JP4795570B2 - 紫外線硬化型缶用塗料組成物及び塗装金属缶の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は紫外線照射によって硬化させることができる、加工性、密着性、硬度、耐スリキズ性などの塗膜性能に優れ、特に塗膜外観、耐レトルト性に優れた塗膜を形成することのできる紫外線硬化型缶用塗料組成物、及びこの組成物を使用した塗装金属缶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紫外線硬化型塗料組成物としては、エポキシ基やビニル基を有するカチオン重合性化合物及び紫外線照射によりカチオンを発生するカチオン重合開始剤を含有するカチオン重合型塗料と、ラジカル重合性不飽和基を有するラジカル重合性化合物及び紫外線照射によりラジカルを発生するラジカル重合開始剤を含有するラジカル重合型塗料などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ラジカル重合型塗料は、硬化速度が比較的速いという特徴がある反面、素材への密着性、加工性が不十分であり、また酸素による硬化阻害があるため、表面の硬化性に劣り、特に薄膜(2〜8μ)での使用に際しては窒素封入などの設備が必要であるという問題点がある。
一方、カチオン重合型塗料は、ラジカル重合型塗料と比較して、素材への密着性、加工性が良好であり、また窒素封入などの設備も必要としないなどの利点がある反面、硬化速度が遅いために、塗膜性能、特に塗膜外観、耐レトルト性が不十分であるという問題点がある。
【0004】
また、いずれの重合型塗料も低照射量(100mJ/cm2未満)では硬化性が不十分であるという問題がある。
これは、例えばカチオン硬化に適した脂環式エポキシは、分子内にエステル結合を有することが多いが、エステル結合は、カチオン種と反応してエポキシの重合を妨げることがあるためと言われている。
例えば、特開平10−158581号公報には、分子中に脂環式エポキシ基を有する化合物、分子中にオキセタン環を有する化合物、特定の共重合体、及びカチオン重合開始剤を含有する紫外線硬化型缶用塗料組成物が記載されているが、上記理由により耐レトルト性にかかわる湯中硬度、塗膜外観、耐衝撃性等の問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、窒素封入などの設備を必要としないで薄膜で、かつ低照射量での紫外線照射により硬化することができ、缶用塗料として必要とされる加工性、密着性、硬度、耐スリキズ性などの塗膜性能に優れ、特に塗膜外観、耐レトルト性に優れた塗膜を形成することができ、しかも紫外線照射後の後加熱後、優れた湯中硬度を示す塗膜を形成することができる紫外線硬化型塗料組成物を得ることを目的に、鋭意研究を行なった。
その結果、本発明者らは、特定の構造の脂環式エポキシを所定量使用することにより、上記目的を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明の第1は、
分子中に脂環式エポキシ基を有し、かつエステル結合を持たない化合物(A)10〜100重量部、並びに、分子中に脂環式エポキシ基を有し、かつエステル結合を有する化合物及び/又は分子中に脂環式エポキシ基を有し、かつグリシジル基を有するエポキシ化合物(B)0〜90重量部と、化合物(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、分子中にグリシジル基及び/又は脂環式エポキシ基を少なくとも1個有する共重合体(C)1〜50重量部、並びに、紫外線照射によりカチオンを発生するカチオン重合開始剤(D)0.01〜20重量部を含有し、
前記化合物(A)が、下記一般式(I’)で表されるエポキシ化合物であることを特徴とする紫外線硬化型缶用塗料組成物を提供する。
【0007】
【化2】
【0008】
(式中、Xは酸素原子、硫黄原子、-SO-、-SO2-、-CH2-、-C(CH3)2-、-CBr2-、-C(CBr3)2-、又は-C(CF3)2-、-C(CCl3)2-、-CH(C6H5)-の2価の基、又は二つの脂環を繋ぐ単なる一重結合であり、R1 ’〜R18 ’は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、これらは、水素原子、ハロゲン原子、あるいは酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでよい炭化水素基、又はアルコキシ基である。)
本発明の第2は、共重合体(C)が、グリシジル基含有重合性不飽和モノマー及び/又は脂環式エポキシ基含有重合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーとの共重合体であることを特徴とする本発明の第1記載の紫外線硬化型缶用塗料組成物を提供する。
本発明の第3は、さらに潤滑性付与剤を、化合物(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部含有することを特徴とする本発明の第1記載の紫外線硬化型缶用塗料組成物を提供する。
本発明の第4は、さらに樹脂微粒子を、化合物(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、0.1〜50重量部含有することを特徴とする本発明の第1〜3のいずれかに記載の紫外線硬化型缶用塗料組成物を提供する。
本発明の第5は、本発明の第1〜4のいずれかに記載の紫外線硬化型缶用塗料組成物を、金属板、樹脂フィルム積層金属板又はこれらの金属板を成型した金属缶に塗装し、紫外線を照射して硬化させることを特徴とする塗装金属缶の製造方法を提供する。
なお、本明細書では、上記発明のほか、
分子中に脂環式エポキシ基を有し、かつエステル結合を持たない化合物(A)10〜100重量部、及び分子中に脂環式エポキシ基を有し、かつエステル結合を有する化合物及び/又はグリシジル基を有するエポキシ化合物(B)0〜90重量部と、化合物(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、分子中にグリシジル基及び/又は脂環式エポキシ基を少なくとも1個有する共重合体(C)1〜50重量部、及び紫外線照射によりカチオンを発生するカチオン重合開始剤(D)0.01〜20重量部を含有することを特徴とする紫外線硬化型缶用塗料組成物、についても説明する。
さらに、本明細書では、上記発明のほか、
化合物(A)が、下記一般式(I)で表されるエポキシ化合物であることを特徴とする上記の紫外線硬化型缶用塗料組成物、についても説明する。
【化3】
(式中、Xは酸素原子、硫黄原子、-SO-、-SO 2 -、-CH 2 -、-C(CH 3 ) 2 -、-CBr 2 -、-C(CBr 3 ) 2 -、又は-C(CF 3 ) 2 -、-C(CCl 3 ) 2 -、-CH(C 6 H 5 )-の2価の基、又は二つの脂環を繋ぐ単なる一重結合であり、R 1 〜R 18 は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、これらは、水素原子、ハロゲン原子、あるいは酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでよい炭化水素基、又は置換基を有してもよいアルコキシ基である。)
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の紫外線硬化型缶用塗料組成物は、紫外線照射によってカチオン重合を起こして硬化可能な塗料組成物であり、以下にこの組成物における各成分について説明する。
【0010】
(分子中に脂環式エポキシ基を有する化合物(A))
本発明に用いられる分子中に脂環式エポキシ基を有し、かつエステル結合を持たない化合物(A)(以下、「エポキシ化合物(A)」と略称することがある。)としては、上記の一般式(I)で表されるエポキシ化合物を例示することができる。
上記一般式(I)で表される脂環式エポキシ化合物は、下記一般式(II)で表される脂環式オレフィン化合物を実質的に無水の脂肪族過カルボン酸によって酸化させることにより製造される。
【0011】
【化3】
【0012】
(式中、X及びR1〜R18は前記一般式(1)と同じ意味を有する。)
【0013】
原料として使用する脂環式オレフィン化合物は、対応する水酸基を有する化合物の脱水反応による合成が一般的である。
脂環式オレフィン化合物の製造方法は、特開昭48−29899号公報、特開昭58−172387号公報、特開2000−169399号公報にあるように、例えばシクロヘキサノール構造を有する化合物より合成することができる。
式(II)からわかるように、得られた脂環式オレフィン化合物は置換基Xに対して3,4位に二重結合を有するものが好ましく、脂環式オレフィン化合物の原料となる水酸基を有する化合物としては、置換基Xに対して4位に水酸基を有するものが好ましい。
これらの化合物の例としては、分子中に水酸基の結合したシクロヘキサン環を、少なくとも2つ以上含有する化合物の脱水反応によるものを挙げることができる。
【0014】
分子中に水酸基の結合したシクロヘキサン環を、少なくとも2つ以上含有する化合物としては、例えば、水添ビフェノール、ジシクロヘキサノールメタン、ビス(ジメチルシクロヘキサノール)メタン、1,2−ビス(シクロヘキサノール)エタン、1,3−ビス(シクロヘキサノール)プロパン、1,4−ビス(シクロヘキサノール)ブタン、1,5−ビス(シクロヘキサノール)ペンタン、1,6−ビス(シクロヘキサノール)ヘキサン、2,2−ビス(シクロヘキサノール)プロパン、ビス(シクロヘキサノール)フェニルメタン、α,α−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−4−(4−ヒドロキシ−α,α−ジメチルシクロヘキシル)−エチルベンゼン、3,3−ビス(シクロヘキサノール)ペンタン、5,5−ビス(シクロヘキサノール)ヘプタン、ドデカヒドロフルオレンジオール、トリス(シクロヘキサノール)メタン、トリス(シクロヘキサノール)エタン、1,3,3−トリス(シクロヘキサノール)ブタン、テトラキス(シクロヘキサノール)エタン、2,2−ビス〔4,4’−ビス(シクロヘキサノール)シクロヘキシル〕プロパン、水素化ビスフェノールC(C:シクロヘキサン)、水添ポリフェノール等及びこれらの混合物が挙げられる。
【0015】
脂環式オレフィン化合物の二重結合のエポキシ化に使用できるエポキシ化剤としては、水分を実質的に含まない脂肪族過カルボン酸を使用することが好ましい。これは、水分の存在下でエポキシ化反応を行うと、エポキシ基の開環反応が進みエポキシ化合物の収率が低下するためである。
このため、脂肪族過カルボン酸は実質的に水分を含まないものであり、具体的には脂肪族過カルボン酸中に含まれる水分としては、0.8重量%以下、好ましくは0.6重量%以下である。
本発明で言う実質的に水分を含まない脂肪族過カルボン酸は、アセトアルデヒド等の空気酸化により製造される過酢酸等のことであり、例えば、過酢酸についてはドイツ公開特許公報1418465号や特開昭54−3006号公報に記載された方法により製造される。
この方法によれば、過酸化水素から脂肪族過カルボン酸を合成し、溶媒により抽出して脂肪族過カルボン酸を製造する場合に比べて、連続して大量に高濃度の脂肪族過カルボン酸を合成できるために、実質的に安価に得ることができる。
【0016】
脂肪族過カルボン酸類としては過ギ酸、過酢酸、過イソ酪酸、過トリフルオロ酢酸等を用いることができる。この内特に過酢酸は工業的に安価に入手可能で、かつ安定度も高く、好ましいエポキシ化剤である。
エポキシ化剤である脂肪族過カルボン酸の量に厳密な制限がなく、それぞれの場合における最適量は、使用する個々のエポキシ化剤、所望されるエポキシ化度、使用する個々の被エポキシ化物等のごとき可変要因によって決まる。通常のエポキシ化剤はオレフィン基に対して等モルかそれ以上加えるのが好ましい。ただし、経済性、及び次に述べる副反応の問題から2倍モルを超えることは通常不利であり、過酢酸の場合1〜1.5倍モルが好ましい。
【0017】
エポキシ化反応は、装置や原料物性に応じて不活性溶媒使用の有無や反応温度を調節して行なう。
不活性溶媒としては、原料粘度の低下、エポキシ化剤の希釈による安定化などの目的で使用することができ、過酢酸の場合であれば芳香族化合物、エステル類などを用いることができる。特に好ましい溶媒は、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、酢酸エチル、酢酸メチルである。
【0018】
用いるエポキシ化剤の反応性によって使用できる反応温度域は定まる。一般的には、0℃以上、100℃以下である。好ましいエポキシ化剤である過酢酸についていえば20〜70℃が好ましい。20℃以下では反応が遅く、70℃では過酢酸の分解が起きる。
不飽和結合に対するエポキシ化剤の仕込みモル比は不飽和結合をどれくらい残存させたいかなどの目的に応じて変化させることができる。
反応混合物の特別な操作は必要なく、例えば混合物を1〜5時間攪拌すればよい。得られたエポキシ化物の単離は適当な方法、例えば貧溶媒で沈殿させる方法、エポキシ化物を熱水中に攪拌の下で投入し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶媒法などで行うことができる。
【0019】
上記の様にして得られるエポキシ樹脂は、脂環式エポキシであり、かつエステル結合を含まないエポキシ樹脂を100〜20重量%含有する。
【0020】
(分子中に脂環式エポキシ基を有し、かつエステル結合を有する化合物及び/又は、グリシジル基を有するエポキシ化合物(B))
分子中に脂環式エポキシ基を有し、かつエステル結合を有する化合物及び/又は、グリシジル基を有するエポキシ化合物(B)としては、分子中に脂環式エポキシ基を1個以上、好ましくは1〜2個有する化合物であれば特に制限なく使用することができる。
【0021】
具体例としては、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレン−1,2−ジ(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸)エステル等を挙げることができる。これらの化合物は単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0022】
以上に述べた分子中に脂環式エポキシ基を有する化合物の内、特に好適なものとしては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアルコール、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン又は下記式で表される化合物等を挙げることができる。
【0023】
【化4】
【0024】
本発明には、分子中にオキセタン環を有する化合物を用いることもできる。
本発明の塗料組成物において使用されるオキセタン環を有する化合物は、カチオン重合開始剤の存在下に、紫外線照射によって開環重合しうる下記オキセタン環
【0025】
【化5】
【0026】
を1分子中に少なくとも1個、好ましくは1〜15個、より好ましくは1〜4個有する化合物(以下、オキセタン化合物OXEという。)であり、具体的には、例えば、下記式(4)で示される化合物、並びに後記式(10)、(11)及び(12)で示される化合物等が包含される。
【0027】
【化6】
【0028】
上記式(4)において、R6は水素原子、フッ素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−もしくはt−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル基など)、炭素原子数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状フルオロアルキル基(例えば、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、パーフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロブチル、パーフルオロヘキシル基など)、アリル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、トリル、キシリル基など)、アラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル基など)、フリル基又はチエニル基を表わし;R7はpの値に対応する価数を有しそして水素原子又は1〜4価の有機基を表わし;Zは酸素原子又は硫黄原子を表わし;pは1〜4の整数である。
【0029】
R7が表わしうる1〜4価の有機基としては、O、S、N及びFから選ばれる少なくとも1種の異種原子及び/又はシロキサン結合を含有していてもよい、炭素原子数1〜30の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の1〜4価の炭化水素基が挙げられる。
【0030】
より具体的に、R7が表わしうる1価の基としては、例えば、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−もしくはt−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル基など)、炭素原子数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状アルコキシアルキル基(例えばメトキシエチル、エトキシエチル、ブトキシエチル、エトキシメチル基など)、炭素原子数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状フルオロアルキル基(例えば、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、パーフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロブチル、パーフルオロヘキシル基など)、アリル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、トリル、キシリル基など)、アラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル基など)、フリル基、チエニル基、エポキシ含有基(例えば、グリシジル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル基など)等が挙げられる。
【0031】
また、R7が表わしうる2価の基としては、例えば、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基(特に、メチレン、エチレン、1,2−もしくは1,3−プロピレン、ブチレン、シクロヘキシレン基などの炭素原子数1〜15のアルキレン基)、炭素原子数4〜30、好ましくは4〜8のポリ(アルキレンオキシ)基(例えば、ポリ(エチレンオキシ)、ポリ(プロピレンオキシ)基など)、フェニレン基、キシリレン基、下記式(5)及び(6)、
【0032】
【化7】
【0033】
(式中、R8はO、S、CH2、NH、SO、SO2、C(CF3)2又はC(CH3)2を表わす)
【0034】
【化8】
【0035】
(式中、R9は炭素原子数1〜6のアルキレン基、アリーレン基又は直接結合を表わす)
で示される基、アルキレン基とアルキレン基とが(ポリ)シロキサン鎖で結合された炭素原子数2〜30、好ましくは2〜6の基(例えば、該アルキレン基がエチレン又はプロピレン基であり、(ポリ)シロキサン鎖の分子量が130〜15,000、特に130〜500のもの、好ましくは下記式(7)で示されるもの)等が挙げられる。
【0036】
【化9】
【0037】
(式中、kは1〜6の整数を表わし、lは2又は3である。)
【0038】
さらに、R7が表わしうる3又は4価の基としては、例えば、下記式(8)〜(11)で示される基等が挙げられる。
【0039】
【化10】
【0040】
(式中、R10は炭素原子数1〜6のアルキル基、例えばエチル基を表わす)
【0041】
【化11】
【0042】
(式中、4つのR11は同一又は異なり、それぞれ炭素原子数1〜6のアルキレン基、例えばエチレン基を表わす)
【0043】
【化12】
【0044】
(式中、2個のR12は同一又は異なり、それぞれ水素原子、フッ素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基又はチエニル基を表わす)
【0045】
R7が表わしうる1〜4価の有機基の内、1価又は2価の基が好適であり(すなわち、pは1又は2が好適であり)、中でも、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシルなどの炭素原子数1〜6のアルキル基;アリル基;グリシジル基;ビニル基;エトキシエチル、メトキシエチルなどの炭素原子数1〜6のアルコキシアルキル基;ベンジル基;メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレンなどの炭素原子数1〜6のアルキレン基;p−キシリレン基;下記式で示される基が好適である。
【0046】
【化13】
【0047】
また、前記式(4)において、R6としては、水素原子;メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシルなどの炭素原子数1〜6のアルキル基;アリル基が好適であり、なかでも水素原子、メチル基、エチル基が好適である。
【0048】
分子中にオキセタン環を少なくとも1個有する化合物(OXE)の内、(OXE−1):分子中にオキセタン環及び水酸基をそれぞれ少なくとも1個、好ましくはそれぞれ1個ずつ有する化合物;及び(OXE−2):分子中にオキセタン環を少なくとも2個又はオキセタン環をエポキシ基とを有する化合物が好適である。
【0049】
上記オキセタン化合物(OXE−1)としては、例えば、pが1であり且つR7が水素原子である場合の前記式(4)の化合物、特に下記式(4−1)で示される化合物を挙げることができる。
【0050】
【化14】
【0051】
(式中、R61は、水素原子、フッ素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル基、炭素原子数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状フルオロアルキル基又はアリル基を表わす。)
【0052】
上記式(4−1)で示される化合物の代表例としては、R4がエチル基である場合の式(4−1)の化合物を挙げることができる。
【0053】
また、上記オキセタン化合物(OXE−2)の内、分子中にオキセタン環を少なくとも2個有する化合物(以下、ポリオキセタン化合物という)としては、pが2〜4の整数である場合の前記式(4)の化合物が挙げられ、中でも、下記式(4−2)で示される化合物が好適である。
【0054】
【化15】
【0055】
(式中、R61は前記と同じ意味を有し、R71は式(4)においてR7に対して定義した2〜4価の有機基を表わし、qは2〜4の整数を表わす。)
【0056】
上記式(4−2)で示される化合物の代表例としては、R61がエチル基であり且つR71が1,4−テトラメチレン基、ドデカメチレン基、o−、m−もしくはp−キシリレン基、R9がエチレン基である上記式(6)の基又は上記式(7)の基である場合の式(4−2)の化合物を挙げることができる。
【0057】
ポリオキセタン化合物としては、上記式(4−2)で示される化合物のほかに、下記式(12)、(13)及び(14)で示される化合物を挙げることができる。
【0058】
【化16】
【0059】
(式中、2個のR61は同一又は異なり、それぞれ前記と同じ意味を有し、特にエチル基が好適である。)
【0060】
【化17】
【0061】
(式中、sは25〜200の整数を表わす。)
【0062】
さらに、前記オキセタン化合物(OXE−2)の内、分子中にオキセタン環をエポキシ基とを有する化合物(以下、エポキシ含有オキセタン化合物という。)は、分子中にオキセタン環とエポキシ基とをそれぞれ1個ずつ有する、好ましくは分子量が1000未満の化合物を包含し、具体的には、例えば下記式(15)で示される化合物を挙げることができる。
【0063】
【化18】
【0064】
(式中、R13はエポキシ基含有基を表わし、R61は前記と同じ意味を有する。)
【0065】
また、エポキシ含有オキセタン化合物の代表例としては、上記式(15)において、R61がエチル基であり且つR13がグリシジル基又は3,4−エポキシシクロヘキシルメチル基である場合の化合物が挙げられる。
【0066】
以上に述べたオキセタン化合物(OXE)は、それぞれ単独で使用することができ、又は2種もしくはそれ以上を組合わせて使用することがでる。特に、前記の化合物(OXE−1)と化合物(OXE−2)とを組合わせ使用するのが好適である。併用する場合のオキセタン化合物(OXE−1)及び(OXE−2)のそれぞれの使用量は、前記エポキシ化合物(A)とエポキシ化合物(B)の合計量100重量部とに対して、オキセタン化合物(OXE−1)は1〜75重量部、好ましくは3〜50重量部、そしてオキセタン化合物(OXE−2)は1〜75重量部、好ましくは3〜50重量部の範囲内とすることができる。
【0067】
(分子中にグリシジル基及び/又は、脂環式エポキシ基を少なくとも1個有する共重合体(C))
本発明の塗料組成物において使用される共重合体(C)は、分子中に分子中にグリシジル基を及び/又は、脂環式エポキシ基を少なくとも1個有する共重合体である。
【0068】
該共重合体の原料となるエポキシ基含有モノマーとしては、エポキシ基含有を含有する重合性不飽和モノマーであれば特に制限なく使用することができるが、代表例として、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルアクリレート、メチルグリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。これらの内、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが好適に使用される。
【0069】
該共重合体の原料となる脂環式エポキシ基含有モノマーは、サイクロマー A200、M100(ダイセル化学(株)社製)等が例示される。
【0070】
上記エポキシ基含有モノマーと共重合可能な他のモノマーは、得られる共重合体(C)の目的とする性能などに応じ、必要に応じて適宜使用されるモノマーであり、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−,i−又はt−ブチルアクリレート、n−,i−もしくはt−ブチルメタアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等の如きアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキル又はシクロアルキルエステル;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜8個のヒドロキシアルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどのアクリルアミドもしくはメタクリルアミド又はこれらの誘導体;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルピバレート、ベオバモノマー(シェル化学社製、分岐脂肪酸のビニルエステル)、サイラプレーンFM0711、同FM0721、同FM0725(以上、いずれもチッソ社製、末端にメタクリロイル基を有するポリジメチルシロキサンマクロモノマー)などのその他のビニル単量体を挙げることができる。
【0071】
共重合体(C)は、上記エポキシ基含有モノマー及び必要に応じて他のモノマーからなるモノマー成分を、例えばラジカル重合開始剤の存在下または不存在下に、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合などのそれ自体既知の重合方法にて重合することにより得ることができる。共重合体(C)は、数平均分子量が1,000〜100,000、更には2,000〜50,000の範囲内にあることが好適である。
【0072】
共重合体(C)の重合における各モノマー成分の配合割合は、モノマー成分合計量100重量部に対し、以下の範囲内にあることが好適である。
【0073】
エポキシ基含有モノマー:10〜95重量部、好ましくは20〜80重量部。
他のモノマー:0〜85重量部、好ましくは10〜70重量部。
【0074】
共重合体(C)においてエポキシ基の濃度は、0.1〜7.0当量/kg、更には0.2〜5.0当量/kgの範囲内にあることが好ましい。
【0075】
共重合体(C)の重合において、他のモノマーとして、サイラプレーンFM0721(チッソ社製)などのポリジメチルシロキサンマクロモノマーを使用することにより、得られる塗膜のレベリング性や、レトルト処理後における塗膜の滑性を向上させることができる。
【0076】
(カチオン重合開始剤(D))
本発明において使用されるカチオン重合開始剤(D)は、紫外線照射によってカチオンを発生して重合を開始させる化合物であり、例えば、下記式(I)〜(XV)で示されるヘキサフルオロアンチモネート塩、ペンタフルオロヒドロキシアンチモネート塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアルゼネート塩及びその他のカチオン重合開始剤を挙げることができる。
【0077】
Ar2I+・X- (I)
(式中、Arはアリール基、例えばフェニル基を表わし、X-はPF6 -、SbF6 -又はAsF6 -を表わす)、
Ar3S+・X- (II)
(式中、Ar及びX-は上記と同じ意味を有する)、
【0078】
【化19】
【0079】
(式中、R20は炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表わし、rは0〜3の整数を表わし、X-は上記と同じ意味を有する)、
【0080】
【化20】
【0081】
(式中、Y-はPF6 -、SbF6 -、AsF6 -又はSbF5(OH)-を表わす)
【0082】
【化21】
【0083】
(式中、X-は上記と同じ意味を有する)
【0084】
【化22】
【0085】
(式中、X-は上記と同じ意味を有する)
【0086】
【化23】
【0087】
(式中、X-は上記と同じ意味を有する)
【0088】
【化24】
【0089】
(式中、R21は炭素原子数7〜15のアラルキル基又は炭素原子数3〜9のアルケニル基を表わし、R22は炭素原子数1〜7の炭化水素基又はヒドロキシフェニル基を表わし、R23は酸素原子又は硫黄原子を含有していてもよい炭素原子数1〜5のアルキル基を表わし、X-は上記の意味を有する)、
【0090】
【化25】
【0091】
(式中、R24及びR25はそれぞれ独立に炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表わす)、
【0092】
【化26】
【0093】
(式中、R24及びR25は上記と同じ意味を有する)、
【0094】
【化27】
【0095】
カチオン重合開始剤(D)としては市販品を使用することもでき、市販品としては、例えば、UVACURE1591 (米国UCB社製)CD−1010,CD−1011,CD−1012,(米国サートマー社製)、イルガキュア264(チバガイギー社製)、CIT−1682(日本曹達(株)製)などを挙げることができる。
【0096】
以上に述べたカチオン重合開始剤の内、毒性、汎用性等の観点から、ヘキサフルオロフォスフェートアニオン(PF6 -)を有する化合物が好ましい。
【0097】
本発明の塗料組成物には、必須成分である上記(A)、(B)、(C)及び(D)成分以外に、必要に応じて、潤滑性付与剤;増感剤;硬化を著しく阻害しない量の着色顔料、体質顔料などの顔料類、染料;ポリオール樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン樹脂などの改質樹脂;有機樹脂微粒子;溶剤などを配合することができる。
【0098】
上記潤滑性付与剤は、得られる塗膜の潤滑性を向上させる目的で配合されるものであり、例えば、ポリオール化合物と脂肪酸とのエステル化物である脂肪酸エステルワックス、シリコン系ワックス、フッ素系ワックス、ポリオレフィンワックス、動物系ワックス、植物系ワックスなどのワックス類を挙げることができる。
【0099】
上記脂肪酸エステルワックスの原料となるポリオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−又は1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ジ又はそれ以上のポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどを挙げることができる。これらの内、1分子中に3個以上の水酸基を有するポリオール化合物が好ましく、中でもポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが好適である。
【0100】
上記脂肪酸エステルワックスのもう一方の原料となる脂肪酸としては、飽和又は不飽和の脂肪酸を挙げることができ、炭素原子数6〜32の脂肪酸であることが好ましい。好適な脂肪酸の具体例としては、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などの飽和脂肪酸;カプロレイン酸、ウンデシレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、セトレイン酸、エルカ酸、リカン酸、リシノール酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸を挙げることができる。
【0101】
脂肪酸エステルワックスとしては、上記ポリオール化合物の水酸基の数の少なくとも1/3が脂肪酸でエステル化されたものが好ましい。
【0102】
シリコン系ワックスとしては、例えば、BYK−300、BYK−320、BYK−330[以上、BYKChemie(ビックケミー)社製]、シルウェットL−77、シルウェットL−720、シルウェットL−7602[以上、日本ユニカー(株)製]、ペインタッド29、ペインタッド32、ペインタッドM[以上、ダウコーニング社製]、信越シリコーンKF−96[信越化学社製]等が挙げられ、また、フッ素系ワックスとしては、例えば、シャムロックワックスSST−1MG、シャムロックワックスSST−3、シャムロックワックスフルオロスリップ231[以上、シャムロックケミカルズ社製]、POLYFLUO(ポリフルオ)120、同150、同400[マイクロパウダーズ社]等が挙げられる。
【0103】
ポリオレフインワックスとしては、例えば、シャムロックワックスS−394、シャムロックワックスS−395[以上、シャムロックケミカルズ社製]、ヘキストワックスPE−520、ヘキストワックスPE−521[以上、ヘキスト社製]、三井ハイワックス[三井化学工業社製]等が挙げられ、さらに、動物系ワックスとしては、例えば、ラノリン、蜜ろう等が挙げられ、植物系ワックスとしては、例えば、カルナウバワックス、蜜ろう等が挙げられる。
【0104】
以上に述べた如き潤滑性付与剤は単独で又は2種もしくはそれ以上を組合わせて使用することができる。潤滑性付与剤の配合量は、(A)分子中に脂環式エポキシ基を有しかつエステル結合を持たない化合物及び(B)分子中に脂環式エポキシ基を有しかつエステル結合を有する化合物又は、グリシジル基を有するエポキシ化合物との合計量100重量部に対して、通常10重量部以下、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜3重量部の範囲内とすることができる。
【0105】
上記潤滑性付与剤の内、シリコン系ワックスは、塗装硬化後レトルト処理前における潤滑付与性に優れており、また、脂肪酸エステルワックスは、塗装硬化しレトルト処理後における潤滑付与性に優れている。従って、シリコン系ワックス及び脂肪酸エステルワックスから選ばれる少なくとも1種を配合することが好ましい。なかでもエポキシ化合物(A)とオキセタン化合物(B)との合計量100重量部に対して、シリコン系ワックス0.01〜5重量部と脂肪酸エステルワックス0.1〜5重量部とを併用すると、レトルト処理前後における潤滑付与性に優れた塗膜とすることができる。
【0106】
前記増感剤は、紫外線による硬化性をさらに向上させる目的で配合されるものであり、例えば、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾフラビンなどを挙げることができる。この増感剤の配合量は、エポキシ化合物(A)とエポキシ化合物(B)との合計量100重量部に対して通常10重量部以下、好ましくは3重量部以下の範囲内で使用される。
【0107】
また、改質樹脂を配合する場合には、該改質樹脂は、分子中に脂環式エポキシ基を有しかつエステル結合を持たない化合物(A)、及び分子中に脂環式エポキシ基を有しかつエステル結合を有する化合物及び/又は、グリシジル基を有するエポキシ化合物(B)の合計量100重量部に対して通常0.1〜50重量部、特に5〜20重量部の範囲内で使用することが好ましい。改質樹脂としては、中でも、エポキシ化ポリブタジエン樹脂が塗膜の加工性、密着性等の改良に特に効果的である。
【0108】
前記有機樹脂微粒子としては、粒子径が50〜500nmの範囲内の有機樹脂微粒子が好ましく、例えば内部が3次元架橋したアクリル樹脂微粒子などを挙げることができる。有機樹脂微粒子としては、有機重合体を粉砕して微粒子化したもの;乳化剤の存在下に水中でエマルジョン重合して得られる重合体微粒子を乾燥、粉砕したもの;高分子安定剤の存在下に有機溶剤中でディスパージョン重合して得られる重合体微粒子を乾燥、粉砕したものなどを挙げることができる。本発明の塗料組成物に有機樹脂微粒子を配合することによって塗膜の密着性及び加工性を改良することができる。有機樹脂微粒子を配合する場合には、該有機樹脂微粒子の配合量は、エポキシ化合物(A)とエポキシ化合物(B)の合計量100重量部に対して通常0.1〜50重量部、特に1〜10重量部の範囲内であることが好ましい。
【0109】
(塗料組成物)
本発明の塗料組成物は、以上に述べた各成分を混合し、均一な塗料組成物となるように撹拌することにより調製することができる。例えば、各成分を混合し、必要に応じて加温(例えば50℃程度)し、ディソルバーなどの撹拌機にて均一になるまで、例えば10分間程度撹拌することにより調製することができる。
【0110】
その際の分子中に脂環式エポキシ基を有しかつエステル結合を持たない化合物(A)、及び分子中に脂環式エポキシ基を有しかつエステル結合を有する化合物及び/又は、グリシジル基を有するエポキシ化合物(B)、共重合体(C)及びカチオン重合開始剤(D)の使用割合は下記のとおりとすることができる。
【0111】
すなわち、分子中に脂環式エポキシ基を有しかつエステル結合を持たない化合物(A)、及び分子中に脂環式エポキシ基を有しかつエステル結合を有する化合物及び/又は、グリシジル基を有するエポキシ化合物(B)は、両者の合計量が100重量部となる割合において、化合物(A)は10〜90重量部、好ましくは20〜70重量部、さらに好ましくは30〜60重量部、そして化合物(B)は10〜90重量部、好ましくは30〜80重量部、さらに好ましくは40〜70重量部の範囲内で使用することができる。両者の合計量100重量部中において、エポキシ化合物(A)の量が10重量部未満となると、得られる塗膜の硬度、密着性が劣り、一方、エポキシ化合物(A)の量が90重量部を超えると、低照射量の紫外線照射による塗膜の硬化性、耐レトルト性が劣る。
【0112】
共重合体(C)の使用量は、分子中に脂環式エポキシ基を有しかつエステル結合を持たない化合物(A)、及び分子中に脂環式エポキシ基を有しかつエステル結合を有する化合物及び/又は、グリシジル基を有するエポキシ化合物(B)の合計量100重量部に対して、通常1〜50重量部、好ましくは3〜30重量部、さらに好ましくは5〜20重量部の範囲内とすることができる。共重合体(C)の量が1重量部未満では、低照射量での紫外線照射の際の後加熱後の塗膜の湯中硬度、塗膜の付着性、塗膜硬度などが低下し、一方、共重合体(C)の量が50重量部を超えると、特に低照射量での紫外線照射による硬化性が劣り、塗膜の硬度、耐レトルト性が低下する。
【0113】
また、カチオン重合開始剤(D)の使用量は、分子中に脂環式エポキシ基を有しかつエステル結合を持たない化合物(A)、及び分子中に脂環式エポキシ基を有しかつエステル結合を有する化合物及び/又は、グリシジル基を有するエポキシ化合物(B)の合計量100重量部に対して、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部の範囲内とすることができる。
【0114】
本発明の紫外線硬化型缶用塗料組成物は、紫外線硬化性を有しており、ブリキ、アルミニウム、ティンフリースチール、鉄、亜鉛、銅、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛と他の金属との合金メッキ鋼板などの金属缶に成型加工される金属板(この金属板には燐酸亜鉛処理やクロメート処理などの化成処理が施されていてもよい);これらの金属板に、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニルなどの樹脂フィルムが積層されてなる樹脂フィルム積層金属板;又はこれらの金属板を成型した金属缶に塗装し、紫外線を照射することによって硬化塗膜を形成することができる。塗装膜厚は、用途によって適宜選択することができるが、通常、乾燥塗膜厚として約2〜20μm、好ましくは約2〜8μmの範囲内とすることができる。
【0115】
本発明の紫外線硬化型缶用塗料組成物は、例えば、ロールコート塗装、スプレー塗装、ハケ塗り、バーコート塗装、ローラー塗り、シルクスクリーン印刷などの塗装法によって塗装することができる。塗膜が溶剤を含有する場合には、塗装後、加熱などにより溶剤を除去した後、塗膜は紫外線照射によって硬化されるが、照射条件は塗装された塗料組成物の種類や膜厚等に応じて適宜変えることができる。照射する紫外線の波長としては、通常、200〜600nmの範囲内が適当であり、カチオン重合開始剤の種類等に応じて、感度の高い波長を有する照射源を適宜選択して使用することができる。
【0116】
紫外線の照射源としては、例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光などを挙げることができる。塗膜への照射条件は、通常、線量が10〜1,000mJ/cm2、特に50〜500mJ/cm2となる範囲内が適している。
【0117】
また、紫外線照射後、必要に応じて塗膜を加熱してもよい。加熱によって塗膜中の未反応物の低減および紫外線照射による塗膜の硬化性や成型加工によって発生した塗膜の歪みの緩和を行なうことができる。この加熱によって塗膜の硬度や密着性の向上を行なうことができる場合がある。上記加熱は、通常、150〜250℃の雰囲気温度で1〜30分間の条件で行なうことができる。
【0118】
本発明の紫外線硬化型缶用塗料組成物は、分子中に脂環式エポキシ基を有しかつエステル結合を持たない化合物(A)、及び分子中に脂環式エポキシ基を有しかつエステル結合を有する化合物及び/又は、グリシジル基を有するエポキシ化合物(B)と共重合体(C)とを被膜形成性樹脂成分として含有しており、カチオン重合開始剤(D)の存在下で、窒素封入などの設備を必要とすることなく、低照射量の紫外線照射によっても効率よくカチオン重合により硬化させることができ、薄膜においても缶用塗料として必要とされる加工性、密着性、硬度、耐スリキズ性などの塗膜性能に優れており、さらに、塗膜外観、耐レトルト性にも優れた塗膜を形成することができる。
従って、本発明の塗料組成物は、缶外面用の塗料として特に好適である。
【0119】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、「部」及び「%」は、いずれも重量基準によるものである。
【0120】
(過酢酸溶液の製造)
参考製造例1
空気吹き込み口、ガス分散多孔板、冷却ジャケットを備えた300mlステンレス製反応器に酢酸コバルトを含む10%アセトアルデヒド−酢酸エチル溶液を114kg/hで仕込ながら圧縮空気を吹き込み、45℃で反応を行った。反応液は、過酢酸10.1%、アセトアルデヒドモノパーアセテート2.2%、酢酸2.0%を含んでいた。この溶液をポリリン酸ナトリウムとともに蒸留塔に仕込み濃縮を行い過酢酸溶液を得た。この過酢酸溶液は、過酢酸濃度29.1%、水分は、0.47%であった。
【0121】
(エポキシ化合物(A)の製造)
参考製造例2
撹拌器、冷却管、温度計、窒素導入管を備えた1リットルのジャケット付きフラスコに水36g、硫酸水素ナトリウム12.0g、イソプロピリデン−4,4’−ジシクロヘキサノール(アルドリッチ製)500g、溶媒としてソルベッソ150(エクソン化学製)500gを加えて100℃で脱水反応させた。
水の留出が無くなった時点で反応終了とした。反応液をガスクロマトグラフィーで分析を行ったところ、96%の収率で2,2−ビス(3’,4’−シクロヘキセニル)プロパンが生成していた。得られた反応液を、分液漏斗を用いて500mlのイオン交換水で洗浄した後、有機層を減圧蒸留し無色透明液状の2,2−ビス(3’,4’−シクロヘキセニル)プロパン387.0gを得、その純度は96.1%であった。
この2,2−ビス(3’,4’−シクロヘキセニル)プロパン100g、酢酸エチル300gを前記と同様の1リットルのジャケット付きフラスコに仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、反応系内の温度を30℃になるように約2時間かけて、参考製造例1で得られた実質的に無水の過酢酸の酢酸エチル溶液307.2g(過酢酸濃度:29.1%、水分含量0.47%)を滴下した。過酢酸滴下終了後、30℃で3Hr熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了液を水洗し、70℃/20mmHgで脱低沸を行い、エポキシ化合物(A1)を99.4gを得た。エポキシ化合物(A1)中の2,2−ビス(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)プロパンの純度は93.4%であった。
得られた製品の性状は、オキシラン酸素濃度11.3%、粘度3,550cP(25℃)であり、1HNMRからδ4.5〜5ppm付近の内部二重結合に由来するピークが消失し、δ2.9〜3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認された。
【0122】
参考製造例3
撹拌器、冷却管、温度計、窒素導入管を備えた1リットルジャケット付きフラスコに4,4’−ジシクロヘキサノールメタン300g、トルエン600g、パラトルエンスルホン酸3gを加えて110℃で脱水反応させた。
水の留出が無くなった時点で反応終了とした。反応液をガスクロマトグラフィーで分析を行ったところ、96%の収率でジ(3,4−シクロヘキセニル)メタンが生成していた。得られた反応液を、分液漏斗を用いて500mlのイオン交換水で洗浄した後、有機層を減圧蒸留し無色透明液状のジ(3,4−シクロヘキセニル)メタンを269g得た。
このジ(3,4−シクロヘキセニル)メタン100gと酢酸エチル200gを参考製造例2と同様の1リットルのジャケット付きフラスコに仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、反応系内の温度が25℃になるように約3時間かけて、参考製造例1で得られた実質的に無水の過酢酸の酢酸エチル溶液276.2g(過酢酸濃度:29.1%)を滴下した。過酢酸滴下終了後、30℃で4Hr熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了液を水洗し、70℃/30mmHgで脱低沸を行い、エポキシ化物(A2)106.4gを得た。エポキシ化合物(A2)中のジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)メタンの純度は91.8%であった。
得られた製品の性状は、オキシラン酸素濃度13.8%、粘度2,590cP(25℃)であり、1HNMRからδ4.5〜5付近の二重結合に由来するピークが消失し、δ2.9〜3.3付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認された。
【0123】
参考製造例4
水添ビスフェノールスルフォン(即ち、4,4’−ジシクロヘキサノールスルフォン)400gと溶媒としてソルベッソ150(エクソン化学製)500gを使用した他は参考製造例2と同様に行い、ジ(3,4−シクロヘキセニル)スルフォン330gを得、その純度は92.2%であった。
この反応物100gと酢酸エチル300gを前記と同様の1リットルのジャケット付きフラスコに仕込み、気相部に窒素を吹込みながら、反応系内の温度を40℃になるように約2時間かけて過酢酸の酢酸エチル溶液242.7g(過酢酸濃度:29.1%)を滴下した。過酢酸滴下終了後、40℃で4Hr熟成し反応を終了した。さらに30℃で粗液を水洗し、70℃/30mmHgで脱低沸を行い、エポキシ化合物(A3)97.0gを得た。エポキシ化合物(A3)中のジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)スルフォンの純度は90.3%であった。
得られた製品の性状は、オキシラン酸素濃度10.8%、粘度6,700cP(25℃)であり、1HNMRからδ4.5〜5付近の二重結合に由来するピークが消失し、δ2.9〜3.3付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認された。
【0124】
(分子中にエポキシ基を少なくとも1個有する共重合体(C)の製造)
製造例1
撹拌機及び冷却器を備えたフラスコに、トルエン500部を仕込み、撹拌しながら95℃まで加温した。ついで同温度に保持しながら、この中に、グリシジルメタクリレート150部、n−ブチルメタクリレート250部及び2,2′−アゾビスイソブチロニトリル50部を予め混合溶解した混合物を4時間かけて滴下し、重合を行った後、減圧蒸留によりトルエンを除去して共重合体(C)を得た。
得られた共重合体(C)は数平均分子量約2500、及びオキシラン酸素濃度1.4%を有していた。
【0125】
製造例2〜3
製造例1において、滴下する混合物の組成を下記表1に示すとおりとする以外は、製造例1と同様に行い各種共重合体を得た。得られた共重合体の数平均分子量、オキセタン環濃度及びグリシジル基濃度を下記表1に示す。表1における各成分の量は、重量部による表示である。
【0126】
【表1】
【0127】
1)GMA:グリシジルメタクリレート
2)CYMA−200:エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、商品名サイクロマーA−200(ダイセル化学(株)社製)
3)n−BMA:n−ブチルメタクリレート
4)AIBN:2,2′−アゾビスイソブチロニトリル
5)HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
【0128】
実施例1〜7及び比較例1〜2
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(表2中、CEL−2021Pと表示する)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(表2中、OXEと表示する)、前記式(12)においてR61のいずれもがエチル基である化合物(表2中、E−DOAと表示する)、各製造例で得た共重合体、UVACURE1591(米国、UCB社製、PF6-を有する光カチオン重合開始剤)、重合度10のポリグリセリンであるデカグリセリンエーテル(1分子中に水酸基を12個有する)1モルとラウリン酸10モルとを反応させてなる脂肪酸エステルワックス1部及びペインタッドM(ダウコーニング社製、シリコンワックス)0.2部を配合し、50℃に保持して20分間撹拌して紫外線硬化型缶用塗料組成物を得た。
【0129】
【表2】
【0130】
1)E-DOA:参考製造例2の化合物
2)E−DOA−f:参考製造例3の化合物
3)CEL−2021P:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学(株)社製)
4)CEL−3000:1,2,8,9−ジエポキシリモネン(ダイセル化学(株)社製)
5)OXE:3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(宇部興産社製)6)UVACURE-1591:スルホニウム塩系のカチオン触媒(ダイセル・ユーシービー株式会社製)
【0131】
試験塗板の作成
上記実施例及び比較例で得た各塗料組成物を、厚さ0.20mmのティンフリースチール板(TFS)、及び厚さ0.20mmのティンフリースチール板に厚さ12μmのホモPET(ポリエチレンテレフタレート)シートを熱圧着したPET鋼板に、それぞれ乾燥膜厚が5μmとなるように塗装し、紫外線照射を高圧水銀灯(160W/cm)を用い、塗装板との距離15cmから、エネルギー線量が80mJ/cm2となるように行ない塗膜を硬化させて試験塗板とした。
得られた各試験塗板について、下記の試験方法に基づいて試験を行なった。なお、試験はすべて20℃において行なった。
【0132】
試験方法
鉛筆硬度:試験塗板の塗膜に、JIS K−5400 8.4.2(1990)に規定する鉛筆引っかき試験で行った。評価はやぶれ法で行った。
【0133】
耐衝撃性(デュポン式):JIS K−5400 8.3.2(1990)に準じデュポン衝撃試験機を用い試験塗板に塗膜面の反対側から、撃芯の直径3/8インチ、落錘荷重500g、落錘高さ30cmの条件で衝撃加工を行い、加工部をマイクロスコープで観察し、以下の基準によって評価した。
◎:クラックも塗膜の剥がれも全く見られない。
○:わずかにクラックが見られるが塗膜の剥がれは見られない。
△:かなりのクラックが見られるが塗膜の剥がれは見られない。
×:塗膜の剥がれが見られる。
【0134】
密着性:JIS K−5400 8.5.2(1990)碁盤目テープ法に準じて、試験塗板の塗板面に1.5mm×1.5mmのマス目を100個作成し、その表面に粘着セロハンテープを貼着し、急激に剥がした後のマス目の状態を以下の基準によって評価した。
◎:剥離は全く認められない。
○:マス目のフチがわずかにとれる。
△:マス目のフチ以外にもわずかに剥離が認められる。
×:著しい剥離が認められる。
【0135】
湯中硬度:試験塗板を200℃で1分間加熱した後、80℃の温水中に10分間浸漬し、80℃の温水中にて鉛筆硬度を測定した。
評価はJIS K−5400 8.4.2(1990)におけるやぶれ法にて行った。
【0136】
また、前記実施例及び比較例で得た各塗料組成物について、下記方法に従ってレベリング性の試験を行った。
【0137】
レベリング性:各塗料組成物を、ロールコート法(ナチュラル塗装)により乾燥膜厚が5μmとなるようにPET鋼板上に塗装し、塗装から紫外線照射までが0.5秒となる条件で紫外線照射を行って硬化させたときの塗面外観を目視にて評価した。評価は下記基準に従って行った。
◎:塗面にロール目が見られず平滑性に優れている。
○:塗面にロール目がわずかに見られるが、平滑性良好である。
△:塗面にロール目がかなり見られ、平滑性がかなり劣る。
×:塗面にロール目が顕著に見られ、平滑性が著しく劣る。
【0138】
試験結果
上記試験の結果を下記表3に示す。
【0139】
【表3】
【0140】
【表4】
【0141】
【発明の効果】
本発明の紫外線硬化型缶用塗料組成物は、低照射量での紫外線照射によって硬化させることができ、その硬化物は、加工性、密着性、硬度、耐スリキズ性などの塗膜性能に優れ、特に塗膜外観、耐レトルト性に優れている。
Claims (5)
- 分子中に脂環式エポキシ基を有し、かつエステル結合を持たない化合物(A)10〜100重量部、並びに、分子中に脂環式エポキシ基を有し、かつエステル結合を有する化合物及び/又は分子中に脂環式エポキシ基を有し、かつグリシジル基を有するエポキシ化合物(B)0〜90重量部と、化合物(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、分子中にグリシジル基及び/又は脂環式エポキシ基を少なくとも1個有する共重合体(C)1〜50重量部、並びに、紫外線照射によりカチオンを発生するカチオン重合開始剤(D)0.01〜20重量部を含有し、
前記化合物(A)が、下記一般式(I’)で表されるエポキシ化合物であることを特徴とする紫外線硬化型缶用塗料組成物。
- 共重合体(C)が、グリシジル基含有重合性不飽和モノマー及び/又は脂環式エポキシ基含有重合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーとの共重合体であることを特徴とする請求項1記載の紫外線硬化型缶用塗料組成物。
- さらに潤滑性付与剤を、化合物(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部含有することを特徴とする請求項1記載の紫外線硬化型缶用塗料組成物。
- さらに樹脂微粒子を、化合物(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、0.1〜50重量部含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線硬化型缶用塗料組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の紫外線硬化型缶用塗料組成物を、金属板、樹脂フィルム積層金属板又はこれらの金属板を成型した金属缶に塗装し、紫外線を照射して硬化させることを特徴とする塗装金属缶の製造方法。
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