用いられる二液硬化型塗料組成物の第一剤には、ダイマージオール、水添ダイマージオール、ひまし油変性ポリオール等の、水酸基価が110〜250mgKOH/gの多価アルコール(A)と、2−メチル−2、4ペンタンジオール等の、水酸基価が250mgKOH/gを超えて1,200mgKOH/g以下の多価アルコール(B)とからなり、これらの含有割合(A)/(B)が、両者の合計を100質量%とした場合に、5〜95質量%/5〜95質量%である低分子量多価アルコールを含むことが好ましい。
中塗層の形成に用いられる二液硬化型塗料組成物は、クルクミン色素を含まない塗料組成物を用いることもできる。また、上記中塗層形成用組成物は、分散剤、増粘剤、消泡剤、硬化触媒、シランカップリング剤、成膜助剤、凍結安定剤、防腐剤、防かび剤、シリカ粉末、ガラスビーズ、セラミックス、樹脂ビーズ、並びに、ガラス繊維及びアクリル繊維等の繊維材料等を含有することができる。
次に、上塗層について説明する。上塗層は、上塗層形成用組成物を用いて形成されるものであり、本発明の二液硬化型塗料組成物を用いることができる。上塗層は、仕上材として機能するものである。
上記二液硬化型塗料組成物の第一剤に含まれるバインダー樹脂としては、アクリル系共重合体が好ましい。具体的には、水酸基を有するエチレン性不飽和化合物よりなる単位(x21)と、アルキルエステル結合を有するエチレン性不飽和化合物よりなる単位(x22)と、芳香族ビニル化合物よりなる単位(x23)と、他の化合物よりなる単位(x24)からなる共重合体であり、上記単位(x21)、(x22)、(x23)及び(x24)の含有量は、前記共重合体を構成する全単位量を100質量%としたときに、それぞれ、5〜50質量%、10〜60質量%、5〜40質量%及び0〜20質量%であることが好ましい。
上塗層の形成に用いられる二液硬化型塗料組成物の第一剤にも、中塗層と同様な低分子量多価アルコールを含むことが好ましい。
本発明の構造物壁面等の塗装方法において、プライマー層の表面、あるいは、必要に応じて該プライマー層の表面に形成された中間層の表面に、中塗層形成用組成物を塗布し、中塗層が形成される。前記中塗層形成用組成物の塗布方法としては、ローラー、レーキ、コテ、スプレー等を使用する方法が挙げられる。複数回塗工を行ってもよい。
その後、前記中塗層形成用組成物による塗膜の乾燥が行われ、硬化皮膜が得られる。この中塗層形成用組成物の塗布及び乾燥に要する時間の合計は、通常、0.5〜24時間である。
中塗層形成工程において形成される中塗層の厚さは、通常、50〜2000μmである。
次いで、上記中塗層の表面、あるいは、必要に応じて該中塗層の表面に形成された中間層の表面に、上塗層形成用組成物を塗布し、上塗層が形成される。上塗層形成用組成物の塗布方法としては、ローラー、レーキ、コテ、スプレー等を使用する方法が挙げられる。複数回塗工を行ってもよい。
その後、上塗層形成用組成物による塗膜の乾燥が行われ、硬化皮膜が得られる。この上塗層形成用組成物の塗布及び乾燥に要する時間の合計は、通常、0.5〜24時間である。
上塗層形成工程において形成される上塗層の厚さは、通常、50〜300μmである。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。なお、以下において、部及び%は質量基準である。
1.共重合体の製造
製造例(高温連続重合による水酸基含有共重合体の製造)
重合体の製造原料は次の通りである。単量体として2−ヒドロキシエチルメタクリレート16部、2−エチルヘキシルアクリレ−ト15.5部、イソブチルメタクリレート46.5部及びスチレン22部と、重合開始剤としてジ−tert−ブチルパーオキシド1部とからなる単量体混合物を用いた。
電熱式ヒータを備えた容量6000mlの加圧式攪拌槽型反応器を、ジエチレングリコールモノエチルエーテルで満たし、温度を220℃にして、圧力調節器により圧力をゲージ圧で25〜27kg/cm2に保った。
次いで、反応器内の圧力を一定に保ちながら、原料タンクに収容した上記単量体混合物を、供給速度500g/分、及び、滞留時間12分で反応器に連続供給するとともに重合を開始し、単量体混合物の供給量に相当する重合溶液を反応器の出口から連続的に抜き出した。反応温度は、反応開始直後に一旦低下し、重合熱による温度上昇が認められたが、ヒータを制御することにより、反応温度を220〜223℃に保持した。
単量体混合物の供給を開始した後、反応温度が上記範囲内で安定した時点を、重合溶液の回収開始点とし、これから35分間、重合反応を継続した。その結果、17.5kgの単量体混合液を供給し、17.4kgの重合溶液を回収した。
その後、重合溶液を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等の揮発性成分を分離及び除去した。そして、炭化水素溶剤であるLAWSに溶解し、共重合体を含む固形分67%の樹脂溶液23.7kgを得た。
共重合体の平均分子量は、溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。GPCによる分子量をポリスチレン換算したときの数平均分子量(Mn)は3,000、重量平均分子量(Mw)は5,400、多分散度(Mw/Mn)は1.8であった。また、共重合体の水酸基価は、71.6mgKOH/gであった。
2.第一剤及び第二剤の調整
第一剤及び第二剤の調整に用いた成分は、上記共重合体と下記成分である。
2−1.低分子量多価アルコール
(1)b1
水酸基価が160(分子量不明)であるひまし油及び脂肪酸系ポリオール(商品名「URIC Y−403」、伊藤製油社製)
(2)b2
水酸基価が949であり、分子量が118である2−メチル−2、4ペンタンジオール(商品名「ヘキシレングリコール」、アルケマ社製)
2−2.増粘剤
脂肪酸アミドを主成分とする添加剤(商品名「DISPARLON PFA−231」、楠本化成社製)
2−3.硬化触媒
ジブチル錫ジラウレート
2−4.溶剤
炭化水素系溶剤(商品名「LAWS」、シェルケミカル社製)
2−5.消泡剤
商品名「フローレンAC−326F」、共栄社化学社製
2−6.染料
(1)クルクミン色素
3%ウコン色素溶液(商品名「キリヤスオイルイエローU」、キリヤ化学社製)
(2)c1
商品名「C・I・Basic・Green1」、東京化成工業社製
(3)c2
商品名「C・I・Acid・Red94」、東京化成工業社製
(4)c3
商品名「C・I・Acid・Violet3」、東京化成工業社製
(5)c4
商品名「Oil Blue 603」、オリエント化学工業社製
2−7.有機ポリイソシアネート
(1)d1
イソシアヌレート型ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成ケミカルズ社製、化合物中のイソシアネート基の割合:23.1質量%)
(2)d2
イソシアヌレート型ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTSS−100」、旭化成ケミカルズ社製、化合物中のイソシアネート基の割合:17.9質量%)
(3)d3
トリエンジイソシアネート型ポリイソシアネート(商品名「コロネートL」、東ソー社製、化合物中のイソシアネート基の割合:13.2質量%)
調製例1(プライマー層形成用組成物P−1の調製)
共重合体、低分子量多価アルコールb1及びb2、増粘剤、硬化触媒、溶剤、並びに消泡剤を、それぞれ、100部、12.5部、5部、5部、0.1部、80部及び0.5部秤量して混合し、均一なプライマー層形成用第一剤とした。
一方、有機ポリイソシアネートd1と、シランカップリング剤であるオルガノシラン(東レ・ダウコーニング社製)とを、それぞれ、100部及び10部秤量して混合し、均一なプライマー層形成用第二剤とした。
その後、上記プライマー層形成用第一剤100部及び上記プライマー層形成用第二剤30部を混合し、均一なプライマー層形成用組成物P−1を得た。このプライマー層形成用組成物において、上記有機ポリイソシアネートd1のイソシアネート基のモル数と、上記第一剤に含まれる共重合体が有する水酸基のモル数及び多価アルコールが有する水酸基のモル数の和との比(NCO/OH)は1.0である。
調製例2(中塗層形成用組成物D−1の調製)
共重合体、低分子量多価アルコールb1及びb2、増粘剤、硬化触媒、消泡剤並びに溶剤を、それぞれ、100部、31.5部、20部、10部、0.1部、0.5部、30部を記載の割合で混合し、均一な中塗層形成用第一剤を得た。
その後、上記中塗層形成用第一剤と、有機ポリイソシアネートd2からなる中塗層形成用第二剤とを、それぞれ、100部及び80部秤量して混合し、均一な中塗層形成用組成物D−1を得た。この中塗層形成用組成物において、上記有機ポリイソシアネートd2のイソシアネート基のモル数と、上記中塗層形成用第一剤に含まれる共重合体が有する水酸基のモル数及び多価アルコールが有する水酸基のモル数の和との比(NCO/OH)は1.0である。
調製例3(上塗層形成用組成物T−1の調製)
共重合体、低分子量多価アルコールb1及びb2、硬化触媒、並びに溶剤を混合し、更にクルクミン系色素を第一剤に含まれる成分の合計100部に対して0.002部添加して混合し、均一な上塗層形成用第一剤を得た。
その後、上記上塗材形成用第一剤と、有機ポリイソシアネートd2からなる上塗材形成用第二剤とを、それぞれ100部及び18部秤量して混合し、均一な上塗層形成用組成物T−1を得た。
調製例4〜11(上塗層形成用組成物T−2〜9の調整)
調整例3と同様の方法で、表1に記載の割合で、上塗層形成用第一剤を得た。なお、表1に記載のクルクミン色素含有量の括弧書きは、第一成分に含まれる成分(固形分)の合計100部に対する含有量である。
その後、上記上塗層形成用第一剤と、有機ポリイソシアネートd2又はd3からなる上塗層形成用第二剤とを、表1記載の割合で混合し、均一な上塗層形成用組成物T2〜9を得た。
なお、上記プライマー層形成用組成物、中塗層形成用組成物及び上塗層形成用組成物は、調整後、1時間以内に塗装に供した。
3.塗装
実施例1
縦100mm及び横100mmの白色の施釉タイルの表面に、プライマー層形成用組成物P−1を刷毛塗りし、その後、24時間乾燥することにより、坪量0.1kg/m2(厚さ60μm)のプライマー層を形成した。
次いで、上記プライマー層の表面に、中塗層形成用組成物D−1を刷毛塗りし、その後、24時間乾燥することにより、坪量0.2kg/m2(厚さ180μm)の中塗層(防水層)を形成した。
更に、上記中塗層の表面に、上塗層形成用組成物T−1を刷毛塗りし、その後、24時間乾燥することにより、坪量0.15kg/m2(厚さ70μm)の上塗層を形成し、補修タイルを得た。
上記補修タイルについて、下記[1]〜[4]の評価を行った。
[1]視認性
透明な中塗層上に、上塗材を刷毛塗り作業する際の材料の視認性を目視評価した。下地は白色タイル及び茶色タイルとした。視認可能なものを○で示し、視認できないものを×で示した。
[2]退色時間(直射日光下、日陰暗部)
上塗材を刷毛塗り作業後、塗膜が退色し、目視で無色透明になるまでの時間を評価した。補修タイルを直射日光のあたる建物南側の屋外と、直射日光のあたらない建物北側の屋外に曝露し、塗膜の外観を観察し、退色時間を測定した。
[3]退色後の外観及び色差
補修タイルを直射日光のあたる建物南側の屋外に1ヶ月間暴露した後、外観を評価した。外観に変化がないものを○で示し、退色はしているものの、有機ポリイソシアネートの影響でわずかに黄変したものは△で示した。また、退色が不十分なものは×で示した。
次いで、色差測定を実施し、退色染料未添加の塗膜に対する色差△Eを求めた。
[4]タイル面付着性
補修タイルの製造直後(初期)、及び、温度23℃の水中に14日放置した後(耐水試験後)における、タイル表面に対する塗膜の接着性を、JIS K5600−5−6「塗料一般試験方法、付着性(クロスカット法)」に準じて評価した。切り込みを入れた25マスの内、25マス全てが剥がれなかった場合を○で示し、1マスでも剥がれた場合を×で示した。
以上の結果を表1、2に示す。
実施例2〜実施例9
表1に示す上塗層形成用組成物(T−2〜9)を用いた以外は、実施例1と同様にして補修タイルを製造し、各種評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例1〜9
表2に示す上塗層形成用組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして補修タイルを製造し、各種評価を行った。その結果を表2に示す。なお、表2に記載のクルクミン色素含有量の括弧書きは、第一成分に含まれる成分(固形分)の合計100部に対する含有量である。
Figure 2017119730
Figure 2017119730
表1に示すように、実施例1〜8は視認性、退色時間、退色後の外観、及びタイル面の付着のすべてが優れていた。実施例9は、有機ポリイソシアネートとして、芳香族イソシアネートを用いたため、実用上問題のないレベルであるものの、屋外曝露後に塗膜が若干黄変した。一方、表2に示すように、比較例1,2は、クルクミン色素の含有量が本発明の範囲より少ない場合であり、十分な視認性が得られなかった。また、比較例3は、クルクミン色素の含有量が本発明の範囲より多い場合であり、施工後に退色が進まず、長時間経過しても塗膜が着色した状態であった。比較例4は、ポリイソシアネートを含まない場合であるが、退色が遅く、最終的に無色透明になるものの、北面において48時間後において十分褪色しなかった。比較例5は、第一剤にクルクミン色素と硬化触媒を含む場合であるが、退色が遅く、最終的には無色透明にはなるものの、南面及び北面のいずれにおいても48時間後において十分退色しなかった。比較例6〜9は、公知文献に記載されている退色染料を使用した場合であり、いずれも十分な退色性が得られなかった。
本発明の退色性を有する二液型塗料組成物は、塗り残しや塗りむら等の塗装状態を目視で確認することができ、かつ、施工後は短時間で退色して、無色透明な塗膜を得ることができる。そのため、ビル、集合住宅、及び一般住宅等の建造物の壁面等の塗装に、広く利用することができる。

Claims (8)

  1. バインダー樹脂、クルクミン色素、及び硬化触媒を含む第一剤と、イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートを含む第二剤とを備えてなり、
    第一剤に含まれるクルクミン色素の含有量は、第一剤に含まれる成分の合計100質量部に対して、0.0015〜0.25質量部であり、硬化触媒の含有量は、バインダー樹脂成分100質量部に対して、0.001〜5質量部であることを特徴とする二液型塗料組成物。
  2. 上記バインダー樹脂の水酸基価が10〜1200mgKOH/gであり、かつ、数平均分子量が2,000〜30,000である請求項1に記載の二液型塗料組成物。
  3. 上記バインダー樹脂が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及び不飽和炭素−炭素結合を有するポリオール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の二液型塗料組成物。
  4. 上記有機ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環族ポリイソシアネートのうちの少なくとも一方である請求項1〜3のいずれか1項に記載の二液型塗料組成物。
  5. 上記第一剤は、更にケト−エノール互変異性体を含有し、該ケト−エノール互変異性体の含有量は、第一剤に含まれる成分の合計100質量部に対して、0.1〜6質量部である請求項1〜4のいずれか1項に記載の二液型塗料組成物。
  6. 上記第一剤は、更に艶消剤を含有し、該艶消剤の含有量は、第一剤に含まれる成分の合計100質量部に対して、3〜20質量部である請求項1〜5のいずれか1項に記載の二液型塗料組成物。
  7. 塗装する面に、プライマー層及び上塗層を、この順に形成することにより塗装する方法であって、前記プライマー層及び上塗層のいずれか一方が、請求項1〜6のいずれか1項に記載の二液型塗料組成物により形成されたものであることを特徴とする塗装方法。
  8. 塗装する面に、プライマー層、中塗層及び上塗層を、この順に形成することにより塗装する方法であって、前記プライマー層、中塗層及び上塗層のいずれか一層が、請求項1〜6のいずれか1項に記載の二液型塗料組成物により形成されたものであることを特徴とする塗装方法。
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