JP2021046760A - 床版防水構造体、その製造方法およびそれに用いる材料 - Google Patents

床版防水構造体、その製造方法およびそれに用いる材料 Download PDF

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遼 藤本
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Abstract

【課題】本質的に樹脂塗膜防水層とアスファルト乳剤由来のアスファルト層との接着性を改善することで、短時間で施工可能であり、経済性に優れ、さらには、常温で施工でき、舗装との接着性が高い、床版防水構造体、その製造方法およびそれに用いる材料を提供する。【解決手段】コンクリート床版の上に、順に、樹脂塗膜防水層とアスファルト乳剤由来のアスファルト層が隣接して設けられている床版防水構造体であって、前記アスファルト乳剤は、蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下である、床版防水構造体。【選択図】図1

Description

本発明は、床版防水構造体、その製造方法およびそれに用いる材料に関する。
道路橋に用いられる鉄筋コンクリート床版は、自動車荷重の繰り返し載荷による疲労現象により、劣化・損傷する。コンクリート床版の疲労では移動載荷される自動車荷重によりひび割れが徐々に進行し、最終的には床版コンクリートの抜け落ちに至る事もある。この際、コンクリート床版の表面に水が存在すると、ひび割れの進行と劣化が著しく促進される事が知られている。更に、凍結防止剤が雨水に溶けた水や海水など、高濃度の塩化物イオンが含まれる水が床版に進入した場合には、コンクリート床版内部の鋼材の腐食が促進され、床版の耐久性が低下することが知られている。特に従来用いられているアスフアルト系の防水材料は、水や塩素イオンの遮蔽性の点で難点があるため、樹脂塗膜防水層を介在させて、アスファルト路面から床版への雨水の侵入を遮断する床版の防水施工方法が注目されてきている。
しかし、樹脂塗膜防水層は、アスファルト系の防水層に比べ防水層上に施工されるアスファルト舗装との十分な接着性が確保されず、これに起因して路面にすぐにひび割れやポットホールが形成され、更にはアスファルト舗装が床版からずれるような重大な欠陥が生じるおそれがあった。このような欠陥の発生を防止する目的で、防水層上に加熱アスファルト混合物を敷きならしたり、滑り止め骨材を散布したり、アスファルト乳剤を塗布したりする等の方法が一般的に行われていた。しかし、滑り止め骨材だけでは接着力の向上は不十分であった。一方、アスファルト乳剤を多量に塗布し、固化膜を厚くすることにより接着力を高める方法は、アスファルト乳剤の乾燥・固化に長時間を要するので、工事の時間的制約上不可能であり、従来の少量塗布による方法を実施せざるを得ないことから、結果的に十分な接着力を確保することは困難であった。
このような問題を解決するため、特許文献1には、熱可塑性樹脂粒状物を合成樹脂防水層上に散布した後、加熱アスファルト混合物をその上に敷きならして舗装することで、熱可塑性樹脂粒状物が防水層とアスファルト層との間で溶融して拡がり両層間の接触面積が増加して、十分な接着力が確保できることが示されている。
一方、メタクリル系樹脂をはじめとするアクリル系ラジカル硬化樹脂の防水塗膜と、アスファルト乳剤とは、特に相性が悪く、メタクリル系樹脂とアスファルト乳剤は十分に固着しないという問題があった。この問題を解決する方法として、特許文献2には、コンクリート床版の上に、下層から順に、プライマー層と、防水層と、一次接着層とが設け、接着層の表面には、全面が覆うよう硬質骨材が散布し、その上に、アスファルト乳剤が散布された構造とするが提案されている。このように、硬質骨材が接着層を覆い尽くすことにより、相性の悪いメタクリル樹脂とアスファルト乳剤とが直接接触するのを骨材が阻み、骨材を介して、メタクリル樹脂とアスファルト乳剤とを強固に固着させることができることが示されている。
特開平9−21113号公報 特開2011−157772号公報
道路橋や鉄道橋に用いられる床版防水構造体において、樹脂塗膜防水層とアスファルト乳剤由来のアスファルト層との間では十分な接着性が得られないため、これまで、樹脂塗膜防水層とアスファルト乳剤の間に、熱可塑性樹脂粒状物や接着層が用いられている。しかしながら、これらの構造を製造するためには施工に時間がかかり、また新たな材料が必要となるため、経済性に劣っていた。
本発明の目的は、本質的に樹脂塗膜防水層とアスファルト乳剤由来のアスファルト層との接着性を改善することで、遮水性に加えて、短時間で施工可能であり、経済性に優れ、さらには、常温で施工でき、舗装との接着性が高い、床版防水構造体、その製造方法およびそれに用いる材料を提供することにある。
本発明者らは、熱可塑性樹脂粒状物等の層間接着層等を用いることなく、樹脂塗膜防水層とアスファルト乳剤由来のアスファルト層との接着性を改善する方法を発明した。これを床版防水構造体に用いることで、短時間で施工可能であり、経済性に優れ、さらには、常温で施工でき、舗装との接着性が高い、床版防水構造体を得ることを可能とした。
本発明の好ましい態様は次のとおりである。
[1]
コンクリート床版の上に、順に、樹脂塗膜防水層とアスファルト乳剤由来のアスファルト層が隣接して設けられている床版防水構造体であって、
前記アスファルト乳剤の蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下である、床版防水構造体。
[2]
樹脂塗膜防水層が、アクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物の硬化物であるアクリル系ラジカル硬化樹脂によって構成されている[1]に記載の床版防水構造体。
[3]
前記のアクリル系ラジカル硬化樹脂中にウレタン(メタ)アクリレート由来の構造を有することを特徴とする[2]に記載の床版防水構造体。
[4]
前記のアクリル系ラジカル硬化樹脂中にポリカーボネートポリオール由来の構造を有することを特徴とする[2]または[3]に記載の床版防水構造体。
[5]
前記のアクリル系ラジカル硬化樹脂中に水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物由来の構造を有することを特徴とする[2]〜[4]に記載の床版防水構造体。
[6]
前記のアクリル系ラジカル硬化樹脂中に分岐構造を有する(メタ)アクリレート化合物由来の構造を有することを特徴とする[2]〜[5]に記載の床版防水構造体。
[7]
前記のアクリル系ラジカル硬化樹脂中に縮合環構造を有する(メタ)アクリレート化合物由来の構造を有することを特徴とする[2]〜[6]に記載の床版防水構造体。
[8]
アスファルト乳剤由来のアスファルト層中に骨材を有する[1]〜[7]に記載の床版防水構造体。
[9]
骨材が硅砂である[8]に記載の床版防水構造体。
[10]
以下の2つの工程を含む床版防水構造体の製造方法:
1)樹脂塗膜防水層を形成する樹脂を塗布し、硬化させ、樹脂塗膜防水層を得る工程、および
2)得られた樹脂塗膜防水層の上に、蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下であるアスファルト乳剤を塗布し、乾燥させ、アスファルト層を得る工程。
[11]
以下の2つの工程を含む床版防水構造体の製造方法:
1)樹脂塗膜防水層を形成する樹脂を塗布し、硬化させ、樹脂塗膜防水層を得る工程、および
2)得られた樹脂塗膜防水層の上に、骨材を散布し、続いて蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下であるアスファルト乳剤を塗布し、乾燥させ、アスファルト層を得る工程。
[12]
以下の2つの工程を含む床版防水構造体の製造方法:
1)樹脂塗膜防水層を形成する樹脂を塗布し、硬化させ、樹脂塗膜防水層を得る工程、および
2)得られた樹脂塗膜防水層の上に、続いて蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下であるアスファルト乳剤を塗布し、未乾燥の間に骨材を散布し、乾燥させ、骨材を有するアスファルト層を得る工程。
[13]
本発明の床版防水構造体の製造方法は、以下の2つの工程を含む。
1)樹脂塗膜防水層を形成する樹脂を塗布し、硬化させ、樹脂塗膜防水層を得る工程、および
2)得られた樹脂塗膜防水層の上に、続いて蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下であるアスファルト乳剤及び骨材を予め混合し、この混合液を塗布し、乾燥させ、アスファルト層を得る工程。
[14]
[1]〜[9]に記載の床版防水構造体あるいは[10]〜[13]に記載の床版防水構造体の製造方法に用いる蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下であるアスファルト乳剤。
[15]
[1]〜[9]のいずれかに記載の床版防水構造体の樹脂塗膜防水層を形成する樹脂組成物、あるいは[10]〜[13]のいずれかに記載の床版防水構造体の製造方法において樹脂塗膜防水層を形成する樹脂組成物として用いるアクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物。
本発明によれば、本質的に樹脂塗膜防水層とアスファルト乳剤由来のアスファルト層との接着性を改善することで、短時間で施工可能であり、経済性に優れ、さらには、常温で施工でき、舗装との接着性が高い、床版防水構造体、その製造方法およびそれに用いる材料を提供することができる。
本発明の床版防水構造体の1つの態様を示す概略断面図である。 本発明の床版防水構造体の別の態様を示す概略断面図である。
以下、場合によって図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。上下等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。各要素の寸法比率は図面に図示された比率に限られるものではない。
[床版防水構造体]
本発明の床版防水構造体は、コンクリート床版の上に、順に、樹脂塗膜防水層とアスファルト乳剤由来のアスファルト層が設けられている床版防水構造体であって、前記アスファルト層に用いられるアスファルト乳剤の蒸発残留物が温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下であれば特に限定されるものではない。ここでは、コンクリート床版、樹脂塗膜防水層、アスファルト層の層構成の順序を定めるものとし、例えば、コンクリート床版と樹脂塗膜防水層の間に、プライマー層及び不陸調整層の少なくとも1つの層が存在してもよい。プライマー層の上に不陸調整層が位置してよく、あるいは不陸調整層の上にプライマー層が位置してもよい。アスファルト層の上に舗装層が存在してもよい。
[コンクリート床版]
コンクリート床版は、一般に橋の上を通る車両や列車の重みを橋桁や橋脚に伝えるためのコンクリート床版を意味するが、本明細書においては、コンクリートを使用する基礎部材を含める。コンクリート床版は、例えば、鉄筋コンクリート床版(RC床版)、プレストレストコンクリート床版(PC床版)、鋼とコンクリートの合成構造から成る合成床版である。
[アスファルト乳剤由来のアスファルト層]
本明細書において、「アスファルト乳剤由来のアスファルト層」は単に「アスファルト層」と呼ぶこともある。本明細書において、特記しない限り、アスファルト層とは、アスファルト乳剤由来であるものとし、アスファルト層は後述の舗装層には含まれないものとする。
本発明のアスファルト乳剤由来のアスファルト層は、アスファルト乳剤が乾燥し、固化したアスファルト層である。すなわち、アスファルト層とは、アスファルト乳剤の蒸発残留物である。なお、前記「由来」とは、例えば、アスファルト層の原料が、アスファルト乳剤であることを示す。
アスファルト乳剤は、樹脂塗膜防水層とアスファルト層との接着性を改善することできるため、蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下、好ましくは1〜100、より好ましくは2〜50、特に好ましくは5〜30である。なお、アスファルト乳剤は、JIS K2208:2000の石油アスファルト乳剤に定義されるものであり、また蒸発残留物の温度25℃での針入度は、JIS K2208:2000 6.13 蒸発残留物の針入度試験方法にしたがって測定されるものである。
針入度は、アスファルト乳剤の固さ指標であるが、アスファルト乳剤をアスファルト層の主成分として用いたときの、この針入度と接着性との関係はこれまで明らかにされてこなかった。先行文献においては、使用するアスファルト乳剤の物性値の一つとして記載されているに過ぎなかった。
アスファルト乳剤は、一般に、アスファルト(例えば、含有量30〜80質量%)、水(例えば、含有量20〜70質量%)、乳化剤(例えば、含有量0.1〜15質量%)及び必要に応じて添加剤(例えば、含有量0〜15質量%)によって構成される。
アスファルト乳剤全量に対する蒸発残留物の量は、30〜80質量%が好ましく、40〜60質量%が特に好ましい。なお、前記蒸発残留物とは、アスファルト乳剤を塗布した後、常温で1日以上乾燥した残留物を示す。そのため、蒸発残留物の量が50質量%であるとき、残りの50質量%の多くは水分であることが多い。また、アスファルト乳剤中の蒸発残留物の量は、30〜80質量%が好ましく、40〜60質量%が特に好ましい。
また、アスファルト乳剤の蒸発残留物の軟化点(環球法:日本アスファルト乳剤協会規格JEAAS2011にしたがって測定)は、45〜100℃が好ましく、55〜90℃がより好ましい。
アスファルト乳剤の種類はノニオン、カチオン、アニオンのいずれでも構わないが、カチオン系が好ましい。
このようなアスファルト乳剤としては、例えば、日本アスファルト乳剤協会規格JEAAS2011に定める、タイヤ付着抑制型アスファルト乳剤(記号PKM−T)や、PKM−T規格に準拠した改質アスファルト乳剤と分解剤を使用する速分解型アスファルト乳剤が好適に使用できる。アスファルト乳剤の具体的な製品名は、例えば、東亜道路工業株式会社製タックファインE、ニチレキ株式会社製ファームゾール、株式会社NIPPO製クリアゾル、前田道路株式会社製ノンスティックゾル、昭和瀝青工業株式会社製ハイタックAS、シンレキ株式会社製クリーンタック、東亜道路工業株式会社製タックファインSQ、ニチレキ株式会社製スーパータックゾールなどである。
本発明のアスファルト層の厚さは、接着性に優れることから薄膜とすることが可能であり、0.1〜2.0mmが好ましく、0.1〜1.0mmがより好ましく、0.1〜0.5mmが特に好ましい。
本発明のアスファルト層には、アスファルト乳剤の蒸発残留物に加えて、アスファルトや樹脂系の材料が含まれていてもよい。
低粘度で常温施工が容易に行える観点から、アスファルト層全量に対して、アスファルト乳剤の蒸発残留物の量が、50質量%以上であってよく、60質量%以上、80質量%以上、又は95質量%以上、例えば70〜100質量%が好ましい。
また、アスファルト層において使用するアスファルトは、例えばレーキアスファルト、ロックアスファルト、アスファルタイト等の天然アスファルト、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト等の石油アスファルト、セミブローンアスファルト、硬質アスファルト、これらに熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴム等を入れて改質されたアスファルトも含むものである。アスファルト乳剤に添加するアスファルトの量は、アスファルト層に対して、50質量%以下又は40質量%以下、例えば、1〜30質量%であってよい。
アスファルト層において使用する樹脂系の材料は、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、酢酸ビニル系等の樹脂からなる接着剤、及び場合によってこれら樹脂の架橋剤を含むものである。樹脂系の材料の量は、アスファルト層に対して、40質量%以下又は30質量%以下、例えば、1〜25質量%であってよい。
アスファルト層において使用するその他の添加材料は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等からなる溶剤、シリカ等からなる骨材、アスファルト乳剤の分解促進剤を含むものである。その他の添加材料の量は、アスファルト層に対して、30質量%以下又は20質量%以下、例えば、1〜15質量%であってよい。
[樹脂塗膜防水層]
樹脂塗膜防水層はアスファルト乳剤由来のアスファルト層に隣接している。
本発明の樹脂塗膜防水層(防水層)は、コンクリート床版より上部に形成された防水機能を有する樹脂層であれば特に限定されるものではない。コンクリート床版と防水層の間に、例えば、プライマー層及び/又は不陸調整層があってもよい。
樹脂塗膜防水層を形成する樹脂(防水材)は、例えば、アクリル系ラジカル硬化樹脂、2液ウレタン樹脂、1液ウレタン樹脂であってよい。低温から高温においても硬化性が制御しやすく、短時間で硬化可能であり、遮水性に優れることから、アクリル系ラジカル硬化樹脂が好ましい。
本発明の樹脂塗膜防水層の厚さは、接着性に優れ、塗膜の特性(機械特性、遮水性)にも優れることから薄膜とすることが可能であり、0.1〜2.0mmが好ましく、0.1〜1.0mmがより好ましく、0.2〜0.5mmが特に好ましい。
(アクリル系ラジカル硬化樹脂)
本発明のアクリル系ラジカル硬化樹脂は、少なくとも1種以上の(メタ)アクリレート基構造を有する化合物(アクリレート基構造を有する化合物及び、またはメタクリレート基構造を有する化合物を意味する。)を主成分とし、ラジカル反応によって、重合・硬化させて得られる硬化物である。そのため、この硬化樹脂には(メタ)アクリレート基構造を有する化合物由来の構造(以降、(メタ)アクリレート由来の構造と記載することもあり、メタクリレート基構造を有する化合物由来の構造をメタクリレート由来の構造、アクリレート基構造を有する化合物をアクリレート由来の構造と記載することもある)を有する。
(メタ)アクリレート基構造を有する化合物(以降、(メタ)アクリレート化合物と記載することもあり、メタクリレート基構造を有する化合物をメタクリレート化合物、アクリレート基構造を有する化合物をアクリレート化合物と記載することもある)とは、分子構造中に一つ以上の(メタ)アクリレート基構造を有する化合物(単官能(メタ)アクリレート化合物又は多官能(メタ)アクリレート化合物)であれば特に限定されない。耐熱性や塗膜の靭性に優れることから、メタクリレート化合物が含まれることが好ましい。また、ラジカル反応は、過酸化物などの分解により発生したラジカルによって反応を開始させることが好ましい。
[アクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物]
本発明のアクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物は、少なくとも1種以上の(メタ)アクリレート基構造を有する化合物を含み、ラジカル反応により硬化させることができる組成物である。このアクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物は、一般に液状であり、硬化して前述のアクリル系ラジカル硬化樹脂を与える。特に限定されるわけではないが、このアクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物は、その他の成分として、硬化剤、硬化触媒及びその他の添加剤を含んでいてもよい。その他の添加剤としては、硬化助剤、硬化触媒、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、滑剤、顔料、充填剤、レオロジーコントロール剤、粘着付与剤、溶剤、反応性希釈剤が挙げられる。本発明のアクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物は、前記床版防水構造体の樹脂塗膜防水層を形成する樹脂組成物、あるいは後述の床版防水構造体の製造方法において樹脂塗膜防水層を形成する樹脂組成物として用いることができる。
<ウレタン(メタ)アクリレート>
本発明のアクリル系ラジカル硬化樹脂には、アスファルト層との接着性に優れることから、(メタ)アクリレート由来の構造として、ウレタン(メタ)アクリレート由来の構造を有することが好ましく、耐熱性に優れることから、メタクリル基を有するウレタンメタクリレート由来の構造を有することがより好ましい。
「ウレタン(メタ)アクリレート」とは、(メタ)アクリル基を有するウレタンアクリレート、特に、分子末端に(メタ)アクリル基を有するウレタンアクリレートを意味する。「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリオールの部分構造(a)と、ポリイソシアネートの部分構造(b)と、(メタ)アクリレートの部分構造(c)とを有する。そのため、アクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物にウレタン(メタ)アクリレートを用いた場合、アクリル系ラジカル硬化樹脂には、すくなくとも(メタ)アクリレート由来の構造、ポリオール由来の構造およびポリイソシアネート由来の構造を有することとなる。
このようなウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオール系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリシロキサン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン系ウレタン(メタ)アクリレート、水添ポリブタジエン系ウレタン(メタ)アクリレートである。又は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリシロキサンポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオールからなる群より1種以上選ばれるポリオールと、ポリカーボネートポリオールとの混合物由来のウレタン(メタ)アクリレートも使用できる。
(ポリオール由来の構造)
前記ポリオール由来の構造には、2つ以上の水酸基が含まれていれば、特に限定されない。前記ポリオール由来の構造を製造する際に使用するポリオール化合物は、脂肪族ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオール、多官能ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリエステルポリオール、ポリエーテルポリカーボネートポリオール等の構造中に繰り返し単位を有するオリゴマーポリオールと、繰り返し単位を有さないモノマーポリオールが挙げられる。前記ポリオール化合物のうち、ポリカーボネートポリオールを用いることが好ましい。
本発明の樹脂塗膜防水層中には、アスファルト層との接着性に優れると同時に強靭な塗膜が得られることから、ポリカーボネートポリオール由来の構造を有することが好ましく、さらに柔軟性や保存安定性に優れることから、非晶質のポリカーボネートポリオール由来の構造を有することがより好ましい。特に限定されるわけではないが、ポリカーボネートポリオール由来の構造はウレタン(メタ)アクリレートのポリオール由来の構造として、好適に用いることができる。
(ポリカーボネートポリオール由来の構造)
ポリオール由来の構造(a)として用いられるポリカーボネートポリオール由来の構造とは、例えば、ポリカーボネートポリオールの分子構造のうち、ウレタン化反応などに関与する中の結合基以外の部分構造のことを示す。ポリカーボネートポリオールは、ポリオール由来の構造と、場合によりラクトン由来の構造と、カーボネート結合とを有する。ポリカーボネートポリオールは、例えば、ポリオールと、炭酸エステルとを、触媒の存在下で反応させることによって得られる。
ポリカーボネートポリオールを構成するポリオールは、2つの分子が結合する反応(例えば、重縮合反応及びエステル化反応)を生じさせる反応基を有する化合物、例えば、ジオール及びラクトンを包含する。ラクトンは、ジオールと同様に、ポリカーボネートポリオールを生成する。ポリオールは、3つ以上の水酸基を有するポリオール(例えば、トリオール及びテトラオール)であってよいが、2つの水酸基を有するポリオールであることが好ましい。
ポリカーボネートポリオールを構成するジオールは、式:
HO−R−OH
[式中、Rは、炭素数2〜22の二価の炭化水素基もしくはその一部にエーテル結合を含む]
で示される炭化水素基含有ジオールであることが好ましく、その一部にエーテル結合を有していても良い。
炭化水素基含有ジオールにおいて、二価の炭化水素基は、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状若しくは環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であってよい。炭化水素基は、脂肪族、芳香族又は芳香脂肪族であってよいが、脂肪族炭化水素基であることが好ましい。直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましい。炭化水素基の炭素数は、3〜16、好ましくは4〜12、特に4、5、6又は8であってよい。
ラクトンとは、環状エステルであり、同分子内のヒドロキシル基とカルボキシル基が脱水縮合することにより生成される化合物である。
ラクトンの具体例としては、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトンが挙げられる。
(非晶性のポリカーボネートポリオール)
いくつかの態様において、ポリカーボネートポリオールは、非晶性である。
「非晶性」とは、ポリカーボネートポリオールが、以下の特性(i)〜(v)の少なくとも1つの特性を満たすことを意味する。
(i)23℃で24時間放置した後の性状が透明液体である。
(ii)23℃で試薬瓶を逆さにし、24時間静置した際に、1mm以上流動する。
(iii)23℃で流動性がある。
(iv)23℃で粘度(せん断速度;1sec−1)が200,000mPa・s以下である。
(v)示差走査熱量計、温度上昇法のいずれかで測定される融点が23℃以下であるか、融点が観察されない。
非晶性のポリカーボネートポリオールとなる、ポリオールの例は、2−メチル−1,3プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1−メチル−1,8−オクタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール 、ダイマージオールなどである。
また、非晶性のポリカーボネートポリオールとなる2種類以上のポリオール及びラクトンの組み合わせは、例えば、次のとおりである。
ヘキサンジオール+ブタンジオール、
ヘキサンジオール+2−メチルプロパンジオール、
ヘキサンジオール+3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
ヘキサンジオール+1−メチル−1,8−オクタンジオール、
ヘキサンジオール+ペンタンジオール、
ヘキサンジオール+シクロヘキサンジメタノール、
ヘキサンジオール+δ-バレロラクトン、
ヘキサンジオール+ε-カプロラクトン。
なお、本発明の樹脂塗膜防水層は、低温から高温においても硬化性が制御しやすく、短時間で硬化可能であり、遮水性に優れ、同時にアスファルト層との接着性と、強靭な塗膜が得られることから、ポリカーボネートポリオールを部分構造を有するウレタン(メタ)アクリレート由来の構造を有するアクリル系ラジカル硬化樹脂が好ましい。
ポリカーボネートポリオール系ウレタン(メタ)アクリレートは、特に限定されるわけではないが、ポリカーボネートポリオール由来の構造と、ポリイソシアネート由来の構造と、(メタ)アクリレート由来の構造とを有する。さらにポリカーボネートポリオール由来の構造は、非晶性のポリカーボネートポリオール由来の構造及び/又は2種類以上の繰り返し単位を含むポリカーボネートポリオール由来の構造を有することが好ましい。
(ポリイソシアネート由来の構造)
ポリイソシアネート由来の構造とは、例えば、ポリイソシアネートの分子構造のうち、ウレタン化反応に関与する基以外の部分構造のことを示す。
ポリイソシアネート由来の構造(b)はポリイソシアネートによってウレタン(メタ)アクリレートに導入される。
ポリイソシアネートは、2官能以上のイソシアネートを使用することができるが、ジイソシアネートであることが好ましい。
ジイソシアネートは、式:
OCN−R−NCO
[式中、Rは、炭素原子数2〜20の二価の炭化水素基である。]
で示される化合物であることが好ましい。
二価の炭化水素基は、炭素原子数2〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜12の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜18の環状脂肪族炭化水素基、又は炭素原子数6〜18の芳香族炭化水素基であってよい。耐侯性に優れることから、直鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基が好ましく、特に高強度な塗膜が得られることから、芳香族炭化水素が好ましい。
ポリイソシアネートは、目的や用途に応じて適宜選択することができるが、例えば、
ヘキサメチレンジイソシアネートなどの直鎖状脂肪族ジイソシアネート;
2−又は3−メチル−1,5−ペンチルジイソシアネート、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの分岐状脂肪族ジイソシアネート;
1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイルビス(メチレン)ジイソシアネート、ノルボルニルジイソシアネートなどの環状脂肪族ジイソシアネート;
フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香脂肪族ジイソシアネート;
等が使用される。
ポリイソシアネートは、単独を用いてもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。ポリイソシアネートの構造の一部又は全部がイソシアヌレート化、カルボジイミド化、又はビウレット化など誘導化されていても良い。その中でも、耐侯性に優れることから、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネートが好ましく、特に高強度な塗膜が得られることから、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、が好ましい。また、ウレタンアクリレートを好適に製造するため、非対称な構造を有するものが好ましく、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートが挙げられる。
((メタ)アクリレート由来の構造)
(メタ)アクリレート由来の構造(c)とは、ウレタン(メタ)アクリレートではウレタン化反応に関与する基以外の部分の分子構造、アクリル系ラジカル硬化樹脂では、それらに加え、ラジカル反応に関与する基以外の部分の分子構造のことを示す。
ウレタン(メタ)アクリレートへの(メタ)アクリレート由来の構造は、(メタ)アクリレートによって、ウレタン(メタ)アクリレートに導入される。ウレタン(メタ)アクリレートへの(メタ)アクリレート由来の構造の導入には、水酸基を有する(メタ)アクリレート、イソシアナト基を有する(メタ)アクリレート等を使用することができるが、イソシアネートと反応する水酸基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
(水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物)
本発明のアクリル系ラジカル硬化樹脂には、アスファルト層との接着性に優れることから、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物由来の構造を有することが好ましく、耐熱性に優れることから、水酸基を有するメタクリレート化合物由来の構造を有することがより好ましい。水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物由来の構造は、せん断接着変位が大きくなることから、アクリル系ラジカル硬化樹脂全量に対して、5質量%以上が好ましく、13質量%以上がより好ましく、14質量%以上がより好ましく、24質量%以上が特に好ましい。一方、硅砂を用いた場合のせん断接着強度が大きくなることから、アクリル系ラジカル硬化樹脂全量に対して、25質量%以下が好ましく、14質量%以下がより好ましい。
水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物は、水酸基を1個以上有する(メタ)アクリレート化合物である。水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ヘプチル)メタアクリレート、ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
(分岐構造を有する(メタ)アクリレート化合物)
本発明のアクリル系ラジカル硬化樹脂には、アスファルト層との接着性に優れることから、分岐構造を有する(メタ)アクリレート化合物由来の構造を有することが好ましく、耐熱性に優れることから、分岐構造を有するメタクリレート化合物由来の構造を有することがより好ましい。分岐構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、硅砂を用いた場合のせん断接着強度が大きくなることから、アクリル系ラジカル硬化樹脂全量に対して、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、28質量%以上が特に好ましい。
分岐構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、脂肪族炭化水素構造中に分岐を有する(メタ)アクリレート化合物である。分岐構造を有する(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、
イソプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレートなどの分岐構造を有する単官能(メタ)アクリレート;
ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート、などの分岐構造を有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
(環構造を有する(メタ)アクリレート化合物)
本発明のアクリル系ラジカル硬化樹脂には、アスファルト層との接着性に優れることから、環構造を有する(メタ)アクリレート化合物由来の構造を有することが好ましく、耐熱性に優れることから、分岐構造を有するメタクリレート化合物由来の構造を有することがより好ましい。環構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、硅砂を用いた場合のせん断接着強度が大きくなることから、アクリル系ラジカル硬化樹脂全量に対して、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、28質量%以上が特に好ましい。
環構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、脂肪族炭化水素構造中に環を有する(メタ)アクリレート化合物である。硬化性に優れることから、縮合環を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましく、耐熱性に優れることから、縮合環を有するアクリレート化合物がより好ましい。
環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの環構造を有する(メタ)アクリレート
ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどの縮合環を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
特に、縮合環含有(メタ)アクリレート化合物においては、空気中での硬化性に優れることから、縮合環は反応性の二重結合を有することが好ましい。したがって、縮合環含有(メタ)アクリレートはジシクロペンテニル(メタ)アクリレート及び/又はジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
本発明のアクリル系ラジカル硬化樹脂は、前述のウレタン(メタ)アクリレート由来の構造、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物由来の構造、分岐構造を有する(メタ)アクリレート化合物由来の構造、環構造を有する(メタ)アクリレート化合物由来の構造から選択された少なくとも1種であることが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレート由来の構造、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物由来の構造と環構造を有する(メタ)アクリレート化合物由来の構造の組み合わせがより好ましい。
また、アクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物に水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物を含むことにより、樹脂組成物の臭気を低減することができる。また、環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含むことにより、樹脂組成物を硬化させた際の塗膜表面の硬化性がより高まる。
(メタ)アクリレート化合物の配合比は、特に限定されないが、配合時に低粘度な溶液が得られることから、ウレタン(メタ)アクリレート 100質量部に対して、その他の(メタ)アクリレート化合物は1〜400質量部が好ましく、10〜300質量部がより好ましく、30〜200質量部がさらに好ましい。
<硬化剤>
本発明のアクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物は、ラジカルによって反応を開始させる硬化剤を用いることが好ましい。その硬化剤としては、過酸化物が好ましく、常温で硬化可能で十分な可使時間を得られることから、有機過酸化物がより好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、ハイドロパーオキサイド、パーオキシエステル、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネートが好ましく、これらの中でも、反応性を制御しやすいことから、ハイドロパーオキサイド、パーオキシエステルより好ましい。
硬化剤の量は、(メタ)アクリレート化合物の合計100質量部に対して、好ましくは0.3〜10質量部、更に好ましくは0.5〜5質量部である。硬化剤の量をこの範囲とすることで、十分な反応速度を得ることができる。
<硬化触媒>
本発明のアクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物は、硬化剤に加えて、硬化反応を制御する目的で硬化触媒を使用することが好ましい。硬化触媒としては、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩;イミダゾール類及びその誘導体;ホスフィン類、ホスホニウム塩等の有機リン系化合物;第二級アミン類、第三級アミン類、第四級アンモニウム塩などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。硬化触媒は、保存安定性と硬化性に優れるため、ナフテン酸コバルトやオクチル酸コバルトが好ましい。
硬化触媒の量は、(メタ)アクリレート化合物の合計100質量部に対して、0.01〜3質量部が好ましく、0.05〜1.5質量部がより好ましく、0.1〜1質量部がさらに好ましい。硬化触媒の含有量が上記範囲内であると、硬化促進効果及び保存安定性が優れる傾向にある。
<ワックス>
本発明のアクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物は、アスファルト層とのせん断接着性に優れ、表面硬化性に優れる硬化樹脂を与えることから、ワックスを含むことが好ましい。そのようなワックスとしては、動物ワックス、植物ワックス、鉱物ワックス、石油ワックス、合成ワックス、これらを配合及び又は変性したワックスが好ましく、変性ワックス、パラフィンワックスがより好ましい。また使用されるワックスの融点は、表面硬化性に優れることから、30〜80℃が好ましく、45〜65℃がより好ましい。ワックスの添加量は、硬化性樹脂組成物全量に対して、好ましくは0.01〜2.0質量%、より好ましくは0.1〜1.5質量%、さらに好ましくは0.2〜1.2質量%、特に好ましくは0.3〜1.1質量%である。
<その他の添加剤>
その他の添加剤としては、硬化促進剤(アミン類)、消泡剤、湿潤分散剤、界面活性剤、レオロジーコントロール剤、難燃剤(リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アンチモン系難燃剤)、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤(ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、チオエーテル化合物)、滑剤(タルクやシリカ、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等)、顔料(二酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛等)、充填剤(無機化合物(炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、クレー、タルク)、有機化合物(例えば、有機樹脂、セルロース))、粘着付与剤、溶剤、反応性希釈剤が挙げられる。
その他の添加剤の量は、硬化性樹脂組成物全量に対して、0〜20質量%、例えば0.1〜10質量%であってよい。
[硬化性樹脂組成物の形態]
特に限定されるわけではないが、本発明の樹脂塗膜防水層を形成する塗料となる硬化性樹脂組成物(例えば、アクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物)は、混合が不要である一液型であってもよいし、保存安定性や硬化時に天候等の外的要因により調整できることから、二液混合反応型の硬化性樹脂組成物であることが好ましい。二液混合反応型の場合、例えばA液に(メタ)アクリレート化合物、硬化触媒を含み、B液に硬化剤を含む場合や、A液に(メタ)アクリレート化合物、硬化触媒を含み、B液に(メタ)アクリレート化合物、硬化剤を含む場合がある。前者は、B液が硬化剤のほかに反応性を有する化合物を含まないため、安全性に優れ、後者は、A液とB液の配合比を任意に設定できるため、混合時の作業性に優れる。また、その他成分は、A液及びB液のどちらに配合してもよい。上述の硬化性樹脂組成物は、A液及びB液以外の第三の成分を含んで構成されてもよい。
[硬化性樹脂組成物の特性]
前記の硬化性樹脂組成物は、特に限定されるわけではないが、ポリカーボネートポリオール系ウレタン(メタ)アクリレートとして、ポリカーボネートポリオール由来の構造(a)が非晶性のポリカーボネートポリオール由来の構造(a−1)であるか及び/又は2種類以上の繰り返し単位を含むポリカーボネートポリオール由来の構造(a−2)を有するので、従来のポリカーボネートポリオール系ウレタン(メタ)アクリレートに比較して、保存安定性が大幅に改善される。
[硬化性樹脂組成物の製造方法]
前記の硬化性樹脂組成物(A液及びB液)は、当業者において通常用いられる方法によって製造することができる。A液及びB液はそれぞれ、A液及びB液の各成分を、例えば、反応槽、ブレンド槽、ディスパー、ボールミル、S.G.ミル、ロールミル、及びプラネタリーミキサー等で混合することにより調製することができる。
[硬化性樹脂組成物の硬化方法]
本発明の樹脂塗膜防水層は、例えば、前記の硬化性樹脂組成物をコンクリート床版等の基材の上に塗布し、重合・硬化させて硬化物とすることにより得られる。硬化は、過酸化物によるラジカル反応や、活性エネルギー線の照射による光反応、加熱による熱反応の適用などによって行うことができるが、特に硬化剤、硬化触媒を添加する場合、それらを混合することで、常温(外気温又は室温、例えば−10〜30℃)でラジカル反応により硬化できるため、床版防水の樹脂塗膜防水層として好ましい。
[樹脂塗膜防水層(硬化樹脂)の特性]
本発明の樹脂塗膜防水層は、例えば、ポリカーボネートポリオール系ウレタン(メタ)アクリレート成分を含むことから、以下の特性を有する。
樹脂塗膜防水層(硬化樹脂)の抗張積は、特に限定されるわけではないが、400N/mm以上、例えば650N/mm以上、特に1000N/mm以上、特別に1400N/mm以上が好ましい。この範囲であれば、強靭であるため、床版防水等などの土木建築用樹脂として好適に用いることができる。
樹脂塗膜防水層(硬化樹脂)の弾性率(23℃における引張り試験における)は、特に限定されるわけではないが、1000MPa以下、例えば600MPa以下、特に300MPa以下が好ましく、30MPa以上、例えば100MPa以上が好ましい。この範囲であれば、適度な柔軟性と剛性を有するため、床版防水等などの土木建築用樹脂として好適に用いることができる。
樹脂塗膜防水層(硬化樹脂)の硬化物の破断強度(23℃における引張り試験における)は、特に限定されるわけではないが、10MPa以上、例えば15MPa以上、特に20MPa以上、特別に25MPa以上が好ましい。この範囲であれば、十分な強度を有するため、床版防水等などの土木建築用樹脂として好適に用いることができる。
樹脂塗膜防水層(硬化樹脂)の硬化物の破断伸度(23℃における引張り試験における)は、特に限定されるわけではないが、45%以上、例えば60%以上、特に80%以上、特別に100%以上、より特別に130%以上が好ましい。この範囲であれば、十分な伸びを有するため、床版防水等などの土木建築用樹脂として好適に用いることができる。
[骨材]
本発明の床版防水構造体に使用される骨材は、アスファルト乳剤塗布時の濡れ性改善や、舗装車輌や歩行者へのアスファルト成分の付着を抑制するため、アスファルト層と樹脂塗膜防水層の層間または、アスファルト層中に有することが好ましい。骨材の施工方法としては、防水層塗布(又は硬化)後アスファルト乳剤を施工する前に骨材を散布する方法、骨材をアスファルト乳剤にあらかじめ混合してから塗布する方法、アスファルト乳剤塗布後に骨材を散布する方法が挙げられる。特にアスファルト乳剤が未乾燥の間にアスファルト乳剤中に少なくとも部分的に骨材を有することが好ましく、これにより、防水層の硬化性を高めるためにワックスが使用されていてもアスファルト層が容易に施工できるという効果が得られる。さらに防水層を塗布した後(好ましくは硬化させた後)でアスファルト乳剤を施工する前に骨材を散布することが好ましく、アスファルト乳剤塗布時の濡れ性を効果的に改善できるという効果が得られる。
骨材としては、例えば、砂、硅砂、川砂、寒水石、エメリー、大理石、炭酸カルシウム、カオリン、ベントナイト、マイカ、タルク、炭化珪素粉、窒化珪素粉、窒化ほう素粉、アルミナ、スラグ、ガラス粉末、セラミック骨材、陶器屑、着色骨材、中空粒子等が好ましく、硅砂がより好ましい。
骨材の平均粒径は、接着性に優れることから、0.6mm以下(例えば硅砂4号以上)が好ましく、0.5mm以下(例えば硅砂5号以上)がより好ましく、0.2mm以下(例えば硅砂7号以上)または0.3mm以下(例えば硅砂6号以上)が特に好ましい。骨材の平均粒径は、0.08mm以上であってよい。
骨材の塗布量は、接着性に優れることから、0.01〜2.0kg/mが好ましく、0.1〜1.3kg/mがより好ましく、0.2〜0.6kg/mが特に好ましい。
[舗装層]
本発明の床版防水構造体上に舗装される舗装層は、一般に、アスファルトと骨材から形成されている。アスファルトは、例えばレーキアスファルト、ロックアスファルト、アスファルタイト等の天然アスファルト、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト等の石油アスファルト、セミブローンアスファルト、硬質アスファルト、これらに熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴム等を入れて改質されたアスファルトも含むものである。
[プライマー層]
プライマー層は、コンクリート床版または不陸調整層の表面の状況により存在するが、存在してもよいし、又は存在しなくてもよい。プライマー層は、水分、残存タックコート、微細ひび割れ、コンクリート脆弱層が存在しており接着強度が低くなると予想される際に使用できる。プライマー層を用いることによって、コンクリート床版の表面の強度や、続いて塗布される層との接着強度を高める事ができる。プライマー層は含浸機能を有していてもあるいは有しなくてもよいが、含浸機能を有することが好ましい。プライマー層は、NEXCO試験法426により測定して、含浸深さ10mm以上、例えば、10〜100mm、20〜100mmであることが好ましく、曲げ強度1.0N/mm以上、例えば、2.0N/mm以上を有することが好ましい。
プライマー層を形成するプライマー樹脂は、硬化前において、23℃における粘度が3000〜10cP、好ましくは1000〜10cP、例えば500〜10cP、特に100〜10cPであってよい。プライマー樹脂は、エポキシ樹脂、反応硬化アクリル樹脂、水性エポキシ樹脂、2液ウレタン樹脂、1液ウレタン樹脂、アスファルト乳剤系、アスファルト溶液系であってよい。好ましくは、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、水性エポキシ樹脂であり、さらに好ましくは、アクリル樹脂である。プライマー樹脂の塗布量は、0.05〜0.5kg/m、好ましく0.1〜0.4kg/m、例えば0.15〜0.3kg/mであってよい。
[不陸調整層]
不陸調整層は、コンクリート床版又はプライマー層の表面状況により存在するが、存在してもよいし、又は存在しなくてもよい。コンクリート床版又はプライマー層の表面に凹凸や欠損がある場合に、不陸調整層が存在することが好ましい。不陸調整層が存在することによって、凹凸で防水層が凹部に溜まる事を回避でき、防水層の使用量を低減できる。また凸部が走行荷重やアスファルト合材の転圧時の応力により防水層が貫通されることを防ぐ。
不陸調整層を形成する材料(不陸調整材)は、ポリマーセメントモルタル、樹脂モルタルなどであってよい。不陸調整材の塗布量は不陸の状態により異なる。路面を平滑に直すのに十分な量を状態に合わせて使用できる。舗装・調査試験法便覧 (日本道路協会)に記載されているサンドパッチング法で平均深さを求め、この平均深さの0.5〜1.3倍になるように不陸調整材を使用するのが好ましい。
[床版防水構造体の製造方法]
<製造方法1>
本発明の床版防水構造体の製造方法は、以下の2つの工程を含む。
1)樹脂塗膜防水層を形成する樹脂を塗布し、硬化させ、樹脂塗膜防水層を得る工程、および
2)得られた樹脂塗膜防水層の上に、蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下であるアスファルト乳剤を塗布し、乾燥させ、アスファルト層を得る工程。
特に限定されるわけでないが、コンクリート床版上に、必要に応じて、プライマー層、不陸調整層を設けたのち、前述の樹脂塗膜防水層を形成する塗料となる硬化性樹脂組成物(例えば、アクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物)をローラー、刷毛、ゴムヘラ、レーキ、スプレー等を用い塗布し、常温で硬化させ、樹脂塗膜防水層を形成する。その上に前述のアスファルト乳剤をローラー、刷毛、ゴムヘラ、レーキ、スプレー、アスファルトディストリビュータを備えたタンクローリー車等を用い塗布し、常温で乾燥させ、アスファルト層を得ることができる。このように本発明の床版防水構造体の製造方法は、加熱等が不要であるため経済性に優れ、ローラー、刷毛、ゴムヘラ、レーキ、スプレー等を用いるため、特殊な技術が不要となり、短時間で塗布することが可能である。
<製造方法2>
本発明の床版防水構造体の製造方法は、以下の2つの工程を含む。
1)樹脂塗膜防水層を形成する樹脂を塗布し、硬化させ、樹脂塗膜防水層を得る工程、および
2)得られた樹脂塗膜防水層の上に、骨材を散布し、続いて蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下であるアスファルト乳剤を塗布し、乾燥させ、アスファルト層を得る工程。
特に限定されるわけでないが、コンクリート床版上に、必要に応じて、プライマー層、不陸調整層を設けたのち、前述の樹脂塗膜防水層を形成する塗料となる硬化性樹脂組成物(例えば、アクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物)をローラー、刷毛、ゴムヘラ、レーキ、スプレー等を用い塗布し、常温で硬化させ、樹脂塗膜防水層を形成する。その上に、前述の骨材を散布したのち、前述のアスファルト乳剤をローラー、刷毛、ゴムヘラ、レーキ、スプレー、アスファルトディストリビュータを備えたタンクローリー車等を用い塗布し、常温で乾燥させ、アスファルト層を得ることができる。この製造方法では、樹脂塗膜防水層の上に、骨材を散布することで、アスファルト乳剤の濡れ性が改善できる。
<製造方法3>
本発明の床版防水構造体の製造方法は、以下の2つの工程を含む。
1)樹脂塗膜防水層を形成する樹脂を塗布し、硬化させ、樹脂塗膜防水層を得る工程、および
2)得られた樹脂塗膜防水層の上に、続いて蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下であるアスファルト乳剤を塗布し、未乾燥の間に骨材を散布し、乾燥させ、骨材を有するアスファルト層を得る工程。
特に限定されるわけでないが、コンクリート床版上に、必要に応じて、プライマー層、不陸調整層を設けたのち、前述の樹脂塗膜防水層を形成する塗料となる硬化性樹脂組成物(例えば、アクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物)をローラー、刷毛、ゴムヘラ、レーキ、スプレー等を用い塗布し、常温で硬化させ、樹脂塗膜防水層を形成する。その上に、前述のアスファルト乳剤をローラー、刷毛、ゴムヘラ、レーキ、スプレー、アスファルトディストリビュータを備えたタンクローリー車等を用い塗布したのち、前述の骨材を散布し、常温で乾燥させ、アスファルト層を得ることができる。この製造方法では、アスファルト乳剤が未乾燥の間にアスファルト乳剤中の少なくとも部分的に骨材を有させることができ、これにより、防水層の硬化性を高めるためにワックスが使用されていてもアスファルト層が容易に施工できるという効果が得られる。
<製造方法4>
本発明の床版防水構造体の製造方法は、以下の2つの工程を含む。
1)樹脂塗膜防水層を形成する樹脂を塗布し、硬化させ、樹脂塗膜防水層を得る工程、および
2)得られた樹脂塗膜防水層の上に、続いて蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下であるアスファルト乳剤及び骨材を予め混合し、この混合液を塗布し、乾燥させ、アスファルト層を得る工程。
特に限定されるわけでないが、コンクリート床版上に、必要に応じて、プライマー層、不陸調整層を設けたのち、前述の樹脂塗膜防水層を形成する塗料となる硬化性樹脂組成物(例えば、アクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物)をローラー、刷毛、ゴムヘラ、レーキ、スプレー等を用い塗布し、常温で硬化させ、樹脂塗膜防水層を形成する。その上に、前述のアスファルト乳剤と骨材の混合液をローラー、刷毛、ゴムヘラ、レーキ、スプレー、アスファルトディストリビュータを備えたタンクローリー車等を用い塗布したのち、常温で乾燥させ、少なくとも部分的に骨材を有するアスファルト層を得ることができる。これにより、防水層の硬化性を高めるためにワックスが使用されていてもアスファルト層が容易に施工できるという効果が得られる。
<アスファルト乳剤>
本発明のアスファルト乳剤は、前述の床版防水構造体あるいは前述の床版防水構造体の製造方法に用いる蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下であり、好ましくは1〜100、より好ましくは1〜30、特に好ましくは5〜30であるアスファルト乳剤である。本発明のアスファルト乳剤は、樹脂塗膜防水層との接着性に優れるため、床版防水構造体と舗装層との接着層として好適に用いることができる。
<アクリル系ラジカル硬化樹脂>
本発明のアクリル系ラジカル硬化樹脂は、前述の床版防水構造体あるいは前述の床版防水構造体の製造方法に用いるアクリル系ラジカル硬化樹脂である。本発明のアクリル系ラジカル硬化樹脂は、アスファルト乳剤との接着性に優れるため、床版防水構造体の防水層として好適に用いることができる。
以下、添付図面を参照して、好ましい態様を具体的に説明するが、本発明は添付図面に限定されるものではない。
図1は、本発明の床版防水構造体の1つの態様を示す概略断面図である。床版防水構造体10は、下から順に、コンクリート床版1、防水層2及びアスファルト乳剤由来のアスファルト層3を有する。通常、アスファルト乳剤由来のアスファルト層3上に舗装層が施される。
図2は、本発明の床版防水構造体の別の態様を示す概略断面図である。床版防水構造体20は、下から順に、コンクリート床版1、プライマー層5、不陸調整層6、防水層2、アスファルト乳剤由来のアスファルト層3を有する。通常、アスファルト乳剤由来のアスファルト層3上に舗装層4が施される。
図1及び図2において、アスファルト乳剤由来のアスファルト層3は骨材を含んでいてよい。骨材は、硬化した防水層上に散布することによって、アスファルト乳剤由来のアスファルト層3の中に存在することが好ましい。アスファルト層3の中に沈降して積み重なっていることが好ましい。
防水層2は、硬化性樹脂組成物によって形成されている。液状の硬化性樹脂組成物が硬化して、固体状の硬化物になる。
硬化性樹脂組成物は、アクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物であることが好ましい。アクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物がウレタン(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
以下、実施例を挙げて本開示を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
試験の手順は次のとおりである。
[防水層の硬化性]
防水材(防水層を形成する樹脂組成物)をコンクリート板に塗布し、23℃で24時間以内にタックフリーになるかを指触で検査した。空気下でタックフリーとなるものを◎、空気下ではタックフリーとならないが、窒素下でタックフリーとなるものを〇、空気下、窒素下でタックフリーとならないものを×とした。
[アスファルト乳剤の濡れ面積]
濡れ面積(%)は、タックフリーとなった防水層にアスファルト乳剤を表1記載の塗布均一に塗布し、はじき等が発生せず、均一にアスファルト乳剤で濡れている面積を次式より求めた。
濡れ面積(%)=(アスファルト乳剤で濡れている面積)/(防水層の全面積)×100
[接着試験]
コンクリート板に防水材(防水層を形成する樹脂組成物)を塗布し、タックフリーとなったのち、アスファルト乳剤を塗布し、1日以上乾燥させることで、床版防水構造体の試験体を作成した。この試験体にNEXCO試験方法 第4編 試験法433−2013に記載の舗設負荷II又はIIIを実施、引き続き道路橋床版防水便覧(平成19年3月)付録‐1試験方法に記載の方法にてせん断接着試験及び引張接着試験をそれぞれ23℃で行った。前記接着試験と同じ試験体を準備し、道路橋床版防水便覧(平成19年3月)付録‐1試験方法に記載の方法に従い、水槽に7日間、全面浸漬した後に引張接着性試験を23℃で行い、水浸前後の引張接着強度保持率を求めた。
[防水性試験]
コンクリート板に防水材(防水層を形成する樹脂組成物)を塗布し、タックフリーとなったのち、アスファルト乳剤を塗布し、1日以上乾燥させることで、床版防水構造体の試験体を作成した。この試験体にNEXCO試験方法 第4編 試験法433−2013に記載の舗設負荷Iを実施、引き続き道路橋床版防水便覧(平成19年3月)付録‐1試験方法に記載の方法にて防水性試験IIを行った。
[耐薬品性試験]
JIS K 5600−1−4に規定する鋼板の片面に防水材(防水層を形成する樹脂組成物)を塗布し、タックフリーとなったのち、アスファルト乳剤を塗布し、1日以上乾燥させ、道路橋床版防水便覧(平成19年3月)付録‐1試験方法に記載の方法にて、飽和水酸化カルシウム水溶液及び3%水酸化ナトリウム水溶液それぞれ23℃で15日浸漬を行い、耐薬品性試験を行った。
[ひび割れ追従性試験II]
道路橋床版防水便覧(平成19年3月)付録‐1試験方法に記載方法で調整したモルタルの片面に防水材(防水層を形成する樹脂組成物)を塗布し、タックフリーとなったのち、アスファルト乳剤を塗布し、1日以上乾燥させ、道路橋床版防水便覧(平成19年3月)付録‐1試験方法に記載の方法にて、−10℃にて引張試験機にて引張り、ひび割れ追従性試験IIを行った。
以下において、略号の意味は次のとおりである。
(水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物)
HPMA: 2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
(分岐構造を有する(メタ)アクリレート化合物)
EHMA: 2−エチルヘキシルメタクリレート
(環構造を有する(メタ)アクリレート化合物)
DCPOEMA: ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート
(ワックス)
パラフィンワックス:融点が59℃のパラフィンワックス
(硬化剤)
ナイパーNS:ベンゾイルパーオキサイドのフタル酸ジブチルによる濃度40%の混合物
(アスファルト乳剤)
PKM−T:針入度26のアスファルト乳剤(日本アスファルト乳剤協会規格(JEAAS)2011に記載のPKM−T規格品)
PK−4:針入度121のアスファルト乳剤(JIS K 2208に記載のPK−4規格品)
[合成例1]ウレタンメタクリレート(1)の合成
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び還流冷却器を備えた四つ口フラスコに、1,6−ヘキサンジオール及び1,5−ペンタンジオール(モル比50:50)を原料とする数平均分子量1958の非晶性ポリカーボネートジオール450質量部と、2,4−トリレンジイソシアネート82質量部、ジラウリン酸スズジブチル0.47質量部を仕込み、窒素気流下90℃で1時間反応させた。水酸基転化率が100.0%と理論値となったのを確認して、次いで、空気気流下で2−ヒドロキシプロピルメタクリレート74質量部を加え、90℃で2時間反応させた。イソシアネート基転化率が100.0%以上となった時点でターシャリーブチルカテコール0.030質量部を加え、数平均分子量;2594g/molのウレタンメタクリレート(1)を得た。
[実施例1]アクリル系ラジカル硬化樹脂の製造
合成例1で得られたウレタンメタクリレート(1)を43質量部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)を14質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)を28質量部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(DCPOEMA)を14質量部、融点が59℃のパラフィンワックスを1質量部、オクチル酸コバルトを0.5質量部、p−トリルジエタノールアミンを0.15質量部及びベンゾイルパーオキサイドのフタル酸ジブチルによる濃度40%のサスペンジョン(ナイパーNS)を2質量部の割合で混合、撹拌し、アクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物(塗料)を調製した。
この組成物をNEXCO試験方法 第4編 試験法433−2013に記載されているサイズ60×300×300mmのコンクリート平板に0.3kg/m塗布した。ラジカル硬化型樹脂塗膜組成物を25℃で24時間硬化させ、防水層(硬化樹脂)を形成した。この防水層の上に6号硅砂を0.2kg/m均一に散布し、続いてアスファルト乳剤PKM−Tを0.4kg/m塗布した。この際、硬化した防水材上でアスファルト乳剤はハジキなく濡れ広がり、濡れ面積は100%であった。アスファルト乳剤を1日以上乾燥させることで床版防水構造体の試験体を作成した。この試験体にNEXCO試験方法 第4編 試験法433−2013に記載の舗設負荷II又はIIIを実施、引き続き道路橋床版防水便覧(平成19年3月)付録‐1試験方法に記載の方法にてせん断接着試験及び引張接着試験をそれぞれ23℃で行った。その評価の結果は表2および表3に示す。
[実施例2]
アスファルト乳剤PKM−Tと6号硅砂をあらかじめ混合してから防水層上に塗布した以外は、実施例1と同様の手順で行った。評価の結果は表2および表3に示す。
[実施例3−10、比較例1]
使用する材料を表1の記載に変更した以外、実施例1と同様の手順で行った。評価の結果は表2および表3に示す。なお、表中の「−」とは、前記原料等を使用していないこと、または前記試験を行っていないことを意味する。
表1、表2に示した実施例1、4、5と比較例1の結果より、針入度の低いアスファルト乳剤を用いた場合は、高い接着性(せん断接着強度、せん断接着変位、引張接着強度)を有する床版防水構造体を得ることができることが分かる。
実施例1と実施例2の比較より、硅砂を散布した後にアスファルト乳剤を塗布した方がアスファルト乳剤の濡れ性が良好になる事が分かる。
実施例4と実施例5の比較より、硅砂を使用する場合は、高いせん断接着変位、及び引張接着強度を有する床版防水構造体を得ることができることが分かる。
実施例1,6,7と実施例4,5の比較より、パラフィンワックスの添加により防水層の硬化性が改善することが分かる。また、実施例4と実施例6〜8の比較より、パラフィンワックスの添加量の低減によりアスファルト乳剤の濡れ性が良好になることが分かる。
実施例1と実施例4,5の比較より、パラフィンワックスを使用する場合は、高いせん断接着強度を有する床版防水構造体を得ることができることが分かる。
実施例1と実施例4の比較より、水酸基を有する(メタ)アクリレートの含有量が大きい場合は、高いせん断接着変位を有する床版防水構造体を得ることができることが分かる。
実施例1と実施例5の比較より、硅砂を用いた場合、水酸基を有する(メタ)アクリレートの含有量が小さい場合は、高いせん断接着強度を有する床版防水構造体を得ることができることが分かる。
実施例1と実施例4,5の比較より、分岐構造を有する(メタ)アクリレートの含有量が大きい場合は、高いせん断接着強度を有する床版防水構造体を得ることができることが分かる。
実施例1と実施例4,5の比較より、縮合環構造を有する(メタ)アクリレートの含有量が大きい場合は、高いせん断接着強度を有する床版防水構造体を得ることができることが分かる。
実施例1と実施例8〜10の比較より、硅砂の使用量が増加するに従い、アスファルト乳剤の濡れ性が向上することが分かる。
また、表2及び表3の結果から、本発明の床版防水構造体が、NEXCO構造物施工管理要領に記される床版防水層の要求性能の個々の基準値を満たすこともわかる。
Figure 2021046760
Figure 2021046760

Figure 2021046760

本発明の床版防水構造体は、例えば、橋梁及び建築物の防水、特に道路橋や鉄道橋の防水に有用である。
1 コンクリート床版
2 樹脂塗膜防水層
3 アスファルト乳剤由来のアスファルト層
4 舗装層
5 プライマー層
6 不陸調整層
10、20 床版防水構造体

Claims (15)

  1. コンクリート床版の上に、順に、樹脂塗膜防水層とアスファルト乳剤由来のアスファルト層が隣接して設けられている床版防水構造体であって、
    前記アスファルト乳剤の蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下である、床版防水構造体。
  2. 樹脂塗膜防水層が、アクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物の硬化物であるアクリル系ラジカル硬化樹脂によって構成されている請求項1に記載の床版防水構造体。
  3. 前記のアクリル系ラジカル硬化樹脂中にウレタン(メタ)アクリレート由来の構造を有することを特徴とする請求項2に記載の床版防水構造体。
  4. 前記のアクリル系ラジカル硬化樹脂中にポリカーボネートポリオール由来の構造を有することを特徴とする請求項2または3に記載の床版防水構造体。
  5. 前記のアクリル系ラジカル硬化樹脂中に水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物由来の構造を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の床版防水構造体。
  6. 前記のアクリル系ラジカル硬化樹脂中に分岐構造を有する(メタ)アクリレート化合物由来の構造を有することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の床版防水構造体。
  7. 前記のアクリル系ラジカル硬化樹脂中に縮合環構造を有する(メタ)アクリレート化合物由来の構造を有することを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の床版防水構造体。
  8. アスファルト乳剤由来のアスファルト層中に骨材を有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の床版防水構造体。
  9. 骨材が硅砂である請求項8に記載の床版防水構造体。
  10. 以下の2つの工程を含む床版防水構造体の製造方法:
    1)樹脂塗膜防水層を形成する樹脂を塗布し、硬化させ、樹脂塗膜防水層を得る工程、および
    2)得られた樹脂塗膜防水層の上に、蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下であるアスファルト乳剤を塗布し、乾燥させ、アスファルト層を得る工程。
  11. 以下の2つの工程を含む床版防水構造体の製造方法:
    1)樹脂塗膜防水層を形成する樹脂を塗布し、硬化させ、樹脂塗膜防水層を得る工程、および
    2)得られた樹脂塗膜防水層の上に、骨材を散布し、続いて蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下であるアスファルト乳剤を塗布し、乾燥させ、アスファルト層を得る工程。
  12. 以下の2つの工程を含む床版防水構造体の製造方法:
    1)樹脂塗膜防水層を形成する樹脂を塗布し、硬化させ、樹脂塗膜防水層を得る工程、および
    2)得られた樹脂塗膜防水層の上に、続いて蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下であるアスファルト乳剤を塗布し、未乾燥の間に骨材を散布し、乾燥させ、骨材を有するアスファルト層を得る工程。
  13. 以下の2つの工程を含む床版防水構造体の製造方法:
    1)樹脂塗膜防水層を形成する樹脂を塗布し、硬化させ、樹脂塗膜防水層を得る工程、および
    2)得られた樹脂塗膜防水層の上に、続いて蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下であるアスファルト乳剤及び骨材を予め混合し、この混合液を塗布し、乾燥させ、アスファルト層を得る工程。
  14. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の床版防水構造体あるいは請求項10〜13のいずれか一項に記載の床版防水構造体の製造方法に用いる蒸発残留物の温度25℃での針入度が100(単位1/10mm)以下であるアスファルト乳剤。
  15. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の床版防水構造体の樹脂塗膜防水層を形成する樹脂組成物、あるいは請求項10〜13のいずれか一項に記載の床版防水構造体の製造方法において樹脂塗膜防水層を形成する樹脂組成物として用いるアクリル系ラジカル硬化性樹脂組成物。
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