JP5692892B2 - 塗膜及び水系有機無機複合組成物 - Google Patents
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Description
、本発明は下記のとおりである。
[1]数平均粒子径が1〜400nmである金属酸化物粒子を含む連続相と、前記連続相中に分散する、数平均粒子径が10〜800nmである重合体粒子と数平均粒子径が1〜400nmであるルチル型酸化チタン粒子と、を含有する構造を有し、前記金属酸化物粒子は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉛、酸化鉄、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化セリウム及びそれらの複合酸化物からなる群より選ばれる1種以上の金属酸化物の粒子であり、前記ルチル型酸化チタン粒子は、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子、Pt担持ルチル型酸化チタン粒子、又はFe担持ルチル型酸化チタン粒子を含み、前記金属酸化物粒子の総表面積と前記ルチル型酸化チタン粒子の総表面積と前記重合体粒子の総表面積との合計に対して、前記重合体粒子の総表面積が2〜18%の範囲にあり、前記金属酸化物粒子と前記重合体粒子と前記ルチル型酸化チタン粒子との合計質量に対して、前記ルチル型酸化チタン粒子の質量が5〜20質量%の範囲にあり、JIS R 1703−2に基づくセルフクリーニング性試験による活性指数が5〜15の光触媒活性を有する、塗膜。
[2]前記金属酸化物粒子の数平均粒子径よりも前記重合体粒子の数平均粒子径の方が大きい、[1]の塗膜。
[3]数平均粒子径が1〜400nmである金属酸化物粒子と、数平均粒子径が10〜800nmである重合体エマルジョン粒子と、数平均粒子径が1〜400nmであるルチル型酸化チタン粒子と、を含み、前記金属酸化物粒子は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉛、酸化鉄、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化セリウム及びそれらの複合酸化物からなる群より選ばれる1種以上の金属酸化物の粒子であり、前記ルチル型酸化チタン粒子は、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子、Pt担持ルチル型酸化チタン粒子、又はFe担持ルチル型酸化チタン粒子を含み、前記金属酸化物粒子の総表面積と前記ルチル型酸化チタン粒子と前記重合体粒子の総表面積との総表面積の合計に対して前記重合体粒子の総表面積が2〜18%の範囲にあり、前記金属酸化物粒子と前記重合体粒子と前記ルチル型酸化チタン粒子との合計質量に対して前記ルチル型酸化チタン粒子の質量が5〜20質量%の範囲にある、水系有機無機複合組成物。
[4]前記金属酸化物粒子が二酸化ケイ素粒子を含む、[3]の水系有機無機複合組成物。[5]前記重合体エマルジョン粒子が、前記金属酸化物粒子と相互作用することが可能な官能基を有する、[3]又は[4]の水系有機無機複合組成物。
[6]前記官能基がアミド基である、[5]の水系有機無機複合組成物。
[7]前記重合体エマルジョン粒子は、水及び第1の乳化剤の存在下で、少なくとも、第1の加水分解性ケイ素化合物と、第1のビニル単量体と、を重合して得られるものである、[3]〜[6]のいずれか一つの水系有機無機複合組成物。
[8]前記重合体エマルジョン粒子は、水、前記第1の乳化剤及びシード粒子の存在下で、少なくとも、前記第1の加水分解性ケイ素化合物と、前記第1のビニル単量体と、を重合して得られるものであって、前記第1のビニル単量体は、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体であり、前記シード粒子は、水及び第2の乳化剤の存在下で、少なくとも、2級及び/又は3級アミド基を有する第2のビニル単量体と、その第2のビニル単量体と共重合可能であり2級及び3級アミド基を有しないビニル単量体と、第2の加水分解性ケイ素化合物と、からなる群より選ばれる1種以上の化合物を重合して得られるものである、[3]〜[7]のいずれか一つの水系有機無機複合組成物。
[9]前記シード粒子は、前記第2の加水分解性ケイ素化合物を重合して得られるものである、[8]の水系有機無機複合組成物。
[10][3]〜[9]のいずれか一つの水系有機無機複合組成物を含有する水系塗料。
[11][1]の塗膜を備える塗装製品。
ここで、式中、Wは炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、フェノキシ基、アミノキシ基、アミド基からなる群より選ばれる基を示す。Rは、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる炭化水素基を示す。なお、炭素数6〜20のアリール基は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。また、xは1〜4の整数であり、yは0〜3の整数であり、x+y=4である。さらに、xが2以上のとき、複数のWは互いに同一でも異なっていてもよく、yが2以上のとき、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。
これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ある金属酸化物粒子が連続相を形成することにより、この複合組成物から形成される塗膜
などの有機無機複合体は、その長所である耐水性、耐候性、防汚性等に一層優れたものと
なる。一方、有機物質を主成分とする重合体エマルジョン粒子は連続相を形成していない
と好ましく、その重合体エマルジョン粒子の粒子径(数平均粒子径)及び粒子表面積を制
御することで、密着性、柔軟性などを発揮することが可能となる。したがって、本実施形
態の複合組成物は、有機物質の長所と無機物質の長所とをよりバランスよく備えることが
できる。
化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルス
ルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール
硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸に代表される酸性乳化
剤、酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、
脂肪酸石鹸に代表されるアニオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウムブロマ
イド、アルキルピリジニウムブロマイド、イミダゾリニウムラウレートに代表される4級
アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤、ポリ
オキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジス
チリルフェニルエーテルに代表されるノニオン型界面活性剤やラジカル重合性の二重結合
を有する反応性乳化剤等を例示することができる。
又はスルホネート基を有するビニル単量体、硫酸エステル基を有するビニル単量体やそれ
らのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、ポリオキシエチレンに代表されるノニオン基を有
するビニル単量体、4級アンモニウム塩を有するビニル単量体が挙げられる。
る各種の水溶性オリゴマー類、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、澱
粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポ
リアクリルアミド、水溶性若しくは水分散性アクリル樹脂に代表される合成若しくは天然
の水溶性又は水分散性の各種の水溶性高分子物質が挙げられる。これらの乳化剤、分散安
定剤は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
成分を含んでもよい。例えば、この複合組成物を塗布した基体との相互作用を制御する目
的で、アルコール類などの有機溶剤を少量添加することもできる。また、本実施形態の複
合組成物の用途及び使用方法などに応じて、通常の塗料や成型用樹脂に添加配合される成
分、例えば、増粘剤、レベリング剤、チクソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋
反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、光安定剤
、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、成膜助剤、防錆剤、
染料、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤又は
帯電調整剤等を選択し組み合わせて配合してもよい。
候性、耐水性、防汚性を示す有機無機複合体を形成可能なものである。それに加えて、本
実施形態の複合組成物は、防曇性、帯電防止性、耐薬品性、光学特性にも優れた有機無機
複合体を形成することができる。この複合組成物を用いることにより、特殊な装置を用い
ずに、簡単に、少ない環境負荷で有機無機複合体を形成することができ、成膜性や成形性
に優れたものである。
が得られる。例えば、本実施形態の複合組成物を各種基体の表面に塗布して乾燥すること
により、基体上に形成された有機無機複合体としての塗膜が得られる。複合組成物を塗布
する基体材料としては、例えば合成樹脂、天然樹脂、繊維に代表される有機基材、金属、
セラミックス、ガラス、石、セメント、コンクリートに代表される無機基材や、それらの
組み合わせが挙げられる。得られる有機無機複合体は、金属酸化物粒子が連続相を形成し
、重合体エマルジョン粒子及びルチル型酸化チタン粒子が上記連続相中に分散した状態、
言い換えると、金属酸化物が海に相当し重合体エマルジョン粒子及びルチル型酸化チタン
粒子が島に相当するいわゆる海島構造にあると好ましい。このような状態は、透過型電子
顕微鏡による観察で確認することができる。これにより、有機無機複合体は、有機物質の
長所と無機物質の長所とをよりバランスよく備えることができる。
湿気硬化性樹脂等)が挙げられる。その具体例としては、例えば、シリコーン樹脂、アク
リル樹脂、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、
ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルフォン樹脂、
ポリフェニレンスルホン樹脂ポリエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリ
コーン−アクリル樹脂が挙げられる。また、上記天然樹脂としては、例えば、セルロース
系樹脂、天然ゴムに代表されるイソプレン系樹脂、カゼインに代表されるタンパク質系樹
脂が挙げられる。
マ処理等の表面処理が施されていてもよいが、これらの表面処理は必須ではない。
法としては、例えば、スプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷
毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャス
ティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法が挙げられる。
られる。この際、40℃〜120℃程度の温度で加熱処理を行ってもよく、紫外線照射等
を行ってもよい。
である。この厚さが10μm以下であることにより、更に良好な透明性を確保することが
でき、0.1μm以上であることにより、防汚性、光触媒活性等の機能をより高いレベル
で発現することができる。
散膜等の態様であってもよい。
るものであり、塗膜はコーティングとして有用である。この塗装製品は、本実施形態の塗
膜を備える他は公知の態様と同様であればよい。本実施形態の塗装製品の具体例としては
、例えば、建材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、各種レンズ、構造部材、住宅等
建築設備、車両用照明灯のカバー及び窓ガラス、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び
塗装、表示機器、そのカバー、交通標識、各種表示装置、広告塔等の表示物、道路用及び
鉄道用等の遮音壁、橋梁、ガードレールの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、
太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー等外部で用いられる電子、電気機器の外装部、
特に透明部材、ビニールハウス、温室等の外装が挙げられる。この塗装製品は、基体の表
面に本実施形態の複合組成物を塗布し乾燥することによって得られてもよいが、その製造
方法はこれに限定されない。例えば、基体と塗膜とを同時に成形してもよく、より具体的
には一体成形してもよい。また、本実施形態の塗膜をある基体上に成形した後、その塗膜
をその基体から剥離させた又はその基体と密着させた状態で、別の基体に接着、融着等に
より密着させてもよい。
、耐水性、防汚性に優れた有機無機複合体を形成可能となる。
子が連続相を形成し、その連続相中に、数平均粒子径が10〜800nmである重合体粒
子及び数平均粒子径が1〜400nmであるルチル型酸化チタン粒子が分散している構造
を有する。また、本実施形態の塗膜は、金属酸化物粒子の総表面積とルチル型酸化チタン
粒子の総表面積と重合体粒子の総表面積との合計に対して重合体粒子の総表面積が2〜1
8%の範囲にあり、金属酸化物粒子、重合体粒子及びルチル型酸化チタン粒子の合計質量
に対してルチル型酸化チタン粒子の質量が5〜20質量%の範囲にある。そのような構造
を有する塗膜を形成するためには、その塗膜の原料となる水系有機無機複合組成物におけ
る各成分の比率、粒子表面積が重要な因子の一つとなる。そのような観点から、本実施形
態の水系有機無機複合組成物は、金属酸化物粒子と、ルチル型酸化チタン粒子と、重合体
エマルジョン粒子とを含み、金属酸化物粒子の総表面積とルチル型酸化チタン粒子の総表
面積と重合体粒子の総表面積との合計に対して重合体粒子の総表面積が2〜18%の範囲
にあり、金属酸化物粒子、重合体粒子及びルチル型酸化チタン粒子の合計質量に対してル
チル型酸化チタン粒子の質量が3〜20質量%の範囲にある。
各粒子の総表面積は、各組成物を透過型電子顕微鏡で観察し、その画像を画像解析ソフト(旭化成エンジニアリング株式会社製の画像解析ソフト、商品名「A像くん」)で解析することで導出した。
調製した試料中の固形分が10質量%となるよう溶媒を加えて希釈した後、湿式粒度分析計(日機装社製、商品名「マイクロトラックUPA−9230」)を用いて測定した。
調製した試料約2gをアルミ皿にとり、150℃で1時間加熱した。加熱前後の試料の質量を測定し、その差から固形分濃度を計算した。
塗膜の厚さを、ハロゲン光源装置(MORITEX社製、商品名「MHF−D100LR」)を装着した膜厚測定装置(SPECTRA・COOP社製、商品名「HandyLambda II THICKNESS」)を用いて測定した。
カラーガイド(BYK Gardner社製)を用いて標準板からの色差を求めた。
20℃での水の接触角を、接触角計(協和界面科学社製、商品名「DROP MASTER 500」)を用いて測定した。
スガ試験機社製のサンシャインウエザーメーターを用いて曝露試験(ブラックパネル温度63℃、降雨18分/2時間)を行い、曝露前と曝露開始500時間、2000時間後との間での色差を上記5の方法で測定し、接触角を上記6の方法で測定した。曝露前の色差を標準とし、曝露前後の状態変化をΔEとして評価した。
試験板を23℃の水中に10日間浸漬した後、大気中、23℃で1日乾燥させ、透明性の度合いを目視にて下記のように評価した。
○:透明。
△:若干白く、やや不透明。
×:白く不透明。
試験板を一般道路(トラック通行量500〜1000台/日程度)に面したフェンスに1年間貼りつけて汚染させた後、汚染の度合いを目視にて下記のように評価した。
◎:汚れなし。
○:全体的に少し汚れている。
△:やや雨スジ汚れ有り。
×:著しい雨スジ汚れあり。
JIS R 1703−2に準拠して湿式分解性能試験を実施し、波長664nmの吸光度から分解指数を求めた。このとき、メチレンブルーとして、和光純薬工業社製のメチレンブルー三水和物を用いた。吸光度の測定には、紫外・可視分光光度計(日本分光社製、商品名「V−550」)を用いた。
重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水500g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25%水溶液)8.0g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液15gを投入した後、撹拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、メタクリル酸メチル400g、メタクリル酸シクロヘキシル250g、アクリル酸n−ブチル300g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20g、メタクリル酸30g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25%水溶液)40g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液50g、イオン交換水700gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で約4時間かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して2時間撹拌を続けた。室温まで冷却後、反応器中の液の水素イオン濃度を測定したところ、pH2.1であった。25%アンモニア水溶液を反応器中に添加して液のpHを8に調整した後、100メッシュの金網で濾過した。イオン交換水で固形分を10.0質量%に調整し、重合体粒子として数平均粒子径130nmの重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体を得た。
重合体エマルジョン粒子(B−2)の水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水609g、反応性乳化剤(商品名「ラテムルS−180A」、花王(株)製)の25%水溶液10g、メタクリル酸シクロヘキシル26g、メタクリル酸n−ブチル8g、メタクリル酸メチル14g、アクリル酸n−ブチル2.5g、メタクリル酸0.8g、アクリル酸0.8g、アクリルアミド0.4gを投入した後、撹拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液5g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1g、メチルトリメトキシシラン68g、ジメチルジメトキシシラン27gを投入した。その後、重合開始による発熱が確認されてから、反応器中の温度を85℃に加温して30分間保持した。次に、反応器中の温度を80℃まで降温して、その温度に保持した状態で、イオン交換水45g、反応性乳化剤(商品名「ラテムルS−180A」、花王(株)製)の25%水溶液10g、メタクリル酸シクロヘキシル26g、メタクリル酸n−ブチル8g、メタクリル酸メチル14g、アクリル酸n−ブチル2.5g、メタクリル酸0.8g、アクリル酸0.8g、アクリルアミド0.4g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液5gからなる混合液と、メチルトリメトキシシラン46g、ジメチルジメトキシシラン18gからなる混合液とを、その反応器中へ別々の滴下槽から30分かけて注入し、さらに80℃で2時間保持した。次に、反応器中の温度を80℃に保持した状態で、イオン交換水130g、反応性乳化剤(商品名「ラテムルS−180A」、花王(株)製)の25%水溶液50g、メタクリル酸シクロヘキシル123g、メタクリル酸n−ブチル37g、メタクリル酸メチル4g、アクリル酸n−ブチル79g、メタクリル酸4g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液12gからなる混合液と、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2g、メチルトリメトキシシラン170g、ジメチルジメトキシシラン68gからなる混合液とを反応器中へ別々の滴下槽より2時間かけて注入し、さらに80℃で1.5時間保持した。次いで、室温まで冷却後、反応器中の液の水素イオン濃度を測定したところ、pH2.8であった。次に、25%アンモニア水溶液を反応器中に添加して液のpHを8に調整した後、100メッシュの金網で濾過した。イオン交換水で固形分を10.0質量%に調整し、重合体粒子として数平均粒子径127nmの重合体エマルジョン粒子(B−2)の水分散体を得た。
重合体エマルジョン粒子(B−3)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水400g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液2.57gを投入した後、撹拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン54.5g、フェニルトリメトキシシラン34.4g、メチルトリメトキシシラン1.0gからなる混合液と、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液15.0gとを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して約1時間撹拌を続けた。次に、アクリル酸n−ブチル12.3g、フェニルトリメトキシシラン13.5g、テトラエトキシシラン31.4g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.2gからなる混合液と、ジエチルアクリルアミド24.6g、アクリル酸1g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25%水溶液)1.2g、反応性乳化剤(商品名「アクアロンKH−1025」、第一工業製薬(株)製、固形分25%水溶液)0.7g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液8.5g、イオン交換水255gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。さらに、反応器中の温度を80℃に維持して約2時間撹拌を続けた後、室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過した。イオン交換水で固形分を10.0質量%に調整し、重合体粒子として数平均粒子径183nmの重合体エマルジョン粒子(B−3)の水分散体を得た。
重合体エマルジョン粒子(B−4)水分散体の合成
ジエチルアクリルアミド24.6gをメタクリル酸メチル24.6gに変更する以外は製造例3と同様に合成を行い、重合体粒子として、固形分10.0質量%に調整した数平均粒子径170nmの重合体エマルジョン粒子(B−4)の水分散体を得た。
重合体エマルジョン粒子(B−5)水分散体の合成
反応器に投入する10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を2.57gから4.5gに変更する以外は製造例3と同様に合成を行い、重合体粒子として、固形分10.0質量%に調整した数平均粒子径100nmの重合体エマルジョン粒子(B−5)の水分散体を得た。
重合体エマルジョン粒子(B−6)水分散体の合成
反応器に始めに投入するイオン交換水を400gから385gに、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を2.57gから15.0gに変更する以外は製造例3と同様に合成を行い、重合体粒子として、固形分10.0質量%に調整した数平均粒子径52nmの重合体エマルジョン粒子(B−6)の水分散体を得た。
重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)50gと、イオン交換水により固形分を5質量%に調整したシリカ被覆ルチル型酸化チタンゾル(珪酸ナトリウムを用いることで粒子表面をシリカで被覆したルチル型酸化チタン粒子であり、質量比がルチル型酸化チタン100質量部に対してシリカ12質量部、数平均粒子径10nm。以下同様。)22.4gとを混合し攪拌することにより水系有機無機複合組成物(C−1)を得た。この複合組成物(C−1)中の重合体エマルジョン粒子(B−1)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対して、14%であった。
重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体100gに代えて重合体エマルジョン粒子(B−2)水分散体100g(固形分10.0質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、水系有機無機複合組成物(C−2)及び試験板(D−2)を得た。この複合組成物(C−2)中の重合体エマルジョン粒子(B−2)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、14%であった。また、試験板(D−2)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体エマルジョン粒子(B−2)及びシリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(D−2)の各種評価結果を表1に示す。
重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体100gに代えて重合体エマルジョン粒子(B−3)水分散体100g(固形分10.0質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、水系有機無機複合組成物(C−3)及び試験板(D−3)を得た。この複合組成物(C−3)中の重合体エマルジョン粒子(B−3)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、10%であった。また、試験板(D−3)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体エマルジョン粒子(B−3)及びシリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(D−3)の各種評価結果を表1に示す。
重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体100gに代えて重合体エマルジョン粒子(B−4)水分散体100g(固形分10.0質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、水系有機無機複合組成物(C−4)及び試験板(D−4)を得た。この複合組成物(C−4)中の重合体エマルジョン粒子(B−4)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、11%であった。また、試験板(D−4)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体エマルジョン粒子(B−4)及びシリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(D−4)の各種評価結果を表1に示す。
重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体100gに代えて重合体エマルジョン粒子(B−5)水分散体100g(固形分10.0質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、水系有機無機複合組成物(C−5)及び試験板(D−5)を得た。この複合組成物(C−5)中の重合体エマルジョン粒子(B−5)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、18%であった。また、試験板(D−5)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体エマルジョン粒子(B−5)及びシリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(D−5)の各種評価結果を表1に示す。
重合体エマルジョン粒子(B−6)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)93gと、イオン交換水により固形分を5質量%に調整したシリカ被覆ルチル型酸化チタンゾル32gとを混合し攪拌することにより水系有機無機複合組成物(C−6)を得た。この複合組成物(C−6)中の重合体エマルジョン粒子(B−6)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、18%であった。
重合体エマルジョン粒子(B−5)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)423.5gと、イオン交換水により固形分を5質量%に調整したシリカ被覆ルチル型酸化チタンゾル106gとを混合し攪拌することにより水系有機無機複合組成物(C−7)を得た。この複合組成物(C−7)中の重合体エマルジョン粒子(B−5)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、3%であった。
重合体エマルジョン粒子(B−5)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)50gと、イオン交換水により固形分を5質量%に調整したシリカ被覆ルチル型酸化チタンゾル44gとを混合し攪拌することにより水系有機無機複合組成物(C−8)を得た。この複合組成物(C−8)中の重合体エマルジョン粒子(B−5)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、17%であった。
重合体エマルジョン粒子(B−5)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)64.5gと、イオン交換水により固形分を5質量%に調整したシリカ被覆ルチル型酸化チタンゾル114gとを混合し攪拌することにより水系有機無機複合組成物(C−9)を得た。この複合組成物(C−9)中の重合体エマルジョン粒子(B−5)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、12%であった。
シリカ被覆ルチル型酸化チタンゾルに代えてPt(白金)担持ルチル型酸化チタンゾル(商品名「MPT−427」、石原産業(株)製、数平均粒子径30nm)を用いた以外は実施例5と同様にして、水系有機無機複合組成物(C−10)及び試験板(D−10)を得た。この複合組成物(C−10)中の重合体エマルジョン粒子(B−5)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、Pt(白金)担持ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、18%であった。また、試験板(D−10)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体エマルジョン粒子(B−5)及びPt(白金)担持ルチル型酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(D−10)の各種評価結果を表1に示す。
シリカ被覆ルチル型酸化チタンゾルに代えてPt(白金)担持ルチル型酸化チタンゾル(商品名「MPT−427」、石原産業(株)製、数平均粒子径30nm)を用いた以外は実施例8と同様にして、水系有機無機複合組成物(C−11)及び試験板(D−11)を得た。この複合組成物(C−11)中の重合体エマルジョン粒子(B−5)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、Pt(白金)担持ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、18%であった。また、試験板(D−11)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体エマルジョン粒子(B−5)及びPt(白金)担持ルチル型酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(D−11)の各種評価結果を表1に示す。
Pt(白金)担持ルチル型酸化チタンゾルに代えてFe(鉄)担持ルチル型酸化チタンゾル(商品名「MPT−428」、石原産業(株)製、数平均粒子径35nm)を用いた以外は実施例10と同様にして、水系有機無機複合組成物(C−12)及び試験板(D−12)を得た。この複合組成物(C−12)中の重合体エマルジョン粒子(B−5)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、Fe(鉄)担持ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、18%であった。また、試験板(D−12)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体エマルジョン粒子(B−5)及びFe(鉄)担持ルチル型酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(D−12)の各種評価結果を表1に示す。
Pt(白金)担持ルチル型酸化チタンゾルに代えてFe(鉄)担持ルチル型酸化チタンゾル(商品名「MPT−428」、石原産業(株)製、数平均粒子径35nm)を用いた以外は実施例11と同様にして、水系有機無機複合組成物(C−13)及び試験板(D−13)を得た。この複合組成物(C−13)中の重合体エマルジョン粒子(B−5)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、Fe(鉄)担持ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、18%であった。また、試験板(D−13)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体エマルジョン粒子(B−5)及びFe(鉄)担持ルチル型酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(D−13)の各種評価結果を表1に示す。
重合体エマルジョン粒子(B−5)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)860.5gと、イオン交換水により固形分を5質量%に調整したシリカ被覆ルチル型酸化チタンゾル204gとを混合し攪拌することにより水系有機無機複合組成物(C−14)を得た。この複合組成物(C−14)中の重合体エマルジョン粒子(B−5)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、1%であった。
重合体エマルジョン粒子(B−5)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)13.2gと、イオン交換水により固形分を5質量%に調整したシリカ被覆ルチル型酸化チタンゾル14.2gとを混合し攪拌することにより水系有機無機複合組成物(C−15)を得た。この複合組成物(C−15)中の重合体エマルジョン粒子(B−5)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、43%であった。
重合体エマルジョン粒子(B−5)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)50gと、イオン交換水により固形分を5質量%に調整したシリカ被覆ルチル型酸化チタンゾル4gとを混合し攪拌することにより水系有機無機複合組成物(C−16)を得た。この複合組成物(C−16)中の重合体エマルジョン粒子(B−5)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、18%であった。
重合体エマルジョン粒子(B−5)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)50gと、イオン交換水により固形分を5質量%に調整したシリカ被覆ルチル型酸化チタンゾル20gとを混合し攪拌することにより水系有機無機複合組成物(C−17)を得た。この複合組成物(C−17)中の重合体エマルジョン粒子(B−5)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、18%であった。
重合体エマルジョン粒子(B−5)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)30gと、イオン交換水により固形分を5質量%に調整したシリカ被覆ルチル型酸化チタンゾル60gとを混合し攪拌することにより水系有機無機複合組成物(C−18)を得た。この複合組成物(C−18)中の重合体エマルジョン粒子(B−5)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、24%であった。
重合体エマルジョン粒子(B−5)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)30gと、イオン交換水により固形分を5質量%に調整したシリカ被覆ルチル型酸化チタンゾル120gとを混合し攪拌することにより水系有機無機複合組成物(C−19)を得た。この複合組成物(C−19)中の重合体エマルジョン粒子(B−5)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、20%であった。
され、その連続相中に重合体エマルジョン粒子(B−5)及びシリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(D−19)の各種評価結果を表1に示す。
シリカ被覆ルチル型酸化チタンゾルに代えてシリカ被覆アナターゼ型酸化チタンゾル(商品名「MPT−422」、石原産業(株)製、数平均粒子径10nm)を用いた以外は実施例3と同様にして、水系有機無機複合組成物(C−20)及び試験板(D−20)を得た。この複合組成物(C−20)中の重合体エマルジョン粒子(B−3)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆アナターゼ型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、10%であった。また、試験板(D−20)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体エマルジョン粒子(B−3)及びシリカ被覆アナターゼ型酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(D−20)の各種評価結果を表1に示す。
シリカ被覆ルチル型酸化チタンゾルに代えてシリカ被覆アナターゼ型酸化チタンゾル(商品名「MPT−422」、石原産業(株)製、数平均粒子径10nm)を用いた以外は実施例5と同様にして、水系有機無機複合組成物(C−21)及び試験板(D−21)を得た。この複合組成物(C−21)中の重合体エマルジョン粒子(B−5)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、シリカ被覆アナターゼ型酸化チタン粒子及び重合体エマルジョン粒子の総表面積(100%)に対し、18%であった。また、試験板(D−21)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体エマルジョン粒子(B−5)及びシリカ被覆アナタ-ゼ型酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(D−21)の各種評価結果を表1に示す。
Claims (11)
- 数平均粒子径が1〜400nmである金属酸化物粒子を含む連続相と、前記連続相中に分散する、数平均粒子径が10〜800nmである重合体粒子と数平均粒子径が1〜400nmであるルチル型酸化チタン粒子と、を含有する構造を有し、
前記金属酸化物粒子は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉛、酸化鉄、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化セリウム及びそれらの複合酸化物からなる群より選ばれる1種以上の金属酸化物の粒子であり、
前記ルチル型酸化チタン粒子は、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子、Pt担持ルチル型酸化チタン粒子、又はFe担持ルチル型酸化チタン粒子を含み、
前記金属酸化物粒子の総表面積と前記ルチル型酸化チタン粒子の総表面積と前記重合体粒子の総表面積との合計に対して、前記重合体粒子の総表面積が2〜18%の範囲にあり、前記金属酸化物粒子と前記重合体粒子と前記ルチル型酸化チタン粒子との合計質量に対して、前記ルチル型酸化チタン粒子の質量が5〜20質量%の範囲にあり、
JIS R 1703−2に基づくセルフクリーニング性試験による活性指数が5〜15の光触媒活性を有する、塗膜。 - 前記金属酸化物粒子の数平均粒子径よりも前記重合体粒子の数平均粒子径の方が大きい、請求項1に記載の塗膜。
- 数平均粒子径が1〜400nmである金属酸化物粒子と、数平均粒子径が10〜800nmである重合体エマルジョン粒子と、数平均粒子径が1〜400nmであるルチル型酸化チタン粒子と、を含み、
前記金属酸化物粒子は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉛、酸化鉄、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化セリウム及びそれらの複合酸化物からなる群より選ばれる1種以上の金属酸化物の粒子であり、
前記ルチル型酸化チタン粒子は、シリカ被覆ルチル型酸化チタン粒子、Pt担持ルチル型酸化チタン粒子、又はFe担持ルチル型酸化チタン粒子を含み、
前記金属酸化物粒子の総表面積と前記ルチル型酸化チタン粒子と前記重合体粒子の総表面積との総表面積の合計に対して前記重合体粒子の総表面積が2〜18%の範囲にあり、前記金属酸化物粒子と前記重合体粒子と前記ルチル型酸化チタン粒子との合計質量に対して前記ルチル型酸化チタン粒子の質量が5〜20質量%の範囲にある、水系有機無機複合組成物。 - 前記金属酸化物粒子が二酸化ケイ素粒子を含む、請求項3に記載の水系有機無機複合組成物。
- 前記重合体エマルジョン粒子が、前記金属酸化物粒子と相互作用することが可能な官能基を有する、請求項3又は4に記載の水系有機無機複合組成物。
- 前記官能基がアミド基である、請求項5に記載の水系有機無機複合組成物。
- 前記重合体エマルジョン粒子は、水及び第1の乳化剤の存在下で、少なくとも、第1の加水分解性ケイ素化合物と、第1のビニル単量体と、を重合して得られるものである、請求項3〜6のいずれか一項に記載の水系有機無機複合組成物。
- 前記重合体エマルジョン粒子は、水、前記第1の乳化剤及びシード粒子の存在下で、少なくとも、前記第1の加水分解性ケイ素化合物と、前記第1のビニル単量体と、を重合して得られるものであって、前記第1のビニル単量体は、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体であり、
前記シード粒子は、水及び第2の乳化剤の存在下で、少なくとも、2級及び/又は3級アミド基を有する第2のビニル単量体と、その第2のビニル単量体と共重合可能であり2級及び3級アミド基を有しないビニル単量体と、第2の加水分解性ケイ素化合物と、からなる群より選ばれる1種以上の化合物を重合して得られるものである、請求項3〜7のいずれか一項に記載の水系有機無機複合組成物。 - 前記シード粒子は、前記第2の加水分解性ケイ素化合物を重合して得られるものである、請求項8に記載の水系有機無機複合組成物。
- 請求項3〜9のいずれか一項に記載の水系有機無機複合組成物を含有する水系塗料。
- 請求項1に記載の塗膜を備える塗装製品。
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