JP5431127B2 - 水系有機無機複合組成物及び有機無機複合体 - Google Patents
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Description
しかし、一般的に有機重合体は無機物質との相溶性が低いため、これらの複合体は不均質であり、有機重合体及び無機物質の特性が有効に発現しない場合が多い。
例えば、特許文献1には、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)又はポリビニルピロリドン等のアミド結合を有する非反応性ポリマーの存在下、加水分解重合性有機金属化合物を加水分解重合してゲル化させ、生成した金属酸化物ゲルの三次元微細ネットワーク構造体中にアミド結合を有する非反応性ポリマーが均一に分散された有機無機複合透明均質体を得る技術が開示されている。
しかし、これらの複合体は、いずれも成膜性、成形性及び曳糸性が良好ではなく、コーティングや紡糸などにより均一な膜や糸を連続的に効率よく得ることが困難であるという問題を有している。
そのため、透明でミクロ的にも均質であるという優れた特性を有するにも拘らず、複合体の用途が制限されている。
しかしながら、これらのものから有機無機複合材料を得るには、使用時に毒性又は環境汚染の問題や火災の危険性を有する有機溶剤を大気中に放出するという問題がある。
また、特許文献7には、特殊な装置を用いず、有機無機複合材料を製造する技術についての開示がなされているが、さらに高いレベルの耐候性(光沢保持率)を有する材料が要望されている。
本発明の課題は、高いレベルの耐候性(光沢保持率)を実現し、しかも、防汚性、防曇性にも優れた透明性の高い有機無機複合体を、毒性が無く、安全に、環境負荷の低減化を実現しながら形成することができる水系有機無機複合組成物を提供することである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
粒子径が1〜400nmの金属酸化物(A)と、
水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、3級アミド基を有するビ
ニル単量体(b2)と、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル類、カルボキシル基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル単量体、グリシジル基含有ビニル単量体、カルボニル基含有ビニル単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のビニル単量体(b3)とを重合して得られる、粒子径が10〜800nmである重合体エマルジョン粒子(B)と、
を、含有し、
前記3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、前記重合体エマルジョン粒子(B
)との質量比(b2)/(B)が、0.01以上0.05以下である水系有機無機複合組
成物。
前記重合体エマルジョン粒子(B)が、
水及び乳化剤の存在下で、3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、これと共重
合可能なアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル類、カルボキシル基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル単量体、グリシジル基含有ビニル単量体、カルボニル基含有ビニル単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のビニル単量体(b3)と、加水分解性珪素化合物(b1)と、からなる群より選ばれる少なくともいずれかを重合して得られるシード粒子の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)、3級アミド基を有するビニル単量体(b2)、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル類、カルボキシル基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル単量体、グリシジル基含有ビニル単量体、カルボニル基含有ビニル単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のビニル単量体(b3)を重合して得られる前記〔1〕に記載の水系有機無機複合組成物。
前記金属酸化物(A)が、二酸化珪素、光触媒活性を有する金属酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記〔1〕又は〔2〕に記載の水系有機無機複合組成物。
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の水系有機無機複合組成物を用いて形成した有機無機複合体。
基材上に、前記〔4〕に記載の有機複合体を具備する機能性複合体。
本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本実施形態の水系有機無機複合組成物は、
粒子径が1〜400nmの金属酸化物(A)と、
水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)とを重合して得られる、粒子径が10〜800nmである重合体エマルジョン粒子(B)と、
を、含有し、
前記2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、前記重合体エマルジョン粒子(B)との質量比:(b2)/(B)が、0.01以上0.05以下である水系有機無機複合組成物である。
このことにより、本実施形態の水系有機無機複合組成物を用いると、耐候性、防汚性、防曇性、帯電防止性等に優れた有機無機複合体を形成することが可能となる。
ここで、上記金属酸化物(A)と重合体エマルジョン粒子(B)との相互作用としては、例えば、金属酸化物(A)が有する水酸基と重合体エマルジョン粒子(B)が有する2級及び/又は3級アミド基との水素結合や、金属酸化物(A)が有する水酸基と重合体エマルジョン粒子(B)を構成する加水分解性金属化合物(b1)の重合生成物との縮合(化学結合)等が挙げられる。
金属酸化物(A)としては、例えば、二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム及びそれらの複合酸化物が挙げられる。
特に、表面水酸基の多い二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、及びそれらの複合酸化物が好ましく、二酸化珪素を基本単位とするシリカの水又は水溶性溶媒の分散体であるコロイダルシリカがより好ましい。
ゾル−ゲル法で調製する場合には、Werner Stober etal;J.Colloid and Interface Sci.,26,62−69(1968)、Rickey D.Badley et al;Lang muir 6,792−801(1990)、色材協会誌、61[9]488−493(1988)等に記載された方法を利用できる。
金属酸化物(A)の粒子径が1nm以上である場合、貯蔵安定性が良好となり、400nm以下の場合、透明性が良好となる。
なお、粒子径とは数平均粒子径であり、湿式粒度分布計を用いて、具体的には後述する実施例に記載されている方法により測定できる。
金属酸化物(A)としてコロイダルシリカを用いる場合、上記範囲の粒子径のコロイダルシリカは、水性分散液の状態で、酸性、塩基性のいずれであってもよい。
少量成分として、アルミナ、アルミン酸ナトリウムなどを含んでいてもよい。
また、コロイダルシリカは、安定剤として無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニアなど)や有機塩基(テトラメチルアンモニウムなど)を含んでいてもよい。
すなわち、伝導帯と価電子帯との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したときに、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導電子と正孔を生成しうる物質であり、このとき、伝導帯に生成した電子の還元力及び/又は価電子帯に生成した正孔の酸化力を利用して、種々の化学反応を行うことができる。
また、光触媒活性とは、光照射によって酸化、還元反応を起こすことをいう。光触媒活性は、例えば、材料表面の光照射時における色素等の有機物の分解性を測定することにより判定することができる。
本実施形態の水系有機無機複合組成物から形成される有機無機複合体の表面が光触媒活性を有することにより、優れた汚染有機物質の分解活性や防汚性を発現することができる。
さらに、本明細書において、親水性とは、好ましくは、20℃における水の接触角が60°以下である場合をいう。
特に、水の接触角が30°以下の親水性を有する表面は、降雨等の水による自己浄化能(セルフクリーニング)による防汚性を発現するので好ましい。
さらに優れた防汚性発現、防曇性発現の点からは、表面の水の接触角は20°以下であることが好ましい。
バンドギャップエネルギーが1.2eVより小さいと、光照射による酸化、還元反応を起こす能力が非常に弱く好ましくない。
バンドギャップエネルギーが5.0eVより大きいと、正孔と電子を生成させるのに必要な光のエネルギーが非常に大きくなるため好ましくない。
これらの中で、TiO2(酸化チタン)は無害であり、化学的安定性にも優れるため好ましい。
酸化チタンとしては、アナターゼ、ルチル、ブルッカイトのいずれの結晶形態も使用できる。
これらの可視光応答型光触媒粒子のバンドギャップエネルギーは、好ましくは1.2〜3.1eV、より好ましくは1.5〜2.9eV、更に好ましくは1.5〜2.8eVである。
これらの中で、LaTiO2N、LavCawTiO2N(v+w=3)、LavCawTaO2N(v+w=3)、TaONが、可視光での光触媒活性が非常に大きいため好ましい。
これらの中で、Sm2Ti2S2O5、Nd2Ti2S2O5が、可視光での光触媒活性が非常に大きいため非常に好ましい。
より好ましい(L/d)は、1/1〜15/1の範囲であり、さらに好ましい(L/d)は、1/1〜10/1の範囲である。
なお、粒子長(L)及び粒子直径(d)は、金属酸化物(A)の粒子の希薄な水分散体をメッシュ上に滴下し、乾燥して得られた複数の粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、その相加平均値を算出し求められる。
ここで、光触媒粒子の数平均分散粒子径は、TEM又は湿式粒度分布計によって測定することができる。
特に、数平均分散粒子径が1〜100nmの光触媒粒子の分散液を使用した場合、透明性に優れた複合体を得ることができるため好ましく、より好ましくは5〜50nm、さらに好ましくは10〜30nmの光触媒の分散液が選択される。
ここで、光触媒の分散液とは、光触媒粒子が水及び/又は親水性有機溶媒中に0.01〜80質量%、好ましくは0.1〜50質量%で、一次粒子及び/又は二次粒子として分散されたものである。
ここで、光触媒の分散液に使用される親水性有機溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン、さらにはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
本実施形態の水系有機無機複合組成物に含有される重合体エマルジョン粒子(B)としては、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)とを重合して得られる、粒子径が10〜800nmである重合体エマルジョン粒子を用いる。
重合体エマルジョン粒子の粒子径とは、数平均粒子径であり、湿式粒度分布計を用いて測定できる。
重合体エマルジョン粒子(B)を製造するために用いる上記加水分解性珪素化合物(b1)としては、下記式(1)で表される化合物やその縮合生成物、シランカップリング剤が挙げられる。
SiWxRy ・・・(1)
ここで、上記式(1)中、Wは、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基、アミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。
Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。
xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数である。また、x+y=4である。
上記珪素アルコキシドやシランカップリング剤が縮合生成物として使用されるとき、該縮合生成物の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めたポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは200〜5000、さらに好ましくは300〜1000である。
このため、ビニル重合性基やチオール基を有するシランカップリング剤を、単独で又は上述した珪素アルコキシド、シランカップリング剤、及びそれらの縮合生成物と混合若しくは複合化させて用いた場合、本実施形態の重合体エマルジョン粒子(B)を構成する加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物と2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)との重合生成物は、水素結合に加えて化学結合により複合化できる。
このような重合体エマルジョン粒子(B)を含有する本実施形態の水系有機無機複合組成物は、耐候性、耐薬品性、強度等に優れた有機無機複合体を形成できるため、非常に好ましい。
環状シロキサンオリゴマーを併用することにより、本実施形態の水系有機無機複合組成物からは、柔軟性等に優れた有機無機複合体が得られる。
上記環状シロキサンオリゴマーとしては、下記式(2)で表される化合物を例示することができる。
(R’2SiO)m ・・・(2)
ここで、式(2)中、R’は、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる、少なくとも1種を表す。また、mは整数であり、2≦m≦20である。
上記環状シロキサンオリゴマーの中で、反応性等の点からオクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状ジメチルシロキサンオリゴマーが好ましい。
加水分解性珪素化合物(b1)に、上記化合物を併用することにより、本実施形態の水系有機無機複合組成物からは、耐水性、硬度等に優れた有機無機複合体が形成できる。
上記チタンアルコキシドが縮合生成物として使用されるとき、当該縮合生成物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めたポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは200〜5000、さらに好ましくは300〜1000である。
上記ジルコニウムアルコキシドが縮合生成物として使用されるとき、縮合生成物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めたポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは200〜5000、さらに好ましくは300〜1000である。
この際、キレート化剤は、これを配位させる遊離の金属化合物の金属原子1モル当たり0.1モル〜2モルの割合で用いると効果が大きく好ましい。
本実施形態の重合体エマルジョン粒子(B)を製造するために用いる2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)としては、N−アルキル又はN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
例えば、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N−アクリロイルモルホリン、N−メタクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。
上記質量比(b2)/(B)が0.05以下であると水系有機無機複合組成物から形成される有機無機複合体の耐候性(特に光沢保持率)に優れ、0.01以上であると透明性に優れる。
また、上記2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合を、これと共重合可能な他のビニル単量体(b3)と共に行うと、生成する重合生成物の特性(ガラス転移温度、分子量、水素結合力、極性、分散安定性、耐候性、加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物との相溶性等)を制御することが可能となり好ましい。
(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートの具体例としては、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
なお、本明細書中で、(メタ)アクリルとはメタアクリル又はアクリルを簡便に表記したものである。
(メタ)アクリル酸エステルの使用量は、1種又は2種以上の混合物として、全ビニル単量体(上記2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、これと共重合可能な他のビニル単量体(b3))中において0〜99.9質量%が好ましく、5〜80質量%がより好ましい。
カルボキシル基含有ビニル単量体を用いることによって、重合体エマルジョン粒子(B)にカルボキシル基を導入することができ、エマルジョンとしての安定性を向上させ、外部からの分散破壊作用に抵抗力を持たせることが可能となる。
この際、導入したカルボキシル基は、一部又は全部を、アンモニアやトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン類やNaOH、KOH等の塩基で中和することもできる。
カルボキシル基含有ビニル単量体の使用量は、1種又は2種以上の混合物として、全ビニル単量体(前記ビニル単量体(b2)及び(b3))中において0〜50質量%であることが、耐水性の観点から好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。
上記(ポリ)オキシエチレン(メタ)アクリレートの具体例としては、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
また、(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アクリレートの具体例としては、(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール等が挙げられる。
上述した水酸基含有ビニル単量体を用いることによって、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)との重合生成物の水素結合力を制御することが可能となるとともに、重合体エマルジョン粒子(B)の水分散安定性を向上させることが可能となる。
上述した水酸基含有ビニル単量体の使用量は、1種又は2種以上の混合物として、全ビニル単量体(前記ビニル単量体(b2)及び(b3))中において、好ましくは0〜80質量%、より好ましくは0.1〜50質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。
グリシジル基含有ビニル単量体や、カルボニル基含有ビニル単量体を使用すると、重合体エマルジョン粒子(B)が反応性を有し、ヒドラジン誘導体やカルボン酸誘導体、イソシアネート誘導体等により架橋させて耐溶剤性等の優れた有機無機複合体の形成が可能となる。
グリシジル基含有ビニル単量体や、カルボニル基含有ビニル単量体の使用量は、全ビニル単量体中において好ましくは0〜50質量%である。
かかる連鎖移動剤の一例としては、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンのようなアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタンのような芳香族メルカプタン類;チオリンゴ酸のようなチオカルボン酸又はそれらの塩若しくはそれらのアルキルエステル類、又はポリチオール類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジ(メチレントリメチロールプロパン)キサントゲンジスルフィド及びチオグリコール、さらにはα−メチルスチレンのダイマー等のアリル化合物等が挙げられる。
連鎖移動剤の使用量は、全ビニル単量体(前記ビニル単量体(b2)及び(b3))に対して、好ましくは0.001〜30質量%、さらに好ましくは0.05〜10質量%の範囲で用いることができる。
乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤;酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩;酸性乳化剤のアンモニウム塩;脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤;例えばアルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤;ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤等が挙げられる。
上記ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤としては、例えば、スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体、硫酸エステル基を有するビニル単量体やそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、ポリオキシエチレン等のノニオン基を有するビニル単量体、4級アンモニウム塩を有するビニル単量体等が挙げられる。
具体的には、エレミノールJS−2(商品名)(三洋化成(株)製)、ラテムルS−120、S−180A又はS−180(商品名)(花王(株)製)等が挙げられる。
分散安定剤としては、ポリカルボン酸及びスルホン酸塩からなる群から選ばれる各種の水溶性オリゴマー類や、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミド、水溶性又は水分散性アクリル樹脂などの合成又は天然の水溶性又は水分散性の各種の水溶性高分子物質が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物を使用することができる。
ここで、加水分解性珪素化合物(b1)の重合触媒としては、塩酸、フッ酸等のハロゲン化水素類;酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸等のカルボン酸類;硫酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類;アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤類;酸性又は弱酸性の無機塩、フタル酸、リン酸、硝酸のような酸性化合物類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシランのような塩基性化合物類;ジブチル錫オクチレート、ジブチル錫ジラウレートのような錫化合物等が挙げられる。
上記の中で、加水分解性珪素化合物(b1)の重合触媒としては、重合触媒のみならず乳化剤としての作用を有する酸性乳化剤類、特に炭素数が5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸(ドデシルベンゼンスルホン酸等)が特に好ましい。
例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等があり、その量としては全ビニル単量体100質量部に対して、0.001〜5質量部の配合が好ましい。
なお、重合速度の促進、及び70℃以下での低温の重合を望むときには、例えば重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合触媒と組み合わせて用いると有利である。
ここで、加水分解性珪素化合物(b1)と2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)との重合は、別々に実施することも可能であるが、同時に実施することにより、水素結合等によるミクロな有機無機複合化が達成できるので好ましい。
重合体エマルジョン粒子(B)の粒子径を上記数値範囲に調製し、粒子径が1〜400nmの金属酸化物(A)と組み合わせて水系有機無機複合組成物とすることにより、はじめて耐候性、防汚性、防曇性、帯電防止性等に優れた有機無機複合体を形成することが可能となる。
また、重合体エマルジョン粒子(B)の粒子径は50〜300nmであると、得られる有機無機複合体の透明性が向上し、より好ましい。
なお、重合体エマルジョン粒子(B)の粒子径は、後述する実施例における〔1.数平均粒子径〕に記載の方法により測定できる。
場合によっては、10MPa以上の圧力で、又は30℃以下の温度条件で重合を行ってもよい。
また、乳化重合をするにあたり粒子径を成長又は制御させるために、予め水相中にエマルジョン粒子を存在させて重合させるシード重合法によってもよい。
重合反応は、系中のpHが好ましくは1.0〜10.0、より好ましくは1.0〜6.0の範囲で進行させればよい。
pHは、燐酸二ナトリウムやボラックス、又は、炭酸水素ナトリウム、アンモニアなどのpH緩衝剤を用いて調節することが可能である。
上記コア/シェル構造の重合体エマルジョン粒子(B)を製造する方法として、多段乳化重合が非常に有用である。
ここで、多段乳化重合とは、2種類以上の異なった組成の加水分解性珪素化合物(b1)や、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)(必要に応じてこれと共重合可能な他のビニル単量体(b3))を調製し、これらを別々の段階に分けて重合することを意味する。
2段乳化重合による重合体エマルジョン粒子(B)の合成方法としては、水及び乳化剤の存在下で、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、これと共重合可能な他のビニル単量体(b3)と、加水分解性珪素化合物(b1)と、からなる群より選ばれる少なくともいずれかを重合して得られるシード粒子の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)とを重合する方法が挙げられる。
この際、第1系列中の固形分質量(M1)と第2系列中の固形分質量(M2)との質量比は、好ましくは(M1)/(M2)=9/1〜1/9、より好ましくは8/2〜2/8である。
また、コア/シェル構造の確認は、例えば、透過型電子顕微鏡等による形態観察や粘弾性測定による解析等により測定できる。
水に分散した状態の水系有機無機複合組成物の固形分は、好ましくは0.01〜60質量%、より好ましくは1〜40質量%である。粘度は、好ましくは20℃において0.1〜100000mPa・s、より好ましくは1〜10000mPa・sである。
本実施形態の水系有機無機複合組成物には、各種添加剤を含有させてもよく、例えば、水素結合等による金属酸化物(A)と重合体エマルジョン粒子(B)との相互作用を制御する目的として、アルコール類を添加することもできる。
アルコールの添加により、貯蔵安定性等が非常に向上する。
上記アルコール類としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2―ブタノール、変性エタノール、グリセリン、アルキル鎖の炭素数が3〜8のモノアルキルモノグリセリルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジないしテトラエチレングリコールモノフェニルエーテルが好ましい。
これらの中で、エタノールが環境上最も好ましい。
紫外線吸収剤及び/又は光安定剤は、重合体エマルジョン粒子(B)の質量に対して0.1質量%〜5質量%用いることが好ましい。
また、紫外線吸収剤として、分子内にラジカル重合性の二重結合を有するラジカル重合性紫外線吸収剤、光安定剤として、分子内にラジカル重合性の二重結合を有するラジカル重合性光安定剤を用いることもできる。
また、紫外線吸収剤と光安定剤を併用した方が、得られる水系有機無機複合組成物を用いて複合体を形成した際に、耐候性に優れるため好ましい。
これらの紫外線吸収剤、光安定剤は、金属酸化物(A)と重合体エマルジョン粒子(B)と単に混合することも可能であるし、重合体エマルジョン粒子(B)を合成する際に共存させることも可能である。
ラジカル重合性ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−アクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−アクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−メタクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロキシ−エトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシ−エトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシ−ジエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロキシ−トリエトキシ)ベンゾフェノンなどがある。
ラジカル重合性ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、2,2,6,6,−テトラメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、4−シアノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−シアノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートなどがある。
本実施形態において使用できるヒンダードアミン系光安定剤としては、塩基性が低いものが好ましく、具体的には、塩基定数(pKb)が8以上のものが好ましい。
本実施形態の水系有機無機複合組成物からは、皮膜状、シート状、繊維状又は成形体の様態である有機無機複合体を形成することができる。
本実施形態の水系有機無機複合組成物を用いて形成した有機無機複合体は、耐候性、耐薬品性等に非常に優れており、また23℃における水接触角が60°以下で、防汚性にも優れている。
特に、金属酸化物(A)として、二酸化珪素及び/又は光触媒活性を有する金属酸化物(光触媒)を用いた水系有機無機複合組成物により形成すると、23℃における水接触角が30°以下となり、防汚性、防曇性等に優れたものになる。
ここで、光触媒のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーの光の光源としては、太陽光や室内照明灯等の一般住宅環境下で得られる光の他、ブラックライト、キセノンランプ、水銀灯、LED等の光が利用できる。
この様な好ましい有機無機複合体の例として、金属酸化物(A)が、重合体エマルジョン粒子(B)と相互作用しながら重合体エマルジョン粒子(B)の粒子間に連続層を形成して存在している形態を挙げることができる。このような形態の有機無機複合体は、特に耐薬品性に優れたものになる。
上述したような形態の有機無機複合体を形成するためには、水系有機無機複合組成物における金属酸化物(A)と重合体エマルジョン粒子(B)との質量比(A)/(B)を最適範囲にすることが最も有効である。
この質量比(A)/(B)の最適範囲は、例えば質量比(A)/(B)を変化させた水系有機無機複合組成物から生成する有機無機複合体の透明性を測定し、相対的に透明性が良好な質量比(A)/(B)の範囲として求めることができる。
有機無機複合体の透明性は、後述する実施例で記載された方法により測定できる。
このような形態の有機無機複合体は、耐薬品性に優れ、かつ機械的特性(強度と柔軟性のバランス等)にも優れたものになる。
本実施形態の機能性複合体は、上述した本実施形態の有機無機複合体を所定の基材上に具備する構成を有している。
基材は、特に限定されるものではなく、用途に応じて従来公知の材料を適宜選択することができる。
基材としては、例えば、合成樹脂、天然樹脂等の有機基材や、金属、セラミックス、ガラス、石、セメント、コンクリート等の無機基材が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
水系有機無機複合組成物の塗布方法としては、例えばスプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。
本実施形態の有機無機複合体を基材上に皮膜状として形成させる場合、該皮膜の厚みは0.05〜100μmが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmである。
透明性の面から100μm以下の厚みであることが好ましく、防汚性、防曇性、光触媒活性等の機能を発現するためには0.05μm以上の厚みであることが好ましい。
なお、明細書では、皮膜という表現を使用しているが、必ずしも連続膜である必要はなく、不連続膜、島状分散膜等の態様であっても構わない。
基材と本実施形態の有機無機複合体を同時に成形、例えば、一体成形してもよい。
また、本実施形態の有機無機複合体を成形後、基材の成形を行ってもよい。
また、本実施形態の有機無機複合体と基材を個別に成形後、接着、融着等することにより機能性複合体としてもよい。
本実施形態の有機無機複合体又は機能性複合体であって、20℃における水との接触角が60°以下(好ましくは30°以下)となった親水性のもの(親水性膜、及び該親水性膜で被覆された基材等)は、鏡やガラスの曇りを防止する防曇技術、さらには建築外装等に対する防汚技術や帯電防止技術等への応用が可能である。
本実施形態の有機無機複合体又は機能性複合体の防汚技術分野への応用例としては、例えば、建材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、構造部材、住宅等建築設備、特に便器、浴槽、洗面台、照明器具、照明カバー、台所用品、食器、食器洗浄器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフード、換気扇等が挙げられる。
本実施形態の有機無機複合体又は機能性複合体は、乗物の外装及び塗装、用途によってはその内装にも使用でき、車両用照明灯のカバー、窓ガラス、計器、表示盤等透明性が要求される部材での使用に効果があり、また、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、表示機器、そのカバー、交通標識、各種表示装置、広告塔等の表示物、道路用、鉄道用等の遮音壁、橋梁、ガードレールの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー等外部で使用される電子、電気機器の外装部、特に透明部材、ビニールハウス、温室等の外装、特に透明部材、また、室内にあっても汚染のおそれのある環境、たとえば医療用や体育用の施設、装置等にも用いることができる。
例えば、建材、建物外装、建物内装、窓枠、構造部材、住宅等建築設備、特に便器、浴槽、洗面台、照明器具、照明カバー、台所用品、食器、食器洗浄器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフード、換気扇、食器棚、飾り棚、浴室や洗面所の壁、天井、ドアノブ、さらには医療用や公共施設等、例えば病院内の部材、救急車の各種部材又は食品・医薬品工場、学校・体育館・駅などの公共施設、公衆浴場、公衆トイレ、旅館、ホテル、その他、における衛生管理のために、壁面、床面や天井面、各所の什器、備品、ドアノブなどの用途を挙げることができる。特に、院内感染防止方法として病院内の部材に広範囲に用いることが可能である。該病院内の部材としては、例えば病室、診察室、廊下、階段、エレベーター、待合室、洗面所等、不特定多数のものが接触する場所における床、壁、天井、手すり、ドア把手、水道蛇口、各種診療機器等が挙げられる。また、病院内に限らず、救急車や食品保管室、食品調理室等の衛生を必要とする場所の各種部材に対しても効果的に抗菌性や防カビ性を付与することができる。
本実施形態の有機無機複合体又は機能性複合体であって、有機物分解等の光触媒活性を有するものは、抗菌、防汚、防臭、NOx分解等の様々な機能を発現し、大気、水等の環境浄化等の用途に使用することができる。
〔1.数平均粒子径〕
試料中の固形分含有量が1〜20質量%となるように適宜溶媒を加えて希釈し、湿式粒度分析計(日本国日機装製マイクロトラック 商品名 UPA−9230)を用いて測定した。
〔2.固形分濃度〕
試料約2gをアルミ皿にとり、150℃で1時間加熱した。加熱前後の試料の質量を測定し、その差から固形分濃度を計算した。
〔3.塗膜の膜厚〕
塗膜の膜厚を、ハロゲン光源装置(MORITEX社製、商品名「MHF−D100LR」)を装着した膜厚測定装置(SPECTRA・COOP社製、商品名「HandyLambda II THICKNESS」)を用いて測定した。
日本国日本電色工業製濁度計NDH2000を用いて、JIS−K7105に準じて全光線透過率(%)を測定した。
全光線透過率が90%以上であれば、透明性が良好であると判断した。
〔5.水接触角〕
20℃での水の接触角を、接触角計(協和界面科学社製、商品名「DROP MASTER 500」)を用いて測定した。
水接触角が30°以下であれば、防汚性、防曇性に優れているものと判断した。
〔6.耐候性〕
スガ試験器製サンシャインウェザーメーターを使用してブラックパネル温度63℃、降雨18分/2時間の環境下に曝露する曝露試験を行った。
曝露前及び曝露2000時間後の塗膜の光沢をそれぞれ測定し、光沢保持率を求めた。
また、曝露2000時間後の塗膜表面の20℃での水の接触角を、上記〔5.接触角〕の方法で測定した。
上記光沢については、光沢計(BYK Gardner社製micro-TRI-gloss μ)を用いて、60°−60°の鏡面反射率を光沢値として測定した。
〔7.防汚性〕
試験板を一般道路(トラック通行量500〜1000台/日程度)に面したフェンスに3ヶ月間貼りつけて汚染させた後、汚染の度合いを目視にて下記のように評価した。
◎: 汚れなし。
○: 全体的に少し汚れている。
△: やや雨スジ汚れ有り。
×: 著しい雨スジ汚れ有り。
〔8.光触媒活性(分解指数)〕
JIS R 1703−2に準拠して湿式分解性能試験を実施し、波長664nmの吸光度から分解指数を求めた。
このとき、メチレンブルーとして、和光純薬工業社製のメチレンブルー三水和物を用いた。吸光度の測定には、紫外・可視分光光度計(日本分光社製、商品名「V−550」)を用いた。
光触媒活性(分解指数)が5以上であると、光触媒塗料としての機能を十分に発揮し、防汚性がより一層効果的なものとなる。
(重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体の合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計、及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1000g、ドデシルベンゼンスルホン酸2gを投入した後、撹拌下で温度を80℃に加温した。
これに、アクリル酸ブチル86g、メタクリル酸メチル9.0g、フェニルトリメトキシシラン133g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gの混合液と、ジエチルアクリルアミド4g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、イオン交換水630gの混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。
さらに、反応器中の温度が80℃の状態で約2時間撹拌を続行した後、室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過した後、イオン交換水で固形分を10.0質量%に調整し、数平均粒子径108nmの重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体を得た。
得られた重合体エマルジョン粒子(B−1)に対する2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の使用量は、重合体エマルジョン粒子(B−1)に対する質量比(b2)/(B−1)として0.02であった。
(重合体エマルジョン粒子(B−2)水分散体の合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、ドデシルベンゼンスルホン酸4gを投入した後、撹拌下で温度を80℃に加温した。
これに、ジメチルジメトキシシラン185g、フェニルトリメトキシシラン117gの混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下し、その後、反応器中の温度が80℃の状態で約1時間撹拌を続行した。
次に、アクリル酸ブチル86g、メタクリル酸メチル126.5g、フェニルトリメトキシシラン133g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gの混合液と、ジエチルアクリルアミド10.5g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、イオン交換水1900gの混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。
さらに、反応器中の温度が80℃の状態で約2時間撹拌を続行した後、室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過した後、イオン交換水で固形分を10.0質量%に調製し、数平均粒子径128nmの重合体エマルジョン粒子(B−2)水分散体を得た。
得られた重合体エマルジョン粒子(B−2)に対する2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の使用量は、重合体エマルジョン粒子(B−2)に対する質量比(b2)/(B−2)として0.02であった。
(重合体エマルジョン粒子(B−3)水分散体の合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1000g、ドデシルベンゼンスルホン酸2gを投入した後、撹拌下で温度を80℃に加温した。
これに、アクリル酸ブチル86g、メタクリル酸メチル3.2g、フェニルトリメトキシシラン133g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gの混合液と、ジエチルアクリルアミド9.8g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、イオン交換水630gの混合液とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。
さらに、反応器中の温度が80℃の状態で約2時間撹拌を続行した後、室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過した後、イオン交換水で固形分を10.0質量%に調製し、数平均粒子径109nmの重合体エマルジョン粒子(B−3)水分散体を得た。
得られた重合体エマルジョン粒子(B−3)に対する2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の使用量は、重合体エマルジョン粒子(B−3)に対する質量比(b2)/(B−3)として0.05であった。
(重合体エマルジョン粒子(B−4)水分散体の合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、ドデシルベンゼンスルホン酸4gを投入した後、撹拌下で温度を80℃に加温した。
これに、ジメチルジメトキシシラン185g、フェニルトリメトキシシラン117gの混合液を反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下し、その後、反応器中の温度が80℃の状態で約1時間撹拌を続行した。
次に、アクリル酸ブチル86g、メタクリル酸メチル115.5g、フェニルトリメトキシシラン133g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gの混合液と、ジエチルアクリルアミド25.5g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、イオン交換水1900gの混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。
さらに、反応器中の温度が80℃の状態で約2時間撹拌を続行した後、室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過した後、イオン交換水で固形分を10.0質量%に調製し、数平均粒子径127nmの重合体エマルジョン粒子(B−4)水分散体を得た。
得られた重合体エマルジョン粒子(B−4)に対する2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の使用量は、重合体エマルジョン粒子(B−4)に対する質量比(b2)/(B−4)として0.05であった。
(重合体エマルジョン粒子(B−5)水分散体の合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1000g、ドデシルベンゼンスルホン酸2gを投入した後、撹拌下で温度を80℃に加温した。
これに、アクリル酸ブチル86g、メタクリル酸メチル13.0g、フェニルトリメトキシシラン133g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gの混合液と、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、イオン交換水630gの混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。
さらに、反応器中の温度が80℃の状態で約2時間撹拌を続行した後、室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過した後、イオン交換水で固形分を10.0質量%に調製し、数平均粒子径105nmの重合体エマルジョン粒子(B−5)水分散体を得た。
得られた重合体エマルジョン粒子(B−5)に対する2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の使用量は、重合体エマルジョン粒子(B−5)に対する質量比(b2)/(B−5)として0である。
(重合体エマルジョン粒子(B−6)水分散体の合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1000g、ドデシルベンゼンスルホン酸2gを投入した後、撹拌下で温度を80℃に加温した。
これに、アクリル酸ブチル86g、フェニルトリメトキシシラン133g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gの混合液と、ジエチルアクリルアミド13.0g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、イオン交換水630gの混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。
さらに、反応器中の温度が80℃の状態で約2時間撹拌を続行した後、室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過した後、イオン交換水で固形分を10.0質量%に調製し、数平均粒子径110nmの重合体エマルジョン粒子(B−6)水分散体を得た。
得られる重合体エマルジョン粒子(B−6)に対する2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の使用量は、重合体エマルジョン粒子(B−6)に対する質量比(b2)/(B−6)として0.066であった。
上記〔製造例1〕で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体100gに、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)100gを混合し、攪拌することにより、水系有機無機複合組成物(E−1)を得た。
10cm×10cmのPETフィルムに、上記水系有機無機複合組成物(E−1)を膜厚が2μmとなるようにバーコートした後、室温で1週間乾燥することにより、有機無機複合体皮膜(F−1)を有する試験板(G−1)を得た。
この試験板(G−1)に対して行った上記〔3.〕〜〔8.〕の評価結果を下記表1に示す。
上記〔製造例2〕で合成した重合体エマルジョン粒子(B−2)水分散体100gに、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)100gを混合、攪拌することにより、水系有機無機複合組成物(E−2)を得た。
10cm×10cmのPETフィルムに、上記水系有機無機複合組成物(E−2)を膜厚が2μmとなるようにバーコートした後、室温で1週間乾燥することにより、有機無機複合体皮膜(F−2)を有する試験板(G−2)を得た。
この試験板(G−2)に対して行った上記〔3.〕〜〔8.〕の評価結果を下記表1に示す。
上記〔製造例3〕で合成した重合体エマルジョン粒子(B−3)水分散体100gに、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)100gを混合、攪拌することにより、水系有機無機複合組成物(E−3)を得た。
10cm×10cmのPETフィルムに、上記水系有機無機複合組成物(E−3)を膜厚が2μmとなるようにバーコートした後、室温で1週間乾燥することにより、有機無機複合体皮膜(F−3)を有する試験板(G−3)を得た。
この試験板(G−3)に対して行った上記〔3.〕〜〔8.〕の評価結果を下記表1に示す。
上記〔製造例4〕で合成した重合体エマルジョン粒子(B−4)水分散体100gに、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)100gを混合、攪拌することにより、水系有機無機複合組成物(E−4)を得た。
10cm×10cmのPETフィルムに、上記水系有機無機複合組成物(E−4)を膜厚が2μmとなるようにバーコートした後、室温で1週間乾燥することにより、有機無機複合体皮膜(F−4)を有する試験板(G−4)を得た。
この試験板(G−4)に対して行った上記〔3.〕〜〔8.〕の評価結果を下記表1に示す。
上記〔製造例3〕で合成した重合体エマルジョン粒子(B−3)水分散体100gに、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)77.5g、光触媒活性を有する金属酸化物の分散液として、シリカ被覆ルチル型酸化チタンゾル(酸化チタン100質量部に対するシリカ被覆量12質量部、固形分30質量%)、ロッド状一次粒子、粒子長(L)の相加平均値:35nm、粒子直径(d)の相加平均値:6nm)15gを混合、攪拌することにより、水系有機無機複合組成物(E−5)を得た。
10cm×10cmのPETフィルムに、上記水系有機無機複合組成物(E−5)を膜厚が2μmとなるようにバーコートした後、室温で1週間乾燥することにより、有機無機複合体皮膜(F−5)を有する試験板(G−5)を得た。
この試験板(G−5)に対して行った上記〔3.〕〜〔8.〕の評価結果を下記表1に示す。
上記〔製造例5〕で合成した重合体エマルジョン粒子(B−5)水分散体100gに、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)100gを混合、攪拌することにより、水系有機無機複合組成物(E−6)を得た。
10cm×10cmのPETフィルムに、上記水系有機無機複合組成物(E−6)を膜厚が2μmとなるようにバーコートした後、室温で1週間乾燥することにより、有機無機複合体皮膜(F−6)を有する試験板(G−6)を得た。
この試験板(G−6)に対して行った上記〔3.〕〜〔8.〕の評価結果を下記表1に示す。
重合体エマルジョン粒子(B−5)に対する2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の質量比(b2)/(B−5)が0であるため、全光線透過率が88%と低く、透明性が不良であった。
上記〔製造例6〕で合成した重合体エマルジョン粒子(B−6)水分散体100gに、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)100gを混合、攪拌することにより、水系有機無機複合組成物(E−7)を得た。
10cm×10cmのPETフィルムに上記水系有機無機複合組成物(E−7)を膜厚が2μmとなるようにバーコートした後、室温で1週間乾燥することにより、有機無機複合体皮膜(F−7)を有する試験板(G−7)を得た。
この試験板(G−7)に対して行った上記〔3.〕〜〔8.〕の評価結果を下記表1に示す。
重合体エマルジョン粒子(B−6)に対する2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の質量比(b2)/(B−6)が0.066であり、ビニル単量体(B2の比率が高すぎるため、光沢保持率が75%と低く、耐候性が不良であった。
Claims (5)
- 粒子径が1〜400nmの金属酸化物(A)と、
水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、3級アミド基を有するビ
ニル単量体(b2)と、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル類、カルボキシル基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル単量体、グリシジル基含有ビニル単量体、カルボニル基含有ビニル単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のビニル単量体(b3)とを重合して得られる、粒子径が10〜800nmである重合体エマルジョン粒子(B)と、
を、含有し、
前記3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、前記重合体エマルジョン粒子(B
)との質量比(b2)/(B)が、0.01以上0.05以下である水系有機無機複合組
成物。 - 前記重合体エマルジョン粒子(B)が、
水及び乳化剤の存在下で、3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、これと共重
合可能なアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル類、カルボキシル基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル単量体、グリシジル基含有ビニル単量体、カルボニル基含有ビニル単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のビニル単量体(b3)と、加水分解性珪素化合物(b1)と、からなる群より選ばれる少なくともいずれかを重合して得られるシード粒子の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)、3級アミド基を有するビニル単量体(b2)、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル類、カルボキシル基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル単量体、グリシジル基含有ビニル単量体、カルボニル基含有ビニル単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のビニル単量体(b3)を重合して得られる請求項1に記載の水系有機無機複合組成物。 - 前記金属酸化物(A)が、二酸化珪素、光触媒活性を有する金属酸化物からなる群から
選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の水系有機無機複合組成物。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の水系有機無機複合組成物を用いて形成した有機
無機複合体。 - 基材上に、請求項4に記載の有機無機複合体を具備する機能性複合体。
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