JPH1121335A - 液状エポキシ樹脂組成物およびコンクリート構造物の補修・補強方法 - Google Patents

液状エポキシ樹脂組成物およびコンクリート構造物の補修・補強方法

Info

Publication number
JPH1121335A
JPH1121335A JP17944297A JP17944297A JPH1121335A JP H1121335 A JPH1121335 A JP H1121335A JP 17944297 A JP17944297 A JP 17944297A JP 17944297 A JP17944297 A JP 17944297A JP H1121335 A JPH1121335 A JP H1121335A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
resin composition
liquid epoxy
concrete structure
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17944297A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikuo Aoki
郁夫 青木
Hiroki Ooseto
浩樹 大背戸
Shinji Kawachi
真二 河内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP17944297A priority Critical patent/JPH1121335A/ja
Publication of JPH1121335A publication Critical patent/JPH1121335A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】優れた伸度、弾性率を有する硬化物を与える液
状エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた、垂れ落ちがな
く作業性に優れ、かつ、構造物の変形がなく、クラック
や剥離の発生しないコンクリート構造物の補修・補強方
法の提供。 【解決手段】本エポキシ樹脂組成物は、[A]、
[B]、及び[C]を含有する。 [A]液状ビスフェノール型エポキシ樹脂 [B]ウレタン(メタ)アクリレート化合物 [C]揺変性付与材 コンクリート構造物の表面に、上述の液状エポキシ樹脂
組成物を用いて、強化繊維からなるシート、クロス及び
ストランドから選ばれた少なくとも1種あるいは補強板
を貼り付けた後、該液状エポキシ樹脂組成物を硬化させ
る、また、コンクリート構造物のヒビ割れ部分に、上述
の液状エポキシ樹脂組成物を注入後硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸度と弾性率がと
もに優れた液状エポキシ樹脂組成物およびそれを用いて
なるコンクリート構造物の補修・補強方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、耐熱性、高弾性率、寸
法安定性および化学薬品耐性のような優れた機械的およ
び化学的特性を有しているため、塗料、電気、土木建
築、接着等の用途に幅広く使用されている。
【0003】土木建築分野では、橋梁、トンネル、建物
等のコンクリート構造物の経時劣化、地震による損傷に
対する補修や、より大きな地震を想定した耐震基準の見
直しなどのための補強のために液状のエポキシ樹脂を用
いた工法が用いられる。このような補修・補強には、例
えば鋼板を補強箇所の表面に樹脂を用いて貼り付ける鋼
板補強方法や、例えば特開昭63−35967に示され
るように繊維強化プラスチック(以下、FRPと略記)
を補強箇所の表面に樹脂を用いて貼り付けたりする方
法、また、例えば特開平3−224901に示されるよ
うに補強箇所の表面に樹脂を含浸した強化繊維を貼り付
けて補修・補強を行う方法が開示されている。
【0004】しかしながら、エポキシ樹脂をこれらコン
クリート構造物の補修・補強用途に使用した場合には、
垂直面や天井面などに塗布するときに樹脂の垂れ落ちを
少なくするために、無機粒子などの揺変性付与材を配合
していることが多い。無機粒子を添加したエポキシ樹脂
の硬化物は伸度が低くなる。伸度が低いと、荷重による
構造物の変形や、熱などによる膨張・収縮に伴って硬化
物にクラックが発生したり剥離する恐れが生じる。特
に、炭素繊維を用いて補修・補強を行う際には、炭素繊
維の優れた引張強度を発現させるために、エポキシ樹脂
には炭素繊維の破断伸度以上の伸度が要求される。
【0005】しかし、樹脂硬化物の伸度を向上させるた
めに、反応性希釈剤、可塑剤、ゴム成分などを添加する
と、硬化物の弾性率が低下するため、エポキシ樹脂の優
れた特性である高い弾性率を維持しながら伸度を向上さ
せることは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の課題に鑑み、優れた伸度、弾性率を有する硬化物
を与える液状エポキシ樹脂組成物を提供せんとするもの
であり、また、かかる液状エポキシ樹脂組成物を用いて
なる、垂れ落ちがなく作業性に優れ、かつ、荷重による
構造物の変形がなく、熱による膨張、収縮に伴って起こ
るクラックや剥離が発生しないコンクリート構造物の補
修・補強方法を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために次のような手段を採用するものである。
すなわち、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、少なく
とも次の構成要素[A]、[B]、および[C]を含有
することを特徴とするものである。
【0008】[A]液状ビスフェノール型エポキシ樹脂 [B]ウレタン(メタ)アクリレート化合物 [C]揺変性付与材 また、本発明のコンクリート構造物の補修・補強方法
は、コンクリート構造物の表面に、上述の液状エポキシ
樹脂組成物を用いて、強化繊維からなるシート、クロス
およびストランドから選ばれた少なくとも1種を貼り付
けた後、該液状エポキシ樹脂組成物を硬化せしめること
を特徴とするものであり、また、コンクリート構造物の
表面に、上述の液状エポキシ樹脂組成物を用いて、補強
板を貼り付けた後、該液状エポキシ樹脂組成物を硬化せ
しめることを特徴とするものであり、さらに、また、コ
ンクリート構造物のヒビ割れ部分に、上述の液状エポキ
シ樹脂組成物を注入した後、該液状エポキシ樹脂組成物
を硬化せしめることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、伸度と弾性率を同時に
満足する優れた硬化物を与える液状エポキシ樹脂組成物
について、鋭意検討したところ、特定なエポキシと特定
な分子量や骨格を有するウレタンアクリレート化合物と
の組合わせ組成物が、かかる課題を一挙に解決すること
を究明したものである。また、かかる特定なエポキシ樹
脂組成物を用いてコンクリート構造物の補修・補強をす
ると、垂れ落ちもなく作業性に優れ、該構造物の変形が
なく、クラックや剥離が発生しにくいことを究明したも
のである。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。構
成要素[A]の液状ビスフェノール型エポキシ樹脂は、
適度な硬化物の弾性率および耐熱性を得るために配合す
る。ここでいう液状ビスフェノール型エポキシ樹脂と
は、25℃程度の常温で液状であることをいい、その粘
度は25℃で好ましくは10ポイズ以上、1000ポイ
ズ以下、また、その分子量は分子構造上好ましくは31
2以上、500以下であるものが使用される。また配合
量は、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂1
00重量部中30〜90重量部であることが好ましい。
【0011】ここで用いることができる液状ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ま
しく、例えば、ビスフェノールA型としては、たとえば
油化シェルエポキシ(株)製の“エピコート”825
(粘度40〜60ポイズ、平均分子量350)、“エピ
コート”828(粘度120〜150ポイズ、平均分子
量378)や、東都化成(株)製の“エポトート”YD
−128(粘度120〜150ポイズ、平均分子量37
8)、さらに、大日本インキ化学工業(株)製の“エピ
クロン”840(粘度90〜110ポイズ、平均分子量
370)、“エピクロン”850(粘度110〜150
ポイズ、平均分子量378)、またさらに、住友化学
(株)製の“スミエポキシ”ELA128(粘度110
〜140ポイズ、平均分子量378)、ダウケミカル社
製のDER331(粘度110〜140ポイズ、平均分
子量374)等の市販されているものを使用することが
できる。
【0012】またビスフェノールF型としては、たとえ
ば油化シェルエポキシ(株)製の“エピコート”806
(粘度15〜25ポイズ、平均分子量330)、“エピ
コート”807(粘度30〜45ポイズ、平均分子量3
35)、大日本インキ化学工業(株)製の“エピクロ
ン”830(粘度30〜40ポイズ、平均分子量34
5)等を使用することができる。
【0013】構成要素[B]のウレタン(メタ)アクリ
レート化合物とは、分子内に複数のウレタン結合と複数
の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であり、硬化
物に伸度を付与するために配合する。ウレタン(メタ)
アクリレート化合物は通常、ポリオール化合物とポリイ
ソシアネートを反応して得られる複数の末端水酸基を有
する化合物を(メタ)アクリル酸のエステルとすること
により得られるものである。かかる化合物の具体例とし
ては、ジイソシアネート化合物とジオール化合物を反応
させて得られる2個の水酸基を有する化合物を、(メ
タ)アクリル酸エステルとした化合物を使用することが
できる。この場合、好ましいジイソシアネート化合物と
しては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート等を、また、ジオール化合
物としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリ(エチレングリコール−プロピレング
リコール)、ポリブチレングリコール等のポリエーテ
ル、水酸基を有する脂肪族ポリエステル等を使用するこ
とができる。
【0014】さらに、上記ジイソシアネート化合物、上
記ポリオール化合物とグリセリンを反応して得られる3
個の水酸基を有する化合物を(メタ)アクリル酸エステ
ルとしたものも使用することができる。
【0015】構成要素[B]の化合物の平均分子量は、
1000〜10000であるものが好ましく使用され
る。すなわち、平均分子量が1000未満であると、少
量の配合では十分な伸度が得られず、また平均分子量が
10000を超えると、系全体の粘度が上昇し取り扱い
性が悪くなる傾向がある。かかる化合物の配合量は、特
に限定されるものではないが、エポキシ樹脂[A]10
0重量部に対し1〜20重量部であることが好ましい。
20重量部より多いと硬化物が軟らかくなりすぎ弾性率
が不足する。また、1重量部より少ないと十分な改質効
果が得られない。このような化合物としては、例えば、
3個の末端アクリロイル基を有する化合物として“アン
カレッツ”300(平均分子量5100)、“アンカレ
ッツ”2364(平均分子量1400)(以上、エー・
シー・アイ・ジャパン・リミテッド製)が、また2つの
末端アクリロイル基を有する化合物としてUF−800
1(平均分子量4500)、UF−8003(平均分子
量5200)(以上、共栄社化学(株)製)等、市販さ
れているものを使用することができる。
【0016】構成要素[C]の揺変性付与材としては、
シリカ、アルミナ、スメクタイト、カーボンブラック等
の無機粒子を使用することができる。
【0017】配合する揺変性付与材の配合量は、エポキ
シ樹脂[A]100重量部に対して0.001〜5.0
重量部であることが好ましい。0.001重量部より少
ない場合は十分な揺変性が得られず、天井面や垂直面塗
布時に垂れ落ちを起こすため好ましくない。一方、5.
0重量部より多い場合は粘度が高くなり取り扱い性が悪
くなる。
【0018】揺変性の尺度としては、25℃におけるチ
キソトロピー指数が2.0〜8.0であることが好まし
い。チキソトロピー指数が2.0より小さいと天井面や
垂直面塗布時に垂れ落ちを起こすため好ましくなく、一
方、8.0より大きい場合には静置保管中に固形化が起
こり作業性に劣るため好ましくない。ここでいうチキソ
トロピー指数とは、E型回転粘度計を用いてローターの
回転数を変えて測定された粘度の比で表すことができ
る。すなわち、ローターの回転数を5.0回転/分と
0.5回転/分としそれぞれの粘度を測定し、チキソト
ロピー指数を次式で算出する。
【0019】チキソトロピー指数=(0.5回転/分時
の粘度)/(5.0回転/分時の粘度) 揺変性付与材の大きさは、1次粒子径が好ましくは5〜
40nm、さらに好ましくは7〜20nmのものかせよ
い。また、比表面積が好ましくは50〜380m2
g、さらに好ましくは300m2 /g以上であるものが
本発明の硬化を達成する上でよい。
【0020】以上の構成要素[A]、[B]、[C]を
含有するエポキシ樹脂組成物には、樹脂の粘度制御を目
的に、その他低粘度エポキシ樹脂、反応性希釈剤を配合
しても構わない。かかる樹脂や薬剤の例としては、たと
えば、例としては、ブチルグリシジルエーテル、2−エ
チルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジル
エーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−
ブチルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルグリ
シジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジル
エーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエ
ーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、
ポリオキシアルキレングリコールジグリシジルエーテル
などが、エポキシ樹脂との相溶性、成形物の物性へ悪影
響を及ぼさない等の理由から好ましく使用される。これ
らは各々単独で用いてもよいが、もちろん2種類以上混
合しても構わない。
【0021】本発明のエポキシ樹脂組成物には、通常硬
化剤を含有せしめる。硬化剤としては、芳香族アミン、
脂肪族アミンなどの有機化合物を用いることができる
が、これらの中でも脂肪族アミンが特に好ましく使用さ
れる。これらは成分が単独のアミン化合物であっても、
複数のアミン化合物の混合物でもよい。
【0022】かかる硬化剤の具体例としては、たとえば
脂肪族アミンとして、エチレンジアミン、1,2−プロ
パンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ジ
アミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメ
チル−2,5−ヘキサンジアミン、2,2,4−トリメ
チルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ペンタエチレンヘキサミン、4−アミノメチルオクタメ
チレンジアミン、3,3’−イミノビス(プロピルアミ
ン)、3,3’−メチルイミノビス(プロピルアミ
ン)、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−
ビス(3−アミノプロピルオキシ)エタン、メンセンジ
アミン、イソホロンジアミン、ビスアミノメチルノルボ
ルナン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビ
ス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、
1,3−ジアミノシクロヘキサン、3,9−ビス(3−
アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ[5,5]ウンデカンなどを使用することができ、
また、芳香族置換基を有する脂肪族アミンの例として
は、m−キシリレンジアミン、テトラクロロ−p−キシ
リレンジアミンなどを使用することができる。
【0023】また、硬化剤としては、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテル
の両末端にアミノアルキル基を導入した化合物、ポリジ
メチルシロキサンやポリメチルフェニルシロキサンなど
のシリコーン化合物の両末端にアミノアルキル基を導入
した化合物も好適に用いることができる。
【0024】また、かかる硬化剤には、さらにアクリロ
イル基とは直接反応しないが、エポキシ樹脂の硬化剤と
して使用できるイミダゾール誘導体、イミン、ポリアミ
ドなどを配合することもできる。さらには、脂肪族ポリ
アミンの硬化促進剤として、フェノール化合物を配合し
てもよい。かかるフェノール化合物としては、ジイソプ
ロピルフェノール、ノニルフェノールなどが好ましく用
いられる。
【0025】本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、2液
混合型エポキシ樹脂として好適に用いることができる。
好ましい実施形態は、構成要素[A]及び[B]を含む
a液と、硬化剤を含むb液とを、使用前に混合して用い
る方法である。かかる方法において、構成要素[C]
は、a液、b液のいずれか一方、または両方に配合して
用いることができる。本発明の液状エポキシ樹脂組成物
を2液混合型エポキシ樹脂として用いる場合は、硬化剤
を適宜選択することにより、加熱硬化させる工法にも、
加熱せずに環境温度に放置して硬化する工法にも用いる
ことができる。 さらに本発明の液状エポキシ樹脂組成
物は、構成要素[A]、[B]、[C]に、さらに熱活
性型硬化剤を配合して、1液型エポキシ樹脂として使用
することもできる。この場合は主に加熱硬化する工法に
用いられる。
【0026】本発明のエポキシ樹脂組成物は、コンクリ
ート構造物を補修・補強する用途に好適に用いることが
できる。
【0027】例えば、コンクリートに浸透させて、補強
板としての鋼板、FRP板、それらを固定するための樹
脂との接着力を向上させるためのプライマーとして用い
ることができる。また、鋼板や“コンクリート工学 v
ol.33,No.12,25−32(1995)”に
例示されるようにFRP等の補強板を補強箇所の表面に
貼り付けるための樹脂としても用いることができる。ま
た、例えば“成形加工vol.8,No.5,294−
298(1996)”に示されるように、コンクリート
構造物の表面に樹脂を塗布し、強化繊維を用いたシー
ト、クロス等を貼り付け、更にその上に樹脂を塗布した
後、含浸ローラーがけして強化繊維に樹脂含浸し、必要
に応じてこれを繰り返し、樹脂を硬化させることにより
補修・補強を行うハンドレイアップ方法における樹脂と
しても好適に用いることができる。また、さらに、例え
ば“建築技術 No.554,77−79(199
6)”に示されるように、強化繊維ストランドに樹脂を
含浸しながら柱等にスパイラル状に巻き付けて補修・補
強を行うフィラメントワインド方法にも用いることがで
きる。
【0028】かかるコンクリート構造物の補修・補強に
用いる強化繊維としては、例えば炭素繊維、芳香族ポリ
アミド繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、
ステンレス繊維およびシリコーンカーバイド繊維などを
使用することができるが、これらは単独または混用して
用いることができる。これらの強化繊維の中でも特に軽
量で強度および弾性率に優れる炭素繊維が好ましく用い
られる。
【0029】また、本発明の液状エポキシ樹脂組成物
は、かかる補強材を用いなくとも、コンクリート構造物
のヒビ割れや隙間等に直接注入して、それを硬化させる
ことにより、コンクリート構造物の補修・補強を達成す
ることができるものである。
【0030】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
する。
【0031】実施例1 (1)樹脂組成物の調製 下記原料を混練して、a液及びb液をそれぞれ調製し
た。
【0032】 (a液) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、“エピコート”828;粘度120〜150 ポイズ、平均分子量378) ビスフェノールF型エポキシ樹脂 35重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、“エピコート”807;粘度30〜45ポイ ズ、平均分子量335) 1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 20重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、YED216) ウレタンアクリレート 5重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、“アンカレッツ”300;平 均分子量5100) シリカ粒子 2.0重量部 (日本アエロジル(株)製、“アエロジル”380;比表面積380m2 /g 、粒子径7nm) (b液) イソホロンジアミン変性物 22.9重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、“アンカミン”1618) ノルボルナンジアミン 15.8重量部 (三井東圧ファイン(株)製、NBDA) シリカ粒子 1.5重量部 (日本アエロジル(株)製、“アエロジル”380;比表面積380m2 /g 、粒子径7nm) (2)樹脂硬化物の物性測定 上記a液とb液を3:1の比率(重量比)で混合して得
られた樹脂組成物を、23℃で7日間硬化して厚さ2m
mの樹脂硬化物の板を作製した。
【0033】樹脂硬化物よりJIS−K7113に従
い、小型1(1/2)号形試験片を切り出し、引張弾性
率および伸度を求めたところ、それぞれ3.3GPa、
10%以上であった。
【0034】実施例2 (1)樹脂組成物の調製 下記原料を混練して、a液及びb液をそれぞれ調製し
た。
【0035】 (a液) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 60重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、“エピコート”828;粘度120〜150 ポイズ、平均分子量378) 1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 25重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、YED216) ウレタンアクリレート 15重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、“アンカレッツ”2364; 平均分子量1400) シリカ粒子 3.0重量部 (日本アエロジル(株)製、“アエロジル”380;比表面積380m2 /g 、粒子径7nm) (b液) イソホロンジアミン 10.5重量部 (ヒュルス・ジャパン(株)製、“ベスタミン”IPD) イソホロンジアミン変性物 2.7重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、“アンカミン”1618) 3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン 15.5重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、“アンカミン”2049) シリカ粒子 2.5重量部 (日本アエロジル(株)製、“アエロジル”380;比表面積380m2 /g 、粒子径7nm) (2)樹脂硬化物の物性測定 上記a液とb液を3:1の比率(重量比)で混合して得
られた樹脂組成物を、23℃で7日間硬化して厚さ2m
mの樹脂硬化物の板を作製した。
【0036】樹脂硬化物よりJIS−K7113に従
い、小型1(1/2)号形試験片を切り出し、引張弾性
率および伸度を求めたところ、それぞれ3.2GPa、
10%以上であった。
【0037】比較例1 (1)樹脂組成物の調製 下記原料を混練して、a液及びb液をそれぞれ調製し
た。
【0038】 (a液) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 60重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、“エピコート”828;粘度120〜150 ポイズ、平均分子量378) 1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 25重量部 (油化シェルエポキシ(株)製、YED216) シリカ粒子 2.0重量部 (日本アエロジル(株)製、“アエロジル”380;比表面積380m2 /g 、 粒子径7nm) (b液) イソホロンジアミン 10.0重量部 (ヒュルス・ジャパン(株)製、“ベスタミン”IPD) イソホロンジアミン変性物 8.6重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、“アンカミン”1618) 3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン 14.7重量部 (エー・シー・アイ・ジャパン・リミテッド製、“アンカミン”2049) シリカ粒子 2.0重量部 (日本アエロジル(株)製、“アエロジル”380;比表面積380m2 /g 、粒子径7nm) (2)樹脂硬化物の物性測定 上記a液とb液を3:1の比率(重量比)で混合して得
られた樹脂組成物を、23℃で7日間硬化して厚さ2m
mの樹脂硬化物の板を作製した。
【0039】樹脂硬化物よりJIS−K7113に従
い、小型1(1/2)号形試験片を切り出し、引張弾性
率および伸度を求めたところ、それぞれ3.2GPa、
1.3%であった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明により、優れた伸度、弾性率を有
する硬化物を与える液状エポキシ樹脂組成物を提供する
ことができ、また、かかる液状エポキシ樹脂組成物を用
いてコンクリート構造物の補修・補強を行うと、垂れ落
ちがなく作業性に優れ、かつ、構造物の変形がなく、ク
ラックや剥離の発生しないものを提供することができ
る。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも次の構成要素[A]、[B]お
    よび[C]を含有することを特徴とする液状エポキシ樹
    脂組成物。 [A]液状ビスフェノール型エポキシ樹脂 [B]ウレタン(メタ)アクリレート化合物 [C]揺変性付与材
  2. 【請求項2】前記構成要素[B]が、平均分子量100
    0〜10000である請求項1記載の液状エポキシ樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】前記構成要素[B]が、ポリオキシアルキ
    レン骨格を有する化合物である請求項1または2に記載
    の液状エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記構成要素[B]が、エポキシ樹脂
    [A]100重量部に対し、1〜20重量部配合されて
    なる請求項1〜3のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】前記構成要素[C]が、無機粉体である請
    求項1〜4のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】前記無機粉体が、シリカ粒子である請求項
    5記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】前記構成要素[C]が、エポキシ樹脂
    [A]100重量部に対し、0.001〜5.0重量部
    配合されてなる請求項1および5〜6のいずれかに記載
    の液状エポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】コンクリート構造物の表面に、請求項1〜
    7のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物を用い
    て、強化繊維からなるシート、クロスおよびストランド
    から選ばれた少なくとも1種を貼り付けた後、該液状エ
    ポキシ樹脂組成物を硬化せしめることを特徴とするコン
    クリート構造物の補修・補強方法。
  9. 【請求項9】前記強化繊維が、炭素繊維、芳香族ポリア
    ミド繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、ス
    テンレス繊維およびシリコーンカーバイド繊維より選ば
    れた少なくとも1種である請求項8記載のコンクリート
    構造物の補修・補強方法。
  10. 【請求項10】コンクリート構造物の表面に、請求項1
    〜7のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物を用い
    て、補強板を貼り付けた後、該液状エポキシ樹脂組成物
    を硬化せしめることを特徴とするコンクリート構造物の
    補修・補強方法。
  11. 【請求項11】前記補強板が、繊維強化プラスチック板
    である請求項10記載のコンクリート構造物の補修・補
    強方法。
  12. 【請求項12】前記補強板が、鋼板である請求項10記
    載のコンクリート構造物の補修・補強方法。
  13. 【請求項13】コンクリート構造物のヒビ割れ部分に、
    請求項1〜7のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成
    物を注入した後、該液状エポキシ樹脂組成物を硬化せし
    めることを特徴とするコンクリート構造物の補修・補強
    方法。
JP17944297A 1997-07-04 1997-07-04 液状エポキシ樹脂組成物およびコンクリート構造物の補修・補強方法 Pending JPH1121335A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17944297A JPH1121335A (ja) 1997-07-04 1997-07-04 液状エポキシ樹脂組成物およびコンクリート構造物の補修・補強方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17944297A JPH1121335A (ja) 1997-07-04 1997-07-04 液状エポキシ樹脂組成物およびコンクリート構造物の補修・補強方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1121335A true JPH1121335A (ja) 1999-01-26

Family

ID=16065943

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17944297A Pending JPH1121335A (ja) 1997-07-04 1997-07-04 液状エポキシ樹脂組成物およびコンクリート構造物の補修・補強方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1121335A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256139A (ja) * 2001-03-01 2002-09-11 Toray Ind Inc 二液型エポキシ樹脂組成物およびコンクリート構造体の補修・補強方法
JP2003002948A (ja) * 2001-06-20 2003-01-08 Toray Ind Inc コンクリート構造物の補修・補強用エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いてなる補修・補強方法
JP2003201337A (ja) * 2001-09-28 2003-07-18 Nippon Oil Corp 常温硬化型エポキシ樹脂組成物の硬化時間を調整する方法及びコンクリート構造物の補強方法
WO2016137791A1 (en) 2015-02-27 2016-09-01 3M Innovative Properties Company Two-part structural adhesive
WO2016137671A1 (en) 2015-02-27 2016-09-01 3M Innovative Properties Company Two-part adhesive including toughened curative
JP2017530233A (ja) * 2014-10-13 2017-10-12 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー アクリレートベースの強化剤を含有するエポキシ組成物
WO2018066832A1 (ko) * 2016-10-07 2018-04-12 로드켐 주식회사 보수재 및 이를 이용한 보수방법

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256139A (ja) * 2001-03-01 2002-09-11 Toray Ind Inc 二液型エポキシ樹脂組成物およびコンクリート構造体の補修・補強方法
JP2003002948A (ja) * 2001-06-20 2003-01-08 Toray Ind Inc コンクリート構造物の補修・補強用エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いてなる補修・補強方法
JP2003201337A (ja) * 2001-09-28 2003-07-18 Nippon Oil Corp 常温硬化型エポキシ樹脂組成物の硬化時間を調整する方法及びコンクリート構造物の補強方法
JP2017530233A (ja) * 2014-10-13 2017-10-12 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー アクリレートベースの強化剤を含有するエポキシ組成物
WO2016137791A1 (en) 2015-02-27 2016-09-01 3M Innovative Properties Company Two-part structural adhesive
WO2016137671A1 (en) 2015-02-27 2016-09-01 3M Innovative Properties Company Two-part adhesive including toughened curative
US10280345B2 (en) 2015-02-27 2019-05-07 3M Innovative Properties Company Two-part structural adhesive
US10329464B2 (en) 2015-02-27 2019-06-25 3M Innovative Properties Company Two-part adhesive including toughened curative
WO2018066832A1 (ko) * 2016-10-07 2018-04-12 로드켐 주식회사 보수재 및 이를 이용한 보수방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2644122T3 (es) Adhesivos modificados a resistencia elevada a los choques
KR102626996B1 (ko) 에폭시 접착제를 위한 블로킹된 폴리우레탄 강인화제
TWI417356B (zh) Adhesive composition
JP5061531B2 (ja) 緩衝材用接着剤、通気緩衝複合防水工法および通気緩衝複合防水工法を用いて製造される構造体
TWI381034B (zh) Adhesive composition for optical fibers
CN102449085A (zh) 基于环氧化物的粘合膜或粘合带
JP6767148B2 (ja) 亀裂進展抑制樹脂組成物及び亀裂進展抑制方法
CN104449508A (zh) 一种柔韧性环氧结构胶及其制备方法
JPWO2008133054A1 (ja) 樹脂組成物、及びプリプレグ
CN111971362A (zh) 环氧树脂胶粘剂组合物
JP6439901B1 (ja) 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、および繊維強化複合材料
JP5098170B2 (ja) 通気緩衝シート用接着剤および通気緩衝複合防水工法
JPH1121335A (ja) 液状エポキシ樹脂組成物およびコンクリート構造物の補修・補強方法
EP3705508A1 (en) Epoxy resin composition and cured object obtained therefrom
JP2003160641A (ja) 液状のアミン組成物、二液型補修・補強剤およびそれを用いたコンクリート構造体の補修・補強方法
JP3661358B2 (ja) 液状エポキシ樹脂組成物およびコンクリート構造物の補修・補強方法
CN114058307A (zh) 一种超低温环氧树脂胶粘剂的制备方法
JP4475687B2 (ja) コンクリート構造体用二液型エポキシ樹脂接着剤、およびそれを用いたコンクリート構造体の補修・補強方法
JP2005105151A (ja) エポキシ樹脂組成物
CN111925759A (zh) 一种无溶剂胶黏剂及其制备方法和应用
JPH05239317A (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよびプリプレグの製造法
JP2003002948A (ja) コンクリート構造物の補修・補強用エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いてなる補修・補強方法
JP3415349B2 (ja) 複合材料用エポキシ樹脂組成物
JP4475698B2 (ja) プライマー組成物とそれを用いたコンクリート、モルタルの打継ぎ方法
CN112029462B (zh) 一种建筑结构胶黏剂及其制备方法