JP2000273151A - エポキシ樹脂用硬化剤組成物 - Google Patents
エポキシ樹脂用硬化剤組成物Info
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Abstract
ことのできる、硬化剤組成物を提供する。 【解決手段】 この硬化剤組成物は、ノルボルナンジア
ミン−エポキシアダクト体とポリオキシアルキレンアミ
ンとを含有する。両者の配合量は、ノルボルナンジアミ
ン−エポキシアダクト体100重量部に対して、ポリオ
キシアルキレンアミン1〜10重量部程度が好ましい。
この硬化剤組成物の使用方法としては、次のような補強
方法が挙げられる。まず、エポキシ樹脂と、この硬化剤
組成物とを混合して接着剤を得る。この接着剤を、補強
しようとする材料の表面に塗布し、その後、繊維シート
を積層する。次いで、繊維シート面に、当該接着剤を再
度塗布し、繊維シートに接着剤を概ね完全に含浸させ
る。最後に、接着剤を硬化させる。以上で、補強しよう
とする材料が、強固に補強されるのである。
Description
化させるための硬化剤組成物に関し、特に、エポキシ樹
脂を低温で硬化させうると共に、高温下において圧縮特
性に優れた硬化物を提供しうる硬化剤組成物に関するも
のである。
としては、種々のものが用いられている。例えば、脂肪
族ポリアミン類や脂環式ポリアミン類が広く用いられて
いる。しかし、この脂肪族又は脂環式ポリアミン類は、
不快な臭気がする、或いは硬化物が大気中の炭酸ガスを
吸収し白化するという欠点があった。
ミン類に代えて、ノルボルナンジアミン−エポキシアダ
クト体を硬化剤とすることが提案されている(特開平8
−253556号公報)。ノルボルナンジアミン−エポ
キシアダクト体とは、2,5−及び2,6−ビス(アミ
ノメチル)−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタンとエポキ
シ樹脂とを反応させて得られるものである。確かに、こ
の硬化剤を用いると、脂肪族又は脂環式ポリアミン類に
比べて、不快な臭気は減少するし、また硬化物の白化も
低減する。また、低温硬化性も良好である。しかしなが
ら、低温で硬化させた硬化物を、低温下又は高温下に置
いた場合、この硬化物の圧縮特性が著しく劣るというこ
とがあった。
えて、マンニッヒ塩基化合物と脂肪族ポリエーテルジア
ミンとの混合物を硬化剤とすることも提案されている
(特開平10−339040号公報)。マンニッヒ塩基
化合物とは、活性メチレン炭素がアミノメチル化された
構造を持つ化合物のことで、例えば、メタキシレンジア
ミンやイソホロジアミン等をベースアミンとするもので
ある。確かに、この硬化剤を用いると、脂肪族又は脂環
式ポリアミン類に比べて、低温硬化性がいく分優れてお
り、また硬化物の塗布面への被着も強固で良好である。
しかしながら、低温で硬化させた硬化物を、高温下に置
いた場合、この硬化物の圧縮特性が著しく劣るというこ
とがあった。
脂とよりなる接着剤は、種々の用途に用いられている
が、例えば、橋梁や建築物の梁或いは柱等を補強する際
に、次のようにして用いられることがある。即ち、補強
したい梁或いは柱の表面(被補強体面)に、硬化剤とエ
ポキシ樹脂とを混合してなる接着剤を塗布する。次い
で、この塗布面に、炭素繊維シートやアラミド繊維シー
ト等の繊維シートを積層する。この後、繊維シート面に
硬化剤とエポキシ樹脂とを混合してなる接着剤を再度塗
布し、繊維シートが概ね完全に接着剤で含浸された状態
とする。そして、この状態で放置(養生)しておくこと
により、接着剤を硬化させ、被補強体面に強固に繊維シ
ートを含有する硬化物を被着させる。以上のようにし
て、橋梁や建築物の梁或いは柱等を補強することができ
るのである。
季にこのような補強を有効に行うためには、低温での接
着剤の硬化性が良好でなければならない。従って、前記
したノルボルナンジアミン−エポキシアダクト体を硬化
剤とするエポキシ樹脂、又はマンニッヒ塩基化合物と脂
肪族ポリエーテルジアミンとの混合物を硬化剤とするエ
ポキシ樹脂は、低温硬化性に優れており、好ましいもの
である。しかしながら、エポキシ樹脂が硬化した後の硬
化物は、梁や柱に負荷される荷重(特に地震により負荷
される荷重)に伴い、圧縮する場合がある。また、季節
に拘わらず圧縮するため、高温下においても圧縮特性が
良好でなければならない。しかるに、ノルボルナンジア
ミン−エポキシアダクト体を硬化剤とするエポキシ樹
脂、又はマンニッヒ塩基化合物と脂肪族ポリエーテルジ
アミンとの混合物を硬化剤とするエポキシ樹脂の場合、
硬化後における圧縮特性に劣るということがあった。こ
のため、被補強体に大きな圧縮荷重が負荷されると、被
補強体面上の硬化物が破壊(爆裂)し、補強の実効性が
著しく低下するという欠点があった。
は、低温硬化性はもとより、硬化物の圧縮特性に優れた
エポキシ樹脂系接着剤を開発すべく、種々研究を重ねて
いたところ、エポキシ樹脂の硬化剤として、ノルボルナ
ンジアミン−エポキシアダクト体とポリオキシアルキレ
ンアミンとの混合物を用いることにより、硬化物の圧縮
特性を改良しうることを見出した。本発明は、この知見
に基づいて、なされたものである。
ルナンジアミン−エポキシアダクト体とポリオキシアル
キレンアミンとを含有することを特徴とするエポキシ樹
脂用硬化剤組成物に関するものである。
ポキシアダクト体とは、ノルボルナンジアミンとエポキ
シ樹脂とを反応させて得られるものであり、例えば、特
開平8−253556号公報に記載されているものを用
いることができる。ここで、ノルボルナンジアミンと
は、2,5−及び2,6−ビス(アミノメチル)−ビシ
クロ〔2,2,1〕ヘプタンのことである。ノルボルナ
ンジアミンは、従来公知の方法で得ることができ、例え
ば、ジシクロペンタジエンとアクリロニトリルを反応さ
せて得られるシアノノルボルネンを、シアン化水素と反
応させてジシアノノルボルナンとした後、これを水素化
する方法により合成することができる。
せるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールF等のビスフェノール類とエピクロロヒドリン
とを反応させて得られるもの、又はフェノール或いはク
レゾールとホルムアルデヒドを付加縮合したノボラック
樹脂とエピクロロヒドリンとを反応させて得られるもの
等が単独で又は混合して用いられる。特に、エポキシ当
量が150〜600g/eqで、1分子中にエポキシ基
を2個以上含むエポキシ樹脂が好ましい。また、このエ
ポキシ樹脂は、一般的に液状又は半固体状のものであ
る。これらの中でも最も好ましいのは、ビスフェノール
A又はビスフェノールFとエピクロロヒドリンとを反応
させて得られる液状の樹脂であって、エポキシ当量が1
50〜300g/eqである、ビスフェノールAジグリ
シジルエーテル又はビスフェノールFジグリシジルエー
テルである。
ンとしては、ポリオキシアルキレンモノアミン,ポリオ
キシアルキレンジアミン,ポリオキシアルキレントリア
ミンが用いられる。具体的には、以下の化1,化2及び
化3に示した構造式で表される化合物が用いられる。
素数1〜4のアルキレン基を表し、nは1〜20の任意
の整数を表す。) この化1で表されるようなモノアミンは、エチレンモノ
アミンやプロピレンモノアミン等のアルキレンモノアミ
ンに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等の
アルキレンオキサイドを1〜20モル付加させて得られ
るものである。
し、nは1〜20の任意の整数を表す。) この化2で表されるようなジアミンは、エチレンジアミ
ンやプロピレンジアミン等のアルキレンジアミンに、エ
チレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレ
ンオキサイドを1〜20モル付加させて得られるもので
ある。
し、R4は炭素数1〜6の炭化水素残基を表し、x,y
及びzは0又は任意の整数であり、x+y+z=1〜2
0である。) この化3で表されるようなトリアミンは、トリアミノイ
ソヘキサン等のトリアミノイソアルカンに、エチレンオ
キサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサ
イドを1〜20モル付加させて得られるものである。
体とポリオキシアルキレンアミンとの配合量は、任意で
あるが、一般的に、ノルボルナンジアミン−エポキシア
ダクト体100重量部に対して、このポリオキシアルキ
レンアミン1〜10重量部の範囲であるのが好ましい。
ポリオキシアルキレンアミンの配合量が1重量部未満で
あると、エポキシ樹脂硬化物を高温下において圧縮する
と、硬化物が破壊(爆裂)しやすくなる傾向が生じる。
また、ポリオキシアルキレンアミンの配合量が10重量
部を超えると、低温硬化性に劣る傾向が生じる。また、
本発明に係る硬化剤組成物中には、その他の公知の任意
成分が配合されていても良い。具体的には、重質炭酸カ
ルシウム,表面処理炭酸カルシウム,カオリン,クレ
ー,タルク,珪砂,シリカ等の充填剤、酸化チタン,カ
ーボンブラック,染料等の顔料、アルコール類,ケトン
類,芳香族炭化水素等の有機溶剤,モノ或いはジ或いは
トリエポキサイド化合物等の反応性希釈剤、シランカッ
プリング剤、顔料分散剤、消泡剤、チタンカップリング
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤が配合さ
れていても良い。
脂を硬化させる際に用いられるものである。硬化剤組成
物は、エポキシ樹脂100重量部に対して、30〜70
重量部程度添加すれば、エポキシ樹脂を十分硬化させる
ことができる。硬化させるエポキシ樹脂として、例え
ば、ビフェニール、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールAD、ビスフェノールS等とエピク
ロルヒドリンを反応させて得られるビフェニル型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ
樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等や、これらを
水添化あるいは臭素化したエポキシ樹脂、グリシジルエ
ステル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ウ
レタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、メタキ
シレンジアミンやヒダントインなどをエポキシ化した含
窒素エポキシ樹脂、ポリブタジエンあるいはNBRを含
有するゴム変性エポキシ樹脂等があげられるが、硬化し
て良好な被着性を示すものであれば、これらに限定され
るものではない。
脂と共に、橋梁や建築物の梁或いは柱等を補強する際
に、次のようにして用いられるのが好ましい。即ち、本
発明に係る硬化剤組成物とエポキシ樹脂とを混合した接
着剤を、梁や柱等の被補強体面に積層された繊維シート
に含浸した後、該接着剤を硬化させて、梁や柱等の被補
強体を補強させるために用いるのが好ましい。
て、説明すると、以下のとおりである。まず、梁や柱等
の被補強体面を研削又は洗浄して下地処理を行う。下地
処理の後、プライマーをローラやコテ等で塗布する。一
方、エポキシ樹脂と本発明に係る硬化剤組成物とを混合
した接着剤を準備する。混合比は、エポキシ樹脂100
重量部に対して、硬化剤組成物30〜70重量部程度で
良い。この接着剤を、プライマー層の上にローラ等で塗
布する。この後、塗布された接着剤層の上に、炭素繊維
シートやアラミド繊維シート等の繊維シートを積層す
る。この際、接着剤層は未だ十分に硬化していないた
め、繊維シート中に接着剤が侵入する。この後、繊維シ
ート面に、前記の準備した接着剤をローラ等で押圧しな
がら塗布する。これによっても、繊維シート中に接着剤
が侵入し、結果的には、接着剤が繊維シートに含浸され
た状態となる。即ち、繊維シートの積層前に塗布された
接着剤と、繊維シートの積層後に塗布された接着剤とが
繊維シートに含浸された状態となるのである。なお、接
着剤の使用量にもよるが、一般的には、接着剤が繊維シ
ートに含浸されると共に、繊維シートの表裏面に接着剤
層が形成された状態となる。そして、このように被補強
体面に積層された繊維シートに接着剤が含浸された状態
で、数日間放置(養生)しておけば、接着剤が十分に硬
化すると共に、補強体面に繊維シート含有エポキシ樹脂
硬化物が強固に被着するのである。以上で、被補強体の
補強は終了するのであるが、一般的に表面には硬化した
エポキシ樹脂が露出していることになる。従って、硬化
したエポキシ樹脂表面に、塗料等でコート層を形成して
も良いし、またモルタルやセメント等を塗布して保護層
を設けても良い。
等の表面には、繊維シートを含有した硬化エポキシ樹脂
層が形成され、いわゆるFRP〔Fiber Rein
forced Plastic(繊維強化プラスチッ
ク)〕の如きものが形成され、梁や柱等が補強されるの
である。このような補強は、橋梁や建築物の梁や柱だけ
でなく、トンネル,港湾施設,煙突,サイロ,水槽,煙
害被害コンクリート構造物,桟橋,河川構造物等の各所
に適用されうるものである。
が、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明
は、ノルボルナンジアミン−エポキシアダクト体とポリ
オキシアルキレンアミンとを含有する硬化剤組成物を用
いて、エポキシ樹脂を硬化させると、エポキシ樹脂硬化
物の圧縮特性が向上するとの知見に基づくものとして、
解釈されるべきである。
ト体の調製〕4つ口フラスコ中に、2,5−及び2,6
−ビス(アミノメチル)−ジシクロ〔2,2,1〕ヘプ
タンの混合物154gを仕込み、80℃に昇温する。昇
温後、分子量380のビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル76gを1時間かけて滴下し、反応させる。滴下
後、更に2時間、80℃に保ち、ノルボルナンジアミン
−エポキシアダクト体を製造した。
00重量部に対して、ポリオキシプロピレンジアミン
(Huntsman社製、ジェファーミンD−230。
上記化2において、R2,R3がプロピレン基であり、n
が2.6のもの)6.25重量部を混合して、硬化剤組
成物を準備した。この硬化剤組成物50重量部を、エポ
キシ樹脂(油化シエルエポキシ社製、商品名エピコート
828)100重量部に混合し、粘度約20000Pa
・sの粘稠な接着剤を得た。この接着剤を用いて、以下
の項目について、試験を行い、その結果を表1に示し
た。
とを0℃雰囲気下で混合し、接着剤を得た。この接着剤
を、シリコーン製の型枠に注型し、0℃下で3日間放置
し、硬化させた。硬化後、硬化物の寸法を調整し、圧縮
試験を行った。圧縮試験は、0℃下での試験と、20℃
で硬化物を3時間放置した後における20℃下での試験
との二通りの方法で、最大強度を測定した。なお、操作
はJIS K 7208に準じて行い、試験機としては
株式会社島津製作所製の島津オートグラフAG−50k
Nを用い、試験速度(圧縮速度)は12mm/minと
した。この圧縮試験の際、図1に示すようなS−S曲線
を描くものについては、降伏強さを最大強度(靭性破
壊、表1中「T」で表す。)とした。図2に示すような
S−S曲線を描くものについては、硬化物が圧縮方向に
5%変形(圧縮ひずみ)した際の降伏耐力を最大強度
(ゴム状破壊、表1中「G」で表す。)とした。また、
図3に示すようなS−S曲線を描くものについては、硬
化物がガラス状に割れる際の圧縮強さを最大強度(脆性
破壊、表1中「F」で表す。)とした。
混合し、接着剤を得た。この接着剤を、ガラス板上に2
50μ厚に塗布し、RCI式塗膜乾燥試験機を用いて、
塗膜硬化時間(ゲル化開始時間と硬化完了時間)を測定
した。なお、硬化中の雰囲気温度は、0℃とした。 (2)硬化剤組成物とエポキシ樹脂とを0℃雰囲気下で
混合し、接着剤を得た。この接着剤を、ガラスビン中に
250g入れ、熱電対式レコーダーにて接着剤の温度変
化を測定した。そして、最大発熱時間を求めた。なお、
硬化中の雰囲気温度は、0℃とした。
とを0℃雰囲気下で混合し、接着剤を得た。この接着剤
を、スレート板上に200g/m2塗布し、0℃下で1
日放置した。この後、5℃下で蒸留水を噴霧し、放置し
た。1日後、その表面状態を目視し、白化(曇り)のあ
ったものを「×」と評価し、白化(曇り)のなかったも
のを「○」と評価した。
を0℃雰囲気下で混合し、接着剤を得た。この接着剤
を、スレート板上に300g/m2塗布した後、直ちに
目付300g/m2のカーボンシート(炭素繊維が集積
されてなるシート)を塗布面に貼り付け、脱泡ローラー
にてカーボンシート表面からスレート板に向けて圧締
(押圧)し、接着剤をカーボンシートに含浸させた。そ
して、1日放置し、接着剤を硬化させた。硬化後、カー
ボンシート表面にカーターナイフをこすりつけ、カーボ
ンシートの繊維を掻き取るようにしたとき、その繊維の
ほつれ状態を確認し、以下のとおり評価した。即ち、カ
ーボンシートの繊維がほつれにくく、掻き取った場合で
もささくれた状態になるときは、十分に接着剤がカーボ
ンシートに含浸されているのであり、「○」と評価し
た。一方、カーボンシートの繊維がほつれやすく、ほつ
れた繊維が毛玉状になるときは、十分に接着剤がカーボ
ンシートに含浸されていないのであり、「×」と評価し
た。
00重量部に対して、ポリオキシプロピレンジアミン
(Huntsman社製、ジェファーミンD−230。
上記化2において、R2,R3がプロピレン基であり、n
が2.6のもの)8.3重量部と、メタキシレンジアミ
ンをベースアミンとするマンニッヒ塩基化合物(昭和電
工株式会社製、ショーアミン2010)33.3重量部
とを混合して、硬化剤組成物を準備した。そして、実施
例1の場合と同様にして、接着剤を得た後、実施例1と
同様にして各項目について試験を行い、その結果を表1
に示した。
硬化剤(実施例1の硬化剤組成物において、ポリオキシ
プロピレンジアミンを用いないもの)とし、実施例1の
場合と同様にして、接着剤を得た後、実施例1と同様に
して各項目について試験を行い、その結果を表1に示し
た。
塩基化合物(昭和電工株式会社製、ショーアミン201
0)100重量部に対して、ポリオキシプロピレンジア
ミン(Huntsman社製、ジェファーミンD−23
0。上記化2において、R2,R3がプロピレン基であ
り、nが2.6のもの)5重量部を混合して、硬化剤組
成物を準備した。そして、実施例1の場合と同様にし
て、接着剤を得た後、実施例1と同様にして各項目につ
いて試験を行い、その結果を表1に示した。
及び2に係る硬化剤組成物を用いたときには、比較例1
及び2に係る硬化剤組成物を用いたときに比較して、エ
ポキシ樹脂硬化物の圧縮特性が格段に優れていることが
分かる。即ち、0℃下での圧縮試験においては、実施例
1,実施例2及び比較例2が、各々、靭性破壊における
最大強度であり、この値は実施例1及び2の方が、比較
例2よりも高い。また、比較例1において、最大強度の
値は実施例1及び2よりも高いが、これは脆性破壊にお
ける最大強度であり、最大強度を超えるとたちまちガラ
ス状に爆裂してしまうものである。従って、硬化物は、
実施例1及び2の方が、比較例1よりも破壊されにくい
ものである。また、20℃下での圧縮試験においては、
実施例1の最大強度は、比較例1及び2よりも高いもの
である。また、実施例2の最大強度は、比較例2よりも
高い。なお、実施例2の最大強度は、比較例1よりも低
いが、実施例2はゴム状破壊における最大強度であり、
比較例1は靭性破壊における最大強度であり、実施例2
は粘りがあり、破壊されにくいものである。依って、総
合的にみて、実施例1及び2に係る硬化剤組成物を用い
たときには、比較例1及び2に係るものを用いたときに
比較して、エポキシ樹脂硬化物の圧縮特性が格段に優れ
ているのである。
を用いたときには、低温硬化特性、耐白化性及び含浸性
の点でも、優れているものである。
次の三段階で評価すると、表2のとおりである。 「○」:実用性は十分である。 「△」:実用性はある。 「×」:実用性はない。
及び2に係る硬化剤組成物を用いたときは、各項目共
に、いずれも実用性のあるものである。一方、比較例1
及び2に係る硬化剤組成物を用いたときには、圧縮特性
及びその他の項目において、実用性に欠けるものであ
る。
物を用いて得られた、エポキシ樹脂硬化物は、圧縮特性
に優れるという効果を奏する。即ち、本発明に係る硬化
剤組成物を用いれば、低温でエポキシ樹脂を硬化しうる
と共に、硬化後のエポキシ硬化物が、低温下及び高温下
に置かれて大きな圧縮荷重が負荷されても、破壊(爆
裂)しにくいという効果を奏するものである。
梁や建築物の梁或いは柱等を、エポキシ樹脂と繊維シー
トで補強する際に、エポキシ樹脂の硬化剤として用いれ
ば、梁や柱等の補強が強固に行える。即ち、予期せぬ地
震等によって、梁や柱等に大きな圧縮荷重が負荷されて
も、エポキシ樹脂硬化物が破壊(爆裂)しにくく、梁や
柱等の破壊、ひいては橋梁や建築物の倒壊を未然に防止
しうるという効果を奏する。
み曲線(いわゆるS−S曲線)であり、靭性破壊する場
合に描かれるS−S曲線の一例を示したものである。
み曲線(いわゆるS−S曲線)であり、ゴム状破壊する
場合に描かれるS−S曲線の一例を示したものである。
み曲線(いわゆるS−S曲線)であり、脆性破壊する場
合に描かれるS−S曲線の一例を示したものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 ノルボルナンジアミン−エポキシアダク
ト体とポリオキシアルキレンアミンとを含有することを
特徴とするエポキシ樹脂用硬化剤組成物。 - 【請求項2】 ノルボルナンジアミン−エポキシアダク
ト体100重量部に対して、ポリオキシアルキレンアミ
ン1〜10重量部が配合されている請求項1記載のエポ
キシ樹脂用硬化剤組成物。 - 【請求項3】 エポキシ樹脂と、請求項1又は2記載の
エポキシ樹脂用硬化剤組成物とを混合した接着剤を、被
補強体面に積層された繊維シートに含浸した後、該接着
剤を硬化させることを特徴とする被補強体の補強方法。
Priority Applications (1)
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JP08318699A JP4308893B2 (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | エポキシ樹脂用硬化剤組成物 |
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JP08318699A JP4308893B2 (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | エポキシ樹脂用硬化剤組成物 |
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1999
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