JP6210478B2 - 水系組成物、水系塗料、塗膜、及び塗装製品 - Google Patents

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Description

本発明は、水系組成物、水系塗料、塗膜、及び塗装製品に関する。
近年、水系塗料を用いることで、環境や人体への影響を抑えつつ、20〜30年という長期間に亘り家屋の維持や建材の保護を図ろうとする試みがなされている。このような水系塗料を用いることにより、従来に比して長期間に亘り家屋の維持や建材の保護が達成されるならば、手間やコストの大幅な低減化につながり、経済的なメリットは大きい。しかし、塗膜自体は長期間屋外で曝露されることになるため、埃、煤煙、砂等が塗膜に付着する汚染等の問題がより顕著になっている。
このような塗膜に関する技術として、例えば、特許文献1には、有機質樹脂及びシリカを固形分重量比率100:50〜100:500で含むものであり、被覆層に含まれるシリカは、平均1次粒子径1〜200nmのシリカゾルに由来する凝集体であり、被覆層の塗布量は固形分で0.1〜50g/m2である塗膜積層体が開示されている。
特開2007−118567号公報
しかしながら、特許文献1に記載の塗料は、垂直面に塗装する建築物の外装等において塗膜形成時に液だれを起こし、さらには、液だれによる塗料の溜り部は塗膜の膜厚が厚くなるため割れが生じる。この割れた部分には、埃、煤煙、砂等が付着することで汚染が生じる。
そこで、本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、長期に亘って、外観や耐汚染性を高いレベルで維持できる塗膜が形成可能な水系組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、重合体粒子(A)と、無機酸化物粒子(B)と、セルロース系増粘剤(C)と、を含有する水系組成物を用いることで上記課題の解決が図られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
重合体粒子(A)と、無機酸化物粒子(B)と、セルロース系増粘剤(C)と、を含有する水系組成物。
〔2〕
前記(A)成分として、水及び乳化剤の存在下で、ビニル単量体と加水分解性珪素化合物とを重合させて得られる重合体粒子を含有する、〔1〕に記載の水系組成物。
〔3〕
前記(B)成分が、二酸化珪素である、〔1〕又は〔2〕に記載の水系組成物。
〔4〕
前記(B)成分として、数平均粒子径が25〜100nmである粒子と、数平均粒子径が4〜8nmである粒子とを含有する、〔3〕に記載の水系組成物。
〔5〕
光触媒活性を有する無機酸化物粒子(D)を、更に含有する、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の水系組成物。
〔6〕
退色性色素(E)を、更に含有する、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の水系組成物。
〔7〕
フルオロカーボン界面活性剤(F)を、更に含有する、〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の水系組成物。
〔8〕
飽和炭化水素アルコール(G)を、更に含有する、〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の水系組成物。
〔9〕
〔1〕〜〔8〕のいずれか一項記載の水系組成物を含有する、水系塗料。
〔10〕
〔9〕に記載の水系塗料から得られる、塗膜。
〔11〕
基材と、
前記基材の表面の少なくとも一部に形成された、〔10〕に記載の塗膜と、
を含有する塗装製品。
〔12〕
前記基材が、有機基材である、〔11〕に記載の塗装製品。
本発明によれば、長期に亘って、外観や耐汚染性を高いレベルで維持できる塗膜が形成可能な水系組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について、説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態の水系組成物は、重合体粒子(A)と、無機酸化物粒子(B)と、セルロース系増粘剤(C)と、を含有する水系組成物である。この水系組成物から得られる塗膜は、長期に亘って、外観や耐汚染性を高いレベルで維持することができる。
<重合体粒子(A)>
重合体粒子(A)としては、乳化重合等の方法で得られた重合体粒子を用いることができる。具体的には、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合のいずれかの重合反応を水性媒体中で行うことにより得られる重合体粒子等が挙げられる。
(A)成分としては、特に限定されず、例えば、ポリ(メタ)アクリレート系重合体、ポリビニルアセテート系重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル系重合体、エチレン酢酸ビニル系重合体、シリコーン系重合体、フッ素系重合体、ポリブタジエン系重合体、スチレンブタジエン系重合体、NBR系重合体、ポリ塩化ビニル系重合体、塩素化ポリプロピレン系重合体、ポリエチレン系重合体、ポリスチレン系重合体、塩化ビニリデン系重合体、ポリスチレン−(メタ)アクリレート系重合体、スチレン−無水マレイン酸系重合体等に代表される単独重合体又は共重合体;シリコーン変性(メタ)アクリル系重合体、フッ素−(メタ)アクリル系重合体、(メタ)アクリル−シリコン系重合体、エポキシ−(メタ)アクリル系重合体等に代表される変性共重合体が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味する。
上記した単独重合体、共重合体、変性共重合体等(以下、これらを「重合体」と総称する場合がある。)は、水分散体の状態にあることが好ましい。これら重合体の好適な態様としてはエマルジョンが挙げられ、その具体例としては、例えば、アクリルエマルジョン、アクリルシリコンエマルジョン等が挙げられる。これらは、例えば、(メタ)アクリル酸エステル等の単量体や後述する加水分解性珪素化合物等の乳化重合により得ることができる。
(A)成分は、後述する無機酸化物粒子(B)と相互作用することが可能な官能基を含有することが好ましい。ここでいう相互作用とは、化学的な相互作用であればよく、例えば、水素結合、共有結合、イオン結合、ファンデルワールス力が挙げられる。水素結合としては、例えば、金属酸化物粒子等が有する水酸基と重合体粒子が有する官能基(例えば、水酸基、アミノ基、アミド基等)との間の水素結合が挙げられる。共有結合としては、例えば、金属酸化物粒子等が有する水酸基と重合体粒子が有する水酸基との間での縮合反応(脱水縮合反応)により生じる共有結合が挙げられる。イオン結合としては、例えば、金属酸化物粒子等が有する水酸基と重合体粒子中のカチオン性基(例えば、アミノ基、イミノ基等)との間のイオン結合が挙げられる。
無機酸化物粒子(B)と相互作用することが可能な官能基としては、特に限定されず、例えば、アミド基、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、シラノール基、チオール基、アミノ基、イミノ基、ウレイド基等が挙げられる。これらの官能基は、1種のみ含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
本実施形態の水系組成物は、(A)成分以外にも、上記ポリマーに含まれる官能基と反応する官能基を有する化合物を更に含んでもよい。このような化合物としては、特に限定されず、例えば、(ポリ)イソシアネート化合物、(ポリ)エポキシ化合物、アミノ化合物、(ポリ)カルボキシ化合物、(ポリ)ヒドロキシ化合物、グリコール化合物、シラノール化合物、シリル化合物、アルコキシ化合物、(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(A)成分は、水及び乳化剤の存在下で、ビニル単量体及び加水分解性珪素化合物を重合させて得られる重合体粒子であることが好ましい。
(A)成分の数平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは10〜300nmであり、より好ましくは10〜200nmであり、更に好ましくは50〜200nmであり、より更に好ましくは50〜180nmである。数平均粒子径が上記範囲である(A)成分を用いることで、得られる塗膜の耐候性が一層向上する。さらに、数平均粒子径が10nm以上であることで、塗膜の耐汚染性が一層向上し、数平均粒子径が300nm以下であることで、塗膜の透明性が一層向上する。
(A)成分の製造に用いることができるビニル単量体の具体例としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、カルボキシル基含有ビニル化合物、水酸基含有ビニル化合物、グリシジル基含有ビニル化合物、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル化合物、アニオン型ビニル化合物等の官能基を含有するビニル単量体等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、炭素数1〜50のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、炭素数1〜100のエチレンオキシド基を有する(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの具体例としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。
(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートの具体例としては、特に限定されず、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物の具体例としては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
シアン化ビニル化合物の具体例としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル等が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニル化合物の具体例としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、又はイタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の2塩基酸のハーフエステルが挙げられる。カルボキシル基を含有するビニル単量体を用いることによって、(A)成分にカルボキシル基を導入することができる。これにより、エマルジョンとしての安定性を一層向上させ、外部からの分散破壊作用に対する高い抵抗力を塗膜に付与できるものと推測される(但し、本実施形態の作用はこれらに限定されない。)。導入するカルボキシル基は、その一部又は全部を、アンモニアやトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン類やNaOH、KOH等の塩基で中和することもできる。上記したビニル単量体の総量におけるカルボキシル基含有ビニル単量体の使用量は、耐水性の観点から、好ましくは0〜50質量%であるが、これに限定されるものではない。
水酸基含有ビニル化合物の具体例としては、特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチルモノブチルフマレート、アリルアルコールやエチレンオキシド基の数が1〜100である(ポリ)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレート;プロピレンオキシド基の数が1〜100である(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、さらには、「プラクセルFM、FAモノマー」(ダイセル化学社製のカプロラクトン付加モノマーの商品名)や、その他のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類が挙げられる。
(ポリ)オキシエチレン(メタ)アクリレートの具体例としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アクリレートの具体例としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール等が挙げられる。
上記したビニル単量体の総量における水酸基含有ビニル単量体の割合は、特に限定されないが、塗膜の耐水性の観点から、好ましくは0〜80質量%であり、より好ましくは0.1〜50質量%である。
グリシジル基含有ビニル化合物の具体例としては、特に限定されず、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルジメチルグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記したビニル単量体の中でも、グリシジル基含有ビニル単量体を使用すると(A)成分の反応性が一層向上する。そのため、ヒドラジン誘導体、カルボン酸誘導体、イソシアネート誘導体等を用いて架橋させることで、耐溶剤性等が一層優れた塗膜を得ることができる。かかる観点から、上記したビニル単量体の総量における、グリシジル基含有ビニル単量体の使用量の総量は、好ましくは0〜50質量%である。
2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体の具体例としては、特に限定されず、例えば、N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド、N−アルキレン置換(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
N−アルキル置換(メタ)アクリルアミドの具体例としては、特に限定されず、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記以外のビニル単量体の具体例としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリルアミド、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類;ブタジエン等のジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデンフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン等のハロオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、安息香酸ビニル、p−tert−ブチル安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニル等のカルボン酸イソプロペニルエステル類;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;酢酸アリル、安息香酸アリル等のアリルエステル類;アリルエチルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類;4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、パーフルオロメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルメチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリル等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態において(A)成分を重合反応によって製造する場合、使用するビニル単量体の重合生成物の分子量を制御する目的で、連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤の具体例としては、特に限定されず、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタン等の芳香族メルカプタン類;チオリンゴ酸等のチオカルボン酸又はこれらの塩若しくはこれらのアルキルエステル類;ポリチオール類;ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジ(メチレントリメチロールプロパン)キサントゲンジスルフィド等のジスルフィド類;チオグリコール、α−メチルスチレンのダイマー等のアリル化合物等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記したビニル単量体の総量に対する連鎖移動剤の使用量は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜30質量%であり、より好ましくは0.05〜10質量%である。
本実施形態の重合体粒子(A)を製造するのに用いる加水分解性珪素化合物としては、特に限定されないが、好ましくは下記式(1)で表される化合物、シランカップリング剤及びこれらの縮合物が挙げられる。

SiWxy ・・・(1)
式中、Wは、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数であり、x+y=4の関係を満たす。Wが複数の場合、Rが複数の場合、それぞれのW及びRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(1)で表される化合物としては、特に限定されず、例えば、式(1)で表される珪素アルコキシド等が挙げられる。珪素アルコキシドとしては、加水分解速度の観点から、4官能の珪素アルコキシドが好ましい。
シランカップリング剤としては、加水分解性基(例えば、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種等)と、他の化合物との反応性を有する官能基(例えば、ビニル重合性基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、チオール基、イソシアネート基等)を有する加水分解性珪素化合物(シランカップリング剤)等が挙げられる。このようなシランカップリング剤を用いることで、加水分解性珪素化合物とビニル単量体の重縮合物等同士を化学的に結合させることができる。これにより、相溶性が一層向上し、塗膜の透明性が一層向上する。
上記の中でも、ビニル重合性基及び/又はチオール基を少なくとも有するシランカップリング剤が好ましく、ビニル重合性基を少なくとも有するシランカップリング剤がより好ましい。ビニル重合性基やチオール基は上記したビニル単量体との反応性が高いため、ビニル単量体との共重合反応や連鎖移動反応によって化学結合を効率的に形成できる。そのため、ビニル重合性基やチオール基を有するシランカップリング剤を用いることで、(A)成分を構成する他の成分(例えば、ビニル単量体等)と効率よく複合化することができる。このような、加水分解性珪素化合物(或いはその重合生成物)及び/又はビニル単量体(或いはその重合生成物)等が化学結合により複合化された(A)成分を用いることで、耐候性や強度等が一層向上した塗膜を得ることができる(但し、本実施形態の作用はこれらに限定されない。)。
ビニル重合性基を有するシランカップリング剤の好適な具体例としては、例えば、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル等が挙げられる。
チオール基を有するシランカップリング剤の好適な具体例としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
式(1)で表される加水分解性珪素化合物及びシランカップリング剤の具体例としては、特に限定されず、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン類;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン類等が挙げられる。これらの中でも、テトラアルコキシシラン類、トリアルコキシシラン類、ジアルコキシシラン類が好ましく、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランがより好ましく、加水分解速度が高いという観点から、4官能の珪素アルコキシドであるテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが更に好ましい。
式(1)で表される化合物やシランカップリング剤の縮合物として使用される場合、そのポリスチレン換算の重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは200〜5000であり、より好ましくは300〜1000である。重量平均分子量が上記範囲である縮合物を用いることで、重合安定性が一層向上する。
これらの式(1)で表される珪素アルコキシドやシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。その中でも、水系組成物や得られる塗膜の性能向上の観点から、式(1)で表される珪素アルコキシドとシランカップリング剤とを併用することが好ましく、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン及びジメチルジメトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種と、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシランとを併用することがより好ましい。
(A)成分100質量部におけるビニル重合性基及び/又はチオール基を少なくとも有するシランカップリング剤の使用量の総量は、重合安定性の観点から、好ましくは0.01〜20質量部であり、より好ましくは0.1〜10質量部である。
本実施形態においては、加水分解性珪素化合物として、上記したものに加えて、環状シロキサンオリゴマーを併用することができる。環状シロキサンオリゴマーの併用により、柔軟性等が一層優れた塗膜を得ることができる。
環状シロキサンオリゴマーとしては、特に限定されず、例えば、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。

(R’2SiO)m ・・・(2)

式中、R’は、それぞれ独立して、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、及びハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。mは2以上20以下の整数である。
環状シロキサンオリゴマーの中でも、反応性等の観点から、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状ジメチルシロキサンオリゴマーが好ましい。
(A)成分を製造する際には、加水分解性珪素化合物とともに、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、それらの縮合生成物又はキレート化物を併用することもできる。これらの化合物の併用により、耐水性等が一層優れた塗膜を得ることができる。
チタンアルコキシドの具体例としては、特に限定されず、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン等が挙げられる。
チタンアルコキシドの縮合物を用いる場合、そのポリスチレン換算の重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは200〜5000であり、より好ましくは300〜1000である。
ジルコニウムアルコキシドの具体例としては、特に限定されず、例えば、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−i−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−tert−ブトキシジルコニウムが挙げられる。
ジルコニウムアルコキシドが縮合物として使用されるとき、縮合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは200〜5000であり、より好ましくは300〜1000である。
ビニル単量体に対する加水分解性珪素化合物の質量比は、好ましくは0.5/99.5〜99.5/0.5であり、より好ましくは0.5/99.5〜15/85である。
(A)成分を製造する際に、金属化合物の遊離金属イオンに配位してキレート化物を形成するキレート化剤を併用することもできる。好ましいキレート化剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;アセチルアセトン;アセト酢酸エチル等が挙げられる。キレート剤の分子量は、特に限定されないが、好ましくは1万以下である。これらのキレート化剤を用いることにより、加水分解性珪素化合物等の重合速度を制御することができ、水及び乳化剤の存在下における重合安定性が一層向上する。キレート化剤の配合量は、特に限定されないが、配位させる遊離金属イオン1モル当たり、0.1モル〜2モルの割合であることが好ましい。
(A)成分の製造に用いることができる乳化剤としては、特に限定されず、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤、酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤;ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤等が挙げられる。
これらの乳化剤の中でも、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤(反応性乳化剤)が好ましい。このような反応性乳化剤を用いることで、重合体粒子の水分散安定性が非常に良好になるとともに、得られる塗膜の耐水性も一層向上する。
ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤としては、特に限定されず、例えば、スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体、硫酸エステル基を有するビニル単量体、これらのアルカリ金属塩及びアンモニウム塩、ポリオキシエチレン等に代表されるノニオン基を有するビニル単量体、4級アンモニウム塩を有するビニル単量体等が挙げられる。
スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体の塩としては、特に限定されず、例えば、(i)ラジカル重合性の二重結合を有し、かつスルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、ポリアルキルエーテル基、炭素数6〜10のアリール基、及びコハク酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する化合物、(ii)スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基が結合している、ビニル基を有するビニルスルホネート化合物、(iii)ラジカル重合性の二重結合を有し、かつスルホネート基より一部が置換された、アリール基を有する化合物等が挙げられる。
硫酸エステル基を有するビニル単量体としては、特に限定されず、例えば、ラジカル重合性の二重結合を有し、かつ硫酸エステル基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、ポリアルキルエーテル基、及び炭素数6〜10のアリール基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する化合物等が挙げられる。
スルホン酸基を有するビニル単量体の化合物(i)のうち、スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換されたコハク酸基を有する化合物の具体例としては、特に限定されず、例えば、アリルスルホコハク酸塩等が挙げられる。これらは市販品を用いることもできる。これらの市販品としては、例えば、「エレミノールJS−2」(三洋化成社製)、「ラテムルS−120」、「ラムテルS−180A」、「ラムテルS−180」(花王社製)等が挙げられる。
スルホン酸基を有するビニル単量体の化合物(i)のうち、スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数2〜4のアルキルエーテル基又はポリアルキルエーテル基を有する化合物としては、市販品を用いることもできる。これらの市販品としては、例えば、「アクアロンHS−10」、「アクアロンKH−1025」(第一工業製薬社製)、「アデカリアソープSE−1025N」、「アデカリアソープSR−1025」(旭電化工業社製)等が挙げられる。
スルホン酸基を有するビニル単量体の化合物(i)の具体例としては、特に限定されず、例えば、p−スチレンスルホン酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩等が挙げられる。
スルホネート基を有するビニル単量体の化合物(ii)の具体例としては、特に限定されず、例えば、2−スルホエチルアクリレートに代表されるアルキルスルホン酸(メタ)アクリレート、メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、アリルスルホン酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩等が挙げられる。
硫酸エステル基を有するビニル単量体である、ラジカル重合性の二重結合を有し、かつ硫酸エステル基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩により一部が置換された、炭素数2〜4のアルキルエーテル基又はポリアルキルエーテル基を有する化合物の具体例としては、特に限定されず、例えば、スルホネート基により一部が置換されたアルキルエーテル基を有する化合物が挙げられる。
ノニオン基を有するビニル単量体としては、特に限定されず、例えば、α−〔1−〔(アリルオキシ)メチル〕−2−(ノニルフェノキシ)エチル〕−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン(例えば、市販品として、「アデカリアソープNE−20」、「アデカリアソープNE−30」、「アデカリアソープNE−40」等、いずれも旭電化工業社製)、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル(例えば、市販品として、「アクアロンRN−10」、「アクアロンRN−20」、「アクアロンRN−30」、「アクアロンRN−50」等、いずれも第一製薬工業社製)等が挙げられる。
乳化剤の使用量は、重合体粒子(A)の原料である加水分解性珪素化合物とビニル単量体の総量100質量部に対して、好ましくは10質量部以下であり、より好ましくは0.001〜5質量部である。乳化剤の使用量を上記範囲とすることで、重合安定性が一層向上し、塗膜の耐水性が一層良好となる。
ビニル単量体及び加水分解性珪素化合物の重合は、重合触媒存在下で実施するのが好ましい。
ビニル単量体の重合触媒としては、特に限定されないが、熱又は還元性物質等によって自身がラジカル分解することで、ビニル単量体の付加重合を起こさせるラジカル重合触媒が好ましい。このようなラジカル重合触媒としては、特に限定されず、例えば、過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が挙げられる。これらは水溶性であってもよいし、油溶性であってもよい。
ラジカル重合触媒の具体例としては、特に限定されず、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、tert−ブチルヒドロパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
ラジカル重合触媒の配合量は、特に限定されないが、ビニル単量体の総量100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部である。なお、重合速度の促進や低温(例えば、70℃以下等)での効率的な重合を望む場合、例えば、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合触媒と併用することが好ましい。
加水分解性珪素化合物の重合触媒としては、特に限定されず、例えば、塩酸、フッ酸等のハロゲン化水素類;酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸等のカルボン酸類;硫酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類;アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤類;酸性又は弱酸性の無機塩;フタル酸、リン酸、硝酸等の酸性化合物類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン等の塩基性化合物類;ジブチル錫オクチレート、ジブチル錫ジラウレート等の錫化合物が挙げられる。
これらの中で、加水分解性珪素化合物の重合触媒としては、重合触媒のみならず乳化剤としての機能も有する観点から、酸性乳化剤類が好ましい。酸性乳化剤類としては、炭素数5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸等)がより好ましい。
ビニル単量体及び加水分解性珪素化合物の重合は、別々に実施することも可能であるが、同時に実施することにより複合化が効率よく達成できるので好ましい。
(A)成分の数平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは10〜300nmである。(A)成分の数平均粒子径を上記範囲とすることで、得られる塗膜の耐候性や耐汚染性が一層向上する。さらに、(A)成分の数平均粒子径は、より好ましくは10〜200nmであり、更に好ましくは50〜200nmである。(A)成分の数平均粒子径を上記範囲とすることで、得られる塗膜の透明性も一層向上する。なお、ここでいう数平均粒子径は、湿式粒度分析計を用いて測定することができる。
このような粒子径の(A)成分を得る好適な方法としては、例えば、乳化剤がミセルを形成するのに十分な量の水の存在下で、ビニル単量体及び加水分解性珪素化合物を重合させる、いわゆる乳化重合が挙げられる。乳化重合の具体的な方法としては、特に限定されず、例えば、ビニル単量体及び加水分解性珪素化合物は、そのまま又は乳化した状態で、一括若しくは分割で、又は連続的に反応容器中に滴下し、重合触媒の存在下、好ましくは大気圧〜10MPaの圧力下で、約30〜150℃の反応温度で重合する方法等が挙げられる。反応温度及び反応圧力は、反応条件等によっては上記した条件でなくてもよい。乳化重合によって得られる乳化物中の固形分量は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜70質量%であり、より好ましくは1〜55質量%であり、更に好ましくは5〜30質量%である。
乳化重合の際に粒子径をより制御したい場合は、予め水相中にエマルジョン粒子を存在させて重合させるシード重合法を採用してもよい。この場合の重合系のpHは、特に限定されないが、好ましくは1.0〜10.0であり、より好ましくは1.0〜6.0である。このpHは、燐酸二ナトリウム、四硼酸ナトリウム(ボラックス等)、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等のpH緩衝剤を用いて調節することができる。
(A)成分を製造する方法として、水及び乳化剤の存在下に、加水分解性珪素化合物及びビニル単量体を、必要により溶媒存在下で重合した後、重合生成物がエマルジョンとなるまで水を更に添加する手法も採用できる。但し、得られた(A)成分の粒子径制御が容易であるといった観点等から、乳化重合が好ましい。
(A)成分は、コアと、1層又は2層以上のシェル層とを有する、コア/シェル構造を有することが好ましい。コア/シェル構造を有することで、得られる塗膜の機械的物性(強度と柔軟性のバランス等)が一層向上するため好ましい。(A)成分のコア/シェル構造の確認は、例えば、透過型電子顕微鏡等による形態観察や粘弾性測定による解析等により行うことができる。
コア/シェル構造を有する(A)成分を製造する方法としては、特に限定されるものではないが、好適例としては、多段乳化重合が挙げられる。ここでいう多段乳化重合とは、ビニル単量体や加水分解性珪素化合物を含有する組成の異なる2種類以上の反応溶液を調製し、これらを別々の段階に分けて重合させるものである。多段乳化重合の一例として、2段乳化重合によってコア/シェル構造を有する(A)成分を合成する方法を中心に説明する。2段乳化重合の一例としては、例えば、水及び乳化剤の存在下で、ビニル単量体及び/又は加水分解性珪素化合物を重合させてシード粒子を得る工程(第1段)と、得られたシード粒子の存在下で、加水分解性珪素化合物とビニル単量体とをそれぞれ重合する工程(第2段)とを有する方法等が挙げられる。
2段乳化重合による(A)成分の製造は、第1系列(ビニル単量体及び/又は加水分解性珪素化合物)を供給して乳化重合する第1段の重合と、第1段に引き続き、第2系列(ビニル単量体及び/又は加水分解性珪素化合物)を供給し、水性媒体中において更に乳化重合する第2段の重合とからなる2段階の重合工程により行われる。この際、第2系列中の固形分量(M2)に対する第1系列中の固形分量(M1)の質量比((M1)/(M2))は、特に限定されないが、好ましくは9/1〜1/9であり、より好ましくは8/2〜2/8である。
このような多段乳化重合を行うことで、粒子径がより均一な重合体粒子を得ることができる。多段乳化重合における原料の添加方法としては、第1段の重合においてシード粒子(コア)を作製し、その後に他の単量体等を追添加する方法等が好ましい。これにより、第1段の重合で得られるシード粒子(コア)の体積平均粒子径/数平均粒子径の比率が変動することなく、第2段の重合で得られる重合体粒子の粒子径を大きくすることも可能となる。
3段以上の多段乳化重合を実施する場合、2段重合と同様にして、重合の段数を増加させればよい。
水系組成物中の(A)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.20〜
3.00質量%であり、より好ましくは0.60〜2.50質量%である。水系組成物中の(A)成分の含有量を上記範囲とすることで、耐候性や耐汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
水系組成物から得られる塗膜中の(A)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは10.0〜80.0質量%であり、より好ましくは30.0〜70.0質量%である。塗膜中の(A)成分の含有量を上記下限値以上とすることで、塗膜の耐候性が一層向上し、上記上限値以下とすることで、塗膜の耐汚染性が一層向上する。
<無機酸化物粒子(B)>
無機酸化物粒子(B)は、光触媒活性を有しない無機酸化物の粒子である。ここでいう光触媒活性を有しないとは、光照射によって、酸化反応及び還元反応のいずれもが起こらないことをいう。
(B)成分としては、特に限定されず、例えば、二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム及びそれらの複合酸化物等が挙げられる。これらの中でも、表面水酸基が多いという観点から、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、及びこれらの複合酸化物が好ましく、二酸化珪素がより好ましい。
(B)成分として用いられる無機酸化物粒子は、水和物等のコロイド粒子として存在していることが好ましい。すなわち、無機酸化物コロイド粒子であることにより、(A)成分や(C)成分といった他の成分との更なる複合化も可能となり、水系組成物としての安定性が一層向上する。
二酸化珪素は、コロイダルシリカであることが好ましい。コロイダルシリカとしては、二酸化珪素を基本単位とするシリカの水又は水溶性溶媒の分散体であるコロイダルシリカ等が挙げられる。
コロイダルシリカの製造方法は、特に限定されず、例えば、ゾル−ゲル法で調製することもできる。ゾル−ゲル法で調製する場合には、Werner Stober et al.; Journal of Colloid And Interface Science, vol. 26, pp. 62-69 (1968)や、Rickey D. Badley et al.; Lang muir 6, 792-801 (1990)や、「色材協会誌」、61[9]488−493(1988)等を参照することができる。
(B)成分の数平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは1〜400nmであり、より好ましくは1〜100nmである。(B)成分の数平均粒子径を1nm以上とすることで、水系組成物の貯蔵安定性が一層向上する。(B)成分の数平均粒子径を400nm以下とすることで、得られる塗膜の透明性が一層向上する。なお、数平均粒子径は、湿式粒度分析計を用いて測定することができる。
(B)成分として、数平均粒子径が25〜100nmである粒子と、数平均粒子径が4〜8nmである粒子とを含有することが好ましい。数平均粒子径が25〜100nmである粒子(第1の粒子)と、数平均粒子径が4〜8nmである粒子(第2の粒子)とを併用することで、耐候性が一層優れる塗膜を得ることができる。第2の粒子に対する第1の粒子の質量比(第1の粒子/第2の粒子)は、特に限定されないが、好ましくは1/9〜9/1であり、より好ましくは2/8〜8/2である。第1の粒子と第2の粒子の質量比を上記範囲とすることで、耐候性と耐汚染性のバランスが一層向上する。なお、第2の粒子に対する第1の粒子の質量比(第1の粒子/第2の粒子)は、塗膜の断面を透過電子顕微鏡(TEM)にて拡大観察し、それぞれの粒子径を測定することで求めることができる。
コロイダルシリカは、水性分散液の状態で、酸性、塩基性のいずれでもよい。
水を分散媒体とする酸性のコロイダルシリカとしては、市販品を用いることもできる。このような市販品としては、例えば、日産化学工業社製の「スノーテックス(商標)−OXS」、「スノーテックス−OS」、「スノーテックス−O」、「スノーテックス−O−40」、「スノーテックス−OL」及び「スノーテックス−OYL」、旭電化工業社製の「アデライト(商標)AT−20Q」、クラリアントジャパン社製の「クレボゾール(商標)20H12」及び「クレボゾール30CAL25」等が挙げられる。
塩基性のコロイダルシリカとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミン等の添加により安定化されたコロイダルシリカが挙げられる。これらは市販品を用いることもできる。このような市販品としては、例えば、日産化学工業社製の「スノーテックス−XS」、「スノーテックス−S」、「スノーテックス−30」、「スノーテックス−50」、「スノーテックス−20L」、「スノーテックス−XL」、「スノーテックス−YL」、「スノーテックス−ZL」、「スノーテックス−NXS」、「スノーテックス−NS」、「スノーテックス−N」、「スノーテックス−N40」、「スノーテックス−CXS」、「スノーテックス−C」、「スノーテックス−CM」、「スノーテックス−PS−S」及び「スノーテックスPS−M」;旭電化工業社製の「アデライトAT−20」、「アデライトAT−30」、「アデライトAT−20N」、「アデライトAT−30N」、「アデライトAT−20A」、「アデライトAT−30A」、「アデライトAT−40」及び「アデライトAT−50」;クラリアントジャパン社製の「クレボゾール30R9」、「クレボゾール30R50」、「クレボゾール50R50」、デュポン社製の「ルドックス(商標)HS−40」、「ルドックスHS−30」、「ルドックスLS」、及び「ルドックスSM−30」等が挙げられる。
水溶性溶媒を分散媒体とするコロイダルシリカとしては、市販品を用いることもできる。このような市販品としては、例えば、日産化学工業社製の「MA−ST−M(粒子径20〜25nmのメタノール分散タイプ)」、「IPAST(粒子径10〜15nmのイソプロピルアルコール分散タイプ)」、「EG−ST(粒子径10〜15nmのエチレングリコール分散タイプ)」、「EG−ST−ZL(粒子径70〜100nmのエチレングリコール分散タイプ)」、「NPC−ST(粒子径10〜15nmのエチレングリコールモノプロピルエーテール分散タイプ)」等が挙げられる。
上記したコロイダルシリカは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。さらに、少量成分として、アルミナやアルミン酸ナトリウム等を含んでいてもよい。また、コロイダルシリカは、安定剤として、無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等)や有機塩基(テトラメチルアンモニウム等)を含んでいてもよい。
水系組成物中の(B)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.10〜1.40質量%であり、より好ましくは0.20〜1.30質量%である。水系組成物中の(B)成分の含有量を上記範囲とすることで、耐候性や耐汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
水系組成物から得られる塗膜中の(B)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは5.0〜70.0質量%であり、より好ましくは10.0〜50.0質量%である。塗膜中の(B)成分の含有量を上記下限値以上とすることで、塗膜の耐汚染性が一層向上し、上記上限値以下とすることで、塗膜の耐候性が一層向上する。
<セルロース系増粘剤(C)>
セルロース系増粘剤(C)としては、特に限定されず、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びこれらの変性物からなる群より選ばれる1種が挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びこれらの変性物からなる群より選ばれる1種が好ましく、ヒドロキシエチルセルロース及びこの変性物がより好ましい。また、これらのセルロース系増粘剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
さらに、本実施形態の効果が得られる範囲内において、他の増粘剤も併用してもよい。他の増粘剤としては、特に限定されず、例えば、ポリアクリル酸塩系増粘剤、ポリアクリルアミド系増粘剤、アクリル酸アクリルアミド共重合物塩系増粘剤、セルロース系以外の多糖類系増粘剤、ビニルエーテル系増粘剤等が挙げられる。
ヒドロキシエチルセルロースとしては、市販品を用いることもできる。このような市販品としては、例えば、ダイセルファインケム社製の「HECダイセルSP200」、「HECダイセルSP400」、「HECダイセルSP500」、「HECダイセルSP550」、「HECダイセルSP600」、「HECダイセルSP800」、「HECダイセルSP850」及び「HECダイセルSP900」、三昌社製の「サンヘック(商標)HH」、「サンヘックH」、「サンヘックM」及び「サンヘックG&L」、住友精化社製の「HECSZ−25F」等が挙げられる。
ヒドロキシエチルセルロースの重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは70万〜200万であり、より好ましくは100万〜160万である。重量平均分子量が70万以上であることにより、水系組成物の液だれを一層抑制できる。重量平均分子量が200万以下であることにより、水系組成物から得られる塗膜の透明性が一層向上する。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、信越化学社製の「メトローズ90SH−04」、「メトローズ90SH−15」、「メトローズ90SH−100」、「メトローズ90SH−400」、「メトローズ90SH−4000」、「メトローズ90SH−15000」及び「メトローズ90SH−100000」、三昌社製の「NEOVISCO−MC HM4000S」、「NEOVISCO−MC RM4000S」、「NEOVISCO−MC RM15000S」、「NEOVISCO−MC RM30000S」及び「NEOVISCO−MC RM50000S」等が挙げられる。
水系組成物中の(C)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.04〜0.50質量%であり、より好ましくは0.08〜0.40質量%である。水系組成物中の(C)成分の含有量を上記範囲とすることにより、透明性と耐候性が一層優れた塗膜を得ることができる。
水系組成物から得られる塗膜中の(C)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは2.0〜15.0質量%であり、より好ましくは4.0〜9.0質量%である。塗膜中の(C)成分の含有量を上記下限値以上とすることで、塗膜の透明性が一層向上し、上記上限値以下とすることで、塗膜の耐候性が一層向上する。
<光触媒活性を有する無機酸化物粒子(D)>
本実施形態の水系組成物は、光触媒活性を有する無機酸化物(D)を更に含有することが好ましい。これにより、塗膜に光が照射されることで光触媒活性や親水性を発現させることができる。
無機酸化物粒子(D)としては、光触媒活性を有する無機酸化物粒子であればよく、その種類は特に限定されない。(D)成分の具体例としては、特に限定されず、例えば、TiO2、ZnO、SrTiO3、BaTiO3、BaTiO4、BaTi49、K2NbO3、Nb25、Fe23、Ta25、K3Ta3Si23、WO3、SnO2、Bi23、BiVO4、NiO、Cu2O、RuO2、CeO2;Ti、Nb、Ta、及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を有する層状酸化物(例えば、特開昭62−074452号公報、特開平02−172535号公報、特開平07−024329号公報、特開平08−089799号公報、特開平08−089800号公報、特開平08−089804号公報、特開平08−198061号公報、特開平09−248465号公報、特開平10−099694号公報、特開平10−244165号公報等)が挙げられる。
(D)成分としては、化学的安定性、毒性、環境面等の観点から、好ましくはTiO2(酸化チタン)である。酸化チタンとしては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のいずれの結晶構造であってもよい。
(D)成分は、光触媒活性を有する無機酸化物であって、粒子表面を修飾処理された金属化合物であることが好ましい。修飾処理することによりH22や・OH等の活性酸素種の発生量を抑制でき、下地塗膜の損傷を一層抑制することができる。修飾する物質としては、特に限定されず、例えば、シリカ、アルミ、銅酸化物、鉄酸化物等が挙げられる。これらの中でも、シリカが好ましい。なお、Fe、Cu、Al、Pt等の金属、塩化白金酸等の錯体で修飾しても同様の効果が得られる。
(D)成分の表面を修飾処理する方法について、シリカを一例にして説明する。シリカの表面を修飾処理する方法としては、特に限定されず、例えば、酸化チタンのスラリーに珪素化合物を添加し、中和処理等の工程を経て珪素の含水酸化物を析出させる方法等が挙げられる。
珪素化合物としては、特に限定されず、例えば、ケイ酸ナトリウム等の水溶性ケイ酸アルカリ金属塩を用いることができる。これらの中でも、無色であり、酸化チタンゾルが着色しないという観点から、ケイ酸ナトリウムが好ましい。
珪素の含水酸化物の処理量は、酸化チタンに対して酸化物基準で3〜25質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。処理量が上記下限値以上であることで、活性酸素種量の増加を抑えることができるので,下地塗膜の損傷を防ぐことができる。また、処理量が上記上限値以下であることで、酸化チタンの凝集を抑制し、ゾルの粘度上昇も抑制できるので、分散性や透明性が一層向上する。
水系組成物中の(D)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.06〜0.40質量%であり、より好ましくは0.20〜0.30質量%である。水系組成物中の(D)成分の含有量を上記範囲とすることで、耐汚染性や透明性が一層優れた塗膜を得ることができる。
水系組成物から得られる塗膜中の(D)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは3.0〜20.0質量%であり、より好ましくは10.0〜15.0質量%である。塗膜中の(D)成分の含有量を上記下限値以上とすることで、塗膜の耐汚染性が一層向上し、上記上限値以下とすることで、塗膜の透明性が一層向上する。
<退色性色素(E)>
本実施形態の水系組成物は、退色性色素(E)を更に含有することが好ましい。これにより、塗装忘れ、重複塗装、塗装むら等のトラブルを防ぐことができる。
(E)成分としては、太陽光の照射により失色し、下地の意匠性を損ねないものが好ましい。失色までの時間は季節や照射方角等により異なるが、通常、目視で失色が確認されるまでの期間としては、20日以内に目視で判別できなくなることが好ましく、好ましくは10日以下であり、より好ましくは3日以下である。
(E)成分としては、太陽光の照射で失色する性質を有するものであれば特に限定されるものではないが、好適例としては、メチレンブルー、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ブリリアントブルーFCF、エリスロシン、ニューコクシン、フロキシン、ローズベンガル、アシッドレッド、及びファーストグリーンFCFからなる群より選ばれる1種等が挙げられる。これらの中でも、発色性が良く、失色速度も早い観点から、メチレンブルーがより好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水系組成物中の(E)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.0002〜0.010質量%であり、より好ましくは0.001〜0.004質量%である。水系組成物中の(E)成分の含有量を上記範囲とすることで、塗膜の発色性や退色性が一層向上する。ここでいう発色性とは、塗装面と未塗装面が色の違いから目視で区別されまで発色する性質をいい、退色性とは、基材の意匠性を損ねない色の程度まで退色する性質をいう。
水系組成物から得られる塗膜中の(E)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.01〜0.5質量%であり、より好ましくは0.05〜0.2質量%であり、更に好ましくは0.1〜0.2質量%である。(E)成分の含有量を上記下限値以上とすることで、塗膜の発色性が一層向上し、上記上限値以下とすることで、塗膜の退色性が一層向上する。
<フルオロカーボン界面活性剤(F)>
本実施形態の水系組成物は、フルオロカーボン界面活性剤(F)を更に含有することが好ましい。これにより、本実施形態の水系組成物やこれを含む水系塗料を用いて塗装する際における、有機基材等への濡れ性が一層向上し、はじき等の外観上のトラブルも一層抑制することができる。さらには、塗膜の均一性も一層向上する。これらの理由としては定かではないが、(F)成分を含有することにより、水系組成物の表面著力を低下させることができるものと推測される(但し、本実施形態の作用はこれらに限定されない。)。
(F)成分としては、特に限定されず、例えば、非イオン性両性界面活性剤、陰イオン性両性界面活性剤、陽イオン性両性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは両性界面活性剤であり、より好ましくは炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基を有する両性界面活性剤である。
3〜20のパーフルオロアルキル基を有する両性界面活性剤の具体例としては、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等が挙げられる。これらの中でも、塗料の表面張力の低下効果の観点から、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物が好ましい。パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物としては、例えば、市販品を用いることもできる。このような市販品としては、例えば、DIC社製の「メガファックF−444」、AGCセイミケミカル社製の「サーフロンS−242」等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水系組成物中の(F)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.0001〜0.50質量%であり、より好ましくは0.01〜0.10質量%である。(F)成分の含有量を上記下限値以上とすることで、得られる塗膜の均一性が一層向上する。(F)成分の含有量を上記上限値以下とすることで、得られる塗膜の耐候性が一層向上する。
<飽和炭化水素アルコール(G)>
本実施形態の水系組成物は、飽和炭化水素アルコール(G)を更に含有することが好ましい。(G)成分を含有することにより、有機基材等への濡れ性が一層向上する傾向にある。さらには、水系組成物の低温での凍結を防ぐこともできる。
(G)成分としては、飽和炭化水素アルコールであれば特に限定されるものではないが、揮発性、臭気、基材等への濡れ性等の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール及びイソプロピルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの中でも、安全性の観点から、エチルアルコールがより好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水系組成物中の(G)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは5.0〜40.0質量%であり、より好ましくは10.0〜20.0質量%である。(G)成分の含有量を上記下限値以上とすることで、有機基材等への濡れ性が一層向上する。水系組成物中の(G)成分の含有量を上記上限値以下とすることで、安全性やコストが一層向上する。
水系組成物中の固形分の含有量(固形分量)は、特に限定されないが、塗膜の均一性の観点から、好ましくは0.5〜10.0質量%であり、より好ましくは1.0〜5.0質量%であり、更に好ましくは1.5〜5.0質量%である。水系組成物中の固形分量が上記下限値以上であることにより、水系組成物の液だれを一層抑制できる。水系組成物中の固形分量が上記上限値以下であることにより、透明性が一層向上する。ここでいう固形分量は、後述する実施例に記載の方法によって求めることができる。塗膜として、その膜厚が薄いことが要求される場合や用途がある。そのような薄い膜厚の塗膜を作製しようとすると、従来では、水系組成物中の固形分量を低くすること等が試みられていた。しかし、そうすると、水系組成物(或いは水系塗料)の液だれが十分に防止できず、塗膜の外観等が劣ってしまうといった問題が生じ得る。一方、水系組成物(或いは水系塗料)の液だれを防止するため、水系組成物中の固形分量を高くすると、塗膜の膜厚が厚くなり過ぎ、不均一になるといった問題や、塗膜の物性が劣ってしまうといった問題が生じ得る。しかしながら、本実施形態の水系組成物では、上記した特定の成分組成を含有することで、意外にも、液だれを防止でき、かつ、優れた物性を有する塗膜を形成することができる。さらには、薄い塗膜の形成も十分に可能である。またさらに、本実施形態の水系組成物中の固形分量を上記範囲とすることで、これらの効果を一層向上させることができる。
本実施形態の水系組成物は、その効果が得られる範囲内において、必要に応じて、上記以外の他の成分を更に含有してもよい。このようなその他の成分としては、特に限定されず、例えば、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、成膜助剤、防錆剤、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤又は帯電調整剤等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記した水系組成物は、水系塗料として好適に用いることができる。すなわち、本実施形態の水系塗料は、上記した水系組成物を含有するものである。水系塗料としては、他の成分として、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、成膜助剤、防錆剤、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤、帯電調整剤等を更に含有してもよい。
本実施形態の水系塗料は、その用途や塗布対象の材料等に応じて、適宜好適な方法で塗布することができる。塗布方法としては、特に限定されず、例えば、スプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法が挙げられる。
本実施形態の水系塗料を塗布した後、乾燥させて揮発分を除去することにより、塗膜が得られる。この際、必要に応じて、40〜120℃程度の温度での加熱処理や、紫外線照射処理等を更に行ってもよい。
このように、本実施形態では、上記した水系塗料を含有する塗膜とすることができる。この塗膜は、水系塗料から得られるものであり、例えば、上記した水系塗料を各種基材の表面に塗布して乾燥させることにより、基材上に形成された塗膜とすることもできる。すなわち、本実施形態では、基材と、基材の表面の少なくとも一部に形成された上記した塗膜と、を含有する塗装製品とすることもできる。
本実施形態において使用できる基材の材料は、その表面に塗膜形成が可能なものであれば、有機基材、無機基材のいずれでもよく、その種類は特に限定されない。基材の材料としては、特に限定されず、例えば、合成樹脂、天然樹脂、金属、セラミックス、ガラス、石、セメント、コンクリート等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
合成樹脂としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂(熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、湿気硬化性樹脂等)が挙げられる。合成樹脂の具体例としては、特に限定されず、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンスルホン樹脂ポリエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン−アクリル樹脂等が挙げられる。
天然樹脂としては、特に限定されず、例えば、セルロース系樹脂、天然ゴム等のイソプレン系樹脂、カゼイン等のタンパク質系樹脂等が挙げられる。
基材が上記した合成樹脂や天然樹脂等を用いた樹脂製の基材である場合、必要に応じて、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理等の表面処理が施されていてもよい。
本実施形態の塗装製品は、基材と、その基材上に形成された上記塗膜とを備えるものであり、その塗膜はコーティング等としても有用である。本実施形態により得られる塗膜は、長期に亘り、外観や防汚染性を高いレベルで維持できるため、従来では使用困難であった環境にも好適に用いることができる。かかる観点から、本実施形態の塗装製品の具体例としては、例えば、建材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、各種レンズ、構造部材、住宅等建築設備、車両用照明灯のカバー及び窓ガラス、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、表示機器、そのカバー、交通標識、各種表示装置、広告塔等の表示物、道路用及び鉄道用等の遮音壁、橋梁、ガードレールの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー等外部で用いられる電子、電気機器の外装部、特に透明部材、ビニールハウス、温室等の外装が挙げられる。
本実施形態の塗装製品の製造方法としては、例えば、基材の表面の少なくとも一部に上記した水系塗料(又は水系組成物)を塗布し、必要に応じて乾燥等を行うことで、塗膜を形成させる方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。例えば、本実施形態の塗膜を、基材上に塗布した後、その塗膜をその基材から剥離させて、別の基材に接着してもよい。あるいは、本実施形態の塗膜を、基材上に塗布した後、その基材と密着させた状態で、別の基材に接着してもよい。
本実施形態の水系組成物は、各種の水系塗料に配合してもよい。かかる水系塗料は、外観や耐汚染性、さらには透明性、耐候性等に優れた塗膜を形成することができる。このように、本実施形態の塗膜は、外観や耐汚染性、さらには透明性、耐候性等にも優れており、建築物の外装塗料等を含む広い用途に用いることができる。
以下、実施例及び比較例によって、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例では、下記の方法で各種物性を測定した。
〈エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の作製〉
・顔料ディスパージョンの作製
分散剤(BASFジャパン社製、「Pig.Disperser MD20」)5.35g、アンモニア水0.50g、プロピレングリコール23.50g、水147.50g、酸化チタン(塩素法ルチル型酸化チタン;石原産業社製、「タイペークCR−97」、石原産業社製)333.50g、消泡剤(サンノプコ社製、「SNデフォーマー1310」)2.85gの配合物を、卓上サンドミル(カンペパピオ社製、バッチ式卓上サンドミル)にて20分間分散させ、顔料ディスパージョンを得た。
・エナメル塗料の作製
製造例1の重合体エマルジョン109.0gに2,2,4−トリメチル−1,3−ブタンジオールイソブチレート(チッソ社製、「CS−12」)10.0g、エチレングリコールモノブチルエーテル50質量部と水50質量部の混合液10.0g、上記で得た顔料ディスパージョン51.4g、増粘剤(旭電化工業社製、「アデカノールUH−438」)の10%水溶液0.5gを添加し、1時間混合してエナメル塗料を得た。
・エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の作製
7cm×15cmの硫酸アルマイト板に上記で得たエナメル塗料を、ワイヤーコーターNo50を用いて塗装、温度23℃、相対湿度50%で48時間乾燥させ、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材を得た。得られた基材の光沢度は75であった。
1.固形分量
試料2gをアルミ皿にとり、150℃で1時間加熱した。加熱前後の試料の質量を測定し、その差分から固形分量(質量%)を計算した。
2.数平均粒子径
ローディングインデックスが1.5〜3.0となるようイオン交換水を加えて希釈し、湿式粒度分析計(日機装社製、「マイクロトラックUPA−9230」)を用いて測定した。測定条件を以下に示す。
・ローディングインデックス;1.5〜3.0
・測定時間:60秒
・測定回数:3回
3.粘度
BM型粘度計(東機産業社製)を用いて測定した。測定条件を以下に示す。
・温度:23℃
・ローター:No1
・回転数:60rpm
4.塗膜外観(液だれ)
エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材に、水系組成物の塗付量が0.05kg/m2又は0.025kg/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%での条件下で10分間静置した後の液だれの度合いを、目視にて評価した。塗装外観(液だれ)は、以下の基準に準じて評価した。

○:ほとんど液だれが確認されなかった。
△:多少の液だれが確認された。
×:多くの液だれが確認された。
5.塗膜外観(はじき)
エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材に、水系組成物の塗付量が0.05kg/m2又は0.025kg/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%の条件下で24時間静置した後のはじきの度合いを、目視にて評価した。塗装外観(はじき)は、以下の基準に準じて評価した。

○:ほとんどはじきが確認されなかった。
△:多少のはじきが確認された。
×:多くのはじきが確認された。
6.光沢
光沢計(BYKガードナー社製、「マイクロトリグロスμ」)を用いて、測定試料の60°光沢度を測定した。
7.水系組成物塗装後の光沢保持率
エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材に、水系組成物の塗付量が0.05kg/m2又は0.025kg/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%の条件下で24時間静置した後の60°光沢度を、光沢計(BYKガードナー社製、「マイクロトリグロスμ」)を用いて測定した。また、水系組成物を塗装する前の基材表面の60°光沢度も、光沢計を用いて予め測定した。そして、下記式に基づき、光沢保持率を算出した。光沢保持率の値が高い程、透明性に優れ、基材の意匠を損なわず良好であることを示す。

光沢保持率(%)=水系組成物塗装後の60°光沢度/水系組成物塗装前の60°光沢度×100
8.耐候性試験3000時間後の光沢保持率
エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材に、水系組成物の塗付量が0.05kg/m2又は0.025kg/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置し、試験板とした。スガ試験機社製、「サンシャインウェザーメーター」を使用して、この試験板の曝露試験(ブラックパネル温度63℃、降雨18分/2時間)を行った。曝露試験前後の60°光沢度を光沢計(BYKガードナー社製、「マイクロトリグロスμ」)を用いてそれぞれ測定した。そして、下記式に基づき、光沢保持率を算出した。光沢保持率の値が高い程、耐候性が良好であることを示す。なお、エナメル塗料を予め塗装した基材のみの60°光沢度は、95%であった。

光沢保持率(%)=曝露試験後の60°光沢度/曝露試験前の60°光沢度×100
9.耐汚染性
エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材に、水系組成物の塗付量が0.05kg/m2又は0.025kg/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間放置し、試験板とした。試験板を一般道路(トラック通行量500〜1000台/日程度)に面したフェンスに張り付けて6ヶ月間又は1年間静置した。静置後の試験板の汚染の度合いを、以下の基準に準じて目視で評価した。なお、エナメル塗料を予め塗装した基材のみで評価した結果は、6ヶ月間、1年間共に「×」の評価であった。

○:ほとんど汚れが確認されなかった。
△:多少の汚れが確認された。
×:多量の汚れが確認された。
10.湿式分解性能
エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材に、水系組成物の塗付量が0.05kg/m2又は0.025kg/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置し、試験板とした。この試験板について、JIS R1703−2(ファインセラミックス−光触媒材料のセルフクリーニング性能試験方法−第2部:湿式分解性能)に準拠して試験を行い、色素分解活性指数を求めた。色素分解活性指数が高いほど、セルフクリーニング性が良好であることを示す。
[製造例1]
重合体エマルジョンの合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水290g、反応性乳化剤(旭電化工業社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)8.0gを投入した後、攪拌しながら反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器に、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液10gを投入した。その5分後に、メタクリル酸メチル25g、メタクリル酸シクロヘキシル50g、アクリル酸ブチル15g、メタクリル酸5g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10g、反応性乳化剤(旭電化工業社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)4.0g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液15g及びイオン交換水48gからなる乳化混合液を、滴下槽より40分かけて滴下した。滴下中は反応容器の温度を80℃に維持した。滴下終了後も反応器中の温度を80℃に維持して30分間攪拌を続けた。次に、メタクリル酸メチル109g、メタクリル酸シクロヘキシル160g、アクリル酸ブチル123g及びメタクリル酸8gの混合液と、反応性乳化剤(旭電化工業社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)16.0g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液60g及びイオン交換水192gからなる乳化混合液と、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1g、ジメチルジメトキシシラン20g及びメチルトリメトキシシラン20gからなる混合液とを、別々の滴下槽より、反応器中の温度を80℃に維持した状態で、160分かけて滴下した。さらに、滴下終了後も反応器中の温度を80℃に維持して2時間攪拌を続けた。室温まで冷却後、25%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8に調整してから100メッシュの金網で反応液を濾過して、重合体エマルジョンを得た。得られた重合体エマルジョンの固形分量は44.5質量%であった。
[製造例2]
重合体粒子(A−1)の水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水500g、反応性乳化剤(旭電化工業社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)8.0g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液15gを投入した後、攪拌下で反応器中の温度を、80℃に加温した。この反応器中に、メタクリル酸メチル400g、メタクリル酸シクロヘキシル250g、アクリル酸n−ブチル300g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20g、メタクリル酸30g、反応性乳化剤(旭電化工業社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)40g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液50g、イオン交換水700gからなる乳化混合液を、反応器中の温度を80℃に維持した状態で約4時間かけて滴下した。滴下終了後も反応器中の温度を80℃に維持して2時間攪拌を続けた。室温まで冷却後、反応器中の反応液の水素イオン濃度を測定したところ、pH2.1であった。25%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8に調整した後、100メッシュの金網で反応液を濾過した。さらに、イオン交換水で固形分量が10.0質量%となるように調整し、数平均粒子径が130nmの重合体粒子(A−1)の水分散体を得た。
[製造例3]
重合体粒子(A−2)の水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水609g、反応性乳化剤(花王社製、「ラテムルS−180A」)の25%水溶液10g、メタクリル酸シクロヘキシル26g、メタクリル酸n−ブチル8g、メタクリル酸メチル14g、アクリル酸n−ブチル2.5g、メタクリル酸0.8g、アクリル酸0.8g、アクリルアミド0.4gを投入した後、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液5g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1g、メチルトリメトキシシラン68g、ジメチルジメトキシシラン27gを投入した。その後、重合開始による発熱が確認されてから、反応器中の温度を85℃に加温して30分間保持した。次に、反応器中の温度を80℃に降温・維持した状態で、イオン交換水45g、反応性乳化剤(花王社製、「ラテムルS−180A」)の25%水溶液10g、メタクリル酸シクロヘキシル26g、メタクリル酸n−ブチル8g、メタクリル酸メチル14g、アクリル酸n−ブチル2.5g、メタクリル酸0.8g、アクリル酸0.8g、アクリルアミド0.4g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液5gからなる乳化混合液と、メチルトリメトキシシラン46g、ジメチルジメトキシシラン18gからなる混合液とを、その反応器中へ別々の滴下槽から、30分かけて注入し、さらに80℃で2時間維持した。次に、反応器中の温度を80℃に維持した状態で、イオン交換水130g、反応性乳化剤(花王社製、「ラテムルS−180A」)の25%水溶液50g、メタクリル酸シクロヘキシル123g、メタクリル酸n−ブチル37g、メタクリル酸メチル4g、アクリル酸n−ブチル79g、メタクリル酸4g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液12gからなる乳化混合液と、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2g、メチルトリメトキシシラン170g、ジメチルジメトキシシラン68gからなる混合液とを、反応器中へ別々の滴下槽から、2時間かけて注入し、さらに80℃で1.5時間維持した。室温まで冷却後、反応器中の反応液の水素イオン濃度を測定したところ、pH2.8であった。次に、25%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8に調整した後、100メッシュの金網で濾過した。さらに、イオン交換水で固形分量が10.0質量%となるように調整し、数平均粒子径が127nmの重合体粒子(A−2)の水分散体を得た。
[製造例4]
重合体粒子(A−3)の水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水880g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液10.0gを投入した後、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン83.4g、フェニルトリメトキシシラン73.0g、メチルトリメトキシシラン42.6gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に維持した状態で約2時間かけて同時に滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して30分攪拌を続けた。次に、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液5.6gを投入した後、反応器中の温度を80℃に維持して2時間攪拌を続けた。次に、メタクリル酸メチル22.5g、アクリル酸n−ブチル11.2g、フェニルトリメトキシシラン12.3g、テトラエトキシシラン28.6g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.1gからなる混合液と、アクリル酸0.9g、反応性乳化剤(旭電化工業社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)1.5g、反応性乳化剤(第一工業製薬社製、「アクアロンKH−1025」;固形分量25質量%水溶液)0.8g、過硫酸アンモニウムの0.5質量%水溶液146.4g、イオン交換水256.4gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に維持した状態で、約2時間かけて同時に滴下した。さらに、反応器中の温度を80℃に維持して約1時間攪拌を続けた後、室温まで冷却後、反応器中の液の水素イオン濃度を測定したところ、pH2.0であった。次に、25%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8に調整した後、100メッシュの金網で濾過した。さらに、イオン交換水で固形分量が10.0質量%となるように調整し、数平均粒子径80nmの重合体粒子(A−3)の水分散体を得た。
[製造例5]
重合体粒子(A−4)の水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水560g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液10.0gを投入した後、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン125.9g、メチルトリメトキシシラン39.4gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して30分攪拌を続けた。次に、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液16.8gを投入した後、反応器中の温度を80℃に維持して2時間攪拌を続けた。フェニルトリメトキシシラン36.8g、テトラエトキシシラン28.6g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.1gからなる混合液と、アクリル酸0.9g、反応性乳化剤(旭電化工業社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)1.5g、反応性乳化剤(第一工業製薬社製、「アクアロンKH−1025」;固形分量25質量%水溶液)3.0g、過硫酸アンモニウムの0.5質量%水溶液146.4g、イオン交換水256.4gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に維持した状態で、約2時間かけて同時に滴下した。滴下終了後も反応器中の温度を80℃に維持して、約1時間攪拌を続けた。室温まで冷却後、反応器中の反応液の水素イオン濃度を測定したところ、pH1.9であった。25%アンモニア水溶液を反応液に添加して液のpHを8に調整した後、100メッシュの金網で反応液を濾過した。さらに、イオン交換水で固形分量が10.0質量%となるように調整し、数平均粒子径が150nmの重合体粒子(A−4)の水分散体を得た。
[製造例6]
光触媒活性を有する無機酸化物(D−1)の合成
シリカ修飾ルチル型酸化チタン
TiO2として200g/Lの濃度の四塩化チタン水溶液700mLと、Na2Oとして100g/Lの濃度の水酸化ナトリウム水溶液を、反応液のpHを5〜9に維持しながら、添加した。その後、反応液のpHを7に調整した後、濾過し、濾液の導電率が100μS/cmとなるまで洗浄し、固形分量が28.3質量%である酸化チタン湿ケーキ1を得た。この酸化チタン湿ケーキ1は、ルチル型構造を有する微粒子を含有し、その1次粒子の数平均粒子径は8nmであった。
酸化チタン湿ケーキ1を純水で希釈して、1モル/Lのスラリーを調製した。このスラリー1Lを3Lのフラスコに仕込み、更に、酸化チタン/硝酸のモル比が1/1となるように1規定の硝酸を添加し、95℃に加熱し、2時間維持して、酸加熱処理を行った。酸加熱処理後のスラリーを室温まで冷却し、28%アンモニア水を用いてpH6.7に中和し、濾過した。その後、濾液の導電率が100μS/cmとなるまで洗浄し、固形分量が25質量%である酸化チタン湿ケーキ2を得た。
得られた酸化チタン湿ケーキ2に、10%の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加して、リパルプし、その後、超音波洗浄機で3時間分散して、pH10.5、固形分量が10質量%のアルカリ性酸化チタンゾルを得た。このアルカリ性酸化チタンゾル2Lを3Lのフラスコに仕込み、70℃の温度に昇温し、SiO2として432g/Lの濃度のケイ酸ナトリウム水溶液69.4mLを添加し、その後90℃に昇温して1時間維持した後、10%の硫酸を添加してpHを6になるように調整して、表面が珪素の含水酸化物で表面処理された酸化チタンゾルを得た。
得られた酸化チタンゾルを室温まで冷却し、5.4Lの純水を添加し、脱塩濃縮装置を用いて、不純物の除去及び濃縮を行ない、pH7.3、固形分量が30質量%である導電率1.18mS/cmの中性ルチル型酸化チタンゾルを得た。この中性ルチル型酸化チタンゾルは、TiO2に対してSiO2基準で15質量%の珪素の含水酸化物を含有していた。このゾル中の酸化チタンの1次粒子の数平均粒子径は9nmであった。
[製造例7]
光触媒活性を有する無機酸化物(D−2)の合成
シリカ修飾アナタース型酸化チタン
チタン鉱石を硫酸と反応させて得られた硫酸チタン溶液を、加熱加水分解することで、TiO2換算で30質量%の凝集メタチタン酸を含む水性スラリーとした。この水性スラリーにアンモニア水を添加してpHを7に中和し、その後濾過洗浄して硫酸イオンを除去して、脱水ケーキを得た。得られた脱水ケーキに硝酸を加えることで解膠処理して、アナタース型結晶構造を含む酸化チタン粒子(1次粒子の数平均粒子径7nm)からなるpH1.5の酸性酸化チタンゾルを得た。
得られた酸性酸化チタンゾルを純水で希釈して、TiO2換算濃度が200g/Lの酸化チタンゾル600mLとした後、70℃に昇温し、SiO2換算濃度が432g/Lのケイ酸ナトリウム水溶液20.8mLを20%硫酸と同時に添加した。その後、30分間静置した。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8に調整した後、2%硫酸水溶液でpHを6に調整し、濾過・洗浄を行い、湿ケーキを得た。この湿ケーキを純水中にリパルプした後、超音波分散して、中性域で安定な酸化チタンゾル(固形分量20.0質量%、pH7.5)を得た。この試料には、酸化チタン微粒子の表面に凝集シリカが多孔質の状態で被着しており、その含有量は、TiO2100質量部に対してSiO2換算で7質量部であった。
[実施例1]
重合体粒子(A−1)の水分散体61.2g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20.0質量%)15.3gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−1)(信越化学工業社製、「メトローズ90SH−30000」)82.0gと、イオン交換水341.5gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−1)を得た。この水系組成物(H−1)の粘度は35mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−1)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−1)を得た。この試験板(I−1)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例2]
重合体粒子(A−1)の水分散体61.2gに替えて、重合体粒子(A−2)の水分散体61.2g(固形分量10.0質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−2)を得た。この水系組成物(H−2)の粘度は30mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−2)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−2)を得た。この試験板(I−2)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例3]
重合体粒子(A−1)の水分散体61.2gに替えて、重合体粒子(A−3)の水分散体61.2g(固形分量10.0質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−3)を得た。この水系組成物(H−3)の粘度は38mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−3)の塗付量が0.05kg/m2の割合となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−3)を得た。この試験板(I−3)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例4]
重合体粒子(A−3)の水分散体60.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」、固形分量20.0質量%)15.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−1)(信越化学工業社製、「メトローズ90SH−30000」)80.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20g、イオン交換水344.8gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−4)を得た。この水系組成物(H−4)の粘度は39mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−4)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−4)を得た。この試験板(I−4)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例5]
重合体粒子(A−3)の水分散体60.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」、固形分量20.0質量%)15.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−2)(ダイセルファインケム社製、「HECダイセルSP900」)80.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、イオン交換水344.8gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−5)を得た。この水系組成物(H−5)の粘度は30mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−5)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−5)を得た。この試験板(I−5)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例6]
重合体粒子(A−3)の水分散体60.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」、固形分量20.0質量%)15.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−2)(ダイセルファインケム社製、「HECダイセルSP900」)80.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、イオン交換水269.8gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−6)を得た。この水系組成物(H−6)の粘度は25mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−6)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−6)を得た。この試験板(I−6)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例7]
重合体粒子(A−3)の水分散体60.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」、固形分量20.0質量%)15.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−2)(ダイセルファインケム社製、「HECダイセルSP900」)80.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、イオン交換水57.3gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール37.5gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(H−7)を得た。この水系組成物(H−7)の粘度は35mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−7)の塗付量が0.025kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、標準状態(温度23℃、相対湿度50%)で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−7)を得た。この試験板(I−7)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例8]
重合体粒子(A−3)の水分散体30.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」、固形分量20.0質量%)30.0g)と、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−2)(ダイセルファインケム社製、「HECダイセルSP900」)80.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、イオン交換水284.8gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−8)を得た。この水系組成物(H−8)の粘度は40mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−8)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−8)を得た。この試験板(I−8)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例9]
重合体粒子(A−3)の水分散体70.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」、固形分量20.0質量%)10.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−2)(ダイセルファインケム社製、「HECダイセルSP900」)80.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、イオン交換水264.8gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−9)を得た。この水系組成物(H−9)の粘度は20mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−9)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−9)を得た。この試験板(I−9)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例10]
重合体粒子(A−3)の水分散体62.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」、固形分量20.0質量%)15.5gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−2)(ダイセルファインケム社製、「HECダイセルSP900」)50.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、イオン交換水297.3gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−10)を得た。この水系組成物(H−10)の粘度は18mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−10)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−10)を得た。この試験板(I−10)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例11]
重合体粒子(A−3)の水分散体60.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−3)(日産化学工業社製、「スノーテックスS」、固形分量30質量%)10.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−2)(ダイセルファインケム社製、「HECダイセルSP900」)80.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、イオン交換水274.8gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−11)を得た。この水系組成物(H−11)の粘度は26mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−11)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−11)を得た。この試験板(I−11)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例12]
飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gに替えて飽和炭化水素アルコール(G−2)イソプロピルアルコール75.0gを用いた以外は、実施例6と同様にして、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−12)を得た。この水系組成物(H−12)の粘度は33mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−12)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−12)を得た。この試験板(I−12)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例13]
重合体粒子(A−3)の水分散体60.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」、固形分量20.0質量%)15.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−2)(ダイセルファインケム社製、「HECダイセルSP900」)80.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E−1)(保土ヶ谷化学工業社製、「アシッドレッド」)1.0gと、イオン交換水268.8gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−13)を得た。この水系組成物(H−13)の粘度は31mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−13)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−13)を得た。この試験板(I−13)の各種評価結果を表2に示す。
[実施例14]
イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E−1)(保土ヶ谷化学工業社製、「アシッドレッド」)1.0gに替えてイオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E−2)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)1.0gを用いた以外は、実施例13と同様にして、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−14)を得た。この水系組成物(H−14)の粘度は30mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−14)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−14)を得た。この試験板(I−14)の各種評価結果を表2に示す。
[実施例15]
重合体粒子(A−3)の水分散体60.0gに替えて重合体粒子(A−4)の水分散体60.0g(固形分量10.0質量%)を用いた以外は実施例14と同様にして、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−15)を得た。この水系組成物(H−15)の粘度は28mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−15)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−15)を得た。この試験板(I−15)の各種評価結果を表2に示す。
[実施例16]
イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した色素(E−2)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)1.0gに替えて、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した色素(E−2)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)2.0gを用いた以外は実施例15と同様にして、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−16)を得た。この水系組成物(H−16)の粘度は25mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−16)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−16)を得た。この試験板(I−16)の各種評価結果を表2に示す。
[実施例17]
重合体粒子(A−4)の水分散体60.6g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」、固形分量20.0質量%)15.2gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−3)(三昌社製、「NEOVISCO−MCRM50000S」)70.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、イオン交換水279.0gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−17)を得た。この水系組成物(H−17)の粘度は30mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−17)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−17)を得た。この試験板(I−17)の各種評価結果を表2に示す。
[実施例18]
重合体粒子(A−4)の水分散体60.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」、固形分量20.0質量%)10.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−2)(ダイセルファインケム社製、「HECダイセルSP900」)80.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、光触媒活性を有する無機酸化物(D−1)3.3gと、イオン交換水271.5gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−18)を得た。この水系組成物(H−18)の粘度は26mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−18)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−18)を得た。この試験板(I−18)の各種評価結果を表2に示す。
[実施例19]
重合体粒子(A−4)の水分散体60.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」、固形分量20.0質量%)7.5gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−2)(ダイセルファインケム社製、「HECダイセルSP900」)80.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、光触媒活性を有する無機酸化物(D−1)5.0gと、イオン交換水272.3gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−19)を得た。この水系組成物(H−19)の粘度は20mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−19)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−19)を得た。この試験板(I−19)の各種評価結果を表2に示す。
[実施例20]
重合体粒子(A−4)の水分散体60.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」、固形分量20.0質量%)10.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−2)(ダイセルファインケム社製、「HECダイセルSP900」)80.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、光触媒活性を有する無機酸化物(D−2)5.0gと、イオン交換水269.8gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−20)を得た。この水系組成物(H−20)の粘度は25mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−20)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−20)を得た。この試験板(I−20)の各種評価結果を表2に示す。
[実施例21]
重合体粒子(A−4)の水分散体30.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」、固形分量20.0質量%)22.5gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−2)(ダイセルファインケム社製、「HECダイセルSP900」)80.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、光触媒活性を有する無機酸化物(D−1)5.0gと、イオン交換水287.3gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−21)を得た。この水系組成物(H−21)の粘度は25mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−21)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−21)を得た。この試験板(I−21)の各種評価結果を表2に示す。
[実施例22]
重合体粒子(A−4)の水分散体30.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径4nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOXS」、固形分量10質量%)20.0gと、数平均粒子径22nmの水分散コロイダルシリカ(B−4)(日産化学工業社製、「スノーテックスOL」、固形分量20.0質量%)12.5gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−2)(ダイセルファインケム社製、「HECダイセルSP900」)80.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、光触媒活性を有する無機酸化物(D−1)5.0gと、イオン交換水277.3gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−22)を得た。この水系組成物(H−22)の粘度は25mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−22)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−22)を得た。この試験板(I−22)の各種評価結果を表2に示す。
[実施例23]
数平均粒子径22nmの水分散コロイダルシリカ(B−4)(日産化学工業社製、「スノーテックスOL」、固形分量20.0質量%)12.5gに替えて、数平均粒子径90nmの水分散コロイダルシリカ(B−5)(日産化学工業社製、「スノーテックスOYL」、固形分量20.0質量%)を用いた以外は、実施例22と同様にして、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−23)を得た。この水系組成物(H−23)の粘度は20mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−23)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間乾燥させ、基材上に塗膜が形成された試験板(I−23)を得た。この試験板(I−23)の各種評価結果を表2に示す。
[実施例24]
重合体粒子(A−4)の水分散体30.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径4nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOXS」、固形分量10質量%)36.0gと、数平均粒子径90nmの水分散コロイダルシリカ(B−5)(日産化学工業社製、「スノーテックスOYL」、固形分量20.0質量%)4.5gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−2)(ダイセルファインケム社製、「HECダイセルSP900」)80.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、光触媒活性を有する無機酸化物(D−1)5.0gと、イオン交換水269.3gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−24)を得た。この水系組成物(H−24)の粘度は30mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−24)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−24)を得た。この試験板(I−24)の各種評価結果を表2に示す。
[実施例25]
重合体粒子(A−4)の水分散体30.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径4nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOXS」、固形分量10質量%)9.0gと、数平均粒子径90nmの水分散コロイダルシリカ(B−5)(日産化学工業社製、「スノーテックスOYL」、固形分量20.0質量%)18.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−2)(ダイセルファインケム社製、「HECダイセルSP900」)80.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、光触媒活性を有する無機酸化物(D−1)5.0gと、イオン交換水282.8gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−25)を得た。この水系組成物(H−25)の粘度は18mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−25)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−25)を得た。この試験板(I−25)の各種評価結果を表2に示す。
[比較例1]
重合体粒子(A−3)の水分散体66.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」、固形分量20.0質量%)16.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、イオン交換水342.8gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−26)を得た。この水系組成物(H−26)の粘度は3mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−26)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−26)を得た。この試験板(I−26)の各種評価結果を表3に示す。
[比較例2]
イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したセルロース系増粘剤(C−2)(ダイセルファインケム社製、「HECダイセルSP900」)80.0gに替えてイオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したキサンタンガム系増粘剤(C´−1)(CP Kelco A Huber Company社製、「KELZAN ST」)80.0gを用いた以外は実施例6と同様にして、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−27)を得た。この水系組成物(H−27)の粘度150mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−27)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間乾燥させ、基材上に塗膜が形成された試験板(I−27)を得た。この試験板(I−27)の各種評価結果を表3に示す。
[比較例3]
重合体粒子(A−3)の水分散体63.3g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」、固形分量20.0質量%)15.9gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したキサンタンガム系増粘剤(C´−1)(CP Kelco A Huber Company社製、「KELZAN ST」)30.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、イオン交換水315.6gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−28)を得た。この水系組成物(H−28)の粘度は25mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−28)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−28)を得た。この試験板(I−28)の各種評価結果を表3に示す。
[比較例4]
イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したキサンタンガム系増粘剤(C´−1)(CP Kelco A Huber Company社製、「KELZAN ST」)30.0gに替えてイオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したダイユータンガム系増粘剤(C´−2)(CP Kelco A Huber Company社製、「KELCO−CRETE DG」)30.0gを用いた以外は比較例3と同様にして、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−29)を得た。この水系組成物(H−29)の粘度30mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−29)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−29)を得た。この試験板(I−29)の各種評価結果を表3に示す。
[比較例5]
重合体粒子(A−3)の水分散体61.4g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」、固形分量20.0質量%)15.3gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整したビニルエーテル系増粘剤(C´−3)(アイエスピー・ジャパン社製、「STABILEZE QM」)60.0gと、フルオロカーボン界面活性剤(F−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)0.20gと、イオン交換水288.1gと、飽和炭化水素アルコール(G−1)エタノール75.0gを混合し攪拌することにより、固形分量2.0質量%の水系組成物(H−30)を得た。この水系組成物(H−30)の粘度は25mPa・sであった。
次に、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(H−30)の塗付量が0.05kg/m2となるように、スプレーを用いて塗装した。塗装した基材を垂直に保ち、温度23℃、相対湿度50%で24時間静置して、基材上に塗膜が形成された試験板(I−30)を得た。この試験板(I−30)の各種評価結果を表3に示す。
以上より、本実施例の水系組成物は、長期に亘って、外観や耐汚染性を高いレベルで維持できる塗膜が形成できることが確認された。
本発明の水系組成物、水系塗料、塗膜、及び塗装製品は、建築外装用途、外装表示用途、自動車用部品、ディスプレイやレンズ等の光学部品等の各種部材等として利用することができる。

Claims (11)

  1. 重合体粒子(A)と、光触媒活性を有しない無機酸化物粒子(B)と、セルロース系増粘剤(C)と、を含有する水系組成物であって、前記セルロース系増粘剤(C)がヒドロキシエチルセルロースであり、水系組成物中の固形分の含有量が0.5〜10質量%である、水系組成物であって、
    前記(B)成分として、数平均粒子径が25〜100nmである粒子と、数平均粒子径が4〜8nmである粒子とを含有する、水系組成物。
  2. 前記ヒドロキシエチルセルロースの重量平均分子量が70万〜200万である、請求項1に記載の水系組成物。
  3. 前記(B)成分が、二酸化珪素である、請求項1又は2に記載の水系組成物。
  4. 光触媒活性を有する無機酸化物粒子(D)を、更に含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の水系組成物。
  5. 退色性色素(E)を、更に含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の水系組成物。
  6. フルオロカーボン界面活性剤(F)を、更に含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の水系組成物。
  7. 飽和炭化水素アルコール(G)を、更に含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の水系組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか一項記載の水系組成物を含有する、水系塗料。
  9. 請求項に記載の水系塗料から得られる、塗膜。
  10. 基材と、
    前記基材の表面の少なくとも一部に形成された、請求項に記載の塗膜と、
    を含有する塗装製品。
  11. 前記基材が、有機基材である、請求項10に記載の塗装製品。
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