JP2004210802A - 紫外線硬化型接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属とプラスチックとの接着性に優れた紫外線硬化型接着剤組成物を提供する。
【解決手段】下記成分
(A)分子中に脂環式エポキシ基を有する化合物 10〜90重量部、
(B)グリシジル基含有重合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーとの共重合体であり、分子中にグリシジル基を少なくとも1個有しかつガラス転移温度が30℃以上である共重合体 90〜10重量部、及び
(C)紫外線照射によりカチオンを発生するカチオン重合開始剤 0.01〜20重量部、
を含有することを特徴とする紫外線硬化型接着剤組成物。
【選択図】なし
【解決手段】下記成分
(A)分子中に脂環式エポキシ基を有する化合物 10〜90重量部、
(B)グリシジル基含有重合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーとの共重合体であり、分子中にグリシジル基を少なくとも1個有しかつガラス転移温度が30℃以上である共重合体 90〜10重量部、及び
(C)紫外線照射によりカチオンを発生するカチオン重合開始剤 0.01〜20重量部、
を含有することを特徴とする紫外線硬化型接着剤組成物。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属とプラスチックとの接着性に優れた紫外線硬化型接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、紫外線硬化型塗料組成物としては、脂環式エポキシ基を有する化合物、オキセタン環を有する化合物、グリシジル基含有重合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーとの共重合体、及びカチオン重合開始剤を含有する紫外線硬化型塗料組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、該組成物は金属に対する付着性は優れるがポリエチレンテレフタレートのようなプラスチックに対する付着性が劣っていた。このために、例えば、金属とプラスチックとを接着させるための接着剤としては、あまり適していなかった。
【特許文献1】
特開平10−212343号公報
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者等は、従来からの問題点を解消するために鋭意研究を重ねた結果、脂環式エポキシ基を有する化合物、グリシジル基含有重合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーとの共重合体、及びカチオン重合開始剤を含有する紫外線硬化型接着剤組成物が金属とプラスチックとの接着性に優れたものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
1、下記成分
(A)分子中に脂環式エポキシ基を有する化合物 60〜99重量部、
(B)グリシジル基含有重合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーとの共重合体であり、分子中にグリシジル基を少なくとも1個有しかつガラス転移温度が30℃以上である共重合体 1〜40重量部、及び
(C)紫外線照射によりカチオンを発生するカチオン重合開始剤 0.01〜20重量部、
を含有することを特徴とする紫外線硬化型接着剤組成物、
2、上記の紫外線硬化型接着剤組成物に、(D)エポキシ化ポリブタジエン樹脂を化合物(A)及び(B)の合計量100重量部に対して0.1〜40重量部含有する接着剤組成物、
3、上記の紫外線硬化型接着剤組成物が、金属とプラスチクとの接着剤である紫外線硬化型接着剤組成物に係る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明組成物は、紫外線照射によってカチオン重合を起こして硬化可能な塗料組成物であり、以下にこの組成物における各成分について説明する。
【0007】
分子中に脂環式エポキシ基を有する化合物(A):
分子中に脂環式エポキシ基を有する化合物(A)[以下、「エポキシ化合物(A)」と略称することがある]としては、分子中に脂環式エポキシ基を1個以上、好ましくは1〜2個有する化合物であれば特に制限なく使用することができ、具体例として、ジシクロペンタジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレン−1,2−ジ(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸)エステル及び下記式(1)〜(3)で示される化合物などを挙げることができる。これらの化合物は単独で又は2種以上組合わせて使用することができる。
式(1)
【0008】
【化1】
【0009】
(式中、R1は水素原子、エポキシ基を有していてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基又はエポキシ基を有していてもよい炭素原子数1〜12のアシル基を表わし、R2は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表わし、nは0〜15の整数を表わす。)
式(2)
【0010】
【化2】
【0011】
(式中、2個のR3は同一又は異なり、それぞれ炭素原子数1〜6のアルキレン基を表わし、mは0〜25の整数を表わす。)
式(3)
【0012】
【化3】
【0013】
(式中、R4は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表わし、3個のR5は同一又は異なり、それぞれ炭素原子数1〜4のアルキル基を表わす。)
上記式(1)において、R1が表わしうるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状であり、その具体例としては、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−もしくはt−ブチル、オクチル、シクロヘキシル基などが挙げられ、エポキシ基を有するアルキル基の具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル基などを挙げることができる。R1が表わしうるアシル基は式RCOの基(ここでRは水素原子又はアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル等の有機基を表わす)であり、その具体例としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチロイル、オクタノイル、ラウロイル、アクリロイル、メタクリロイル基、ベンゾイル基などが挙げられ、エポキシ基を有するアシル基の具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニル基などを挙げることができる。R2が表わしうるアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状であり、その具体例としては、メチレン、エチレン、1,2−もしくは1,3−プロピレン、ブチレン、シクロヘキシレン基などを挙げることができる。
【0014】
しかして、上記式(1)で示される化合物の代表例としては、nが0であるものとして、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアルコール、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテルなどを挙げることができ、また、nが1〜15、好ましくは1〜6の整数であるものとして、nが1〜15のいずれの整数においても、R1が水素原子であり且つR2がメチレン基である場合、R1が3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニル基であり且つR2がメチレン基である場合、R1がアクリロイル基であり且つR2がメチレン基である場合、及びR1がメタクリロイル基であり且つR2がメチレン基である場合の化合物を挙げることができる。
【0015】
前記式(2)において、R3が表わすアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状であり、その具体例としては、メチレン、エチレン、1,2−もしくは1,3−プロピレン、ブチレン、シクロヘキシレン基などを挙げることができる。しかして、前記式(2)で示される化合物の代表例としては、2個のR3がいずれも1,2−エチレン基であり且つmが0〜25の整数である場合の化合物を挙げることができる。
【0016】
前記式(3)において、R4が表わすアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状であり、その具体例としては、メチレン、エチレン、1,2−もしくは1,3−プロピレン、ブチレン、シクロヘキシレン基などを挙げることができる。しかして、前記式(3)で示される化合物の代表例としては、R4がエチレンであり且つ3個のR5がいずれもメチル基である場合の化合物、R4が1,2−もしくは1,3−プロピレン基であり且つ3個のR3がいずれもメチル基である場合の化合物等を挙げることができる。
【0017】
以上に述べた分子中に脂環式エポキシ基を有する化合物のうち、特に好適なものとしては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアルコール、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン又は下記式(4)
【0018】
【化4】
【0019】
で示される化合物を挙げることができる。
【0020】
分子中にグリシジル基を少なくとも1個有する共重合体(B):
本発明塗料組成物に使用される共重合体(B)は、分子中にグリシジル基を少なくとも1個有する共重合体であり、例えば、グリシジル基含有重合性不飽和モノマー(以下、「グリシジルモノマー」と略称することがある)及び必要に応じて、これらのモノマーと共重合可能なその他の重合性不飽和モノマー(以下、「他のモノマー」と略称することがある)を共重合することにより得ることができる。
【0021】
共重合体(B)は、耐久性の点からガラス転移温度が30℃以上であることが必要であり、特に50℃〜135℃の範囲内にあることが好ましい。
【0022】
上記グリシジルモノマーとしては、グリシジル基を含有する重合性不飽和モノマーであれば特に制限なく使用することができるが、その代表例として、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルアクリレート、メチルグリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。これらのうち、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが好適に使用される。
【0023】
上記グリシジルモノマーと共重合可能な他のモノマーは、得られる共重合体(B)の目的とする性能などに応じ、必要に応じて適宜使用されるモノマーであり、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−,i−又はt−ブチルアクリレート、n−,i−もしくはt−ブチルメタアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等の如きアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキル又はシクロアルキルエステル;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜8個のヒドロキシアルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどのアクリルアミドもしくはメタクリルアミド又はこれらの誘導体;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルピバレート、ベオバモノマー(シェル化学社製、分岐脂肪酸のビニルエステル)、サイラプレーンFM0711、同FM0721、同FM0725(以上、いずれもチッソ社製、末端にメタクリロイル基を有するポリジメチルシロキサンマクロモノマー)などのその他のビニル単量体を挙げることができる。これらのモノマーのうち、スチレン、メチルメタクリレートが特に好適である。
【0024】
共重合体(B)は、上記グリシジルモノマー及び必要に応じて他のモノマーからなるモノマー成分を、例えばラジカル重合開始剤の存在下または不存在下に、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合などのそれ自体既知の重合方法にて重合することにより得ることができる。共重合体(B)は、数平均分子量が一般に1,000〜100,000、特に2,000〜50,000の範囲内にあることが好適である。
【0025】
共重合体(B)の重合における各モノマー成分の配合割合は、モノマー成分合計量100重量部に対し、以下の範囲内にあることが好適である。
【0026】
グリシジルモノマー:10〜100重量部、好ましくは20〜80重量部、他のモノマー:0〜90重量部、好ましくは20〜80重量部。
【0027】
共重合体(B)において、グリシジル基の濃度は、一般に0.1〜7.0当量/kg、特に0.2〜5.0当量/kgの範囲内にあることが好ましい。
【0028】
共重合体(B)の重合において、他のモノマーとして、サイラプレーンFM0721などのポリジメチルシロキサンマクロモノマーを使用することができる。
【0029】
カチオン重合開始剤(C):
本発明において使用されるカチオン重合開始剤(C)は、紫外線照射によってカチオンを発生して重合を開始させる化合物であり、例えば、下記式(I)〜(XV)で示されるヘキサフルオロアンチモネート塩、ペンタフルオロヒドロキシアンチモネート塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアルゼネート塩及びその他のカチオン重合開始剤を挙げることができる。
式(5)
【0030】
【化5】
【0031】
(式中、Arはアリール基、例えばフェニル基を表わし、X― はPF6 ―、SbF6 ― 、AsF6 ―又は下記式で表わされるB(C6F5)4 ― を表わす。)
式(6)
【0032】
【化6】
【0033】
(式中、Ar及びX―は上記と同じ意味を有する。)
式(7)
【0034】
【化7】
【0035】
(式中、R6は炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表わし、rは0〜3の整数を表わし、X―は上記と同じ意味を有する。)
式(8)
【0036】
【化8】
【0037】
(式中、Y− はPF6 ―、SbF6 ―、AsF6 ― 又はSbF5(OH) ― を表わす。)
式(9)
【0038】
【化9】
(式中、X ― は上記と同じ意味を有する。)
式(10)
【0039】
【化10】
【0040】
(式中、X ―は上記と同じ意味を有する。)
式(11)
【0041】
【化11】
【0042】
(式中、X ―は上記と同じ意味を有する。)
式(12)
【0043】
【化12】
【0044】
(式中、R7は炭素原子数7〜15のアラルキル基又は炭素原子数3〜9のアルケニル基を表わし、R6は炭素原子数1〜7の炭化水素基又はヒドロキシフェニル基を表わし、R9は酸素原子又は硫黄原子を含有していてもよい炭素原子数1〜5のアルキル基を表わし、X−は上記の意味を有する。)
式(13)
【0045】
【化13】
【0046】
(式中、R10及びR11はそれぞれ独立に炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表わす。)
式(14)
【0047】
【化14】
【0048】
(式中、R10及びR11は上記と同じ意味を有する。)
式(15)
【0049】
【化15】
【0050】
カチオン重合開始剤(C)としては市販品を使用することもでき、市販品としては、例えば、サイラキュアUVI−6970、同UVI−6974、同UVI−6990(以上、いずれも米国ユニオンカーバイト社製)、イルガキュア264(チバガイギー社製)、CIT−1682(日本曹達(株)製)などを挙げることができる。以上に述べたカチオン重合開始剤のうち、毒性、汎用性等の観点から、ヘキサフルオロフォスフェートアニオン(PF6−)を有する化合物が好ましい。
【0051】
本発明接着剤における各成分の配合割合は、下記の通りである。
(A)脂環式エポキシ基を有する化合物: 60〜99重量部、好ましくは70〜95重量部、
(B)グリシジル基含有重合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーとの共重合体:1〜40重量部、好ましくは5〜30重量部、
(C)カチオン重合開始剤: 0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部。
(A)脂環式エポキシ基を有する化合物の配合割合が 60重量部未満になると金属に対する接着性が劣り、一方90重量部を超えるとプラスチックとの接着性が劣る。
(B)共重合体の配合割合が 1重量部未満になるとプラスチックに対する接着性が劣り、一方40重量部を超えると金属に対する接着性が劣る。
(C)カチオン重合開始剤の配合割合が 0.01重量部未満になると硬化性が劣り、一方20重量部を超えると金属に対する接着性が劣る。
【0052】
本発明接着剤において、上記した以外に、エポキシ化ポリブタジエン樹脂(D)を配合することができる。
【0053】
エポキシ化ポリブタジエン樹脂(D):
エポキシ化ポリブタジエン樹脂としては、例えば、一般に市販されているポリブタジエンを過酸化水素水、過酸類によりエポキシ化することによって容易に得られる。用いられるポリブタジエンの数平均分子量は、得られるエポキシ化ポリブタジエンの数平均分子量が500〜20,000の範囲となるものであればよく、好ましくは数平均分子量が500〜15,000の範囲であり、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
【0054】
ポリブタジエンとしては特に限定されたものではないが、出光石油化学(株)製のR−15HT,R−45HT,G−45M、日本曹達(株)製のB−1000,B−3000,G−1000,G−3000、日本石油化学(株)製のB−1000,B−2000,B−3000,B−4000、ダイセル化学工業(株)製 のEPOLEAD PB3600、 エポブレンドA1005、ナガセ化成工業(株)製のデナレックスR−45EPIなどの市販されているものがあげられる。
【0055】
使用できるポリブタジエンとしては、ポリブタジエン1分子中に水酸基を複数個含有し、二重結合比が1,4−シスと1,4−トランスの合計の方が1,2−ビニルより多く含まれているものが好ましい。
【0056】
エポキシ化ポリブタジエン樹脂(D)を配合する場合には、上記した化合物(A)及び(B)の合計量100重量部に対して0.1〜40重量部、好ましくは1〜30重量部の範囲である。
【0057】
エポキシ化ポリブタジエン樹脂(D)の配合割合が0.1重量部未満になると可とう性が劣り、一方40重量部を超えると金属及びプラスチックに対する接着性が劣る。
【0058】
本発明接着剤において、上記した以外に、硬化性を低下させない程度に充填剤、着色剤、流動性調整剤、垂れ止め剤などの公知、公用のものを適宜使用することができる。
【0059】
本発明接着剤は、銅、アルミニウム、鉄、亜鉛などの金属網とポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂シートに塗装し、紫外線を照射することによって硬化塗膜を形成することができる。塗装膜厚は、用途によって適宜選択することができるが、通常、乾燥塗膜厚として約2〜30μm、好ましくは約2〜20μmの範囲内とすることができる。
【0060】
本発明接着剤は、例えば、ロールコート塗装、スプレー塗装、ハケ塗り、バーコート塗装、ローラー塗り、シルクスクリーン印刷などの塗装法によって塗装することができる。塗膜が溶剤を含有する場合には、塗装後、加熱などにより溶剤を除去した後、塗膜は紫外線照射によって硬化されるが、照射条件は塗装された塗料組成物の種類や膜厚等に応じて適宜変えることができる。照射する紫外線の波長としては、通常、200〜600nmの範囲内が適当であり、カチオン重合開始剤の種類等に応じて、感度の高い波長を有する照射源を適宜選択して使用することができる。
【0061】
紫外線の照射源としては、例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光などを挙げることができる。塗膜への照射条件は、通常、線量が10〜2,000mJ/cm2、特に50〜1、000mJ/cm2となる範囲内が適している。
【0062】
また、紫外線照射後、必要に応じて塗膜を加熱してもよい。加熱によって塗膜中の未反応物の低減および紫外線照射による塗膜の硬化性や成型加工によって発生した接着膜の歪みの緩和を行なうことができる。この加熱によって接着膜の密着性の向上を行なうことができる。上記加熱は、通常、80〜250℃の雰囲気温度で1〜30分間の条件で行なうことができる。
【0063】
【発明の効果】
本発明接着剤による作用効果を記載して下さい。
【0064】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。なお「部」及び「%」は、いずれも重量基準によるものとする。
【0065】
分子中にグリシジル基を少なくとも1個有する共重合体(B)の製造製造例1;
撹拌機及び冷却器を備えたフラスコに、トルエン500部を仕込み、撹拌しながら95℃まで加温した。ついで同温度に保持しながら、この中に、グリシジルメタクリレート125部、スチレン375部及び2,2´−アゾビスイソブチロニトリル50部を予め混合溶解した混合物を4時間かけて滴下し、重合を行った後、減圧蒸留によりトルエンを除去して共重合体(B)を得た。得られた共重合体(B)は数平均分子量約3,000、グリシジル基濃度1.8当量/kg、ガラス転移温度(Tg)85℃を有していた。
【0066】
実施例1
4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(表1中、「化合物A」と表示する)90部、製造例1で得た共重合体(B)10部、サイラキュアUVI−6990(米国、ユニオンカーバイド社製、PF6− を有する光カチオン重合開始剤)3部を配合し、50℃に保持して20分間撹拌し、実施例1の接着剤を製造した。
【0067】
アプリケーターにて、銅箔に実施例1の接着剤を10μm塗布し、PETフィルムを常圧にてラミネート後、1、000mJ/m2のUV照射を行い、島津製作所社製AUTOGRAPH AG−200Bにて、25℃で、幅10mmの試料を90°方向に50mm/分の速度で引っ張り、ピール強度 g/cm(接着強度)を測定した。
【0068】
実施例2〜4
実施例1において、表1に記載の成分を表1に記載の配合割合で配合した以外は、実施例1と同様にして実施例2〜4の接着剤を製造した。
【0069】
得られた実施例2〜4の接着剤を実施例1と同様にして硬化接着膜を形成し、同様にして試験を行った。
【0070】
比較例1
実施例1において、表1に記載の成分を表1に記載の配合割合で配合した以外は、実施例1と同様にして比較例1の接着剤を製造した。
【0071】
得られた比較例1の接着剤を実施例1と同様にして硬化接着膜を形成し、同様にして試験を行った。
【0072】
実施例及び比較例の結果を表1に示す。
【0073】
表1
【0074】
【表1】
【0075】
表1に記載のR−45EPIはナガセ化成工業(株)製、商品名「デナレックスR−45EPI」、エポキシ化ポリブタジエン樹脂を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属とプラスチックとの接着性に優れた紫外線硬化型接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、紫外線硬化型塗料組成物としては、脂環式エポキシ基を有する化合物、オキセタン環を有する化合物、グリシジル基含有重合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーとの共重合体、及びカチオン重合開始剤を含有する紫外線硬化型塗料組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、該組成物は金属に対する付着性は優れるがポリエチレンテレフタレートのようなプラスチックに対する付着性が劣っていた。このために、例えば、金属とプラスチックとを接着させるための接着剤としては、あまり適していなかった。
【特許文献1】
特開平10−212343号公報
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者等は、従来からの問題点を解消するために鋭意研究を重ねた結果、脂環式エポキシ基を有する化合物、グリシジル基含有重合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーとの共重合体、及びカチオン重合開始剤を含有する紫外線硬化型接着剤組成物が金属とプラスチックとの接着性に優れたものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
1、下記成分
(A)分子中に脂環式エポキシ基を有する化合物 60〜99重量部、
(B)グリシジル基含有重合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーとの共重合体であり、分子中にグリシジル基を少なくとも1個有しかつガラス転移温度が30℃以上である共重合体 1〜40重量部、及び
(C)紫外線照射によりカチオンを発生するカチオン重合開始剤 0.01〜20重量部、
を含有することを特徴とする紫外線硬化型接着剤組成物、
2、上記の紫外線硬化型接着剤組成物に、(D)エポキシ化ポリブタジエン樹脂を化合物(A)及び(B)の合計量100重量部に対して0.1〜40重量部含有する接着剤組成物、
3、上記の紫外線硬化型接着剤組成物が、金属とプラスチクとの接着剤である紫外線硬化型接着剤組成物に係る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明組成物は、紫外線照射によってカチオン重合を起こして硬化可能な塗料組成物であり、以下にこの組成物における各成分について説明する。
【0007】
分子中に脂環式エポキシ基を有する化合物(A):
分子中に脂環式エポキシ基を有する化合物(A)[以下、「エポキシ化合物(A)」と略称することがある]としては、分子中に脂環式エポキシ基を1個以上、好ましくは1〜2個有する化合物であれば特に制限なく使用することができ、具体例として、ジシクロペンタジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレン−1,2−ジ(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸)エステル及び下記式(1)〜(3)で示される化合物などを挙げることができる。これらの化合物は単独で又は2種以上組合わせて使用することができる。
式(1)
【0008】
【化1】
【0009】
(式中、R1は水素原子、エポキシ基を有していてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基又はエポキシ基を有していてもよい炭素原子数1〜12のアシル基を表わし、R2は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表わし、nは0〜15の整数を表わす。)
式(2)
【0010】
【化2】
【0011】
(式中、2個のR3は同一又は異なり、それぞれ炭素原子数1〜6のアルキレン基を表わし、mは0〜25の整数を表わす。)
式(3)
【0012】
【化3】
【0013】
(式中、R4は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表わし、3個のR5は同一又は異なり、それぞれ炭素原子数1〜4のアルキル基を表わす。)
上記式(1)において、R1が表わしうるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状であり、その具体例としては、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−もしくはt−ブチル、オクチル、シクロヘキシル基などが挙げられ、エポキシ基を有するアルキル基の具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル基などを挙げることができる。R1が表わしうるアシル基は式RCOの基(ここでRは水素原子又はアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル等の有機基を表わす)であり、その具体例としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチロイル、オクタノイル、ラウロイル、アクリロイル、メタクリロイル基、ベンゾイル基などが挙げられ、エポキシ基を有するアシル基の具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニル基などを挙げることができる。R2が表わしうるアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状であり、その具体例としては、メチレン、エチレン、1,2−もしくは1,3−プロピレン、ブチレン、シクロヘキシレン基などを挙げることができる。
【0014】
しかして、上記式(1)で示される化合物の代表例としては、nが0であるものとして、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアルコール、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテルなどを挙げることができ、また、nが1〜15、好ましくは1〜6の整数であるものとして、nが1〜15のいずれの整数においても、R1が水素原子であり且つR2がメチレン基である場合、R1が3,4−エポキシシクロヘキサンカルボニル基であり且つR2がメチレン基である場合、R1がアクリロイル基であり且つR2がメチレン基である場合、及びR1がメタクリロイル基であり且つR2がメチレン基である場合の化合物を挙げることができる。
【0015】
前記式(2)において、R3が表わすアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状であり、その具体例としては、メチレン、エチレン、1,2−もしくは1,3−プロピレン、ブチレン、シクロヘキシレン基などを挙げることができる。しかして、前記式(2)で示される化合物の代表例としては、2個のR3がいずれも1,2−エチレン基であり且つmが0〜25の整数である場合の化合物を挙げることができる。
【0016】
前記式(3)において、R4が表わすアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状であり、その具体例としては、メチレン、エチレン、1,2−もしくは1,3−プロピレン、ブチレン、シクロヘキシレン基などを挙げることができる。しかして、前記式(3)で示される化合物の代表例としては、R4がエチレンであり且つ3個のR5がいずれもメチル基である場合の化合物、R4が1,2−もしくは1,3−プロピレン基であり且つ3個のR3がいずれもメチル基である場合の化合物等を挙げることができる。
【0017】
以上に述べた分子中に脂環式エポキシ基を有する化合物のうち、特に好適なものとしては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアルコール、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン又は下記式(4)
【0018】
【化4】
【0019】
で示される化合物を挙げることができる。
【0020】
分子中にグリシジル基を少なくとも1個有する共重合体(B):
本発明塗料組成物に使用される共重合体(B)は、分子中にグリシジル基を少なくとも1個有する共重合体であり、例えば、グリシジル基含有重合性不飽和モノマー(以下、「グリシジルモノマー」と略称することがある)及び必要に応じて、これらのモノマーと共重合可能なその他の重合性不飽和モノマー(以下、「他のモノマー」と略称することがある)を共重合することにより得ることができる。
【0021】
共重合体(B)は、耐久性の点からガラス転移温度が30℃以上であることが必要であり、特に50℃〜135℃の範囲内にあることが好ましい。
【0022】
上記グリシジルモノマーとしては、グリシジル基を含有する重合性不飽和モノマーであれば特に制限なく使用することができるが、その代表例として、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルアクリレート、メチルグリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。これらのうち、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが好適に使用される。
【0023】
上記グリシジルモノマーと共重合可能な他のモノマーは、得られる共重合体(B)の目的とする性能などに応じ、必要に応じて適宜使用されるモノマーであり、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−,i−又はt−ブチルアクリレート、n−,i−もしくはt−ブチルメタアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等の如きアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキル又はシクロアルキルエステル;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜8個のヒドロキシアルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどのアクリルアミドもしくはメタクリルアミド又はこれらの誘導体;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルピバレート、ベオバモノマー(シェル化学社製、分岐脂肪酸のビニルエステル)、サイラプレーンFM0711、同FM0721、同FM0725(以上、いずれもチッソ社製、末端にメタクリロイル基を有するポリジメチルシロキサンマクロモノマー)などのその他のビニル単量体を挙げることができる。これらのモノマーのうち、スチレン、メチルメタクリレートが特に好適である。
【0024】
共重合体(B)は、上記グリシジルモノマー及び必要に応じて他のモノマーからなるモノマー成分を、例えばラジカル重合開始剤の存在下または不存在下に、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合などのそれ自体既知の重合方法にて重合することにより得ることができる。共重合体(B)は、数平均分子量が一般に1,000〜100,000、特に2,000〜50,000の範囲内にあることが好適である。
【0025】
共重合体(B)の重合における各モノマー成分の配合割合は、モノマー成分合計量100重量部に対し、以下の範囲内にあることが好適である。
【0026】
グリシジルモノマー:10〜100重量部、好ましくは20〜80重量部、他のモノマー:0〜90重量部、好ましくは20〜80重量部。
【0027】
共重合体(B)において、グリシジル基の濃度は、一般に0.1〜7.0当量/kg、特に0.2〜5.0当量/kgの範囲内にあることが好ましい。
【0028】
共重合体(B)の重合において、他のモノマーとして、サイラプレーンFM0721などのポリジメチルシロキサンマクロモノマーを使用することができる。
【0029】
カチオン重合開始剤(C):
本発明において使用されるカチオン重合開始剤(C)は、紫外線照射によってカチオンを発生して重合を開始させる化合物であり、例えば、下記式(I)〜(XV)で示されるヘキサフルオロアンチモネート塩、ペンタフルオロヒドロキシアンチモネート塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアルゼネート塩及びその他のカチオン重合開始剤を挙げることができる。
式(5)
【0030】
【化5】
【0031】
(式中、Arはアリール基、例えばフェニル基を表わし、X― はPF6 ―、SbF6 ― 、AsF6 ―又は下記式で表わされるB(C6F5)4 ― を表わす。)
式(6)
【0032】
【化6】
【0033】
(式中、Ar及びX―は上記と同じ意味を有する。)
式(7)
【0034】
【化7】
【0035】
(式中、R6は炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表わし、rは0〜3の整数を表わし、X―は上記と同じ意味を有する。)
式(8)
【0036】
【化8】
【0037】
(式中、Y− はPF6 ―、SbF6 ―、AsF6 ― 又はSbF5(OH) ― を表わす。)
式(9)
【0038】
【化9】
(式中、X ― は上記と同じ意味を有する。)
式(10)
【0039】
【化10】
【0040】
(式中、X ―は上記と同じ意味を有する。)
式(11)
【0041】
【化11】
【0042】
(式中、X ―は上記と同じ意味を有する。)
式(12)
【0043】
【化12】
【0044】
(式中、R7は炭素原子数7〜15のアラルキル基又は炭素原子数3〜9のアルケニル基を表わし、R6は炭素原子数1〜7の炭化水素基又はヒドロキシフェニル基を表わし、R9は酸素原子又は硫黄原子を含有していてもよい炭素原子数1〜5のアルキル基を表わし、X−は上記の意味を有する。)
式(13)
【0045】
【化13】
【0046】
(式中、R10及びR11はそれぞれ独立に炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表わす。)
式(14)
【0047】
【化14】
【0048】
(式中、R10及びR11は上記と同じ意味を有する。)
式(15)
【0049】
【化15】
【0050】
カチオン重合開始剤(C)としては市販品を使用することもでき、市販品としては、例えば、サイラキュアUVI−6970、同UVI−6974、同UVI−6990(以上、いずれも米国ユニオンカーバイト社製)、イルガキュア264(チバガイギー社製)、CIT−1682(日本曹達(株)製)などを挙げることができる。以上に述べたカチオン重合開始剤のうち、毒性、汎用性等の観点から、ヘキサフルオロフォスフェートアニオン(PF6−)を有する化合物が好ましい。
【0051】
本発明接着剤における各成分の配合割合は、下記の通りである。
(A)脂環式エポキシ基を有する化合物: 60〜99重量部、好ましくは70〜95重量部、
(B)グリシジル基含有重合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーとの共重合体:1〜40重量部、好ましくは5〜30重量部、
(C)カチオン重合開始剤: 0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部。
(A)脂環式エポキシ基を有する化合物の配合割合が 60重量部未満になると金属に対する接着性が劣り、一方90重量部を超えるとプラスチックとの接着性が劣る。
(B)共重合体の配合割合が 1重量部未満になるとプラスチックに対する接着性が劣り、一方40重量部を超えると金属に対する接着性が劣る。
(C)カチオン重合開始剤の配合割合が 0.01重量部未満になると硬化性が劣り、一方20重量部を超えると金属に対する接着性が劣る。
【0052】
本発明接着剤において、上記した以外に、エポキシ化ポリブタジエン樹脂(D)を配合することができる。
【0053】
エポキシ化ポリブタジエン樹脂(D):
エポキシ化ポリブタジエン樹脂としては、例えば、一般に市販されているポリブタジエンを過酸化水素水、過酸類によりエポキシ化することによって容易に得られる。用いられるポリブタジエンの数平均分子量は、得られるエポキシ化ポリブタジエンの数平均分子量が500〜20,000の範囲となるものであればよく、好ましくは数平均分子量が500〜15,000の範囲であり、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
【0054】
ポリブタジエンとしては特に限定されたものではないが、出光石油化学(株)製のR−15HT,R−45HT,G−45M、日本曹達(株)製のB−1000,B−3000,G−1000,G−3000、日本石油化学(株)製のB−1000,B−2000,B−3000,B−4000、ダイセル化学工業(株)製 のEPOLEAD PB3600、 エポブレンドA1005、ナガセ化成工業(株)製のデナレックスR−45EPIなどの市販されているものがあげられる。
【0055】
使用できるポリブタジエンとしては、ポリブタジエン1分子中に水酸基を複数個含有し、二重結合比が1,4−シスと1,4−トランスの合計の方が1,2−ビニルより多く含まれているものが好ましい。
【0056】
エポキシ化ポリブタジエン樹脂(D)を配合する場合には、上記した化合物(A)及び(B)の合計量100重量部に対して0.1〜40重量部、好ましくは1〜30重量部の範囲である。
【0057】
エポキシ化ポリブタジエン樹脂(D)の配合割合が0.1重量部未満になると可とう性が劣り、一方40重量部を超えると金属及びプラスチックに対する接着性が劣る。
【0058】
本発明接着剤において、上記した以外に、硬化性を低下させない程度に充填剤、着色剤、流動性調整剤、垂れ止め剤などの公知、公用のものを適宜使用することができる。
【0059】
本発明接着剤は、銅、アルミニウム、鉄、亜鉛などの金属網とポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂シートに塗装し、紫外線を照射することによって硬化塗膜を形成することができる。塗装膜厚は、用途によって適宜選択することができるが、通常、乾燥塗膜厚として約2〜30μm、好ましくは約2〜20μmの範囲内とすることができる。
【0060】
本発明接着剤は、例えば、ロールコート塗装、スプレー塗装、ハケ塗り、バーコート塗装、ローラー塗り、シルクスクリーン印刷などの塗装法によって塗装することができる。塗膜が溶剤を含有する場合には、塗装後、加熱などにより溶剤を除去した後、塗膜は紫外線照射によって硬化されるが、照射条件は塗装された塗料組成物の種類や膜厚等に応じて適宜変えることができる。照射する紫外線の波長としては、通常、200〜600nmの範囲内が適当であり、カチオン重合開始剤の種類等に応じて、感度の高い波長を有する照射源を適宜選択して使用することができる。
【0061】
紫外線の照射源としては、例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光などを挙げることができる。塗膜への照射条件は、通常、線量が10〜2,000mJ/cm2、特に50〜1、000mJ/cm2となる範囲内が適している。
【0062】
また、紫外線照射後、必要に応じて塗膜を加熱してもよい。加熱によって塗膜中の未反応物の低減および紫外線照射による塗膜の硬化性や成型加工によって発生した接着膜の歪みの緩和を行なうことができる。この加熱によって接着膜の密着性の向上を行なうことができる。上記加熱は、通常、80〜250℃の雰囲気温度で1〜30分間の条件で行なうことができる。
【0063】
【発明の効果】
本発明接着剤による作用効果を記載して下さい。
【0064】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。なお「部」及び「%」は、いずれも重量基準によるものとする。
【0065】
分子中にグリシジル基を少なくとも1個有する共重合体(B)の製造製造例1;
撹拌機及び冷却器を備えたフラスコに、トルエン500部を仕込み、撹拌しながら95℃まで加温した。ついで同温度に保持しながら、この中に、グリシジルメタクリレート125部、スチレン375部及び2,2´−アゾビスイソブチロニトリル50部を予め混合溶解した混合物を4時間かけて滴下し、重合を行った後、減圧蒸留によりトルエンを除去して共重合体(B)を得た。得られた共重合体(B)は数平均分子量約3,000、グリシジル基濃度1.8当量/kg、ガラス転移温度(Tg)85℃を有していた。
【0066】
実施例1
4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(表1中、「化合物A」と表示する)90部、製造例1で得た共重合体(B)10部、サイラキュアUVI−6990(米国、ユニオンカーバイド社製、PF6− を有する光カチオン重合開始剤)3部を配合し、50℃に保持して20分間撹拌し、実施例1の接着剤を製造した。
【0067】
アプリケーターにて、銅箔に実施例1の接着剤を10μm塗布し、PETフィルムを常圧にてラミネート後、1、000mJ/m2のUV照射を行い、島津製作所社製AUTOGRAPH AG−200Bにて、25℃で、幅10mmの試料を90°方向に50mm/分の速度で引っ張り、ピール強度 g/cm(接着強度)を測定した。
【0068】
実施例2〜4
実施例1において、表1に記載の成分を表1に記載の配合割合で配合した以外は、実施例1と同様にして実施例2〜4の接着剤を製造した。
【0069】
得られた実施例2〜4の接着剤を実施例1と同様にして硬化接着膜を形成し、同様にして試験を行った。
【0070】
比較例1
実施例1において、表1に記載の成分を表1に記載の配合割合で配合した以外は、実施例1と同様にして比較例1の接着剤を製造した。
【0071】
得られた比較例1の接着剤を実施例1と同様にして硬化接着膜を形成し、同様にして試験を行った。
【0072】
実施例及び比較例の結果を表1に示す。
【0073】
表1
【0074】
【表1】
【0075】
表1に記載のR−45EPIはナガセ化成工業(株)製、商品名「デナレックスR−45EPI」、エポキシ化ポリブタジエン樹脂を示す。
Claims (3)
- 下記成分
(A)分子中に脂環式エポキシ基を有する化合物 60〜99重量部、
(B)グリシジル基含有重合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーとの共重合体であり、分子中にグリシジル基を少なくとも1個有しかつガラス転移温度が30℃以上である共重合体 1〜40重量部、及び
(C)紫外線照射によりカチオンを発生するカチオン重合開始剤 0.01〜20重量部、
を含有することを特徴とする紫外線硬化型接着剤組成物。 - 請求項1に記載の紫外線硬化型接着剤組成物に、(D)エポキシ化ポリブタジエン樹脂を化合物(A)及び(B)の合計量100重量部に対して0.1〜40重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
- 請求項1又は2に記載の紫外線硬化型接着剤組成物が、金属とプラスチックとの接着剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外線硬化型接着剤組成物。
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