JP2008223417A - 外壁リフォーム方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 各塗装をしっかり行っているか否かを一般の人にも分かるようにする。
【解決手段】 第1色の顔料が含まれた下塗り塗料1を外壁面2に塗る下塗り工程と、第2色の顔料が含まれた中塗り塗料4を下塗り完了後の外壁面2に塗る中塗り工程と、第3色の顔料が含まれた上塗り塗料5を中塗り完了後の外壁面2に塗る上塗り工程とを含んで行われ、第2色は第3色と同系統の色を用いており、第1色は一見して第2色及び第3色で使用する同系統の色と異なる色系であることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は外壁リフォーム方法に関し、特に複層に壁面を塗装する場合の外壁リフォーム方法に関する。
近年、新築住宅だけでなく、中古住宅のリフォームが盛んに行われており、このリフォームにおいては古くなった壁面を新しく綺麗な壁面にすることが重要な作業となっている。この壁面再塗装の方法は、古壁面の素地を綺麗にした後、その素地面に下塗り、中塗り及び上塗りを施すことで行なっている。
このような壁面のリフォームに関する技術としては、例えば、下記特許文献1に、窯業系既存外装壁面及び既存外装パネル表面に、棒を装備した打撃用具を用いて作動位置及び作動深さを数値制御した打撃力を与え、既存の表面仕上げ層を剥離させながら基材地肌が露出した深さの異なる凹凸模様を形成させた後、該外壁面及び該パネル表面に新たに表面仕上げ層を形成させる外装パネルの表面加工方法が提案されている。
特開2001−355324「既存外装壁の表面加工方法」
一般にリフォームのために外壁面を複数層に塗装する場合、下記のような課題がある。
近年、住宅リフォームにおいて悪質な手抜き工事を行なう業者(一種の詐欺商法)が問題になっている。例えば、壁面リフォーム工事であれば下塗り工程や中塗り行程を行わず、上塗り工程だけを行うというような工事である。
また、上記悪質な場合でなくても、住宅リフォームを請け負う工務店と作業員は直接の雇用関係にない場合が多く、作業を誠実に行おうと思っていても、作業員の熟練不足から下塗りの塗装厚さ、中塗りの塗装厚さ、上塗りの塗装厚さが不均一になってその不均一な部分の耐久性が劣るような不良作業が行われることがある。
これに対して、リフォームに関する豊富な知識を有する監視員による建築工事監視サービスを行っている業者もあるが、監視員を頼む費用がかかるうえに施工主からすれば自分で確認することができず、結局は監視員の言葉を信頼するしかないという不安感が残る。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は上記課題を解決できる外壁リフォーム方法を提供することにある。
具体的な目的の一例を示すと、以下の通りである。
(a)上記監視員を頼まず、各塗装をしっかり行っているか否かを一般の人にも分かるようにする。
(b)壁面の塗装作業において、各塗装を規定通りに行ないやすいようにして、高品質な外壁面の塗装を行うことのできる外壁リフォーム方法を提供する。
なお、上記に記載した以外の発明の課題、その解決手段及びその効果は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
本発明は多面的に表現できるが、例えば代表的なものを挙げると次のように構成したものである。
本発明は、第1色の顔料が含まれた下塗り塗料を外壁面に塗る下塗り工程と、第2色の顔料が含まれた中塗り塗料を下塗り完了後の前記外壁面に塗る中塗り工程と、第3色の顔料が含まれた上塗り塗料を中塗り完了後の前記外壁面に塗る上塗り工程とを含んで行われる外壁リフォーム方法であって、
前記第2色は前記第3色と同系統の色を用いており、前記第1色は一見して前記第2色及び第3色で使用する前記同系統の色と異なる色系であることを特徴とする。
色系としては例えば、色の三原色が例示できる。黄色に対して黄色又は白色であれば判別しにくいが、黄色に対して青色であれば判別しやすいことになる。
本発明であれば、前記第1色は一見して第2色及び第3色で使用されている前記同系統の色と異なる色系であるから、下塗り工程を行わない場合には、外壁面に異なる色系の塗料が一度も塗装されることなく、壁塗り工程が行われることになるので、壁面の塗装に詳しくない一般の人でも下塗り工程を省略した手抜き工事であることが直ぐに分かる。また、塗装の経験が低い作業員であっても下塗り塗料の色が中塗り塗料の色と明らかに異なるので、中塗り塗料の塗り残し箇所が一見して分かるので、中塗り塗装の不均一の発生を防止できる。
前記中塗り塗料を前記下塗り塗料の上に所定厚さ以上に塗装しない場合は、前記中塗り塗装の上から前記第1色が透けて見えるように、前記第2色の濃度を調整することが好ましい。この構成であれば、中塗り塗料を所定厚さ以上に塗装しない場合は、中塗り塗装の上から第1色が透けて見えるので、熟練していない作業員であっても中塗り塗料を一定厚さ以上に塗装することができ、不均一な中塗りによって壁面の品質が落ちることを防止できる。
前記第1色を有する下塗り塗料は、所定厚さ以上に塗られた時に一定濃度以上の前記異なる色系が発色されるように組成することもできる。この構成であれば、一定濃度以上の異なる色系となるように作業員が下塗り塗料を塗ることで一定基準の下塗りを行なえることになり、下塗り塗料の塗装が不均一になることを抑制できる。
塗装前の前記第1色は薄水色であることが好ましい。上塗り(仕上げ)工程において、使用されることが多い黄色、ベージュ系の色と異なる青系統の色は下塗り工程がしっかり行なわれているか否かを判別しやすい。また、薄水色にすることで上記に記載したようにある程度の濃度を出すために、一定厚さ以上に下塗り塗料を塗ることが担保される。
前記上塗り塗装をフッ素樹脂塗料とし、前記中塗り塗料をウレタン樹脂塗料とすることもできる。通常、フッ素樹脂塗料は単体では塗ることができないので他の樹脂による中塗りを必要とするが、この構成であれば、下塗り塗料の色と中塗りの塗料の色を一見して判別できるように変えているので作業員に中塗りの塗り残しが良く分かるようにすることができ、塗りムラが出やすいフッ素樹脂塗料の塗装工程を高品質に行なうことができる。
前記上塗り塗装をシリコン樹脂塗料とし、前記中塗り塗料もシリコン樹脂を配合した塗料とすることもできる。即ち、本発明の方法はフッ素樹脂を仕上げ被膜塗料として使用する場合のみならず、シリコン樹脂を仕上げ被膜塗料として使用する場合にも適用できる。
前記上塗り塗料を親水性でフッ素樹脂を含んだ塗料とし、さらに前記中塗り塗料の第2色の色の濃度を前記上塗り塗料の第3色の濃度の60%〜80%に設定することもできる。この構成であれば、油性ではなく、水性を用いることによって臭いを少なくできるとともに、フッ素系樹脂を含んだ塗料とすることによって他の樹脂に比べて雨垂れ、汚れが付きにくい耐久性を得ることができる。また、中塗り塗料の濃度を上記範囲に設定することによって上塗り塗料の色に違和感なく、下塗り塗料の色を消すように中塗り塗料の塗装作業を行なうことができる。
以上説明したように、本発明であれば、下塗り工程とその下塗り塗装の上に塗られる塗料の色が見た目に変わるので、各塗装工程をしっかり行っているか否かが一般の人にも分かり、不良工事を防止することができる。また、熟練しない作業者であっても中塗り塗料の塗り残し箇所が一見して分かるので、一定品質以上の外壁面の塗装ができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す外壁リフォーム方法の工程を示すフローチャートである。
図1に示すように、本外壁リフォーム方法は、まず、活膜は残し、劣化塗装膜,埃,汚れを除去し(S01)、70気圧〜100気圧の高圧噴流水で建物壁面の表面素地を清掃し(S02)、壁面のひび割れや隙間に水が侵入しないように充填材で埋めるとともに塗装面以外に汚れや傷が付かないように処理し(S03)、仕上げ色とは異なる色系の第1色で着色された下塗り塗料で下塗りし(S04)、仕上げ色と同系統色でかつ仕上げ色より薄い第2色で着色された中塗り塗料で中塗りし(S05)、仕上げ色である第3色で着色された上塗り塗料で上塗りして(S06)、一連の作業を終了する。なお、各塗り工程の移行には乾燥工程が入っている。
また、仕上げ色は顧客が色を選ぶことによって行なわれるが、下塗り塗料、中塗り塗料は適宜、本実施形態の効果を発揮しやすい色に調整できる。
(下塗り工程)
本実施形態に係る下塗り塗料は、薄水色などの第1色の顔料が含まれており、着色顔料2〜6%、体質顔料40〜60%、特殊アクリル樹脂エマルジョン25〜40%、添加剤1〜5%、水分2〜8%を混合して下塗り塗料を製造する。例えば、この比率は、着色顔料5%、体質顔料55%、特殊アクリル樹脂エマルジョン34%、添加剤1%、水分5%で設定することもできる。この下塗り塗料で塗られた壁面は薄水色になる。
塗装方法は、仕上げ面が波形模様の場合は砂骨ローラを用いて塗り、塗料の希釈率は1〜3%程度であり、1回の塗布量は0.8〜1.3Kg/m程度である。また、仕上げ面が平滑模様の場合はウールローラを用いて塗り、塗料の希釈率は3〜6%程度であり、1回の塗布量は0.4〜0.8Kg/m程度である。乾燥時間は外気温が5〜10℃程度なら指触乾燥では2時間以上、塗重乾燥なら8時間以上であり、外気温が23℃程度なら指触乾燥では1時間以上、塗重乾燥なら4時間以上であり、外気温が30℃程度なら指触乾燥では30分以上、塗重乾燥なら2時間以上が目安となる。
(中塗り工程)
本実施形態に係る中塗り塗料は、特殊ウレタン樹脂を主体とした1液体性反応硬化形ウレタン樹脂塗料を採用している。この樹脂を採用することにより、水性で危険物でなく、1液なので臭気が少なく、ポットライフを考える必要がなく、取り扱いが優れている。また、上塗り塗料の色系の60%〜80%、好ましくは65%〜75%、さらに好ましくは70%の濃度になるように顔料が調整される。よって、中塗り塗料も上塗り塗料に使用される色毎に、又は、それぞれの色系に対応して、各顔料が予め含まれた中塗り塗料が用意される。壁塗り業者は、顧客が注文する壁の種類にしたがって上塗り塗料、中塗り塗料の組を選択することになる。
中塗り工程の塗装方法は、主にウールローラを用いて塗り、塗料の希釈率は5〜10%程度であり、1回の塗布量は0.14〜1.7Kg/m程度である。下塗り塗料の塗布量に比べて、中塗り塗料の塗布量は少なくなる。
乾燥時間は外気温が5〜10℃程度なら指触乾燥では40分以上、塗重乾燥なら8時間以上であり、外気温が23℃程度なら指触乾燥では15分以上、塗重乾燥なら3時間以上であり、外気温が30℃程度なら指触乾燥では10分以上、塗重乾燥なら2時間以上が目安となる。この中塗り塗料は下記フッ素樹脂系の上塗り塗料の専用の中塗り塗料となる。
(上塗り工程)
上塗り工程に使用される上塗り塗料は、特殊フッソ系樹脂を主体とした1液体性反応硬化形フッソ系樹脂塗料であり、水性で危険物でなく、1液なので臭気が少なく、ポットライフがないため、取り扱いが優れている。
上塗り工程の塗装方法及び乾燥時間は、中塗り工程とほぼ同じでよい。
従来、仕上げ塗料は撥水性を備えたものが一般的であったが、本実施形態のように親水性とすることにより、汚れの原因である親油性物質がつきにくくなる効果を生み出すとともに、壁面全体を雨水がまんべんなく流れることによって、部分的に壁面が汚れるということを防止する効果がある。
図2は外壁面の塗装の様子を模式的に描いた斜視図である。
図2に示すように、本実施形態に係る下塗り塗料1は外壁面2に塗装され、外壁面2にまで達するヘアークラック3に進入して強固な保持機能を維持できる。なお、ウレタン樹脂を主とする中塗り塗料4の層とフッ素樹脂の上塗り塗料5の層はともに薄いので各層を均一に一定層厚に塗装するのは難しい作業となるが、本実施形態であれば上記工夫によって簡単に塗装することができる。
本実施形態であれば、下塗り塗料の色を薄水色にしたので、下塗り工程の塗料の色と、中塗り工程・上塗り工程の塗料の色とを異ならせることができる。これにより、薄水色は通常、仕上げ面に使用しない特殊な色なので、下塗り工程が確実に行われていることを顧客などの回りの人に分からせることができる効果がある。
また、下塗り工程の下塗り色は通常使用しない特殊な色に設定されているので、中塗り工程を省略した場合や、中塗り塗料の塗布層厚が規定に達しない場合や、中塗り塗料を不均一に塗った場合などにおいて、下地の色(本実施例の場合は水色)が浮き出てしまうことになる。したがって、中塗り工程、又は中塗り工程及び上塗り工程を定められた通りの層厚に塗布しないと、作業者自身も直ぐに分かる状態となるので不均一な塗装作業を防止することができる。
図1は本発明の一実施形態を示す外壁リフォーム方法の工程を示すフローチャートである。 図2は外壁面の塗装の様子を模式的に描いた斜視図である。
符号の説明
1…下塗り塗料、2…外壁面、3…ヘアークラック、4…中塗り塗料、5…上塗り塗料。

Claims (7)

  1. 第1色の顔料が含まれた下塗り塗料を外壁面に塗る下塗り工程と、第2色の顔料が含まれた中塗り塗料を下塗り完了後の前記外壁面に塗る中塗り工程と、第3色の顔料が含まれた上塗り塗料を中塗り完了後の前記外壁面に塗る上塗り工程とを含んで行われる外壁リフォーム方法であって、
    前記第2色は前記第3色と同系統の色を用いており、前記第1色は一見して前記第2色及び第3色で使用する前記同系統の色と異なる色系であることを特徴とする、外壁リフォーム方法。
  2. 請求項1に記載の外壁リフォーム方法において、前記中塗り塗料を前記下塗り塗料の上に所定厚さ以上に塗装しない場合は、前記中塗り塗装の上から前記第1色が透けて見えるように、前記第2色の濃度を調整した、外壁リフォーム方法。
  3. 請求項1から請求項2のいずれか一項に記載の外壁リフォーム方法において、前記第1色を有する下塗り塗料は、所定厚さ以上に塗られた時に一定濃度以上の前記異なる色系が発色されるように組成した、外壁リフォーム方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の外壁リフォーム方法において、塗装前の前記第1色は薄水色とした、外壁リフォーム方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の外壁リフォーム方法において、前記上塗り塗料をフッ素樹脂塗料とし、前記中塗り塗料をウレタン樹脂塗料とした、外壁リフォーム方法。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の外壁リフォーム方法において、前記上塗り塗装をシリコン樹脂塗料とし、前記中塗り塗料もシリコン樹脂を配合した塗料とした、外壁リフォーム方法。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の外壁リフォーム方法において、前記上塗り塗料を親水性でフッ素樹脂を含んだ塗料とし、さらに前記中塗り塗料の第2色の色の濃度を前記上塗り塗料の第3色の濃度の60%〜80%程度に設定した、外壁リフォーム方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010265734A (ja) * 2009-05-18 2010-11-25 Goei Seisakusho:Kk 打ち放コンクリート仕上面の再補修工法
JP2014001616A (ja) * 2012-05-21 2014-01-09 Aica Kogyo Co Ltd 壁面仕上げ方法
JP2019013863A (ja) * 2017-07-03 2019-01-31 菊水化学工業株式会社 水性多彩模様塗料の仕上げ方法

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