JPH05239317A - エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよびプリプレグの製造法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよびプリプレグの製造法

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JPH05239317A
JPH05239317A JP8051892A JP8051892A JPH05239317A JP H05239317 A JPH05239317 A JP H05239317A JP 8051892 A JP8051892 A JP 8051892A JP 8051892 A JP8051892 A JP 8051892A JP H05239317 A JPH05239317 A JP H05239317A
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epoxy resin
prepreg
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resin
poise
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JP8051892A
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Hajime Kishi
肇 岸
Nobuyuki Odagiri
信之 小田切
Fumiaki Noman
文昭 乃万
Takeji Nakae
武次 中江
Kokichi Hashimoto
幸吉 橋本
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】エポキシ樹脂と、硬化剤と、固形ゴムとからな
るエポキシ樹脂組成物であって、80℃において振動周
波数0.02Hzで測定した複素粘性率η0.02が5000ポイズ以
上であり、振動周波数2Hz で測定した複素粘性率η2
複素粘性率η0.02との関係がlog η0.02−log η2 ≧0.
5 を満足するエポキシ樹脂組成物。強化繊維および表層
と内層とで粘度の異なるエポキシ樹脂組成物からなるプ
リプレグであって、表層のエポキシ樹脂組成物の複素粘
性率η0.02が 40000〜400000ポイズ、内層のエポキシ樹
脂組成物の複素粘性率η0.02 が5000ポイズ以上 40000
ポイズ未満であるプリプレグ。2段階含浸の際、1段目
の含浸工程における含浸圧力を2段目より高くするプリ
プレグの製造法。 【効果】成形板中にポロシティを生じにくく、高靭性、
高弾性率、高耐熱性、低吸水性、耐溶剤性に優れた繊維
強化プラスチックを与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂組成物、
プリプレグおよびプリプレグの製造法に関するものであ
る。さらに詳細には、ハニカムコキュア成形をした場合
に、成形板中にポロシティを生じにくく、また高靭性、
高弾性率、さらには高耐熱性、低吸水性、耐溶剤性に優
れた繊維強化プラスチックを与えるプリプレグおよびそ
のマトリックス樹脂として優れたエポキシ樹脂組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂はその優れた力学的特性、
耐薬品性などを生かし、成形、積層、接着剤、封止剤な
ど各種産業分野に広く使用されている。強化繊維と、マ
トリックス樹脂を必須の構成要素とする繊維強化複合材
料は航空機、自動車等の構造材料等に用いられ、そこに
は、エポキシ樹脂が多く使われている。特に炭素繊維強
化プラスチック(CFRP)は、従来から航空機構造材
料に使用されているが、航空機の軽量化の観点からハニ
カムサンドイッチパネル構造に成形される場所が多い。
アラミド紙等からなるハニカムコアの両面に(場合によ
って、接着剤フィルムを介して)プリプレグを積層し、
プリプレグそのものの硬化とハニカムとの接着を同時に
行なう、いわゆるコキュア成形性がプリプレグに要求さ
れている。
【0003】この成形に用いられるプリプレグには、成
形板中にポロシティ(空隙)が発生しないことという要
求がある。ハニカムコアの六角形状空洞の上下部分のプ
リプレグには成形中に圧力がかからず、結果として、プ
リプレグ積層層間あるいは層内には本来ポロシティが発
生しやすい。そのようなポロシティを有する成形板で、
例えば、航空機のスポイラーを構成するとポロシティに
水分が溜まり、その水分が高高度を飛行中に凍結してス
キンにひび割れを誘発し、また、これを繰り返している
うちにハニカムにも水分が侵入するようになり、パネル
の物性が低下して航空機の安全な運航に支障をきたすよ
うになる。
【0004】ハニカム成形に用いることを目的とした炭
素繊維を強化繊維とするプリプレグおよびマトリックス
樹脂に関する従来技術として以下のものがある。
【0005】特公昭63−30925号公報、特公平1
−29814号公報ではプリプレグとハニカムとの直接
接着性および表面材としての硬化板のコンポジット特
性、特に層間剪断強度(ILSS)が高いことを満足す
るため次のエポキシ樹脂組成物を開示している。すなわ
ち、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型、ノボラッ
ク型及びグリシジルアミン型の3種を選び、両末端にカ
ルボキシル基を有する液状のブタジエン−アクリロニト
リル共重合体とグリシジルアミン型エポキシ樹脂との反
応生成物を含有させ、さらにニトリルゴムと硬化剤とし
てのジシアンジアミドを添加し、かつ各成分の含有比率
を所定のものにすることにより上記特性を達成するとし
ている。
【0006】また、特公昭62−28167号公報では
強化繊維として炭素繊維と芳香族ポリアミド繊維のハイ
ブリッド材を用いた場合に適するマトリックス樹脂とし
て、エポキシ樹脂、両末端にカルボキシル基を有する液
状のブタジエン−アクリロニトリル共重合体とエポキシ
樹脂との反応生成物、ジシアンジアミドにさらに末端に
アミノ基を有する液状または半固形状ポリアミドを含む
ことを特徴とする組成物を開示している。特開昭58−
82755号公報、特開昭58−83022号公報、特
開昭58−83031号公報においてはエポキシ樹脂、
両末端にカルボキシル基を有する液状のブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体とエポキシ樹脂との反応生成
物、硬化剤としてジシアンジアミドとジアミノジフェニ
ルスルホンを併用した組成物を用いれば、プリプレグと
ハニカムとの直接接着性が優れ、特に高温下におけるハ
ニカムとの接着強度が高くなることが述べられている。
【0007】特開昭57−21427号公報、特開昭5
7−21450号公報においてはエポキシ樹脂、両末端
にカルボキシル基を有する液状のブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体とエポキシ樹脂との反応生成物、ニト
リルゴムおよびジシアンジアミドに代表される硬化剤か
らなる組成物をアセトン−メチルセロソルブ混合溶剤等
に溶解し、繊維に含浸させたプリプレグはハニカムサン
ドイッチパネルに優れた接着強度と高度の衝撃強度およ
び曲げ強度を与えることが述べられている。
【0008】特開昭57−49646号公報には、エポ
キシ樹脂とニトリルゴムと分子量1万以上の高分子量エ
ポキシ樹脂とからなる樹脂組成物を用いたプリプレグは
ハニカムとの直接接着性に優れ、ハニカムサンドイッチ
パネルに優れた接着強度と高度の曲げ強度を与えること
が述べられている。実施例によれば、ジシアンジアミド
を硬化剤として用い、組成物をアセトン−メチルセロソ
ルブ混合溶剤等に溶解してプリプレグを作製している。
【0009】特開昭58−84825号公報では、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹
脂、N,N−ジグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹
脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびジシ
アンジアミドを含有するエポキシ樹脂組成物を含浸して
なるプリプレグが開示されている。このプリプレグを用
いたハニカムサンドイッチパネルは優れた耐ハイヒール
性および曲げ強度を有することが記されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上の従来技術はいず
れも層間ポロシティ低減を目的としたものではなく、こ
れについては述べられていない。
【0011】また、耐熱性の優れたジアミノジフェニル
スルホン単独硬化系の場合、ジシアンジアミド硬化系に
比較しはるかに層間ポロシティが発生しやすく、その改
良は非常に困難な課題である。
【0012】本発明は、ハニカムコキュア成形をした場
合に、層間ポロシティが発生しやすい傾向のあるジアミ
ノジフェニルスルホン硬化系においてさえも成形板中に
ポロシティを生じにくく、しかも、高靭性、高弾性率、
高耐熱性、低吸水性、耐溶剤性に優れた繊維強化プラス
チックを与え、またその中間原料であるタック性、ドレ
ープ性に優れたプリプレグおよびマトリックス樹脂とし
て優れたエポキシ樹脂組成物を提供することを課題とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のエポキシ樹脂組成物は次のいずれかの構成
を有する。すなわち、エポキシ樹脂と、芳香族アミン系
硬化剤、酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド系硬化剤
およびノボラック系硬化剤からなる群より選ばれた1種
または2種以上の硬化剤と、固形ゴムとからなるエポキ
シ樹脂組成物であって、80℃において振動周波数0.
02Hzで測定した複素粘性率η0.02が5000ポイズ
以上であり、振動周波数2Hzで測定した複素粘性率η
2 と上記振動周波数0.02Hzで測定した複素粘性率
η0.02との関係がlog η0.02−log η2 ≧0.5を満足
することを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
【0014】また、本発明のプリプレグは次のいずれか
の構成を有する。すなわち、強化繊維と上記したいずれ
かのエポキシ樹脂組成物とからなることを特徴とするプ
リプレグ、または、強化繊維および表層と内層とで粘度
の異なるエポキシ樹脂組成物からなるプリプレグであっ
て、表層のエポキシ樹脂組成物の80℃において振動周
波数0.02Hzで測定した複素粘性率η0.02が400
00〜400000ポイズであり、内層のエポキシ樹脂
組成物の80℃において振動周波数0.02Hzで測定
した複素粘性率η0.02が5000ポイズ以上40000
ポイズ未満であることを特徴とするプリプレグである。
【0015】また、本発明のプリプレグの製造法は次の
いずれかの構成を有する。すなわち、強化繊維にエポキ
シ樹脂組成物を2段階で含浸するに際し、1段目の含浸
工程において用いるエポキシ樹脂組成物の80℃におい
て振動周波数0.02Hzで測定した複素粘性率η0.02
が5000ポイズ以上40000ポイズ未満であり、2
段目の含浸工程において用いるエポキシ樹脂組成物の8
0℃において振動周波数0.02Hzで測定した複素粘
性率η0.02が40000〜400000ポイズであるこ
とを特徴とするプリプレグの製造法、または、強化繊維
にエポキシ樹脂組成物を含浸するに際し、含浸工程を2
段階とし、1段目の含浸工程における含浸圧力を2段目
の含浸工程における含浸圧力より高くすることを特徴と
するプリプレグの製造法である。
【0016】以下、まず、本発明のエポキシ樹脂組成物
について詳細に説明する。◎ 本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる要素のひとつはエ
ポキシ樹脂である。◎ エポキシ樹脂とは、1分子あたり平均2個以上のエポキ
シ基を有する樹脂をいう。
【0017】具体的には、アミン類を前駆体とするエポ
キシ樹脂として、テトラグリシジルジアミノジフェニル
メタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリ
グリシジル−m−アミノフェノール、トリグリシジルア
ミノクレゾールの各種異性体があげられる。テトラグリ
シジルジアミノジフェニルメタンは航空機構造材として
の複合材料用樹脂として耐熱性に優れるため好ましい。
【0018】フェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂
として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ
樹脂があげられる。液状のビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂は低粘度である
ため他のエポキシ樹脂や添加剤の配合に好ましい。
【0019】炭素炭素二重結合を有する化合物を前駆体
とするエポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂等が
あげられる。また、これらのエポキシ樹脂をブロム化し
たブロム化エポキシ樹脂も、樹脂の吸水率が低下し、耐
環境性が向上する観点から好ましく用いられる。
【0020】これらエポキシ樹脂は2種以上の混合系で
用いてもよく、モノエポキシ化合物を含有しても良い。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂とグリシジルエーテル
型エポキシ樹脂の組合せは耐熱性、耐水性および作業性
を併せ持つため好ましい。
【0021】耐熱性、耐水性および作業性のバランスを
とる観点から、特に好ましくは以下のエポキシ樹脂の組
み合わせである。すなわち、各種エポキシ樹脂の組成を
次の割合の範囲から選択するものである。
【0022】 ビスフェノールA型エポキシ 10〜60% 臭素化ビスフェノールA型エポキシ 0〜30% テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン 10〜40% ビスフェノールF型エポキシ 5〜40% 本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる別の要素のひとつ
は硬化剤である。硬化剤は、エポキシ基と反応しうる活
性基を有する化合物であればこれを用いることができ
る。アミノ基、酸無水物基、アジド基、水酸基を有する
化合物が好ましく用いられる。例えば、ジシアンジアミ
ド、ジアミノジフェニルスルホンの各種異性体、アミノ
安息香酸エステル類、各種酸無水物、フェノールノボラ
ック樹脂、クレゾールノボラック樹脂が挙げられる。ジ
シアンジアミドはプリプレグの保存性に優れるため好ま
しく用いられる。芳香族ジアミンを硬化剤として用いる
と耐熱性良好なエポキシ樹脂硬化物が得られる。特に、
ジアミノジフェニルスルホンの各種異性体は、耐熱性の
良好な硬化物を与えるため本発明には最も適している。
その添加量は、エポキシ樹脂のエポキシ基とジアミノジ
フェニルスルホンの活性水素の化学量論において対エポ
キシ0.7〜1.2当量となるよう添加することが好ま
しい。アミノ安息香酸エステル類としては、トリメチレ
ングリコールジ−p−アミノベンゾエートやネオペンチ
ルグリコールジ−p−アミノベンゾエートが好んで用い
られ、ジアミノジフェニルスルホンに比較して、耐熱性
には若干劣るものの、引張伸度、靭性に優れるため、用
途に応じて選択して用いられる。メチルヘキサヒドロ無
水フタル酸に代表される酸無水物を硬化剤として用いる
と、耐熱性が高い硬化物を与え、低粘度で作業性に優れ
たエポキシ樹脂組成物が得られる。フェノールノボラッ
ク樹脂あるいはクレゾールノボラック樹脂はこれを硬化
剤として用いると、分子鎖中に耐加水分解性の優れたエ
ーテル結合が導入され硬化物の耐湿性が向上するため好
ましい。さらに、種々の硬化触媒も併用することができ
る。その代表的なものは三フッ化ほう素のモノエチルア
ミン錯体である。また、シアネート樹脂(トリアジン樹
脂)もエポキシ樹脂と組み合わせて好ましく用いられ
る。この場合、シアネートはエポキシと硬化反応をおこ
し、吸水率の低い樹脂硬化物を与える。
【0023】本発明のエポキシ樹脂組成物の成分として
は固形ゴムも用いるものである。固形ゴムとは、室温に
おいて流動性を持たないゴムをいう。固形ゴムの添加は
樹脂の粘着性、柔らかさを付与する効果ももたらし、プ
リプレグとしての重要特性であるタック・ドレープ性を
向上させる。
【0024】本発明において固形ゴムの役割をさらに詳
細に説明すれば、樹脂を高粘度かつ高チクソトロピー性
とし、この樹脂をマトリックス樹脂とするプリプレグを
ハニカム成形パネルの表面材として用いると、積層板部
分に発生しがちなポロシティを著しく抑制する作用があ
る。しかも、高粘度樹脂でありながら高チクソトロピー
性を有するがゆえに、ホットメルト法でのレジンコーテ
ィングを予想外に容易とする。
【0025】また、かかる固形ゴムの添加は、樹脂の柔
軟性、粘着性を向上させ、プリプレグとしての適度なタ
ック性、ドレープ性を与える効果が著しい。また、固形
ゴムの添加によって複合材料の耐衝撃性、耐剥離性が向
上する。しかも、固形ゴムの添加によっても熱硬化性樹
脂本来の高弾性率、高耐熱性、高耐溶剤性は損われるこ
とはないのである。
【0026】固形ゴムとしては、エポキシ樹脂との親和
性を向上させる観点からアクリロニトリルブタジエンゴ
ムが好ましい。
【0027】本発明に用いる固形ゴムは、耐溶剤性、力
学的物性を優れたものとする観点から、エポキシ樹脂あ
るいは硬化剤と反応しうる官能基を有するのが好まし
い。かかる観点から、官能基としてとくに好ましいもの
はカルボキシル基である。
【0028】固形ゴムは、プリプレグ成形中におけるポ
ロシティ形成を抑制し、一方、高粘度樹脂の難点となり
がちな樹脂フィルムのコーティングも問題なく行なうこ
とができるようにする観点から、弱架橋性であることが
特に好ましい。すなわち、弱架橋性固形ゴムをエポキシ
樹脂に添加すると樹脂の粘度が高くなるだけでなく、驚
くべきほどチクソトロピー性の高い樹脂となるものであ
る。成形時、マトリックス樹脂は剪断力のかからない静
止状態におかれているが、樹脂のチクソトロピー性が高
くなったことで、このような静止状態において予想以上
の樹脂の高粘度化を達成できる。固形ゴムを弱架橋性と
するとかかる特質を付与することができ、成形中におけ
るポロシティ形成を抑制しうる、一方、高粘度樹脂の難
点となりがちな樹脂フィルムのコーティングも剪断力に
よる低粘度化のゆえに問題なく行なうことができ、好ま
しい態様である。
【0029】なお、固形ゴムの弱架橋性の程度は、溶剤
不溶となる程度にまで弱架橋性であることが好ましい。
かかる弱架橋性固形ゴムは、エポキシ樹脂中で3次元的
に膨潤、微分散して部分的には綱目状になり、均一溶解
せず、未硬化状態から硬化完了に至るまで常に相分離し
ており、均一溶解状態を経由しないのでチクソトロピー
製が高くなり好ましい。
【0030】さらに、かかる弱架橋性固形ゴムの微分散
状態の程度は、混合方法やベースとなるエポキシ樹脂の
組成によっても異なるが、樹脂粘度が不必要に低下する
ことを防止し、一方、強化繊維への含浸の際の妨げとな
り不均一組成になることを防止する観点から、ゴム相の
幅は 0.1〜10μm、さらには 0.5〜5 μmの範囲にある
ことが好ましい。
【0031】本発明のエポキシ樹脂組成物には、さらに
別の要素としてポリエーテルスルホンを添加すること
も、樹脂粘度およびプリプレグのタック性・ドレープ性
調節を容易とする観点から好ましい。とくに、末端基と
して水酸基を有するポリエーテルスルホンはエポキシ樹
脂との相溶性が良好である観点から好ましい。
【0032】ポリエーテルスルホンを添加する場合、エ
ポキシ樹脂組成物100重量部中における固形ゴムおよ
びポリエーテルスルホンの配合量は、複合材料の耐熱性
が著しく低下するのを防ぐ一方、樹脂の粘度が低くなっ
てポロシティ発生が著しくなるのを防ぐ観点から、固形
ゴムは3〜12重量部、さらには5〜10重量部が好ま
しい。また、得られるプリプレグのタック性、ドレープ
性が顕著に低下するのを防ぐ観点から、ポリエーテルス
ルホンは5重量部以下、さらには1〜4重量部が好まし
い。
【0033】本発明のエポキシ樹脂組成物は、静止状態
において高粘度を保ち、プリプレグ成形中におけるポロ
シティ形成を抑制する観点から、80℃において振動周
波数0.02Hzで測定した複素粘性率η0.02が500
0ポイズ以上、さらには20000ポイズ以上であるこ
とが好ましい。
【0034】本発明において複素粘性率とは、レオロジ
ー社製MR−3ソリキッドメータを用い、次のように測
定した値をいう。
【0035】すなわち、直径1.798cmのプレートを
用いたプレート−プレート型(パラレルプレート型)測
定でプレート感のギャップは0.5mmとする。測定雰囲
気温度は80℃に保つ両円盤の間に試料を満たし、一方
の円盤を所定の周波数で振幅1°の振動を与える。その
際に生じるトルクと位相差から複素粘性率を求める。
【0036】振動周波数0.02〜2Hzの範囲で測定
すれば、複素粘性率の周波数依存性が求められる。
【0037】また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、剪
断力がかかる状態において粘度を低下させて、高粘度樹
脂の難点となりがちな樹脂フィルムのコーティングも問
題なく行なうことができるようにする観点から、振動周
波数2Hzで測定した複素粘性率η2 と上記振動周波数
0.02Hzで測定した複素粘性率η0.02との関係がlo
g η0.02−log η2 ≧0.5を満足することが好まし
い。
【0038】つぎに、本発明のプリプレグについて詳細
に説明する。◎ 本発明のプリプレグは、前記したエポキシ樹脂組成物と
強化繊維とからなるものである。本発明のプリプレグに
用いる強化繊維としては、一般に、先進複合材料として
用いられる耐熱性および引張強度の良好な繊維が用いら
れる。具体的には、たとえば、炭素繊維、黒鉛繊維、ア
ラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊
維、タングステンカーバイド繊維、ガラス繊維などがあ
げらる。このうち、比強度、比弾性率が良好で軽量化に
大きな寄与が認められる炭素繊維や黒鉛繊維が本発明の
プリプレグには最も好ましく用いられる。炭素繊維や黒
鉛繊維は、用途に応じてあらゆる種類の炭素繊維や黒鉛
繊維を用いることが可能であるが、引張強度 350kgf/mm
2 、引張伸度1.5%以上の高強度高伸度炭素繊維が最も適
している。比強度、比弾性率が高いことを要求される用
途には、強化繊維が単一方向に引き揃えられた配列が適
しているが、これ以外の形態で強化繊維を用いることも
可能である。
【0039】本発明のプリプレグにおいて、エポキシ樹
脂組成物と強化繊維の他に、さらに、炭酸カルシウム、
タルク、マイカ、シリカ、カーボンブラック、炭化ケイ
素、アルミナ水和物等の粒状物を混用することも、樹脂
の粘度を適切なものにしたり、得られる複合材料の物
性、例えば圧縮強度、靭性等を改良するために有効であ
り好ましい。
【0040】また、本発明のプリプレグにおいて、プリ
プレグの含浸性をさらに向上させ、成形時にポロシティ
がさらに発生しにくいプリプレグであって、しかもタッ
ク性、ドレープ性をさらに良好なプリプレグを得る観点
から、表層と内層とで粘度の異なるエポキシ樹脂組成物
であって、表層のエポキシ樹脂組成物の80℃において
振動周波数0.02Hzで測定した複素粘性率が400
00〜400000ポイズ、さらには40000〜20
0000ポイズであり、内層のエポキシ樹脂組成物の8
0℃において振動周波数0.02Hzで測定した複素粘
性率が5000ポイズ以上40000ポイズ未満、さら
には10000〜30000ポイズであるものとするこ
とは好ましい。すなわち、表層のエポキシ樹脂組成物と
して、80℃において振動周波数0.02Hzで測定し
た複素粘性率が40000〜400000ポイズのもの
とすることはハニカム成形板のポロシティを一層減少さ
せ、タック性、ドレープ性を一層良好なものとし、一
方、内層のエポキシ樹脂組成物として80℃において振
動周波数0.02Hzで測定した複素粘性率が5000
ポイズ以上400000ポイズ未満であるものとするこ
とはプリプレグの含浸性を一層向上させる効果があるか
らである。
【0041】このようなプリプレグは、強化繊維にエポ
キシ樹脂組成物を2段階で含浸するに際し、1段目の含
浸工程において、80℃において振動周波数0.02H
zで測定した複素粘性率が5000ポイズ以上4000
00ポイズ未満であるエポキシ樹脂組成物を用い、2段
目の含浸工程において、80℃において振動周波数0.
02Hzで測定した複素粘性率が40000〜4000
00ポイズであるエポキシ樹脂組成物を用いて常法によ
りプリプレグを製造することで得られる。
【0042】このように含浸を2段に分けることによ
り、1段目で得られる予備プリプレグの樹脂含有率を小
さくし、高い含浸圧力を加えた場合にも樹脂はみ出しが
抑制され最終的に得られるプリプレグの品質を高める。
特にクロスプリプレグの場合において成形板のポロシテ
ィの発生を著しく抑制できるので好ましい。
【0043】なお、高い含浸圧力を加えた場合にも樹脂
はみ出しを抑制し、一方、含浸性に優れた予備プリプレ
グの調整を可能として最終的に得られるプリプレグの品
質を高いものとする観点から、1段目の含浸工程におい
て得られる予備プリプレグの樹脂含浸率WR を25〜3
0%、さらには27〜29%とすることは好ましい。
【0044】また、プリプレグの含浸性をさらに良好な
ものとする観点から、1段目の含浸工程において、含浸
時の含浸線圧(最大接触応力)を1000 kg/cm2 、さ
らには1200 kg/cm2 とすることは好ましい。かかる
条件で得られる予備プリプレグは、2段目の含浸工程に
おいて、樹脂はみ出しが起こらない程度の低い含浸圧力
条件をとる場合においても、含浸性に優れ、樹脂含浸率
安定性に優れ、タック性に優れた最終プリプレグが得ら
れるという効果をも奏する。
【0045】また、エポキシ樹脂の説明において前記し
たように、本発明の、エポキシ樹脂と、芳香族アミン系
硬化剤、酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド系硬化剤
およびノボラック系硬化剤からなる群より選ばれた1種
または2種以上の硬化剤と、固形ゴムからなるエポキシ
樹脂組成物に、さらに、ポリエーテルスルホンを添加し
たものを、上記プリプレグの表層のエポキシ樹脂組成物
に用いることも生計版のポロシティ発生をおさえ、プリ
プレグのタック性・ドレープ性を良好にする観点から好
ましい。
【0046】また、これもエポキシ樹脂の説明において
前記したように、表層と内層とで粘度の異なる2種のエ
ポキシ樹脂組成物が、ともに、80℃において振動周波
数0.02Hzで測定した複素粘性率η0.02が5000
ポイズ以上であって、振動周波数2Hzで測定した複素
粘性率η2 と上記振動周波数0.02Hzで測定した複
素粘性率η0.02との関係がlog η0.02−log η2 ≧0.
5を満足するものである場合は、プリプレグ成形中にお
けるポロシティ形成を抑制し、一方、高粘度樹脂の難点
となりがちな樹脂フィルムのコーティングも問題なく行
なうことができるようにする観点から特に好ましい。こ
のようなプリプレグの製造法についても後述する。
【0047】本発明のプリプレグの製造法としては、エ
ポキシ樹脂をマトリックスとした従来公知の製造法が採
用できる。樹脂組成物を適当な溶剤に溶かした後に強化
繊維に含浸するいわゆる湿式法(ウエット法)によって
もプリプレグを調製できるが、ハニカム成形板にポロシ
ティが発生しがちな無溶剤法(ホットメルト法)でプリ
プレグを調製した場合においてもポロシティの発生しな
いプリプレグができることが前記した本発明の樹脂の特
徴である。高粘度樹脂でありながら高チクソトロピー性
を有するがゆえに、ホットメルト法でのレジンコーティ
ングを予想外に容易とするものである。
【0048】また、本発明のプリプレグのうち、2種類
のエポキシ樹脂組成物を用いるプリプレグの好ましい製
造法として、次のものがあげられる。すなわち、強化繊
維にエポキシ樹脂組成物を含浸するに際し、含浸工程を
2段階とし、1段目の含浸工程における含浸圧力を2段
目の含浸工程における含浸圧力より高くすることを特徴
とするプリプレグの製造法である。
【0049】このように、1段目の含浸工程における含
浸圧力を2段目の含浸工程における含浸圧力より高くす
ることにより、プリプレグの含浸性を高めながら、含浸
時の樹脂のはみ出しを抑制できるので好ましい。
【0050】以下、実施例によって本発明をさらに詳細
に説明する。
【0051】
【実施例】本発明の実施例において、樹脂含有率WR
BMS8−256記載の方法により測定した値をいう。
また、靭性値GICはBMS8−256記載のダブルカン
チレバービーム法により測定した値をいう。 [実施例1]下記組成のエポキシ樹脂組成物をニーダー
中で調整したのち、80℃に短時間加熱し、離型紙にコ
ーティングし、樹脂フィルムとした。なお、この樹脂組
成物の80℃における複素粘性率を測定したところ、振
動周波数0.02Hzにおける複素粘性率η0.02は17
8200ポイズ、振動周波数2Hzにおる複素粘性率η
2 は4400ポイズであり、log η0.02−log η2
1.61であった。
【0052】 <エポキシ樹脂> EPC152(臭素化ビスフェノールA型固形エポキシ,大日本インキ化学工 業(株)製) 10.0重量部 EP 828(ビスフェノールA型液状エポキシ,油化シェルエポキシ(株) 製) 13.9重量部 ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン,住友化学工業( 株)製) 15.0重量部 EPC830(ビスフェノールF型液状エポキシ,大日本インキ化学工業(株 )製) 24.8重量部 <硬化剤> 4,4'- DDS(4,4'- ジアミノジフェニルスルホン,住友化学工業(株)製) 25.0重量部 BF3 ・MEA(BF3 モノエチルアミン錯体) 0.3重量部 <固形ゴム> DN 611(弱架橋性カルボキシル基末端固形アクリロニトリルブタジエン ゴム,日本ゼオン(株)製) 8.0重量部 <熱可塑性樹脂> PES100P(水酸基末端ポリエーテルスルホン,三井東圧化学(株)製) 3.0重量部 合計 100.0重量部 この樹脂フィルムをプリプレグマシンにセットし、強化
繊維として一方向に引き揃えた炭素繊維(東レ(株)製
T300)の両面から常法により加圧下で圧着し、樹脂
含有率WR 38%に調整されたプリプレグを得た。繊維
目付は190g/m2 であった。このプリプレグは優れ
た含浸性、タック・ドレープ性を有していた。
【0053】このように作製したプリプレグを芳香族ポ
リアミド繊維(ノメックス[登録商標、デュポン社
製])からなるハニカム(以下、ノメックスハニカム)
の上に積層、成形することによって得たハニカムパネル
の断面を研磨し光学顕微鏡で拡大し写真撮影したものを
図1に示した。
【0054】断面全体にわたってポロシティはほとんど
みられなかった。また、本プリプレグを同方向に20層
積層し、成形した硬化板についてダブルカンチレバービ
ーム法による靭性値GICを求めたところ、2.5ポンド
/インチであった。 [比較例1]ゴム成分を含まない下記組成のエポキシ樹
脂組成物をニーダー中で調整したのち、80℃に短時間
加熱し、離型紙にコーティングし、樹脂フィルムとし
た。なお、この樹脂組成物の80℃における複素粘性率
を測定したところ、振動周波数0.02Hzにおける複
素粘性率η0.02は250ポイズ、振動周波数2Hzにお
る複素粘性率η2 は200ポイズであり、log η0.02
log η2 =0.097であった。
【0055】 <エポキシ樹脂> EPC152(臭素化ビスフェノールA型固形エポキシ,大日本インキ化学工 業(株)製) 10.9重量部 EP 828(ビスフェノールA型液状エポキシ,油化シェルエポキシ(株) 製) 15.1重量部 ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン,住友化学工業( 株)製) 16.3重量部 EPC830(ビスフェノールF型液状エポキシ,大日本インキ化学工業(株 )製) 27.0重量部 <硬化剤> 4,4'- DDS(4,4'- ジアミノジフェニルスルホン,住友化学工業(株)製) 27.1重量部 BF3 ・MEA(BF3 モノエチルアミン錯体) 0.3重量部 <熱可塑性樹脂> PES100P(水酸基末端ポリエーテルスルホン,三井東圧化学(株)製) 3.3重量部 合計 100.0重量部 この樹脂フィルムをプリプレグマシンにセットし、強化
繊維として一方向に引き揃えた炭素繊維(東レ(株)製
T300)の両面から常法により加熱加圧下で圧着し、
樹脂含有率WR 38%に調整されたプリプレグを得た。
繊維目付は190g/m2 であった。
【0056】このように作製したプリプレグをノメック
スハニカムの上に積層、成形することによって得たハニ
カムパネルの断面を研磨し光学顕微鏡で拡大し写真撮影
したところ、図2に示すように断面全体にわたって多数
のポロシティが認められた。
【0057】また、本プリプレグを同方向に20層積層
し、成形した硬化板についてダブルカンチレバービーム
法による靭性値GICを求めたところ0.6ポンド/イン
チであった。 [実施例2]下記組成のエポキシ樹脂組成物をニーダー
中で調整したのち、80℃に短時間加熱し、離型紙にコ
ーティングし、樹脂フィルムとした。なお、この樹脂組
成物の80℃における複素粘性率を測定したところ、振
動周波数0.02Hzにおける複素粘性率η0.02は18
0100ポイズ、振動周波数2Hzにおる複素粘性率η
2 は4500ポイズであり、log η0.02−log η2
1.60であった。
【0058】 <エポキシ樹脂> EPC152(臭素化ビスフェノールA型固形エポキシ,大日本インキ化学工 業(株)製) 10.4重量部 EP 828(ビスフェノールA型液状エポキシ,油化シェルエポキシ(株) 製) 27.8重量部 ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン,住友化学工業( 株)製) 16.0重量部 EP 807(ビスフェノールF型液状エポキシ,油化シェルエポキシ(株) 製) 10.5重量部 <硬化剤> 4,4'- DDS(4,4'- ジアミノジフェニルスルホン,住友化学工業(株)製) 24.0重量部 BF3 ・MEA(BF3 モノエチルアミン錯体) 0.3重量部 <固形ゴム> DN 611(弱架橋性カルボキシル基末端固形アクリロニトリルブタジエン ゴム,日本ゼオン(株)製) 8.0重量部 <熱可塑性樹脂> PES100P(水酸基末端ポリエーテルスルホン,三井東圧化学(株)製) 3.0重量部 合計 100.0重量部 この樹脂フィルムをプリプレグマシンにセットし、強化
繊維として一方向に引き揃えた炭素繊維(東レ(株)製
T300)の両面から常法により加熱加圧下で圧着し、
樹脂含浸率WR 38%に調整されたプリプレグを得た。
繊維目付は190g/m2 であった。これは含浸性、タ
ック性、ドレープ性に優れたプリプレグであった。
【0059】このようにして作製したプリプレグを積層
することによって得たハニカムパネルの断面を研磨し光
学顕微鏡で拡大し写真撮影したところ、断面全体にわた
ってポロシティはほとんどみられなかった。
【0060】また、このプリプレグを同方向に20層積
層し、成形した硬化板についてダブルカンチレバービー
ム法による靭性値GICを求めたところ2.8ポンド/イ
ンチであった。 [実施例3]下記組成のエポキシ樹脂組成物をニーダー
中で調整したのち、80℃に短時間加熱し、離型紙にコ
ーティングし、樹脂フィルムとした。なお、この樹脂組
成物の80℃における複素粘性率を測定したところ、振
動周波数0.02Hzにおける複素粘性率η0.02は96
28ポイズ、振動周波数2Hzにおる複素粘性率η2
1500ポイズであり、log η0.02−log η2 =0.8
1であった。
【0061】 <エポキシ樹脂> EPC152(臭素化ビスフェノールA型固形エポキシ,大日本インキ化学工 業(株)製) 13.4重量部 EP 828(ビスフェノールA型液状エポキシ,油化シェルエポキシ(株) 製) 26.8重量部 ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン,住友化学工業( 株)製) 17.0重量部 EPC807(ビスフェノールF型液状エポキシ,大日本インキ化学工業(株 )製) 8.5重量部 <硬化剤> 4,4'- DDS(4,4'- ジアミノジフェニルスルホン,住友化学工業(株)製) 23.0重量部 BF3 ・MEA(BF3 モノエチルアミン錯体) 0.3重量部 <固形ゴム> Hycar1072(カルボキシル基末端固形アクリロニトリルブタジエンゴ ム,日本ゼオン(株)製) 10.0重量部 <熱可塑性樹脂> PES100P(水酸基末端ポリエーテルスルホン,三井東圧化学(株)製) 3.0重量部 合計 100.0重量部 この樹脂フィルムをプリプレグマシンにセットし、強化
繊維として一方向に引き揃えた炭素繊維(東レ(株)製
T300)の両面から常法により加熱加圧下で圧着し、
樹脂含浸率WR 38%に調整されたプリプレグを得た。
繊維目付は190g/m2 であった。これは含浸性、タ
ック性、ドレープ性に優れたプリプレグであった。
【0062】このようにして作製したプリプレグを積層
することによって得たハニカムパネルの断面を研磨し光
学顕微鏡で拡大し写真撮影したところポロシティはほと
んどみられなかった。
【0063】また、このプリプレグを同方向に20層積
層し、成形した硬化板についてダブルカンチレバービー
ム法による靭性値GICを求めたところ2.9ポンド/イ
ンチであった。 [比較例2]液状ゴムを成分として含む下記組成のエポ
キシ樹脂組成物をニーダー中で調整したのち、80℃に
短時間加熱し、離型紙にコーティングし、樹脂フィルム
とした。なお、この樹脂組成物の80℃における複素粘
性率を測定したところ、振動周波数0.02Hzにおけ
る複素粘性率η0.02は300ポイズ、振動周波数2Hz
におる複素粘性率η2 は250ポイズであり、log η
0.02−log η2 =0.079であった。
【0064】 <エポキシ樹脂> EPC152(臭素化ビスフェノールA型固形エポキシ,大日本インキ化学工 業(株)製) 7.4重量部 EP 828(ビスフェノールA型液状エポキシ,油化シェルエポキシ(株) 製) 27.8重量部 ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン,住友化学工業( 株)製) 16.0重量部 EP 807(ビスフェノールF型液状エポキシ,油化シェルエポキシ(株) 製) 10.5重量部 <硬化剤> 4,4'- DDS(4,4'- ジアミノジフェニルスルホン,住友化学工業(株)製) 23.0重量部 BF3 ・MEA(BF3 モノエチルアミン錯体) 0.3重量部 <液状ゴム> TSR−601(エポキシ基末端液状アクリロニトリルブタジエンゴム,大日 本インキ化学工業(株)製) 10.0重量部 <熱可塑性樹脂> PES100P(水酸基末端ポリエーテルスルホン,三井東圧化学(株)製) 6.0重量部 合計 100.0重量部 この樹脂フィルムをプリプレグマシンにセットし、強化
繊維として一方向に引き揃えた炭素繊維(東レ(株)製
T300)の両面から常法により加熱加圧下で圧着し、
樹脂含浸率WR 38%に調整されたプリプレグを得た。
繊維目付は190g/m2 であった。
【0065】このようにして作製したプリプレグを積層
することによって得たハニカムパネルの断面を研磨し光
学顕微鏡で拡大し写真撮影したところ、断面全体にわた
ってポロシティが多くみられた。
【0066】また、このプリプレグを同方向に20層積
層し、成形した硬化板についてダブルカンチレバービー
ム法による靭性値GICを求めたところ0.4ポンド/イ
ンチであった。 [比較例3]ゴム成分を含まない下記組成のエポキシ樹
脂組成物をニーダー中で調整したのち、80℃に短時間
加熱し、離型紙にコーティングしようとしたが、樹脂粘
度が高すぎ、樹脂フィルムとすることができなかった。
なお、この樹脂組成物の80℃における複素粘性率を測
定したところ、振動周波数0.02Hzにおける複素粘
性率η0.02は10200ポイズ、振動周波数2Hzにお
る複素粘性率η2 は9800ポイズであり、log η0.02
−log η2 =0.017であった。
【0067】 <エポキシ樹脂> EPC152(臭素化ビスフェノールA型固形エポキシ,大日本インキ化学工 業(株)製) 7.4重量部 EP 828(ビスフェノールA型液状エポキシ,油化シェルエポキシ(株) 製) 26.8重量部 ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン,住友化学工業( 株)製) 16.0重量部 EP 807(ビスフェノールF型液状エポキシ,油化シェルエポキシ(株) 製) 10.5重量部 <硬化剤> 4,4'- DDS(4,4'- ジアミノジフェニルスルホン,住友化学工業(株)製) 24.0重量部 BF3 ・MEA(BF3 モノエチルアミン錯体) 0.3重量部 <熱可塑性樹脂> PES100P(水酸基末端ポリエーテルスルホン,三井東圧化学(株)製) 15.0重量部 合計 100.0重量部 [実施例4]下記組成の1次エポキシ樹脂組成物をニー
ダー中で調整した。この1次エポキシ樹脂の80℃にお
ける複素粘性率を測定したところ、振動周波数0.02
Hzにおける複素粘性率η0.02は19100ポイズ、振
動周波数2Hzにおる複素粘性率η2 は760ポイズで
あり、log η0.02−log η2 =1.40であった。この
樹脂を80℃に短時間加熱し、離型紙にコーティング
し、樹脂フィルムとした。この樹脂フィルムをプリプレ
グマシンにセットし、強化繊維として一方向に引き揃え
た炭素繊維(東レ(株)製T300)の両面から常法に
より1段目の樹脂含浸を行った。樹脂フィルムの目付を
35g/m2 に調節したこの1段目の含浸で調製される
予備プリプレグの樹脂含有率WR は27%であった。高
い含浸圧力を加えた際にも樹脂はみ出しが抑制され、所
定の繊維含有率の予備プリプレグを調製できた。 (1次エポキシ樹脂組成) <エポキシ樹脂> EPC152(臭素化ビスフェノールA型固形エポキシ,大日本インキ化学工 業(株)製) 13.8重量部 EP 828(ビスフェノールA型液状エポキシ,油化シェルエポキシ(株) 製) 27.6重量部 ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン,住友化学工業( 株)製) 17.5重量部 EPC830(ビスフェノールF型液状エポキシ,大日本インキ化学工業(株 )製) 8.8重量部 <硬化剤> 4,4'- DDS(4,4'- ジアミノジフェニルスルホン,住友化学工業(株)製) 24.0重量部 BF3 ・MEA(BF3 モノエチルアミン錯体) 0.3重量部 <固形ゴム> DN 611(弱架橋性カルボキシル基末端固形アクリロニトリルブタジエン ゴム,日本ゼオン(株)製) 8.0重量部 合計 100.0重量部 次に、下記組成の2次エポキシ樹脂組成物をニーダー中
で調製した。この樹脂の80℃における複素粘性率を測
定したところ、振動周波数0.02Hzにおける複素粘
性率η0.02は102100ポイズ、振動周波数2Hzに
おる複素粘性率η2 は4000ポイズであり、log η
0.02−log η2 =1.41であった。既に調製した予備
(1次)プリプレグの両面から樹脂目付23g/m2
2次樹脂フィルムを用い、2段目の含浸を行った。常法
により加熱加圧下で圧着し、樹脂含浸率WR 38%に調
整されたプリプレグを得た。繊維目付は190g/m2
であった。これは含浸性、タック性、ドレープ性に優れ
たプリプレグであった。 (2次エポキシ樹脂組成) <エポキシ樹脂> EPC152(臭素化ビスフェノールA型固形エポキシ,大日本インキ化学工 業(株)製) 13.4重量部 EP 828(ビスフェノールA型液状エポキシ,油化シェルエポキシ(株) 製) 26.8重量部 ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン,住友化学工業( 株)製) 17.0重量部 EPC830(ビスフェノールF型液状エポキシ,大日本インキ化学工業(株 )製) 10.5重量部 <硬化剤> 4,4'- DDS(4,4'- ジアミノジフェニルスルホン,住友化学工業(株)製) 23.0重量部 BF3 ・MEA(BF3 モノエチルアミン錯体) 0.3重量部 <固形ゴム> DN 611(弱架橋性カルボキシル基末端固形アクリロニトリルブタジエン ゴム,日本ゼオン(株)製) 8.0重量部 <熱可塑性樹脂> PES100P(水酸基末端ポリエーテルスルホン,三井東圧化学(株)製) 3.0重量部 合計 100.0重量部 このようにして作製したプリプレグを積層することによ
って得たハニカムパネルの断面を研磨し光学顕微鏡で拡
大し写真撮影したところ、断面全体にわたってポロシテ
ィはほとんどみられなかった。
【0068】また、このプリプレグを同方向に20層積
層し、成形した硬化板についてダブルカンチレバービー
ム法による靭性値GICを求めたところ2.6ポンド/イ
ンチであった。 [比較例4]ゴム成分を含まない下記組成の1次エポキ
シ樹脂組成物をニーダー中で調整した。この1次樹脂の
80℃における複素粘性率を測定したところ、振動周波
数0.02Hzにおける複素粘性率η0.02は150ポイ
ズ、振動周波数2Hzにおる複素粘性率η2 は320ポ
イズであり、log η0.02−log η2 =0.097であっ
た。この樹脂を80℃に短時間加熱し、離型紙にコーテ
ィングし、樹脂フィルムとした。この樹脂フィルムをプ
リプレグマシンにセットし、強化繊維として一方向に引
き揃えた炭素繊維(東レ(株)製T300)の両面から
常法により1段目の樹脂含浸を行った。樹脂フィルムの
目付を35g/m2 に調節したこの1段目の含浸で調製
される予備プリプレグの樹脂含浸率WR は27%であっ
た。 (1次エポキシ樹脂組成) <エポキシ樹脂> EPC152(臭素化ビスフェノールA型固形エポキシ,大日本インキ化学工 業(株)製) 14.6重量部 EP 828(ビスフェノールA型液状エポキシ,油化シェルエポキシ(株) 製) 29.1重量部 ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン,住友化学工業( 株)製) 18.5重量部 EPC830(ビスフェノールF型液状エポキシ,大日本インキ化学工業(株 )製) 9.2重量部 <硬化剤> 4,4'- DDS(4,4'- ジアミノジフェニルスルホン,住友化学工業(株)製) 25.0重量部 BF3 ・MEA(BF3 モノエチルアミン錯体) 0.3重量部 <熱可塑性樹脂> PES100P(水酸基末端ポリエーテルスルホン,三井東圧化学(株)製) 3.3重量部 合計 100.0重量部 次に、固形ゴム成分を含む下記組成の2次エポキシ樹脂
組成物をニーダー中で調製した。この樹脂の80℃にお
ける複素粘性率を測定したところ、振動周波数0.02
Hzにおける複素粘性率η0.02は7100ポイズ、振動
周波数2Hzにおる複素粘性率η2 は1130ポイズで
あり、log η0.02−log η2 =0.80であった。既に
調製した予備(1次)プリプレグの両面から樹脂目付2
3g/m2 の2次樹脂フィルムを用い、2段目の含浸を
行った。常法により加熱加圧下で圧着し、樹脂含浸率W
R が38%に調整されたプリプレグを得た。繊維目付は
190g/m2 であった。 (2次エポキシ樹脂組成) <エポキシ樹脂> EPC152(臭素化ビスフェノールA型固形エポキシ,大日本インキ化学工 業(株)製) 13.8重量部 EP 828(ビスフェノールA型液状エポキシ,油化シェルエポキシ(株) 製) 27.6重量部 ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン,住友化学工業( 株)製) 15.5重量部 EPC830(ビスフェノールF型液状エポキシ,大日本インキ化学工業(株 )製) 8.8重量部 <硬化剤> 4,4'- DDS(4,4'- ジアミノジフェニルスルホン,住友化学工業(株)製) 24.0重量部 BF3 ・MEA(BF3 モノエチルアミン錯体) 0.3重量部 <熱可塑性樹脂> PES100P(水酸基末端ポリエーテルスルホン,三井東圧化学(株)製) 3.3重量部 <固形ゴム> Hycar1072(カルボキシル基末端固形アクリロニトリルブタジエンゴ ム,日本ゼオン(株)製) 10.0重量部 合計 100.0重量部 このようにして作製したプリプレグを積層することによ
って得たハニカムパネルの断面を研磨し光学顕微鏡で拡
大し写真撮影したところ、層間部のかなりの部分にポロ
シティがみられた。 [比較例5]ゴム成分を含まない下記組成のエポキシ樹
脂組成物をニーダー中で調整した。樹脂の80℃におけ
る複素粘性率を測定したところ、振動周波数0.02H
zにおける複素粘性率η0.02は250ポイズ、振動周波
数2Hzにおる複素粘性率η2 は160ポイズであり、
log η0.02−log η2 =0.19であった。
【0069】この樹脂を80℃に短時間加熱し、離型紙
にコーティングし、1次樹脂フィルムとした。樹脂フィ
ルムの目付は35g/m2 であった。この樹脂フィルム
をプリプレグマシンにセットし、強化繊維として一方向
に引き揃えた炭素繊維(東レ(株)製T300)の両面
から常法により1段目の樹脂含浸を行った。この1段目
の含浸で調製される予備プリプレグの樹脂含有率WR
27%であった。
【0070】 <エポキシ樹脂> EPC152(臭素化ビスフェノールA型固形エポキシ,大日本インキ化学工 業(株)製) 13.4重量部 EP 828(ビスフェノールA型液状エポキシ,油化シェルエポキシ(株) 製) 18.8重量部 ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン,住友化学工業( 株)製) 19.0重量部 EPC830(ビスフェノールF型液状エポキシ,大日本インキ化学工業(株 )製) 17.5重量部 <硬化剤> 4,4'- DDS(4,4'- ジアミノジフェニルスルホン,住友化学工業(株)製) 23.0重量部 BF3 ・MEA(BF3 モノエチルアミン錯体) 0.3重量部 <熱可塑性樹脂> PES100P(水酸基末端ポリエーテルスルホン,三井東圧化学(株)製) 8.0重量部 合計 100.0重量部 次に、上記1次エポキシ樹脂組成物と同組成のエポキシ
樹脂組成物をコーティングし、樹脂目付23g/m2
2次樹脂フィルムとした。これを、既に調製した予備
(1次)プリプレグの両面から加熱下で圧着し2段目の
含浸を行い、樹脂含有率WR 38%に調整されたプリプ
レグを得た。繊維目付は190g/m2 であった。この
プリプレグは優れた含浸性、タック性、ドレープ性を有
していた。
【0071】しかし、ノメックスハニカムの上に積層、
成形することによって得たハニカム成形パネルの断面を
研磨し光学顕微鏡で拡大し写真撮影したところ、断面全
体にわたってポロシティが多数みられた。また、このプ
リプレグを同方向に20層積層し、成形した硬化板につ
いてダブルカンチレバービーム法による靭性値GICを求
めたところ0.5ポンド/インチであった。 [実施例5]固形ゴム成分を含む下記組成のエポキシ樹
脂組成物をニーダー中で調製した。この樹脂の80℃に
おける複素粘性率を測定したところ、振動周波数0.0
2Hzにおける複素粘性率η0.02は7200ポイズ、振
動周波数2Hzにおる複素粘性率η2 は1280ポイズ
であり、log η0.02−log η2 =0.75であった。こ
の樹脂を80℃に短時間加熱し、離型紙にコーティング
し、1次樹脂フィルムとした。樹脂フィルムの目付は3
5g/m2 であった。
【0072】 <エポキシ樹脂> EPC152(臭素化ビスフェノールA型固形エポキシ,大日本インキ化学工 業(株)製) 13.7重量部 YD 128(ビスフェノールA型液状エポキシ,東都化成(株)製) 27.3重量部 ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン,住友化学工業( 株)製) 16.3重量部 EPC830(ビスフェノールF型液状エポキシ,大日本インキ化学工業(株 )製) 9.7重量部 <硬化剤> 4,4'- DDS(4,4'- ジアミノジフェニルスルホン,住友化学工業(株)製) 23.5重量部 BF3 ・MEA(BF3 モノエチルアミン錯体) 0.5重量部 <固形ゴム> Hycar1072(カルボキシル基末端固形アクリロニトリルブタジエンゴ ム,日本ゼオン(株)製) 7.0重量部 <熱可塑性樹脂> PES100P(水酸基末端ポリエーテルスルホン,三井東圧化学(株)製) 2.0重量部 合計 100.0重量部 この1次樹脂フィルムをプリプレグマシンにセットし、
強化繊維として一方向に引き揃えた炭素繊維(東レ
(株)製T300)の両面から常法により1段目の樹脂
含浸を行った。含浸温度は130℃、含浸線圧は140
0kg/cm2 とした。この1段目の含浸で調製される
予備プリプレグの樹脂含浸率WR は27%である。高い
含浸圧力を加えた際にも樹脂はみ出しが抑制され、所定
の樹脂含浸率の予備プリプレグを調製できた。
【0073】次に、上記1次エポキシ樹脂組成物と同組
成のエポキシ樹脂組成物をコーティングし、樹脂目付2
3g/m2 の2次樹脂フィルムとした。これを、既に調
製した予備(1次)プリプレグの両面から加熱下で圧着
し2段目の含浸を行った。含浸温度は100℃、含浸線
圧は690kg/cm2 とし、樹脂含浸率WR 38%に
調整されたプリプレグを得た。繊維目付は190g/m
2 であった。この最終的に得られたプリプレグは含浸
性、タック性、ドレープ性に優れていた。
【0074】このようにして作製したプリプレグを積層
することによって得たハニカムパネルの断面を研磨し光
学顕微鏡で拡大し写真撮影したところ、断面全体にわた
ってポロシティは観察されなかった。 [比較例6]実施例5と同組成の樹脂組成物を用い、1
段含浸とした他は実施例8と同様にしてプリプレグを作
製した。すなわち、樹脂を80℃に短時間加熱し、離型
紙にコーティングし目付65g/m2 の樹脂フィルムと
した。この樹脂フィルムをプリプレグマシンにセット
し、強化繊維として一方向に引き揃えた炭素繊維(東レ
(株)製T300)の両面から常法により1段で樹脂含
浸を行った。含浸温度は130℃、含浸線圧は1400
kg/cm2 とした。加熱下で圧着した際、樹脂はみ出
しがおこり、樹脂含浸率WR が34%のプリプレグとな
ってしまった。 [比較例7]実施例5と同組成の樹脂を用い、1段含浸
とした他は実施例8と同様にしてプリプレグを作製し
た。すなわち、樹脂を80℃に短時間加熱し、離型紙に
コーティングし目付65g/m2 の樹脂フィルムとし
た。この樹脂フィルムをプリプレグマシンにセットし、
強化繊維として一方向に引き揃えた炭素繊維(東レ
(株)製T300)の両面から常法により1段で樹脂含
浸を行った。含浸温度は130℃、含浸線圧は900k
g/cm2 とした。加熱下で圧着した際、樹脂はみ出し
はおこらず、樹脂含浸率WR が38%の規定どおりのプ
リプレグとなった。
【0075】作製したプリプレグを積層することによっ
て得たハニカムパネルの断面を研磨し光学顕微鏡で拡大
し写真撮影したところ、層間部にポロシティがみられ、
層内にもプリプレグの含浸不足に起因すると思われるポ
ロシティが多数見られた。 [比較例8]実施例5と同組成の樹脂を用い、2段含浸
でプリプレグを作製した。ニーダー中で調整した樹脂を
80℃に短時間加熱し、離型紙にコーティングし、1次
樹脂フィルムとした。樹脂フィルムの目付は35g/m
2 であった。この樹脂フィルムをプリプレグマシンにセ
ットし、強化繊維として一方向に引き揃えた炭素繊維
(東レ(株)製T300)の両面から常法により1段目
の樹脂含浸を行った。含浸温度は130℃、含浸線圧は
590kg/cm2 とした。この1段目の含浸で調製さ
れる予備プリプレグの樹脂含浸率WR は27%である。
【0076】次に、2次樹脂として1次樹脂と同組成の
2次樹脂をコーティングし、樹脂目付23g/m2 の2
次樹脂フィルムとした。これを、既に調製した予備(1
次)プリプレグの両面から加熱下で圧着し2段目の含浸
を行った。含浸温度は100℃、含浸線圧は690kg
/cm2 とし、樹脂含浸率WR 38%に調整されたプリ
プレグを得た。
【0077】このようにして作製したプリプレグを積層
することによって得たハニカムパネルの断面を研磨し光
学顕微鏡で拡大し写真撮影したところ、層間部にポロシ
ティがみられ、層内にもプリプレグの含浸不足に起因す
ると思われるポロシティが多数見られた。
【0078】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物をマトリッ
クス樹脂とするプリプレグは、ハニカムコキュア成形を
した場合に、成形板中にポロシティを生じにくく、また
高靭性、高弾性率、さらには高耐熱性、低吸水性、耐溶
剤性に優れた繊維強化プラスチックを与え、しかもプリ
プレグとしてのタック性、ドレープ性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に記載したハニカム成形パネルの断面
を研磨し、光学顕微鏡で撮影した拡大写真である(実質
倍率25倍)。
【図2】比較例1に記載したハニカム成形パネルの断面
を研磨し、光学顕微鏡で撮影した拡大写真である(実質
倍率25倍)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中江 武次 滋賀県大津市園山1丁目1番1号東レ株式 会社滋賀事業場内 (72)発明者 橋本 幸吉 滋賀県大津市園山1丁目1番1号東レ株式 会社滋賀事業場内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂と、芳香族アミン系硬化剤、
    酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド系硬化剤およびノ
    ボラック系硬化剤からなる群より選ばれた1種または2
    種以上の硬化剤と、固形ゴムとからなるエポキシ樹脂組
    成物であって、80℃において振動周波数0.02Hz
    で測定した複素粘性率η0.02が5000ポイズ以上であ
    り、振動周波数2Hzで測定した複素粘性率η2 と上記
    振動周波数0.02Hzで測定した複素粘性率η0.02
    の関係がlog η0.02−log η2 ≧0.5を満足すること
    を特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】固形ゴムが官能基を有する弱架橋性固形ア
    クリロニトリルブタジエンゴムであることを特徴とする
    請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリエーテルスルホンを添加したことを特
    徴とする請求項1または請求項2記載のエポキシ樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】硬化剤が芳香族アミン系硬化剤であること
    を特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の
    エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】固形ゴムが未硬化のエポキシ樹脂組成物中
    にて少なくとも部分的に3次元的な網目を形成し、微分
    散されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請
    求項3または請求項4記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】強化繊維と請求項1、請求項2、請求項
    3、請求項4または請求項5記載のエポキシ樹脂組成物
    とからなることを特徴とするプリプレグ。
  7. 【請求項7】強化繊維および表層と内層とで粘度の異な
    るエポキシ樹脂組成物からなるプリプレグであって、表
    層のエポキシ樹脂組成物の80℃において振動周波数
    0.02Hzで測定した複素粘性率η0.02が40000
    〜400000ポイズであり、内層のエポキシ樹脂組成
    物の80℃において振動周波数0.02Hzで測定した
    複素粘性率η0.02が5000ポイズ以上40000ポイ
    ズ未満であることを特徴とするプリプレグ。
  8. 【請求項8】2種のエポキシ樹脂組成物がともに、エポ
    キシ樹脂と、芳香族アミン系硬化剤、酸無水物系硬化
    剤、ジシアンジアミド系硬化剤およびノボラック系硬化
    剤からなる群より選ばれた1種または2種以上の硬化剤
    と、固形ゴムからなり、表層のエポキシ樹脂組成物がさ
    らにポリエーテルスルホンを添加したものであることを
    特徴とする請求項7記載のプリプレグ。
  9. 【請求項9】2種のエポキシ樹脂組成物がともに、80
    ℃において振動周波数0.02Hzで測定した複素粘性
    率η0.02が5000ポイズ以上であり、振動周波数2H
    zで測定した複素粘性率η2 と上記振動周波数0.02
    Hzで測定した複素粘性率η0.02との関係がlog η0.02
    −log η2 ≧0.5を満足する請求項7または請求項8
    記載のプリプレグ。
  10. 【請求項10】固形ゴムが官能基を有する弱架橋性固形
    アクリロニトリルブタジエンゴムであることを特徴とす
    る請求項7、請求項8または請求項9記載のプリプレ
    グ。
  11. 【請求項11】強化繊維にエポキシ樹脂組成物を2段階
    で含浸するに際し、1段目の含浸工程において用いるエ
    ポキシ樹脂組成物の80℃において振動周波数0.02
    Hzで測定した複素粘性率η0.02が5000ポイズ以上
    40000ポイズ未満であり、2段目の含浸工程におい
    て用いるエポキシ樹脂組成物の80℃において振動周波
    数0.02Hzで測定した複素粘性率η0.02が4000
    0〜400000ポイズであることを特徴とするプリプ
    レグの製造法。
  12. 【請求項12】強化繊維にエポキシ樹脂組成物を含浸す
    るに際し、含浸工程を2段階とし、1段目の含浸工程に
    おける含浸圧力を2段目の含浸工程における含浸圧力よ
    り高くすることを特徴とするプリプレグの製造法。
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