JP2020059828A - 熱硬化性シートの製造方法および電子部品の封止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】100℃以下で硬化可能であり、未硬化の状態でシートとして十分な強度を有する熱硬化性シートを提供する。【解決手段】熱硬化性樹脂と、潜在性硬化剤と、第1熱可塑性樹脂と、を含む熱硬化性樹脂組成物を準備する組成物準備工程と、前記熱硬化性樹脂組成物を第1温度で加熱して、前記熱硬化性樹脂組成物を含む熱硬化性シートを得るシート化工程と、を備え、前記シート化工程において、前記熱硬化性樹脂組成物は、前記第1熱可塑性樹脂によって増粘し、前記第1温度は、100℃より高く、前記熱硬化性樹脂と前記潜在性硬化剤との第1混合物の前記第1温度でのゲルタイムTTA1は、前記第1混合物の100℃でのゲルタイムT100、および、前記熱硬化性樹脂と前記第1熱可塑性樹脂との第2混合物の前記第1温度でのゲルタイムTTA2より長い、熱硬化性シートの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、低温で硬化可能であり、かつシートとして十分な強度を有する熱硬化性シートの製造方法およびこの熱硬化性シートを用いた電子部品の封止方法に関する。
電子部品などの接着、封止などに用いられる材料としては、紫外線(UV)硬化性シートを用いることが主流である。しかし、UV硬化性シートを硬化させる際、UVの波長および強度を適切に制御することは難しい。UVの波長または強度が不適切であると、シート全体を充分に硬化させることができず、硬化にムラが生じる。そのため、UV照射は、光源の発光強度の減衰なども考慮して行う必要がある。
UV硬化性以外の樹脂シートとして、例えば、低温硬化を意図した樹脂フィルムが提案されている(特許文献1)。
国際公開第2012/098734号パンフレット
しかし、低温硬化特性を有しつつ、未硬化の状態でシートとして十分な強度を有する樹脂フィルムを得ることは困難である。特許文献1では、樹脂フィルムを100℃〜130℃で5分〜60分間加熱した後、160℃〜200℃で15分〜60分間加熱することが好ましいとされている。すなわち、実質的には高温領域を含む2段階の加熱が行われている。
上記に鑑み、本発明の一側面は、熱硬化性樹脂と、潜在性硬化剤と、第1熱可塑性樹脂と、を含む熱硬化性樹脂組成物を準備する組成物準備工程と、前記熱硬化性樹脂組成物を第1温度で加熱して、前記熱硬化性樹脂組成物を含む熱硬化性シートを得るシート化工程と、を備え、前記シート化工程において、前記熱硬化性樹脂組成物は、前記第1熱可塑性樹脂によって増粘し、前記第1温度は、100℃より高く、前記熱硬化性樹脂と前記潜在性硬化剤との第1混合物の前記第1温度でのゲルタイムTTA1は、前記第1混合物の100℃でのゲルタイムT100、および、前記熱硬化性樹脂と前記第1熱可塑性樹脂との第2混合物の前記第1温度でのゲルタイムTTA2より長い、熱硬化性シートの製造方法に関する。
上記に鑑み、本発明の他の側面は、上記熱硬化性シートを準備するシート準備工程と、電子部品を覆うように前記熱硬化性シートを配置して、第2温度で加熱し、前記電子部品を封止する封止工程と、を備え、前記第2温度は、100℃以下である、電子部品の封止方法に関する。
本発明の上記側面によれば、未硬化あるいは半硬化の状態でもシートとして十分な強度を有し、かつ低温で硬化可能な熱硬化性シートを得ることができる。また、得られる熱硬化性シートは、電子部品を低温で封止することができる。
本発明の一実施形態に係る熱硬化性シートの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る電子部品の封止方法を示すフローチャートである。
本発明の実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、潜在性硬化剤と、熱可塑性樹脂と、を含む。
熱可塑性樹脂は、シート化剤として熱硬化性樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物と称す。)に配合される。熱可塑性樹脂は、加熱により樹脂組成物中の液状成分を吸収もしくは捕捉して、膨潤する。これにより、樹脂組成物が増粘して、シート化される。液状成分は、例えば、熱硬化性樹脂、潜在性硬化剤、添加剤(反応性希釈剤など)などである。ただし、樹脂組成物には潜在性硬化剤も含まれている。そのため、加熱すると、熱硬化性樹脂の硬化も進行していく。熱硬化性樹脂の硬化が過度に進むと、その後、封止用のシートとして使用することが困難になる。
ところで、上記の通り、封止用の熱硬化性シートには低温硬化特性が求められる場合がある。この要求に応じるために、活性温度の低い潜在性硬化剤が用いられる。そのため、熱可塑性樹脂の膨潤に必要な加熱温度と、熱硬化性樹脂の硬化に必要な加熱温度との差が小さくなる。よって、熱硬化性樹脂の硬化を抑制しつつ、シート化することはさらに困難になる。
本実施形態は、活性温度の低い潜在性硬化剤を使用しながら、シート化を十分に進行させる方法を提供する。
図1は、本実施形態に係る熱硬化性シートの製造方法を示すフローチャートである。
本発明の実施形態に係る熱硬化性シートの製造方法は、熱硬化性樹脂と、潜在性硬化剤と、第1熱可塑性樹脂と、を含む熱硬化性樹脂組成物を準備する組成物準備工程(S1)と、熱硬化性樹脂組成物を第1温度で加熱して、熱硬化性樹脂組成物を含む熱硬化性シートを得るシート化工程(S2)と、を備える。
本実施形態では、低温(例えば、70℃〜100℃)での硬化を可能とする一方で、高温下における活性の低い潜在性硬化剤を用いる。具体的には、高温下におけるゲルタイムの長い潜在性硬化剤(以下、第1硬化剤と称す。)を使用する。第1硬化剤と熱硬化性樹脂との混合物(第1混合物)の第1温度TA(>100℃)でのゲルタイムTTA1は、第1混合物の100℃でのゲルタイムT100よりも長い。ゲルタイムTTA1は、さらに、第1温度TAでの熱硬化性樹脂と第1熱可塑性樹脂との混合物(第2混合物)のゲルタイムTTA2より長い。
その上で、樹脂組成物をシート化するシート化工程において、樹脂組成物を、100℃より高い第1温度TA(>100℃)で加熱する。これにより、第1硬化剤の活性を抑制しながら、熱可塑性樹脂の膨潤を促進できるため、樹脂組成物は十分にシート化される。よって、強度の高い熱硬化性シートが得られる。独立シートとしての取り扱い性を確保するには、例えば熱硬化性シートの破断強度(例えば厚み30μmの場合)は3.8MPaを超えることが望ましい。
本明細書において、ゲル化およびゲルタイムは、JIS K 7071:1988に記載された意味である。すなわち、ゲル化は、樹脂組成物が加熱によって硬化する中間段階で急激に粘度が増大してゼリー状になることをいう。ゲルタイムは、所定の硬化温度において、樹脂組成物がゲル化に至る時間をいい、樹脂の硬化度の指標の一つである。
ゲルタイムは、JIS C 2161:2010のゲル化時間A法に準じて計測される。具体的には、試料として、熱硬化性樹脂100質量部および第1硬化剤25質量部の混合物(第1混合物)を準備する。この試料1mlを、100℃に加熱した熱板の表面に置き、かき混ぜ棒で直径約50mmの円状に速やかに広げる。試料が溶融し始めたらストップウォッチを始動させる。溶融した試料を60±5回/分の速度で円状にかき混ぜ、試料がゲル状になりかき混ぜられなくなったら、ストップウォッチを止めて、時間を記録する。同一試料について3回測定し、これらの平均値をゲルタイムT100とする。
ゲルタイムTTA1は、熱板を第1温度TA(>100℃)に加熱すること以外は同様にして算出される。ゲルタイムTTA2は、試料として、熱硬化性樹脂100質量部および第1熱可塑性樹脂35質量部の混合物(第2混合物)を用いること、および、熱板を第1温度TA(>100℃)に加熱すること以外は同様にして、算出される。
第1混合物および第2混合物は、熱硬化性樹脂の硬化性に大きく影響しない成分(例えば、無機充填剤等)を含んでもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ当量150g/eq〜250g/eqのビスフェノールA型のエポキシ樹脂(例えば三菱ケミカル社製、JER828)を用い得る。
以下、本実施形態に係る熱硬化性シートを製造する各工程について説明する。
(1)組成物準備工程
組成物準備工程では、熱硬化性樹脂と、潜在性硬化剤(第1硬化剤)と、第1熱可塑性樹脂と、を含む樹脂組成物を準備する。
(第1硬化剤)
第1硬化剤の種類は潜在性である限り特に限定されず、熱硬化性樹脂に応じて適宜選択される。第1硬化剤は、熱硬化性樹脂が自己重合するための触媒であってもよい。第1硬化剤は、エポキシ樹脂などの樹脂との反応生成物(アダクト)として使用することが好ましい。第1硬化剤は、マイクロカプセル化されていてもよい。
第1硬化剤としては、例えば、変性イミダゾール系硬化促進剤、変性脂肪族ポリアミン系促進剤、変性ポリアミン系促進剤、ジシアンジアミド系硬化剤(ジシアンジアミド等)、尿素系硬化剤、有機酸ヒドラジド系硬化剤、ポリアミン塩系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤などを用いることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、室温で固体であるアミンアダクト系硬化剤が好ましく使用できる。アミンアダクト系硬化剤は、変性アミンまたは変性イミダゾールであってもよい。
第1混合物の第1温度TAでのゲルタイムTTA1は、100℃でのゲルタイムT100より長く(TTA1>T100)、かつ、第2混合物の第1温度TAでのゲルタイムTTA2より長い(TTA1>TTA2)。つまり、第1硬化剤を用いることにより、熱硬化性樹脂の100℃以下での硬化は速やかに進行する一方、100℃を越えると、熱硬化性樹脂の硬化のスピードは低下する。
熱硬化性樹脂がこのような挙動を示す理由は定かではないが、以下のように推察される。100℃を超える温度において、第1硬化剤の表面の活性が急激に高まる。そのため、熱硬化性樹脂は、第1硬化剤の表面と反応する一方、第1硬化剤の内部との反応は進行し難い。その結果、熱硬化性樹脂の硬化のスピードは低下する。一方、100℃以下の温度下では、熱硬化性樹脂は、第1硬化剤の表面だけではなく内部とも反応し得る。その結果、熱硬化性樹脂の硬化が速やかに進行する。
TA1/T100は1より大きく、1.5以上であってよく、2以上であってよい。TTA1/T100は5以下であってよく、3以下であってよい。TTA1/TTA2は1より大きく、50以上であってよく、100以上であってよい。TTA1/T100は300以下であってよく、250以下であってよい。
第1温度TA(>100℃)で1分間加熱したときの樹脂組成物の硬化率CTAは、100℃で1分間加熱したときの樹脂組成物の硬化率C100より低い。しかし、熱硬化性シートは、十分な破断強度およびタック性を有している。また、熱硬化性シートは、例えば70℃〜100℃の低温での硬化が可能である。
熱硬化性シートの硬化率は、本実施形態に係るシート化される前の樹脂組成物、および、シート化して得られる熱硬化性シートによって、それぞれ吸収もしくは放出される熱量の差から算出される指標である。熱量は、例えば、示差走査熱量計(DSC)により測定することができる。硬化率C(%)は、未硬化の混合物のDSCで測定される発熱量もしくは吸熱量X(J/g)と、所定温度で所定時間の加熱が施された硬化後の混合物の発熱量もしくは吸熱量Y(J/g)とを用いて、次式により求められる。
硬化率C(%)=100×(X−Y)/X
第1硬化剤は常温(25℃)で固体である。第1硬化剤の融点は、特に限定されず、例えば、70℃以上であってよく、80℃以上であってよい。また、第1硬化剤の融点は、130℃以下であってよい。硬化剤としての機能を考慮すると、第1硬化剤の融点は、第1温度以下であってよい。
樹脂組成物に添加される第1硬化剤の形態は、特に限定されない。第1硬化剤は、例えば、粒子であってもよい。この場合、その重量平均粒子径は、例えば1μm以上、20μm以下であってよく、5μm以上、15μm以下であってよい。
第1硬化剤の量は、その種類によって異なる。第1硬化剤の量は、例えば、熱硬化性樹脂100質量部あたり、10質量部以上、40質量部以下であってよく、20質量部以上、30質量部以下であってよい。なお、第1硬化剤をアダクトとして使用する場合、第1硬化剤の量は、第1硬化剤以外の成分(熱硬化性樹脂など)を除いた第1硬化剤の正味の量を意味する。第1硬化剤は、その他の硬化剤(第2硬化剤)と併用してもよい。この場合、全硬化剤に占める第1硬化剤の割合は、90質量%以上であることが好ましい。
第2硬化剤は、特に限定されず、フェノール系硬化剤(フェノール樹脂等)、酸無水物系硬化剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂は特に限定されないが、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ユリア樹脂、ウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でもエポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂は特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式脂肪族エポキシ樹脂、有機カルボン酸類のグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は、プレポリマーであってもよく、ポリエーテル変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂のようなエポキシ樹脂と他のポリマーとの共重合体であってもよい。中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などが好ましい。特に、耐熱性および耐水性に優れ、かつ安価である点で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂は、樹脂組成物の粘度調節のために、エポキシ基を分子中に1つ有する1官能エポキシ樹脂を、エポキシ樹脂全体に対して0.1質量%以上、30質量%以下程度含むことができる。このような1官能エポキシ樹脂としては、フェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、エチルジエチレングリコールグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエングリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチルグリシジルエーテルなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物中において、エポキシ樹脂は未硬化状態でもよく、半硬化状態でもよい。半硬化状態とは、エポキシ樹脂がモノマーおよび/またはオリゴマーを含む状態であり、エポキシ樹脂の三次元架橋構造の発達が不十分な状態をいう。
(熱可塑性樹脂)
第1熱可塑性樹脂は、シート化剤として樹脂組成物に配合される。
第1熱可塑性樹脂は、加熱により樹脂組成物中の液状成分を吸収もしくは捕捉して膨潤する。これにより、樹脂組成物が増粘し、樹脂組成物はシート化する。
第1熱可塑性樹脂の種類により、第1熱可塑性樹脂が膨潤し始める温度、言い換えれば、樹脂組成物の粘度上昇が開始される温度(以下、粘度上昇開始温度と称す。)は変わる。粘度上昇開始温度は、第1硬化剤等の成分およびシート化の条件に応じて適宜選択すればよいが、例えば40℃以上、100℃以下である。
粘度上昇開始温度とは、昇温速度10℃/分の条件で加熱しながらベース組成物の粘度を測定したときに、温度上昇に伴う粘度低下後、粘度上昇に転じるときの粘度上昇の開始時点の温度(すなわち極小粘度での温度)である。粘度上昇開始温度の測定装置には、例えばレオメーター(TAインスツルメント社製、AR−G2)を用い得る。ベース組成物の調製には、例えば、エポキシ当量150g/eq〜250g/eqのビスフェノールA型のエポキシ樹脂(例えば三菱ケミカル社製、JER828)を用い得る。
本実施形態に係る熱硬化性シートは、例えば、電子部品などの接着、封止などに用いられる。そのため、熱硬化性シートは、電子部品等との接着性が良好であることが望ましく、タックを有していることが望ましい。この点で、樹脂組成物は、さらに、ゴム成分を含む第2熱可塑性樹脂を含んでいてよい。
熱硬化性シートのタックは、樹脂組成物中の液状成分の存在により発現する。液状成分には、熱硬化性樹脂、潜在性硬化剤、添加剤(反応性希釈剤など)などが含まれ得る。第1熱可塑性樹脂は、液状成分を吸収もしくは捕捉して、樹脂組成物のシート化を促進する。ただし、液状成分をほとんど吸収もしくは捕捉しない第2熱可塑性樹脂を併用すると、液状成分の一部は熱硬化性シート中に存在することができる。よって、適度なタックを有する熱硬化性シートを得ることが容易となる。さらに、得られる熱硬化性シートの強度が、より高まる。加えて、本実施形態によれば、シート化するシート化工程において熱硬化性樹脂は硬化し難いため、シート化は均質に進み、タックもシートの表面全体で均一に発揮される。
以下、第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂について詳細に説明する。
(第1熱可塑性樹脂)
第1熱可塑性樹脂は、例えば、同質量の熱硬化性樹脂に第1熱可塑性樹脂を分散させたベース組成物において、粘度上昇開始温度+10℃の温度で10分間加熱したときの組成物の粘度を、極小粘度の5倍以上にする。
第1熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂などをあげることができる。中でもアクリル樹脂が好ましい。アクリル樹脂は、(メタ)アクリレート類(例えばアルキル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等)、官能基含有(メタ)アクリレート類(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等)、アクリル酸類(例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等)等のモノマーのホモまたはコポリマーを用いてよい。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基は、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル等であればよい。
樹脂組成物に添加する際の第1熱可塑性樹脂の形態は、特に限定されない。第1熱可塑性樹脂は粒子(第1粒子)であってもよい。第1粒子は、コア部分とシェル部分とを有するコアシェル構造を備えていてもよい。コア部分としては、アクリル樹脂、共役ジエン系樹脂などを挙げることができる。
コアとシェルの質量比は、例えばコア/シェル=10/90〜90/10であってよい。コアシェル構造は、保存安定性および樹脂組成物中への第1粒子の分散性の点で有利であると考えられる。
第1粒子のコア成分は、例えばメチル(メタ)アクリレートと、n、iまたはt−ブチル(メタ)アクリレートとを含む共重合体であってよい。例えば、メチル(メタ)アクリレート20モル%〜70モル%と、n、iまたはt−ブチル(メタ)アクリレート30モル%〜80モル%(合計80モル%〜100モル%)とを含有する重合体であってよい。
第1粒子のシェル成分は、例えばビニル系単量体の重合体である。ビニル系単量体とは、例えば(メタ)アクリル系単量体、オレフィン系単量体、スチレン系単量体、マレイン酸系単量体、マレイミド系単量体、ビニルアルコールエステル系単量体などが挙げられる。重合体は、架橋性ビニル系単量体により架橋されていてもよい。中でも(メタ)アクリル系単量体の重合体が好ましい。
(第2熱可塑性樹脂)
第2熱可塑性樹脂は、ゴム成分を含む。ゴム成分は、熱硬化性シートに生じる応力を緩和する作用を有する。
ゴム成分としては、例えばブタジエンゴム、アクリロニトリルゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、これらの複合ゴムなどを挙げることができる。複合ゴムとしては、例えばメチルメタアクリレート、ブタジエンおよびスチレンの単位を含むMBS共重合体、アクリロニトリル、ブタジエンおよびスチレンの単位を含むABS共重合体などが挙げられる。第2熱可塑性樹脂がコアシェル構造を有さない場合、ゴム成分は熱硬化性樹脂と相溶することが好ましい。また、ゴム成分は、熱硬化性樹脂等の液状成分を吸収しないか、熱硬化性樹脂等の液状成分の吸収量が少ないものであることが好ましい。
粒子状の第2熱可塑性樹脂(第2粒子)は、コアシェル構造を有してもよい。この場合、少なくともコアがゴム成分を含むことで、応力緩和の効果が大きくなる。コアとシェルの質量比は、例えばコア/シェル=10/90〜90/10が好ましい。
第2粒子のシェルは、例えばビニル系重合体であり、第1粒子のシェル成分として挙げた材料から選択し得る。
第1粒子および第2粒子の体積平均一次粒径は、それぞれ例えば0.01μm以上、200μm以下であってよく、0.01μm以上、100μm以下であってよく、0.01μm以上、50μm以下であってよい。体積平均一次粒径は、各粒子のエマルションをイオン交換水で希釈し、レーザー回折散乱式の粒度分布測定装置(例えば堀場製作所株式会社製、LA−910W)を用いて測定し得る。
第1熱可塑性樹脂の量は、加熱時の樹脂組成物の増粘を容易にする観点から、例えば熱硬化性樹脂100質量部あたり、5質量部以上、65質量部以下が好ましく、10質量部以上、50質量部以下がより好ましい。第2熱可塑性樹脂の量は、シート化を容易にする観点から、例えば熱硬化性樹脂100質量部あたり、5質量部以上、65質量部以下が好ましく、10質量部以上、50質量部以下がより好ましい。第1熱可塑性樹脂と第2熱可塑性樹脂との割合(第1熱可塑性樹脂:第2熱可塑性樹脂)は、好ましくは質量比で10:100〜100:10である。
樹脂組成物は、更に、溶剤、無機充填材等を含んでもよい。
溶剤とは、有機溶媒を全般的に意味する。有機溶媒とは、例えば、アルコール、ケトン、エステル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素などであり、具体的には、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、シクロヘキサノン、ヘキサン、トルエンなどが挙げられる。
ただし、シート化する際の塗膜の厚さの制御が容易である点で、溶剤は含まれなくてもよい。溶剤を含まない樹脂組成物は、製造設備の管理が容易であり、クリーンな環境で製造できるというメリットがある。また、溶剤の揮発に伴う空隙もしくはボイドが発生しにくく、残留溶剤による硬化物の物性変化も生じない。
無機充填材としては、例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素(BN)、結晶性シリカ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ダイアモンドなどを挙げることができる。中でも、安価である点で、溶融シリカ、ヒュームドシリカなどが好ましい。無機充填材の平均粒径は、例えば0.01μm以上、100μm以下である。無機充填材の量は、熱硬化性樹脂100質量部あたり、1質量部以上、5000質量部以下であってよく、10質量部以上、3000質量部以下であってよい。
樹脂組成物は、上記以外の第三成分を含んでもよい。第三成分としては、硬化促進剤、重合開始剤、難燃剤、顔料、シランカップリング剤、チキソ性付与剤などを挙げることができる。
重合開始剤は、光照射および/または加熱により、硬化性を発現する。重合開始剤としては、ラジカル発生剤、酸発生剤、塩基発生剤などを用いることができる。具体的には、ベンゾフェノン系化合物、ヒドロキシケトン系化合物、アゾ化合物、有機過酸化物、芳香族スルホニウム塩、脂肪族スルホニウム塩などのスルホニウム塩などを用いることができる。重合開始剤の量は、熱硬化性樹脂100質量部あたり、0.1質量部以上、20質量部以下であってよく、1質量部以上、10質量部以下であってよい。
(2)シート化工程
シート化工程では、組成物準備工程で準備した樹脂組成物をシート化する。
樹脂組成物のシート化では、まず、例えば塗工時の粘度が10mPa・s以上、10000mPa・s以下に調整された樹脂組成物を、ダイ、ロールコーター、ドクターブレードなどを用いて剥離性基材の表面に塗工し、薄膜状の塗膜を形成する。その後、形成された塗膜を第1温度TAで加熱する。加熱により樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂は膨潤し、樹脂組成物はシート化される。
第1温度TAは、100℃を超える。そのため、第1硬化剤の活性は抑制されて、硬化反応は抑制される。第1温度TAは、120℃以上であってよく、130℃以上であってよく、140℃以上であってよい。また、第1温度TAは、180℃以下であってよく、160℃以下であってよい。
第1温度TAは、第1硬化剤の融点以上であってよい。第1温度TAは、第1硬化剤の融点より10℃以上高くてよく、15℃以上高くてよく、20℃以上高くてよい。樹脂組成物は、一定の第1温度TAで加熱されてもよいし、100℃を超える範囲で昇降温する第1温度TAで加熱されてもよい。後者の場合、第1温度TAは、徐々に連続的に昇温あるいは降温されてもよいし、段階的に昇温あるいは降温されてもよいし、これらの組み合わせであってもよい。この場合、ゲルタイムTA1およびゲルタイムTA1は、シート化工程において、樹脂組成物が最も長い時間暴露される第1温度TAで測定すればよい。この温度の特定が難しい場合、ゲルタイムTA1およびゲルタイムTA1は、樹脂組成物が暴露される第1温度TAの平均温度で測定すればよい。
樹脂組成物を第1温度TAで加熱する時間は特に限定されない。熱硬化性樹脂の硬化反応がより抑制され易い点で、第1温度下での加熱時間Tは、ゲルタイムTTA2以上(T≧TTA2)、ゲルタイムTTA1の1/2以下(T≦1/2×TTA1)であってよい。T≧5×TTA2であってよく、T≧10×TTA2であってよい。T≦1/3×TTA1であってよく、T≦1/5×TTA1であってよい。
具体的には、第1温度TAでの加熱時間は、120秒以下であってよく、100秒以下であってよく、80秒以下であってよい。また、第1温度TAでの加熱時間は、10秒以上であってよく、15秒以上であってよく、30秒以上であってよい。
シート化工程において、樹脂組成物は、第1温度TAでの加熱に加えて、100℃以下で加熱されてもよい。100℃以下での加熱時間は、樹脂組成物の硬化反応が過度に進行しないように設定される。100℃以下での加熱時間は、例えば、15秒以下であってよい。
シート化工程により得られる熱硬化性シートは、未硬化あるいは半硬化であり、完全には硬化していない。一方、熱硬化性シートに含まれる第1熱可塑性樹脂は十分に膨潤されているため、熱硬化性シートは優れた強度を有する。そのため、本実施形態で得られる熱硬化性シートは、電子部品等の封止用シートとして好適に用いられる。
熱硬化性シートの形態は、特に限定されず、単層シートであってもよく、2層以上の多層シートであってもよい。熱硬化性シートの厚さも、特に限定されないが、例えば10μm以上、300μm以下であってよい。
得られた熱硬化性シートは、例えば、電子部品の封止に用いられる。
図2は、本実施形態に係る電子部品の封止方法を示すフローチャートである。
電子部品の封止は、例えば、上記熱硬化性シートを準備するシート準備工程(S1およびS2)と、電子部品を覆うように熱硬化性シートを配置して、第2温度で加熱し、電子部品を封止する封止工程(S3)と、を備える方法により行われる。ただし、第2温度は、100℃以下、つまり第1温度よりも低い。これにより、熱硬化性シートに含まれる熱硬化性樹脂が硬化して、電子部品が封止される。
(a)シート準備工程
上記製造方法により得られる熱硬化性シートを準備する。
(b)封止工程
封止される電子部品を準備する。
電子部品は特に限定されず、例えば、光学素子、半導体素子等が挙げられる。
次いで、熱硬化性シートを電子部品を覆うように配置する。一枚の熱硬化性シートで、複数の電子部品を覆ってもよい。熱硬化性シートは十分な強度を有するものの、完全には硬化していない。そのため、熱硬化性シートは、電子部品の表面に密着するように貼着することができて、電子部品を隙間なく覆うことができる。
熱硬化性シートの配置と同時に、あるいは、配置が完了した後、熱硬化性シートを第2温度で加熱する。第2温度は、第1温度より20℃以上低くてよい。具体的には、第2温度は、100℃以下であってよく、90℃以下であってよい。また、第2温度は、70℃以上であってよく、80℃以上であってよい。第2温度での加熱時間は、例えば、1時間以上であってよく、2時間以上であってよく、4時間以上であってよい。
熱硬化性シートの配置と同時に、あるいは、配置が完了した後、必要に応じて、熱硬化性シートに含まれる熱硬化性樹脂が硬化し難い温度(つまり、100℃を超える温度)で加熱してもよい。この場合、その後、熱硬化性シートを第2温度で加熱して、硬化させる。
熱可塑性シートの配置および加熱(第2温度での加熱、あるいは、100℃を超える温度での加熱)は、それぞれ大気圧下で行ってもよいし、減圧雰囲気(例えば50Pa以上、50,000Pa以下、好ましくは50Pa以上、3,000Pa以下)で行ってもよい。熱可塑性シートの配置および加熱は、それぞれ熱硬化性シートを電子部品に対して押圧しながら行ってもよい。
第2温度で加熱された後の熱硬化性シートの硬化率は、例えば90%以上である。硬化率が90%以上であるとき、熱硬化性シートは十分に硬化が進行した状態であり、熱硬化性樹脂に求められる種々の物性を発揮し得る状態にある。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。
[ゲルタイムの測定]
エポキシ樹脂100質量部、第1硬化剤25質量部およびヒュームドシリカ0.5質量部を混合して、第1混合物を得た。別途、エポキシ樹脂100質量部、第1熱可塑性樹脂35質量部およびヒュームドシリカ0.5質量部を混合して、第2混合物を得た。さらに、エポキシ樹脂100質量部、第2硬化剤25質量部およびヒュームドシリカ0.5質量部を混合して、比較混合物を得た。第1硬化剤は、常温で粒子状(重量平均粒子径8μm〜10μm)であり、融点は120℃である。
第1混合物1mlを、100℃に加熱した熱板の表面に置き、かき混ぜ棒で直径約50mmの円状に速やかに広げた。第1混合物が溶融し始めた時点でストップウォッチを始動させた。溶融した第1混合物を60±5回/分の速度で円状にかき混ぜ、試料がゲル状になりかき混ぜられなくなった時点でストップウォッチを止めて、時間を記録した。同様の方法でゲルタイムを3回測定し、これらの平均値をゲルタイムT100とした。
同様にして、第1混合物の第1温度(150℃)におけるゲルタイム、第2混合物の100℃および第1温度におけるゲルタイム、比較混合物の100℃および第1温度におけるゲルタイムを算出した。結果を表1に示す。
Figure 2020059828
《実施例1》
(i)熱硬化性樹脂組成物の調製
表2に示す組成で材料を配合し、溶剤を含まない樹脂組成物を調製した。
第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂は、いずれもコアシェル型の粒子であり、アルキルアクリレートをモノマー単位として含む共重合体である。第1熱可塑性樹脂の粘度上昇開始温度は約80℃である。第2熱可塑性樹脂は、ゴム成分としてMBS共重合体を含み、エポキシ樹脂にはほとんど膨潤しない。
(ii)樹脂組成物のシート化
得られた樹脂組成物を剥離性基材の表面に塗布して、厚さ50μmの塗膜を形成し、次に塗膜を150℃で60秒間加熱してシート化し、熱硬化性シートを得た。
(iii)評価
得られた熱硬化性シートについて、以下の評価を行った。
(破断強度)
引張試験機を用いて以下の測定条件でシートの破断強度を測定し、破断強度が3.8MPaを超える場合を「良」、3.8MPa以下の場合を「不良」と評価した。破断強度が3.8MPa以下では自立したシートとしての使用が事実上困難である。結果を表3に示す。
<測定条件>
測定温度:25℃
試験片厚み:30μm
試験片幅:15mm
チャック間距離:50mm
引張速度:200mm/分
(タック評価)
シートの表面を指触し、タックがある場合を「良」、タックがない場合「不良」と評価した。タックがない場合、硬化前のシートを他材に付着させて固定することが困難であり、用途が限定される。結果を表3に示す。
(硬化性)
得られた熱硬化性シートを100℃で3時間加熱して、硬化率を算出した。
硬化率90%以上である場合を良、硬化率90%未満である場合を不良として、評価した。結果を表3に示す。
《比較例1》
樹脂組成物の組成を表1のようにしたこと以外、実施例1と同様にして熱硬化性シートを作製し、評価した。結果を表3に示す。
《比較例2》
樹脂組成物の組成を表1のようにしたこと以外、実施例1と同様にして熱硬化性シートを作製し、評価した。結果を表3に示す。
《比較例3》
シート化の工程において、100℃で60秒間加熱し、150℃での加熱を行わなかったこと以外、実施例1と同様にして熱硬化性シートを作製し、評価した。結果を表3に示す。
Figure 2020059828
Figure 2020059828
実施例1の熱硬化性シートは、十分な破断強度とタック性とを備えていた。この熱硬化性シートを、別途、80℃で6時間加熱し、ガラス転移点を1時間ごとに測定したところ、ガラス転移点は、2時間以上の硬化で安定した。つまり、実施例1の熱硬化性シートは、80℃で2時間加熱することにより、十分に硬化されていた。
一方、比較例1の熱硬化性シートは、十分な破断強度とタック性とを備えるものの、低温(100℃)での硬化が十分に進行しなかった。これは、使用した第2硬化剤の100℃における活性が低かったためであると考えられる。比較例2の熱硬化性シートは、破断強度が不十分であった。これは、第1熱可塑性樹脂を含んでいないため、シート化が進まなかったためであると考えられる。一方、比較例3では、シート化の工程において硬化が進んでしまい、タックが消失しているのが確認された。
本発明に係る熱硬化性シートは、例えば、様々な電子部品の封止材料として有用である。

Claims (7)

  1. 熱硬化性樹脂と、潜在性硬化剤と、第1熱可塑性樹脂と、を含む熱硬化性樹脂組成物を準備する組成物準備工程と、
    前記熱硬化性樹脂組成物を第1温度で加熱して、前記熱硬化性樹脂組成物を含む熱硬化性シートを得るシート化工程と、を備え、
    前記シート化工程において、前記熱硬化性樹脂組成物は、前記第1熱可塑性樹脂によって増粘し、
    前記第1温度は、100℃より高く、
    前記熱硬化性樹脂と前記潜在性硬化剤との第1混合物の前記第1温度でのゲルタイムTTA1は、前記第1混合物の100℃でのゲルタイムT100、および、前記熱硬化性樹脂と前記第1熱可塑性樹脂との第2混合物の前記第1温度でのゲルタイムTTA2より長い、熱硬化性シートの製造方法。
  2. 前記シート化工程において、前記熱硬化性樹脂組成物を前記第1温度で加熱する時間は、前記ゲルタイムTTA2以上、前記ゲルタイムTTA1の1/2以下である、請求項1に記載の熱硬化性シートの製造方法。
  3. 前記第1温度は、120℃以上である、請求項1または請求項2に記載の熱硬化性シートの製造方法。
  4. 前記第1温度は、前記潜在性硬化剤の融点以上である、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の熱硬化性シートの製造方法。
  5. さらに、ゴム成分を含む第2熱可塑性樹脂を含む、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の熱硬化性シートの製造方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の熱硬化性シートを準備するシート準備工程と、
    電子部品を覆うように前記熱硬化性シートを配置して、第2温度で加熱し、前記電子部品を封止する封止工程と、を備え、
    前記第2温度は、100℃以下である、電子部品の封止方法。
  7. 前記第2温度は、前記第1温度より20℃以上低い、請求項6記載の電子部品の封止方法。
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