JP4635287B2 - 異方性導電フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相対峙する回路間に介装し、回路間を加圧すると共に光を照射することによりこれら回路間を導電性粒子を介して導通すると共に、これら回路同士を接着固定する目的に使用される厚み方向にのみ導電性を付与する異方性導電フィルムに係り、特に、低温、短時間での接着性に優れた異方性導電フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
異方性導電フィルムは、接着剤に導電性粒子が分散され、厚さ方向に加圧することにより厚さ方向に導電性が付与されるものであり、相対峙する回路間に介装し、回路間を加圧、加熱することにより回路間を導電性粒子を介して接続すると共に、これら回路間を接着固定する目的に使用され、厚み方向にのみ導電性を与えるものである。
【0003】
このような異方性導電フィルムは、フレキシブルプリント基板(FPC)やTABと液晶パネルのガラス基板上に形成されたITO端子とを接続する場合をはじめとして、種々の端子間に異方性導電膜を形成し、それにより該端子間を接着すると共に電気的に接合する場合に使用されている。
【0004】
従来の異方性導電フィルムは、一般にエポキシ系又はフェノール系樹脂と硬化剤を主成分とする接着剤に導電性粒子を分散させたもので構成され、中でも使用上の便宜等の点から接着剤としては1液型の熱硬化型のものが主流になっている。また、異方性導電フィルムとしては、高温高湿下でも安定した接続信頼性が得られるようにするため、種々の方法により接着強度の強化が図られているが、従来のエポキシ系又はフェノール系樹脂を用いた異方性導電フィルムは、接着力が低く、作業性が悪く、耐湿耐熱性に問題があった。
【0005】
このような点から、本出願人は、先にポリビニルアルコールをアセタール化して得られるポリアセタール化樹脂を主成分とする熱又は光硬化性接着剤からなる異方性導電フィルムを提案した(特開平10−338860号公報)。この異方性導電フィルムは、粘着力が高く、かつ作業性がよく、しかも耐湿耐熱性の高いものである。
【0006】
しかしながら、最近において、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチックフィルムを基材とする液晶フィルムが多用され、このような液晶フィルムの接続に異方性導電フィルムを使用することが多くなっている。
【0007】
かかる液晶フィルムの接続に異方性導電フィルムを用いる場合、圧着時の最高到達温度が液晶フィルムのプラスチックフィルム基材の耐熱温度を超すことがないように圧着する必要があるが、一般的にフィルム基材の耐熱温度は、異方性導電フィルムを圧着するのに用いられる圧着の最高到達温度である150℃乃至200℃よりも低いため、この温度で圧着すると、基材破壊を招いてしまう問題があった。
【0008】
一方、異方性導電フィルムの圧着を上記フィルム基材の耐熱性を超えない温度にて行う場合、異方性導電フィルムの接着反応及び硬化反応を起こすための熱量、或いは異方性導電フィルムが流動するための熱量が十分に付与されず、そのために接着特性や導通特性を悪化させるなどの不具合を招いてしまう。
【0009】
従って、このような耐熱性の低いポリマーフィルムに異方性導電フィルムを用いる場合、低温、短時間でも十分な接着特性、導通特性を与えることが求められている。また、プリント基板やICチップの接着に異方性導電フィルムを用いる場合も、プリント基板やICチップの高集積化(細密化)により、熱による基板やICチップの膨張・収縮の影響が大きく、この場合も低温、短時間接着が求められている。
【0010】
光硬化性接着剤であれば、加熱を行うことなく、光の照射で反応を促進することができるが、この場合においても、より高い接着力を得るためには予備加熱を必要とするため、この予備加熱温度及び予備加熱時間の低減が望まれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、低温、短時間の接着条件でも、高導通信頼性、高接着力を発現することができる異方性導電フィルムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の異方性導電フィルムは、導電性粒子が接着剤層中に分散された異方性導電フィルムにおいて、該接着剤が、ベース樹脂、反応性化合物、光増感剤及び反応促進性化合物を含む光硬化性樹脂組成物に、導電性粒子を配合してなり、該ベース樹脂がポリビニルアルコールをアセタール化して得られるポリアセタール化樹脂であり、該反応性化合物がアクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及びエポキシ基含有化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、該反応促進性化合物がラジカル反応性基と酸性基とを末端に有する化合物であり、該反応促進性化合物は、ラジカル反応性基としてのアクリロキシ基又はメタクリロキシ基と、酸性基としてのカルボキシル基又は酸性水酸基とを有する化合物であることを特徴とする。
【0013】
即ち、本発明者らは、低温、短時間の接着条件でも十分な接着力を得ることができる異方性導電フィルムを開発するべく鋭意検討を重ねた結果、ラジカル反応性を有する基と、酸性基とを末端に有する反応促進性化合物を配合することにより、ポリアセタール化樹脂の接着反応を促進させて高い接着力を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0014】
本発明において、光硬化性樹脂組成物はベース樹脂100重量部に対して反応促進性化合物を0.5〜50重量部含有することが好ましく、この反応促進性化合物は、具体的には、アクリル酸、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、メタクリル酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸及び2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0015】
また、光硬化性樹脂組成物は、ベース樹脂100重量部に対して反応性化合物を0.5〜80重量部、光増感剤を0.1〜10重量部含有することが好ましい。
【0016】
また、ベース樹脂としてのポリアセタール化樹脂のアセタール基の割合は30モル%以上であることが好ましい。
【0017】
本発明の光硬化性樹脂組成物はベース樹脂100重量部に対してシランカップリング剤を0.01〜5重量部含有することが好ましい。
【0018】
このような本発明の異方性導電フィルムは、下記の特長を有することができる。
1) 耐湿耐熱性に優れ、高温高湿下で長時間保持した後においても、異方性導電フィルムの特性を有効に発揮し、耐久性に優れている。
2) リペア性が良好である。
3) 透明性が良好である。
4) 従来品に比べ、安定して高い接着性を発揮する。
5) 透明なポリマーを原料としたフィルムを使用することにより、電極位置決めの際の光透過性がよく、作業性が良好となる。
6) エポキシ系等の従来品は、150℃以上の加熱が必要であったが、光硬化である上に、反応促進性化合物の反応促進作用で全く加熱を行うことなく、高い接着力を得ることも可能である。
7) 従来用いられているエポキシ系、フェノール系の異方性導電フィルムは、粘着性がなく、フィルムが電極に粘着力で仮止めしにくく、剥がれ易く、作業性が悪いが、本発明の異方性導電フィルムは、仮止め時の粘着力が高いため、作業性が良好である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
本発明において、接着剤を構成する光硬化性樹脂組成物のベース樹脂は、ポリビニルアルコールをアセタール化して得られるポリアセタール化樹脂であるが、このポリアセタール化樹脂としては、アセタール基の割合が30モル%以上であるものが好ましい。アセタール基の割合が30モル%より少ないと耐湿性が悪くなる恐れが生じる。このポリアセタール化樹脂としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等が挙げられるが、特にはポリビニルブチラールが好ましい。このようなポリアセタール化樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば電気化学工業社製「デンカPVB3000−1」「デンカPVB2000−L」などを用いることができる。
【0021】
本発明においては、異方性導電フィルムの物性(機械的強度、接着性、光学的特性、耐熱性、耐湿性、耐候性、架橋速度等)の改良や調節のために、アクリロキシ基、メタクリロキシ基又はエポキシ基を有する反応性化合物(モノマー)を用いるが、この反応性化合物としては、アクリル酸又はメタクリル酸誘導体、例えばそのエステル及びアミドが最も一般的であり、エステル残基としてはメチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリルのようなアルキル基のほかに、シクロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。また、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコールとのエステルも同様に用いられる。アミドとしては、ダイアセトンアクリルアミドが代表的である。多官能架橋助剤としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル等が挙げられる。また、エポキシ基含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノール(EO)グリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテル等が挙げられる。また、エポキシ基を含有するポリマーをアロイ化することによって同様の効果を得ることができる。
【0022】
これらの反応性化合物は1種又は2種以上の混合物として、前記ベース樹脂100重量部に対し、通常0.5〜80重量部、好ましくは0.5〜70重量部添加して用いられる。この配合量が80重量部を超えると接着剤の調製時の作業性や成膜性を低下させることがある。
【0023】
本発明においては、光硬化性樹脂組成物の光硬化のために、光によってラジカルを発生する光増感剤を配合するが、この光増感剤(光重合開始剤)としては、ラジカル光重合開始剤が好適に用いられる。ラジカル光重合開始剤のうち、水素引き抜き型開始剤としてベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、4−(ジエチルアミノ)安息香酸エチル等が使用可能である。また、ラジカル光重合開始剤のうち、分子内開裂型開始剤としてベンゾインエーテル、ベンゾイルプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α―ヒドロキシアルキルフェノン型として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アルキルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノンが、また、α―アミノアルキルフェノン型として、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1が、またアシルフォスフィンオキサイド等が用いられる。これらの光増感剤は1種を単独で用いても2種以上を併用しても良い。
【0024】
このような光増感剤はベース樹脂100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部配合される。
【0025】
本発明においては、ベース樹脂の低温での接着反応の促進のために、反応促進性化合物として、ラジカル反応性基と酸性基とを末端に有する化合物を用いる。この反応促進性化合物は、ラジカル反応性基としてのアクリロキシ基又はメタクリロキシ基と、酸性基としてのカルボキシル基又は酸性水酸基とを有する化合物であり、具体的には、アクリル酸、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、メタクリル酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸及び2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
【0026】
このような反応促進性化合物の配合量が過度に少ないと反応促進性化合物の添加による低温接着反応性の改善効果が十分に得られず、過度に多いと3次元架橋密度が低下してしまうために、導通信頼性が悪化することから、反応促進性化合物はベース樹脂100重量部に対して0.5〜50重量部用いるのが好ましい。
【0027】
本発明に係る光硬化性樹脂組成物には、接着促進剤としてシランカップリング剤を添加することが好ましい。シランカップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等の1種又は2種以上の混合物が用いられる。
【0028】
これらのシランカップリング剤の添加量は、ベース樹脂100重量部に対し通常0.01〜5重量部で充分である。
【0029】
また、本発明に係る光硬化性樹脂組成物には、加工性や貼り合わせ性等の向上の目的で炭化水素樹脂を添加することができる。この場合、添加される炭化水素樹脂は天然樹脂系、合成樹脂系のいずれでもよい。天然樹脂系では、ロジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂が好適に用いられる。ロジンではガム系樹脂、トール油系樹脂、ウッド系樹脂を用いることができる。ロジン誘導体としてはロジンをそれぞれ水素化、不均一化、重合、エステル化、金属塩化したものを用いることができる。テルペン系樹脂ではα−ピネン、β−ピネン等のテルペン系樹脂の他、テルペンフェノール樹脂を用いることができる。また、その他の天然樹脂としてダンマル、コバル、シェラックを用いてもよい。一方、合成樹脂系では石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂が好適に用いられる。石油系樹脂では脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、水素化石油樹脂、純モノマー系石油樹脂、クマロンインデン樹脂を用いることができる。フェノール系樹脂ではアルキルフェノール樹脂、変性フェノール樹脂を用いることができる。キシレン系樹脂ではキシレン樹脂、変性キシレン樹脂を用いることができる。
【0030】
このような炭化水素樹脂の添加量は適宜選択されるが、ベース樹脂100重量部に対して1〜200重量部が好ましく、更に好ましくは5〜150重量部である。
【0031】
以上の添加剤のほか、本発明に係る光硬化性樹脂組成物には、老化防止剤、紫外線吸収剤、染料、加工助剤等を本発明の目的に支障をきたさない範囲で用いてもよい。
【0032】
導電性粒子としては、電気的に良好な導体であれば良く、種々のものを使用することができる。例えば、銅、銀、ニッケル等の金属ないし合金粉末、このような金属又は合金で被覆された樹脂又はセラミック粉体等を使用することができる。また、その形状についても特に制限はなく、りん片状、樹枝状、粒状、ペレット状等の任意の形状をとることができる。
【0033】
なお、導電性粒子は、弾性率が1.0×10〜1.0×1010Paであるものが好ましい。即ち、プラスチックフィルムを基材とする液晶フィルムなどの被接着体の接続で異方性導電フィルムを使用する場合、導電性粒子として弾性率の高いものを用いると、被接着体にクラックが生じるなどの破壊や圧着後の粒子の弾性変形回復によるスプリングバックなどが発生し、安定した導通性能を得ることができない恐れがあるため、上記弾性率範囲の導電性粒子を用いることが推奨される。これにより、被接着体の破壊を防止し、圧着後の粒子の弾性変形回復によるスプリングバックの発生を抑制し、導電性粒子の接触面積を広くすることが可能になって、より安定した信頼性の高い導通性能を得ることができる。なお、弾性率が1.0×10Paより小さいと、粒子自身の損傷が生じ、導通特性が低下する場合があり、1.0×1010Paより大きいと、スプリングバックの発生が生じる恐れがある。このような導電性粒子としては、上記のような弾性率を有するプラスチック粒子の表面を前述の金属又は合金で被覆したものが好適に用いられる。
【0034】
本発明において、このような導電性粒子の配合量は、前記ベース樹脂に対して0.1〜15容量%であることが好ましく、また、この導電性粒子の平均粒径は0.1〜100μmであることが好ましい。このように、配合量及び粒径を規定することにより、隣接した回路間で導電性粒子が凝縮し、短絡し難くなり、良好な導電性を得ることができるようになる。
【0035】
本発明の異方性導電フィルムは、このような導電性粒子を接着剤中に分散させてなるものであるが、この接着剤としては、メルトインデックス(MFR)が1〜3000、特に1〜1000、とりわけ1〜800であることが好ましく、また、70℃における流動性が10Pa・s以下であることが好ましく、従って、このようなMFR及び流動性が得られるように前記ベース樹脂を適宜選択使用することが望ましい。
【0036】
本発明の異方性導電フィルムは、前記ベース樹脂を前述の添加剤、導電性粒子と所定の配合で均一に混合し、押出機、ロール等で混練した後、カレンダーロール、Tダイ押出、インフレーション等の成膜法により所定の形状に成膜することにより製造される。なお、成膜に際しては、ブロッキング防止、被着体との圧着を容易にするため等の目的で、エンボス加工を施してもよい。
【0037】
このようにして得られた異方性導電フィルムを被着体(ポリイミド・銅箔等)と貼り合わせるには、常法、例えば、熱プレスによる貼り合わせ法や、押出機、カレンダーによる直接ラミネート法、フィルムラミネーターによる加熱圧着法等の手法を用いることができる。
【0038】
また、各構成成分を部材(セパレーター)に何ら影響を及ぼさない溶媒に均一に溶解させ、部材(セパレーター)の表面に均一に塗布し、他の被着体(ポリイミド・銅箔等)を仮圧着した後、光硬化させることにより接着することもできる。
【0039】
本発明の異方性導電フィルムにおける光硬化のための光源としては、紫外〜可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザー光等が挙げられる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、数十秒〜数十分程度である。
【0040】
また、硬化促進のために、予め積層体を40〜120℃に加温し、これに紫外線を照射しても良い。
【0041】
この場合、上記接着時の加圧で、加圧方向(フィルム厚さ方向)に導電性が生じるが、この加圧力は適宜選定され、通常0.5〜5MPa、特に1.0〜3.0MPaの加圧力とすることが好ましい。
【0042】
本発明の異方性導電フィルムにより接着される被着体には特に制限はないが、本発明の異方性導電フィルムは、低温での接着反応性に優れることから、特に耐熱性の低い被着体の接着に有効であり、プラスチックフィルムを基材とする液晶フィルムの電極端子と、これと接続されるべき電子部品、例えばフレキシブルプリント基板(FPC)、TABなどの端子との間に介装され、これら両端子を接続するのに好適に用いられる。この場合、液晶フィルムのプラスチックフィルム基材としては、PET、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン等の透明ポリマーフィルムが用いられ、特にPETフィルムが安価な点で有用である。また、高集積化(細密化)されて熱による膨張・収縮の影響大きいプリント基板、ICチップなどにも有効に用いられる。
【0043】
なお、本発明の異方性導電フィルムは、フィルム厚さ方向に10Ω以下、特に5Ω以下の導電性を有し、面方向の抵抗は10Ω以上、特に10Ω以上であることが好ましい。
【0044】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0045】
実施例1,2、比較例1
ポリビニルブチラール(電気化学工業社製「デンカPVB3000−1」)のトルエン25重量%溶液を調製し、ポリビニルブチラール100重量部に対して表1に示す成分を表1に示す量で混合し、これをバーコーターによりセパレーターであるポリテレフタル酸エチレン上に塗布し、幅1.5mm、厚さ15μmのフィルムを得た。
【0046】
前記のサンプルをフレキシブルプリント基板とPETをフィルム基材とする液晶フィルムとの接着用として、セパレーターを剥離してモニターで位置決めをし、加熱を行わず、ハロゲンランプで30秒間光照射すると共に3MPaで加圧して圧着した。得られたサンプルについて、引張試験機による90°剥離試験(50mm/min)により接着力を測定すると共に、デジタルマルチメータにより厚み方向の導通抵抗と面方向の絶縁抵抗を測定し、結果を表1に示した。
【0047】
【表1】
Figure 0004635287
【0048】
表1より本発明の異方性導電フィルムは低温接着性に優れることがわかる。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の異方性導電フィルムによれば、低温、短時間の接着条件でも、高導通信頼性、高接着力を発現することができる異方性導電フィルムが提供される。
従って、本発明の異方性導電フィルムによれば、プラスチックフィルムを基材とする液晶フィルムのような耐熱性の低い被着体の電極端子と、FPC、TABなどの端子との接続や、高集積化(細密化)されて熱による膨張・収縮の影響の大きいプリント基板、ICチップ等の導通、接着を生産性良く行うことができる。

Claims (7)

  1. 導電性粒子が接着剤層中に分散された異方性導電フィルムにおいて、
    該接着剤が、ベース樹脂、反応性化合物、光増感剤及び反応促進性化合物を含む光硬化性樹脂組成物に、導電性粒子を配合してなり、
    該ベース樹脂がポリビニルアルコールをアセタール化して得られるポリアセタール化樹脂であり、
    該反応性化合物がアクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及びエポキシ基含有化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
    該反応促進性化合物がラジカル反応性基と酸性基とを末端に有する化合物であり、
    該反応促進性化合物は、ラジカル反応性基としてのアクリロキシ基又はメタクリロキシ基と、酸性基としてのカルボキシル基又は酸性水酸基とを有する化合物であることを特徴とする異方性導電フィルム。
  2. 請求項1において、該光硬化性樹脂組成物がベース樹脂100重量部に対して反応促進性化合物を0.5〜50重量部含有することを特徴とする異方性導電フィルム。
  3. 請求項1又は2において、該反応促進性化合物がアクリル酸、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、メタクリル酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸及び2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする異方性導電フィルム。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項において、該光硬化性樹脂組成物がベース樹脂100重量部に対して反応性化合物を0.5〜80重量部含有することを特徴とする異方性導電フィルム。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項において、該光硬化性樹脂組成物がベース樹脂100重量部に対して光増感剤を0.1〜10重量部含有することを特徴とする異方性導電フィルム。
  6. 請求項1ないしのいずれか1項において、該ポリアセタール化樹脂のアセタール基の割合が30モル%以上であることを特徴とする異方性導電フィルム。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項において、該光硬化性樹脂組成物がベース樹脂100重量部に対してシランカップリング剤を0.01〜5重量部含有することを特徴とする異方性導電フィルム。
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