JP5595673B2 - 建築外壁塗装での現場塗装方法 - Google Patents

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本発明は、住宅やビルなどの建築外壁の表面に現場で人の手によって塗膜を形成させる塗装技術に関するものである。
住宅やビルなどの建築外壁の表面を被覆する塗膜には、基材を熱や光などから遮断し保護する目的や意匠、美観を付与するなど様々な性能を付与することが提案、実用化されている。
近年、機能性塗料として塗料の無機成分を高めた高耐候性塗料や光触媒塗料に代表されるような防汚性塗料が多く提案、実用化されている。無機成分を高めた塗料や光触媒塗料は、塗装後、クラックを発生させないため塗膜の膜厚を薄くする必要があり、薄膜塗装技術が必要となってくる。様々な機能性塗膜を薄膜で塗装する際、塗装機械を用い、塗装条件を精密に制御することによって、均一かつ薄膜に塗装することは可能であるが、建築現場などで人によって均一な膜厚で塗布することは容易ではない。なお、ここで言う薄膜とは、厚さが0.1〜十数μm程度の膜を意味する。
建築現場で人による塗装において、数百μm塗装する場合、膜厚ムラが数μm程度起きても外観にはほとんど問題ないが、薄膜塗装する場合、所定膜厚より倍以上となり、外観上、問題となる。そこで、均一にかつ薄膜で塗装する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながらこの方法では高意匠性外壁など複雑な形状の外壁で膜厚ムラが生じ、外観不良を起こす可能性がある。
更に、各種基材に塗装する方法としては、スプレー塗装、刷毛塗り、ロールコートなどの塗布方法が用いられているが、高意匠性外壁へ塗装するには、スプレー塗装が適していると考えられる。特許文献1を解決した方法(特許文献2参照)も見出されているが、この方法では、有機溶剤を使用するため建築現場で人が使用するには環境に配慮したものではないと思われる。
特開2003−164793公報 特開2006−122757公報
ところで、通常、着色顔料を配合したエナメル塗料は、塗装したとき外壁全面に着色されることで塗膜形成を容易に視認できるが、クリア塗料は塗膜形成の視認が難しい。また、着色塗料は、着色顔料や意匠性を付与させる骨材などを添加する事で塗液の粘度が大きくなり塗装の際、液だれしにくいが、クリア塗料は低固形分の場合、粘度が低く、液だれしやすい。
本発明は、建築外壁の表面に薄膜で、透明な塗膜を現場で効率的に形成することが可能な塗装方法を提供することを目的とする。
本発明は、作業者がスプレーガンを備える塗装機を使用し、当該作業者の手によるスプレー塗装で建築外壁に透明な塗膜を形成する現場塗装方法であって、固形分含有量が10質量%以下であり、且つ、粘度が10cp以下である塗料を使用するとともに、当該塗料は、塗膜形成後に太陽光で自然と色が消える着色剤によって着色されたものであり、当該塗料を噴射する塗料吐出口を有するスプレーガンと、スプレーガンに装着され且つ塗料の噴射方向に向けてレーザビームを照射する少なくとも二つのレーザビーム照射部とを備え、建築外壁とスプレーガンとの塗装距離を一定に保つために建築外壁表面でレーザビームが交差して塗装距離を目視で確認可能となるようにレーザビーム照射部がレーザビームを照射する塗装機を使用し、更にスプレーガンの運行速度を一定に保つため、定間隔で音を発信する装置を使用し、作業者が当該装置からの音を頼りにして塗装を行うとともに外壁を模した試料の表面に塗膜を形成する試験により得られた、形成される塗膜が連続膜となる最低膜厚である膜厚下限値、及び、塗装した塗液が液だれを起こす膜厚である膜厚上限値に応じて、単位時間あたりの塗料噴射量、塗装機の運行速度及び塗装距離を設定することにより、膜厚下限値と膜厚上限値の範囲内で膜厚管理することを特徴とする現場塗装方法を提供する。本発明によれば、現場において薄膜を効率的且つ高品質で形成できる。
本発明は、使用する塗料が非チキソトロピー性を有し、当該塗料の固形分含有量が10質量%以下、あるいは、粘度が10cP以下の場合に特に有用である。このような塗料を使用した場合であっても、液だれを抑制でき、膜厚が十分に均一の塗膜を形成できる。また、本発明においては、塗膜形成後に太陽光で自然と色が消える着色剤によって着色された塗料を使用することが好ましい。このような塗料を使用することにより、膜厚管理をより一層確実に行うことができる。
本発明によれば、現場で建築外壁に人が薄膜塗装する際、液だれせず、しかも膜厚ムラの少ない塗膜を形成することが可能となる。
塗膜の膜厚上限値及び膜厚下限値の一例を示すグラフである。 本発明の現場塗装方法を実施するのに好適な塗装機を模式的に示す側面である。 本発明の現場塗装方法を実施するのに好適な塗装機を模式的に示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。建築外壁に塗料を塗装する際、スプレーなど使用するときは、塗料の粘度が低いほうが均一に塗装できるが液だれしやすい。そのため、通常塗料は、塗装するときは粘度が低く、外壁に成膜直後、粘度が上昇し、液だれせずに塗装できるようになっている。要するに塗料にチキソトロピー性をもったものにしている。この場合、粘度を上げるため、塗料の固形分を高めたり、増粘剤の添加、骨材の添加など必要となる。塗料の固形分が高いため塗膜の膜厚を薄く塗ることが困難であったり、クリア塗膜の塗装には向かない。
建築外壁に薄膜塗装するためには、塗料の固形分や粘度を下げることが必要だが、前述のように液だれしやすい。しかしながら、いくら液だれしやすい塗料、すなわち非チキソトロピー性塗料でも液だれしない部分は存在する。また薄膜塗装の際、連続膜となる最低の膜厚も把握することは可能である。様々な検討の結果、我々は図1のように塗料の固形分と形成した塗膜の膜厚の範囲を得、塗膜が連続膜となる最低膜厚を膜厚下限値とし、更に塗装した塗液が液だれを起こす膜厚を膜厚上限値とし、この範囲内で膜厚管理することを特徴とする現場塗装方法を見出した。
実際に建築外壁の表面を塗装するに先立ち、図1に示す膜厚下限値及び膜厚上限値を把握するため、外壁を模した試料の表面に塗膜を形成する試験を行うことが好ましい。このような試験を行うことで、外壁塗装に使用する塗料の固形分含有量に応じて膜厚をどの程度に設定すべきかを決定することができる。あるいは、要求される膜厚に応じて塗料の固形分含有量をどの程度に設定すべきかを決定することができる。なお、特定の固形分含有量の塗料を使用することが既に決まっている場合は、必ずしも図1のようなグラフを作成しなくてもよく、当該塗料の膜厚上限値及び膜厚下限値のデータを試験的な塗装によって得ればよい。
本発明において使用する塗料は、固形分含有量が10質量%以下のものが好ましい。塗料の固形分が10質量%より大きいと必然と塗液粘度が大きくなり、連続膜を形成するための膜厚下限値が大きくなり薄膜形成が難しくなるためである。塗料の粘度は10cP以下が好ましい。
塗装するときは視認化のため、着色剤で着色された塗料を使用してもよい。ただし、透明な塗膜を形成するには、塗膜形成後に色が消える着色剤を使用する。このような着色剤として、太陽光で自然と消えるものを例示でき、例えば、メチレンブルーなどの有機色素や食用染料、キサンテン系染料、アントラキノン系染料、トリアリールメタン系染料、ロイコ染料と酸発生剤の組み合わせ、アゾメチン染料と酸発生剤との組み合わせ、ピラゾロトリアゾール母核のグアジン塩色素、チアジン系染料と還元剤の組み合わせ、インジゴイド系染料と還元剤の組み合わせ、インジゴカーミン、カコテリン、エリオグラウシンA、フルギド化合物などがあげられる。
次に、図2,3を参照しながら、塗膜の膜厚を膜厚下限値及び膜厚上限値の範囲内に管理するのに適した好適な塗装機について説明する。塗装機1は、スプレーガン3と、2点式レーザービームユニット5と、を備えている。
スプレーガン3としては、例えば、アネスト岩田スプレーガン、明治スプレーガン、デビルビススプレーガンなどを適用することができ、スプレーガン3の先端部には、塗料Pを噴射する塗料吐出口3aが形成されている。
2点式レーザービームユニット5とは、小型のレーザーポインター(レーザービーム照射部)7を2個装着したユニットである。レーザーポインター7のそれぞれは、独立して上下左右、又は向きを変更可能で、且つ所定位置や向きで固定可能な構造になっている。
2点式レーザービームユニット5は、小型のレーザーポインター7を塗料Pの噴射方向Dに向けてスプレーガン3に装着されている。スプレーガン3と外壁表面Wfとの距離を塗装距離Lに位置合わせした後に、2点式レーザービームユニット5の各レーザーポインター7を上下左右に動かし、各レーザーポインター7から照射されるレーザービームBが外壁表面Wfで2点交差するように調整する。その結果、2点交差した点とスプレーガン3との距離が塗装距離Lとなる。
上述の設定を行うことで、スプレーガン3を近づけても、遠ざけてもレーザービームBは外壁表面Wf上で交差しなくなり、塗装距離Lがずれたことが目視で確認できる。すなわち、2本のレーザービームBが交差する点を外壁表面Wf上とすることで、塗装距離Lを目視で容易に確認でき、一定に保つことが容易になる。
レーザービームBの色は特に限定されるものではなく、一般的に使用される赤色(波長
630〜670nm程度)や最近使用の多い緑色(波長532nm)でもかまわない。
スプレーガン3に2点式レーザービームユニット5を装着する態様は、特に限定されるものではなく、スプレーガン3に直接溶接することで装着したり、取り外し可能な状態で装着したりしてもかまわない。
次に、上記の塗装機1を使用した塗装方法について説明する。建築現場で建築外壁Wに作業者が薄膜塗装する際には、塗装距離Lに合わせてレーザーポインター7で照射するレーザービームBの向きや位置を調整し、2点交差する位置を建築外壁Wの表面に合わせる。その後、塗料吐出口3aから塗料Pを噴射させて建築外壁Wへの薄膜塗装を開始する。ここで作業者は、スプレーガン3の運行速度を一定に保つため、定間隔で音を発信する装置を使用する。定間隔で音を発信する装置としては、例えば、メトロノームを使用する。
メトロノームは一定の間隔で音を刻みテンポを合わせるために使う用具である。テンポは1分間に刻む回数でテンポの数値が決められており、例えば、テンポ=100であれば、1分間に音を100回刻むことになる。この一定のテンポで刻まれる音を頼りにして作業者(人)は、スプレーガン3の運行速度を一定に保つことが可能となる。
一定のテンポとしては、テンポ=100に限定されるものではない。上記に説明したように1分間に刻み回数がテンポなので、例えば、テンポ=60であれば、1秒間に1回音が刻まれることになる。
メトロノームとしては耳装着型が好ましく、また、耳装着型メトロノームは、市販されているものであれば特に限定するものではない。例えば、コルグ社のマイクロメトロノーム KORG MetroGnome MM-1やMM-2などが挙げられる。
なお、建築現場で塗装する際、メトロノームが、作業者(人)自身の体に装着されていないと持ち運びに不便であり、また、様々な雑音によってメトロノームの刻む音が聞こえなくなる可能性がある。しかしながら、耳装着型メトロノームであれば、作業者(人)自身の体に装着するので持ち運びに便利であり、且つ作業性にも問題はなく、更に、テンポを刻む音が聞こえなくなる可能性は少なくなるため好適である。
薄膜塗装とは、塗装後、乾燥した塗膜の膜厚を0.1〜数μm程度になるように塗装することをいう。塗装機1を用いて塗装条件を精密に制御することによって、均一かつ薄膜に塗装することは可能である。その塗装条件とは、まさに塗装距離Lを一定に保持し、また、スプレーガン3の運行速度を一定に保つことである。本実施形態に係る塗装機1を使用することにより、塗装距離Lを一定にすることは容易であり、更に、耳装着型メトロノームを塗装機1と同時に使用することで、スプレーガン3の運行速度を一定にすることが可能になり、作業者(人)の手によって膜厚ムラの少ない薄膜塗装が可能となる。
下地となる建築外壁Wは特に限定されるものではなく、様々な基材を用いることができる。例えば、金属基材、ガラス基材、ホーロー基材、セメントや石膏などの無機質建材、セラミックなどの無機基材、及びこれらのうちのいずれかの基材の表面に少なくとも1層の無機塗膜及び/又は少なくとも1層の有機塗膜を有する塗装基材等も挙げることができる。
上記の塗装基材を構成する有機塗膜としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ウレタン系、アクリルシリコーン系、メラミン系、フッ素系等の有機樹脂を含有する塗料Pを挙げることができる。
上記の塗装基材を構成する無機塗膜としては、特に限定されるものではないが、例えば、シリコーン樹脂系、ポリシラザン系等の無機樹脂を含有する塗料Pを挙げることができる。
上記の塗装基材の上に薄膜で塗装する塗料Pは特に限定されるものではなく、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ウレタン系、アクリルシリコーン系、メラミン系、フッ素系等の有機塗膜、シリコーン樹脂系、ポリシラザン系等の無機塗膜、更に光触媒塗膜などが挙げられる。特に、塗膜中に無機成分を含むアクリルシリコーン系有機塗膜や無機塗膜、光触媒塗膜など厚膜になるとクラックなどが発生しやすい塗膜には本発明の塗装方法が好適と考える。
また、上記基材の形状は特に限定されるものではなく、ガラスや金属カーテンウォールなどの平滑板や住宅サイディング板のような高意匠性板でもかまわない。
上記塗装機1を使用することで、建築外壁に形成すべき塗膜の膜厚が図1に示した膜厚下限値及び膜厚上限値の範囲内に十分に収まるように管理することができる。すなわち、形成すべき膜厚に応じて塗装機1の単位時間あたりの塗料噴射量、塗装機1の運行速度及び塗装距離L等を設定し、作業者がこれに従って作業を行うことによって、液だれせず、しかも膜厚ムラの少ない塗膜を形成できる。
以下、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでない。
実施例、比較例に使用される下地基材は、アルミ板を選択した。これは、塗装後の膜厚を確認する方法としてSEM(日本電子データム(株)製走査電子顕微鏡 JSM−5600LV)を使用するため、塗膜断面加工のしやすさ、取り扱いやすさから使用を選択した。
下地基材へ塗布する塗装材として、アクリル系塗料(アサヒペン製 「水性外かべ用 色ホワイト」)を使用した。下地塗膜の上に薄膜塗装する塗料として、水性アクリルシリコーン系塗料(旭化成ケミカルズ(株)製水性アクリルシリコーン「ポリデュレックスG633」)を水にて10%以下に希釈した塗料を使用した。塗装に使用したスプレーガンは、アネスト岩田(株)製低圧霧化スプレーガン「LPH-100-124LVS」を選択した。着色剤としては、メチレンブルー(保土谷化学(株)製「MB−FZ」)を使用した。
(膜厚下限値及び膜厚上限値の検討)
塗液固形分を10質量%以下に塗料を種々調整し、メチレンブルーにて着色した塗液を作成した。また、スプレーガン「LPH-100-124LVS」に、距離視認2点交差レーザービームユニットを装着し、塗装距離が20cmになるように調整した。更にスプレーパターン開きを20cm、塗料吐出量を40g/分、手元空気圧を0.1MPaとなるようにスプレーガンの調整を行い、また、スプレーガン運行速度を30cm/秒で操作するため、メトロノームのテンポを60に設定し、調製した着色塗料を用い下地基材へ塗布した。その時、各塗液固形分において斑なく着色を視認することができる最低塗布量を、更に液だれが生じる塗布量を目視で観察しながら塗装し、塗装後、気温23℃、湿度50%の環境下で1時間ほど乾燥し、塗装板の任意の場所を選択し、SEMによる膜厚測定を実施した。その結果、各塗液固形分での膜厚下限値と膜厚上限値を見出した。
(実施例1)
着色塗液の固形分を5質量%に調整し、更にスプレーガン「LPH-100-124LVS」に、距離視認2点交差レーザービームユニットを装着し、塗装距離が20cmになるように調整し、スプレーパターン開きを20cm、塗料吐出量を40g/分、手元空気圧を0.1MPaとなるようにスプレーガンの調整を行い、また、スプレーガン運行速度を30cm/秒で操作するため、メトロノームのテンポを60に設定し、作成した着色塗料を用い下地基材へ5枚塗布した。その結果、2枚は液だれと塗装斑を起こし、残りの3枚は綺麗に塗装できた。液だれと塗装斑を起こした塗膜の膜厚を乾燥後、塗装板の任意の場所を選択し、SEMによる膜厚測定を実施したところ、膜厚上限値を超えていた。また、綺麗に塗装できた3枚は塗装範囲内の膜厚であった。
(実施例2)
着色塗液を水性アクリルシリコーン系塗料(旭化成ケミカルズ(株)製水性アクリルシリコーン「ポリデュレックスG633」)を水にて5質量%程度に希釈した塗料100部に対し、光触媒酸化チタン(石原産業(株)製光触媒酸化チタン「ST−01」)を5部添加した塗料を使用し、実施例1と同じ方法で塗膜を形成した。その結果、1枚が液だれを起こし、残りの4枚は綺麗に塗装できた。液だれを起こした塗膜の膜厚を測定したところ、膜厚上限値を超えていた。また、綺麗に塗装できた4枚は塗装範囲内の膜厚であった。
(比較例1)
塗料の固形分を5質量%にし、距離視認2点交差レーザービームユニットを使用しないでスプレーガンと外壁との距離を目視で確認しながら、また、スプレーガン運行速度をメトロノームを使用しないで塗装者の感覚で下地基材へ5枚塗布した。その結果、すべて液だれを起こしてしまった。
(比較例2)
使用する塗液に着色剤を添加しない塗液を使用した以外は実施例1と同様な方法で塗装を実施した。その結果、塗装視認性が悪く、塗装品のすべてが液だれを起こした。
以上のように、本発明は、建築外壁に塗料の固形分が10質量%以下のクリア塗料をスプレー塗装するとき、その塗料を着色することで塗膜が連続膜となる膜厚下限値を視認でき、更に塗装した塗液が液だれすることで膜厚上限値を視認できることで膜厚管理する薄膜塗装ができる。
1…塗装機、3…スプレーガン、3a…塗料吐出口、7…レーザーポインター(レーザービーム照射部)、B…レーザービーム、D…塗料の噴射方向、L…塗装距離、W…建築外壁、Wa…建築外壁表面。

Claims (5)

  1. スプレーガンを備える塗装機を作業者が使用し、当該作業者の手によるスプレー塗装で建築外壁に透明な塗膜を形成する現場塗装方法であって、
    固形分含有量が10質量%以下であり、且つ、粘度が10cp以下である塗料を使用するとともに、
    当該塗料は、塗膜形成後に太陽光で自然と色が消える着色剤によって着色されたものであり、
    当該塗料を噴射する塗料吐出口を有するスプレーガンと、前記スプレーガンに装着され且つ前記塗料の噴射方向に向けてレーザビームを照射する少なくとも二つのレーザビーム照射部とを備え、前記建築外壁と前記スプレーガンとの塗装距離を一定に保つために前記建築外壁表面で前記レーザビームが交差して塗装距離を目視で確認可能となるように前記レーザビーム照射部が前記レーザビームを照射する塗装機を使用し、更に
    前記スプレーガンの運行速度を一定に保つため、定間隔で音を発信する装置を使用し、前記作業者が当該装置からの音を頼りにして塗装を行うとともに
    外壁を模した試料の表面に塗膜を形成する試験により得られた、形成される塗膜が連続膜となる最低膜厚である膜厚下限値、及び、塗装した塗液が液だれを起こす膜厚である膜厚上限値に応じて、単位時間あたりの塗料噴射量、前記塗装機の運行速度及び塗装距離を設定することにより、膜厚下限値と膜厚上限値の範囲内で膜厚管理することを特徴とする現場塗装方法。
  2. 定間隔で音を発信する前記装置は、メトロノームであることを特徴とする請求項1に記載の現場塗装方法。
  3. 前記メトロノームは、耳装着型メトロノームであることを特徴とする請求項に記載の現場塗装方法。
  4. 使用する塗料が光触媒塗料であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の現場塗装方法。
  5. 前記建築外壁の表面を塗装するに先立ち、膜厚下限値及び膜厚上限値を把握するため、外壁を模した試料の表面に塗膜を形成する試験を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の現場塗装方法。
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