JP4688503B2 - 高純度脂環式ジエポキシ化合物およびその製造方法 - Google Patents

高純度脂環式ジエポキシ化合物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、脂環式ジオレフィン化合物を実質的に水分を含まない脂肪族過カルボン酸により酸化し、精製して得られた高純度脂環式ジエポキシ化合物およびその製造方法に関する。より詳しくは、下記一般式(I)
3,3’−シクロヘキセニル骨格を持つ化合物以外の構造異性体の比率が15%以下であるジオレフィンを原料として用いた高純度脂環式ジエポキシ化合物および蒸留精製による同脂環式ジエポキシ化合物の製造方法に関する。該脂環式ジエポキシ化合物は、コーティング、インキ、接着剤、シーラント、安定剤、絶縁材、液晶等表示材のように耐熱性や透明性が要求される用途で有用である。
分子内に2個の脂環骨格を持つジエポキシ化合物は、現在さまざまな種類のものが市販されている。例えばCEL-2021(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、CEL-3000(1,2,8,9−ジエポキシリモネン)、CEL-2081(ε−カプロラクトンオリゴマーの両端に、それぞれ3,4−エポキシシクロヘキシルメタノールと3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸がエステル結合したもの)[以上、ダイセル化学工業(株)製]がある。上記CEL-3000は、エポキシ基を構成する炭素にメチル基があるため、メチル基の無いものに比べてエポキシ基の反応性が低い。また、CEL-2021P、CEL-2081は、分子内にエステル結合を持つため加水分解性がある。そのため高温高湿下での使用や強酸が発生する条件等を用いた場合、硬化物の物性低下が起こることがあった。そのため、分子内にエステル結合を持たない脂環骨格を持つエポキシ化合物が望まれている。
一方、特開昭48−29899号公報には、上記化合物(II)で表されるジエポキシ化合物であり、XがCH2で、かつ、R1〜R18が水素原子である化合物を合成し、これを使用して酸無水物と硬化反応を行うことにより従来の脂環式ジエポキシ化合物に比べて硬化物の物性が改善されることが記載されている。しかし、該脂環式ジエポキシ化合物の合成には、過安息香酸を使用しているため工業的に利用しにくい。また、特開昭58−172387号公報では、過酸化水素と酸触媒と有機酸から過カルボン酸を合成した後、有機溶媒で過カルボン酸を抽出し、これを用いてエポキシ化反応を行っている。したがって、操作が長い上に廃棄物の量も多く、作業が煩雑である。さらに、この過カルボン酸は微量ではあるが、水分だけでなく、過酸化水素および酸触媒を含んでいるため、過カルボン酸を製造する反応工程や抽出工程において過カルボン酸が不安定になり短時間で濃度低下することがある。また、濃度低下は同時に酸素を生成するため反応装置内を極めて危険な状態に置くことになり、エポキシ化反応工程および生成したエポキシ化合物の精製工程などでエポキシ化物の副反応が起こりやすくなり、製品の回収量が少なくなるだけでなく、副反応の生成物で製造装置が汚染され、工業的に不利な方法と言える。
特開2002−275169では、脂環式オレフィン骨格を二つ有する分子内にエステル基を持たない化合物を、アセトアルデヒドの空気酸化により得られた過酢酸を使用してエポキシ化することで、上記一般式(II)で表される脂環式ジエポキシ化合物を合成している。しかし該脂環式ジエポキシ化合物の合成では脱溶媒を行うのみであるため、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下、GPCと称する)分析により検出される脂環式ジエポキシ化合物よりも溶出時間の短い高分子量成分やガスクロマトグラフ(以下、GCと称する)分析により検出される上記一般式(II)で表される脂環式ジエポキシ化合物よりも保持時間の短い不純物や反応中間体などが残留し、色相(APHA)も十分なものではなく、液晶など耐熱性や透明性が要求される表示材料に使用するには不十分であった。
特開昭48−29899号公報 特開昭58−172387号公報 特開2002−275169号公報
本発明の目的は、特定の脂環式ジオレフィン化合物をエポキシ化することで製造される高純度脂環式ジエポキシ化合物及びその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、脂環式オレフィン骨格を二つ有する化合物で構造異性体の含有率が低いものを原料として用いること及びエポキシ化反応を、水分を実質的に含まない脂肪族過カルボン酸を使用することで実施し、その後蒸留精製することにより更に純度の高い脂環式ジエポキシ化合物を得ることができた。
すなわち、本発明の第1は、
下記一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物を加熱温度150℃〜300℃、圧力10〜0.05Torrで、薄膜蒸発器、分子蒸留装置及び蒸留塔から選択される少なくとも1種の蒸留装置を用いた蒸留、及び/又はバッチ式の単蒸留により蒸留精製し、蒸留精製後の下記一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物中の、ガスクロマトグラフィー(以下、GC)により検出される異性体の含有率を15%以下とした後、
水分を実質的に含まない脂肪族過カルボン酸を使用してエポキシ化した後脱溶媒してさらに加熱温度150℃〜300℃、圧力10〜0.05Torrで、薄膜蒸発器、分子蒸留装置及び蒸留塔から選択される少なくとも1種の蒸留装置を用いた蒸留、及び/又はバッチ式の単蒸留により蒸留精製し、
蒸留精製後の下記一般式(II)で表される脂環式エポキシ化合物中の、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下、GPC)分析により検出される、下記一般式(II)で表される脂環式エポキシ化合物よりも溶出時間の早い高分子量成分の濃度を5.5%以下、且つ
下記一般式(II)で表される脂環式エポキシ化合物の色相(APHA)を20以下とすることを特徴とする下記一般式(II)で表される高純度脂環式ジエポキシ化合物の製造方法、
<式(I)、(II)において、Xは、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH32−、−CBr2−、−C(CBr32−及び−C(CF32−からなる群から選択される2価の基である。R1〜R18は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。これらは、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでよい炭化水素基、又は置換基を有してよいアルコキシ基である>。
を提供する。
本発明の第2は、異性体が以下の化合物のいずれか少なくともひとつである上記発明1に記載の高純度脂環式ジエポキシ化合物の製造方法
<各式において、Xは、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH32−、−CBr2−、−C(CBr32−及び−C(CF32−からなる群から選択される2価の基である。R1〜R18は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。これらは、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでよい炭化水素基、又は置換基を有してよいアルコキシ基である>
を提供する
本発明の第は、蒸留精製後の上記一般式(II)で表される脂環式エポキシ化合物中の、GC分析により検出される上記一般式(II)で表される脂環式エポキシ化合物よりも保持時間の短い不純物の濃度が19.5%以下である上記発明1又は2に記載の高純度脂環式ジエポキシ化合物の製造方法を提供する
本発明の第は、蒸留精製後の上記一般式(II)で表される脂環式エポキシ化合物中の、GC分析により検出される下記一般式(III)で表される反応中間体化合物の濃度が4.5%以下である上記発明1〜3のいずれかに記載の高純度脂環式ジエポキシ化合物の製造方法、
<式(III)において、Xは、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH32−、−CBr2−、−C(CBr32−及び−C(CF32−からなる群から選択される2価の基である。R1〜R18は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。これらは、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでよい炭化水素基、又は置換基を有してよいアルコキシ基である>
を提供する。
本発明の第は、脂肪族過カルボン酸が対応するアルデヒドの酸素による酸化により得られたものである上記発明1〜4のいずれかに記載の高純度脂環式ジエポキシ化合物の製造方法を提供する。
本発明の第は、脂肪族過カルボン酸中の水分含有率が0.8重量%以下である上記発明1〜5のいずれかに記載の高純度脂環式ジエポキシ化合物の製造方法を提供する。
本発明の第は、脂肪族過カルボン酸が過酢酸である上記発明1〜6のいずれかに記載の高純度脂環式ジエポキシ化合物の製造方法を提供する
なお、本明細書では、上記発明のほか、
GCにより検出される異性体の含有率が15%以下である上記一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物をエポキシ化して得られる上記一般式(II)で表される高純度脂環式ジエポキシ化合物、及び、
上記一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物を蒸留精製後、水分を実質的に含まない脂肪族過カルボン酸を使用してエポキシ化した後脱溶媒してさらに蒸留精製することを特徴とする上記一般式(II)で表される高純度脂環式ジエポキシ化合物の製造方法、
についても説明する。
本発明により、高純度脂環式ジエポキシ化合物が提供され、この化合物を使用した硬化物は耐熱性および透明性に優れており、液晶等の表示材料に好適に用いられる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の上記一般式(II)で表される高純度脂環式ジエポキシ化合物は、蒸留精製により、主として前記の5種類の異性体の含有率を低減した一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物を実質的に無水の脂肪族過カルボン酸によってエポキシ酸化させた後、さらに蒸留することにより製造される。
異性体を低減させるための蒸留精製はバッチ式の単蒸留、WFE、FFEのような薄膜蒸発器、分子蒸留装置、蒸留塔による蒸留装置等に仕込み、以下のような条件で行われる。なお、前記の装置は、単独、または組み合わせて使用することができる。蒸留精製の条件としては、圧力50〜0.01Torr好ましくは、20〜0.03Torr、さらに好ましくは、10〜0.05Torr、加熱温度100℃〜350℃、好ましくは、120〜330℃、さらに好ましくは、150〜300℃である。
前記異性体は塔底に残留し、一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物は塔頂に留出する。異性体の構造は、例えば、NMR、GC-MS、GC-IR等によって確認することができる。
原料として使用する一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物は、対応する水酸基を持つ化合物の脱水反応による合成が一般的である。同脂環式ジオレフィン化合物の製造方法は、特開昭48−29899号公報、特開昭58−172387号公報、特開2000−169399号公報にあるように、例えばシクロヘキサノール構造を持つ化合物より合成することができる。一般式(I)から分かるように、得られた脂環式ジオレフィン化合物は2価の基Xに対して3,4位に二重結合を持つものであり、同脂環式ジオレフィン化合物の原料となる水酸基を持つ化合物としては、2価の基Xに対して4位に水酸基を持つものが好ましい。これらの化合物の例としては、一般式(I)に対応しない原料化合物である分子中に水酸基の結合したシクロヘキサン環を少なくとも2つ以上含有する化合物も含めて広く示すと例えば、水添ビフェノール、ジシクロヘキサノールメタン、ビス(ジメチルシクロヘキサノール)メタン、1,2−ビス(シクロヘキサノール)エタン、1,3−ビス(シクロヘキサノール)プロパン、1,4−ビス(シクロヘキサノール)ブタン、1,5−ビス(シクロヘキサノール)ペンタン、1,6−ビス(シクロヘキサノール)ヘキサン、2,2−ビス(シクロヘキサノール)プロパン、ビス(シクロヘキサノール)フェニルメタン、α,α−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−4−(4−ヒドロキシ−α,α−ジメチルシクロヘキシルメチル)−エチルベンゼン、3,3−ビス(シクロヘキサノール)ペンタン、5,5−ビス(シクロヘキサノール)ヘプタン、ドデカヒドロフルオレンジオール、トリス(シクロヘキサノール)メタン、トリス(シクロヘキサノール)エタン、1,3,3−トリス(シクロヘキサノール)ブタン、テトラキス(シクロヘキサノール)エタン、2,2−ビス〔4,4’−ビス(シクロヘキサノール)シクロヘキシル〕プロパン、水素化ビスフェノールC(C:シクロヘキサン)、水添ポリフェノール等及びこれらの混合物が挙げられる。
一般式(I)に対応しない原料化合物から得られるオレフィン化合物およびそれから誘導されるエポキシ化合物も本発明と同様に製造することができる。
一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物の二重結合のエポキシ化に使用できるエポキシ化剤としては、水分を実質的に含まない脂肪族過カルボン酸を使用することが好ましい。これは、水分の存在下でエポキシ化反応を行うと、エポキシ基の開環反応が進みエポキシ化合物の収率が低下するためである。このため、脂肪族過カルボン酸は実質的に水分を含まないものであり、具体的には脂肪族過カルボン酸中に含まれる水分としては、0.8重量%以下、好ましくは0.6重量%以下である。本発明で言う実質的に水分を含まない脂肪族過カルボン酸は、アセトアルデヒド等の空気酸化により製造される過酢酸等のことであり、例えば、過酢酸についてはドイツ公開特許公報1418465号や特開昭54−3006に記載された方法により製造される。この方法によれば、過酸化水素から脂肪族過カルボン酸を合成し、溶媒により抽出して脂肪族過カルボン酸を製造する場合に比べて、連続して大量に高濃度の脂肪族過カルボン酸を合成できるために、実質的に安価に得ることができる。
脂肪族過カルボン酸類としては過ギ酸、過酢酸、過イソ酪酸、過トリフルオロ酢酸等を用いることができる。この内特に過酢酸は工業的に安価に入手可能で、かつ安定度も高く、好ましいエポキシ化剤である。エポキシ化剤である脂肪族過カルボン酸の量に厳密な制限はなく、それぞれの場合における最適量は、使用する個々のエポキシ化剤、所望されるエポキシ化度、原料として使用する一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物等の可変要因によって決まる。1分子中のエポキシ基の数が多い化合物が目的の場合、エポキシ化剤はオレフィン基に対して等モルかそれ以上加えるのが好ましい。ただし、経済性、及び次に述べる副反応の問題から2倍モルを超えることは通常不利であり、過酢酸の場合1〜1.5倍モルが好ましい。
エポキシ化反応は、装置や原料物性に応じて不活性溶媒使用の有無や反応温度を調節して行なう。不活性溶媒としては、原料粘度の低下、エポキシ化剤の希釈による安定化などの目的で使用することができ、過酢酸の場合であれば芳香族化合物、エステル類などを用いることができる。特に好ましい溶媒は、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、酢酸エチル、酢酸メチルである。溶媒の使用量はオレフィンに対してに対して10〜500重量部、好ましくは、50〜300重量部である。10重量部より少ないと、酢酸などの酸化剤による副反応が起こりやすく、500重量部より多いと、反応を完結させるのに時間がかかったり、容積あたりの得量が減る問題点があり、いずれも好ましくない。
用いるエポキシ化剤の反応性によって使用できる反応温度域は定まる。一般的には、0℃以上、100℃以下である。好ましいエポキシ化剤である過酢酸についていえば20〜70℃が好ましい。20℃以下では反応が遅く、70℃では過酢酸の分解がおきる。一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物中の不飽和結合に対するエポキシ化剤の仕込みモル比は1/1〜1/3、好ましくは、1/1.1〜1/2である。反応混合物の特別な操作は必要なく、例えば混合物を1〜5時間攪拌すればよい。得られたエポキシ化物の単離は適当な方法、例えば貧溶媒で沈殿させる方法、エポキシ化物を熱水中に攪拌の下で投入し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶媒法などで行うことができる。
しかし、これらの方法で得られた一般式(II)で表される脂環式ジエポキシ化合物は、前記のようにGPC分析により検出される高分子量成分、GC分析により検出される一般式(II)で表される脂環式ジエポキシ化合物よりも保持時間の短い不純物、反応中間体などが残留し、色相も十分なものではなかった。
GPC分析により検出される高分子量成分としては、一般式(II)で表される脂環式ジエポキシ化合物の重合物、同脂環式ジエポキシ化合物へのエポキシ化剤より副生するカルボン酸モノ付加物や多価付加物などが挙げられる。
同脂環式ジエポキシ化合物へのエポキシ化剤より副生するカルボン酸のモノ付加物としては、一般式(II)に対応しない化合物も含めて広く示すと、例えば、3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−3’,4’−エポキシビシクロヘキサン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシ−1’,2’−エポキシ−4,4’−メチレンジシクロヘキサン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシ−2,2’,6,6’−テトラメチル−1’,2’−エポキシ−4,4’−メチレンジシクロヘキサン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシ−1’,2’−エポキシ−4,4’−エチレンジシクロヘキサン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシ−1’,2’−エポキシ−4,4’−(プロパン−1,3−ジイル)ジシクロヘキサン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシ−1’,2’−エポキシ−4,4’−(ブタン−1,4−ジイル)ジシクロヘキサン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシ−1’,2’−エポキシ−4,4’−(ペンタン−1,5−ジイル)ジシクロヘキサン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシ−1’,2’−エポキシ−4,4’−(ヘキサン−1,6−ジイル)ジシクロヘキサン、2−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシ−1’,2’−エポキシ−4,4’−(フェニルメチレン)ジシクロヘキサン、α,α−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)−4−((3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−α,α−ジメチルシクロヘキシル)メチル)エチルベンゼン、3−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ペンタン、3−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ヘプタン、2−ヒドロキシ−3−アセトキシ−6,7−エポキシドデカヒドロフルオレン、(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)メタン、1−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エタン、1−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−3,3−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エタン、1−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−1,2,2−トリス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エタン、2−(4−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)シクロヘキシル)−2−(4−(’,4−エポキシシクロヘキシル)シクロヘキシル)プロパン、2−(3−ヒドロキシ−3−メチル−4−アセトキシシクロヘキシル)−2−(3−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパンなどが挙げられる。
同脂環式ジエポキシ化合物へのエポキシ化剤より副生するカルボン酸多価付加物としては、同様に広く示すと、例えば、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアセトキシビシクロヘキサン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)メタン、ビス(3−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−アセトキシシクロヘキシル)メタン、1,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)エタン、1,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)プロパン、1,4−ビス(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)ブタン、1,5−ビス(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)ペンタン、1,6−ビス(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)ヘキサン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)フェニルメタン、α,α−ビス(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−4−((3−ヒドロキシ−4−アセトキシ−α,α−ジメチルシクロヘキシル)メチル)エチルベンゼン、3,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)ペンタン、3,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)ヘプタン、2,6−ジヒドロキシ−3,7−ジアセトキシドデカヒドロフルオレン、トリス(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)メタン、1,1,2−トリス(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)エタン、1,1,3−トリス(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)ブタン、テトラキス(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)エタン、2,2−ビス〔4,4’−ビス(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)シクロヘキシル〕プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−3−メチル−4−アセトキシシクロヘキシル)プロパンなどが挙げられる。
GC分析により検出される一般式(II)で表される脂環式ジエポキシ化合物よりも保持時間の短い不純物としては、エポキシ化反応の際に用いた溶媒である、例えばヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、酢酸エチル、酢酸メチルなど、エポキシ化剤より副生するカルボン酸、例えば蟻酸、酢酸、イソ酪酸、トリフルオロ酢酸など、一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物合成の際に用いる溶剤に由来する化合物、例えばナフタレン、テトラメチルベンゼンなど、同脂環式オレフィン化合物合成時に副生する、オレフィンモノオール化合物、およびオレフィンモノオール化合物のエポキシ化物、一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物合成時の副生不純物であるモノオレフィン化合物、モノオレフィン化合物のエポキシ化物、モノオレフィン化合物のエポキシ化物へのエポキシ化剤より副生するカルボン酸モノ付加物などが挙げられる。
一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物合成時に副生するオレフィンモノオール化合物としては、同様に広く示すと、例えば、4−(3−シクロヘキセニル)シクロヘキサノール、4−(3−シクロヘキセニル)メチルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル)メチルシクロヘキサノール、4−(2−(3−シクロヘキセニル)エチル)シクロヘキサノール、4−(3−(3−シクロヘキセニル)プロピル)シクロヘキサノール、4−(4−(3−シクロヘキセニル)ブチル)シクロヘキサノール、4−(4−(3−シクロヘキセニル)ペンチル)シクロヘキサノール、4−(5−(3−シクロヘキセニル)ヘキシル)シクロヘキサノール、4−((1−(3−シクロヘキセニル)−1−メチル)エチル)シクロヘキサノール、4−(3−シクロヘキセニルフェニルメチル)シクロヘキサノール、α,α−ビス(3−シクロヘキセニル)−4−(4−ヒドロキシ−α,α−ジメチルシクロヘキシルメチル)エチルベンゼン、4−(1−(3−シクロヘキセニル)−1−エチル)プロピルシクロヘキサノール、4−(1−(3−シクロヘキセニル)−1−エチル)ペンチルシクロヘキサノール、2−ヒドロキシ−[1,2,3,4,5,8,4a,4b,8a,8b]デカヒドロフルオレン、4−ビス(3−シクロヘキセニル)メチルシクロヘキサノール、4−ビス(3−シクロヘキセニル)エチルシクロヘキサノール、4−ビス(3−シクロヘキセニル)ブチルシクロヘキサノール、4−(1,2,2−トリス(3−シクロヘキセニル))エチルシクロヘキサノール、4−(4−(4−(1−(3−シクロヘキセニル)−1−メチル)エチルシクロヘキシル)メチルシクロヘキシル)シクロヘキサノール、2−メチル−4−(1−(3−メチル−3−シクロヘキセニル)−1−メチル)エチルシクロヘキサノールなどが挙げられる。
オレフィンモノオール化合物のエポキシ化物としては、同様に広く示すと、例えば、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)シクロヘキサノール、4−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)シクロヘキサノール、3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)シクロヘキサノール、4−(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル)シクロヘキサノール、4−(3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル)シクロヘキサノール、4−(4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチル)シクロヘキサノール、4−(5−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ペンチル)シクロヘキサノール、4−(6−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ヘキシル)シクロヘキサノール、4−(1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル)シクロヘキサノール、4−((3,4−エポキシシクロヘキシルフェニル)メチル)シクロヘキサノール、α,α−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)−4−(4−ヒドロキシ−α,α−ジメチルシクロヘキシルメチル)エチルベンゼン、4−(1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−1−エチルプロピル)シクロヘキサノール、4−(1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−1−エチルペンチル)シクロヘキサノール、2−ヒドロキシ−[1,2,3,4,5,8,4a,4b,8a,8b]デカヒドロフルオレン、4−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルシクロヘキサノール、4−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルシクロヘキサノール、4−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルシクロヘキサノール、4−(1,2,2−トリス(3,4−エポキシシクロヘキシル))エチルシクロヘキサノール、4−(4−(1−(4−(3,4エポキシシクロヘキシル)シクロヘキシル)−1−メチル)エチルシクロヘキシル)シクロヘキサノール、2−メチル−4−(1−(3−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシル)−1−メチル)エチルシクロヘキサノールなどが挙げられる。
一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物合成時の副生不純物であるモノオレフィン化合物としては、同様に広く示すと、例えば、4−シクロヘキシルシクロヘキセン、4−(シクロヘキシルメチル)シクロヘキセン、2,6−ジメチル−4−(3,5−ジメチルシクロヘキシルメチル)シクロヘキセン、1−(3−シクロヘキセニル)−2−シクロヘキシルエタン、1−(3−シクロヘキセニル)−3−シクロヘキシルプロパン、1−(3−シクロヘキセニル)−4−シクロヘキシルブタン、1−(3−シクロヘキセニル)−5−シクロヘキシルペンタン、1−(3−シクロヘキセニル)−6−シクロヘキシルヘキサン、2−(3−シクロヘキセニル)−2−シクロヘキシルプロパン、3−シクロヘキセニルシクロヘキシルフェニルメタン、α,α−ジシクロヘキシル−4−(α,α−ジメチル−3−シクロヘキセニルメチル)エチルベンゼン、3−(3−シクロヘキセニル)−3−シクロヘキシルペンタン、3−(3−シクロヘキセニル)−3−シクロヘキシルヘプタン、[1,2,3,4,5,8,4a,4b,8a,8b]デカヒドロフルオレン、4−(ジシクロヘキシルメチル)シクロヘキセン、1−(3−シクロヘキセニル)−2,2−ジシクロヘキシルエタン、1−(3−シクロヘキセニル)−3,3−ジシクロヘキシルブタン、1−(3−シクロヘキセニル)−1,2,2−トリシクロヘキシルエタン、2−(4−(3−シクロヘキセニル)シクロヘキシル)−2−ビシクロヘキシルプロパン、2−(3−メチル−3−シクロヘキセニル)−2−(3−メチルシクロヘキシル)プロパンなどが挙げられる。
一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物合成時の副生不純物であるモノオレフィン化合物(iv)のエポキシ化物としては、同様に広く示すと、例えば、1,2−エポキシビシクロヘキサン、1,2−エポキシ−4,4’−メチレン−ジシクロヘキサン、1,2−エポキシ−2,2’,6,6’−テトラメチル−4,4’−メチレンジシクロヘキサン、1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−2−シクロヘキシルエタン、1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3−シクロヘキシルプロパン、1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−4−シクロヘキシルブタン、1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5−シクロヘキシルペンタン、1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−6−シクロヘキシルヘキサン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−2−シクロヘキシルプロパン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)シクロヘキシルフェニルメタン、α,α−ジシクロヘキシル−4−(α,α−ジメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エチルベンゼン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3−シクロヘキシルペンタン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3−シクロヘキシルヘプタン、2,3−エポキシ−[1,2,3,4,5,8,4a,4b,8a,8b]デカヒドロフルオレン、4−(ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル)シクロヘキセン、1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−2,2−ビスシクロヘキシルエタン、1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3,3−ビスシクロヘキシルブタン、1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−1,2,2−トリスシクロヘキシルエタン、2−(4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)シクロヘキシル)−2−ビシクロヘキシルプロパン、2−(3−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシル)−2−(3−メチルシクロヘキシル)プロパンなどが挙げられる。
一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物合成時の副生不純物であるモノオレフィン化合物のエポキシ化物へのエポキシ化剤より副生するカルボン酸モノ付加物としては、同様に広く示すと、例えば、1−アセトキシ−2−ヒドロキシビシクロヘキサン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシ−4−(シクロヘキシルメチル)シクロヘキサン、1−アセトキシ−2−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−4−(3,5−ジメチルシクロヘキシルメチル)シクロヘキサン、1−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−2−シクロヘキシルエタン、1−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−3−シクロヘキシルプロパン、1−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−4−シクロヘキシルブタン、1−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−5−シクロヘキシルペンタン、1−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−6−シクロヘキシルヘキサン、2−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−2−シクロヘキシルプロパン、(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)シクロヘキシルフェニルメタン、α,α−ジシクロヘキシル−4−(α,α−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシルメチル)エチルベンゼン、3−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−3−シクロヘキシルペンタン、3−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−3−シクロヘキシルヘプタン、2−ヒドロキシ−3−アセトキシ−[1,2,3,4,5,8,4a,4b,8a,8b]デカヒドロフルオレン、4−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)シクロヘキセン、1−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−2,2−ビスシクロヘキシルエタン、1−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−3,3−ビスシクロヘキシルブタン、1−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−1,2,2−トリスシクロヘキシルエタン、2−(4−(3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)シクロヘキシル)−2−ビシクロヘキシルプロパン、2−(3−メチル−3−ヒドロキシ−4−アセトキシシクロヘキシル)−2−(3−メチルシクロヘキシル)プロパンなどが挙げられる。
ガスクロマトグラフ分析により検出される反応中間体は、上記一般式(III)で表されるモノエポキシモノオレフィン化合物で、上記一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物中の1つの二重結合がエポキシ化されたものである。このモノエポキシモノオレフィン化合物はさらに残る二重結合がエポキシ化されることで、上記一般式(II)で表される脂環式ジエポキシ化合物へと変換される。
本発明者は上記方法により合成された一般式(II)で表される脂環式ジエポキシ化合物の精製について検討した結果、エポキシ化反応生成物から脱溶剤後、前記のような高分子量成分、反応中間体、原料中の不純物(主として前記5種類の異性体)由来の化合物を蒸留精製によりさらに除去できること、それによって一般式(II)で表される脂環式ジエポキシ化合物を含む樹脂組成物および硬化物(表示材料等)における色相を改善できることを見出した。
本発明の高純度脂環式ジエポキシ化合物の製造方法は、上記の工程で得られたエポキシ化物を脱溶剤後、蒸留精製する方法であり、これにより高分子量成分や、反応中間体、原料不純物由来の化合物を除去することができ、良好な色相の高純度脂環式エポキシ化合物を得ることができる。本発明の高純度脂環式ジエポキシ化合物は、GPC分析により検出される高分子量成分の濃度が5.5%、好ましくは4.1%以下、さらに好ましくは2.5%以下、およびGC分析により検出される上記一般式(II)で表される脂環式ジエポキシ化合物よりも保持時間の短い不純物の濃度が19.5%以下、好ましくは、16.4%以下、さらに好ましくは、1.7%以下、反応中間体濃度の濃度が4.5%以下、好ましくは3.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下であり、色相(APHA)が60以下、より好ましくは40以下、さらに好ましくは20以下である。
エポキシ化反応後の蒸留による精製は、反応物から脱溶剤後に行なわれる。脱溶剤は通常、バッチ式の単蒸留、WFE、FFEのような薄膜蒸発器により、圧力300〜30torr、好ましくは、200〜50torrで加熱温度50〜180℃好ましくは、60〜150℃のような条件で行われる。
蒸留精製は、上記のような方法、条件で脱溶剤した後の反応物をバッチ式の単蒸留、WFE、FFEのような薄膜蒸発器、分子蒸留装置、蒸留塔による蒸留装置等に仕込み、以下のような条件で行われる。なお、前記の装置は、単独、または組み合わせて使用することができる。エポキシ化反応後の蒸留精製の条件としては、圧力50〜0.01Torr好ましくは、20〜0.03Torr、さらに好ましくは、10〜0.05Torr、加熱温度100℃〜350℃、好ましくは、120〜330℃、さらに好ましくは、150〜300℃である。
蒸留精製された一般式(II)で表される脂環式ジエポキシ化合物は、GPC分析により検出される高分子量成分の濃度が低減され、GC分析により検出される前記のような反応中間体、原料不純物由来の化合物濃度も低く、色相がよい高純度脂環式ジエポキシ化合物であるため、単独重合、共重合又はさらに他の化合物と反応させることによってさまざまなコーティング、インキ、接着剤、シーラント、成形品又は、これらを用いた他の用途のための中間体を生成することができる。一般式(II)で表される脂環式ジエポキシ化合物を用いた最終用途の例としては、酸除去剤、家具コーティング、装飾コーティング、飲料缶及びその他の缶コーティング、接着剤、自動車下塗り、シーラー、仕上げ塗り、文字情報又は画像情報のインキ、電子部品用のシーラント、印刷版又は印刷回路版を開発するのに適したフォトレジスト、注型印刷ロール、不飽和ポリエステル及びポリスチレンを主体とした成形配合物又はシート形成配合物によって作られた成形品、溶媒、難燃剤、医薬品および医療用品を含む種々の最終用途に有用な他の化合物を製造するための中間体などがある。また、一般式(II)で表される脂環式ジエポキシ化合物は、脂環骨格を持つ化合物を用いた樹脂の特徴である耐熱性、透明性、良好な誘電特性を持たせることができ、液晶など耐熱性および透明性を要求される表示材料として好適に使用することができる。
(実施例)
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<GPC分析>
前処理として、一般式(II)におけるXが-C(CH3)2-で、R1〜R18がいずれもHである脂環式ジエポキシ化合物0.04gをテトラヒドロフラン(以下、THFと称する)2gに溶解し、孔径0.50μmのフィルター[DISMIC13JP050AN、東洋濾紙(株)製]でろ過した。得られた脂環式ジエポキシ化合物のTHF溶液をGPCにて分析し、各成分ごとのピーク面積の割合を各成分の濃度とする。脂環式ジエポキシ化合物よりも早く流出する各成分の濃度を合算したものを高分子量成分濃度として算出した。
装置:HLC−8220GPC(東ソー(株)製)
検出器:示差屈折計(RI検出器)
プレカラム:TSKGUARDCOLUMN SUPER HZ−L 4.6mm×20mm
カラム:
サンプル側、TSK−GEL SUPER HZM−N 4.6mm×150mm×4本
リファレンス側、TSK−GEL SUPER HZM−N 6.0mm×150mm×1本+TSK−GEL SUPER H−RC 6.0mm×150mm
恒温槽温度:40℃
移動層:THF
移動層流量:0.35mL/分
試料注入量:114μL
データ採取時間:試料注入後10分〜26分
<ガスクロマトグラフ分析1>
上記脂環式エポキシ化合物を前処理することなく、直接ガスクロマトグラフ分析し、各成分ごとに得られるピーク面積の割合を各成分の濃度とした。
装置:GC14−B型(島津製作所製)
カラム:Thermon3000/5%Shincarbon A2.6mm×3m
恒温槽温度:60℃×2分保持後10℃/分で250℃まで昇温し、250℃×19分保持
注入口温度:250℃
検出器側温度:250℃
検出器:FID
<ガスクロマトグラフ分析2>
装置:HP-6890N (ヒューレットパッカード製)
カラム:DB-FFAP(64) 0.25mm内径×30m長さ
恒温槽温度:50℃で5分保持後、10℃/分で200℃まで昇温後5分保持し、10℃/分で230℃まで昇温し25分保持
注入口温度:230℃
検出器側温度:240℃
検出器 FID
(合成例1)
[2,2−ビス(3’−シクロヘキセニル)プロパンの合成]
攪拌器、20段の蒸留塔、温度計を備えている10リットルの4つ口フラスコに水添ビスフェノールAを6kg(25.0モル)と硫酸水素カリウム(式量136.2)を490g(3.6モル)加えて、140℃に加熱し、水添ビスフェノールAを融解させた。融解後、さらに180℃に加熱し、攪拌を開始すると、徐々に反応が始まり、常圧で4時間で水が理論量の56%に相当する505ml(28モル)留出した。
その後、反応系内を同温度で、10Torrに減圧し、5時間かけて水と2,2−ビス(3’−シクロヘキセニル)プロパンを上記蒸留塔の塔頂より留出させた。留出させた水と2,2−ビス(3’−シクロヘキセニル)プロパンはデカンターで二層に分離させ、上層の2,2−ビス(3’−シクロヘキセニル)プロパンを取り出した。
その後、水と2,2−ビス(3’−シクロヘキセニル)プロパンの留出がなくなった時点で反応終了とした。2,2−ビス(3’−シクロヘキセニル)プロパンの留出粗液の収量は4880gであった。
続いて、留出粗液4800gを攪拌器、20段の蒸留塔、温度計を備えている5リットルの4つ口フラスコに入れ、オイルバスで170℃に昇温した。その後反応系内を10Torr(1.33kPa)に減圧し、水を留去してから蒸留塔の塔頂の温度を160℃に維持し、還流比1で5時間かけて2,2−ビス(3’−シクロヘキセニル)プロパンを精留し、無色透明の液体を得た。
得られた2,2−ビス(3’−シクロヘキセニル)プロパンの収量は4403gであった。また、ガスクロマトグラフで測定(分析2)した純度は91.1%、ヨウ素価は247(I2・g/100g)、APHAは10以下であった。ガスクロマトグラフ分析のチャートを図1に示す。なお、純度は、リテンションタイム17.9分から18.3分に現れる主ピークの面積%で評価を行った。
また、それぞれのピークのIRチャートは、図5〜図7に示した。
(比較合成例1)
[2,2−ビス(3’−シクロヘキセニル)プロパンの合成]
攪拌器、温度計、上部にジムロート式コンデンサーの取り付けられたディーンスターク(DEAN−STARK)抽出器を備えた15リットルの4つ口フラスコに水添ビスフェノールAを6kgと触媒として硫酸水素カリウム490g、溶媒としてソルベッソ150(エクソン化学製)6kgを加えて、反応系内部を窒素で置換した。続いて、フラスコを140℃に加熱し、水添ビスフェノールAを溶解させ、攪拌を開始し、続いて180℃で脱水反応させた。9時間かけて理論量の89%に当たる水が留出してから水の留出が停止したことを確認し、反応終了とした。
有機層を減圧精留し無色透明液状の2,2−ビス(3’−シクロヘキセニル)プロパン3830gを得た。
精留物の純度をガスクロマトグラフで測定(分析2)したところ、2,2−ビス(3’−シクロヘキセニル)プロパンの含有率は75.1%であった。ガスクロマトグラフ分析のチャートを図2に示す。
これらの副生成物は、脱水反応によって生成した二重結合と反応溶液中に残存する水との付加反応と脱水反応とが繰り返されて生じた異性体と考えられる。又、ヨウ素価は237(I2・g/100g)、APHAは50であった。
(製造例1)
空気吹き込み口、ガス分散多孔板、冷却ジャケットを備えた300mlステンレス製反応器に酢酸コバルトを含む10%アセトアルデヒド-酢酸エチル溶液を114kg/時間で仕込ながら圧縮空気を吹き込み、45℃で反応を行った。反応液は、過酢酸10.2%、アセトアルデヒドモノパーアセテート2.1%、酢酸2.1%を含んでいた。この溶液をポリリン酸ナトリウムとともに蒸留塔に仕込み、濃縮を行い過酢酸溶液を得た。この過酢酸溶液は、過酢酸濃度29.2%、水分は、0.31%であった。
[実施例1]
合成例1で合成後、精製した2,2-ビス(3’,4’−シクロヘキセニル)プロパン100g、酢酸エチル300gを前記と同様の1リットルのジャケット付きフラスコに仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、反応系内の温度を30℃になるように約2時間かけて、製造例1で得られた実質的に無水の過酢酸の酢酸エチル溶液307.2g(過酢酸濃度:29.2%、水分含量0.31%)を滴下した。過酢酸滴下終了後、30℃で3時間熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了液を水洗し、70℃/20Torrで脱低沸を行った後、WFE型薄膜蒸発器にて加熱温度180℃、圧力4Torrの条件で蒸留し、エポキシ化合物(A1)を71.2gを得た。
得られたエポキシ化合物(A1)の性状は、オキシラン酸素濃度12.4%、粘度1,760cP(25℃)、色相(APHA)15であり、1HNMRからδ4.5〜5ppm付近の内部二重結合に由来するピークがほぼ消失し、δ2.9〜3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認された。このとき、GPC分析により検出される一般式(II)におけるXが-C(CH3)2-で、R1〜R18がいずれもHである目的化合物の脂環式ジエポキシ化合物よりも溶出時間の短い高分子量成分の濃度は5.1%、ガスクロマトグラフ分析1により検出される同脂環式ジエポキシ化合物よりも保持時間の短い不純物濃度が12.1%、反応中間体濃度の濃度は2.3%であった。
ガスクロマトグラフ分析2における分析からリテンションタイム30.0分から31.5分に現れる主ピークの面積%は、67.15%であった。ガスクロマトグラフ分析2におけるチャートを図3に示す。
それぞれのピークのIRチャートを図8〜図13に示した。
[比較例1]
比較合成例1で合成した2,2-ビス(3’,4’−シクロヘキセニル)プロパン100g、酢酸エチル300gを仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、反応系内の温度を30℃になるように約2時間かけて、製造例1で得られた実質的に無水の過酢酸の酢酸エチル溶液307.2g(過酢酸濃度:29.2%、水分含量0.31%)を滴下した。過酢酸滴下終了後、30℃で3時間熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了液を水洗し、70℃/20Torrで脱低沸を行った後、WFE型薄膜蒸発器にて加熱温度180℃、圧力4Torrの条件で蒸留し、エポキシ化合物(A2)を72.7gを得た。
得られたエポキシ化合物(A2)の性状は、オキシラン酸素濃度12.3%、粘度2,350cP(25℃)、色相(APHA)20であり、1HNMRからδ4.5〜5ppm付近の内部二重結合に由来するピークがほぼ消失し、δ2.9〜3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認された。このとき、GPC分析により検出される一般式(II)におけるXが-C(CH3)2-で、R1〜R18がいずれもHである目的化合物の脂環式ジエポキシ化合物よりも溶出時間の短い高分子量成分の濃度は7.5%、ガスクロマトグラフ分析(分析1)により検出される目的化合物である脂環式エポキシ化合物よりも保持時間の短い不純物濃度が11.9%、反応中間体濃度の濃度は2.0%であった。
ガスクロマトグラフ分析(分析2)からリテンションタイム30.0分から31.5分に現れる主ピークの面積%は、54.85%であった。ガスクロマトグラフ分析2におけるチャートを図4に示す。30.1分から31.0分までの各ピークのIRチャートを図8〜13に示す。
実施例1及び比較例1で得られたエポキシ化合物(A1)及び(A2)についてゲル化時間を測定した。測定方法及び結果は表1の通りであった。
ゲル化時間1
エポキシ樹脂100重量部に対して、硬化触媒(SI-100L 三新化学工業(株)製)0.5重量部を混合し80℃でのゲル化時間を比較した。
ゲル化点は、走査振動針式硬化試験機(RAPRA社製)の共振周波数が100Hzになる時間を用いた。
ゲル化時間2
エポキシ樹脂100重量部に対して、硬化剤(MH-700 新日本理化(株)製)129.2重量部、エチレングリコール1.0重量部、硬化促進剤(トリフェニルホスフィン)0.5重量部を混合し、その1と同じ装置を用いて120℃でのゲル化に至る時間を比較した。
合成例1で得られた2,2−ビス(3’−シクロヘキセニル)プロパンのガスクロマトグラフ分析のチャートである。 比較合成例1で得られた2,2−ビス(3’−シクロヘキセニル)プロパンのガスクロマトグラフ分析のチャートである。 実施例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物のガスクロマトグラフ分析のチャートである。 比較例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物のガスクロマトグラフ分析のチャートである。 合成例1における2,2−ビス(3’−シクロヘキセニル)プロパンの17.9分のピークのIRチャートである。 合成例1における2,2−ビス(3’−シクロヘキセニル)プロパンの18.1分のピークのIRチャートである。 合成例1における2,2−ビス(3’−シクロヘキセニル)プロパンの18.2分のピークのIRチャートである。 実施例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物の30.1分のピークのIRチャートである。 実施例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物の30.2分のピークのIRチャートである。 実施例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物の30.6分のピークのIRチャートである。 実施例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物の30.7分のピークのIRチャートである。 実施例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物の30.9分のピークのIRチャートである。 実施例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物の31.0分のピークのIRチャートである。

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物を加熱温度150℃〜300℃、圧力10〜0.05Torrで、薄膜蒸発器、分子蒸留装置及び蒸留塔から選択される少なくとも1種の蒸留装置を用いた蒸留、及び/又はバッチ式の単蒸留により蒸留精製し、蒸留精製後の下記一般式(I)で表される脂環式ジオレフィン化合物中の、ガスクロマトグラフィー(以下、GC)により検出される異性体の含有率を15%以下とした後、
    水分を実質的に含まない脂肪族過カルボン酸を使用してエポキシ化した後脱溶媒してさらに加熱温度150℃〜300℃、圧力10〜0.05Torrで、薄膜蒸発器、分子蒸留装置及び蒸留塔から選択される少なくとも1種の蒸留装置を用いた蒸留、及び/又はバッチ式の単蒸留により蒸留精製し、
    蒸留精製後の下記一般式(II)で表される脂環式エポキシ化合物中の、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下、GPC)分析により検出される、下記一般式(II)で表される脂環式エポキシ化合物よりも溶出時間の早い高分子量成分の濃度を5.5%以下、且つ
    下記一般式(II)で表される脂環式エポキシ化合物の色相(APHA)を20以下とすることを特徴とする下記一般式(II)で表される高純度脂環式ジエポキシ化合物の製造方法、
    <式(I)、(II)において、Xは、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH32−、−CBr2−、−C(CBr32−及び−C(CF32−からなる群から選択される2価の基である。R1〜R18は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。これらは、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでよい炭化水素基、又は置換基を有してよいアルコキシ基である>。
  2. 異性体が以下の化合物のいずれか少なくともひとつである請求項1に記載の高純度脂環式ジエポキシ化合物の製造方法、
    <各式において、Xは、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH32−、−CBr2−、−C(CBr32−及び−C(CF32−からなる群から選択される2価の基である。R1〜R18は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。これらは、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでよい炭化水素基、又は置換基を有してよいアルコキシ基である>。
  3. 蒸留精製後の上記一般式(II)で表される脂環式エポキシ化合物中の、GC分析により検出される上記一般式(II)で表される脂環式エポキシ化合物よりも保持時間の短い不純物の濃度が19.5%以下である請求項1又は2に記載の高純度脂環式ジエポキシ化合物の製造方法
  4. 蒸留精製後の上記一般式(II)で表される脂環式エポキシ化合物中の、GC分析により検出される下記一般式(III)で表される反応中間体化合物の濃度が4.5%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の高純度脂環式ジエポキシ化合物の製造方法、
    <式(III)において、Xは、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH32−、−CBr2−、−C(CBr32−及び−C(CF32−からなる群から選択される2価の基である。R1〜R18は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。これらは、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでよい炭化水素基、又は置換基を有してよいアルコキシ基である>。
  5. 脂肪族過カルボン酸が対応するアルデヒドの酸素による酸化により得られたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の高純度脂環式ジエポキシ化合物の製造方法。
  6. 脂肪族過カルボン酸中の水分含有率が0.8重量%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の高純度脂環式ジエポキシ化合物の製造方法。
  7. 脂肪族過カルボン酸が過酢酸である請求項1〜6のいずれか1項に記載の高純度脂環式ジエポキシ化合物の製造方法。
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