JP3727155B2 - 導電性エポキシ樹脂組成物、異方性導電接着フィルムおよび導体間の電気的接続方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、異方性導電接着フィルムの形成に適した導電性エポキシ樹脂組成物、そのエポキシ樹脂組成物から形成された異方性導電接着フィルム、およびかかる異方性導電接着フィルムを用いた導体間の電気的接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、種々のエポキシ樹脂組成物が広く知られており、また、その特性の改良のため、例えば以下に記載するようないろいろな努力が払われている。
エポキシ樹脂組成物の強靱化
エポキシ樹脂組成物を改質し、強靱化するための1つの方法として、スチレン系熱可塑性エラストマー(以下、「スチレン系エラストマー」とも呼ぶ)の添加が知られている。スチレン系エラストマーの添加は、広い温度範囲にわたりエポキシ樹脂の耐衝撃性を改良し、硬化反応によって内部に生じる残留応力を緩和し、接着信頼性を向上させることができる。このようなエポキシ樹脂とスチレン系エラストマーの組成物は、例えば、特開平8−20629号公報、特開平7−166145号公報、特開平4−370137号公報、特開昭49−25039号公報等に開示されている。しかしながら、これらの公報に開示される組成物では、スチレン系エラストマーとエポキシ樹脂とを反応させないので、硬化した組成物の耐熱耐湿性は低く、接着信頼性も不十分である。また、エポキシ樹脂とスチレン系エラストマーとは元来相容性が低いので、均一な組成物を得ようとした場合にはその混合比率も制限される。
【0003】
また、特開平7−197000号公報、特開平4−224818号公報および特開平4−91183号公報には、エポキシ樹脂と、かかる樹脂と反応可能な酸変性スチレン系エラストマーとの硬化性組成物が開示されている。これらの硬化性組成物では、酸変性スチレン系エラストマーの使用により、スチレン系エラストマーとエポキシ樹脂との相容性も改良されている。しかしながら、これらの組成物では、保存中に酸性官能基とエポキシ樹脂との反応が進行し、可使時間が短くなる恐れがある。一方、これらの組成物に含まれる硬化剤は、重付加反応により架橋を行うので、150℃以上の反応温度でも、反応時間が数十分以上と比較的長い。したがって、極めて短時間(たとえば1分以内)で硬化すること(速硬化性)が求められるような、電気あるいは電子分野で使用される接着材料としては不向きである。
エポキシ樹脂組成物から形成した異方性導電接着フィルム
また、異方性導電接着フィルム(Anisotropically Conductive Adhesive Film; 以下、「導電接着フィルム」とも呼ぶ)の形成に用いられる、エポキシ樹脂と反応性スチレン系エラストマーとからなるエポキシ樹脂組成物が、特開平5−32799号公報に開示されている。この導電接着フィルムは、FPC(フレキシブル印刷回路)等の微細回路基材どうしを十分な強度で接着し、互いに向き合う基材上の接続端子等の導体の間を、回路を短絡させることなく電気的に導通可能なように接続することができる。このような導電接着フィルムは、通常、エポキシ樹脂等の絶縁性接着剤中に導電性粒子を分散させてフィルム化して形成することができる。
【0004】
導電接着フィルムによる導体間の接続は、通常、次のようにして行われる。2つの基材の間に接着フィルムを挟んだ後、加圧しながら加熱して接着を完了する。これにより、向かい合う2つの接続端子の間でフィルムの厚み方向(一般に、「Z軸方向」と呼ばれる)に沿って、導電性粒子が互いに電気的に導通した状態で接着されるので、向かい合う接続端子間での導通が得られる。
【0005】
しかしながら、上記したような、エポキシ樹脂と反応性スチレン系エラストマーとからなるエポキシ系導電性接着フィルムでは、接着時間が比較的長く、近年の生産性向上の要求には応えることができなかった。すなわち、かかる生産性向上の要求に応えるためには、100〜150℃の範囲の圧着温度にて極めて短い接着時間、具体的には10〜30秒間の熱圧着により接着が完了することが必要であった。
【0006】
そこで、このような要求に応える1つの手段として、硬化剤としてマイクロカプセル化イミダゾール誘導体を用いることが提案されている。しかしながら、この手段の場合には、製造過程における熱的または機械的要因によるマイクロカプセルの破壊の危険性があり、製造上有利な手段とは言えない。
上記したように、従来のエポキシ樹脂とスチレン系エラストマーとを用いた導電接着フィルムでは、速硬化性、耐熱耐湿性および接着信頼性のすべての性能を向上させることはできなかった。
エポキシ樹脂のカチオン重合による硬化
ところで、エポキシ樹脂の速硬化性の接着剤への応用には、カチオン重合開始触媒を併用することが考えられる。一般に、ルイス酸やその錯体がカチオン重合開始触媒として使用でき、グリシジルエーテル型のエポキシ樹脂よりも脂環式エポキシ樹脂との組み合わせにおいてより高い反応性が得られ、速硬化が達成される。しかしながら、脂環式エポキシ樹脂と、通常のカチオン重合開始触媒との組み合わせでは、可使時間が短くなるので実用的ではない。
【0007】
そこで、紫外線照射を施さない限り触媒としての活性が低く、紫外線照射により触媒として活性が高められる、いわゆる「紫外線活性型カチオン重合触媒(以下、「UV触媒」とも呼ぶ)」が注目されている。すなわち、このようなUV触媒を用いれば、すぐれた保存安定性(長い可使時間)が達成できることが示唆されていた。なお、UV触媒に関する文献として、H. J. Hageman, Progr. Org. Coat. 13, 123(1985)、欧州特許出願第0094915号(1984年)等を挙げることができる。さらに、米国特許第5,362,421号(特表平8−511570号に対応)には、ジオール類が、カチオン重合反応によるエポキシ樹脂の硬化反応を促進することが開示されている。しかしながら、これらの従来技術のなかでは、上記したような樹脂組成物に、スチレン系エラストマーや粘着付与剤等の改質成分を効果的に組み合わせ、硬化物の耐熱耐湿性を向上させるための具体的な手段を教示するまでに至っていない。
低温硬化性の導電接着フィルム
一方、導電接着フィルムの提供における他のアプローチは、低温硬化性(低温硬化が可能であること)の改良である。近年、液晶パネル(LCD)の低コスト、低重量化を目的として、プラスチック基板のLCDや、PETフィルムを基材として用いたFPCが開発されている。しかしながら、FPCの高い柔軟性は、接着相手の回路基板との間の熱膨張率の差によって生じる応力を緩和できないので、フィルム基材が大きく変形するような高い温度(例えば、150℃を超える温度)での圧着は、FPC上に「しわ」を発生させる。このような応力緩和の問題は、ガラス基板のLCDとポリイミドフィルムを基材に使用したFPCとの接続でも解決すべき問題である。また、既知の導電接着フィルムの圧着温度(通常、150℃を超え、200℃未満の範囲)にてこれらの接続を行うと、PETフィルム等の比較的に耐熱性の低いフィルムを用いた場合、LCDやFPCが熱的損傷を被る恐れがある。
【0008】
低温硬化可能な導電接着フィルムの例は、特開平4−189883号公報および特開平7−90237号公報にも開示されている。これらの公報に開示の導電接着フィルムはいずれも、エポキシ樹脂のための硬化剤を改良したものであり、また、高反応性の硬化剤とエポキシ樹脂とが混合された状態で保存されるので、保存安定性が損なわれる危険性がある。
【0009】
また、特開平8−111124号公報には、熱硬化性樹脂層、隔離層および硬化剤層の三層構造の導電接着フィルムが開示されている。この導電接着フィルムは、高反応性の硬化剤と熱硬化性樹脂とを隔離することにより、すぐれた保存安定性を達成しつつ、150℃以下の低温、20秒間の圧着操作にて、1,000g/cmのピール強度を達成している。しかしながら、上記のような三層を塗布手段により形成することは製造工程を煩雑にし、隔離層の塗布欠陥は保存安定性を損なう危険性がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上をまとめると、導電接着フィルム等の、電気、電子分野で使用される接着材料に適したエポキシ樹脂組成物は、少なくとも次のような5つの性能、すなわち:
(I)速硬化性、
(II)耐熱耐湿性、
(III)耐衝撃性、
(IV)保存安定性、そして
(V)低温硬化性
のすべてが向上したものであり、このようなエポキシ樹脂組成物は、いまだ完成されていなかった。
【0011】
したがって、本発明の1つの目的は、上記した(I)〜(V)の性能のすべてが向上した、改良されたエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
本発明のもう1つの目的は、本発明のエポキシ樹脂組成物を使用した導電接着フィルムを提供することにある。
また、本発明のさらにもう1つの目的は、本発明の導電接着フィルムを使用して導体間の電気的接続を得る方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、その1つの面において、下記の成分:
(a)脂環式エポキシ樹脂、
(b)分子内に芳香環を有する粘着付与剤、
(c)分子内にエポキシ基を有するスチレン系熱可塑性エラストマー、
(d)紫外線活性型カチオン重合触媒、および
(e)上記脂環式エポキシ樹脂100重量部に対して1〜50重量部の量の導電性粒子、
を含んでなる導電性エポキシ樹脂組成物を提供する。
【0013】
また、本発明は、そのもう1つの面において、本発明の導電性エポキシ樹脂組成物から形成されかつ10〜100μmの範囲の厚みを有している異方性導電接着フィルムを提供する。
さらに、本発明は、そのもう1つの面において、2つの基材のそれぞれの表面に備え付けられた導体を電気的に接続する方法において、
本発明の異方性導電接着フィルムを第1の基材の表面にその基材の導体と接するように配置し、
前記第1の基材上の接着フィルムに対して紫外線照射を行い、
第2の基材を、その基材の導体が上記紫外線照射された接着フィルムと接するように配置し、そして
70〜150℃の範囲の温度で熱圧着して、上記2つの基材をそれらの導体が互いに導通可能なように接着する、
導体間の電気的接続方法を提供する。
【0014】
本発明の導電性エポキシ樹脂組成物は、その個々の成分およびその他の点に関して以下の「発明の実施の形態」の項において詳細に説明するけれども、本発明の理解をさらに容易ならしめるため、ここで、作用の面から説明することにする。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、紫外線活性型の熱硬化性組成物であり、したがって、紫外線照射された後は、照射前の状態よりも低い温度にて硬化可能である。
【0015】
第1の成分である脂環式エポキシ樹脂は、樹脂組成物の速硬化性および低温硬化性を向上させる。また、この成分と、第4の成分である紫外線活性型カチオン重合触媒(UV触媒)との組み合わせは、低温速硬化を可能にし、比較的に低い温度(例えば、70℃以上であって150℃以下の温度)において短時間圧着でも高接着力を発揮し、かつ、保存安定性を向上させる。
【0016】
第3の成分である、分子内にエポキシ基を有するスチレン系熱可塑性エラストマー(以下、「エポキシ含有スチレン系エラストマー」と呼ぶこともある)は、広い温度範囲にわたり硬化後のエポキシ樹脂組成物の耐衝撃性を改良し、硬化反応によって内部に生じる残留応力を緩和し、接着信頼性を向上させる。かかるエポキシ含有スチレン系エラストマーは、樹脂組成物の保存中は実質的に反応せず、紫外線照射後の加熱により、エポキシ樹脂と反応するので、保存安定性を損なうことはない。エポキシ樹脂組成物の硬化は、硬化剤を必要とせず、脂環式エポキシ樹脂とエポキシ含有スチレン系エラストマー間の架橋反応で行われる。そして、これらの二者の架橋構造が、硬化物の耐熱耐湿性および接着信頼性を向上させる。
【0017】
第2の成分である、分子内に芳香環を有する粘着付与剤は、硬化後の樹脂組成物において、エポキシ樹脂とエポキシ含有スチレン系エラストマーとの相容性を高め、接着信頼性を向上させる。また、この粘着付与剤は、脂環式エポキシ樹脂およびエポキシ含有スチレン系エラストマーを含有する架橋体と部分的に相容し、硬化後のエポキシ樹脂組成物の接着力を効果的に高めるようにも作用する。ここで、「芳香環を有する粘着付与剤(以下、「芳香系粘着付与剤」と呼ぶこともある)」とは、分子内に少なくとも1個の芳香環を有するオリゴマーまたはポリマーからなる樹脂である。このようなオリゴマーまたはポリマーの重量平均分子量は、通常、100〜100,000である。また、「芳香系粘着付与剤と架橋体との相容状態が部分的である」というのは、一部の粘着付与剤を含有する架橋体の相と、残りの粘着付与剤の相とがミクロ的に相分離している状態を意味している。このような相分離の相違点は、樹脂組成物の接着力に強く影響するので、圧着温度等の接着条件の変動によって相構造が変化することは好ましくない。本発明の第2の形態のエポキシ樹脂組成物では、芳香系粘着付与剤の作用により、上記のような相構造が比較的高い圧着温度でも破壊されることがなく、接着力はほとんど低下しない。すなわち、芳香系粘着付与剤を含有する本発明のエポキシ樹脂組成物は、70〜150℃の広い温度範囲での短時間(例えば、10〜30秒間)の圧着操作により、高接着力にて2つの基材を接着し、それらの基材の導体どうしの電気的接続の信頼性を高めることができる。
【0018】
芳香系粘着付与剤は、例えば、通常の接着剤の分野で使用されている粘着付与剤のなかから選ぶことができる。好適な具体例を挙げると、テルペンフェノール共重合体、またはクマロンインデン樹脂である。これらの粘着付与剤化合物は、上記したような広範囲の圧着温度において、接着および電気的接続の信頼性を特に高めることができる。
【0019】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、第5の成分として、脂環式エポキシ樹脂100重量部に対して1〜50重量部の量の導電性粒子をさらに含んでいる。このように所定量の導電性粒子をさらに含有することの結果、本発明の樹脂組成物は、導電性の接着材料、例えば異方性導電接着フィルム(導電接着フィルム)を形成するための組成物として有用である。すなわち、低温速硬化が可能で、かつ2つの基材の導体間を電気的に確実に接続できる導電接着フィルムを提供することができる。本発明による導電接着フィルムは、たとえば、隣接する端子間距離が10〜100μmであるような微細回路の電気的接続も可能である。
【0020】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、それを異方性導電接着フィルムとして用いるのに適している。また、そのような場合、フィルムの厚みは、10〜100μmの範囲が好適である。フィルムの厚みが10μmより小さいと、接着の信頼性が低下するおそれがあり、また、異方の導電性が発揮できない恐れがある。反対にフィルムの厚みが100μmを超えると、低温硬化性および速硬化性が低下するおそれがある。このような観点から、フィルムの厚みは、好適には12〜80μm、特に好適には15〜50μmの範囲である。
【0021】
さらに、本発明は、2つの基材のそれぞれの表面に備え付けられた導体を、低温かつ短時間で確実に、電気的に接続する方法を提供する。すなわち、下記の工程:
(1)上記したような異方性導電接着フィルムを一方の基材(第1の基材)の導体と接するように置き、
(2)接着フィルムに対して紫外線照射を行った後、
(3)他方の基材(第2の基材)を、その基材の導体が上記の接着フィルムと接するように置き、そして
(4)70〜150℃の範囲の温度で熱圧着すること
を含む接続方法である。これにより、2つの基材と、それらの基材の間に配置され、両方の基材を、それらの導体どうしを電気的に接続するように接着した異方性導電接着層からなる積層体を、比較的低温で容易に製造できる。このような方法によれば、LCDのプラスチック基板やFPCのPET基材が、熱的損傷を受けることなく、導体の確実な電気的接続が可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明による導電性エポキシ樹脂組成物、異方性導電接着フィルムおよび電気的接続方法は、それぞれ、以下に記載するようにいろいろな好ましい形態で具現することができる。
最初に、導電性エポキシ樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
脂環式エポキシ樹脂
脂環式エポキシ樹脂は、分子内に2個以上の脂環式エポキシ基を有する化合物である。このような脂環式エポキシ樹脂は、たとえば、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキセン−m−ジオキサン等である。これらのエポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、あるいは、必要に応じて、2種類以上のエポキシ樹脂を組み合わせて使用してもよい。
【0023】
本発明の実施において使用する脂環式エポキシ樹脂のエポキシ当量は、通常50〜3,000、好適には100〜1,500の範囲である。エポキシ当量が50未満であると、接着信頼性が低下するおそれがあり、反対に、3,000を超えると、他の成分との相溶性が低下するおそれがある。
特に、接着フィルムの形成に使用する場合、脂環式エポキシ樹脂は、室温で固体または10,000cps 以上の粘度を有するものが好適である。したがって、2種類以上のエポキシ樹脂を用いる場合、全体の粘度が10,000cps 以上にするのが好適である。また、本発明の効果を損なわない範囲において、グリシジルエーテル型のエポキシ樹脂を併用して用いることもできる。
芳香系粘着付与剤
芳香系粘着付与剤としては、前述のテルペンフェノール共重合体やクマロンインデン樹脂の他、スチレン変性フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、芳香族系石油樹脂も使用できる。また、テルペンフェノール共重合体等のように、分子内に水酸基を有する化合物の場合、脂環式エポキシ樹脂、エポキシ含有スチレン系エラストマーおよび粘着付与剤の三者間で架橋し、これら三者間の架橋構造が、硬化物の耐熱耐湿性および接着信頼性を向上させる。
【0024】
芳香系粘着付与剤は、1種単独または2種以上の混合物として使用できる。また、本発明の効果を損なわない限り、芳香系粘着付与剤に加えて、芳香環を持たない粘着付与剤も併用できる。芳香環を持たない粘着付与剤としては、例えば、ロジン、ロジンエステル、水添ロジンなどのロジン系化合物、脂肪族系石油樹脂等が使用できる。
エポキシ含有スチレン系エラストマー
エポキシ含有スチレン系エラストマーは、ポリスチレン単位と少なくとも1種の重合単位とを含む共重合体であって、共重合体分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有し、5〜1 ,000MPa の範囲のヤング率を有するポリマーである。共重合体の形成のためにポリスチレン単位と組み合わせて用いられるべき重合単位は、たとえば、ブタジエン、イソプレン、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン等のモノマーから誘導された重合単位である。
【0025】
エポキシ基は、たとえば、グリシジルエーテル基、脂環式エポキシ基等のエポキシ含有化合物を、スチレン系エラストマーを生成する成分とともに共重合させ、分子内に誘導する。このエラストマーのエポキシ当量は、通常200〜5,000、好適には300〜3,000、特に好適には500〜2,500の範囲である。エラストマーのエポキシ当量は、それが高すぎると、硬化組成物の耐熱耐湿性および接着信頼性の向上効果が低減し、反対に低すぎると、剥離接着力が低下するおそれがある。
【0026】
スチレン系エラストマーのガラス転移点は、通常−60〜120℃の範囲である。また、エラストマーがブロック共重合体であり、複数のガラス転移点が観測される場合は、それらすべてのガラス転移点が上記範囲にあるのが好ましい。一方、スチレン系エラストマーの重量平均分子量は、通常10,000〜1,000,000の範囲である。
【0027】
スチレン系エラストマーは、所望により2種類以上の混合物を使用できる。また、本発明の効果を損なわない限り、エポキシ基を含有しないスチレン系エラストマーを併用することもできる。
紫外線活性型カチオン重合触媒(UV触媒)
UV触媒は、紫外線を照射されると、ルイス酸等のカチオン性活性種を生成し、エポキシ環の開環反応を触媒する化合物である。UV触媒の具体例としては、たとえば、シクロペンタジエニルアニオン、インデニルアニオン、(キシレン)ヘキサフルオロアンチモネートアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン等の配位子と、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、ルテニウム、オスミウム等の金属カチオンとからなる有機金属錯体塩等が挙げられる。
各成分の配合割合
本発明の導電性エポキシ樹脂組成物は、通常、上記した成分および必要に応じてその他の添加剤を配合してエポキシ樹脂組成物を調製した後、その組成物に導電性粒子を分散させることによって調製することができる。
【0028】
エポキシ樹脂組成物の調製における上記各成分の配合割合は、本発明の効果が発揮されるように適宜決定することができる。
通常、芳香系粘着付与剤、エポキシ含有スチレン系エラストマーおよびUV触媒の配合割合は、それぞれ、脂環式エポキシ樹脂100重量部に対して、
芳香系粘着付与剤 1〜200重量部
エポキシ含有スチレン系エラストマー 10〜500重量部
UV触媒 0.1〜5重量部
の範囲である。
【0029】
また、エポキシ樹脂組成物を液状のまま用いるか、またはフィルム状に成形して用いるかによって、それぞれ好適な配合割合を決定すことができる。例えば、この樹脂組成物を接着フィルムに用いる場合、第1の形態では、それぞれ脂環式エポキシ樹脂100重量部に対して、
の範囲である。
【0030】
上記したような配合割合によれば、室温でフィルム形状を保持可能で、かつ熱圧着時には適切な溶融粘度(例えば、50,000〜200,000cps )を示すようなレオロジー特性を有する組成物が得られる。
ポリオール
本発明のエポキシ樹脂組成物に、ポリオールをさらに含有させることができる。ポリオールとは、化学の分野で一般的に認められているように、ジオールや、分子内に3個以上の水酸基を有する化合物を包含している。好適なポリオールの具体例を挙げると、フルオレンジオール、ヘプタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリンなどがあり、なかんずくジオールが好適である。
【0031】
ジオールは、カチオン重合を促進すると同時に、硬化後の組成物において、エポキシ樹脂およびエポキシ含有スチレンエラストマーと反応し、それらの相容性を向上させ、また、接着信頼性も向上させる。ジオールのなかでも、例えば、フルオレン骨格を分子内に有するジオール(以下、「フルオレンジオール」とも呼ぶ)が好適である。フルオレンジオールは、エポキシ樹脂およびエポキシ含有スチレンエラストマーとの相容性が良好であり、硬化前の組成物を均一にし、保存中の各成分の分離を効果的に防止する。加えて、フルオレン骨格が硬化物の架橋構造に導入されるので、耐熱耐湿性および接着信頼性を向上させることもできる。
導電性エポキシ樹脂組成物
導電性エポキシ樹脂組成物は、通常、上記のようなエポキシ樹脂組成物に導電性粒子を分散させることによって調製する。しかし、導電性粒子の分散は、必要に応じて、エポキシ樹脂組成物の調製中、任意の段階で行ってもよい。
導電接着フィルム
導電接着フィルムは、エポキシ樹脂組成物中に導電性粒子を分散させ、その分散液をフィルム化して形成する。導電性粒子の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、通常1〜50重量部であるが、好適には4〜30重量部、特に好適には5〜10重量部の範囲である。導電性粒子の配合量が少なすぎると導電性が低下するおそれがあり、反対に多すぎると、導電性の異方性が低下するおそれがある。
【0032】
本発明の実施において有利に用いることのできる導電性粒子は、たとえば、ニッケル、金、ハンダ等の金属粒子、ポリマー等の非導電性物質の粒子の表面に導電性被覆を施した粒子などである。これらの粒子は、単独で使用してもよく、あるいは必要に応じて組み合わせて使用してもよい。
また、導電性粒子の分散性を良好にする等の目的のために、シランカップリング剤等のカップリング剤を併用することもできる。シランカップリング剤の配合割合は、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、1〜10重量、好適には2〜7重量部の範囲である。導電接着フィルムの厚みは、通常、10〜100μmの範囲である。なお、導電接着フィルムの製法は、後述する接着フィルムの製造方法の項にて説明する。
その他の添加剤
本発明のエポキシ樹脂組成物の調製では、上記した成分の他に、カチオン重合反応促進剤を添加することができる。反応促進剤の添加は、低温硬化性および速硬化性のさらなる改良を容易にする。このような反応促進剤は、たとえば、ジ−tert−ブチルオキサレートである。反応促進剤の配合割合は、通常、脂環式エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部、好適には0.5〜3重量部、特に好適には1〜2重量部の範囲である。
【0033】
また、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の添加剤、たとえば、着色剤、光安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、発泡剤、防黴剤、防錆剤、無機充填剤、可塑剤、吸湿剤、ゴム粒子、熱可塑性樹脂などを添加することができる。
接着フィルムの製造方法
接着フィルムは、上記のエポキシ樹脂組成物を含む塗布液を用意し、これをポリマーフィルム等の支持体の上に塗布し、塗膜化して製造する。
【0034】
エポキシ組成物を含む塗布液は、上記したすべての成分を同時に、または分割して混合装置に投入し、均一な溶液または分散液になるように撹拌、混練して調製する。混合装置は、たとえば、ハイスピードミキサー、ニーダー、ホモミキサー、プラネタリーミキサーなどである。塗布液には、必要に応じて溶剤を添加することができる。また、塗布装置として、ナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーターなどが使用できる。
導体間の電気的な接続方法
本発明による導電接着フィルムを用い、2つの基材(仮に、第1および第2の基材とする)のそれぞれの表面に備え付けられた導体を電気的に接続する方法を説明する。この方法は、紫外線照射による活性化操作を除けば、実質的には従来の方法と同じである。
【0035】
まず、導電接着フィルムを一方の基材(第1の基材)の導体と接するように置き、接着フィルムに対して紫外線照射を行う。この工程は、硬化前の導電接着フィルムの表面が粘着性を有する場合、基材と接着フィルムとを仮固定するのに好都合である。接着フィルムの片方の表面が透明な支持体で覆われている場合は、この支持体を通して接着フィルムに紫外線を照射する。また、支持体が紫外線を吸収する場合は、支持体を剥離した後、紫外線照射を行う。紫外線照射は、通常は高圧水銀灯を用いて行い、その照射量は、通常100〜10,000mJ/cm2 (360nmでの積算量)になるように調整する。
【0036】
引き続いて、他方の基材(第2の基材)を、その基材の導体が活性化された接着フィルムと接するように置き、150℃以下(例えば、70〜150℃の範囲)の温度で熱圧着する。活性化から熱圧着までのオープンタイムは、通常、数秒から24時間である。熱圧着は、アイロン、ホットダンパー、加熱ロールにより行うことができる。圧力の強さは、接続後に十分な電気的導通が得られるように適宜選択される。適用する圧力は、通常、10〜50kg/cm2 の範囲である。また、圧着時間は、前述のように10〜30秒間であれば十分であるが、1分以上の圧着時間であっても接着性能などには影響はない。
【0037】
【実施例】
引き続いて、本発明をその実施例を参照してさらに説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではないことを理解されたい。
実施例1
(1)エポキシ樹脂組成物の調製
異方性導電接着フィルム形成用のエポキシ樹脂組成物、すなわち、エポキシ系接着剤溶液を次のような手順に従って調製した。
【0038】
8.0gの液状多官能脂環式エポキシ樹脂「(商品名)エポリードGT−401;ダイセル化学工業(株)社製;エポキシ当量=219、粘度=約2,000cp(70℃での測定値)」、10.0gのエポキシ変性スチレン系熱可塑性エラストマー「(商品名)エポフレンドA1010;ダイセル化学工業(株)社製;エポキシ当量=約1000」および2.0gのテルペン・フェノール共重合体「(商品名)YSポリスターS145;安原油脂化学工業(株)社製;芳香系粘着付与剤として」を40.0gのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、均一に混合した。次いで、得られた均一な溶液に0.6gの導電性粒子「(商品名)Bright20GNR4.6−EH;日本化学工業(株)社製;金めっきされたポリマー粒子」を添加し、撹拌した。導電性粒子が均一に分散せしめられた分散液が得られた。
一方、0.12gの、紫外線活性型カチオン重合触媒としてのシクロペンタジエニル鉄(II)(キシレン)ヘキサフルオロアンチモネート(CpFeXy)、0.12gの、カチオン重合促進剤としてのジ−tert−ブチルオキサレート(t−Box)および0.4gの、シランカップリング剤としてのγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン「(商品名)A187;ユニカー(株)社製」を1.2gのメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ、均一な混合溶液を得た。得られた溶液を上記のようにして調製した分散液に加えて撹拌した。均一な分散液からなるエポキシ樹脂組成物が得られた。
(2)異方性導電接着フィルムの作製
上記のようにして調製したエポキシ樹脂組成物を、シリコン剥離処理を施した厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に滴下し、ハンドコーターを用いて製膜した。製膜後、60℃で10分間オーブン中で乾燥した。乾燥後の膜厚が21μmである異方性導電接着フィルムが得られた。
(3)試験片の作製
以下に説明する各種の評価試験に供するため、ITO(インジウム−錫酸化物)をコーティングした導電性ガラス(以下、「ITOガラス」と記す;表面抵抗=20Ω/□)とFPCとを次のような手順に従って接合し、両者が電気的に接続した接続回路からなる試験片を作製した。
【0039】
先ず、上記工程(2)において作製した異方性導電接着フィルムをITOガラスの表面に温度80℃、圧力1kg/cm2 、圧着時間4秒間の条件にて仮接着した。次いで、PETフィルムを導電接着フィルムから剥離して除去し、残された導電接着フィルムに対して紫外線照射を行った。紫外線照射は高圧水銀灯を用いて行い、その際、約2,200mJ/cm2 (360nmでの積算量)の照射量になるように調整を行った。紫外線照射後約30秒を経過した後、導電接着フィルムの表面にFPC(SnメッキCu/ポリイミドフィルム積層体;端子数=63個、ピッチ幅=100μm)の端子面を向けて重ね置き、次のような2つの異なる条件で圧着した。
【0040】
条件1…100℃−30kg/cm2 −20秒
条件2…140℃−30kg/cm2 −20秒
ITOガラスとFPCとの接続が完了し、目的とする試験片(接続回路)が得られた。得られた接続回路において、導体間の接続長さは19mm、接続幅は2mmであった。
(4)接着力および抵抗値の評価
上記工程(3)で作製した試験片について、接着力を評価するための剥離試験及び抵抗値を測定するための抵抗試験をそれぞれ次のようにして行った。
剥離試験:
試験片を引っ張り試験機にかけ、50mm/分の剥離速度で90度剥離力を測定した。4個の試験片の90度剥離力からその平均値を求め、下記の4段階で接着力を評価した。
【0041】
抵抗試験:
試験片をマルチメータにかけ、3端子法で全数(63)の端子について抵抗値を測定した。全端子の抵抗の平均値から下記の4段階で抵抗値を評価した。
【0042】
これらの試験によって得られた結果を下記の第1表に示す。第1表に記載の結果から、本例の導電接着フィルムは、低温硬化性および速硬化性にすぐれ、高い接着信頼性を奏することが判った。なお、第1表には、参考のため、異方性導電接着フィルムの作製に用いた材料の種類と量も併せて記載する。
(5)反応性の評価
上記工程(2)で作製した導電接着フィルムの反応性を、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した発熱ピーク温度(℃)から評価した。発熱ピーク温度は、硬化可能な温度と見なされ、本例の場合、その測定を10℃/分の昇温速度で実施した。試験は、紫外線(UV)照射前〔未照射〕と、UV照射後約5分後〔UV照射〕の2回に分けて行った。得られた試験結果を下記の第1表に示す。本例の導電接着フィルムは、紫外線照射を行った後は、約90℃にて硬化可能であることが判った。
(6)耐熱耐湿試験
上記工程(3)の操作を繰り返して、但し圧着条件として条件1を適用して、試験片を作製した。それぞれの試験片を85℃/85%RH(相対湿度)の高温高湿度条件下で500時間放置した後、上記工程(4)の操作を繰り返した。測定された接着力および抵抗値をそれらの初期値と比較した。得られた試験結果を下記の第2表に示す。本例の導電接着フィルムは、高温高湿度条件下で保存後も十分に使用可能なレベルの性能を維持できることが判った。
実施例2〜7
前記実施例1に記載の手法を繰り返した。しかし、下記の第1表に記載するように、実施例2〜5では脂環式エポキシ樹脂、芳香系粘着付与剤およびエポキシ含有スチレン系エラストマーの配合量に変更を加え、さらに実施例6および7では芳香系粘着付与剤の種類も下記の物質に変更した。
【0043】
YP−90…テルペン・フェノール共重合体;(商品名)YP−90;安原油脂化学工業(株)社製
N100S…クマロン・インデン樹脂;(商品名)エスクロンN100S;新日鉄化学社製
各例の導電接着フィルムの評価を前記実施例1と同様にして行った。得られた評価結果を下記の第1表および第2表に示す。
実施例8〜11
前記実施例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、下記の第1表に記載するように、脂環式エポキシ樹脂、芳香系粘着付与剤およびエポキシ含有スチレン系エラストマーの配合量に変更を加えることおよび(または)追加の成分として下記のポリオールを添加すること(実施例8〜10)および芳香系粘着付与剤の種類を変更すること(実施例11)を試みた。なお、第1表において、組成の欄の略記号はそれぞれ次のような物質を意味する。
【0044】
EPHE…エタノール,2,2′−[9H−フルオレン−9−イリデンビス(4,1−フェニレンオキシ)]ビス−;(商品名)BPHE;新日鉄化学(株)社製のフルオレンジオール
1,7−HpDO…1,7−ヘプタンジオール
1,4−CHDM…1,4−シクロヘキサンジメタノール
T145…テルペン・フェノール共重合体;(商品名)T145;安原油脂化学工業(株)社製
各例の導電接着フィルムの評価を前記実施例1と同様にして行った。得られた評価結果を下記の第1表および第2表に示す。
比較例1
前記実施例1の工程(1)〜(5)の手法を繰り返した。しかし、本例では、比較のため、芳香系粘着付与剤の使用を省略し、エポキシ含有スチレン系エラストマー、エポフレンドA1005(商品名)を増量し、さらにポリオール、BPHE(商品名)を添加した〔下記の第1表に記載の組成を参照されたい〕。
【0045】
得られた評価結果を下記の第1表に示す。本例の場合、100℃で圧着を行った場合には高い接着力を得ることができたにもかかわらず、圧着温度を140℃に高めた場合、低い接着力しか得ることができなかった。
比較例2
前記実施例1の工程(1)〜(5)の手法を繰り返した。しかし、本例では、比較のため、芳香系粘着付与剤の使用を省略し、エポキシ含有スチレン系エラストマー、エポフレンドA1005(商品名)を増量した〔下記の第1表に記載の組成を参照されたい〕。
【0046】
得られた評価結果を下記の第1表に示す。本例の場合、導電性ガラスとFPCとの間の接着力が低く、抵抗値もやや不良であった。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明によれば、速硬化性、耐熱耐湿性、接着信頼性、保存安定性および低温硬化性の5つの要件をすべて満足させることのできる改良された導電性エポキシ樹脂組成物を提供することができ、また、したがって、このエポキシ樹脂組成物を導電接着フィルム等の、電気、電子分野で使用される接着材料の製造に有利に使用することができる。
Claims (3)
- 下記の成分:
(a)脂環式エポキシ樹脂、
(b)分子内に芳香環を有する粘着付与剤、
(c)分子内にエポキシ基を有するスチレン系熱可塑性エラストマー、
(d)紫外線活性型カチオン重合触媒、および
(e)上記脂環式エポキシ樹脂100重量部に対して1〜50重量部の量の導電性粒子、
を含んでなる、導電性エポキシ樹脂組成物。 - 請求項1に記載の導電性エポキシ樹脂組成物から形成されかつ10〜100μmの範囲の厚みを有している、異方性導電接着フィルム。
- 2つの基材のそれぞれの表面に備え付けられた導体を電気的に接続する方法において、
請求項2に記載の異方性導電接着フィルムを第1の基材の表面にその基材の導体と接するように配置し、
前記第1の基材上の接着フィルムに対して紫外線照射を行い、
第2の基材を、その基材の導体が上記紫外線照射された接着フィルムと接するように配置し、そして
70〜150℃の範囲の温度で熱圧着して、上記2つの基材をそれらの導体が互いに導通可能なように接着する、
導体間の電気的接続方法。
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