JPH0525899A - 透明塗布材による塗装方法 - Google Patents

透明塗布材による塗装方法

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JPH0525899A
JPH0525899A JP17967191A JP17967191A JPH0525899A JP H0525899 A JPH0525899 A JP H0525899A JP 17967191 A JP17967191 A JP 17967191A JP 17967191 A JP17967191 A JP 17967191A JP H0525899 A JPH0525899 A JP H0525899A
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JP
Japan
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coating
colored
coating material
transparent coating
transparent
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Application number
JP17967191A
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English (en)
Inventor
Shunichi Matsuhashi
俊一 松橋
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Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】透明塗布材により外壁面等を塗装する際に、所
定塗膜厚を確保するとともに塗り残しや重複塗りをなく
す。 【構成】透明塗布材に、退色性色素材料を添加して着色
する。この着色された透明塗布材を外壁面等の一部分に
塗布し、着色面を生じさせる。これにより、既に塗布さ
れた部分と未塗布部分とが区別される。そして、この着
色面が退色する前に、この着色面に連続する面に透明塗
布材を塗布すれば、塗り残しや重複塗りを防ぐことがで
きる。また、着色面の色の濃淡により、塗膜厚の分布が
目視できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、作業現場において、エ
ナメル塗膜、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の金属
材料、タイル、ガラス、および石材等の保護用塗料、並
びにコンクリート用等の撥水剤などのような透明塗布材
により構造物面を塗装する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の上塗り用塗料は、塗膜形成成分、
添加剤、および溶剤からなるビヒクル(展色剤)と顔料
とを主成分とするエナメルと、顔料を含まずに主にビヒ
クルだけからなる透明塗料(ワニス)とに分類される。
また、ビヒクルに染料または極少量の顔料を含む半透明
なカラークリヤー塗料もある。
【0003】エナメルのように顔料を含む塗料は、塗布
後に溶剤の気散によりビヒクルの体積が収縮する際に、
微粉体である顔料の存在により空気を取り込み易いた
め、その塗膜は多孔質体となりやすい。そのことが、エ
ナメルの塗膜に汚れが固着する一因となっている。顔料
の存在はまた、艶が引けてチョークのように白っぽくな
る現象(白亜化)を塗膜に生じさせる一因にもなってい
る。そのため、自動車塗装やプール塗装では、エナメル
塗膜の上に保護用の透明塗料を塗布することにより、塗
膜の汚れ防止、白亜化防止、艶の向上等の効果を得てい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のような保護用の
透明塗料を、作業現場において建物の外壁面等に塗布す
るには、次のような欠点がある。すなわち、建物外壁面
等はその塗布面積の大きさなどから自動車等の場合のよ
うな機械塗装ができず、複数の作業者により何日にも渡
って塗装作業を行うことになる。しかしながら、得られ
る塗膜が透明であるため、作業の再開時に、既に塗布さ
れた部分と未塗布の部分との区別がつき難く、塗り残し
や重複塗りが生じやすい。また、透明であるが故に塗布
作業時にどの程度の膜厚で塗布されているのかが判断し
難く、塗膜厚の管理が難しい。その結果、経年劣化が部
分的に異なり、全体として色や艶が均一にならない。
【0005】一方、コンクリート等吸水性のある材料か
らなる壁面に塗布される撥水剤も通常無色透明であり、
塗布後に色調がほとんど変化しないため、既に塗布され
た部分と未塗布部分との区別がつき難い。そのため、水
を掛けて塗布済の部分を確認しているが、塗布面積が多
い場合にはかなりの手間がかかっている。本発明は、こ
のような不具合を解決するためのものであり、既に塗布
された部分と未塗布部分とを区別して塗り残しや重複塗
りをなくすとともに、所定の塗膜厚を確保しやすくする
ことのできる透明塗布材による塗装方法を提供すること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の透明塗布材による塗装方法は、透明塗布材
に退色性色素材料を添加して着色し、着色された状態で
透明塗布材を塗布することを特徴とする。本発明におい
て、透明塗布材に添加する退色性色素材料は、光化学反
応により退色するもの、または昇華により退色するもの
であれば好ましい。さらに、塗装面が屋外にある場合に
は、退色性色素材料が前記部分塗装された着色面から雨
水により流出するものであれば好ましい。これらの観点
から、退色性色素材料は有機系染料が好ましい。
【0007】
【作用】本発明の方法では、透明塗布材の塗布時におい
て、退色性色素材料により着色された透明塗布材を外壁
面等の一部に塗布して生じた着色面と、この着色面に連
続している前記透明塗布材が塗布されていない面との色
の違いから、既塗布面と未塗布面とが一目で区別され
る。また、既塗布面内での色の濃淡により、塗膜厚およ
びその分布状況が確認できる。そして、ある時間の経過
後に、退色性色素材料の退色により前記着色面は無色に
なる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。本発明の塗装方法では、透明塗布材に退色性色素材
料を添加して着色し、着色された状態で透明塗布材を塗
布する。好ましい退色性色素材料およびその透明塗布材
に対する添加量は、添加される透明塗布材の種類および
被塗装面である外壁面等の色によって異なる。
【0009】一般的に退色性色素材料の色および透明塗
布材に対する添加量は、それによる着色面が目視により
外壁面等の色から区別可能なできるだけ少ない量が良
い。これは、この着色面が最終的には(外壁面等の所定
面積の塗装完了後に)透明となる必要性からである。好
ましい退色時間(塗装された直後からその着色面が退色
するまでに要する時間)は各作業状況によって異なる
が、管理面と美観上の観点から1〜2週間程度が良い。
添加する退色性色素材料の種類および添加量は、要求さ
れる退色時間によっても変わってくる。
【0010】また、退色性色素材料は、添加される透明
塗布材の硬化条件や硬化後の塗膜物性に悪影響を及ぼさ
ないものを選んで用いる。例えば、イソシアネート系の
硬化剤を使用する透明塗布材の場合には、退色性色素材
料の分子中に活性水素を持たないものを用いる。以下
に、透明塗布材として各種透明塗料および撥水剤を用
い、退色性色素材料として各種有機系染料を用いて鋼板
のエナメル塗装面、コンクリート面、およびケイ酸カル
シウム板を塗装し、生じた着色面の退色時間を調べた実
施例について述べる。 (実施例1)表1に示した各種透明塗料に、保土ヶ谷化
学(株)製の有機系染料 CATHILONRED SGLH No.23を添
加して赤色に着色した。各透明塗料(二液性のものは、
主剤と硬化剤との合計)とその重量に対して40%添加
するシンナーとの合計量に対して、前記染料を0.00
2%添加した。この着色された透明塗料を、鋼板に白色
のアクリルウレタン系塗料による塗装が施された基板
に、刷毛で一回塗布した。風乾の後、塗布面を南向き4
5度に保持した状態で屋外に暴露し、退色時間を調べ
た。
【0011】退色時間の尺度として、下地との色差ΔE
* (色の違いを示す指標)を用いた。並べて色を比較し
た場合に、一般の人が色の違いを明確に認識できる色差
ΔE * は3程度であるといわれている。この実験では、
下地である基板との色差ΔE * の最大値が1以下になる
までの時間を退色時間とした。結果を表1に合わせて示
す。
【0012】
【表1】
【0013】(実施例2)アルキルアルコキシシラン系
の撥水剤に、実施例1と同じ有機系染料を0.005%
添加して赤色に着色した。この着色された撥水剤を、コ
ンクリートおよびケイ酸カルシウム板に200〜300
g/m2 程度吹きつけた。風乾の後、その面を南向き4
5度に保持した状態で屋外に暴露し、退色時間を調べ
た。結果を表2に示す。
【0014】
【表2】
【0015】(実施例3)実施例1で用いたアクリル樹
脂系透明塗料に各種有機系染料を添加した着色透明塗料
により、実施例1と同様の塗装および評価を行った。使
用した有機系染料とその添加量、および結果を表3に示
す。なお、 CATHILON は保土ヶ谷化学(株)製の、Kaya
set は日本化薬(株)製の有機系染料の商品名である。
【0016】
【表3】
【0017】例えば以上のような透明塗布材と退色性色
素材料との組合せによる着色された透明塗布材を、塗装
目的および要求される退色時間に応じて選定し、本発明
の方法に使用することができる。本発明では、この透明
塗布材を着色された状態で塗布する。それにより生じる
着色面は、塗膜厚によりその色に濃淡が生じる。したが
って、この着色面の色が、予め確認された所定の塗膜厚
による色となるように塗布することにより、所定の膜厚
を確保することができる。
【0018】また、この着色面は、含まれている退色性
色素材料により、光化学反応、昇華、および雨水による
流出、またはこれらの組合せによって徐々に退色する。
そして、この着色面の色が目視により確認される間に、
少なくともこの着色面に連続する面を塗装することによ
り、塗り残しや重複塗りを防ぐことができる。すなわ
ち、現場での塗装作業が数日間に渡る場合でも、作業再
開の日に、作業休止直前に塗装された着色面にまだ色が
残っいる状態にしておくことができ、その着色面に連続
する面から塗装し始めることができる。ただし、長期間
塗装作業を中止する場合には、目地等で見切り、作業し
た範囲を明確にする必要もある。そして、相当する退色
時間の後、着色面は目視にて確認できない程度に退色す
るため、最終的には下地である外壁面等の色彩を損なう
ことがない。
【0019】なお、本発明の方法に用いる退色性色素材
料としては、上述のような有機系染料が好適であるが、
これに限るものではない。
【0020】
【発明の効果】本発明の方法により、透明塗布材に退色
性色素材料を添加して着色し、これを着色された状態で
外壁面等に対して塗布し、生じた着色面が退色する前に
少なくともこの着色面に連続する面を塗装すれば、既塗
装面と未塗装面との区別が目視により容易にできるた
め、塗り残しや重複塗りが生じなくなる。また、この着
色面の色が、予め確認された所定の塗膜厚による色とな
るように塗布することにより、所定の膜厚を確保し易く
なる。その結果、透明塗布材による塗装の施工管理がし
やすくなる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明塗布材に退色性色素材料を添加して
    着色し、着色された状態で透明塗布材を塗布することを
    特徴とする透明塗布材による塗装方法。
  2. 【請求項2】 退色性色素材料が光化学反応により退色
    するものである請求項1記載の透明塗布材による塗装方
    法。
  3. 【請求項3】 退色性色素材料が昇華により退色するも
    のである請求項1記載の透明塗布材による塗装方法。
  4. 【請求項4】 退色性色素材料が前記部分塗装された着
    色面から雨水により流出するものである請求項1記載の
    透明塗布材による塗装方法。
  5. 【請求項5】 退色性色素材料が有機系染料である請求
    項1〜4のいずれか一つに記載の透明塗布材による塗装
    方法。
JP17967191A 1991-07-19 1991-07-19 透明塗布材による塗装方法 Pending JPH0525899A (ja)

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