JPH11116778A - 導電性エポキシ樹脂組成物、異方性導電接着フィルムおよび導体間の電気的接続方法 - Google Patents

導電性エポキシ樹脂組成物、異方性導電接着フィルムおよび導体間の電気的接続方法

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JPH11116778A
JPH11116778A JP26428797A JP26428797A JPH11116778A JP H11116778 A JPH11116778 A JP H11116778A JP 26428797 A JP26428797 A JP 26428797A JP 26428797 A JP26428797 A JP 26428797A JP H11116778 A JPH11116778 A JP H11116778A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電接着フィルム等の形成に有利に使用する
ことのできる、速硬化性、耐熱耐湿性、接着信頼性、保
存安定性および低温硬化性のすべてが向上した導電性エ
ポキシ樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 脂環式エポキシ樹脂、分子内に芳香環を
有する粘着付与剤、分子内にエポキシ基を有するスチレ
ン系熱可塑性エラストマー、紫外線活性型カチオン重合
触媒、そして導電性粒子を含んでなるように、構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異方性導電接着フ
ィルムの形成に適した導電性エポキシ樹脂組成物、その
エポキシ樹脂組成物から形成された異方性導電接着フィ
ルム、およびかかる異方性導電接着フィルムを用いた導
体間の電気的接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々のエポキシ樹脂組成物が
広く知られており、また、その特性の改良のため、例え
ば以下に記載するようないろいろな努力が払われてい
る。エポキシ樹脂組成物の強靱化 エポキシ樹脂組成物を改質し、強靱化するための1つの
方法として、スチレン系熱可塑性エラストマー(以下、
「スチレン系エラストマー」とも呼ぶ)の添加が知られ
ている。スチレン系エラストマーの添加は、広い温度範
囲にわたりエポキシ樹脂の耐衝撃性を改良し、硬化反応
によって内部に生じる残留応力を緩和し、接着信頼性を
向上させることができる。このようなエポキシ樹脂とス
チレン系エラストマーの組成物は、例えば、特開平8−
20629号公報、特開平7−166145号公報、特
開平4−370137号公報、特開昭49−25039
号公報等に開示されている。しかしながら、これらの公
報に開示される組成物では、スチレン系エラストマーと
エポキシ樹脂とを反応させないので、硬化した組成物の
耐熱耐湿性は低く、接着信頼性も不十分である。また、
エポキシ樹脂とスチレン系エラストマーとは元来相容性
が低いので、均一な組成物を得ようとした場合にはその
混合比率も制限される。
【0003】また、特開平7−197000号公報、特
開平4−224818号公報および特開平4−9118
3号公報には、エポキシ樹脂と、かかる樹脂と反応可能
な酸変性スチレン系エラストマーとの硬化性組成物が開
示されている。これらの硬化性組成物では、酸変性スチ
レン系エラストマーの使用により、スチレン系エラスト
マーとエポキシ樹脂との相容性も改良されている。しか
しながら、これらの組成物では、保存中に酸性官能基と
エポキシ樹脂との反応が進行し、可使時間が短くなる恐
れがある。一方、これらの組成物に含まれる硬化剤は、
重付加反応により架橋を行うので、150℃以上の反応
温度でも、反応時間が数十分以上と比較的長い。したが
って、極めて短時間(たとえば1分以内)で硬化するこ
と(速硬化性)が求められるような、電気あるいは電子
分野で使用される接着材料としては不向きである。エポキシ樹脂組成物から形成した異方性導電接着フィル
また、異方性導電接着フィルム(Anisotropically Cond
uctive Adhesive Film; 以下、「導電接着フィルム」と
も呼ぶ)の形成に用いられる、エポキシ樹脂と反応性ス
チレン系エラストマーとからなるエポキシ樹脂組成物
が、特開平5−32799号公報に開示されている。こ
の導電接着フィルムは、FPC(フレキシブル印刷回
路)等の微細回路基材どうしを十分な強度で接着し、互
いに向き合う基材上の接続端子等の導体の間を、回路を
短絡させることなく電気的に導通可能なように接続する
ことができる。このような導電接着フィルムは、通常、
エポキシ樹脂等の絶縁性接着剤中に導電性粒子を分散さ
せてフィルム化して形成することができる。
【0004】導電接着フィルムによる導体間の接続は、
通常、次のようにして行われる。2つの基材の間に接着
フィルムを挟んだ後、加圧しながら加熱して接着を完了
する。これにより、向かい合う2つの接続端子の間でフ
ィルムの厚み方向(一般に、「Z軸方向」と呼ばれる)
に沿って、導電性粒子が互いに電気的に導通した状態で
接着されるので、向かい合う接続端子間での導通が得ら
れる。
【0005】しかしながら、上記したような、エポキシ
樹脂と反応性スチレン系エラストマーとからなるエポキ
シ系導電性接着フィルムでは、接着時間が比較的長く、
近年の生産性向上の要求には応えることができなかっ
た。すなわち、かかる生産性向上の要求に応えるために
は、100〜150℃の範囲の圧着温度にて極めて短い
接着時間、具体的には10〜30秒間の熱圧着により接
着が完了することが必要であった。
【0006】そこで、このような要求に応える1つの手
段として、硬化剤としてマイクロカプセル化イミダゾー
ル誘導体を用いることが提案されている。しかしなが
ら、この手段の場合には、製造過程における熱的または
機械的要因によるマイクロカプセルの破壊の危険性があ
り、製造上有利な手段とは言えない。上記したように、
従来のエポキシ樹脂とスチレン系エラストマーとを用い
た導電接着フィルムでは、速硬化性、耐熱耐湿性および
接着信頼性のすべての性能を向上させることはできなか
った。エポキシ樹脂のカチオン重合による硬化 ところで、エポキシ樹脂の速硬化性の接着剤への応用に
は、カチオン重合開始触媒を併用することが考えられ
る。一般に、ルイス酸やその錯体がカチオン重合開始触
媒として使用でき、グリシジルエーテル型のエポキシ樹
脂よりも脂環式エポキシ樹脂との組み合わせにおいてよ
り高い反応性が得られ、速硬化が達成される。しかしな
がら、脂環式エポキシ樹脂と、通常のカチオン重合開始
触媒との組み合わせでは、可使時間が短くなるので実用
的ではない。
【0007】そこで、紫外線照射を施さない限り触媒と
しての活性が低く、紫外線照射により触媒として活性が
高められる、いわゆる「紫外線活性型カチオン重合触媒
(以下、「UV触媒」とも呼ぶ)」が注目されている。
すなわち、このようなUV触媒を用いれば、すぐれた保
存安定性(長い可使時間)が達成できることが示唆され
ていた。なお、UV触媒に関する文献として、H. J. Ha
geman, Progr. Org. Coat. 13, 123(1985)、欧州特許出
願第0094915号(1984年)等を挙げることが
できる。さらに、米国特許第5,362,421号(特
表平8−511570号に対応)には、ジオール類が、
カチオン重合反応によるエポキシ樹脂の硬化反応を促進
することが開示されている。しかしながら、これらの従
来技術のなかでは、上記したような樹脂組成物に、スチ
レン系エラストマーや粘着付与剤等の改質成分を効果的
に組み合わせ、硬化物の耐熱耐湿性を向上させるための
具体的な手段を教示するまでに至っていない。低温硬化性の導電接着フィルム 一方、導電接着フィルムの提供における他のアプローチ
は、低温硬化性(低温硬化が可能であること)の改良で
ある。近年、液晶パネル(LCD)の低コスト、低重量
化を目的として、プラスチック基板のLCDや、PET
フィルムを基材として用いたFPCが開発されている。
しかしながら、FPCの高い柔軟性は、接着相手の回路
基板との間の熱膨張率の差によって生じる応力を緩和で
きないので、フィルム基材が大きく変形するような高い
温度(例えば、150℃を超える温度)での圧着は、F
PC上に「しわ」を発生させる。このような応力緩和の
問題は、ガラス基板のLCDとポリイミドフィルムを基
材に使用したFPCとの接続でも解決すべき問題であ
る。また、既知の導電接着フィルムの圧着温度(通常、
150℃を超え、200℃未満の範囲)にてこれらの接
続を行うと、PETフィルム等の比較的に耐熱性の低い
フィルムを用いた場合、LCDやFPCが熱的損傷を被
る恐れがある。
【0008】低温硬化可能な導電接着フィルムの例は、
特開平4−189883号公報および特開平7−902
37号公報にも開示されている。これらの公報に開示の
導電接着フィルムはいずれも、エポキシ樹脂のための硬
化剤を改良したものであり、また、高反応性の硬化剤と
エポキシ樹脂とが混合された状態で保存されるので、保
存安定性が損なわれる危険性がある。
【0009】また、特開平8−111124号公報に
は、熱硬化性樹脂層、隔離層および硬化剤層の三層構造
の導電接着フィルムが開示されている。この導電接着フ
ィルムは、高反応性の硬化剤と熱硬化性樹脂とを隔離す
ることにより、すぐれた保存安定性を達成しつつ、15
0℃以下の低温、20秒間の圧着操作にて、1,000
g/cmのピール強度を達成している。しかしながら、上
記のような三層を塗布手段により形成することは製造工
程を煩雑にし、隔離層の塗布欠陥は保存安定性を損なう
危険性がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上をまとめると、導
電接着フィルム等の、電気、電子分野で使用される接着
材料に適したエポキシ樹脂組成物は、少なくとも次のよ
うな5つの性能、すなわち: (I)速硬化性、(II)耐熱耐湿性、(III)耐衝撃性、
(IV)保存安定性、そして(V)低温硬化性のすべてが
向上したものであり、このようなエポキシ樹脂組成物
は、いまだ完成されていなかった。
【0011】したがって、本発明の1つの目的は、上記
した(I)〜(V)の性能のすべてが向上した、改良さ
れたエポキシ樹脂組成物を提供することにある。本発明
のもう1つの目的は、本発明のエポキシ樹脂組成物を使
用した導電接着フィルムを提供することにある。また、
本発明のさらにもう1つの目的は、本発明の導電接着フ
ィルムを使用して導体間の電気的接続を得る方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、その1つの面
において、下記の成分: (a)脂環式エポキシ樹脂、(b)分子内に芳香環を有
する粘着付与剤、(c)分子内にエポキシ基を有するス
チレン系熱可塑性エラストマー、(d)紫外線活性型カ
チオン重合触媒、および(e)上記脂環式エポキシ樹脂
100重量部に対して1〜50重量部の量の導電性粒
子、を含んでなる導電性エポキシ樹脂組成物を提供す
る。
【0013】また、本発明は、そのもう1つの面におい
て、本発明の導電性エポキシ樹脂組成物から形成されか
つ10〜100μmの範囲の厚みを有している異方性導
電接着フィルムを提供する。さらに、本発明は、そのも
う1つの面において、2つの基材のそれぞれの表面に備
え付けられた導体を電気的に接続する方法において、本
発明の異方性導電接着フィルムを第1の基材の表面にそ
の基材の導体と接するように配置し、前記第1の基材上
の接着フィルムに対して紫外線照射を行い、第2の基材
を、その基材の導体が上記紫外線照射された接着フィル
ムと接するように配置し、そして70〜150℃の範囲
の温度で熱圧着して、上記2つの基材をそれらの導体が
互いに導通可能なように接着する、導体間の電気的接続
方法を提供する。
【0014】本発明の導電性エポキシ樹脂組成物は、そ
の個々の成分およびその他の点に関して以下の「発明の
実施の形態」の項において詳細に説明するけれども、本
発明の理解をさらに容易ならしめるため、ここで、作用
の面から説明することにする。本発明のエポキシ樹脂組
成物は、紫外線活性型の熱硬化性組成物であり、したが
って、紫外線照射された後は、照射前の状態よりも低い
温度にて硬化可能である。
【0015】第1の成分である脂環式エポキシ樹脂は、
樹脂組成物の速硬化性および低温硬化性を向上させる。
また、この成分と、第4の成分である紫外線活性型カチ
オン重合触媒(UV触媒)との組み合わせは、低温速硬
化を可能にし、比較的に低い温度(例えば、70℃以上
であって150℃以下の温度)において短時間圧着でも
高接着力を発揮し、かつ、保存安定性を向上させる。
【0016】第3の成分である、分子内にエポキシ基を
有するスチレン系熱可塑性エラストマー(以下、「エポ
キシ含有スチレン系エラストマー」と呼ぶこともある)
は、広い温度範囲にわたり硬化後のエポキシ樹脂組成物
の耐衝撃性を改良し、硬化反応によって内部に生じる残
留応力を緩和し、接着信頼性を向上させる。かかるエポ
キシ含有スチレン系エラストマーは、樹脂組成物の保存
中は実質的に反応せず、紫外線照射後の加熱により、エ
ポキシ樹脂と反応するので、保存安定性を損なうことは
ない。エポキシ樹脂組成物の硬化は、硬化剤を必要とせ
ず、脂環式エポキシ樹脂とエポキシ含有スチレン系エラ
ストマー間の架橋反応で行われる。そして、これらの二
者の架橋構造が、硬化物の耐熱耐湿性および接着信頼性
を向上させる。
【0017】第2の成分である、分子内に芳香環を有す
る粘着付与剤は、硬化後の樹脂組成物において、エポキ
シ樹脂とエポキシ含有スチレン系エラストマーとの相容
性を高め、接着信頼性を向上させる。また、この粘着付
与剤は、脂環式エポキシ樹脂およびエポキシ含有スチレ
ン系エラストマーを含有する架橋体と部分的に相容し、
硬化後のエポキシ樹脂組成物の接着力を効果的に高める
ようにも作用する。ここで、「芳香環を有する粘着付与
剤(以下、「芳香系粘着付与剤」と呼ぶこともある)」
とは、分子内に少なくとも1個の芳香環を有するオリゴ
マーまたはポリマーからなる樹脂である。このようなオ
リゴマーまたはポリマーの重量平均分子量は、通常、1
00〜100,000である。また、「芳香系粘着付与
剤と架橋体との相容状態が部分的である」というのは、
一部の粘着付与剤を含有する架橋体の相と、残りの粘着
付与剤の相とがミクロ的に相分離している状態を意味し
ている。このような相分離の相違点は、樹脂組成物の接
着力に強く影響するので、圧着温度等の接着条件の変動
によって相構造が変化することは好ましくない。本発明
の第2の形態のエポキシ樹脂組成物では、芳香系粘着付
与剤の作用により、上記のような相構造が比較的高い圧
着温度でも破壊されることがなく、接着力はほとんど低
下しない。すなわち、芳香系粘着付与剤を含有する本発
明のエポキシ樹脂組成物は、70〜150℃の広い温度
範囲での短時間(例えば、10〜30秒間)の圧着操作
により、高接着力にて2つの基材を接着し、それらの基
材の導体どうしの電気的接続の信頼性を高めることがで
きる。
【0018】芳香系粘着付与剤は、例えば、通常の接着
剤の分野で使用されている粘着付与剤のなかから選ぶこ
とができる。好適な具体例を挙げると、テルペンフェノ
ール共重合体、またはクマロンインデン樹脂である。こ
れらの粘着付与剤化合物は、上記したような広範囲の圧
着温度において、接着および電気的接続の信頼性を特に
高めることができる。
【0019】本発明のエポキシ樹脂組成物は、第5の成
分として、脂環式エポキシ樹脂100重量部に対して1
〜50重量部の量の導電性粒子をさらに含んでいる。こ
のように所定量の導電性粒子をさらに含有することの結
果、本発明の樹脂組成物は、導電性の接着材料、例えば
異方性導電接着フィルム(導電接着フィルム)を形成す
るための組成物として有用である。すなわち、低温速硬
化が可能で、かつ2つの基材の導体間を電気的に確実に
接続できる導電接着フィルムを提供することができる。
本発明による導電接着フィルムは、たとえば、隣接する
端子間距離が10〜100μmであるような微細回路の
電気的接続も可能である。
【0020】本発明のエポキシ樹脂組成物は、それを異
方性導電接着フィルムとして用いるのに適している。ま
た、そのような場合、フィルムの厚みは、10〜100
μmの範囲が好適である。フィルムの厚みが10μmよ
り小さいと、接着の信頼性が低下するおそれがあり、ま
た、異方の導電性が発揮できない恐れがある。反対にフ
ィルムの厚みが100μmを超えると、低温硬化性およ
び速硬化性が低下するおそれがある。このような観点か
ら、フィルムの厚みは、好適には12〜80μm、特に
好適には15〜50μmの範囲である。
【0021】さらに、本発明は、2つの基材のそれぞれ
の表面に備え付けられた導体を、低温かつ短時間で確実
に、電気的に接続する方法を提供する。すなわち、下記
の工程: (1)上記したような異方性導電接着フィルムを一方の
基材(第1の基材)の導体と接するように置き、(2)
接着フィルムに対して紫外線照射を行った後、(3)他
方の基材(第2の基材)を、その基材の導体が上記の接
着フィルムと接するように置き、そして(4)70〜1
50℃の範囲の温度で熱圧着することを含む接続方法で
ある。これにより、2つの基材と、それらの基材の間に
配置され、両方の基材を、それらの導体どうしを電気的
に接続するように接着した異方性導電接着層からなる積
層体を、比較的低温で容易に製造できる。このような方
法によれば、LCDのプラスチック基板やFPCのPE
T基材が、熱的損傷を受けることなく、導体の確実な電
気的接続が可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明による導電性エポキシ樹脂
組成物、異方性導電接着フィルムおよび電気的接続方法
は、それぞれ、以下に記載するようにいろいろな好まし
い形態で具現することができる。最初に、導電性エポキ
シ樹脂組成物を構成する各成分について説明する。脂環式エポキシ樹脂 脂環式エポキシ樹脂は、分子内に2個以上の脂環式エポ
キシ基を有する化合物である。このような脂環式エポキ
シ樹脂は、たとえば、ビニルシクロヘキセンジオキサイ
ド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−
3,4−エポキシ)シクロヘキセン−m−ジオキサン等
である。これらのエポキシ樹脂は、単独で使用してもよ
く、あるいは、必要に応じて、2種類以上のエポキシ樹
脂を組み合わせて使用してもよい。
【0023】本発明の実施において使用する脂環式エポ
キシ樹脂のエポキシ当量は、通常50〜3,000、好
適には100〜1,500の範囲である。エポキシ当量
が50未満であると、接着信頼性が低下するおそれがあ
り、反対に、3,000を超えると、他の成分との相溶
性が低下するおそれがある。特に、接着フィルムの形成
に使用する場合、脂環式エポキシ樹脂は、室温で固体ま
たは10,000cps 以上の粘度を有するものが好適で
ある。したがって、2種類以上のエポキシ樹脂を用いる
場合、全体の粘度が10,000cps 以上にするのが好
適である。また、本発明の効果を損なわない範囲におい
て、グリシジルエーテル型のエポキシ樹脂を併用して用
いることもできる。芳香系粘着付与剤 芳香系粘着付与剤としては、前述のテルペンフェノール
共重合体やクマロンインデン樹脂の他、スチレン変性フ
ェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、芳香族系石油
樹脂も使用できる。また、テルペンフェノール共重合体
等のように、分子内に水酸基を有する化合物の場合、脂
環式エポキシ樹脂、エポキシ含有スチレン系エラストマ
ーおよび粘着付与剤の三者間で架橋し、これら三者間の
架橋構造が、硬化物の耐熱耐湿性および接着信頼性を向
上させる。
【0024】芳香系粘着付与剤は、1種単独または2種
以上の混合物として使用できる。また、本発明の効果を
損なわない限り、芳香系粘着付与剤に加えて、芳香環を
持たない粘着付与剤も併用できる。芳香環を持たない粘
着付与剤としては、例えば、ロジン、ロジンエステル、
水添ロジンなどのロジン系化合物、脂肪族系石油樹脂等
が使用できる。エポキシ含有スチレン系エラストマー エポキシ含有スチレン系エラストマーは、ポリスチレン
単位と少なくとも1種の重合単位とを含む共重合体であ
って、共重合体分子内に少なくとも1個のエポキシ基を
有し、5〜1 ,000MPa の範囲のヤング率を有するポ
リマーである。共重合体の形成のためにポリスチレン単
位と組み合わせて用いられるべき重合単位は、たとえ
ば、ブタジエン、イソプレン、アクリロニトリル、エチ
レン、プロピレン等のモノマーから誘導された重合単位
である。
【0025】エポキシ基は、たとえば、グリシジルエー
テル基、脂環式エポキシ基等のエポキシ含有化合物を、
スチレン系エラストマーを生成する成分とともに共重合
させ、分子内に誘導する。このエラストマーのエポキシ
当量は、通常200〜5,000、好適には300〜
3,000、特に好適には500〜2,500の範囲で
ある。エラストマーのエポキシ当量は、それが高すぎる
と、硬化組成物の耐熱耐湿性および接着信頼性の向上効
果が低減し、反対に低すぎると、剥離接着力が低下する
おそれがある。
【0026】スチレン系エラストマーのガラス転移点
は、通常−60〜120℃の範囲である。また、エラス
トマーがブロック共重合体であり、複数のガラス転移点
が観測される場合は、それらすべてのガラス転移点が上
記範囲にあるのが好ましい。一方、スチレン系エラスト
マーの重量平均分子量は、通常10,000〜1,00
0,000の範囲である。
【0027】スチレン系エラストマーは、所望により2
種類以上の混合物を使用できる。また、本発明の効果を
損なわない限り、エポキシ基を含有しないスチレン系エ
ラストマーを併用することもできる。紫外線活性型カチオン重合触媒(UV触媒) UV触媒は、紫外線を照射されると、ルイス酸等のカチ
オン性活性種を生成し、エポキシ環の開環反応を触媒す
る化合物である。UV触媒の具体例としては、たとえ
ば、シクロペンタジエニルアニオン、インデニルアニオ
ン、(キシレン)ヘキサフルオロアンチモネートアニオ
ン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン等の配位子
と、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、マンガ
ン、レニウム、ルテニウム、オスミウム等の金属カチオ
ンとからなる有機金属錯体塩等が挙げられる。各成分の配合割合 本発明の導電性エポキシ樹脂組成物は、通常、上記した
成分および必要に応じてその他の添加剤を配合してエポ
キシ樹脂組成物を調製した後、その組成物に導電性粒子
を分散させることによって調製することができる。
【0028】エポキシ樹脂組成物の調製における上記各
成分の配合割合は、本発明の効果が発揮されるように適
宜決定することができる。通常、芳香系粘着付与剤、エ
ポキシ含有スチレン系エラストマーおよびUV触媒の配
合割合は、それぞれ、脂環式エポキシ樹脂100重量部
に対して、 芳香系粘着付与剤 1〜200重量部 エポキシ含有スチレン系エラストマー 10〜500重量部 UV触媒 0.1〜5重量部 の範囲である。
【0029】また、エポキシ樹脂組成物を液状のまま用
いるか、またはフィルム状に成形して用いるかによっ
て、それぞれ好適な配合割合を決定すことができる。例
えば、この樹脂組成物を接着フィルムに用いる場合、第
1の形態では、それぞれ脂環式エポキシ樹脂100重量
部に対して、 芳香系粘着付与剤 好適には5〜150重量
部、特に好適には10〜100重量部 エポキシ含有スチレン系エラストマー 好適には60〜200重量部、特に好適には100〜1
50重量部 UV触媒 好適には0.5〜3重量
部、特に好適には1〜2重量部の範囲である。
【0030】上記したような配合割合によれば、室温で
フィルム形状を保持可能で、かつ熱圧着時には適切な溶
融粘度(例えば、50,000〜200,000cps )
を示すようなレオロジー特性を有する組成物が得られ
る。ポリオール 本発明のエポキシ樹脂組成物に、ポリオールをさらに含
有させることができる。ポリオールとは、化学の分野で
一般的に認められているように、ジオールや、分子内に
3個以上の水酸基を有する化合物を包含している。好適
なポリオールの具体例を挙げると、フルオレンジオー
ル、ヘプタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、
グリセリンなどがあり、なかんずくジオールが好適であ
る。
【0031】ジオールは、カチオン重合を促進すると同
時に、硬化後の組成物において、エポキシ樹脂およびエ
ポキシ含有スチレンエラストマーと反応し、それらの相
容性を向上させ、また、接着信頼性も向上させる。ジオ
ールのなかでも、例えば、フルオレン骨格を分子内に有
するジオール(以下、「フルオレンジオール」とも呼
ぶ)が好適である。フルオレンジオールは、エポキシ樹
脂およびエポキシ含有スチレンエラストマーとの相容性
が良好であり、硬化前の組成物を均一にし、保存中の各
成分の分離を効果的に防止する。加えて、フルオレン骨
格が硬化物の架橋構造に導入されるので、耐熱耐湿性お
よび接着信頼性を向上させることもできる。導電性エポキシ樹脂組成物 導電性エポキシ樹脂組成物は、通常、上記のようなエポ
キシ樹脂組成物に導電性粒子を分散させることによって
調製する。しかし、導電性粒子の分散は、必要に応じ
て、エポキシ樹脂組成物の調製中、任意の段階で行って
もよい。導電接着フィルム 導電接着フィルムは、エポキシ樹脂組成物中に導電性粒
子を分散させ、その分散液をフィルム化して形成する。
導電性粒子の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対
して、通常1〜50重量部であるが、好適には4〜30
重量部、特に好適には5〜10重量部の範囲である。導
電性粒子の配合量が少なすぎると導電性が低下するおそ
れがあり、反対に多すぎると、導電性の異方性が低下す
るおそれがある。
【0032】本発明の実施において有利に用いることの
できる導電性粒子は、たとえば、ニッケル、金、ハンダ
等の金属粒子、ポリマー等の非導電性物質の粒子の表面
に導電性被覆を施した粒子などである。これらの粒子
は、単独で使用してもよく、あるいは必要に応じて組み
合わせて使用してもよい。また、導電性粒子の分散性を
良好にする等の目的のために、シランカップリング剤等
のカップリング剤を併用することもできる。シランカッ
プリング剤の配合割合は、通常、エポキシ樹脂100重
量部に対して、1〜10重量、好適には2〜7重量部の
範囲である。導電接着フィルムの厚みは、通常、10〜
100μmの範囲である。なお、導電接着フィルムの製
法は、後述する接着フィルムの製造方法の項にて説明す
る。その他の添加剤 本発明のエポキシ樹脂組成物の調製では、上記した成分
の他に、カチオン重合反応促進剤を添加することができ
る。反応促進剤の添加は、低温硬化性および速硬化性の
さらなる改良を容易にする。このような反応促進剤は、
たとえば、ジ−tert−ブチルオキサレートである。
反応促進剤の配合割合は、通常、脂環式エポキシ樹脂1
00重量部に対して0.1〜5重量部、好適には0.5
〜3重量部、特に好適には1〜2重量部の範囲である。
【0033】また、本発明の効果を損なわない範囲にお
いて、その他の添加剤、たとえば、着色剤、光安定剤、
酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、発泡剤、防黴剤、防
錆剤、無機充填剤、可塑剤、吸湿剤、ゴム粒子、熱可塑
性樹脂などを添加することができる。接着フィルムの製造方法 接着フィルムは、上記のエポキシ樹脂組成物を含む塗布
液を用意し、これをポリマーフィルム等の支持体の上に
塗布し、塗膜化して製造する。
【0034】エポキシ組成物を含む塗布液は、上記した
すべての成分を同時に、または分割して混合装置に投入
し、均一な溶液または分散液になるように撹拌、混練し
て調製する。混合装置は、たとえば、ハイスピードミキ
サー、ニーダー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー
などである。塗布液には、必要に応じて溶剤を添加する
ことができる。また、塗布装置として、ナイフコータ
ー、バーコーター、ロールコーター、ダイコーターなど
が使用できる。導体間の電気的な接続方法 本発明による導電接着フィルムを用い、2つの基材(仮
に、第1および第2の基材とする)のそれぞれの表面に
備え付けられた導体を電気的に接続する方法を説明す
る。この方法は、紫外線照射による活性化操作を除け
ば、実質的には従来の方法と同じである。
【0035】まず、導電接着フィルムを一方の基材(第
1の基材)の導体と接するように置き、接着フィルムに
対して紫外線照射を行う。この工程は、硬化前の導電接
着フィルムの表面が粘着性を有する場合、基材と接着フ
ィルムとを仮固定するのに好都合である。接着フィルム
の片方の表面が透明な支持体で覆われている場合は、こ
の支持体を通して接着フィルムに紫外線を照射する。ま
た、支持体が紫外線を吸収する場合は、支持体を剥離し
た後、紫外線照射を行う。紫外線照射は、通常は高圧水
銀灯を用いて行い、その照射量は、通常100〜10,
000mJ/cm2(360nmでの積算量)になるように調
整する。
【0036】引き続いて、他方の基材(第2の基材)
を、その基材の導体が活性化された接着フィルムと接す
るように置き、150℃以下(例えば、70〜150℃
の範囲)の温度で熱圧着する。活性化から熱圧着までの
オープンタイムは、通常、数秒から24時間である。熱
圧着は、アイロン、ホットダンパー、加熱ロールにより
行うことができる。圧力の強さは、接続後に十分な電気
的導通が得られるように適宜選択される。適用する圧力
は、通常、10〜50kg/cm2 の範囲である。また、圧
着時間は、前述のように10〜30秒間であれば十分で
あるが、1分以上の圧着時間であっても接着性能などに
は影響はない。
【0037】
【実施例】引き続いて、本発明をその実施例を参照して
さらに説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではないことを理解されたい。実施例1 (1)エポキシ樹脂組成物の調製 異方性導電接着フィルム形成用のエポキシ樹脂組成物、
すなわち、エポキシ系接着剤溶液を次のような手順に従
って調製した。
【0038】8.0gの液状多官能脂環式エポキシ樹脂
「(商品名)エポリードGT−401;ダイセル化学工
業(株)社製;エポキシ当量=219、粘度=約2,0
00cp(70℃での測定値)」、10.0gのエポキシ
変性スチレン系熱可塑性エラストマー「(商品名)エポ
フレンドA1010;ダイセル化学工業(株)社製;エ
ポキシ当量=約1000」および2.0gのテルペン・
フェノール共重合体「(商品名)YSポリスターS14
5;安原油脂化学工業(株)社製;芳香系粘着付与剤と
して」を40.0gのテトラヒドロフラン(THF)に
溶解させ、均一に混合した。次いで、得られた均一な溶
液に0.6gの導電性粒子「(商品名)Bright2
0GNR4.6−EH;日本化学工業(株)社製;金め
っきされたポリマー粒子」を添加し、撹拌した。導電性
粒子が均一に分散せしめられた分散液が得られた。一
方、0.12gの、紫外線活性型カチオン重合触媒とし
てのシクロペンタジエニル鉄(II)(キシレン)ヘキサフ
ルオロアンチモネート(CpFeXy)、0.12g
の、カチオン重合促進剤としてのジ−tert−ブチル
オキサレート(t−Box)および0.4gの、シラン
カップリング剤としてのγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン「(商品名)A187;ユニカー(株)
社製」を1.2gのメチルエチルケトン(MEK)に溶
解させ、均一な混合溶液を得た。得られた溶液を上記の
ようにして調製した分散液に加えて撹拌した。均一な分
散液からなるエポキシ樹脂組成物が得られた。 (2)異方性導電接着フィルムの作製 上記のようにして調製したエポキシ樹脂組成物を、シリ
コン剥離処理を施した厚さ38μmのポリエチレンテレ
フタレート(PET)フィルム上に滴下し、ハンドコー
ターを用いて製膜した。製膜後、60℃で10分間オー
ブン中で乾燥した。乾燥後の膜厚が21μmである異方
性導電接着フィルムが得られた。 (3)試験片の作製 以下に説明する各種の評価試験に供するため、ITO
(インジウム−錫酸化物)をコーティングした導電性ガ
ラス(以下、「ITOガラス」と記す;表面抵抗=20
Ω/□)とFPCとを次のような手順に従って接合し、
両者が電気的に接続した接続回路からなる試験片を作製
した。
【0039】先ず、上記工程(2)において作製した異
方性導電接着フィルムをITOガラスの表面に温度80
℃、圧力1kg/cm2 、圧着時間4秒間の条件にて仮接着
した。次いで、PETフィルムを導電接着フィルムから
剥離して除去し、残された導電接着フィルムに対して紫
外線照射を行った。紫外線照射は高圧水銀灯を用いて行
い、その際、約2,200mJ/cm2 (360nmでの積算
量)の照射量になるように調整を行った。紫外線照射後
約30秒を経過した後、導電接着フィルムの表面にFP
C(SnメッキCu/ポリイミドフィルム積層体;端子
数=63個、ピッチ幅=100μm)の端子面を向けて
重ね置き、次のような2つの異なる条件で圧着した。
【0040】 条件1…100℃−30kg/cm2 −20秒 条件2…140℃−30kg/cm2 −20秒 ITOガラスとFPCとの接続が完了し、目的とする試
験片(接続回路)が得られた。得られた接続回路におい
て、導体間の接続長さは19mm、接続幅は2mmであっ
た。 (4)接着力および抵抗値の評価 上記工程(3)で作製した試験片について、接着力を評
価するための剥離試験及び抵抗値を測定するための抵抗
試験をそれぞれ次のようにして行った。 剥離試験:試験片を引っ張り試験機にかけ、50mm/分
の剥離速度で90度剥離力を測定した。4個の試験片の
90度剥離力からその平均値を求め、下記の4段階で接
着力を評価した。
【0041】 90度剥離力(平均値) 接着力の評価 600g/cm以上 優(◎) 600g/cm未満500g/cm以上 良(○) 500g/cm未満400g/cm以上 可(△) 400g/cm未満 不可(×) 抵抗試験:試験片をマルチメータにかけ、3端子法で全
数(63)の端子について抵抗値を測定した。全端子の
抵抗の平均値から下記の4段階で抵抗値を評価した。
【0042】 抵抗値(平均値) 抵抗値の評価 1Ω以下 優(◎) 1Ωを超えるが5Ω以下 良(○) 5Ωを超えるが10Ω以下 可(△) オープン端子(導通がとれない 不可(×) 端子)あり これらの試験によって得られた結果を下記の第1表に示
す。第1表に記載の結果から、本例の導電接着フィルム
は、低温硬化性および速硬化性にすぐれ、高い接着信頼
性を奏することが判った。なお、第1表には、参考のた
め、異方性導電接着フィルムの作製に用いた材料の種類
と量も併せて記載する。 (5)反応性の評価 上記工程(2)で作製した導電接着フィルムの反応性
を、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した発熱ピ
ーク温度(℃)から評価した。発熱ピーク温度は、硬化
可能な温度と見なされ、本例の場合、その測定を10℃
/分の昇温速度で実施した。試験は、紫外線(UV)照
射前〔未照射〕と、UV照射後約5分後〔UV照射〕の
2回に分けて行った。得られた試験結果を下記の第1表
に示す。本例の導電接着フィルムは、紫外線照射を行っ
た後は、約90℃にて硬化可能であることが判った。 (6)耐熱耐湿試験 上記工程(3)の操作を繰り返して、但し圧着条件とし
て条件1を適用して、試験片を作製した。それぞれの試
験片を85℃/85%RH(相対湿度)の高温高湿度条
件下で500時間放置した後、上記工程(4)の操作を
繰り返した。測定された接着力および抵抗値をそれらの
初期値と比較した。得られた試験結果を下記の第2表に
示す。本例の導電接着フィルムは、高温高湿度条件下で
保存後も十分に使用可能なレベルの性能を維持できるこ
とが判った。実施例2〜7 前記実施例1に記載の手法を繰り返した。しかし、下記
の第1表に記載するように、実施例2〜5では脂環式エ
ポキシ樹脂、芳香系粘着付与剤およびエポキシ含有スチ
レン系エラストマーの配合量に変更を加え、さらに実施
例6および7では芳香系粘着付与剤の種類も下記の物質
に変更した。
【0043】YP−90…テルペン・フェノール共重合
体;(商品名)YP−90;安原油脂化学工業(株)社
製 N100S…クマロン・インデン樹脂;(商品名)エス
クロンN100S;新日鉄化学社製 各例の導電接着フィルムの評価を前記実施例1と同様に
して行った。得られた評価結果を下記の第1表および第
2表に示す。実施例8〜11 前記実施例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例
では、下記の第1表に記載するように、脂環式エポキシ
樹脂、芳香系粘着付与剤およびエポキシ含有スチレン系
エラストマーの配合量に変更を加えることおよび(また
は)追加の成分として下記のポリオールを添加すること
(実施例8〜10)および芳香系粘着付与剤の種類を変
更すること(実施例11)を試みた。なお、第1表にお
いて、組成の欄の略記号はそれぞれ次のような物質を意
味する。
【0044】EPHE…エタノール,2,2′−[9H
−フルオレン−9−イリデンビス(4,1−フェニレン
オキシ)]ビス−;(商品名)BPHE;新日鉄化学
(株)社製のフルオレンジオール 1,7−HpDO…1,7−ヘプタンジオール 1,4−CHDM…1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル T145…テルペン・フェノール共重合体;(商品名)
T145;安原油脂化学工業(株)社製 各例の導電接着フィルムの評価を前記実施例1と同様に
して行った。得られた評価結果を下記の第1表および第
2表に示す。比較例1 前記実施例1の工程(1)〜(5)の手法を繰り返し
た。しかし、本例では、比較のため、芳香系粘着付与剤
の使用を省略し、エポキシ含有スチレン系エラストマ
ー、エポフレンドA1005(商品名)を増量し、さら
にポリオール、BPHE(商品名)を添加した〔下記の
第1表に記載の組成を参照されたい〕。
【0045】得られた評価結果を下記の第1表に示す。
本例の場合、100℃で圧着を行った場合には高い接着
力を得ることができたにもかかわらず、圧着温度を14
0℃に高めた場合、低い接着力しか得ることができなか
った。比較例2 前記実施例1の工程(1)〜(5)の手法を繰り返し
た。しかし、本例では、比較のため、芳香系粘着付与剤
の使用を省略し、エポキシ含有スチレン系エラストマ
ー、エポフレンドA1005(商品名)を増量した〔下
記の第1表に記載の組成を参照されたい〕。
【0046】得られた評価結果を下記の第1表に示す。
本例の場合、導電性ガラスとFPCとの間の接着力が低
く、抵抗値もやや不良であった。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明によれば、速硬化性、耐熱耐湿性、接着信頼性、保存
安定性および低温硬化性の5つの要件をすべて満足させ
ることのできる改良された導電性エポキシ樹脂組成物を
提供することができ、また、したがって、このエポキシ
樹脂組成物を導電接着フィルム等の、電気、電子分野で
使用される接着材料の製造に有利に使用することができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分: (a)脂環式エポキシ樹脂、 (b)分子内に芳香環を有する粘着付与剤、 (c)分子内にエポキシ基を有するスチレン系熱可塑性
    エラストマー、 (d)紫外線活性型カチオン重合触媒、および (e)上記脂環式エポキシ樹脂100重量部に対して1
    〜50重量部の量の導電性粒子、を含んでなる、導電性
    エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の導電性エポキシ樹脂組
    成物から形成されかつ10〜100μmの範囲の厚みを
    有している、異方性導電接着フィルム。
  3. 【請求項3】 2つの基材のそれぞれの表面に備え付け
    られた導体を電気的に接続する方法において、 請求項2に記載の異方性導電接着フィルムを第1の基材
    の表面にその基材の導体と接するように配置し、 前記第1の基材上の接着フィルムに対して紫外線照射を
    行い、 第2の基材を、その基材の導体が上記紫外線照射された
    接着フィルムと接するように配置し、そして70〜15
    0℃の範囲の温度で熱圧着して、上記2つの基材をそれ
    らの導体が互いに導通可能なように接着する、導体間の
    電気的接続方法。
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