JP2000136638A - 樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
において、前記シートをコンクリート構造体表面に十分
に保持し、かつ厚みの大きなシートに対しても十分な粘
着力を示すことのできる樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 本発明の樹脂組成物は、連続繊維シート
をコンクリート構造体の表面に貼り付けるコンクリート
構造体の補強方法に用いられるものであって、前記樹脂
組成物の調整時におけるチキソトロピー・インデックス
(TI値)が、前記連続繊維シートの目付け量a(g/
m2 )に対して、式(1) : 【数1】
Description
リート床版等のコンクリート構造体を連続繊維シートに
て補強するのに用いられる樹脂組成物に関する。
年、コンクリート構造体の補強方法として、その表面
に、樹脂を含浸させた状態の連続繊維シートを貼り付け
る方法が用いられている。かかる補強方法において、連
続繊維シート、とりわけカーボン繊維等の強化繊維を用
いた連続繊維シートに含浸させる樹脂としては、硬化性
樹脂が広く用いられている。
樹脂では、連続繊維シートへの含浸性が優れているもの
の、補強処理後にコンクリート構造体から繊維シートが
剥離するのを防ぐ効果が不十分であって、貼付け作業を
終えた後、樹脂が硬化するまでの間に前記シートが剥離
して膨れたり、脱落するなどの問題があった。これは、
繊維シートに含浸させる樹脂には、施工時すなわち樹脂
の塗布時のように、剪断速度の大きな力がかかると粘性
の低い流体としての性質を示し、逆に、施工後のよう
に、樹脂にかかる力が剪断速度の小さなものであるとき
には粘性の高いゲルとしての性質を示すという揺変性
(チキソトロピー性)が要求されるにも関らず、従来用
いられている樹脂は揺変性に対する考慮が不十分であっ
たからと推測される。
量が大きくなると、樹脂自体の粘性に基づいて十分な粘
着力を示すことができなくなり、貼付け作業時において
も前記シートが脱落するという問題が生じる。また、か
かる問題を解決するために薄い繊維シートを繰返し貼り
付けると、補強作業の効率が低下するという別の問題が
生じる。
シートを貼り付けるコンクリート構造体の補強方法にお
いて、補強作業時および補強作業後のいずれにおいて
も、コンクリート構造体の表面に前記シートを十分に保
持することができ、かつ重量の大きな連続繊維シートに
対しても十分な粘着性を発揮することのできる樹脂組成
物を提供することである。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、樹脂組成物の
揺変性を、連続繊維シートの目付け量に応じた所定の値
よりも大きく設定すれば、補強作業時すなわち前記シー
トの貼付け作業時、および補強作業後のいずれにおいて
も、コンクリート構造体の表面に前記シートを十分に保
持することができ、かつ厚みの大きな連続繊維シートに
対しても十分な粘着性を発揮することのできる樹脂組成
物が得られるという新たな事実を見出し、本発明を完成
するに至った。
リート構造体を補強するため、その表面に連続繊維シー
トを貼り付ける際に、当該連続繊維シートに含浸させて
用いられるものであって、当該樹脂組成物の調整時にお
けるチキソトロピー・インデックス(TI値)が、前記
連続繊維シートの目付け量a(g/m2 )に対して、式
(1) :
ス(TI値)はその揺変性(チキソトロピー)の指標と
なるものである。本発明におけるTI値は、E型粘度計
(JISZ8803、円すい平板型回転粘度計),3度
コーンで、20℃の条件下での粘度を測定し、樹脂組成
物の回転数が1rpmであるときの粘度を10rpmで
あるときの粘度で除した値である。このTI値が大きい
場合は、剪断速度の大きな力がかかるときと小さな力し
かかかっていないときとでの樹脂組成物の粘性の差が大
きいことを示しており、すなわち樹脂組成物の揺変性が
高いといえる。
整時」とは、当該樹脂組成物を硬化させる目的で、基材
樹脂に揺変性付与剤等の他の成分を混合したときあるい
は樹脂組成物の主剤と硬化剤とを混合したときのことを
いう。なお、以下の説明において、チキソトロピー・イ
ンデックス「TI値」とは樹脂組成物の調整時(調整直
後)における値を指し、後述する「調整時から30分
後」の値については「TI値30」として区別する。
g/m2 を超すような、径が太くかつ補強効果の高い連
続繊維シートを用いる場合であっても、補強作業時およ
び作業後のいずれにおいても剥離を生じることがなく、
コンクリート構造体の表面に連続繊維シートを強固に接
着させることが容易になる。また、本発明の樹脂組成物
は、その調製時から30分経過後におけるチキソトロピ
ー・インデックス(TI値30)が、前記連続繊維シート
の目付け量a(g/m2 )に対して、式(2) :
好なものとし、かつ連続繊維シートとコンクリート構造
体との接着を完全なものとする観点からより好ましい。
ロピー・インデックス(TI値30)が前記TI値に比べ
て小さな値であるものの、前記式(2) で表される所定の
値以上であることを要求されるのは、樹脂組成物の調整
後、硬化反応が進むにつれて粘度が増大するので、30
分経過後においては調整直後ほどの揺変性を必要としな
くなるものの、繊維シートを十分に保持するという観点
から一定の揺変性を保つ必要があるからである。
時における、E型粘度計(3度コーン、20°、10r
pm)で測定した粘度b(mPa・s)が、前記連続繊
維シートの目付け量a(g/m2 )に対して、式(3) お
よび(4) :
業性および接着性の観点からより好ましい。
て詳細に説明する。本発明の樹脂組成物は、補強を目的
としてコンクリート構造体の表面に連続繊維シートを貼
り付ける際に、当該シートに含浸させて用いられるもの
であって、そのチキソトロピー・インデックス(TI
値)が、連続繊維シートの目付け量a(g/m2 )を用
いて前記式(1) によって導き出される値よりも大きいこ
とを特徴とする。
導き出される値よりも大きくすることにより、連続繊維
シートの貼付け作業時のように剪断速度の大きな力がか
かる場合と、貼付け作業後のように剪断速度の小さな力
しかかからない場合とでの樹脂組成物の粘度の差を大き
くすることができる。従って、貼付け作業時には連続繊
維シートへの樹脂組成物の含浸を速やかに行うことがで
きる一方、貼付け作業後には、連続繊維シートの剥離、
脱落を効果的に防止することができる。
導き出される値を下回ると(すなわち、前記式(1) を満
足しないときは)、樹脂組成物の揺変性が不十分になっ
て、コンクリート構造体と連続繊維シートとが剥離する
といった問題が生じる。樹脂組成物のTI値は、前記式
(1) によって導き出される最低値よりも、さらに0.5
以上高いのがより好ましい。
ないが、通常、前記式(1) によって導き出される最低値
より10以上も高くなると、貼付け作業時の粘性が低く
なりすぎるなど、施工性が低下するおそれがある。ま
た、本発明の樹脂組成物は、連続繊維シートを貼付ける
際の作業性を良好なものとし、かつ連続繊維シートとコ
ンクリート構造体との接着性を完全なものとするという
観点から、樹脂組成物の調製時から30分を経過した後
のチキソトロピー・インデックス(TI値30)が前記式
(2) で表される関係を満たしているのが好ましい。
型粘度計(3度コーン、20°、10rpm)で測定し
た粘度b(mPa・s)は、上記と同じく、連続繊維シ
ートを貼付ける際の作業性を良好なものとし、かつ連続
繊維シートとコンクリート構造体との接着性を完全なも
のとするという観点から、前記連続繊維シートの目付け
量a(g/m2 )に対して、前記式(3) および(4) で表
される関係を満たしているのが好ましい。
トへの樹脂組成物の含浸性が低下するおそれがある。逆
に、上記範囲を下回ると、樹脂組成物のTI値を所定の
範囲に設定できなくなったり、貼付け作業の作業性が低
下してしまったりするおそれがある。なお、樹脂組成物
の粘度は、TI値を所定の範囲に設定するという観点か
ら、上記式(2) および(3) を満足する範囲であっても、
さらに200〜30000mPa・sの範囲にあるのが
好ましく、1000〜10000mPa・sの範囲にあ
るのがより好ましい。
付与剤およびたれ防止剤の各成分と、必要に応じて配合
される充填剤、希釈剤等の他の成分とからなる。 〔基材樹脂〕本発明の樹脂組成物に用いられる基材樹脂
としては、例えばエポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げら
れるが、常温で硬化する樹脂であれば従来公知の種々の
樹脂を使用できる。中でも、湿潤時の接着性を高めるに
はエポキシ樹脂等の過酸化物硬化樹脂を用いるのが好ま
しく、剥離の危険をより一層除去するために樹脂に即硬
化性を付与するには(メタ)アクリル樹脂を用いるのが
好ましい。
合、その重量平均分子量Mwは200〜2000である
のが好ましく、250〜1000であるのがより好まし
い。また、基材樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、
末端にエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含有する主剤
と、上記エポキシ樹脂の末端エポキシ基を開環させて架
橋、硬化させるための硬化剤とからなる2液硬化型のエ
ポキシ樹脂が用いられるほか、ケチミン等を配合した1
液型のエポキシ樹脂を用いることもできる。
有されるエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノール
A型、ビスフェノールF型等のビスフェノール型エポキ
シ樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂;脂環族エポキシ樹
脂等の、従来公知の種々のエポキシ樹脂が挙げられる。
一方、硬化剤としては、例えばジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン;m−フ
ェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等の芳香
族ポリアミン;イソホロンジアミン、キシリレンジアミ
ン等の脂環族ポリアミン;ピロメリト酸無水物等の酸無
水物;ポリサルファイド、ポリアミドアミン等の、単体
および/またはその変性物など、従来公知の種々の硬化
剤が挙げられる。
いて、主剤中のエポキシ樹脂と、硬化剤との配合割合は
特に限定されず、従来と同様に、エポキシ樹脂のエポキ
シ当量に対して最適当量の硬化剤が配合されるように適
宜設定することができる。 〔揺変性付与剤〕本発明の樹脂組成物は、上記基材樹脂
のほかに、揺変性付与剤およびたれ防止剤を含有し、さ
らに必要に応じて、充填剤、希釈剤等の、従来公知の種
々の添加剤が配合することができる。
は、例えば微粉シリカ(コロイダルシリカ、超微粉子状
無水シリカ等)、シリカ系増粘剤、アスベスト粉末、有
機ベントナイト、繊維状粘土鉱物等が挙げられる。揺変
性付与剤の含有割合は、樹脂組成物に要求される揺変性
および粘度、あるいは後述するたれ防止剤の配合量等に
応じて設定されるものであって、通常、樹脂組成物中の
含有割合が0.5〜20重量%の範囲となるように設定
される。揺変性付与剤の含有割合が上記範囲を下回る
と、樹脂組成物に十分な揺変性を付与することができな
くなるおそれがある。逆に上記範囲を超えると、施工時
の樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて施工性が低下し、
実用に適さなくなるおそれがある。揺変性付与剤の含有
割合は、上記範囲の中でも特に1〜10重量%であるの
が好ましく、3〜8重量%であるのがより好ましい。
分野において、顔料等の親水性固体成分と疎水性のバイ
ンダーとの湿潤剤、上記含量等の固体成分のバインダー
中への分散性を助ける分散剤、固体成分の沈降を防止す
る沈降防止剤、および液だれを防止するたれ防止剤等と
して使用されている、ポリカルボン酸塩を主成分とする
ものが使用されることが多い。
防止剤の具体的としては、例えばビックケミー(BYK Ch
mie )社製の商品名「Anti-Terra-203(アンチテラ-20
3)」、「Anti-Terra-204」等が挙げられる。これら
は、高分子量ポリカルボン酸塩を、高沸点芳香族化合物
やメトキシプロパノール等の有機溶媒中に溶解させた液
状で供給される。
求される揺変性および粘度等に応じて設定されるもので
あって、通常、樹脂組成物中の含有割合が0.5〜5重
量%の範囲となるように設定される。たれ防止剤の含有
割合が上記範囲を下回ると、たれ防止剤の添加効果が十
分に得られない。逆に上記範囲を超えて配合しても、コ
ストに見合う効果が得られない。たれ防止剤の含有割合
は、上記範囲の中でも特に1〜4重量%であるのが好ま
しく、2〜3重量%であるのがより好ましい。
カルシウム(とりわけ、軽質炭酸カルシウム)、酸化チ
タン、鉱質繊維等の、従来公知の種々の充填剤が挙げら
れる。充填剤の配合量は、基材樹脂100重量部に対し
て100重量部以下であるのが好ましく、50重量部以
下であるのがより好ましい。
ソプロピルアルコール等の、高沸点で非反応性の希釈
剤、あるいはフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリ
シジルエーテル等のグリシジルエーテル(反応性)等が
挙げられる。希釈剤は、作業性等の観点から必要に応じ
て使用されるものであって、その配合量は、通常、基材
樹脂100重量部に対して5〜30重量部の範囲で設定
される。
かに、着色剤、シランカップリング剤等の、接着剤また
は塗料の分野において常用されている成分を、本発明の
目的を阻害しない範囲で、必要に応じて適宜添加するこ
とができる。本発明の樹脂組成物は、施工直前まで硬化
することがないように、必要に応じて主剤と硬化剤、あ
るいは基材樹脂と他の配合剤を別々にして保管しておく
のが好ましい。
〔油化シェルエポキシ(株)製の商品名「エピコート8
28」(重量平均分子量Mw=380)〕と、反応性希
釈剤〔大日本インキ化学(株)の商品名「エピクロン5
20」〕20%とを混合したものを用いた(エポキシ樹
脂主剤)。
しては、上記エポキシ樹脂主剤に、超微粒子状無水シリ
カ〔日本アエロジル(株)製のシリカ系増粘剤「アエロ
ジル」〕1.5phrと、増粘助剤〔前出の「Anti
−Terra−204」〕3phrを配合したものを用
いた。硬化剤としては、住友ゴム工業(株)製の変性脂
肪族ポリアミン(商品名「グリップボンドGB10
2」)を用いた。
合は3:1(重量比)とした。また、連続繊維シートと
しては、目付け量が200g/m2 のカーボン繊維のシ
ート〔東レ(株)製の「UT70−20」、一方向織り
(一方向に配列したカーボン繊維を有機補助繊維で結束
したもの)〕を用いた。かかる連続繊維シートを用いる
場合の、樹脂組成物に要求されるTI値の下限は、表1
に示すように1.8である。
て、厚さ15cmのコンクリート構造体(2m×2m)
の下面からレイタンス等の接着阻害物質を除去し、次い
でエポキシ樹脂プライマー〔住友ゴム工業(株)製の
「グリップコートGB15」、主成分:前出の「エピコ
ート828」〕を1m2 当たり250gの割合で塗布し
た。さらに、プライマー硬化後、コンクリート面の凹凸
が大きい箇所にエポキシ樹脂パテ(同社製の「グリップ
ボンドGB25」)を用いて修復し、前記構造体の下面
を平滑化した。
いで前記構造体の下面に、上記樹脂組成物を1m2 当た
り500gの割合で塗布し、直ちに連続繊維シートを貼
付けた。次いで、さらに上記樹脂組成物を、1m2 当た
り連続繊維目付け量と同重量で塗布し、連続繊維シート
に完全に含浸させた。
rra−204」の含有割合を変えるとともに、連続繊
維シートとして目付け量が300g/m2 のカーボン繊
維のシート〔東レ(株)製の「UT70−30」、一方
向織り〕を用いたほかは、実施例1と同様にして連続繊
維シートの貼付け作業を行った。
4」の含有割合を変えたほかは、実施例1と同様にして
連続繊維シートの貼付け作業を行った。表1に、実施例
1,2および比較例1についての、連続繊維シート貼付
け作業の施工性の評価結果を示す。
4」の含有割合を変えるとともに、連続繊維シート(U
T70−20)を貼り付けたほかは、実施例1と同様に
して、連続繊維シートの貼付け作業を行った。
は、2枚の連続繊維シート(UT70−20)を、それ
ぞれの繊維方向が直交するように重ねて結束した後、貼
り付けた。連続繊維シートの目付け量は400g/m2
であって、樹脂組成物に要求されるTI値の下限は、表
2に示すように2.2である。表2に、実施例3,4お
よび比較例2についての、連続繊維シート貼付け作業の
施工性の評価結果を示す。
rra−204」の含有割合を変えるとともに、連続繊
維シートとして、実施例5,6および比較例3,4にお
いてはアラミド繊維を二方向織りしたもの〔東レ・デュ
ポン(株)製の商品名「K−870−140」、目付け
量870g/m2 、二方向織り〕を、実施例7において
は東レ・デュポン(株)製のバスケット織りアラミド繊
維シート(2840デニール、商品名「ケブラー」、目
付け量1000g/m2 、二方向織り)をそれぞれ用い
たほかは、実施例1と同様にして連続繊維シートの貼付
け作業を行った。
についての、連続繊維シート貼付け作業の施工性の評価
結果を示す。
(株)製の商品名「グリップコートC175」〕を用い
た。この「グリップコートC175」は、三菱瓦斯化学
のメチルメタクリレートモノマー(MMA)を重合し、
メチルメタクリレートモノマー(MMA)を希釈剤とし
て粘度を200mPa・sに調整したものである。
しては、上記メタクリル樹脂に、超微粒子状無水シリカ
〔日本アエロジル(株)製のシリカ系増粘剤「アエロジ
ル」〕と、増粘助剤〔前出の「Anti−Terra−
204」〕とをそれぞれ表4に示す割合で配合したもの
を用いた。硬化剤としては、ベンゾイルパーオキサイド
(日本油脂(株)製の商品名「ナイパーFFK」)を用
いた。硬化剤の使用割合は、上記メタクリル樹脂に対し
て2phrとした。また、硬化促進剤としてジメチルア
ニリンを少量用いた。
繊維を二方向織りしたもの〔「K−870−140」
(前出)、目付け量870g/m2 〕を用いた。樹脂組
成物の組成および連続繊維シートの種類が異なるほか
は、実施例1と同様にして連続繊維シートの貼付け作業
を行った。表4に、実施例8についての、連続繊維シー
ト貼付け作業の施工性の評価結果を示す。
記式(1) を満足する実施例1〜8では、連続繊維シート
に樹脂組成物を含浸させて、コンクリート構造体に貼り
付けた時(施工時)と、樹脂組成物が硬化した後とのい
ずれにおいても、連続繊維シートとコンクリート構造体
との接着性は良好であった。
樹脂組成物を硬化させた後、コインタップ試験や超音波
伝達速度法によって空隙の発生を確認したところ、実施
例1〜8においては空隙が確認されず、連続繊維シート
が完全に密着し、コンクリート構造体と一体化している
ことがわかった。一方、樹脂組成物のTI値が前記式
(1) を満足しない比較例1,2および3では、樹脂硬化
後に連続繊維シートが完全に剥離したり、あるいは連続
繊維シートとコンクリート構造体との間に浮きが生じる
などの問題が生じた。また、施工時においても連続繊維
シートが剥離する傾向が見られた。
るものの、TI値30が前記式(2) を満足しない比較例4
においても、連続繊維シートが剥離する傾向が見られた
り、コンクリート構造体との間に浮きが生じるなどの問
題が生じた。従って、比較例1〜4はいずれも接着性が
不十分で、実際の使用に耐えられなかった。
続繊維シートに対して充分な施工を行うことができる。
また、従来施工が不可能であった厚みの大きな連続繊維
シートに対しても、十分な含浸・貼付け作業が可能とな
る。このため、橋梁、床版等のコンクリート構造物の補
強において、その補強に必要な厚みの連続繊維シート
を、剥離の問題を生じさせることなく貼り付けることが
できる。従って、施工回数の低減、施工費用の削減をも
可能となる。
ート構造物等のインフラ補修において極めて有用であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】コンクリート構造体を補強するため、その
表面に連続繊維シートを貼り付ける際に、当該連続繊維
シートに含浸させて用いられる樹脂組成物であって、 当該樹脂組成物の調整時におけるチキソトロピー・イン
デックス(TI値)が、前記連続繊維シートの目付け量
a(g/m2 )に対して、式(1) : 【数1】 で表される関係を満たすことを特徴とする樹脂組成物。 - 【請求項2】前記樹脂組成物の調製時から30分経過後
におけるチキソトロピー・インデックス(TI値30)
が、前記連続繊維シートの目付け量a(g/m2 )に対
して、式(2) : 【数2】 で表される関係を満たす請求項1記載の樹脂組成物。 - 【請求項3】前記樹脂組成物の調製時において、E型粘
度計(3度コーン、20℃、10rpm)で測定した粘
度b(mPa・s)が、前記連続繊維シートの目付け量
a(g/m2 )に対して、式(3) および(4) : 【数3】 で表される関係を満たす請求項1記載の樹脂組成物。
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---|---|---|---|
JP31086598A JP4128675B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 樹脂組成物 |
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1998
- 1998-10-30 JP JP31086598A patent/JP4128675B2/ja not_active Expired - Fee Related
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