JP4201858B2 - 熱硬化性接着剤組成物、その製造方法および接着構造 - Google Patents

熱硬化性接着剤組成物、その製造方法および接着構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性接着剤組成物、例えば電子部品の接着やICパッケージの作製に特に適した熱硬化性接着剤組成物、その製造方法および接着構造に関する。本発明の接着剤組成物は、反応性(熱硬化性)の熱接着タイプの接着剤として利用できる。
【0002】
【従来の技術】
熱接着に利用できる、いわゆるホットメルト接着剤の一種として、耐熱性等の性能の向上を目的として、接着後の架橋反応を可能にした、いわゆる反応性(硬化性)ホットメルト接着剤がある。従来の反応性ホットメルト接着剤の例としては、次の1〜6のタイプを挙げることができる。
【0003】
1.イソシアネート基を有する高分子を含有する湿気硬化型ホットメルト接着剤(米国特許5,418,288号(特開平6−158017号公報に対応)等参照)。
2.シリル基を有する高分子を含有するシラノール縮合型ホットメルト接着剤(特開平5−320608号等参照)。
3.アクリロイル基を有する高分子を含有するラジカル重合型ホットメルト接着剤(特開昭63−230781号公報等参照)。
4.グリシジル基を有する高分子とフェノール樹脂とを含有する熱硬化型ホットメルト接着剤(特開平6−172731号公報等参照)。
5.熱接着後に放射線照射により架橋させる方法(特開平6−306346号公報等参照)。
6.エチレン、α,β−不飽和カルボン酸およびα,β−不飽和カルボン酸エステルの三元共重合体と、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体と、ジアリルフタレート化合物とからなる架橋性樹脂組成物(特開平4−45123号参照)。
【0004】
しかしながら、上記1〜6の反応性ホットメルト接着剤は、以下の様な問題点をいまだ有している。
a)あるホットメルト接着剤は、一般に架橋反応が遅く、長時間のポストキュアが必要である。たとえば、上記1および2の場合。
b)あるホットメルト接着剤は、架橋反応の際に水分を必要とし、外気と接触しにくい部分の接着には不向きである。たとえば、上記1の場合。
c)あるホットメルト接着剤は、反応副生成物として水分を発生し、接着力の経時劣化等の悪影響を及ぼす。たとえば、上記2の場合。
d)いくつかのホットメルト接着剤は、フィルム状に成形するために溶剤を必要とし、接着完了後の残留溶剤が悪影響を及ぼす。たとえば、上記1〜4の場合。
e)いくつかホットメルト接着剤では、一般に常温(約25℃)で保存した場合でも架橋反応が徐々に進み、貯蔵安定性が低い。たとえば、上記1〜3の場合。
f)放射線架橋タイプのものは、放射線が照射できないか、若しくは照射しにくい部分の接着には不向きである。たとえば、上記5の場合。
g)あるホットメルト接着剤では共重合体の分子間の熱硬化反応が必須であるため、フィルム等の所定の形状への成形工程において、加熱による組成物のゲル化を防止するのが困難であり、実質的には連続生産ができない。たとえば、上記6の場合。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、従来の反応性ホットメルト接着剤の有する上記a〜gに記載のような問題点をすべて同時に解決し得る熱接着タイプの接着剤として利用できる、熱硬化性接着剤組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、そのような熱硬化性接着剤組成物の製造方法を提供することである。
さらに本発明の第3の目的は、そのような熱硬化性接着剤組成物を用いた接着構造を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記第1の目的を達成するために、(a)エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、
(b)エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体、および
(c)150〜300の酸価を有し、分子内にカルボキシル基を有するロジン
を含んでなり、
上記成分 ( ) ( ) および ( ) を含んでなる接着剤組成物前駆体を架橋することにより上記共重合体分子のエチレン単位間に形成された架橋構造を有する、熱硬化性接着剤組成物を提供する。
【0007】
本発明は、上記第2の目的を達成するために、本発明の熱硬化性接着剤組成物の製造方法であって、
(1)前記エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(a)と、前記エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体(b)と、前記ロジン(c)とを含んでなり、全成分が均一になる様に混合して接着剤組成物の前駆体を形成し、
(2)その前駆体に電子線を照射して前記架橋構造を形成し、熱硬化性接着剤組成物を製造する方法を提供する。
【0008】
最後に、本発明は、上記第3の目的を達成するために、A:第1の被着体と、B:請求項1または2に記載の熱硬化性接着剤組成物の層と、C:第2の被着体とをこの順に積層し、互いに密着する様に熱圧着処理を施して形成した接着構造を提供する。
【0009】
【実施の形態】
熱硬化性接着剤組成物
本発明の熱硬化性接着剤組成物(以下、単に「接着剤組成物」と呼ぶこともある。)は、常温で固体であるが、所定の温度において、比較的低圧、短時間で(たとえば、100〜200℃の温度、0.1〜10kg/cm2の圧力で、0.1〜30秒間で)熱圧着でき、圧着時の加熱または圧着後の加熱(ポストキュア)により、水分を必要とせずに硬化(架橋)させることができる。なお、本明細書において「常温」という用語は、約25℃を意味する。
したがって、本発明の接着剤組成物は、熱接着−熱架橋タイプの接着剤として有利に使用でき、その場合、放射線架橋タイプおよび湿気硬化(架橋)タイプの場合に生じる上記の様な課題が解決できる。
【0010】
熱硬化を行う時の加熱温度は通常120℃以上であり、加熱時間は通常1分以上である。熱硬化反応は、実質的に、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(共重合体(a))の「エポキシ基」と、分子内にカルボキシル基を有するロジン(ロジン(c))の「カルボキシル基」との間の反応であるので、水分等の反応副生成物は発生しない。
【0011】
本発明の接着剤組成物の前駆体は、通常のホットメルト接着剤に比べて低い温度(たとえば、120℃以下)で溶融し、容易にホットメルトコーティングできる。また、ホットメルト時の流動性が比較的高く、コーティングまたはフィルム状に成形するために溶剤を必要としない。なお、ここで「前駆体」とは、電子線照射による分子間架橋が形成される前の状態を意味する。
【0012】
分子間架橋は、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体(共重合体(b))どうしの分子間、共重合体(a)どうしの分子間、および共重合体(b)と共重合体(a)との分子間のうちの少なくとも1つの間において、エチレン単位間に形成される。この様な分子間における架橋反応は、電子線照射により、共重合体(a)または/および(b)分子のエチレン単位がラジカル的に活性化され、エチレン単位間で進行する。
【0013】
この様な架橋構造は、接着剤組成物の熱圧着時の弾性率を向上させる。弾性率の向上により、2つの被着体の間に挟まれた接着剤組成物の層が、熱圧着操作の際に過度に大きく流動することを防ぎ、接着剤組成物が被着体の間からはみ出したり、接着剤の層の厚みが小さくなりすぎて接着性能が低下することを効果的に防止する。
【0014】
上記の様な性能を制御する接着剤組成物の弾性率は、150℃における貯蔵弾性率(G′)により規定するのが望ましい。しかしながら、本発明の接着剤組成物は、加熱により硬化反応が進行するので、通常この温度では一定の弾性率を示さない。そこで、接着剤組成物の貯蔵弾性率を次のように定義する。
使用前(熱圧着前等、被着体上へ適用する前)の接着剤組成物を試料とし、動的粘弾性測定装置を用いて、試料の温度を80℃から280℃まで、昇温速度5℃/分で昇温し、剪断速度6.28rad/秒で貯蔵弾性率を測定する。そして、得られるチャート(温度対貯蔵弾性率)上で、150℃における貯蔵弾性率の値を、「接着剤組成物の貯蔵弾性率」と定義する。
【0015】
このように定義した接着剤組成物の貯蔵弾性率は、通常1×104〜1×106dyne/cm2 、好適には2×104〜3×105dyne/cm2の範囲である。この貯蔵弾性率が小さすぎると、熱圧着操作における流動を防止する効果が低下し、反対に大きすぎると、瞬間的な熱圧着(たとえば30秒以下)操作での接着(仮接着)が不良になるおそれがある。この様な仮接着が不良であると、接着した部品を後工程(たとえば、ポストキュア工程)へ運搬する時に、部品が基材から脱着する恐れがある。
【0016】
メルトコーティングまたは押出成形の際の加熱温度での、共重合体(a)とロジン(c)との硬化反応は極めて緩やかであり、接着剤組成物の前駆体がゲル化したり、その粘性(複素弾性率)が連続生産が困難になる様なレベルまで上昇することはない。また、90℃未満では硬化反応は実質的には進行しないので、接着剤組成物の貯蔵安定性を高めることができる。一方、130℃以上、好適には150℃以上の温度では硬化反応が急速に進行するので、ポストキュア等の熱硬化処理時間を容易に短縮できる。
【0017】
本発明の接着剤組成物は、接着剤組成物の前駆体をフィルム状または他の形状に成形し、その成形物に電子線を照射し、共重合体の分子間の架橋構造を形成して製造することができる(詳細は後述する。)。
【0018】
エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(共重合体 ( )
エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(「共重合体(a)」と呼ぶこともある。)は、接着剤組成物を所定の温度にて加熱したときに、ロジン(c)と硬化反応して、硬化物の凝集力を高める働きをする。この様な高凝集力は、接着剤組成物の剥離接着力等の接着性能を向上させるのに有利である。また、電子線照射により、共重合体(a)どうしの分子間、または/および共重合体(b)との分子間での架橋構造を形成し、接着剤組成物の熱圧着時の弾性率を向上させる様に作用する。
【0019】
加えて、共重合体(a)は、接着剤組成物の前駆体を比較的低温で溶融させ、メルトコーティングを容易にする作用も有する。また、接着剤組成物に良好な熱接着性を付与する。この「熱接着性」は、接着剤組成物を溶融して被着体に密着した後、冷却、固化した段階での被着体に対する接着性を意味する。
【0020】
共重合体(a)は、たとえば(i)グリシジル(メタ)アクリレートモノマーと(ii)エチレンモノマーとを含んでなるモノマー混合物を出発モノマーとして重合して得ることができる。また、本発明の効果を損なわない限り、上記モノマーに加えて第3のモノマー、例えばプロピレン、アルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等を使用できる。この場合、アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数は、通常1〜8の範囲である。
共重合体(a)の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレートとエチレンの2元共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、およびエチレンの3元共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレン、およびアルキル(メタ)アクリレートの3元共重合体を挙げることができる。
【0021】
この様な共重合体(a)は、グリシジル(メタ)アクリレートとエチレンとからなるモノマー混合物を重合させてなる繰り返し単位を、高分子全体に対して、通常50重量%以上、好適には75重量%以上含む。また、上記繰り返し単位中の、グリシジル(メタ)アクリレート(G)とエチレン(E)の重量比(G:E)は、好適には50:50〜1:99、特に好適には20:80〜5:95の範囲である。エチレンの含有量が少なすぎると、共重合体(b)およびロジン(c)に対する共重合体(a)の相溶性が低下し、均一な組成物ができないおそれがあり、また、電子線架橋が困難になるおそれがある。反対に、エチレンの含有量が多すぎると、接着性能が低下するおそれがある。
共重合体(a)は、1種単独でまたは2種以上の混合物として使用することができる。
【0022】
共重合体(a)の190℃において測定したメルトフローレート(以下、「MFR」と略する場合もある。)は、通常1(g/10分)以上である。1以上であれば、接着剤組成物の熱接着が可能である。しかしながら、接着剤組成物の前駆体のメルトコーティングを容易にするためには、好適には150以上である。一方、MFRが大きすぎると、硬化した組成物の凝集力が低下するおそれがある。これらの観点から、MFRは、特に好適には200〜1000の範囲である。
【0023】
ここで、「MFR」は、JIS K 6760の規定に従い測定された値である。また、共重合体(a)の重量平均分子量は、MFRが上記の様な範囲になる様に選択する。
【0024】
本発明の接着剤組成物に含まれる共重合体(a)の割合は、通常10〜95重量%である。10重量%未満では硬化物の凝集力を高める効果が低下するおそれがあり、反対に95重量%を超えると、熱圧着時の接着力が低下するおそれがある。この様な観点から、好適には30〜88重量%、特に好適には40〜85重量%の範囲である。
【0025】
エチレン−アルキル ( メタ ) アクリレート共重合体(共重合体 ( )
エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体(「共重合体(b)」と呼ぶこともある。)は、接着剤組成物の前駆体を比較的低温で溶融させ、メルトコーティングを容易にし、接着剤組成物の熱接着性を高める様に作用する。また、電子線照射により、共重合体(b)どうしの分子間または/および共重合体(a)との分子間での架橋構造を形成し、接着剤組成物の熱圧着時の弾性率を向上させる様に作用する。また、共重合体(a)に比べて共重合体(b)は吸水性が低いので、接着剤組成物またはその前駆体の耐水性を高める様にも作用する。さらに、一般に、共重合体(a)に比べて軟化点が低いので、硬化した組成物が熱サイクルを受けた時に内部応力を緩和し、接着性能を高める働きも有する。
【0026】
共重合体(b)は、たとえば、アルキル(メタ)アクリレートモノマーとエチレンモノマーとを含んでなるモノマー混合物を出発モノマーとして重合して得ることができる。また、本発明の効果を損なわない限り、上記モノモーに加えて第3のモノマー、例えば、プロピレン、酢酸ビニル等を使用できる。
【0027】
なお、共重合体(b)の出発モノマーは、エポキシ基を有する共重合性モノマーを含まない。また、上記出発モノマーは、本発明の効果を損なわない限り、カルボキシル基またはカルボン酸の無水物官能基を有する共重合性モノマーを含んでも良いが、好適にはこれらの官能基を実質的に含まない。この様にすれば、共重合体(a)と共重合体(b)との熱硬化反応が生じず、フィルム等の所定の形状への成形工程における、組成物のゲル化および不所望な粘性上昇を防止することが極めて容易になる。
【0028】
アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数は、好適には1〜4の範囲である。アルキル基の炭素数が4を超えると、架橋後の組成物の弾性率を高めることができないおそれがある。
【0029】
共重合体(b)の具体例としては、アルキル(メタ)アクリレートとエチレンの2元共重合体、アルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニルおよびエチレンの3元共重合体を挙げることができる。この様な共重合体(b)は、アルキル(メタ)アクリレートとエチレンとからなるモノマー混合物を重合させてなる繰り返し単位を、高分子全体に対して、通常50重量%以上、好適には75重量%以上含む。
【0030】
上記繰り返し単位中の、エチル(メタ)アクリレート(A)とエチレン(E)の重量比(A:E)は、好適には60:40〜1:99、特に好適に50:50〜5:95の範囲である。エチレンの含有量が少なすぎると、電子線架橋による弾性率の向上効果が低下するおそれがあり、反対にエチレンの含有量が多すぎると、接着性能が低下するおそれがある。
共重合体(b)は、1種単独でまたは2種以上の混合物として使用することができる。
【0031】
共重合体(b)の190℃において測定したMFRは、共重合体(a)の場合と同様の理由から、通常1以上、好適には150以上、特に好適には200〜1000の範囲である。
共重合体(b)の重量平均分子量は、MFRが上記の様な範囲になる様に選択される。
【0032】
本発明の接着剤組成物のに含まれる共重合体(b)の割合は、通常4〜80重量%である。4重量%未満では、前駆体のコーティング特性および接着剤組成物の熱接着性が低下するおそれがあり、また、電子線架橋の形成が困難になるおそれがある。反対に80重量%を超えると、組成物の熱硬化性が低下するおそれがある。この様な観点から、好適には10〜60重量%、特に好適には15〜50重量%の範囲である。
【0033】
分子内にカルボキシル基を有するロジン(ロジン ( )
本発明において使用されるロジン(以下、「ロジン(c)」と呼ぶこともある。)はカルボキシル基を有し、熱硬化操作において、前記共重合体(a)と反応し、接着剤組成物を熱硬化し、接着性能を高める様に作用する。
ロジン(c)としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、またはそれらを化学変性したもの(たとえば、重合ロジン)が使用できる。
【0034】
ロジン(c)の酸価は、通常150〜300、好適には150〜250である。酸価が低すぎると、共重合体(a)との反応性が低下し、組成物の硬化性が低下するおそれがあり、反対に高すぎると、加熱成形時の安定性(粘性の上昇防止効果)が損なわれるおそれがある。なお、ここで「酸価」とは、試料1gを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で表された値である。
【0035】
ロジン(c)の軟化点は、好適には50〜200℃、特に好適には70〜150℃である。軟化点が低すぎると、貯蔵中に共重合体(a)との反応が生じ、貯蔵安定性が低下するおそれがあり、反対に高すぎると、共重合体(a)との反応性が低下し、組成物の硬化性が低下するおそれがある。なお、ここで「軟化点」とは、JIS K 6730にしたがって測定した値である。
【0036】
本発明の接着剤組成物に含まれるロジン(c)の割合は、通常1〜20重量%である。1重量%未満では組成物の硬化性および熱接着性が低下するおそれがあり、反対に20重量%を超えると、硬化後の組成物の接着性能が低下するおそれがある。この様な観点から、好適には2〜15重量%、特に好適には3〜10重量%の範囲である。
【0037】
ロジン(c)は、1種単独でまたは2種以上の混合物として使用することができ、また、本発明の効果を損なわない限り、カルボキシル基を実質的に持たないロジンも併用することができる。
【0038】
フィルム接着剤
フィルム接着剤は、熱接着タイプの接着材料として有利な使用形態あり、同時に前述の従来のホットメルト接着剤が有する課題を解決できる。このフィルム接着剤は、たとえば、それを2枚の被着体の間に挟み、所定の温度で熱圧着を行うだけで容易に熱接着し、さらに所定温度、所定時間のポストキュア処理を施すことにより、すぐれた接着性能を発揮する。
【0039】
硬化反応は、120℃以上の温度で進行し、1分〜24時間の範囲の時間の加熱(圧着時の加熱またはポストキュア)により、十分な接着力(たとえば、4〜15kg/25mm以上)を発現できる。120℃程度の温度では、硬化反応速度は緩やかではあるが、十分な時間(たとえば、10時間以上)をかければ所望の接着性能を発揮させることができる。また、硬化時間を短縮するには、130〜300℃の範囲の温度で加熱すれば良い。
【0040】
フィルム接着剤は、たとえば、次のようにして製造できる。
まず、共重合体(a)、共重合体(b)およびロジン(c)とを含んでなる接着剤組成物の前駆体を用意する。次に、その前駆体を、基材の上にメルトコーティングし、前駆体のフィルムを形成する。最後に、フィルム状の前駆体に電子線を照射し、エチレン単位を含む共重合体の分子間の架橋構造を形成し、本発明の接着剤組成物からなるフィルム接着剤を製造する。
【0041】
上記の組成物前駆体は、通常、その原料となる成分を、混練または混合装置を用いて、実質的に均一になるまで混合して調製する。この様な装置として、ニーダー、ロールミル、エクストルーダー、プラネタリーミキサー、ホモミキサー等が使用できる。混合時の温度および時間は、共重合体(a)とロジン(c)との反応が実質的に進行しない様に選択され、通常20〜120℃の範囲の温度、1分〜2時間の範囲の時間である。
【0042】
120℃、6.28rad/秒の条件で測定した組成物前駆体の複素弾性率η*は、好適には500〜1,000,000poise、特に好適には1200〜10,000poiseの範囲である。複素弾性率η*が低すぎると所定の厚みに成形(コーティングを含む)するのが困難になるおそれがあり、反対に高すぎると連続的に成形することが困難になるおそれがある。
【0043】
接着剤組成物の前駆体のゲル化を効果的に防ぐためには、
(1)共重合体(b)と、ロジン(c)との実質的に均一な混合物からなるペレットを形成し、
(2)そのペレットと、共重合体(a)を含んでなるその他の成分とを、全成分が実質的に均一になる様に混合して接着剤組成物の前駆体を形成するのが好適である。
なお、本明細書において「ペレット」は、定形または不定形の小塊を意味し、たとえば、所定の成分を混合して得た比較的大きな塊を混練装置内で粉砕したり、所定の成分の混合物からペレタイザーや造粒機を用いて形成したものである。小塊の大きさは、それを体積で表せば、通常0.001〜1000mm3の範囲である。
【0044】
共重合体(b)とロジン(c)との混合は、通常60〜200℃の範囲の温度、10秒〜2時間の範囲の時間で行う。また、上記ペレットと、共重合体(a)を含んでなるその他の成分との混合は、通常90〜120℃の範囲の温度、10秒〜2時間の範囲の時間で行う。
【0045】
上記基材としては、ライナーまたは接着される被着体のうちの一方を用いる。ライナーとしては、剥離紙、剥離フィルム等の通常のものが使用できる。
メルトコーティングは、通常60〜120℃の範囲の温度にて行う。コーティングには、ナイフコーター、ダイコーター等の通常の塗布手段を用いる。また、エクストルージョン法により基材を用いずにフィルム状前駆体を形成することもできる。
電子線照射は、電子線加速器を用い、通常150〜500keVの範囲の加速電圧、通常10〜400kGyの範囲の照射量にて行う。
最後に、フィルム接着剤の接着面の片面または両面をライナーで保護して製品化する。また、接着面の粘着性が比較的低い場合、ライナーを用いることなく製品化することもできる。
【0046】
フィルム接着剤の厚みは、好適には0.001〜5mm、特に好適には0.005〜0.5mmの範囲である。厚みが薄すぎると、フィルム接着剤としての取り扱いが困難になる傾向があり、反対に厚すぎると、厚さ方向で架橋が不均一になり、接着剤としての信頼性が低下するおそれがある。
【0047】
前述の様にして得られるライナー付きフィルム接着剤は、たとえば、次のようにして使用する。まず、ライナー付き接着フィルムからライナーを除去し、第1の被着体と第2の被着体との間に接着フィルムを挟み、第1の被着体、フィルム接着剤および第2の被着体とがこの順に積層された積層体を形成する。続いて、その積層体を80〜300℃の範囲の温度、0.1〜100kg/cm2の範囲の圧力で熱圧着操作を行い、これら3者が互いに密着した接着構造を形成する。この方法によれば、2つの被着体を、0.1〜30秒の範囲の時間で十分な接着力で接着することができる。
【0048】
本発明のフィルム接着剤は、上記の様な熱圧着だけでも十分な接着力を発揮するのはいうまでもないが、さらに接着力を高めたい場合はポストキュアを行う。すなわち、上記の接着方法において、上記接着構造は、通常120℃以上、好適には130〜300℃の範囲の温度、1分〜24時間の範囲の時間の条件で、ポストキュアに付す。ポストキュア工程の時間短縮のため、特に好適な条件は140〜200℃、30分〜1.2時間である。この方法は、本発明のフィルム接着剤を用いた接着方法として最良の実施形態の1つである。
【0049】
また、上記フィルム接着剤に換えて、第1または第2の被着体の表面に、接着剤組成物の前駆体を直接コーティングし、電子線を照射して接着剤組成物の層を形成し、上記接着構造を形成することもできる。
【0050】
その他の成分
また、本発明の接着剤組成物は、本発明の効果を損なわない限り、上記(a)〜(c)の成分に加えて、種々の添加剤を含むことができる。この様な添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填材(無機フィラー、導電性粒子、顔料等)、ワックス等の滑剤、ゴム成分、粘着付与剤、架橋剤、硬化促進剤等が例示できる。
【0051】
用途
本発明の接着剤組成物またはフィルム接着剤は、IC部品とプリント回路基板との接着などの、電子部品の接着に特に好適に用いることができる。この他、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ等のプラスチックどうし、または、プラスチックと他の材料(繊維、金属、シリコン等の半導体、セラミック、ガラス等)からなる物品との接着にも好適に使用できる。金属の具体例としては、銅、鉄、ニッケル、金、銀、アルミニウム、タングステン、モリブデン、白金等を挙げることができる。
【0052】
本発明の接着剤組成物またはフィルム接着剤は、比較的低温で熱圧着可能であり、また、比較的低温かつ短時間ポストキュアを行うだけで十分な接着力を発現する。したがって、耐熱性が比較的低い被着体の接着に適している。
また、本発明の接着剤組成物の製造では、出発原料にモノマーを用いた重合工程を含まない。したがって、組成物中に残存する、未反応モノマーやモノマー由来の揮発性有機物を可及的に少なくすることができる。すなわち、半田リフロー時に生じる揮発性成分による発泡や、使用者が比較的不快に感じるモノマー臭気の発生を効果的に防止することができる。
【0053】
本発明の接着剤組成物を、プラスチックフィルム、繊維布、金属箔等の基材に固着させた接着剤層として使用すれば、熱圧着可能な接着テープとして使用できる。また、本発明による接着剤組成物は、接着剤用途の他、シール材としても使用できる。
【0054】
【実施例】
実施例1〜6および比較例1
熱硬化性接着剤組成物の前駆体の調製
次の表1に示す成分割合(重量比)で各成分を用いて、実施例1〜6の接着剤組成物の前駆体を下記のようにして調製した。
【0055】
【表1】
Figure 0004201858
【0056】
注)
CG5001:エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(共重合体(a))(MFR=350g/10分。住友化学工業株式会社製ボンドファースト)。
NUC6070:エチレン−エチルアクリレート共重合体(共重合体(b))(MFR=250g/10分。日本ユニカー株式会社製NUC−EEA)。
KR85:ロジン(酸価170。荒川化学工業株式会社製パインクリスタル)。
Polywax500:ポリエチレン(分子量500。東洋ペトロライト株式会社製ポリワックスポリエチレン)。
IBA:イソボルニルアクリレート(共栄社化学株式会社製)。
M5300:ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート(東亜合成株式会社製アロニックス)。
B2000:液状ポリブタジエン(分子量2000。日本槽達株式会社製NISSO−PB)。
Irg651:2,2ージメトキシ−1,2−ジフェニルエタノン(チバガイギー社製光開始剤)。
【0057】
1)まず、混練装置を用い、共重合体(b)とロジン(c)とを、110℃で10分間混練して、実質的に均一な混合物からなるペレットを形成した。
2)そのペレットと、共重合体(a)および残りの成分とを、上記と同じ装置を用い、110℃で2分間、全成分が実質的に均一になる様に混合して前駆体を形成した。
【0058】
また、比較例1では、実施例の前駆体に代えて表1に示す全成分を同時に混合し、均一な混合物をフィルム状に成形し、次いでそれに紫外線を照射して、自立性のある固体フィルム状組成物を調製し、これを、以下の各測定の試料として用いた。
【0059】
接着剤組成物の前駆体の熱安定性
各実施例で得た前駆体および比較例で得た組成物を試料として、レオメトリックス株式会社製動的粘弾性装置(型番:RDAII)を用い、120℃、6.28rad/秒の剪断速度にて、初期および2時間加熱後の複素弾性率η*(粘性の指標。単位poise)を測定した。結果を表2に示す。
【0060】
【表2】
Figure 0004201858
【0061】
これらの結果から、すべての実施例の前駆体は、2時間後も10,000poiseを大きく下回る粘性を示し、メルトコーティング等の成形工程において支障を来たすことなく、連続生産が容易に行えることが分かる。
また、ロジン(c)の含有量が10重量%未満である実施例1〜4および6では、粘性の増加率が30%未満であり、生産性の観点からは特に好適であることが分かる。
【0062】
一方、実施例5の前駆体を試料とし、90℃、6.28rad/秒の剪断速度にて複素弾性率を測定したところ、初期値は6.5×104poise、2時間後の値は6.8×104poise(上昇率=4%)であった、これにより、本発明の接着剤組成物の前駆体は、90℃またはそれ以下温度では極めて安定であることが分かる。
【0063】
フィルム接着剤の形成(実施例1〜6)
実施例1〜6で得た前駆体それぞれを2枚のPETフィルム(剥離フィルム)の間に挟み、120℃に加熱したナイフギャップの間を通し、厚さ0.1mmのフィルム状前駆体を得た。この前駆体に、リニアフィラメントタイプの加速器を用いて電子線を照射し、フィルム接着剤を形成した。電子線照射は、加速電圧200kV、150kGyおよび200kGyの2水準の照射量にて行った。形成されたフィルム接着剤は、全て自立性のある固体状フィルムであった。
【0064】
参考のため、実施例3のフィルム接着剤(150kGyおよび200kGy)、およびフィルム状前駆体(0kGy)について、RDAIIを用い、150℃、6.28rad/秒の剪断速度にて測定した貯蔵弾性率(G′)を次の表3に示す。
【0065】
【表3】
Figure 0004201858
【0066】
なお、これらの値は、使用前の接着剤フィルムを試料とし、試料の温度を80℃から280℃まで昇温速度5℃/分で昇温し、剪断速度6.28rad/秒で測定して得られるチャート(温度対貯蔵弾性率)上で、150℃における貯蔵弾性率の値である。
【0067】
熱硬化性
150kGyおよび200kGyの照射量でそれぞれ電子線架橋して得た上記各例のフィルム接着剤(使用前)を試料とし、RDAIIを用い、6.28rad/秒の剪断速度にて測定した貯蔵弾性率(G′)の温度上昇に伴う変化(熱硬化性)を、表4に示す。これらの値は、上記と同様にして昇温させた時の、表4に示す各温度におけるの測定値である。これらの結果により、各例のフィルム接着剤は、熱硬化性が良好であることが分かる。
【0068】
【表4】
Figure 0004201858
【0069】
接着試験
150kGyおよび200kGyの照射量でそれぞれ電子線架橋して得た上記各例のフィルム接着剤を用い、次のようにして接着試験を行った。
銅板(長さ30mm×幅25mm×厚み0.3mm)とポリイミドフィルム(長さ100mm×幅10mm×厚み0.05mm)との間に、長さ30mm×幅10mm×厚み0.1mmのフィルム接着剤を、ポリイミドフィルムの幅とフィルム接着剤の幅とを揃えて挟んだ後、180℃、10kg/cm2、10秒間の熱圧着操作を行って積層体を形成した。
【0070】
まず、この積層体を試料として、ポリイミドフィルムの幅方向の両端から、接着剤がはみ出したかどうかを観察した。実施例1〜4では、どちらの条件で電子線架橋した場合も、接着剤のはみ出しはほとんど観察されなかった。一方、実施例5および6の場合、比較的貯蔵弾性率が低い(表4参照)150kGyにて電子線架橋した接着剤では、若干のはみ出しが観察された。しかしながら、200kGyにて電子線架橋した場合、貯蔵弾性率が向上し、接着剤のはみ出しがほとんど観察されなかった。
【0071】
続いて、同様にして得た上記各例のフィルム接着剤の接着力を、次のようにして測定した。上記の銅板/接着剤/ポリイミドフィルムからなる積層体を試料とし、ポリイミドフィルムの長さ方向に沿って、90度方向に剥離した時の剥離力を測定した。引張速度は50mm/分であった。各測定における剥離力(ポリイミドフィルムと接着剤の界面剥離)の最大値をもって、初期接着力とした。測定結果を表5(照射量150kGy)および表6(照射量200kGy)に示す。
【0072】
また、上記と同様にして形成した積層体に対して、150℃、1時間のポストキュアを行ったものを試料とし、同様にして測定した接着力も表5および表6に示す。
【0073】
【表5】
Figure 0004201858
【0074】
【表6】
Figure 0004201858
【0075】
熱圧着(ポストキュアなし)で得られる接着力(初期接着力)は、共重合体(b)(エチレン−エチルアクリレート共重合体)が多いほど高くなる傾向が見られた。この様な傾向は、200kGyの場合の方が顕著であった。また、電子線照射量が高いほど、接着力が高くなる傾向も見られた。
【0076】
一方、実施例1の接着剤組成物の前駆体から上記と同様にして形成したフィルム状前駆体を、150kGyの照射量で架橋した後、さらに弾性率を向上させるために、150℃、2時間の熱処理を施して形成したフィルム接着剤について同様の試験を行った。この接着剤フィルム(使用前)を試料として用い、試料の温度を80℃から280℃まで昇温速度5℃/分にて昇温させ、剪断速度6.28rad/秒にて測定した時の、150℃、200℃、および250℃における貯蔵弾性率(G′)は、それぞれ、7.59×105dyne/cm2、9.60×105dyne/cm2、および1.47×106dyne/cm2であった。
【0077】
また、この接着剤フィルムを用い、上記と同様の熱圧着操作により銅板/接着剤/ポリイミドフィルムからなる積層体を形成し、90度剥離力(初期接着力)を測定したところ80g/cmであった。この値は比較的低いものの、仮接着のための接着力としては十分であった。
【0078】
揮発成分
比較例1で得たフィルム状組成物を230℃にて1分間加熱し、発生したガスをヘッドスペースガスクロマトグラフィーを用いて分析したところ、安息香酸メチル500μg/g、Irg−651(光開始剤)200μg/g、メチルベンゾイルベンゾエート70μg/g、および、C1016(IBA由来の化合物)20μg/gを含む揮発成分が検出された。また、アクリルモノマー由来の独特の臭気が確認された。
【0079】
一方、実施例4の接着剤フィルム(150kGyにて電子線照射したもの)を試料として同様の分析を行ったところ、上記揮発成分はほとんど検出されず、上記の様な臭気も、比較例1に比べて極めて少なかった。
【0080】
【発明の効果】
以上の様に、本発明によれば、従来の反応性(硬化性)ホットメルト接着剤が有する問題点をすべて同時に解決可能な、熱硬化性接着剤組成物を提供できる。

Claims (5)

  1. (a)エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、
    (b)エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体、および
    (c)150〜300の酸価を有し、分子内にカルボキシル基を有するロジン
    を含んでなり、
    上記成分 ( ) ( ) および ( ) を含んでなる接着剤組成物前駆体を架橋することにより上記共重合体分子のエチレン単位間に形成された架橋構造を有する、熱硬化性接着剤組成物。
  2. 前記(a)〜(c)の成分の合計量に対して、
    前記(a)成分を10〜95重量%の範囲、前記(b)成分を4〜80重量%の範囲、および前記(c)成分を1〜20重量%の範囲で含有する請求項1に記載の熱硬化性接着剤組成物。
  3. 請求項1の熱硬化性接着剤組成物の製造方法において、
    (1)前記エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体(a)と、前記エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体(b)と、前記ロジン(c)とを含んでなり、全成分が均一になる様に混合して接着剤組成物の前駆体を形成し、
    (2)その前駆体に電子線を照射して前記架橋構造を形成し、熱硬化性接着剤組成物を製造する方法。
  4. 前記接着剤組成物の前駆体を、
    (1)前記共重合体(b)と、前記ロジン(c)との均一な混合物からなるペレットを形成し、
    (2)そのペレットと、前記共重合体(a)を含んでなるその他の成分とを、全成分が均一になる様に混合して形成する、請求項3に記載の製造方法。
  5. A:第1の被着体と、B:請求項1または2に記載の熱硬化性接着剤組成物の層と、C:第2の被着体とをこの順に積層し、互いに密着する様に熱圧着処理を施して形成した接着構造。
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