JP2009235326A - 有機・無機複合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐候性、耐薬品性、光学特性、更には防汚性、防曇性、帯電防止性等に優れた有機・無機複合体の提供。
【解決手段】粒子径が100nm以下のコロイダルシリカ(A)と、
水及び乳化剤の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合して得られる粒子径が10〜800nmである重合体エマルジョン粒子(B)と、
色素(C)と
を含む水系有機・無機複合組成物から形成された皮膜を含む有機・無機複合体であって、該色素(C)が太陽光により失色し、透明となることを特徴とする上記有機・無機複合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐候性、耐薬品性、光学特性、更には防汚性、防曇性、帯電防止性等に優れた有機・無機複合体に関する。本発明の有機・無機複合体は、特に建築外装、自動車、ディスプレイ、レンズのコーティングとして有用である。
近年、良加工性、柔軟性、密着性等の有機重合体の長所と、耐候性、難燃性、耐薬品性等の無機物質の長所との両立を目指し、有機・無機複合材料に関する研究が数多く為されている。しかし、一般的に有機重合体は無機重合体との相溶性に劣るため、これらの複合体は不均質であり有機重合体及び無機物質の特性が有効に発現しない場合が多い。
これらの課題に対し、ミクロ的にも均質で透明な有機・無機複合材料も提案されている。
特開平6−322136号公報や特開2003−41198号公報には、無機物質と有機高分子、又は無機高分子−有機高分子共重合体を有機溶媒に溶解又は分散させることにより、成膜性や成形性を向上させることが開示されている。
しかし、これらのものから有機・無機複合材料を得るには、毒性又は環境汚染の問題や火災の危険性を有する有機溶剤を大気中に放出するという問題があった。
WO2007/069596には、この点を改良した水系で耐汚染性、耐候性に優れた有機・無機複合体が開示されている。
一方でこれらの有機・無機複合材料は、下地の光学性能、意匠性等を阻害しないように、高い透明性を有することが要求されるため、塗装むらや塗装忘れ等の製品トラブルの発生は好ましくない。そのためこの製品トラブルを簡便に抑制する方法が求められている。
特開平5−25899には退色性色素材料を添加して塗装し、これらのトラブルを回避する方法が開示されている。
しかし、発色性と退色性のバランスが悪く、視認性を良好にした場合、退色までに時間がかかるという問題点があった。
特開平6−322136号公報 特開2003−41198号公報 特開WO2007/069596 特開平5−25899
本発明の課題は、耐候性、耐薬品性、光学特性、更には防汚性、防曇性、帯電防止性等に優れた有機・無機複合体を、特殊な装置を用いずに、簡単に、少ない環境負荷、かつ簡便に形成することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.粒子径が100nm以下のコロイダルシリカ(A)と、水及び乳化剤の存在下に加水分解性珪素化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合して得られる粒子径が10〜800nmである重合体エマルジョン粒子(B)と、色素(C)とを含む水系有機・無機複合組成物から形成された皮膜を含む有機・無機複合体であって、該色素(C)が太陽光により失色し、透明となることを特徴とする上記有機・無機複合体。
2.前記重合体エマルジョン粒子(B)を得るのに用いる2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の使用量が、得られる重合体エマルジョン粒子(B)に対する質量比[(b2)/(B)]として、0.1以上0.5以下である、発明1に記載の有機・無機複合体。
3.前記重合体エマルジョン粒子(B)を得るのに用いる2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の前記コロイダルシリカ(A)に対する質量比(b2)/(A)が、0.1以上1.0以下である、発明2に記載の有機・無機複合体。
4.前記重合体エマルジョン粒子(B)が、2層以上の層から形成されるコア/シェル構造である、発明1〜3のいずれか一項に記載の有機・無機複合体。
5.該重合体エマルジョン粒子(B)がコア/シェル構造であり、その最内層の、加水分解性珪素化合物(b1)に対する2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の質量比(b2)/(b1)が1.0以下であり、かつ最外層の質量比(b2)/(b1)が0.1以上5.0以下である、発明1〜4のいずれか一項に記載の有機・無機複合体。
6.前記重合体エマルジョン粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下に、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)及び/又はこれと共重合可能な他のビニル単量体(b3)及び/又は加水分解性珪素化合物(b1)を重合して得られるシード粒子の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)とを、重合して得られる、発明1〜5のいずれか一項に記載の有機・無機複合体。
7.前記重合体エマルジョン粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)を重合して得られるシード粒子の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)とを、重合して得られる、発明1〜6のいずれか一項に記載の有機・無機複合体。
8.前記加水分解性珪素化合物(b1)が、ビニル重合性基を有する加水分解性珪素化合物を少なくとも1種含み、その使用量が重合体エマルジョン粒子(B)100質量部に対して0.01以上20質量部以下である、発明1〜7のいずれか一項に記載の有機・無機複合体。
9.前記加水分解性珪素化合物(b1)が、ビニル重合性基を有する加水分解性珪素化合物を少なくとも1種含み、その使用量が前記2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)100質量部に対して0.1以上100質量部以下である、発明1〜8のいずれか一項に記載の有機・無機複合体。
10.重合体エマルジョン粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)及び3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合して得られ、粒子径が10〜800nmであることを特徴とする発明1〜9のいずれか一項に記載の有機・無機複合体。
11.発明1〜10のいずれか一項に記載の有機・無機複合体の塗装方法であって、該有機・無機複合体の、皮膜を形成した直後からの色相の変化を目視で確認することにより、塗装のむらを判断し均一な有機・無機複合体の塗膜を得ることを含む上記方法。
12.発明1〜11のいずれか一項に記載の有機・無機複合体を含むことを特徴とする建築外装部材。
13.発明12に記載の建築外装部材を用いてなる戸建て住宅。
本発明の水系有機・無機複合体は、耐候性、耐薬品性、光学特性、更には防汚性、防曇性、帯電防止性等に優れており、また有機溶剤や特殊な装置を使用しなくとも簡便に形成することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機・無機複合体は、粒子径が100nm以下のコロイダルシリカ(A)と、加水分解性珪素化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を水及び乳化剤の存在下に重合して得られる粒子径が10〜800nmである重合体エマルジョン粒子(B)と、好ましくは分子量が400以下の色素(C)とを含む水系有機・無機複合組成物を皮膜状に形成することで得ることができる。
本発明の水系有機・無機複合組成物において、コロイダルシリカ(A)は、重合体エマルジョン粒子(B)と相互作用することにより重合体エマルジョン粒子(B)の硬化剤として働く。このことにより、耐候性、耐薬品性、光学特性、更には防汚性、防曇性、帯電防止性等に優れた有機・無機複合体を形成することが可能となる。
ここで、上記コロイダルシリカ(A)と重合体エマルジョン粒子(B)との相互作用としては、例えばコロイダルシリカ(A)が有する水酸基と重合体エマルジョン粒子(B)が有する2級及び/又は3級アミド基との水素結合や、コロイダルシリカ(A)が有する水酸基と重合体エマルジョン粒子(B)を構成する加水分解性金属化合物(b1)の重合生成物との縮合(化学結合)等を例示することができる。
また、本発明の有機・無機複合体には、さらに追加して光触媒を配合することが可能である。この場合、本発明の有機・無機複合体は光照射により光触媒活性及び/又は親水性を発現するため非常に好ましい。
上記光触媒の例としては、例えば、TiO、ZnO、SrTiO、BaTiO、BaTiO、BaTi、KNbO、Nb、Fe、Ta、KTaSi、WO、SnO、Bi、BiVO、NiO、CuO、RuO、CeO等、さらにはTi、Nb、Ta、Vから選ばれた少なくとも1種の元素を有する層状酸化物(例えば特開昭62−74452号公報、特開平2−172535号公報、特開平7−24329号公報、特開平8−89799号公報、特開平8−89800号公報、特開平8−89804号公報、特開平8−198061号公報、特開平9−248465号公報、特開平10−99694号公報、特開平10−244165号公報等参照)を挙げることができる。
これらの光触媒の中でTiO(酸化チタン)は無害であり、化学的安定性にも優れるため好ましい。酸化チタンとしては、アナターゼ、ルチル、ブルッカイトのいずれも使用できる。
本発明において、透明性、強度、耐候性等に優れた有機・無機複合体を形成するために、コロイダルシリカ(A)の粒子径は100nm以下であることが必要であり、好ましくは、80nm以下、より好ましくは5〜50nmである。
ここで、コロイダルシリカ(A)は水及び/又は親水性有機溶媒中に分散している。親水性有機溶媒としては、例えばエチレングリコール、ブチルセロソルブ、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等、さらにはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
本発明の水系有機・無機複合組成物に用いる重合体エマルジョン粒子(B)は、水及び乳化剤の存在下に、加水分解性珪素金属化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合することにより得ることができる。
この際、加水分解性珪素化合物(b1)に対する2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の質量比(b2)/(b1)は、5/95〜95/5、好ましくは10/90〜90/10である。
このようにして得られる重合体エマルジョン粒子(B)は、加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物が有する水酸基と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合生成物とが、水素結合により複合化されたものとなる。
本発明の重合体エマルジョン粒子(B)を製造するのに用いる上記加水分解性珪素化合物(b1)としては、下記式(1)で表される化合物やその縮合生成物、シランカップリング剤を例示することができる。
SiWxRy (1)
(式中、Wは炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基、アミド基から選ばれた少なくとも1種の基を表す。Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基から選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数である。また、x+y=4である。)
ここでシランカップリング剤とは、ビニル重合性基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、イソシアネート基等の有機物と反応性を有する官能基が分子内に存在する、加水分解性珪素化合物(b1)を表す。
上記珪素アルコキシド及びシランカップリング剤の具体例としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン類;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン類等を挙げることができる。また、これらの珪素アルコキシドやシランカップリング剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
上記珪素アルコキシドやシランカップリング剤が縮合生成物として使用されるとき、該縮合生成物のポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは200〜5000、さらに好ましくは300〜1000である。
上記珪素アルコキシドの中では、フェニル基を有する珪素アルコキシド、例えばフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等が、水及び乳化剤の存在下における重合安定性に優れるため非常に好ましい。
本発明に用いることができる加水分解性珪素化合物(b1)の中で、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル等のビニル重合性基を有するシランカップリング剤や、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオール基を有するシランカップリング剤は、上述した2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)との共重合又は連鎖移動反応により化学結合を生成することが可能である。このため、ビニル重合性基やチオール基を有するシランカップリング剤を、単独で又は上述した珪素アルコキシド、シランカップリング剤、及びそれらの縮合生成物と混合若しくは複合化させて用いた場合、本発明の重合体エマルジョン粒子(B)を構成する加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物と2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合生成物は、水素結合に加えて化学結合により複合化できる。この様な重合体エマルジョン粒子(B)を含有する本発明の水系有機・無機複合組成物は、耐候性、耐薬品性、光学特性、強度等に優れた有機・無機複合体を形成することができるため、非常に好ましい。
本発明において、加水分解性珪素化合物(b1)としてビニル重合性基を有するシランカップリング剤を用いることが耐候性の面から特に好ましく、その配合量は重合体エマルジョン粒子(B)100質量部に対して0.01以上20質量部以下であることが重合安定性の面から好ましい。さらに好ましくは、0.1以上10質量部以下である。
また、ビニル重合性基を有するシランカップリング剤の配合量は、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)100質量部に対して0.1以上100質量部以下であることが重合安定性の面から好ましく、さらに好ましくは、0.5以上50質量部以下である。
本発明においては、上述した加水分解性珪素化合物(b1)に環状シロキサンオリゴマーを併用して用いることが可能である。環状シロキサンオリゴマーの併用により、本発明の水系有機・無機複合組成物からは、柔軟性等に優れた有機・無機複合体を形成することができる。
上記環状シロキサンオリゴマーとしては、下記式(6)で表される化合物を例示することができる。
(R’SiO)m (6)
(式中、R’は、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基から選ばれる少なくとも1種を表す。mは整数であり、2≦m≦20である。)
上記環状シロキサンオリゴマーの中で、反応性等の点からオクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状ジメチルシロキサンオリゴマーが好ましい。
また、本発明において、上述した加水分解性珪素化合物(b1)にチタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、及びそれらの縮合生成物、または、それらのキレート化物を併用して用いることもできる。これらの化合物の併用により、本発明の水系有機・無機複合組成物からは、耐水性、硬度等に優れた有機・無機複合体を形成することができる。
上記チタンアルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン等が挙げられる。
上記チタンアルコキシドが縮合生成物として使用されるとき、該縮合生成物のポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは200〜5000、さらに好ましくは300〜1000である。
また、上記ジルコニウムアルコキシドの具体例としては、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−tert−ブトキシジルコニウム等が挙げられる。
上記ジルコニウムアルコキシドが縮合生成物として使用されるとき、該縮合生成物のポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは200〜5000、さらに好ましくは300〜1000である。
また、遊離の金属化合物に配位させてキレート化物を形成するのに好ましいキレート化剤としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;アセチルアセトン;アセト酢酸エチルなどであって分子量1万以下のものを例示することができる。これらのキレート化剤は、それを用いることにより、加水分解性金属化合物(b1)の重合速度を制御することができ、水及び乳化剤の存在下における重合安定性を優れたものにできるため非常に好ましい。この際、キレート化剤は、これを配位させる遊離の金属化合物の金属原子1モル当たり、0.1モル〜2モルの割合で用いると効果が大きく好ましい。
本発明の重合体エマルジョン粒子(B)を製造するのに用いる2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)としては、N−アルキル又はN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミドを例示することができ、具体的には、例えばN−メチルアクリルアミド、N−メチルメタアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチルメタアクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルメタアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタアクリルアミド、N−n−プロピルメタアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N−アクリロイルモルホリン、N−メタクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド等を挙げることができる。
本発明の重合体エマルジョン粒子(B)を製造するのに2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を用いるが、中でも3級アミド基を有するビニル単量体を用いると水素結合性が強まり好ましい。
上記2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の中で、特にN,N−ジエチルアクリルアミドは、水及び乳化剤の存在下における重合安定性に非常に優れるとともに、上述した加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物の水酸基やコロイダルシリカ(A)の水酸基と強固な水素結合を形成することが可能であるため、非常に好ましい。
上記2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の使用量は、得られる重合体エマルジョン粒子(B)に対する質量比[(b2)/(B)]として0.1以上0.5以下であることが好ましく、またコロイダルシリカ(A)との質量比(b2)/(A)が0.1以上1.0以下であることが好ましい。この範囲で(b2)が存在した場合、水素結合力と、コロイダルシリカ(A)との配合安定性が両立して好ましい。
また、本発明において、上記2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合を、これと共重合可能な他のビニル単量体(b3)と共に行うと、生成する重合生成物の特性(ガラス転移温度、分子量、水素結合力、極性、分散安定性、耐候性、加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物との相溶性等)を制御することが可能となり好ましい。
上記ビニル単量体(b3)としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル類の他、カルボキシル基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル系単量体、エポキシ基含有ビニル単量体、カルボニル基含有ビニル単量体、アニオン型ビニル単量体のような官能基を含有する単量体等を挙げることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステルの例としては、アルキル部の炭素数が1〜50の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、エチレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートの具体例としては、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
なお、本明細書中で、(メタ)アクリルとはメタアクリル又はアクリルを簡便に表記したものである。
(メタ)アクリル酸エステルの使用量は、1種又は2種以上の混合物として、全ビニル単量体中において好ましくは0〜99.9質量%、より好ましくは5〜80質量%である。
上記カルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、無水マレイン酸、又はイタコン酸、マレイン酸、フマール酸などの2塩基酸のハーフエステル等である。カルボン酸基含有のビニル単量体を用いることによって、重合体エマルジョン粒子(B)にカルボキシル基を導入することができ、エマルジョンとしての安定性を向上させ、外部からの分散破壊作用に抵抗力を持たせることが可能となる。この際、導入したカルボキシル基は、一部又は全部を、アンモニアやトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン類やNaOH、KOH等の塩基で中和することもできる。
カルボキシル基含有ビニル単量体の使用量は、1種又は2種以上の混合物として、全ビニル単量体中において0〜50質量%であることが耐水性の面から好ましい。より好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。
また、上記水酸基含有ビニル単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルや、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチルモノブチルフマレート、アリルアルコールやエチレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、さらには、「プラクセルFM、FAモノマー」(ダイセル化学(株)製の、カプロラクトン付加モノマーの商品名)や、その他のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類などを挙げることができる。上記(ポリ)オキシエチレン(メタ)アクリレートの具体例としては、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。また、(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アクリレートの具体例としては、(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール等が挙げられる。水酸基含有ビニル単量体を用いることによって、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)との重合生成物の水素結合力を制御することが可能となるとともに、重合体エマルジョン粒子(B)の水分散安定性を向上させることが可能となる。
上述した水酸基含有ビニル単量体の使用量は、1種又は2種以上の混合物として、全ビニル単量体中において好ましくは0〜80質量%、より好ましくは0.1〜50質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。
上記カルボニル基含有ビニル単量体としては、例えばアクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、アクリルオキシアルキルプロパナール類、メタクリルオキシアルキルプロパナール類、ジアセトンアクリレート、ジアセトンメタクリレート、アセトニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、ブタンジオールアクリレートアセチルアセテート、アセトンジカルボン酸、ジヒドロキシアセトン、及びジヒドロキシベンズアルデヒド等が挙げられる。ただし、カルボン酸およびエステル類の持つカルボニル基を含有するビニル単量体は除外する。
また、上記エポキシ基含有ビニル単量体としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルジメチルグリシジルエーテル等を挙げることができる。
エポキシ基含有ビニル単量体や、カルボニル基含有ビニル単量体を使用すると、重合体エマルジョン粒子(B)が反応性を有し、ヒドラジン誘導体やカルボン酸誘導体、イソシアネート誘導体等により架橋させて耐溶剤性等の優れた有機・無機複合体の形成が可能となる。エポキシ基含有ビニル単量体や、カルボニル基含有ビニル単量体の使用量は、全ビニル単量体中において好ましくは0〜50質量%である。
また、上記以外のビニル単量体(b3)の具体例としては、例えば(メタ)アクリルアミド、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、ブタジエン等のジエン類、塩化ビニル、塩化ビニリデンフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン等のハロオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類、酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニル等のカルボン酸イソプロペニルエステル類、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物、酢酸アリル、安息香酸アリル等のアリルエステル類、アリルエチルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、さらに4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6,−ペンタメチルピペリジン、パーフルオロメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピロメチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリル等やそれらの併用が挙げられる。
本発明においては、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)(必要に応じてこれと共重合可能な上記ビニル単量体(b3)を用いてもよい)の重合生成物の分子量を制御する目的で、連鎖移動剤を使用してもよい。
かかる連鎖移動剤の一例としては、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンのようなアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタンのような芳香族メルカプタン類;チオリンゴ酸のようなチオカルボン酸又はそれらの塩若しくはそれらのアルキルエステル類、又はポリチオール類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジ(メチレントリメチロールプロパン)キサントゲンジスルフィド及びチオグリコール、さらにはα−メチルスチレンのダイマー等のアリル化合物等を挙げることができる。
これら連鎖移動剤の使用量は、全ビニル単量体に対して好ましくは0.001〜30質量%、さらに好ましくは0.05〜10質量%の範囲で用いることができる。
本発明において、重合体エマルジョン粒子(B)の合成に用いることができる乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤、酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤や、例えばアルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤やラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤等を例示することができる。
これらの乳化剤の中で、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤を選択すると、本発明の重合体エマルジョン粒子(B)の水分散安定性が非常に良好になると共に、該重合体エマルジョン粒子(B)を含有する本発明の水系有機・無機複合組成物からは、耐水性、耐薬品性、光学特性、強度等に優れた有機・無機複合体を形成することができるため、非常に好ましい。
上記ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤としては、例えばスルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体、硫酸エステル基を有するビニル単量体やそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、ポリオキシエチレン等のノニオン基を有するビニル単量体、4級アンモニウム塩を有するビニル単量体等を挙げることができる。
上記反応性乳化剤の具体例として、スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体の塩を例にとると、ラジカル重合性の二重結合を有し、かつスルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基、炭素数6又は10のアリール基及びコハク酸基からなる群から選ばれる置換基を有する化合物か、スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基が結合しているビニル基を有するビニルスルホネート化合物が挙げられる。硫酸エステル基を有するビニル単量体の具体例としては、ラジカル重合性の二重結合を有し、かつ硫酸エステル基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基及び炭素数6又は10のアリール基からなる群から選ばれる置換基を有する化合物が挙げられる。
上記スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換されたコハク酸基を有する化合物の具体例としては、アリルスルホコハク酸塩が挙げられる。これらの具体例として、例えば、エレミノールJS−2(商品名)(三洋化成(株)製)、ラテムルS−120、S−180A又はS−180(商品名)(花王(株)製)等を挙げることができる。
また、上記スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数2〜4のアルキルエーテル基又は炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基を有する化合物の具体例として、例えばアクアロンHS−10又はKH−1025(商品名)(第一工業製薬(株)製)、アデカリアソープSE−1025N又はSR−1025(商品名)(旭電化工業(株)製)等を挙げることができる。
その他、スルホネート基により一部が置換されたアリール基を有する化合物の具体例として、p−スチレンスルホン酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩等が挙げられる。
上記スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基が結合しているビニル基を有するビニルスルホネート化合物として、例えば、2−スルホエチルアクリレート等のアルキルスルホン酸(メタ)アクリレートやメチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、アリルスルホン酸等のアンモニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられる。
また、上記の硫酸エステル基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩により一部が置換された炭素数2〜4のアルキルエーテル基又は炭素数2〜4のポリアルキエーテル基を有する化合物としては、例えばスルホネート基により一部が置換されたアルキルエーテル基を有する化合物等がある。
また、ノニオン基を有するビニル単量体の具体例としては、α−〔1−〔(アリルオキシ)メチル〕−2−(ノニルフェノキシ)エチル〕−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン(商品名:アデカリアソープNE−20、NE−30、NE−40等、旭電化工業(株)製)、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル(商品名:アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50等、第一製薬工業(株)製)等を挙げることができる。
上記乳化剤の使用量は、重合体エマルジョン粒子(B)100質量部に対して、10質量部以下となる範囲内が適切であり、なかでも、0.001〜5質量部となる範囲内が好ましい。
また、上記乳化剤以外に、本発明の重合体エマルジョン粒子(B)の水分散安定性を向上させる目的で分散安定剤を使用することもできる。該分散安定剤としては、ポリカルボン酸及びスルホン酸塩からなる群から選ばれる各種の水溶性オリゴマー類や、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミド、水溶性又は水分散性アクリル樹脂などの合成又は天然の水溶性又は水分散性の各種の水溶性高分子物質が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物を使用することができる。
これらの分散安定剤を使用する場合、その使用量としては、重合体エマルジョン粒子(B)100質量部に対して、10質量部以下となる範囲内が適切であり、なかでも、0.001〜5質量部となる範囲内が好ましい。
本発明において、加水分解性珪素化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合は、重合触媒存在下で実施するのが好ましい。
ここで、加水分解性珪素化合物(b1)の重合触媒としては、塩酸、フッ酸等のハロゲン化水素類、酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸等のカルボン酸類、硫酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤類、酸性又は弱酸性の無機塩、フタル酸、リン酸、硝酸のような酸性化合物類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシランのような塩基性化合物類;ジブチル錫オクチレート、ジブチル錫ジラウレートのような錫化合物等を挙げることができる。
これらの中で、加水分解性珪素化合物(b1)の重合触媒としては、重合触媒のみならず乳化剤としての作用を有する酸性乳化剤類、特に炭素数が5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸(ドデシルベンゼンスルホン酸等)が非常に好ましい。
一方、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合触媒としては、熱又は還元性物質などによってラジカル分解してビニル単量体の付加重合を起こさせるラジカル重合触媒が好適であり、水溶性又は油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が使用される。その例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等があり、その量としては全ビニル単量体100質量部に対して、0.001〜5質量部の配合が好ましい。なお、重合速度の促進、及び70℃以下での低温の重合を望むときには、例えば重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合触媒と組み合わせて用いると有利である。
上述したように、本発明の水系有機・無機複合組成物に用いる重合体エマルジョン粒子(B)は、水及び乳化剤の存在下に加水分解性珪素化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)(必要に応じてこれと共重合可能な他のビニル単量体(b3)を用いてもよい)を、好ましくは重合触媒存在下で重合することにより得ることができる。
ここで、加水分解性珪素化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合は、別々に実施することも可能であるが、同時に実施することの方が、それにより水素結合等によるミクロな有機・無機複合化が達成できるので好ましい。
また、本発明において、重合体エマルジョン粒子(B)の粒子径が10〜800nmであることが重要である。この様な粒子径の範囲に調整し、粒子径が100nm以下のコロイダルシリカ(A)と組み合わせて水系有機・無機複合組成物とすることにより、はじめて耐候性、耐薬品性、光学特性、更には防汚性、防曇性、帯電防止性等に優れた有機・無機複合体を形成することが可能となる。また、重合体エマルジョン粒子(B)の粒子径は50〜300nmであると、得られる塗膜の透明性が向上し、より好ましい。
このような粒子径の重合体エマルジョン粒子(B)を得る方法として、乳化剤がミセルを形成するのに十分な量の水の存在下に加水分解性金属化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合する、いわゆる乳化重合が最も適した方法である。
乳化重合の方法としては、例えば、加水分解性珪素化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)(必要に応じてこれと共重合可能な他のビニル単量体(b3))は、そのまま、又は乳化した状態で、一括若しくは分割で、又は連続的に反応容器中に滴下し、前記重合触媒の存在下、好ましくは大気圧から必要により10MPaの圧力下で、約30〜150℃の反応温度で重合させればよい。場合によっては、これ以上の圧力で、又はこれ以下の温度条件で重合を行っても差し支えない。加水分解性珪素化合物(b1)及び全ビニル単量体量の総量と水との比率は最終固形分量が0.1〜70質量%、好ましくは1〜55質量%の範囲になるように設定するのが好ましい。また、乳化重合をするにあたり粒子径を成長又は制御させるために、予め水相中にエマルジョン粒子を存在させて重合させるシード重合法によってもよい。重合反応は、系中のpHが好ましくは1.0〜10.0、より好ましくは1.0〜6.0の範囲で進行させればよい。pHは、燐酸二ナトリウムやボラックス、又は、炭酸水素ナトリウム、アンモニアなどのpH緩衝剤を用いて調節することが可能である。
また、本発明の重合体エマルジョン粒子(B)を得る方法として、加水分解性珪素化合物(b1)を重合させるのに必要な水及び乳化剤の存在下に、加水分解性金属化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を、必要により溶剤存在下で重合した後、重合生成物がエマルジョンとなるまで水を添加する手法も適用できるが、上述した乳化重合方法と比べ、得られる重合体エマルジョン粒子(B)の粒子径制御が困難である。
本発明において、重合体エマルジョン粒子(B)が2層以上の層から形成されるコア/シェル構造であると、該重合体エマルジョン粒子(B)を含有する水系有機・無機複合組成物からは機械的物性(強度と柔軟性のバランス等)に優れた有機・無機複合体を形成することが可能となり好ましい。特に、その最内層の、加水分解性珪素化合物(b1)に対する2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の質量比(b2)/(b1)が1.0以下であり、かつ最外層の質量比(b2)/(b1)が0.1以上5.0以下であると、得られる複合体は耐候性、機械的物性が共に特に良好であり好ましい。
上記コア/シェル構造の重合体エマルジョン粒子(B)を製造する方法として、多段乳化重合が非常に有用である。
ここで、多段乳化重合とは、2種類以上の異なった組成の加水分解性珪素化合物(b1)や2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)(必要に応じてこれと共重合可能な他のビニル単量体(b3))を調製し、これらを別々の段階に分けて重合することを意味する。
以下に、多段乳化重合の中で最も単純で有用な2段乳化重合による重合体エマルジョン粒子(B)の合成を例に、本発明の多段乳化重合による重合体エマルジョン粒子(B)の合成について説明する。
本発明において、2段乳化重合による重合体エマルジョン粒子(B)の合成として、例えば、水及び乳化剤の存在下に、ビニル単量体(C)及び/又は加水分解性珪素化合物(b1)を重合して得られるシード粒子の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合する方法を例示できる。
ここで、ビニル単量体(C)とは、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)及び/又は上述した他のビニル単量体(b3)を意味する。
上記2段乳化重合による重合体エマルジョン粒子(B)の合成は、第1系列(ビニル単量体(C)及び/又は加水分解性金属化合物(b1))を供給して乳化重合する第1段の重合と、第1段に引き続き、第2系列(加水分解性金属化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)(必要に応じてこれと共重合可能な他のビニル単量体(b3)))を供給し、水性媒体中において乳化重合する第2段の重合からなる2段階の重合行程により行われる。この際、第1系列中の固形分質量(M1)と第2系列中の固形分質量(M2)の質量比は、好ましくは(M1)/(M2)=9/1〜1/9、より好ましくは8/2〜2/8である。
本発明において、好ましいコア/シェル構造の重合体の特徴は、第1段の重合で得られたシード粒子の粒子径が、粒径分布(体積平均粒子径/数平均粒子径)の大きな変化なしに(好ましくは単分散の状態で)、第2段の重合によって大きくなる(粒子径の増大)ことを挙げることができる。
また、コア/シェル構造の確認は、例えば、透過型電子顕微鏡等による形態観察や粘弾性測定による解析等により実施することが可能である。
重合体エマルジョン粒子(B)を、水及び乳化剤の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)を重合して得られるシード粒子の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合して得た場合は、重合安定性に優れており好ましい。
また、上述したコア/シェル構造の重合体エマルジョン粒子(B)において、コア相のガラス転移温度(Tg)が0℃以下、すなわち上記シード粒子のガラス転移温度が0℃以下のものは、それを含有する水系有機・無機複合組成物からは室温における柔軟性に優れ、割れ等が生じにくい有機・無機複合体を形成することが可能となり、好ましい。
本発明において、3段以上の多段乳化重合を実施する場合は、上述した2段重合による重合体エマルジョン粒子(B)の合成例を参考に、重合する系列の数を増加させればよい。
本発明の水系有機・無機複合組成物は、粒子径が100nm以下のコロイダルシリカ(A)と、水及び乳化剤の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合して得られる粒子径が10〜800nmである重合体エマルジョン粒子(B)を含んでなることを特徴とする。
ここで、コロイダルシリカ(A)と重合体エマルジョン粒子(B)の質量比(A)/(B)は、1/99〜99/1、好ましくは5/95〜90/10、さらに好ましくは9/91〜83/17である。この範囲で配合された有機・無機複合組成物からは、透明性、耐汚染性に優れた有機・無機複合体を得ることができ好ましい。
また、本発明の水系有機・無機複合組成物には、水素結合等によるコロイダルシリカ(A)と重合体エマルジョン粒子(B)の相互作用を制御する目的で、アルコール類を添加することもできる。アルコールの添加により、貯蔵安定性等が非常に向上する。
上記アルコール類としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2―ブタノール、変性エタノール、グリセリン、アルキル鎖の炭素数が3〜8のモノアルキルモノグリセリルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル又はジないしテトラエチレングリコールモノフェニルエーテルが好ましい。これらの中で、エタノールが環境上最も好ましい。
本発明の有機・無機複合体には、紫外線吸収剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも1種、光安定剤として、ヒンダードアミン系光安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。紫外線吸収剤及び/又は光安定剤は、重合体エマルジョン粒子(B)の質量に対して0.1質量%〜5質量%用いることが好ましい。また、紫外線吸収剤として、分子内にラジカル重合性の二重結合を有するラジカル重合性紫外線吸収剤、光安定剤として、分子内にラジカル重合性の二重結合を有するラジカル重合性光安定剤を用いることもできる。また、紫外線吸収剤と光安定剤を併用した方が、耐候性に優れるため好ましい。
これらの紫外線吸収剤、光安定剤は、コロイダルシリカ(A)と重合体エマルジョン粒子(B)と単に配合することも可能であるし、重合体エマルジョン粒子(B)を合成する際に共存させることも可能である。
本発明において使用できるベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、具体的には、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ステアリルオキシベンゾフェノンなどがある。ラジカル重合性ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として具体的には、2−ヒドロキシ−4−アクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−アクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−メタクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロキシ−エトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシ−エトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシ−ジエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロキシ−トリエトキシ)ベンゾフェノンなどがある。
本発明において使用できるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール)、メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとポリエチレングリコール(分子量300)との縮合物(日本チバガイギー(株)製、商品名:TINUVIN1130)、イソオクチル−3−〔3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート(日本チバガイギー(株)製、商品名:TINUVIN384)、2−(3−ドデシル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(日本チバガイギー(株)製、商品名:TINUVIN571)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(日本チバガイギー(株)製、商品名:TINUVIN900)などがある。ラジカル重合性ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学(株)製、商品名:RUVA−93)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチル−3−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリリルオキシプロピル−3−tert−ブチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、3−メタクリロイル−2−ヒドロキシプロピル−3−〔3’−(2’’−ベンゾトリアゾリル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル〕フェニルプロピオネート(日本チバガイギー(株)製、商品名:CGL−104)などがある。
本発明において使用できるトリアジン系紫外線吸収剤として具体的には、TINUVIN400(商品名、日本チバガイギー(株)製)などがある。
本発明において使用できる紫外線吸収剤としては、紫外線吸収能の高いベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。
本発明において使用できるヒンダードアミン系光安定剤として具体的には、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−セバケートの混合物(日本チバガイギー(株)製、商品名:TINUVIN292)、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、TINUVIN123(商品名、日本チバガイギ(株)製)などがある。ラジカル重合性ヒンダードアミン系光安定剤として具体的には、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、2,2,6,6,−テトラメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、4−シアノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−シアノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートなどがある。
本発明において使用できるヒンダードアミン系光安定剤としては、塩基性が低いものが好ましく、具体的には塩基定数(pKb)が8以上のものが好ましい。
本発明には色素(C)を配合する。色素を配合して着色を行うことで、塗装された着色面と未塗装面が色の違いから目視で区別される。また、着色面の中での色の濃淡により、塗装膜厚の容易な管理が可能となると共に、塗り残しや塗りむらを防ぐことも可能となる。
色素は太陽光の照射により失色し、下地の光学性能や意匠性を損ねない必要がある。失色までの時間は季節や方角により異なるが、20日以内に目視で判別できなくなることが好ましい。好ましくは10日以下であり、さらに好ましくは3日以下である。
用いる色素(C)としては、太陽光の照射で失色すれば特に制限はないが、金属原子を含有していない有機色素が失色速度の面から好ましい。そのなかでも発色性の面から塩基性色素がより好ましい。また、分子量が400以下の色素は太陽光により失色しやすく好ましく、さらに好ましくは350以下である。
色素は塗装面と未塗装面が判別しやすいように自由に色調を選ぶことができる。その中でもブルー、バイオレット、グリーン等の寒色系の色素が目視で判別しやすくて好ましい。このような色素としては、メチレンブルー、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等が挙げられる。中でもメチレンブルーは発色性が良く、失色速度も早いため特に好ましい。
本発明を建築外装部材に用いると、太陽光を照射することが容易となるため好ましい。中でも建築現場で塗装を行う際には工程の管理が非常に容易になるため好ましい。また、建築現場で塗装を行う戸建て住宅は従来技術では工程管理が困難であったため、本発明は建築外装部材に特に好ましく用いることができる。
本発明においては、コロイダルシリカ(A)が重合体エマルジョン粒子(B)の硬化剤として有効に働いた状態で有機・無機複合体を形成しているのが好ましい。この様な好ましい有機・無機複合体の例として、コロイダルシリカ(A)が、重合体エマルジョン粒子(B)と相互作用しながら重合体エマルジョン粒子(B)の粒子間に連続層を形成して存在している形態を挙げることができる。このような形態の有機・無機複合体は、特に耐薬品性、光学特性等に優れたものになる。
上述したような形態の有機・無機複合体を形成するためには、水系有機・無機複合組成物におけるコロイダルシリカ(A)と重合体エマルジョン粒子(B)の質量比(A)/(B)を最適範囲にすることが最も有効である。該質量比(A)/(B)の最適範囲は、例えば質量比(A)/(B)を変化させた水系有機・無機複合組成物から生成する有機・無機複合体の透明性を測定し、相対的に透明性が良好な質量比(A)/(B)の範囲として求めることができる。ここで、使用するコロイダルシリカ(A)と重合体エマルジョン粒子(B)の最適な質量比(A)/(B)の範囲は、コロイダルシリカ(A)の表面積(SA)と重合体エマルジョン粒子(B)の表面積(SB)の桁数の差が3桁以内となるのが好ましい。該表面積は、コロイダルシリカ(A)及び重合体エマルジョン粒子(B)の各々の粒径、及び各々の配合質量数から計算することができる。
本発明において、有機・無機複合体の最も好ましい形態は、重合体エマルジョン粒子(B)がコア/シェル構造であり、そのシェル相が金属酸化物(A)と相互作用した状態で連続層を形成し、粒子状のコア相が該連続層中に存在するものである。このような形態の有機・無機複合体は、耐薬品性、光学特性に優れるばかりか、機械的特性(強度と柔軟性のバランス等)にも優れたものになる。
本発明の機能性複合体を得るのに用いられる基材としては、特に限定はされず、例えば本発明で開示した用途に使用される基材は全て用いることができる。
本発明の機能性複合体を得るのに用いられる基材の具体例としては、例えば合成樹脂、天然樹脂等の有機基材や、金属、セラミックス、ガラス、石、セメント、コンクリート等の無機基材や、それらの組み合わせ等を挙げることができる。
本発明の有機・無機複合体の防汚技術分野への応用例としては、例えば建材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、構造部材、住宅等建築設備、特に便器、浴槽、洗面台、照明器具、照明カバー、台所用品、食器、食器洗浄器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフード、換気扇等が挙げられる。本発明の有機・無機複合体又は機能性複合体は、また、乗物の外装及び塗装、用途によってはその内装にも使用でき、車両用照明灯のカバー、窓ガラス、計器、表示盤等透明性が要求される部材での使用に効果があり、また、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、表示機器、そのカバー、交通標識、各種表示装置、広告塔等の表示物、道路用、鉄道用等の遮音壁、橋梁、ガードレールの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー等外部で使用される電子、電気機器の外装部、特に透明部材、ビニールハウス、温室等の外装、特に透明部材、また、室内にあっても汚染のおそれのある環境、たとえば医療用や体育用の施設、装置等にも用いることができる。
以下の実施例、参考例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例、参考例及び比較例中において、各種の物性は下記の方法で測定した。
1.数平均粒子径
試料中の固形分含有量が1〜20質量%となるよう適宜溶媒を加えて希釈し、湿式粒度分析計(日本国日機装製マイクロトラックUPA−9230)を用いて測定した。
実施例1〜5
(1)重合体エマルジョン粒子(B)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1500g、ドデシルベンゼンスルホン酸5gを投入した後、撹拌下で温度を80℃に加温した。これに、ジメチルジメトキシシラン175g、フェニルトリメトキシシラン127gの混合液を反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下し、その後、反応容器中の温度が80℃の状態で約1時間撹拌を続行した。次にアクリル酸ブチル86g、メチルトリメトキシシラン133g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gの混合液とジエチルアクリルアミド137g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、イオン交換水1900gの混合液を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。さらに反応容器中の温度が80℃の状態で約2時間撹拌を続行した後、室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過した後、イオン交換水で固形分を10.0質量%に調整し、数平均粒子径110nmの重合体エマルジョン粒子水分散体(B)を得た。
(2)有機・無機複合組成物の調製
参考例で合成した重合体エマルジョン粒子(B)水分散体100gに、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20%)100gを混合、攪拌し、さらにメチレンブルー3水和物の0.1質量%水溶液を2g加えるにより水系有機・無機複合組成物を得た。
(3)有機・無機複合体(皮膜)の形成
この水系有機・無機複合組成物をスレート板上に膜厚1μになるようにスプレー塗装し、屋外(神奈川県川崎市、南面45°)に曝露して色調の変化を目視で確認した。その結果、2日後には完全に失色して基材と区別が付かなかった。
色素のみを変更して実施した結果を合わせて以下の表にまとめる。
Figure 2009235326
金属を含有していない色素が失色日数が短く良好であるが、なかでも低分子量の色素が良好である。
本発明によって提供される、高いレベルでの耐候性、耐汚染性、透明性を発現する有機・無機複合体は、建築外装、外装表示用途、自動車、ディスプレイ、レンズ等のコーティング剤として有用である。

Claims (13)

  1. 粒子径が100nm以下のコロイダルシリカ(A)と、
    水及び乳化剤の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合して得られる粒子径が10〜800nmである重合体エマルジョン粒子(B)と、
    色素(C)と
    を含む水系有機・無機複合組成物から形成された皮膜を含む有機・無機複合体であって、該色素(C)が太陽光により失色し、透明となることを特徴とする上記有機・無機複合体。
  2. 前記重合体エマルジョン粒子(B)を得るのに用いる2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の使用量が、得られる重合体エマルジョン粒子(B)に対する質量比[(b2)/(B)]として、0.1以上0.5以下である、請求項1に記載の有機・無機複合体。
  3. 前記重合体エマルジョン粒子(B)を得るのに用いる2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の、前記コロイダルシリカ(A)に対する質量比(b2)/(A)が、0.1以上1.0以下である、請求項2に記載の有機・無機複合体。
  4. 前記重合体エマルジョン粒子(B)が、2層以上の層から形成されるコア/シェル構造である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機・無機複合体。
  5. 前記重合体エマルジョン粒子(B)がコア/シェル構造であり、その最内層の、加水分解性珪素化合物(b1)に対する2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の質量比(b2)/(b1)が1.0以下であり、かつ最外層の質量比(b2)/(b1)が0.1以上5.0以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機・無機複合体。
  6. 前記重合体エマルジョン粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下に、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)及び/又はこれと共重合可能な他のビニル単量体(b3)及び/又は加水分解性珪素化合物(b1)を重合して得られるシード粒子の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)とを、重合して得られる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機・無機複合体。
  7. 前記重合体エマルジョン粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)を重合して得られるシード粒子の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)とを、重合して得られる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機・無機複合体。
  8. 前記加水分解性珪素化合物(b1)が、ビニル重合性基を有する加水分解性珪素化合物を少なくとも1種含み、その使用量が重合体エマルジョン粒子(B)100質量部に対して、0.01以上20質量部以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機・無機複合体。
  9. 前記加水分解性珪素化合物(b1)が、ビニル重合性基を有する加水分解性珪素化合物を少なくとも1種含み、その使用量が前記2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)100質量部に対して0.1以上100質量部以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の有機・無機複合体。
  10. 重合体エマルジョン粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)及び3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合して得られ、粒子径が10〜800nmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の有機・無機複合体。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機・無機複合体の塗装方法であって、該有機・無機複合体の皮膜を形成した直後からの色相の変化を目視で確認することにより塗装のむらを判断し均一な有機・無機複合体の塗膜を得ることを含む上記方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機・無機複合体を含むことを特徴とする建築外装部材。
  13. 請求項12に記載の建築外装部材を用いてなる戸建て住宅。
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