JP2000007956A - 補修補強用樹脂組成物およびそれを用いた補修補強方法 - Google Patents

補修補強用樹脂組成物およびそれを用いた補修補強方法

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JP2000007956A
JP2000007956A JP10180727A JP18072798A JP2000007956A JP 2000007956 A JP2000007956 A JP 2000007956A JP 10180727 A JP10180727 A JP 10180727A JP 18072798 A JP18072798 A JP 18072798A JP 2000007956 A JP2000007956 A JP 2000007956A
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resin
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reinforcement
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JP10180727A
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Ikuo Aoki
郁夫 青木
Hiroki Ooseto
浩樹 大背戸
Shinji Kawachi
真二 河内
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンクリート構造物などの補修補強に当たって
好適な樹脂組成物、およびそれを用いた補修補強方法を
提供する。 【解決手段】熱硬化性樹脂が主成分として配合され、2
0℃におけるカッソン粘度が0.1〜5Pa・s、かつ
カッソン降伏値が3Pa以上であることを特徴とする補
修補強用樹脂組成物およびそれを用いた補修補強方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物、特にコン
クリート構造物を補修補強するに当たって好適に用いら
れる樹脂組成物およびそれを用いた補修補強方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】土木、建築分野における橋脚、道路橋床
板、トンネル、煙突、管路、鋼管などの既存構造物に
は、経年による劣化、地震などの外力による損傷を受け
ているものが多く、補修のための現場施工が必要とされ
ているものが多い。一方、これら構造物に対して、より
規模の大きな地震を想定して耐震基準の見直しが進めら
れたことを背景として、構造物の強度を増強するための
耐震補強への要望も近年益々高まりつつある。
【0003】補強繊維とマトリクス樹脂を用いて構造物
を補修補強する施工方法の具体例としては、特開昭63
−35967の、繊維強化プラスチック部材と液状樹脂
組成物で被補修補強箇所を被覆して後、樹脂を硬化させ
補修補強する施工方法と、特開平3−224901、特
開平3−224966の、被補修補強箇所の表面に、未
硬化の樹脂組成物を含浸させた強化繊維を被覆して後、
樹脂を硬化させ補修補強する施工方法が代表的なもので
ある。
【0004】ところがこれら補修補強方法においては、
使用する樹脂組成物の粘度特性が適切に調整されていな
いために、垂直面や天井面に厚く塗る場合などに樹脂が
垂れ落ちたり、また、シート、クロスなどのシート状繊
維基材を補強材として使用したときには、かかる補強材
の自重により、補強材が脱離したりするといった問題が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、コン
クリート構造物などの補修補強材料として、繊維基材な
どの補強材と組み合わせることにより、好適に使用でき
る補修補強用樹脂組成物、およびそれを用いた補修補強
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、補強材と
樹脂を用いて構造物を補修補強する際に、樹脂が垂れ落
ちたり、補強材が脱離したりするような欠点のない、レ
オロジー特性、定着性を向上させた補修補強用樹脂組成
物を提供すべく鋭意検討した結果、熱硬化性樹脂を主成
分とする樹脂組成物において、剪断応力に対するレオロ
ジー特性を後述する範囲に限定して調整したものを使用
すると、かかる欠点を効果的に解消させ得ることを見出
し、本発明に至った。
【0007】本発明の補修補強用樹脂組成物は、前記課
題を達成するため次の構成を有する。すなわち、熱硬化
性樹脂が主成分として配合され、20℃におけるカッソ
ン粘度が0.1〜5Pa・s、かつカッソン降伏値が3
Pa以上であることを特徴とする補修補強用樹脂組成物
である。
【0008】また、前記補修補強方法は、前記課題を達
成するため次の構成を有する。すなわち、本発明の補修
補強用樹脂組成物を含浸させた補強用繊維基材を、コン
クリート構造物の補修補強箇所に被覆して後、前記樹脂
組成物を硬化させて施工を完成させることを特徴とする
補修補強方法、又は、前記補修補強用樹脂組成物を、コ
ンクリート構造物の補修補強箇所に塗布して塗膜とな
し、繊維強化プラスチックス板を、該塗膜上から貼着せ
しめて後、前記樹脂組成物を硬化させて施工を完成させ
ることを特徴とする補修補強方法である。
【0009】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物のカッソン粘
度については、ローラー塗布時の塗布量を一定量以上確
保すること、および塗布作業を安定、確実に実施するこ
とから、できる限り低くすることが良く、具体的には
0.1〜5Pa・sが必要であり、より好ましくは0.
1〜3Pa・sが良い。カッソン粘度が5Pa・sを超
えるとローラーで塗布される量が極端に減少したり、ロ
ーラーが円滑に回転しなくなるなど作業性を極端に悪化
させるため好ましくない。またシート、クロスなどのシ
ート状繊維基材を補強材として用いる場合も、かかる基
材へローラー掛けをすることにより、必要にして充分な
量の樹脂組成物を含浸させるには、樹脂組成物の粘度を
できる限り低くすることが重要となるため、樹脂組成物
のカッソン粘度は前記した範囲にあることが必要であ
る。
【0011】また、本発明の樹脂組成物はカッソン降伏
値が3Pa以上、より好ましくは5Pa以上、さらに好
ましくは8Pa以上が必要である。カッソン降伏値が3
Pa未満の場合は、樹脂組成物のレオロジー特性が悪く
なり、垂直面や天井面に塗布したときに樹脂の垂れ落ち
が発生する。またこの場合、樹脂の定着性も悪くなり補
強材の脱離も生じる。なお、前記樹脂組成物のカッソン
降伏値については、10Pa程度あれば、本発明の効果
を奏する上で充分であることが多い。
【0012】なお、ここにいうカッソン粘度とカッソン
降伏値とは、ニュートン流体の中に固体粒子を分散させ
た懸濁液のレオロジー特性を理論的に扱う式として著名
な、カッソン(英語表記:Casson)方程式(式
1)中で使用される特性値をいう。
【0013】 τ0.5=τy 0.5+η∞0.5・γ0.5・・・・・・(式1) ここで、τ:剪断応力(Pa)、γ:剪断速度
(s-1)、η∞:カッソン粘度(Pa・s)、τy:カ
ッソン降伏値(Pa)である。
【0014】より詳しくは、カッソン粘度とは、剪断速
度が無限大になるときの粘度を外挿法により求めた値を
意味し、カッソン降伏値とは、樹脂組成物の流動を開始
させるために必要な最小の剪断応力を意味する。また、
樹脂組成物のローラー塗布性に関与するパラメーターと
して上記カッソン粘度を捉え直すこともできる。ローラ
ーで補修補強箇所に樹脂組成物を塗布するときは、樹脂
の内部に剪断応力が加わり、またこのときの剪断速度は
通常約104-1程度と一定である場合が多く、カッソ
ン粘度は、このような塗布時における樹脂組成物のレオ
ロジー特性を剪断応力のみの関数として指標化できるた
め、都合が良い。
【0015】本発明の樹脂組成物に主成分として配合さ
れる樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化
性樹脂、又はこれらの混合物を挙げられる。なかでも、
エポキシ樹脂を主成分とすると、常温での硬化性能が良
好であること、硬化時に揮発ガスの発生が実質的にない
こと、硬化後の強度特性が良好であること、また特別に
溶剤を必要としないことなどから好ましい。
【0016】エポキシ樹脂には、通常、25℃における
粘度が1〜50Pa・sの、ビスフェノール型エポキシ
樹脂が使用される。またエポキシ樹脂の配合量は、硬化
後の樹脂の強度、弾性率を確保する観点から、エポキシ
樹脂とアミン硬化剤からなる全樹脂成分100重量部
中、30〜90重量部が好ましい。ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、又はビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましく、
前者ビスフェノールA型としては、エピコート(登録商
標)825、エピコート828、エピコート834(油
化シェルエポキシ(株)製)やエポトート(登録商標)
YD−128(東都化成(株)製)、エピクロン(登録
商標)840、エピクロン850(大日本インキ化学工
業(株)製)、スミエポキシ(登録商標)ELA128
(住友化学(株)製)、DER331(ダウケミカル社
製)など、又はこれらの混合物が挙げられる。また後者
ビスフェノールF型としては、エピコート806、エピ
コート807(油化シェルエポキシ(株)製)、エピク
ロン830(大日本インキ化学工業(株)製)など、又
はこれらの混合樹脂が挙げられる。
【0017】また、樹脂組成物の粘度を制御するため、
樹脂組成物の物性に悪影響を及ぼさない範囲で、25℃
における粘度が0.001〜0.2Pa・sの、比較的
粘度が低い樹脂成分を反応性を有する希釈剤として、追
加して配合することもできる。特に他の樹脂成分との相
溶性の観点から、ブチルグリシジルエーテル、2−エチ
ルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエ
ーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブ
チルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルグリシ
ジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエー
テル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロ
ールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパントリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコー
ルジグリシジルエーテル、ポリオキシアルキレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジ
グリシジルトルイジンなど、又はこれらの混合物が好適
に使用できる。
【0018】また、硬化剤としては、芳香族アミン、脂
肪族アミン、イミダゾール誘導体、イミン、ポリアミド
などの有機化合物を本発明の効果を阻害しない範囲で配
合することができるが、これら有機化合物の中でも主成
分の樹脂に対する相溶性が良好なことから、脂肪族アミ
ンが特に好ましく使用される。この脂肪族アミンとして
は、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、
1,3−プロパンジアミン、1,4−ジアミノブタン、
ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチル−2,5−
ヘキサンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレン
ヘキサミン、4−アミノメチルオクタメチレンジアミ
ン、3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、3,
3’−メチルイミノビス(プロピルアミン)、ビス(3
−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス(3−アミ
ノプロピルオキシ)エタン、メンセンジアミン、イソホ
ロンジアミン、ビスアミノメチルノルボルナン、ビス
(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミ
ノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−ジア
ミノシクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピ
ル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,
5]ウンデカンなどや、さらに芳香族置換基を有する、
m−キシリレンジアミン、テトラクロロ−p−キシリレ
ンジアミンなど、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0019】さらに硬化剤としては、重合脂肪酸(リノ
ール酸などの不飽和脂肪酸の二量体を主成分とする多価
脂肪酸混合物)とエチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのポリアミンの反
応から得られる所謂ポリアミドアミン化合物や、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポ
リエーテルの両末端にアミノアルキル基を導入した化合
物、ポリジメチルシロキサンやポリメチルフェニルシロ
キサンなどのシリコーン化合物の両末端にアミノアルキ
ル基を導入した化合物も、前記脂肪族アミン同様、樹脂
成分との相溶性の観点から好適に配合することができ
る。
【0020】また硬化促進剤として、ジイソプロピルフ
ェノール、ノニルフェノール、2,4,6−トリス
(N,Nージメチルアミノ)フェノールなど、所謂フェ
ノール化合物を、化学量論に適正な添加量で、それぞれ
単体、又は混合物として前記硬化剤と併用すると、樹脂
組成物の硬化反応を速めることができ、好ましい。
【0021】なお、ソルビトールポリグリシジルエーテ
ル、ヒマシ油変性エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキ
シ樹脂など、またはこれらの混合物は、樹脂組成物にお
いて硬化時の反応制御や、硬化後の樹脂の物性改良のた
めに好ましく用いられる。
【0022】さらに、カッソン降伏値を前記範囲に収め
るために、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシ
ウム、スメクタイト系粘土鉱物、セピオライト、カーボ
ンブラックなどや、これらの混合物からなる固体微粒子
を配合するのが有効である。またこのような固体微粒子
の配合量は、前記全樹脂成分100重量部に対して2〜
8重量部が良く、より好ましくは2.5〜7重量部、さ
らに好ましくは2.5〜5重量部が良い。2重量部未満
では望ましいレオロジー制御効果が得られず、また8重
量部を超えると得られる樹脂組成物の粘度が急激に上昇
し、取り扱いが困難となってしまう。また固体微粒子の
一次粒子径(樹脂組成物に混合された状態での粒子径)
については、樹脂成分に対する混和性の観点から、5〜
200nmが良く、より好ましくは5〜80nm、さら
に好ましくは5〜30nmが良い。
【0023】固体微粒子の中でもシリカ微粒子が、少量
配合するだけでも充分なレオロジー特性に対する制御効
果が得られることから、特に好ましく用いられる。また
シリカ微粒子としては、具体的には日本アエロジル
(株)製 アエロジル(登録商標)やアドマテックス社
製 アドマファイン(登録商標)などが市販されてお
り、これらを各々単独で、又は混合物として用いること
ができる。
【0024】本発明の樹脂組成物を実際の施工に使用す
る際には、主に樹脂成分よりなるa成分と硬化剤成分よ
りなるb成分を、使用する直前に混合して使用に供する
樹脂組成物とする2成分混合法が、定法とおり採用され
る。本方法により、本発明の樹脂組成物が本来持つ良好
なレオロジー特性をより際立たせることが可能となる。
ここで前記固体微粒子については、予めa成分、b成分
のいずれか一方、又は両方に配合して用いることができ
る。また本方法は、施工現場の外気温を考慮するなどし
て使用する硬化剤を適宜選択することにより、加熱によ
り樹脂組成物を硬化させる施工方法にも、常温で非加熱
のまま放置して硬化させる施工方法にも、いずれの方法
にも好ましく使用することができる。
【0025】さらに本発明の樹脂組成物は、構造物のな
かでも、特にコンクリート構造物を補修補強する際に好
適に用いることができ、次に記す所謂ハンドレイアップ
方法と呼ばれる補修補強方法を通常とおり採用する。
【0026】ハンドレイアップ方法とは、コンクリート
構造物の補修補強を要する部分の表面を、先んずグライ
ンダーで研磨し、さらにプライマー樹脂を塗布して後、
樹脂組成物をプライマー樹脂の上から塗布しておき、次
にシート、クロス状の繊維基材を補強材として被覆し、
次いでその繊維基材の上から予め塗布しておいた樹脂組
成物と同種の樹脂組成物を塗布した後、繊維基材に樹脂
組成物の必要にして充分な量が含浸される迄繰り返しロ
ーラー掛けして後、樹脂を硬化せしめる方法である(多
層構造とする場合は、さらにその上から樹脂組成物の塗
布、繊維基材の被覆、樹脂組成物の塗布および含浸を繰
り返す)。またその際、本発明の樹脂組成物を用いるこ
とにより、樹脂の垂れ落ちや補強材が脱離したりするこ
とをなくすことができる。
【0027】ここで繊維基材としては、炭素繊維、芳香
族ポリアミド繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ
繊維、ステンレス繊維およびシリコーンカーバイド繊維
や、これらの繊維を2種以上混繊してなるものや、又は
それぞれ単体の繊維として混織してなるものが用いられ
るが、これら繊維基材の中でも比強度と比弾性率に優れ
た炭素繊維を使用したものが特に好ましく用いられる。
【0028】さらに補修補強方法としては、コンクリー
ト構造物の補修補強を要する箇所の表面を、先んずグラ
インダーで研磨し、さらにプライマー樹脂を塗布して
後、本発明の樹脂組成物を塗布して均一な厚みの塗膜を
形成して後、各々補修補強箇所の形状や補修補強の程度
に合うように設計した繊維強化プラスチックス板でかか
る部分を覆い、該塗膜上から貼着せしめて後、前記樹脂
組成物を硬化させて施工を完成とする補修補強方法も好
ましく採用できる。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお実施例におけるカッソン粘度、カッソン
降伏値は次のようにして求めたものである。
【0030】動的粘弾性測定装置ARES(レオメトリ
ック・サイエンティフィック・エフ・イー(株)製)を
測定装置として、円錐平板状治具を用い、20℃に調整
した樹脂組成物について、次の(1)〜(3)の手順で
測定する。
【0031】(1)10秒間の助走時間を設け、樹脂組
成物に加える剪断速度を100(s-1)になるまでこの
間に上昇させる。
【0032】(2)次の2分間、一定剪断速度100
(s-1)で剪断を与え続ける。
【0033】(3)次の3分間で、剪断速度を0
(s-1)迄減少させる。
【0034】上(3)項で得られた剪断速度γに対する
剪断応力τの測定データーについて、前記(式1)に基
づき、剪断速度γの0.5乗に対する剪断応力τの0.
5乗の1次直線回帰を行い、得られた1次式の傾きの2
乗をカッソン粘度として、切片の2乗をカッソン降伏値
として求めた。なおここでの相関係数については、全て
の実施例、比較例において0.997以上であり、良好
な相関性を示していた。
【0035】(実施例1)a液とb液のそれぞれについ
ては、次に示す原料を混練することにより調整した。
【0036】 (1)a液 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 70重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、商品名:エピコート828) 1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 30重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、商品名:YED216) シリカ微粒子 3重量部 (日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル380) (2)b液 イソホロンジアミン 15重量部 (ヒュルス・ジャパン(株)製、商品名:ベスタミン(登録商標)IPD) イソホロンジアミン変性物 10重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、商品名:アンカミン(登録商 標)1618) シリカ微粒子 2重量部 (日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル380) これらa液とb液を3:1の重量比率で混合して樹脂組
成物を得た。この樹脂組成物の混合直後での20℃にお
けるカッソン粘度、カッソン降伏値は、それぞれ0.8
Pa・s、7.9Paであった。
【0037】次にこの樹脂組成物を、雰囲気温度20℃
で、硬化反応が進行しない内に、樹脂目付が800g/
2になるように、垂直に立てかけたスレート板にロー
ラー掛けにより塗布して塗膜とした。この塗膜の厚みは
均一で良好であり、丸1日放置後の樹脂の垂れ落ちは皆
無であった。
【0038】またこの樹脂組成物を、雰囲気温度20℃
で、硬化反応が進行しない内に、垂直に立てかけたスレ
ート板に樹脂目付500g/m2で塗布し、炭素繊維織
物(東レ株式会社製、トレカ(登録商標)クロスUT−
70−30)で塗布面を覆い、さらにその上から同種の
樹脂組成物を樹脂目付300g/m2で塗布し、次いで
ローラーにより塗布した樹脂を繊維内に含浸させた。こ
の施工状態は良好であり、丸1日放置後の炭素繊維織物
のずれ落ちは、目視では確認できなかった。
【0039】(実施例2)a液とb液を次に示すよう変
更した以外は、実施例1と同様にして、実験を行った。
その結果を表1に示す。
【0040】 (1)a液 ビスフェノールF型エポキシ樹脂 50重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、商品名:エピコート807) ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル 50重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、商品名:ヘロキシ(登録商標 )68) シリカ微粒子 5重量部 (日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル380) (2)b液 イソホロンジアミン 25重量部 (ヒュルス・ジャパン(株)製、商品名:ベスタミンIPD) イソホロンジアミン変性物 10重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、商品名:アンカミン1618 ) (実施例3)a液とb液を次に示すよう変更した以外
は、実施例1と同様にして、実験を行った。その結果を
表1に示す。
【0041】 (1)a液 ビスフェノールF型エポキシ樹脂 45重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、商品名:エピコート807) ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル 50重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、商品名:ヘロキシ68) ソルビトールポリグリシジルエーテル 5重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、商品名:ERISISGE− 60) シリカ微粒子 4重量部 (日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル380) (2)b液 ビスアミノメチルノルボルナン 18重量部 (三井東圧ファイン(株)製、商品名:NBDA) イソホロンジアミン変性物 10重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、商品名:アンカミン1618 ) シリカ微粒子 2重量部 (日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル380) (実施例4)a液とb液を次に示すよう変更した以外
は、実施例1と同様にして、実験を行った。その結果を
表1に示す。
【0042】 (1)a液 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 80重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、商品名:エピコート828) ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル 20重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、商品名:ヘロキシ68) シリカ微粒子 2重量部 (日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル380) (2)b液 3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン 10重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、商品名:アンカミン2049 ) イソホロンジアミン 6重量部 (ヒュルス・ジャパン(株)製、商品名:ベスタミンIPD) イソホロンジアミン変性物 3重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、商品名:アンカミン1618 ) シリカ微粒子 1重量部 (日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル380) (比較例1)a液とb液を次に示すよう変更した以外
は、実施例1と同様にして、実験を行った。その結果を
表1に示す。
【0043】 (1)a液 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 80重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、商品名:エピコート828) 1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 20重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、商品名:YED216) シリカ微粒子 2重量部 (日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル380) (2)b液 イソホロンジアミン 11重量部 (ヒュルス・ジャパン(株)製、商品名:ベスタミンIPD) イソホロンジアミン変性物 10重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、商品名:アンカミン1618 ) (比較例2)a液とb液を次に示すよう変更した以外
は、実施例1と同様にして、実験を行った。その結果を
表1に示す。
【0044】 (1)a液 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 90重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、商品名:エピコート828) 1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 10重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、商品名:YED216) シリカ微粒子 2重量部 (日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル380) (2)b液 イソホロンジアミン 13重量部 (ヒュルス・ジャパン(株)製、商品名:ベスタミンIPD) イソホロンジアミン変性物 10重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、商品名:アンカミン1618 ) シリカ微粒子 2重量部 (日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル380) (比較例3)a液とb液を次に示すよう変更した以外
は、実施例1と同様にして、実験を行った。その結果を
表1に示す。
【0045】 (1)a液 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 95重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、商品名:エピコート828) 1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 5重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、商品名:YED216) シリカ微粒子 1重量部 (日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル380) (2)b液 3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン 40重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、商品名:アンカミン2049 ) イソホロンジアミン変性物 3重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、商品名:アンカミン1618 ) シリカ微粒子 1重量部 (日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル380)
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明により、補強材と樹脂を用いてコ
ンクリート構造物などを補修補強する際に、樹脂の垂れ
落ちや、補強材の脱落がない、優れた施工特性を有する
補修補強用樹脂組成物およびそれを用いた補修補強方法
を提供できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04G 23/02 B29C 67/14 L Fターム(参考) 2D059 AA03 AA13 GG02 GG40 2E164 AA04 AA05 CA01 CB01 2E176 AA03 AA04 AA13 BB29 4F205 AA36C AA39 AB11 AB17 AB24 AD08 AD18 AG03 AH47 HA06 HA14 HA23 HA33 HA37 HA39 HA46 HC05 HC17 HF01 HF02 HF23 HF24 HK02 HK05 HK17 HM04 HT02 HT13 HT27 4J038 DB001 DD181 DG001 DN011 HA216 HA446 KA20 MA15 PB05 PB12 PC04 PC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性樹脂が主成分として配合され、2
    0℃におけるカッソン粘度が0.1〜5Pa・s、かつ
    カッソン降伏値が3Pa以上であることを特徴とする補
    修補強用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】さらに、固体微粒子が配合されてなること
    を特徴とする請求項1に記載の補修補強用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記固体微粒子は、その配合量が、全樹脂
    成分100重量部に対して2〜8重量部であることを特
    徴とする請求項2に記載の補修補強用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の補修補強
    用樹脂組成物を含浸させた補強用繊維基材を、構造物の
    補修補強箇所に被覆して後、前記樹脂組成物を硬化させ
    て施工を完成させることを特徴とする補修補強方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載の補修補強
    用樹脂組成物を、構造物の補修補強箇所に塗布して塗膜
    となし、繊維強化プラスチックス板を、該塗膜上から貼
    着せしめて後、前記樹脂組成物を硬化させて施工を完成
    させることを特徴とする補修補強方法。
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