JP2011110455A - 塗膜及び組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】防汚性が良好で、しかも基材上に保護層を設けることなく直接形成しても基材の劣化を招かない塗膜、及びそれを形成可能とする組成物を提供する。
【解決手段】金属酸化物粒子(A)を含む連続相と、前記連続相中に分散する、重合体粒子(B)とアナターゼ型酸化チタン粒子の表面に質量比がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してシリカ及び/又はアルミナが30〜50質量部被覆した酸化チタン粒子(C)と、を含有する構造を有し、
前記金属酸化物粒子(A)の総表面積と前記重合体粒子(B)の総表面積と前記酸化チタン粒子(C)の総表面積との合計に対して、前記重合体粒子(B)の総表面積が2〜40%の範囲にある、塗膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗膜及び組成物に関する。
光触媒とは、光照射によって他の物質の反応(例えば酸化、還元反応)を触媒的に進行させる物質のことをいう。言い換えれば、伝導帯と価電子帯との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー(すなわち短い波長)を有する光(励起光)を照射した際に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導電子と正孔とを生成し得る物質である。このとき、伝導帯に生成した電子の還元力及び/又は価電子帯に生成した正孔の酸化力を利用して、種々の化学反応を行うことができる。
また、光触媒活性とは、光照射によって酸化、還元反応を触媒的に進行させる活性をいう。光触媒は、この光触媒活性を有することにより、有機物質の分解作用や表面の親水化作用を示すことが知られている。かかる作用に基づいて、光触媒は環境浄化や防汚、防曇等の分野に応用されている。
例えば、特許文献1では、光触媒粒子を含有する表層部を備え、降雨により自己清浄化(セルフクリーニング)される表面を有する屋外表示板、及びその清浄化方法が提案されている。特許文献1によると、光触媒を含有する表面層を備えることにより、光触媒の光励起に応じて、表層部の表面は親水性を呈する。そのため、屋外表示板の表面が降雨にさらされた時に付着堆積物及び/又は汚染物が雨滴により洗い流されることが可能となるとされている。
特開平9−230810号公報
しかしながら、この方法は、表層部に含まれる光触媒が有機物分解性を有するため、有機塗膜などの有機基材上に表層部が形成される場合は、基材が劣化し耐候性が良好でなく、外観が悪くなるという場合があった。この問題を解消するため、光触媒塗料を塗装する前に、光触媒によって分解されない成分で構成される保護層を基材の表面上に形成し、その上に光触媒塗料を塗装する方法が知られている。
このように保護層を用いる方法においては、保護層及び光触媒塗膜が透明であるため、基材の意匠を損なうことなく光触媒機能を基材に付与できる利点がある。ところが、この方法は、保護層を形成する作業及びその材料に多くのコスト及び時間を必要とする。また、保護層の硬化の程度によって、光触媒塗膜の性能(密着性、分解性等)が大きく左右されてしまうことがあり、塗装が難しいという問題点もある。
本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、防汚性が良好であり、しかも基材上に保護層を設けることなく直接形成しても基材の劣化を抑制する光触媒塗膜及びそれを形成可能とする光触媒組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明を完成させた。すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]金属酸化物粒子(A)を含む連続相と、前記連続相中に分散する、重合体粒子(B)とアナターゼ型酸化チタン粒子の表面に質量比がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してシリカ及び/又はアルミナが30〜50質量部被覆した酸化チタン粒子(C)と、を含有する構造を有し、
前記金属酸化物粒子(A)の総表面積と前記重合体粒子(B)の総表面積と前記酸化チタン粒子(C)の総表面積との合計に対して、前記重合体粒子(B)の総表面積が2〜40%の範囲にある、塗膜。
[2]金属酸化物粒子(A)と重合体粒子(B)とアナターゼ型酸化チタン粒子の表面に質量比がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してシリカ及び/又はアルミナが30〜50質量部被覆した酸化チタン粒子(C)と、を含み、
前記金属酸化物粒子(A)の総表面積と前記重合体粒子(B)の総表面積と前記酸化チタン粒子(C)の総表面積との合計に対して、前記重合体粒子(B)の総表面積が2〜40%の範囲にある、組成物。
[3]前記金属酸化物粒子(A)が二酸化ケイ素粒子を含む、[2]の組成物。
[4]前記重合体粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下で加水分解性珪素化合物とビニル単量体とをそれぞれ重合させて得られた重合体粒子(B)を含む、[2]又は[3]の組成物。
[5][2]〜[4]のいずれか一つの組成物を含有する塗料。
[6][5]の塗料を基体の表面に塗布して形成される塗膜。
[7][1]又は[6]の塗膜を備える塗装製品。
本発明は、防汚性が良好であり、しかも基材上に保護層を設けることなく直接形成しても基材の劣化を招かない塗膜、及びそれを形成可能とする組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
本実施形態の塗膜は、金属酸化物粒子(A)を含む連続相と、前記連続相中に分散する、重合体粒子(B)とアナターゼ型酸化チタン粒子の表面に質量比がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してシリカ及び/又はアルミナが30〜50質量部被覆した酸化チタン粒子(C)(以下、単に「酸化チタン粒子(C)」と、を含有する構造を有し、
前記金属酸化物粒子(A)の総表面積と前記重合体粒子(B)の総表面積と前記酸化チタン粒子(C)の総表面積との合計に対して、前記重合体粒子(B)の総表面積が2〜40%の範囲にある、塗膜である。
本実施形態の塗膜は、その微細構造に特徴がある。すなわち、本実施形態の塗膜は、金属酸化物粒子(A)を含む連続相を含有し、かつ、重合体粒子(B)及び酸化チタン粒子(C)が上記連続相中に分散した微細構造を有することにより、防汚性が良好で、しかも基材上に保護層を設けることなく直接形成しても基材の劣化を招かないものとなる。
上記の塗膜の特殊な微細構造は、金属酸化物粒子(A)、重合体粒子(B)及び酸化チタン粒子(C)を含み、金属酸化物粒子(A)と重合体粒子(B)と酸化チタン粒子(C)の総表面積との合計に対して重合体粒子(B)の総表面積が2〜40%の範囲にある組成物から形成することができる。
金属酸化物粒子(A)と重合体粒子(B)と酸化チタン粒子(C)の総表面積との合計に対して重合体粒子(B)の総表面積は、2〜30%が好ましく、2〜20%がより好ましい。
重合体粒子(B)の総表面積が40%以下であることにより、重合体粒子(B)による連続層の形成を抑制でき、2%以上であることにより、塗膜の形成が容易に可能となる。ここで「総表面積」とは、塗膜又は光触媒組成物中の全対象粒子の表面積の合計をいい、粒子の表面積は、電子顕微鏡や光学顕微鏡で粒子を観察した後にその画像を画像解析ソフトで解析することで得られる。この粒子の表面積は、電子顕微鏡や光学顕微鏡で粒子を観察した後にその画像を画像解析ソフトで解析することで得られる表面積と、粒子径測定装置を用いて測定される粒子径から換算することで得られる表面積又はKozeny−Carmanの式に基づく空気透過法によって測定される表面積との間で検量線を作成し、その検量線を用いて、後者の方法により得られた表面積を前者の方法による表面積に換算することで決定されてもよい。
本実施形態の上記微細構造を有する塗膜は、上述の組成物を各種基体の表面に塗布して乾燥させることにより得られるが、微細構造の制御には重合体粒子(B)の総表面積と金属酸化物粒子(A)及び酸化チタン粒子(C)の総表面積との比率が重要な要素となる。
以下、本実施形態について、主として組成物の点から詳述する。
本実施形態の組成物は、金属酸化物粒子(A)と、重合体粒子(B)と酸化チタン粒子(C)とを含み、金属酸化物粒子(A)の総表面積と重合体粒子(B)の総表面積と酸化チタン粒子(C)の総表面積との合計に対して重合体粒子(B)の総表面積が2〜40%の範囲にある組成物である。
本実施形態に係る金属酸化物粒子(A)は、酸化チタン粒子(C)を除くチタン以外の金属の酸化物粒子である。その具体例としては、例えば、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉛、酸化鉄、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化セリウム及びそれらの複合酸化物が挙げられる。それらの中でも、表面水酸基の多い二酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化アンチモン及びそれらの複合酸化物が好ましく、二酸化ケイ素がより好ましい。二酸化ケイ素を基本単位とするシリカの水又は水溶性溶媒の分散体であるコロイダルシリカが更に好ましい。
コロイダルシリカは、ゾル−ゲル法で調製して使用することもでき、市販品を利用することもできる。ゾル−ゲル法で調製する場合には、Werner Stober etal;J.Colloid and Interface Sci.,26,62−69(1968)、Rickey D.Badley et al;Lang muir 6,792−801(1990)、色材協会誌、61[9]488−493(1988)などを参照することができる。
金属酸化物粒子(A)としてコロイダルシリカを用いる場合、水性分散液の状態で、酸性、塩基性のいずれであっても用いることができる。
水を分散媒体とする酸性のコロイダルシリカとしては、例えば、市販品として日産化学工業(株)製スノーテックス(商標)−O、スノーテックス−OS、旭電化工業(株)製アデライト(商標)AT−20Q、クラリアントジャパン(株)製クレボゾール(商標)20H12、クレボゾール30CAL25などが利用できる。
塩基性のコロイダルシリカとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミンの添加で安定化したシリカがあり、例えば、日産化学工業(株)製スノーテックス−20、スノーテックス−30、スノーテックス−C、スノーテックス−C30、スノーテックス−CM40、スノーテックス−N、スノーテックス−N30、スノーテックス−K、スノーテックス−XL、スノーテックス−YL、スノーテックス−ZL、スノーテックスPS−M、スノーテックスPS−Lなど;旭電化工業(株)製アデライトAT−20、アデライトAT−30、アデライトAT−20N、アデライトAT−30N、アデライトAT−20A、アデライトAT−30A、アデライトAT−40、アデライトAT−50など;クラリアントジャパン(株)製クレボゾール30R9、クレボゾール30R50、クレボゾール50R50など、デュポン社製ルドックス(商標)HS−40、ルドックスHS−30、ルドックスLS、ルドックスSM−30が挙げられる。
また、水溶性溶媒を分散媒体とするコロイダルシリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製MA−ST−M(粒子径が20〜25nmのメタノール分散タイプ)、IPA−ST(粒子径が10〜15nmのイソプロピルアルコール分散タイプ)、EG−ST(粒子径が10〜15nmのエチレングリコール分散タイプ)、EG−ST−ZL(粒子径が70〜100nmのエチレングリコール分散タイプ)、NPC−ST(粒子径が10〜15nmのエチレングリコールモノプロピルエーテール分散タイプ)が挙げられる。
また、これらコロイダルシリカは一種又は二種類以上組み合わせてもよい。少量成分として、アルミナ、アルミン酸ナトリウムなどを含んでいてもよい。また、コロイダルシリカは、安定剤として無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニアなど)や有機塩基(テトラメチルアンモニウムなど)を含んでいてもよい。
この金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径は、1〜200nmであると好ましく、1〜100nmであるとより好ましく、1〜50nmであると更に好ましい。この粒子径が200nm以下であると、金属酸化物粒子(A)の表面積が大きくなり、金属酸化物粒子(A)と重合体粒子(B)との相互作用が一層効率的に起こるという効果が奏される。また、金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径が200nm以下であると、塗膜を形成したときに最適な粒子間空隙を形成でき、有機物質の長所及び無機物質の長所の両立にも効果的である。粒子径が1nm以上の場合、組成物の貯蔵安定性が良好となる。ここで、金属酸化物粒子(A)及び後述の酸化チタン粒子(C)の数平均粒子径は動的光散乱方式の湿式粒子径測定装置(例えば、日機装社製の湿式粒度分布計、商品名「マイクロトラックUPA−9230」)によって測定される。この数平均粒子径は、動的光散乱方式の湿式粒子径測定装置によるものとレーザー回折/散乱式の湿式粒子径測定装置によるものとの間で検量線を作成し、その検量線を用いて、レーザー回折/散乱式の測定装置で測定した数平均粒子径を動的光散乱方式の測定装置で測定したものに換算することで決定されてもよい。
また、本実施形態に係る酸化チタン粒子(C)は、光触媒機能を有するものである。本実施形態の塗膜においては、酸化チタン粒子(C)が必須であり、本発明者らは、アナターゼ型酸化チタン100質量部に対するシリカ及び/又はアルミナの被覆量が30〜50質量部である酸化チタン(C)が光触媒機能を有し、基材上に保護層を設けることなく直接形成しても基材の劣化を招かない性能を発現することを発見した。シリカ及び/又はアルミナの被覆量が50質量部以下であることにより、光触媒機能を有し、30質量部以上であることにより、基材上に保護層を設けることなく直接形成しても基材の劣化を招かない性能を発現する。
本発明者らは、本実施形態の塗膜構造と酸化チタン粒子(C)との組み合わせが、塗膜に適度の親水性を付与し、塗膜の優れた性能に繋がっていると考えている。
本実施形態の組成物における酸化チタン粒子(C)の含有量は、金属酸化物粒子(A)、重合体粒子(B)及び酸化チタン粒子(C)の合計質量に対して3〜30質量%の範囲にあると好ましく、5〜20質量%であるとより好ましい。組成物は、酸化チタン粒子(C)を含有することにより、優れた塗膜性能を発現する。酸化チタン粒子(C)の含有量が30質量%以下であることにより、塗膜は親水性を適度に維持して、塗膜基板に対する亀裂発生などの悪影響を抑制する。また、その含有量が3質量%以上であることにより、優れた防汚性を確保することができる。
本実施形態に係る酸化チタン粒子(C)の数平均粒子径は1〜200nmであると好ましく、1〜100nmであるとより好ましく、1〜50nmであると更に好ましい。この粒子径が200nm以下であると、透明性に一層優れるという効果が奏される。
本実施形態に係る塗膜は、光触媒の光励起によって、水との接触角が好ましくは10°〜40°、より好ましくは15°〜30°の親水性を呈する。また、本実施形態に係る塗膜は、JIS R 1703−2に基づくセルフクリーニング性試験による活性指数が5〜20の光触媒活性を有することもできる。この性能は、本実施形態の塗膜が酸化チタン粒子(C)を適度な含有量で含有する時に発現される。
ここで、光触媒活性は、例えば、光触媒塗膜に光照射した際の、その塗膜と接触した材料における色素等の有機物の分解性を測定することにより判定することができる。光触媒活性を有する表面は、優れた汚染有機物質の分解活性や耐汚染性を発現する。ここで、光照射は光触媒のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーの光の光源を用いて行う。光源としては、太陽光や室内照明灯等の一般住宅環境下で得られる光の他、ブラックライト、キセノンランプ、水銀灯、LED等の光が利用できる。光の照度は、0.001mW/cm2以上であることが好ましく、0.01mW/cm2以上であるとより好ましく、0.1mW/cm2以上であると更に好ましい。
本実施形態に係る重合体粒子(B)としては、乳化重合等の方法で得られた重合体粒子(B)を用いることができる。重合体粒子(B)を構成するポリマーとしては、水性媒体中でのラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などによって得られる従来公知のポリ(メタ)アクリレート系、ポリビニルアセテート系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン酢酸ビニル系、シリコーン系、フッ素系、ポリブタジエン系、スチレンブタジエン系、NBR系、ポリ塩化ビニル系、塩素化ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリスチレン系、塩化ビニリデン系、ポリスチレン−(メタ)アクリレート系、スチレン−無水マレイン酸系に代表される単重合体又は共重合体、シリコーン変性アクリル系、フッ素−アクリル系、アクリル−シリコーン系、エポキシ−アクリル系に代表される変性共重合体が挙げられる。これらは水分散体の状態にあり、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。その好適な例としては、アクリルエマルジョン、アクリルシリコンエマルジョンが挙げられる。重合体粒子(B)は、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の単量体の乳化重合により得ることができる。
更に、重合体粒子(B)は、金属酸化物粒子(A)及び酸化チタン粒子(C)との相互作用を高めるような官能基を有することが好ましい。
相互作用としては、例えば、重合体粒子(B)が水酸基を有する場合は、金属酸化物粒子(A)及び酸化チタン粒子(C)が有する水酸基との縮合や水素結合が挙げられる。重合体粒子(B)が加水分解性基を有する場合は、金属酸化物粒子(A)及び酸化チタン粒子(C)が有する水酸基と加水分解性基との間の縮合が挙げられる。これらの相互作用により、耐候性に優れた塗膜を形成できる。また、重合体粒子(B)が、2級及び/又は3級アミド基や水酸基等、水素結合形成可能な官能基を有する場合は、それらの官能基と、金属酸化物粒子(A)の水酸基との間の水素結合が挙げられる。
重合体粒子(B)は、さらに、上記ポリマーに含まれる官能基と反応する官能基を有する化合物を含んでもよい。そのような化合物としては、例えば、(ポリ)イソシアネート化合物、(ポリ)エポキシ化合物、アミノ化合物、(ポリ)カルボキシ化合物、(ポリ)ヒドロキシ化合物、グリコール化合物、シラノール化合物、シリル化合物、アルコキシ化合物、(メタ)アクリレート類が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本実施形態の重合体粒子(B)として、水及び乳化剤の存在下に加水分解性珪素化合物及び、ビニル単量体を重合して得られる粒子径が10〜800nmである重合体粒子(B)用いると、得られる塗膜は、耐候性に優れ好ましい。
本実施形態の重合体粒子(B)を製造するのに用いることができるビニル単量体としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル類の他、カルボキシル基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル系単量体、グリシジル基含有ビニル単量体、カルボニル基含有ビニル単量体、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体、アニオン型ビニル単量体のような官能基を含有する単量体等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸エステルの例としては、アルキル部の炭素数が1〜50の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、エチレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートの具体例としては、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
なお、本明細書中で、(メタ)アクリルとはメタクリル又はアクリルを簡便に表記したものである。
上記カルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、無水マレイン酸、又はイタコン酸、マレイン酸、フマール酸などの2塩基酸のハーフエステル等が挙げられる。カルボン酸基含有のビニル単量体を用いることによって、重合体エマルジョン粒子にカルボキシル基を導入することができ、エマルジョンとしての安定性を向上させ、外部からの分散破壊作用に抵抗力を持たせることが可能となる。この際、導入したカルボキシル基は、一部又は全部を、アンモニアやトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン類やNaOH、KOH等の塩基で中和することもできる。
カルボキシル基含有ビニル単量体の使用量は、1種又は2種以上の混合物として、全ビニル単量体中において0〜50質量%である事が耐水性の面から好ましい。
また、上記水酸基含有ビニル単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルや、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチルモノブチルフマレート、アリルアルコールやエチレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、さらには、「プラクセルFM、FAモノマー」(ダイセル化学(株)製の、カプロラクトン付加モノマーの商品名)や、その他のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類が挙げられる。上記(ポリ)オキシエチレン(メタ)アクリレートの具体例としては、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。また、(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アクリレートの具体例としては、(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール等が挙げられる。
上述した水酸基含有ビニル単量体の使用量は、1種又は2種以上の混合物として、全ビニル単量体中において好ましくは0〜80質量%、より好ましくは0.1〜50質量%である。
また、上記グリシジル基含有ビニル単量体としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルジメチルグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記カルボニル基含有ビニル単量体としては、例えばアクロレイン、ホルミルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、アクリルオキシアルキルプロパナール類、メタクリルオキシアルキルプロパナール類、ダイアセトンアクリレート、ダイアセトンメタクリレート、アセトニトリルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、ブタンジオールアクリレートアセチルアセテート等が挙げられる。
グリシジル基含有ビニル単量体や、カルボニル基含有ビニル単量体を使用すると、重合体エマルジョン粒子が反応性を有し、ヒドラジン誘導体やカルボン酸誘導体、イソシアネート誘導体等により架橋させて耐溶剤性等の優れた有機・無機複合体の形成が可能となる。グリシジル基含有ビニル単量体や、カルボニル基含有ビニル単量体の使用量は、全ビニル単量体中において好ましくは0〜50質量%である。
2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体の例としては、N-アルキル又はN-アルキレン置換(メタ)アクリルアミドを例示することができ、具体的には、例えばN-メチルアクリルアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-エチルメタクリルアミド、N-メチル-N-エチルアクリルアミド、N-メチル-N-エチルメタクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-n-プロピルアクリルアミド、N-イソプロピルメタクリルアミド、N-n-プロピルメタクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N-アクリロイルピロリジン、N-メタクリロイルピロリジン、N-アクリロイルピペリジン、N-メタクリロイルピペリジン、N-アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N-アクリロイルモルホリン、N-メタクリロイルモルホリン、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、N,N’-メチレンビスメタクリルアミド、N-ビニルアセトアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。
上記以外のビニル単量体の具体例としては、例えば(メタ)アクリルアミド、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、ブタジエン等のジエン類、塩化ビニル、塩化ビニリデンフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン等のハロオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類、酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニル等のカルボン酸イソプロペニルエステル類、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物、酢酸アリル、安息香酸アリル等のアリルエステル類、アリルエチルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、さらに4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6,−ペンタメチルピペリジン、パーフルオロメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピロメチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリル等やそれらの併用が挙げられる。
本実施形態においては、ビニル単量体の重合生成物の分子量を制御する目的で、連鎖移動剤を使用してもよい。
かかる連鎖移動剤の一例としては、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンのようなアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタンのような芳香族メルカプタン類;チオリンゴ酸のようなチオカルボン酸又はそれらの塩若しくはそれらのアルキルエステル類、又はポリチオール類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジ(メチレントリメチロールプロパン)キサントゲンジスルフィド及びチオグリコール、さらにはα−メチルスチレンのダイマー等のアリル化合物等が挙げられる。
これら連鎖移動剤の使用量は、全ビニル単量体に対して好ましくは0.001〜30質量%、さらに好ましくは0.05〜10質量%の範囲で用いることができる。
加水分解性珪素化合物に対するビニル単量体の質量比は、5/95〜95/5、好ましくは10/90〜90/10である。
本実施形態の重合体粒子(B)を製造するのに用いる上記加水分解性珪素化合物としては、下記式(1)で表される化合物やその縮合生成物、シランカップリング剤を例示することができる。
SiWxRy (1)
式(7)中、Wは炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基、アミド基から選ばれた少なくとも1種の基を表す。Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び、置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数である。
また、x+y=4である。
ここでシランカップリング剤とは、ビニル重合性基、グリシジル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、イソシアネート基等の有機物と反応性を有する官能基が分子内に存在する、加水分解性珪素化合物を表す。
上記式(1)で表される加水分解性珪素化合物の一態様である珪素アルコキシド及びシランカップリング剤の具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン類;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン類が挙げられる。
また、これらの珪素アルコキシドやシランカップリング剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
上記珪素アルコキシドやシランカップリング剤が縮合生成物として使用されるとき、該縮合生成物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは200〜5000であり、より好ましくは300〜1000である。
上記珪素アルコキシドの中では、四官能の珪素アルコキシドを用いることが好ましく、中でも加水分解速度が速い、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランを用いることがより好ましい。
また、フェニル基を有する珪素アルコキシド、例えばフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等が、水及び乳化剤の存在下における重合安定性に優れるため非常に好ましい。
シランカップリング剤の中で、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル等のビニル重合性基を有するシランカップリング剤や、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオール基を有するシランカップリング剤は、ビニル単量体との共重合又は連鎖移動反応により化学結合を生成することが可能である。
このため、加水分解性珪素化合物として、ビニル重合性基やチオール基を有するシランカップリング剤を、単独で又は上述した珪素アルコキシド、他のシランカップリング剤、それらの縮合生成物と混合若しくは複合化させて用いると、重合体粒子(B)を構成する、加水分解性珪素化合物の重合生成物とビニル単量体の重合生成物とは、化学結合により複合化できる。このような加水分解性珪素化合物の重合生成物とビニル単量体の重合生成物とが化学結合により複合化した重合体粒子(B)を用いると、耐候性、強度等に優れた塗膜を形成することができるため、非常に好ましい。
したがって、本実施形態において、加水分解性珪素化合物としてビニル重合性基を有するシランカップリング剤又はチオール基を有するシランカップリング剤を用いることが耐候性の面から特に好ましく、特にビニル重合性基を有するシランカップリング剤が好ましい。その配合量は重合体粒子(B)100質量部に対して0.01以上20質量部以下であることが重合安定性の面から好ましい。より好ましくは、0.1以上10質量部以下である。
本実施形態においては、加水分解性珪素化合物として、上述したものに加えて、環状シロキサンオリゴマーを併用して用いることができる。環状シロキサンオリゴマーの併用により、柔軟性等に優れた複合体を形成することができる。
上記環状シロキサンオリゴマーとしては、下記一般式(2)で表される化合物を例示することができる。
(R’2SiO)m (2)
式中、R’は、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び、置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示す。mは整数であり、2≦m≦20である。
上記環状シロキサンオリゴマーの中で、反応性等の点からオクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状ジメチルシロキサンオリゴマーが好ましい。
また、本実施形態において、重合体粒子(B)を製造する際に、加水分解性珪素化合物と共に、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、それらの縮合生成物、又は、それらのキレート化物を併用して用いることもできる。これらの化合物の併用により、耐水性等に優れた塗膜を形成することができる。
上記チタンアルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタンが挙げられる。
上記チタンアルコキシドが縮合生成物として使用されるとき、該縮合生成物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは200〜5000、より好ましくは300〜1000である。
また、上記ジルコニウムアルコキシドの具体例としては、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−i−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−tert−ブトキシジルコニウムが挙げられる。
上記ジルコニウムアルコキシドが縮合生成物として使用されるとき、該縮合生成物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは200〜5000、より好ましくは300〜1000である。
重合体粒子(B)を製造する際に、加水分解性珪素化合物と共に、遊離の金属化合物に配位してキレート化物を形成するキレート化剤を併用することもできる。
遊離の金属化合物に配位させてキレート化物を形成するのに好ましいキレート化剤としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;アセチルアセトン;アセト酢酸エチルなどであって分子量1万以下のものを例示することができる。これらのキレート化剤を用いることにより、加水分解性珪素化合物の重合速度を制御することができ、水及び乳化剤の存在下における重合安定性を向上させるため非常に好ましい。この際、キレート化剤は、これを配位させる遊離の金属化合物の金属原子1モル当たり、0.1モル〜2モルの割合で用いると効果が大きく好ましい。
本実施形態において、重合体粒子の合成に用いることができる乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤、酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤や、例えばアルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤やラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤等を例示することができる。
これらの乳化剤の中で、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤を選択すると、本実施形態の重合体粒子の水分散安定性が非常に良好になると共に、該重合体粒子を含有する塗膜は、耐水性に優れるため、非常に好ましい。
上記ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤としては、例えばスルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体、硫酸エステル基を有するビニル単量体やそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、ポリオキシエチレン等のノニオン基を有するビニル単量体、四級アンモニウム塩を有するビニル単量体が挙げられる。
上記反応性乳化剤の具体例は、スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体の塩の場合、ラジカル重合性の二重結合を有し、かつスルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基、炭素数6又は10のアリール基及びコハク酸基からなる群から選ばれる置換基を有する化合物であるか、スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基が結合しているビニル基を有するビニルスルホネート化合物である。硫酸エステル基を有するビニル単量体の場合、ラジカル重合性の二重結合を有し、かつ硫酸エステル基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基及び炭素数6又は10のアリール基からなる群から選ばれる置換基を有する化合物が例示される。
上記スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換されたコハク酸基を有する化合物の具体例としては、アリルスルホコハク酸塩が挙げられる。これらの具体例として、例えば、エレミノールJS−2(商品名)(三洋化成(株)製)、ラテムルS−120、S−180A又はS−180(商品名)(花王(株)製)が挙げられる。
また、上記スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数2〜4のアルキルエーテル基又は炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基を有する化合物の具体例として、例えばアクアロンHS−10又はKH−1025(商品名)(第一工業製薬(株)製)、アデカリアソープSE−1025N又はSR−1025(商品名)(旭電化工業(株)製)が挙げられる。
その他、スルホネート基により一部が置換されたアリール基を有する化合物の具体例として、p−スチレンスルホン酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられる。
上記スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基が結合しているビニル基を有するビニルスルホネート化合物として、例えば、2−スルホエチルアクリレート等のアルキルスルホン酸(メタ)アクリレートやメチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、アリルスルホン酸等のアンモニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられる。
また、上記の硫酸エステル基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩により一部が置換された炭素数2〜4のアルキルエーテル基又は炭素数2〜4のポリアルキエーテル基を有する化合物としては、例えばスルホネート基により一部が置換されたアルキルエーテル基を有する化合物が挙げられる。
ノニオン基を有するビニル単量体の具体例としては、α−〔1−〔(アリルオキシ)メチル〕−2−(ノニルフェノキシ)エチル〕−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン(商品名:アデカリアソープNE−20、NE−30、NE−40等、旭電化工業(株)製)、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル(商品名:アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50等、第一製薬工業(株)製)が挙げられる。
上記乳化剤の使用量は、重合体粒子(B)100質量部に対して、10質量部以下となる範囲が適切であり、なかでも、0.001〜5質量部となる範囲が好ましい。
また、上記乳化剤以外に、本実施形態の重合体粒子(B)の水分散安定性を向上させる目的で分散安定剤を使用することもできる。該分散安定剤としては、ポリカルボン酸及びスルホン酸塩からなる群から選ばれる各種の水溶性オリゴマー類や、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミド、水溶性又は水分散性アクリル樹脂などの合成又は天然の水溶性又は水分散性の各種の水溶性高分子物質が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物を使用することができる。
これらの分散安定剤を使用する場合、その使用量としては、重合体粒子(B)100質量部に対して、10質量部以下となる範囲が適切であり、なかでも、0.001〜5質量部となる範囲が好ましい。
本発明形態において、加水分解性珪素化合物及びビニル単量体の重合は、重合触媒存在下で実施するのが好ましい。
ここで、加水分解性珪素化合物の重合触媒としては、塩酸、フッ酸等のハロゲン化水素類、酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸等のカルボン酸類、硫酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤類、酸性又は弱酸性の無機塩、フタル酸、リン酸、硝酸のような酸性化合物類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシランのような塩基性化合物類;ジブチル錫オクチレート、ジブチル錫ジラウレートのような錫化合物が挙げられる。
これらの中で、加水分解性珪素化合物の重合触媒としては、重合触媒のみならず乳化剤としての作用を有する酸性乳化剤類、特に炭素数が5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸(ドデシルベンゼンスルホン酸等)が非常に好ましい。
一方、ビニル単量体の重合触媒としては、熱又は還元性物質などによってラジカル分解してビニル単量体の付加重合を起こさせるラジカル重合触媒が好適であり、水溶性又は油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が使用される。その例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が挙げられ、その配合量は、全ビニル単量体100質量部に対して、0.001〜5質量部であると好ましい。なお、重合速度の促進、及び70℃以下での低温の重合を望む場合、例えば、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合触媒と組み合わせて用いると有利である。
加水分解性珪素化合物及びビニル単量体の重合は、別々に実施することも可能であるが、同時に実施することにより複合化が達成できるので好ましい。
本実施形態において、重合体粒子(B)の粒子径は10〜800nmであることが好ましい。重合体粒子(B)をこのような粒子径の範囲に調整し、粒子径が100nm以下のコロイダルシリカと組み合わせた塗膜は、耐候性、防汚性に特に優れていて好ましい。また、重合体粒子(B)の粒子径は20〜300nmであると、得られる塗膜の透明性が向上し、より好ましい。
このような粒子径の重合体粒子(B)を得る方法として、乳化剤がミセルを形成するのに十分な量の水の存在下に加水分解性珪素化合物及びビニル単量体を重合する、いわゆる乳化重合が最も適した方法である。
乳化重合の具体的な方法としては、例えば、加水分解性珪素化合物及びビニル単量体は、そのまま、又は乳化した状態で、一括若しくは分割で、又は連続的に反応容器中に滴下し、重合触媒の存在下、好ましくは大気圧から必要により10MPaの圧力下で、約30〜150℃の反応温度で重合する方法が挙げられる。場合によっては、これ以上の圧力で、又はこれ以下の温度条件で重合を行ってもよい。加水分解性珪素化合物及び全ビニル単量体量の総量と水との比率は、最終的に生成する固形分量が好ましくは0.1〜70質量%、より好ましくは1〜55質量%の範囲になるように設定する。また、乳化重合の際に粒子径を成長又は制御するために、予め水相中にエマルジョン粒子を存在させて重合させるシード重合法によってもよい。重合系中のpHは、好ましくは1.0〜10.0、より好ましくは1.0〜6.0の範囲である。pHは、燐酸二ナトリウムやボラックス、又は、炭酸水素ナトリウム、アンモニアなどのpH緩衝剤を用いて調節することが可能である。
また、本実施形態に係る重合体粒子(B)を得る方法として、加水分解性珪素化合物を重合させるのに必要な水及び乳化剤の存在下に、加水分解性珪素化合物及びビニル単量体を、必要により溶剤存在下で重合した後、重合生成物がエマルジョンとなるまで水を添加する手法も適用できる。ただし、上述の乳化重合による方法の方が、得られた重合体粒子(B)の粒子径制御が容易である点で好ましい。
本実施形態において、重合体粒子(B)が、シェルが1層又は2層以上の層から形成されるコア/シェル構造であると、該重合体粒子(B)を含有する光触媒塗膜は機械的物性(強度と柔軟性のバランス等)に優れるので好ましい。
上記コア/シェル構造の重合体粒子(B)を製造する方法として、多段乳化重合が非常に有用である。ここで、多段乳化重合とは、加水分解性珪素化合物やビニル単量体を含む組成の異なる2種類以上の反応溶液を調製し、これらを別々の段階に分けて重合することを意味する。以下に、多段乳化重合の中で最も単純で有用な2段乳化重合による重合体粒子(B)の合成を例に、多段乳化重合による重合体粒子(B)の合成について説明する。
本実施形態において、2段乳化重合による重合体粒子(B)の合成として、例えば、水及び乳化剤の存在下で、ビニル単量体及び/又は加水分解性珪素化合物を重合して得られるシード粒子を存在させ、加水分解性珪素化合物とビニル単量体とをそれぞれ重合する方法を例示できる。
上記2段乳化重合による重合体粒子(B)の合成は、第1系列(ビニル単量体及び/又は加水分解性珪素化合物)を供給して乳化重合する第1段の重合と、第1段に引き続き、第2系列(ビニル単量体及び/又は加水分解性珪素化合物)を供給し、水性媒体中において乳化重合する第2段の重合とからなる2段階の重合工程により行われる。この際、第1系列中の固形分質量(M1)と第2系列中の固形分質量(M2)との質量比((M1)/(M2))は、好ましくは9/1〜1/9、より好ましくは8/2〜2/8である。
このような多段乳化重合の特徴は、第1段の重合で得られたシード粒子(コア)による粒子径に対して、粒径分布(体積平均粒子径/数平均粒子径)の大きな変化なしに(好ましくは単分散の状態で)、第2段の重合によって得られる重合体粒子の粒径が大きくなることが挙げられる。
また、コア/シェル構造の確認は、例えば、透過型電子顕微鏡等による形態観察や粘弾性測定による解析等により実施することが可能である。
本実施形態において、3段以上の多段乳化重合を実施する場合は、上述した2段重合による重合体粒子(B)の合成例を参考に、重合する系列の数を増加させれば良い。
本実施形態の組成物では、金属酸化物粒子(A)の総表面積と重合体粒子(B)の総表面積と酸化チタン粒子(C)の総表面積との合計に対して、重合体粒子(B)の総表面積が2〜40%の範囲にあることが重要である。これによって、得られる塗膜が、無機物質である金属酸化物粒子の長所である耐候性、耐水性、防汚性などを十分良好に示すことができる。また、このような組成の塗膜では、その表面の粒子のみならず内部の粒子も防汚性、光触媒活性などに寄与できる点でも有効である。したがって、例えば酸化チタン粒子(C)の少ない量で、あるいは、薄い膜厚にしても高い光触媒活性を示すことができる点で優れる。これらの効果は、特に、金属酸化物粒子(A)及び酸化チタン粒子(C)の数平均粒子径が1〜200nmであり、重合体粒子(B)の数平均粒子径が10〜800nmである場合、一層優れたものとなる。
なお、金属酸化物粒子(A)、重合体粒子(B)、及び酸化チタン粒子(C)の表面積は、電子顕微鏡や光学顕微鏡で粒子を観察した後にその画像を画像解析ソフトで解析することで得られる。この粒子の表面積は、電子顕微鏡や光学顕微鏡で粒子を観察した後にその画像を画像解析ソフトで解析することで得られる表面積と、粒子径測定装置を用いて測定される粒子径から換算することで得られる表面積又はKozeny−Carmanの式に基づく空気透過法によって測定される表面積との間で検量線を作成し、その検量線を用いて、後者の方法により得られた表面積を前者の方法による表面積に換算することで決定されてもよい。
また、本実施形態の組成物では、金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径よりも重合体粒子(B)の数平均粒子径の方が大きいと好ましい。このことによって、有機物質の長所である、柔軟性や密着性が更に効果的に示されることとなる。
さらに、本実施形態において、重合体粒子(B)の質量%は、金属酸化物粒子(A)と重合体粒子(B)と酸化チタン粒子(C)の合計に対して10〜70質量%であることが好ましい。これにより、耐候性、防汚性、塗膜柔軟性、密着性、透明性を更に良好にできるという効果が奏される。
本実施形態の組成物は、金属酸化物粒子(A)が連続相を形成し、重合体粒子(B)及び酸化チタン粒子(C)が上記連続相中に分散した状態、言い換えると、金属酸化物(A)が海に相当し重合体粒子(B)及び酸化チタン粒子(C)が島に相当するいわゆる海島構造にあると好ましい。かかる構造の塗膜においては、優れた耐候性、防汚性を示すことができる。
このような状態は、透過型電子顕微鏡による観察で確認することができる。無機物質である金属酸化物粒子(A)が連続相を形成することにより、この組成物から形成される塗膜は、その長所である耐水性、耐候性、防汚性等に一層優れたものとなる。一方、有機物質を主成分とする重合体粒子(B)は連続相を形成していないと好ましく、その重合体粒子(B)の粒子径(数平均粒子径)及び粒子表面積を制御することで、密着性、柔軟性などを発揮することが可能となる。したがって、本実施形態の組成物は、有機物質の長所と無機物質の長所とをよりバランスよく備えることができる。
また、本実施形態の組成物は、乳化剤及び/又は分散安定剤を含有してもよい。乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸に代表される酸性乳化剤、酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸に代表されるアニオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、アルキルピリジニウムブロマイド、イミダゾリニウムラウレートに代表される四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルに代表されるノニオン型界面活性剤やラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤等を例示することができる。
上記ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤としては、例えば、スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体、硫酸エステル基を有するビニル単量体やそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、ポリオキシエチレンに代表されるノニオン基を有するビニル単量体、四級アンモニウム塩を有するビニル単量体が挙げられる。
分散安定剤としては、例えば、ポリカルボン酸及びスルホン酸塩からなる群より選ばれる各種の水溶性オリゴマー類、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミド、水溶性若しくは水分散性アクリル樹脂に代表される合成若しくは天然の水溶性又は水分散性の各種の水溶性高分子物質が挙げられる。これらの乳化剤、分散安定剤は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
本実施形態の組成物は、本発明の目的の達成を阻害しない範囲において、その他の成分を含んでもよい。例えば、この複合組成物を塗布した基体との相互作用を制御する目的で、アルコール類などの有機溶剤を少量添加することもできる。また、本実施形態の組成物の用途及び使用方法などに応じて、通常の塗料や成型用樹脂に添加配合される成分、例えば、増粘剤、レベリング剤、チクソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、成膜助剤、防錆剤、染料、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤又は帯電調整剤等を選択し組み合わせて配合してもよい。
以上説明した本実施形態の組成物は、有機物質を多く含んでも無機物質の優れた耐水性、耐候性、防汚性を示す塗膜を形成可能なものである。
本実施形態の組成物を各種形状に成形して固形化することにより、塗膜が得られる。例えば、本実施形態の組成物を各種基体の表面に塗布して乾燥することにより、基体上に形成された塗膜が得られる。組成物を塗布する基体材料としては、例えば合成樹脂、天然樹脂、繊維に代表される有機基材、金属、セラミックス、ガラス、石、セメント、コンクリートに代表される無機基材や、それらの組み合わせが挙げられる。
上記有機基材としては、例えば、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂;ポリスチレンやABS樹脂などのスチレン系樹脂;ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;6−ナイロンや6,6−ナイロンなどのポリアミド系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリフェニレンサルファイド系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルイミド系樹脂;セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂などからなる基材が挙げられる。
また、窯業系建材ボードなどの外壁材であって、上塗り塗料がアクリル樹脂系塗料、アクリルシリコン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料であるものも有機基材に含まれる。これらの中でも、上塗り塗料がアクリルシリコン樹脂系塗料のものを基材として用いる場合、密着性や耐候性が優れた塗装製品を得ることができる。
基材が樹脂板や繊維である場合、その表面は、コロナ放電処理やフレーム処理、プラズマ処理等の表面処理が施されていてもよいが、これらの表面処理は必須ではない。
上記基材の材料の種類や膜厚は用途に応じて使い分けることができる。
本実施形態の組成物は、その用途等に応じて、任意の方法で塗布され得る。塗布方法としては、例えば、スプレー吹き付け(コーティング)法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、バーコート法が挙げられる。
本実施形態の組成物を塗布した後、乾燥して揮発分を除去することにより塗膜が得られる。この際、40℃〜120℃程度の温度で加熱処理を行ってもよく、紫外線照射等を行ってもよい。上記塗膜の厚さは0.1〜10μmであると好ましく、より好ましくは0.5〜5μmである。この厚さが10μm以下であることにより、更に良好な透明性を確保することができ、0.1μm以上であることにより、防汚性、光触媒活性等の機能をより高いレベルで発現することができる。
なお、本実施形態に係る塗膜は、必ずしも連続膜である必要はなく、不連続膜、島状分散膜等の態様であってもよい。
本実施形態において、塗装製品は、基材と、その基材上に形成された上記塗膜とを備えるものであり、塗膜はコーティングとして有用である。この塗装製品は、本実施形態の塗膜を備える他は公知の態様と同様であればよい。本実施形態の塗装製品の具体例としては、例えば、建材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、各種レンズ、構造部材、住宅等建築設備、車両用照明灯のカバー及び窓ガラス、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、表示機器、そのカバー、交通標識、各種表示装置、広告塔等の表示物、道路用及び鉄道用等の遮音壁、橋梁、ガードレールの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー等外部で用いられる電子、電気機器の外装部、特に透明部材、ビニールハウス、温室等の外装が挙げられる。この塗装製品は、基材の表面に本実施形態の組成物を塗布し乾燥することによって得られてもよいが、その製造方法はこれに限定されない。例えば、基材と塗膜とを同時に成形してもよく、より具体的には一体成形してもよい。また、本実施形態の塗膜をある基材上に成形した後、その塗膜をその基材から剥離させた又はその基材と密着させた状態で、別の基材に接着、融着等により密着させてもよい。
本実施形態の組成物は、各種の水系塗料に含有されてもよい。かかる塗料は耐候性、耐水性、防汚性に優れた塗膜を形成可能となる。
以上説明した本実施形態の塗膜は、金属酸化物粒子(A)を含む連続相と、前記連続相中に分散する、重合体粒子(B)とアナターゼ型酸化チタン粒子の表面に質量比がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してシリカ及び/又はアルミナが30〜50質量部被覆した酸化チタン粒子(C)と、を含有する構造を有する。また、本実施形態の光触媒塗膜は、金属酸化物粒子(A)の総表面積と重合体粒子(B)の総表面積とアナターゼ型酸化チタン粒子の表面に質量比がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してシリカ及び/又はアルミナが30〜50質量部被覆した酸化チタン粒子(C)との合計に対して重合体粒子(B)の総表面積が2〜40%の範囲にある。そのような構造を有する塗膜を形成するためには、その塗膜の原料となる組成物における各成分の比率、粒子表面積が重要な因子の一つとなる。
本実施形態の塗膜は、耐候性、耐水性、防汚性などの耐久性に優れており、建築物の外装塗料・塗膜などを含む広い用途に用いることができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例において、各種物性を下記の方法で測定した。
1.表面積
各粒子の総表面積は、各組成物を透過型電子顕微鏡で観察し、その画像を画像解析ソフト(旭化成エンジニアリング株式会社製の画像解析ソフト、商品名「A像くん」)で解析することで導出した。
2.数平均粒子径
湿式粒度分析計(日機装社製、商品名「マイクロトラックUPA−9230」)を用いて測定した。ローディングインデッスクが2±0.2となるように、セル内の試料に水を加えて濃度を調製し、測定を行った。
3.固形分濃度
調製した試料約2gをアルミ皿にとり、150℃で1時間加熱した。加熱前後の試料の質量を測定し、その差(加熱残分)から固形分濃度を計算した。
4.塗膜厚さ
塗膜の厚さを、ハロゲン光源装置(MORITEX社製、商品名「MHF−D100LR」)を装着した膜厚測定装置(SPECTRA・COOP社製、商品名「HandyLambda II THICKNESS」)を用いて測定した。
5.外観(色差)
カラーガイド(BYK Gardner社製)を用いて標準板からの色差を求めた。
6.接触角
塗膜の表面に水滴を載せ、20℃で10秒間静置した後、接触角計(協和界面科学社製、商品名「DROP MASTER 500」)を用いて、その水の接触角を測定した。
7.耐候性
スガ試験機社製のサンシャインウエザーメーターを用いて曝露試験(ブラックパネル温度63℃、降雨18分/2時間)を行い、曝露前と曝露開始2000時間後との間での色差を上記5の方法で測定し、接触角を上記6の方法で測定した。曝露前の色差を標準とし、曝露前後の状態変化をΔEとして評価した。
上記色差ΔEは、0に近いほど曝露前の色合いに近いということであり、耐候性が優れているということである。ΔEが2以下であるものを合格とした。
上記接触角は、小さいほど防汚性(耐候性)が良好であるものと判断した。
曝露後の接触角が35°以下であるものを合格とした。
8.防汚性
試験板を一般道路(トラック通行量500〜1000台/日程度)に面したフェンスに1年間貼りつけて汚染させた後、汚染の度合いを目視にて下記のように評価した。
◎:汚れなし。
○:全体的に少し汚れている。
△:やや雨スジ汚れがある。
×:著しい雨スジ汚れがある。
9.光触媒活性(分解指数)
塗膜についてJIS R 1703−2(ファインセラミックス−光触媒材料のセルフクリーニング性能試験方法−第2部:湿式分解性能)に準拠して湿式分解性能試験を実施し、波長664nmの吸光度から分解指数を求めた。このとき、メチレンブルーとして、和光純薬工業社製のメチレンブルー三水和物を用いた。吸光度の測定には、紫外・可視分光光度計(日本分光社製、商品名「V−550」)を用いた。
[製造例1]
重合体粒子(B−1)の水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水500g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)8.0g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液15gを投入した後、撹拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、メタクリル酸メチル400g、メタクリル酸シクロヘキシル250g、アクリル酸n−ブチル300g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20g、メタクリル酸30g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)40g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液50g、イオン交換水700gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で約4時間かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して2時間撹拌を続けた。室温まで冷却後、反応器中の液の水素イオン濃度を測定したところ、pH2.1であった。25質量%アンモニア水溶液を反応器中に添加して液のpHを8に調整した後、100メッシュの金網で濾過した。イオン交換水で固形分を10.0質量%に調整し、重合体粒子として数平均粒子径130nmの重合体粒子(B−1)の水分散体を得た。
[製造例2]
重合体粒子(B−2)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水400g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液2.57gを投入した後、撹拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン54.5g、フェニルトリメトキシシラン34.4g、メチルトリメトキシシラン1.0gからなる混合液と、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液15.0gとを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して約1時間撹拌を続けた。次に、メタクリル酸メチル24.6g、アクリル酸n−ブチル12.3g、フェニルトリメトキシシラン13.5g、テトラエトキシシラン31.4g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.2gからなる混合液と、アクリル酸1g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)1.2g、反応性乳化剤(商品名「アクアロンKH−1025」、第一工業製薬(株)製、固形分25質量%水溶液)0.7g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液8.5g、イオン交換水255gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。さらに、反応器中の温度を80℃に維持して約2時間撹拌を続けた後、室温まで冷却し、25質量%アンモニア水溶液を反応器中に添加して液のpHを8に調整した後、100メッシュの金網で濾過した。イオン交換水で固形分を10.0質量%に調整し、重合体粒子として数平均粒子径170nmの重合体粒子(B−2)の水分散体を得た。
[製造例3]
重合体粒子(B−3)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水385g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液15.0gを投入した後、撹拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン54.5g、フェニルトリメトキシシラン34.4g、メチルトリメトキシシラン1.0gからなる混合液と、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液15.0gとを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して約1時間撹拌を続けた。次に、アクリル酸n−ブチル12.3g、フェニルトリメトキシシラン13.5g、テトラエトキシシラン31.4g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.2gからなる混合液と、ジエチルアクリルアミド24.6g、アクリル酸1g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)1.2g、反応性乳化剤(商品名「アクアロンKH−1025」、第一工業製薬(株)製、固形分25質量%水溶液)0.7g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液8.5g、イオン交換水255gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。さらに、反応器中の温度を80℃に維持して約2時間撹拌を続けた後、室温まで冷却し、25質量%アンモニア水溶液を反応器中に添加して液のpHを8に調整した後、100メッシュの金網で濾過した。イオン交換水で固形分を10.0質量%に調整し、重合体粒子として数平均粒子径52nmの重合体粒子(B−3)の水分散体を得た。
[実施例1]
重合体粒子(B−1)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)50gと、シリカ30質量部被覆アナターゼ型酸化チタンゾル(珪酸ナトリウムを用いることで粒子表面をシリカで被覆したアナターゼ型酸化チタン粒子であり、質量比がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してシリカ30質量部、固形分20質量%、数平均粒子径15nm、以下「(C−1)」という。)、5.6gとを混合し攪拌することにより組成物(E−1)を得た。この組成物(E−1)中の重合体粒子(B−1)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子及び重合体粒子の総表面積(100%)に対して、14%であった。
次に、片面(裏面)に黒色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め1μmの膜厚で塗工した10cm×10cmの基板を準備した。この基板の片面(アクリルシリコーン樹脂側の面)に上記組成物(E−1)をバーコート法にて塗布した。その後、塗布した組成物(E−1)を70℃で10分間乾燥することにより、基板上に塗膜が形成された試験板(F−1)を得た。この試験板(F−1)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体粒子(B−1)及び酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(F−1)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例2]
重合体粒子(B−1)水分散体100gに代えて重合体粒子(B−2)水分散体100g(固形分10.0質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、組成物(E−2)及び試験板(F−2)を得た。この組成物(E−2)中の重合体粒子(B−2)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子及び重合体粒子の総表面積(100%)に対し、11%であった。また、試験板(F−2)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体粒子(B−2)及び酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(F−2)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例3]
重合体粒子(B−3)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)93gと、シリカ30質量部被覆アナターゼ型酸化チタンゾル(C−1)、8.0gとを混合し攪拌することにより組成物(E−3)を得た。この組成物(E−3)中の重合体粒子(B−3)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子及び重合体粒子の総表面積(100%)に対し、19%であった。
片面(裏面)に黒色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め1μmの膜厚で塗工した10cm×10cmの基板を準備した。この基板の片面(アクリルシリコーン樹脂側の面)に上記組成物(E−3)をバーコート法にて塗布した。その後、塗布した組成物(E−3)を70℃で10分間乾燥することにより、基板上に塗膜が形成された試験板(F−3)を得た。この試験板(F−3)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体粒子(B−3)及び酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(F−3)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例4]
重合体粒子(B−2)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)50gと、シリカ50質量部被覆アナターゼ型酸化チタンゾル(珪酸ナトリウムを用いることで粒子表面をシリカで被覆したアナターゼ型酸化チタン粒子であり、質量比がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してシリカ50質量部、固形分20質量%、数平均粒子径20nm、以下「(C−2)」という。)、5.6gとを混合し攪拌することにより組成物(E−4)を得た。この組成物(E−4)中の重合体粒子(B−2)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子及び重合体粒子の総表面積(100%)に対して、12%であった。
次に、片面(裏面)に黒色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め1μmの膜厚で塗工した10cm×10cmの基板を準備した。この基板の片面(アクリルシリコーン樹脂側の面)に上記組成物(E−4)をバーコート法にて塗布した。その後、塗布した組成物(E−4)を70℃で10分間乾燥することにより、基板上に塗膜が形成された試験板(F−4)を得た。この試験板(F−4)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体粒子(B−2)及び酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(F−4)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例5]
重合体粒子(B−2)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)50gと、アルミナ30質量部被覆アナターゼ型酸化チタンゾル(水酸化アルミニウムを用いることで粒子表面をアルミナで被覆したアナターゼ型酸化チタン粒子であり、質量比がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してアルミナ30質量部、固形分20質量%、数平均粒子径18nm、以下「(C−3)」という。)、5.6gとを混合し攪拌することにより組成物(E−5)を得た。この組成物(E−5)中の重合体粒子(B−2)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子及び重合体粒子の総表面積(100%)に対して、11%であった。
次に、片面(裏面)に黒色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め1μmの膜厚で塗工した10cm×10cmの基板を準備した。この基板の片面(アクリルシリコーン樹脂側の面)に上記組成物(E−5)をバーコート法にて塗布した。その後、塗布した組成物(E−5)を70℃で10分間乾燥することにより、基板上に塗膜が形成された試験板(F−5)を得た。この試験板(F−5)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体粒子(B−2)及び酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(F−5)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例6]
重合体粒子(B−2)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)187gと、シリカ30質量部被覆アナターゼ型酸化チタンゾル(C−1)、13gとを混合し攪拌することにより組成物(E−6)を得た。この組成物(E−6)中の重合体粒子(B−2)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子及び重合体粒子の総表面積(100%)に対し、3%であった。
片面(裏面)に黒色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め1μmの膜厚で塗工した10cm×10cmの基板を準備した。この基板の片面(アクリルシリコーン樹脂側の面)に上記組成物(E−6)をバーコート法にて塗布した。その後、塗布した組成物(E−6)を70℃で10分間乾燥することにより、基板上に塗膜が形成された試験板(F−6)を得た。この試験板(F−6)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体粒子(B−2)及び酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(F−6)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例7]
重合体粒子(B−3)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)36.1gと、シリカ30質量部被覆アナターゼ型酸化チタンゾル(C−1)4.8gとを混合し攪拌することにより組成物(E−7)を得た。この組成物(E−7)中の重合体粒子(B−3)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子及び重合体粒子の総表面積(100%)に対し、37%であった。
片面(裏面)に黒色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め1μmの膜厚で塗工した10cm×10cmの基板を準備した。この基板の片面(アクリルシリコーン樹脂側の面)に上記組成物(E−7)をバーコート法にて塗布した。その後、塗布した組成物(E−7)を70℃で10分間乾燥することにより、基板上に塗膜が形成された試験板(F−7)を得た。この試験板(F−7)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体粒子(B−3)及び酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(F−7)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例8]
重合体粒子(B−2)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)17.6gと、シリカ30質量部被覆アナターゼ型酸化チタンゾル(C−1)3.8gとを混合し攪拌することにより組成物(E−8)を得た。この組成物(E−8)中の重合体粒子(B−2)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子及び重合体粒子の総表面積(100%)に対し、26%であった。
片面(裏面)に黒色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め1μmの膜厚で塗工した10cm×10cmの基板を準備した。この基板の片面(アクリルシリコーン樹脂側の面)に上記組成物(E−8)をバーコート法にて塗布した。その後、塗布した組成物(E−8)を70℃で10分間乾燥することにより、基板上に塗膜が形成された試験板(F−8)を得た。この試験板(F−8)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体粒子(B−2)及び酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(F−8)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例9]
重合体粒子(B−2)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)50gと、シリカ30質量部被覆アナターゼ型酸化チタンゾル(C−1)11gとを混合し攪拌することにより組成物(E−9)を得た。この組成物(E−9)中の重合体粒子(B−2)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子及び重合体粒子の総表面積(100%)に対し、11%であった。
片面(裏面)に黒色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め1μmの膜厚で塗工した10cm×10cmの基板を準備した。この基板の片面(アクリルシリコーン樹脂側の面)に上記組成物(E−9)をバーコート法にて塗布した。その後、塗布した組成物(E−9)を70℃で10分間乾燥することにより、基板上に塗膜が形成された試験板(F−9)を得た。この試験板(F−9)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体粒子(B−2)及び酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(F−9)の各種評価結果を表1に示す。
[実施例10]
重合体粒子(B−2)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)64.5gと、シリカ30質量部被覆アナターゼ型酸化チタンゾル(C−1)28.5gとを混合し攪拌することにより組成物(E−10)を得た。この組成物(E−10)中の重合体粒子(B−2)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子及び重合体粒子の総表面積(100%)に対し、8%であった。
片面(裏面)に黒色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め1μmの膜厚で塗工した10cm×10cmの基板を準備した。この基板の片面(アクリルシリコーン樹脂側の面)に上記組成物(E−10)をバーコート法にて塗布した。その後、塗布した組成物(E−10)を70℃で10分間乾燥することにより、基板上に塗膜が形成された試験板(F−10)を得た。この試験板(F−10)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体粒子(B−2)及び酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(F−10)の各種評価結果を表1に示す。
[比較例1]
重合体粒子(B−2)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)897gと、シリカ30質量部被覆アナターゼ型酸化チタンゾル(C−1)53gとを混合し攪拌することにより組成物(E−11)を得た。この組成物(E−11)中の重合体粒子(B−2)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子及び重合体粒子の総表面積(100%)に対し、1%であった。
片面(裏面)に黒色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め1μmの膜厚で塗工した10cm×10cmの基板を準備した。この基板の片面(アクリルシリコーン樹脂側の面)に上記組成物(E−11)をバーコート法にて塗布した。その後、塗布した組成物(E−11)を70℃で10分間乾燥すると、ひび割れの多い塗膜が形成された試験板(F−11)を得た。この試験板(F−11)の各種評価結果を行わなかった。
[比較例2]
重合体粒子(B−2)水分散体100g(固形分10.0質量%)に、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)7gと、シリカ30質量部被覆アナターゼ型酸化チタンゾル(C−1)3gとを混合し攪拌することにより組成物(E−12)を得た。この組成物(E−12)中の重合体粒子(B−2)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子及び重合体粒子の総表面積(100%)に対し、43%であった。
片面(裏面)に黒色印刷が施されたガラス板の別の片面(表面)にアクリルシリコーン樹脂を予め1μmの膜厚で塗工した10cm×10cmの基板を準備した。この基板の片面(アクリルシリコーン樹脂側の面)に上記組成物(E−12)をバーコート法にて塗布した。その後、塗布した組成物(E−12)を70℃で10分間乾燥することにより、塗膜が形成された試験板(F−12)を得た。この試験板(F−12)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子及び重合体粒子(B−2)が均一に分散している様子が確認できた。この試験板(F−12)の各種評価結果を表1に示す。
[比較例3]
シリカ30質量部被覆アナターゼ型酸化チタンゾル(C−1)に代えてアナターゼ型酸化チタンゾル(商品名「MPT−422」、石原産業(株)製、固形分20質量%、数平均粒子径10nm、以下「(D−1)」という。)を用いた以外は実施例2と同様にして、組成物(E−13)及び試験板(F−13)を得た。この組成物(E−13)中の重合体粒子(B−3)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子及び重合体粒子の総表面積(100%)に対し、11%であった。また、試験板(F−13)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体粒子(B−2)及び酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(F−13)の各種評価結果を表1に示す。
[比較例4]
シリカ30質量部被覆アナターゼ型酸化チタンゾル(C−1)に代えてシリカ60質量部被覆アナターゼ型酸化チタンゾル(珪酸ナトリウムを用いることで粒子表面をシリカで被覆したアナターゼ型酸化チタン粒子であり、質量比がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してシリカ60質量部、固形分20質量%、数平均粒子径20nm、以下「(D−2)」という。)以外は実施例2と同様にして、組成物(E−14)及び試験板(F−14)を得た。この組成物(E−14)中の重合体粒子(B−2)の総表面積は、二酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子及び重合体粒子の総表面積(100%)に対し、11%であった。また、試験板(F−14)から塗膜を一部剥離し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、二酸化ケイ素粒子により連続相が形成され、その連続相中に重合体粒子(B−2)及び酸化チタン粒子が分散している様子が確認できた。この試験板(F−14)の各種評価結果を表1に示す。
Figure 2011110455
本発明の塗膜及び組成物は、建築外装、外装表示用途等のコーティング剤及びそれから形成される塗膜として有用である。

Claims (7)

  1. 金属酸化物粒子(A)を含む連続相と、前記連続相中に分散する、重合体粒子(B)とアナターゼ型酸化チタン粒子の表面に質量比がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してシリカ及び/又はアルミナが30〜50質量部被覆した酸化チタン粒子(C)と、を含有する構造を有し、
    前記金属酸化物粒子(A)の総表面積と前記重合体粒子(B)の総表面積と前記酸化チタン粒子(C)の総表面積との合計に対して、前記重合体粒子(B)の総表面積が2〜40%の範囲にある、塗膜。
  2. 金属酸化物粒子(A)と重合体粒子(B)とアナターゼ型酸化チタン粒子の表面に質量比がアナターゼ型酸化チタン100質量部に対してシリカ及び/又はアルミナが30〜50質量部被覆した酸化チタン粒子(C)と、を含み、
    前記金属酸化物粒子(A)の総表面積と前記重合体粒子(B)の総表面積と前記酸化チタン粒子(C)の総表面積との合計に対して、前記重合体粒子(B)の総表面積が2〜40%の範囲にある、組成物。
  3. 前記金属酸化物粒子(A)が二酸化ケイ素粒子を含む、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記重合体粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下で加水分解性珪素化合物とビニル単量体とをそれぞれ重合させて得られた重合体粒子(B)を含む、請求項2又は3に記載の組成物。
  5. 請求項2〜4のいずれか一項に記載の組成物を含有する塗料。
  6. 請求項5に記載の塗料を基体の表面に塗布して形成される塗膜。
  7. 請求項1又は請求項6に記載の塗膜を備える塗装製品。
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