JP5042491B2 - 脂環式エポキシ化合物の製造方法および脂環式エポキシ化合物 - Google Patents

脂環式エポキシ化合物の製造方法および脂環式エポキシ化合物 Download PDF

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Description

本発明は、脂環式エポキシ化合物の製造方法および脂環式エポキシ化合物に関するものである。
脂環式エポキシ化合物は、グリシジルエーテル型エポキシ化合物に比べて硬化収縮が小さく精密成形性に優れ、電気絶縁性が良く、耐熱性が有り、透明性に優れた硬化物を作ることから透明封止材料、紫外線硬化型コーティング材料などに使用されている。一方、改良すべき課題としては、硬化物が硬く、クラックが入りやすいため、機械物性の向上が求められている。また、メタクリル樹脂やポリカーボネート樹脂と同等の透明性も求められている。
まず、機械物性を改良するため、代表的な脂環式エポキシ化合物である3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの分子中にε−カプロラクトンを開環挿入した下記式
Figure 0005042491
で表されるエポキシ化合物(式中、mは整数を示す)や、アジピン酸エステル基を含む下記式
Figure 0005042491
で表されるエポキシ化合物などが報告されているが、ガラス転移点が大きく低下したり、吸水率が大きく、代表的な脂環式エポキシ化合物である3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの特徴をさらに改良した硬化物は得られなかった。
一方、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートにポリエステル等の可とう性付与剤を添加する方法も、代表的な脂環式エポキシ化合物である3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの例と同様に、脂環式エポキシ化合物の特長を生かしたまま機械物性を改良する手法としては十分ではない。
脂環式エポキシ化合物の透明性を改善するため、米国特許第3275661号明細書には、下記式
Figure 0005042491
で表される炭酸エステル基を有する脂環式エポキシ化合物が提案されている。しかし、この脂環式エポキシ化合物は、上述の代表的な脂環式エポキシ化合物である3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートと同様、機械物性には満足できないものであった。また、米国特許第3275661号明細書に記載の炭酸エステル基を有する脂環式エポキシ化合物の前駆体である脂環式オレフィンカーボネート化合物は出発原料としてフォスゲンを用いて製造されているため、得られる脂環式エポキシ化合物は遊離の塩素の含有率が高く、このような脂環式エポキシ化合物を含む硬化性樹脂組成物から製造された硬化物においても塩素の含有率が高く、電子材料封止用に使用された場合などは遊離の塩素による腐蝕性が問題となり、特に電子材料用封止剤として使用した場合には致命的な欠点となる。
また、上記エポキシ化合物は、透明性を要求される光半導体素子(発光ダイオード)などの封止材料、液晶パネルなどのフィルム、シートに用いる際は、エポキシ化合物自身にも良好な色相や、腐蝕性を示さないことが要求される。
米国特許第3275661号明細書
本発明の目的は塩素分含有率の低い新規なエポキシ化合物及びその製造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、従来の炭酸エステル型脂環式エポキシ化合物と同等若しくはそれ以上の透明性を有しながら、機械物性や腐蝕性がより改善された硬化物を得ることのできる新規なエポキシ化合物及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、透明性に優れる炭酸エステル骨格を有し、脂環式エポキシ基の架橋点間がカーボネート結合によって延長され、且つ遊離の塩素の含有率が低い脂環式エポキシ化合物として、1,2,5,6−テトラヒドロベンジルアルコールと炭酸ジアルキルとジオール化合物のエステル交換によって合成した脂環式オレフィン多価カーボネート化合物を出発原料として得られる新規なオリゴマー化合物(の混合物)である脂環式エポキシ化合物を見出した。
すなわち、本発明は、下記式(I’)
Figure 0005042491
[式中、Rはジオール化合物:HO−R−OH (II)の残基を示す。nは0〜5の整数であり分布を有しており、n=0の化合物の含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して10〜70重量%であり、且つn=2〜5の化合物の総含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して10〜30重量%である]
で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物の混合物を有機過カルボン酸によりエポキシ化して、下記式(III’)
Figure 0005042491
[式中、Rはジオール化合物:HO−R−OH (II)の残基を示す。nは0〜5の整数であり分布を有しており、n=0の化合物の含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して10〜70重量%であり、且つn=2〜5の化合物の総含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して10〜30重量%である]
で表される脂環式エポキシ化合物の混合物を得ることを特徴とする脂環式エポキシ化合物の製造方法を提供する。
この製造方法において、水分含有率が0.8重量%以下の有機過カルボン酸を用いてエポキシ化してもよい。前記式(I’)及び式(III’)中のRは、例えば、炭素数2〜16のアルカンジオール又は炭素数5〜16の脂環式ジオールの残基である。
本発明は、また、下記式(III’)
Figure 0005042491
[式中、Rはジオール化合物:HO−R−OH (II)の残基を示す。nは0〜5の整数であり分布を有しており、n=0の化合物の含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して10〜70重量%であり、且つn=2〜5の化合物の総含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して10〜30重量%である]
で表される脂環式エポキシ化合物の混合物を提供する。
本発明は、さらに、下記式(III’)
Figure 0005042491
[式中、Rはジオール化合物:HO−R−OH (II)の残基を示す。nは0〜5の整数であり分布を有しており、n=0の化合物の含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して10〜70重量%であり、且つn=2〜5の化合物の総含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して10〜30重量%である]
で表され、且つ塩素分含有率が50重量ppm以下である脂環式エポキシ化合物の混合物を提供する。
なお、本明細書では、下記式(I)
Figure 0005042491
[式中、Rはジオール化合物:HO−R−OH (II)の残基を示す。nは0〜5の整数であり分布を有する]
で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物を有機過カルボン酸によりエポキシ化して、下記式(III)
Figure 0005042491
[式中、Rはジオール化合物:HO−R−OH (II)の残基を示す。nは0〜5の整数であり分布を有する]
で表される脂環式エポキシ化合物を得ることを特徴とする脂環式エポキシ化合物の製造方法;下記式(III)
Figure 0005042491
[式中、Rはジオール化合物:HO−R−OH (II)の残基を示す。nは0〜5の整数であり分布を有する]
で表され、且つ塩素分含有率が50重量ppm以下である脂環式エポキシ化合物;及び、下記式(III)
Figure 0005042491
[式中、Rはジオール化合物:HO−R−OH (II)の残基を示す。nは0〜5の整数であり分布を有する]
で表され、n=2〜5の化合物の何れかを少なくとも含有している脂環式エポキシ化合物についても記載する。
本発明の製造方法により製造された脂環式エポキシ化合物は、色相がよく、塩素含有率が低く、硬化により、機械物性および透明性に優れ、しかも腐蝕性をほとんど示さない硬化物を与える。
本発明において出発原料として用いられる前記式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物は、下記式(IV)
Figure 0005042491
[式中、R1およびR2は、同一又は異なって、炭素数1〜12のアルキル基を示す]
で表されるアルコールの炭酸エステル化合物と、下記式(V)
Figure 0005042491
で表される3−シクロヘキセン−1−メタノール(1,2,5,6−テトラヒドロベンジルアルコール)と、ジオール化合物:HO−R−OH (II)とをエステル交換反応に付すことによって製造される。
式(IV)中、R1、R2における炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル基などの直鎖状又は分岐鎖状のC1-12アルキル基が挙げられる。使用できる式(IV)で表されるアルコールの炭酸エステルとしては、炭素数が4以下の低級アルコールの炭酸エステルが好ましいが、そのなかでも炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジイソプロピルが特に好ましい。なかでも、目的生成物である式(III)で表される脂環式エポキシ化合物中の遊離の塩素濃度がより低くなるという観点から、特にフォスゲンを使用せずに製造された炭酸エステルを使用することが好ましい。フォスゲンを使用せずに炭酸エステルを製造する方法としては、CO法(一酸化炭素とアルコールとの反応)、アルキレンカーボネートを使用する方法(たとえば、プロピレンカーボネートとアルコールとの反応)等がある。
式(II)中、Rはジオール化合物の残基であり、例えば、置換又は無置換のアルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基若しくはアリーレン基、又はこれらが2以上直接又は酸素原子等の連結基を介して結合した基などの2価の有機基が挙げられる。使用できるジオール化合物(II)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチルー1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールのような低分子量のジオール化合物、およびビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のようなオリゴマーなどが挙げられる。これらの中でも、特に1,6−ヘキサンジオールや1,10−デカンジオールなどの炭素数2〜16程度の直鎖状又は分岐鎖状のアルカンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルカン環等の脂環を含む炭素数5〜16程度の脂環式ジオール(ジオール化合物の残基として脂環のみを有する化合物のほか、脂環とともにアルキレン基を有する化合物も含む)が好ましい。これらのジオール化合物は単独で使用することもできるし、併用することもできる。
式(I)において、Rは前記ジオール化合物の残基を示す。nは0〜5の整数で、各nの数値を有する化合物が分布をもって生成する。したがって、上記の製造方法により製造された生成物は、式(I)においてジオール化合物(II)の残基であるRを含まない化合物をかなりの含有率で含み、それとnが1〜5の数値を有する各化合物との混合物として得られる。原料化合物の仕込み比率によっては5を超えるnを有する化合物も微量生成するが、後記の仕込み比率に依れば実質的にはnが5までの化合物の混合物となる。式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物において、nが0である化合物の含有量はnが0〜5の化合物の総量に対して、好ましくは70重量%以下(例えば10〜70重量%)、より好ましくは60重量%以下(例えば20〜60重量%)である。また、式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物としては、nが2〜5の化合物の何れかを少なくとも含有しているのが好ましく、nが2〜5の化合物の総含有量は、例えば、nが0〜5の化合物の総量に対して、5重量%以上(例えば5〜30重量%程度)、好ましくは10重量%以上(例えば10〜30重量%程度)、さらに好ましくは15重量%以上(例えば15〜30重量%程度)であるのが望ましい。
なお、用いるジオール化合物の一部を、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミンなどのジアミン又はアミノアルコールなどの一種以上と置き換えて使用してもよい。このようなアミンを添加する目的は分子量を調整するためである。
上記エステル交換反応では、反応を促進するため、エステル化反応で通常用いられるエステル化触媒を使用することが好ましい。本発明に用いられるエステル化触媒としては、例えば、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラステアリルチタネート等のチタン系化合物類、オクチル酸第一スズ、ジブチルスズジラウリレート、塩化第一スズ、臭化第一スズ、ヨウ化第一スズ、ジブチレンジクロライド、ブチルチントリクロライド、ジブチルチンオキサイド等の錫系化合物類、パラトルエンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸金属塩類、メタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸類、水酸化コバルト、酢酸マンガン、酸化亜鉛、オクチル酸コバルトなどが挙げられる。本発明で好ましいエステル化触媒は、チタン系化合物類、錫系化合物類である。
エステル化触媒の使用量は、3つの出発原料の合計重量に対して、好ましくは0.01〜10000重量ppm、さらに好ましくは、1〜100重量ppmである。エステル化触媒の使用量が0.01重量ppm未満では反応速度が遅く、逆に10000重量ppmを超えると副反応が生じて目的化合物の収率が低下したり、目的化合物が着色したりするので、いずれも好ましくない。
次にエステル交換反応工程について説明する。第一工程は炭酸エステル化反応工程であり、エステル交換反応で用いられる公知の方法を適用できる。すなわち、通常、原料を反応器に仕込んだ後、加熱、撹拌する。その後、常圧で150〜280℃、好ましくは200〜240℃、より好ましくは、220℃程度まで徐々に加熱する。反応温度が150℃未満では、反応速度が遅く、逆に280℃を超える反応温度では、副反応が生じて目的化合物の収率が低下するので、いずれも好ましくない。このようにして所定の反応率に達するまで炭酸エステル化反応を進行させる。
第二工程はメタノール等のアルコールの除去工程である。炭酸エステル化反応を十分進行させるためには、炭酸エステル化合物から脱離したメタノールのような低級アルコール等を0.1〜600torr(13.3pa〜79.8kPa)、さらに好ましくは、10〜200torr(1.33kPa〜26.6kPa)程度で減圧除去しながら行う。
仕込時におけるアルコールの炭酸エステル化合物(IV)とジオール化合物(II)およ
び3−シクロヘキセン−1−メタノール(V)の仕込比は、目標とする脂環式オレフィン多価カーボネート化合物(I)[そして、最終目的物である脂環式エポキシ化合物(III)]の数平均分子量(分子量分布)によって決定される。通常、モル比で、3−シクロヘキセン−1−メタノール(V)/ジオール化合物(II)/アルコールの炭酸エステル化合物(IV)=2/(1〜10)/(1〜9)、好ましくは、2/(1〜5)/(1〜7)、さらに好ましくは、2/(1〜3)/(1〜4)である。
すなわち、上記の製造方法において、アルコールの炭酸エステル化合物(IV)の仕込量等を変動させることによって、式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物、したがって最終目的物である脂環式エポキシ化合物(III)におけるnの数の分布(分子量分布)を任意に調整することができる。したがって、nの値を実質的に5以下に制御することができる。
アルコールの炭酸エステル化合物(IV)の仕込み量が相対的に多すぎると、式(I)におけるnが5を超え、高分子量化に伴い流動性と反応性が低下し、未反応のアルコールの炭酸エステル化合物(IV)が残存することになり、3−シクロヘキセン−1−メタノール(V)やジオール化合物(II)の仕込み量が相対的に多すぎると、3−シクロヘキセン−1−メタノール(V)やジオール化合物(II)が未反応のまま残存するので、いずれも好ましくない。ジオール化合物(II)の量が他の2つの化合物に対して相対的に少ないとn=0の化合物の含有率が高くなる。
エステル交換反応の終点は、通常、残存するジオール化合物(II)または炭酸エステル化合物(IV)をガスクロマトグラフィー等により定量して確認するのが好ましい。
エステル交換反応終了後、10〜200torr(1.33kPa〜26.6kPa)程度の減圧条件で、メタノールのような低級アルコール等を留出させて、式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物を得ることができる。
以上のような反応により、式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物[式(I)において、nは0〜5の間で確率的に分布]が有毒なフォスゲンを使用しない安全な方法により製造される。したがって、得られる脂環式オレフィン多価カーボネート化合物は遊離の塩素分含有率が100重量ppm以下、好ましくは50重量ppm以下となる。また、上記方法により、分子量分布を有し、カーボネート結合を3〜6個有するオリゴマーを含有する脂環式オレフィン多価カーボネート化合物が得られる。
本発明の製造方法では、前記式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物を有機過カルボン酸と反応させてエポキシ化し、前記式(III)で表される脂環式エポキシ化合物を得る。式(I)および式(III)中、Rは前記ジオール化合物:HO−R−OH (II)の残基を示す。nは0〜5の整数であり分布を有する。
有機過カルボン酸としては、例えば、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸等を用いることができる。使用できる有機過カルボン酸としては、水分を実質的に含まない有機過カルボン酸を使用することが好ましい。これは、水存在下でのエポキシ化反応は、エポキシ基の開環反応が進みエポキシ化合物の収率が低下するためである。このうち特に過酢酸は工業的に安価に製造可能で、かつ安定度も高く、好ましい有機過カルボン酸である。
実質的に水分を含まない有機過カルボン酸とは、アセトアルデヒドの空気酸化により製造される過酢酸のような有機過カルボン酸のことである。このような有機過カルボン酸の製造方法としては、例えば特開昭54-3006号公報に記載の方法が挙げられる。本発明で使用される有機過カルボン酸の水分含量としては、好ましくは0.8重量%以下(例えば0.05〜0.8重量%)、より好ましくは0.6重量%以下(例えば0.1〜0.6重量%)である。有機過カルボン酸は、好ましくは該有機過カルボン酸を25〜35重量%程度含む有機溶剤溶液として用いられる。アルデヒドの空気酸化により有機過カルボン酸を製造する方法によれば、過酸化水素から有機過カルボン酸を合成し、溶媒に抽出して有機過カルボン酸を得る場合に比べて連続して低い水分含量の有機過カルボン酸を大量に高濃度で合成できるため実質的に安価なプロセスを作ることができる。
有機過カルボン酸の量としては、厳密な制限はなく、それぞれの場合における最適量は、使用する個々の有機過カルボン酸、所望されるエポキシ化度、使用する脂環式オレフィン多価カーボネート化合物の種類等のごとき可変要因によって決まる。
エポキシ化反応は、装置や原料物性に応じて不活性溶媒使用の有無や反応温度を調節して行なう。不活性溶媒としては、原料粘度の低下、有機過カルボン酸の希釈による安定化などの目的で使用することができ、過酢酸の場合であれば芳香族化合物、エーテル類、エステル類などを用いることができる。特に好ましい溶媒は、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼン、酢酸エチルである。
使用できる反応温度域は用いるエポキシ化剤(有機過カルボン酸)の反応性によって定まる。反応温度は、好ましい有機過カルボン酸である過酢酸についていえば、20〜70℃が好ましい。20℃以下では反応が遅く、70℃を超えると過酢酸の分解に伴って爆発的に発熱するため危険を伴う。不飽和結合に対する有機過カルボン酸の仕込みモル比は、残存する不飽和結合をできるだけ減らすため、等モルかそれ以上が好ましい。ただし、経済性及び副反応を抑える観点から2倍モルを越えることは通常不利であり、過酢酸の場合、不飽和結合に対して1.1〜1.8倍モルが好ましい。
反応の混合については特別な操作は必要なく、例えば原料の混合物を1 〜 5時間撹拌すればよい。生成した式(III)で表される脂環式エポキシ化合物の単離は適当な方法、例えば貧溶媒で沈殿させる方法、脂環式エポキシ化合物を熱水中に撹拌の下で投入し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶媒する方法などで行うことができる。
こうして得られる式(III)で表される脂環式エポキシ化合物における遊離の塩素分含有率は、原料として用いた式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物における遊離の塩素分含有率よりさらに低くなる。例えば、遊離の塩素分含有率が100重量ppm以下(特に50重量ppm以下)の脂環式オレフィン多価カーボネート化合物を原料として用いることにより、遊離の塩素分含有率が50重量ppm以下(例えば0.5〜50重量ppm、特に10重量ppm以下)の脂環式エポキシ化合物を得ることができる。このような脂環式エポキシ化合物は、腐蝕性をほとんど示さず、特に電子材料分野などでは極めて有用なものとなる。
式(III)で表される脂環式エポキシ化合物において、nが0である化合物の含有量はnが0〜5の化合物の総量に対して、好ましくは70重量%以下(例えば10〜70重量%)、より好ましくは60重量%以下(例えば20〜60重量%)である。また、式(III)で表される脂環式エポキシ化合物としては、nが2〜5の化合物の何れかを少なくとも含有しているのが好ましく、nが2〜5の化合物の総含有量は、例えば、nが0〜5の化合物の総量に対して、5重量%以上(例えば5〜30重量%程度)、好ましくは10重量%以上(例えば10〜30重量%程度)、さらに好ましくは15重量%以上(例えば15〜30重量%程度)であるのが望ましい。このような脂環式エポキシ化合物は、炭酸エステル骨格を有するとともに脂環式エポキシ基の架橋点間の距離が長い化合物を含むため、硬化反応により透明性、機械物性等に優れる硬化物を与える。従って、特に電子材料分野などでは極めて有用である。なお、nに関する分布はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定できる。分析条件としては、後述の実施例に記載の条件を採用できる。
上記の有機過カルボン酸によるエポキシ化反応では、不飽和結合がエポキシ化されるのみで分子量分布は基本的に変化しないから、原料である式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物におけるnの分布と、生成物である式(III)で表される脂環式エポキシ化合物におけるnの分布は実質的に同じである。したがって、例えば、n=0の化合物の含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して70重量%以下である式(III)で表される脂環式エポキシ化合物は、n=0の化合物の含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して70重量%以下である式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物を有機過カルボン酸でエポキシ化することにより得ることができる。また、n=2〜5の化合物の何れかを少なくとも含有している式(III)で表される脂環式エポキシ化合物は、n=2〜5の化合物の何れかを少なくとも含有している式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物を有機過カルボン酸でエポキシ化することにより得ることができる。
本発明の脂環骨格およびカーボネート結合を持つエポキシ化合物は、単独重合、共重合又はさらに他の化合物と反応させることによって、さまざまなコーティング、インキ、接着剤、シーラント、透明封止材、フィルム、シートなどの成形又は成形品、又はこれらを用いた他の用途のための中間体を生成することができる。また、酸無水物のような硬化剤やカチオン重合開始剤を配合して熱または光硬化性のエポキシ樹脂組成物とすることができる。
本発明の脂環式エポキシ化合物を用いることができる最終用途の例としては、酸除去剤、家具コーティング、装飾コーティング、自動車下塗り、シーラー、仕上げ塗り、飲料缶及びその他の缶コーティング、文字情報又は画像情報のインキ、電子部品用のシーラント、発光ダイオード(LED)などの透明封止材料、液晶表示材料に用いられるTFT膜、ITO膜に用いられる透明基板、印刷版又は印刷回路版を開発するのに適したフォトレジスト、注型印刷ロール、不飽和ポリエステル及びスチレンを主体としガラス、炭素、グラファイト又は、他の繊維によって強化された成形配合物又はシート形成配合物によって作られた成形品、溶媒、難燃剤などがある。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー;標準ポリスチレン基準)の測定条件は下記の通りである。
測定装置:東ソー株式会社製高速GPC装置「HLC−8220GPC」
移動相流量:0.350ml/分
移動相:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
試料注入量:20μl
試料濃度:1%
(各種物性測定方法)
JIS K 6911に規定の方法で、曲げ弾性率、曲げ強度を測定した。試験片の形状は80(mm)×(10±0.5)(mm)×(4±0.2)(mm)とした。
JIS K 7105に規定の方法で、光線透過率を測定した。試験片の形状は50(mm)×50(mm)×(3±0.1)(mm)とした。
製造例1
空気吹き込み口、ガス分散多孔板、冷却ジャケットを備えた300mlステンレス製反応器に酢酸コバルトを含む10重量%アセトアルデヒド−酢酸エチル溶液を毎時114kgで仕込みながら圧縮空気を吹き込み、45℃で反応を行った。反応液は過酢酸10.1重量%、アセトアルデヒドモノパーアセテート2.2重量%、酢酸2.0重量%を含んでいた。この溶液をポリリン酸ナトリウムとともに、蒸留塔に仕込み、濃縮を行い、過酢酸溶液を得た。この過酢酸溶液は過酢酸濃度29.1重量%、水分は0.47重量%であった。
合成例1
撹拌機、温度計、窒素導入管、理論段数3段相当の充填塔を備えた2リットルの丸底フラスコに、炭酸ジメチル 275.2g(3.06mol)、3−シクロヘキセン−1−メタノール(1,2,5,6−テトラヒドロベンジルアルコール)342.7g(3.06mol)、1,6−ヘキサンジオール 180.5g(1.53mol)、触媒としてテトラブチルチタネート 32mgを仕込み、常圧下で撹拌、加温した。反応器の温度は、徐々に上昇させ、220℃に到達した後8時間220℃で反応させた。反応の途中、サンプリングを行い、残存するジオール成分(ここでは1,6−ヘキサンジオール)をガスクロマトグラフィーにより定量し、エステル交換反応が完結に至ったことを確認して反応を終了させた。
エステル交換反応完結後、100Torr(13.3kPa)に減圧し、生成したメタノールを留出させて得られたカーボネートオリゴマーの性状は、粘度 97mPa・s/25℃、酸価 0.5KOHmg/g、水分 0.01重量%、APHA 70、二重結合当量は158であった。収量は596gであった。
得られたカーボネートオリゴマーの1H−NMRによる分析(図1)で、δ1〜2.5ppm付近にハイドロカーボン鎖上の1Hによるシグナル、δ4ppm付近にエステル結合を構成する酸素原子に隣接する炭素原子上の1Hによるシグナル、δ5.5ppm付近に炭素炭素二重結合上の1Hによるシグナルが観測され、式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物であること、GPC分析で得られたチャート(図2)を解析した結果から、式(I)におけるnが0のものが59.8重量%、1のものが24.3重量%、2以上(2〜5)のものが15.8重量%であることが確認された。原子吸光法により分析した遊離の塩素分の含有率は31重量ppmであった。
合成例2
撹拌機、温度計、窒素導入管、理論段数3段相当の充填塔を備えた2リットルの丸底フラスコに、炭酸ジメチル 295.4g(3.28mol)、3−シクロヘキセン−1−メタノール(1,2,5,6−テトラヒドロベンジルアルコール)245.2g(2.19mol)、1,6−ヘキサンジオール 258.4g(2.19mol)、触媒としてテトラブチルチタネート 32mgを仕込み、常圧下で撹拌、加温した。反応器の温度は、徐々に上昇させ、220℃に到達した後8時間220℃で反応させた。反応の途中、サンプリングを行い、残存するジオール成分(ここでは1,6−ヘキサンジオール)をガスクロマトグラフィーにより定量し、エステル交換反応が完結に至ったことを確認して反応を終了させた。
エステル交換反応完結後、100Torr(13.3kPa)に減圧し、生成したメタノールを留出させて得られたカーボネートオリゴマーの性状は、粘度 124mPa・s/25℃、酸価 0.03KOHmg/g、水分 0.02重量%、APHA 80、二重結合当量 180であった。収量は580gであった。
得られたカーボネートオリゴマーの1H−NMRによる分析(図3)で、δ1〜2.5ppm付近にハイドロカーボン鎖上の1Hによるシグナル、δ4ppm付近にエステル結合を構成する酸素原子に隣接する炭素原子上の1Hによるシグナル、δ5.5ppm付近に炭素炭素二重結合上の1Hによるシグナルが観測され、式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物であること、GPC分析で得られたチャート(図4)を解析した結果から、式(I)におけるnが0のものが47.2重量%、1のものが34.2重量%、2以上(2〜5)のものが18.6重量%であることが確認された。原子吸光法により分析した遊離の塩素分の含有率は24重量ppmであった。
合成例3
撹拌機、温度計、窒素導入管、理論段数3段相当の充填塔を備えた2リットルの丸底フラスコに、炭酸ジメチル 262.2g(2.91mol)、3−シクロヘキセン−1−メタノール(1,2,5,6−テトラヒドロベンジルアルコール)326.5g(2.91mol)、1,10−デカンジオール 209.9g(1.46mol)、触媒としてテトラブチルチタネート 32mgを仕込み、常圧下で撹拌、加温した。反応器の温度は、徐々に上昇させ、220℃に到達した後8時間220℃で反応させた。反応の途中、サンプリングを行い、残存するジオール成分(ここでは1,10−デカンジオール)をガスクロマトグラフィーにより定量し、エステル交換反応が完結に至ったことを確認して反応を終了させた。
エステル交換反応完結後、100Torr(13.3kPa)に減圧し、生成したメタノールを留出させて得られたカーボネートオリゴマーの性状は、粘度 253mPa・s/25℃、酸価 0.03KOHmg/g、水分 0.01重量%、APHA 50、二重結合当量 162であった。収量は604gであった。
得られたカーボネートオリゴマーの1H−NMRによる分析(図5)で、δ1〜2.5ppm付近にハイドロカーボン鎖上の1Hによるシグナル、δ4ppm付近にエステル結合を構成する酸素原子に隣接する炭素原子上の1Hによるシグナル、δ5.5ppm付近に炭素炭素二重結合上の1Hによるシグナルが観測され、式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物であること、GPC分析で得られたチャート(図6)を解析した結果から、式(I)におけるnが0のものが51.1重量%、1のものが31.7重量%、2以上(2〜5)のものが17.2重量%であることが確認された。原子吸光法により分析した遊離の塩素分の含有率は27重量ppmであった。
合成例4
撹拌機、温度計、窒素導入管、理論段数3段相当の充填塔を備えた2リットルの丸底フラスコに、炭酸ジメチル 241g(2.67mol)、3−シクロヘキセン−1−メタノール(1,2,5,6−テトラヒドロベンジルアルコール)299.8g(2.67mol)、1,4−シクロヘキサンジメタノール 259.4g(1.34mol)、触媒としてテトラブチルチタネート 32mgを仕込み、常圧下で撹拌、加温した。反応器の温度は、徐々に上昇させ、220℃に到達した後8時間220℃で反応させた。反応の途中、サンプリングを行い、残存するジオール成分(ここでは1,4−シクロヘキサンジメタノール)をガスクロマトグラフィーにより定量し、エステル交換反応が完結に至ったことを確認して反応を終了させた。
エステル交換反応完結後、100Torr(13.3kPa)に減圧し、生成したメタノールを留出させて得られたカーボネートオリゴマーの性状は、粘度 110mPa・s/25℃、酸価 0.02KOHmg/g、水分 0.01重量%、APHA 50、二重結合当量 178であった。収量は615gであった。
得られたカーボネートオリゴマーの1H−NMRによる分析(図7)で、δ1〜2.5ppm付近にハイドロカーボン鎖上の1Hによるシグナル、δ4ppm付近にエステル結合を構成する酸素原子に隣接する炭素原子上の1Hによるシグナル、δ5.5ppm付近に炭素炭素二重結合上の1Hによるシグナルが観測され、式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物であること、GPC分析で得られたチャート(図8)を解析した結果から、式(I)におけるnが0のものが59.7重量%、1のものが24.3重量%、2以上(2〜5)のものが16.0重量%であることが確認された。原子吸光法により分析した遊離の塩素分の含有率は19重量ppmであった。
実施例1
合成例1で合成した式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物であるカーボネートオリゴマー100g(0.63mol)、酢酸エチル100gをジャケット付き1リットルのフラスコに仕込み、毎時1リットルの流量で気相部に窒素を吹き込みながら反応前粗液温度を30℃になるように加温した。製造例1で得られた実質的に水分を含まない過酢酸の酢酸エチル溶液225gを3時間かけて滴下した。過酢酸滴下終了後、40℃を維持したまま3時間撹拌を続け、反応を終了した。反応終了液にイオン交換水400gを加え、過酢酸由来の酢酸を水層に抽出した。WFE型薄膜蒸発器を使用して、酢酸エチルなど、製品よりも低沸点成分を除去して、式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物であるカーボネートオリゴマーのエポキシ化物[式(III)で表される脂環式エポキシ化合物]91gを得た。得られたエポキシ化合物の性状は、粘度 1780mPa・s/25℃、酸価 0.5KOHmg/g、水分 0.05重量%、APHA 20、エポキシ当量は197であった。得られたエポキシ化物の1H−NMRスペクトルチャートを図9に示す。得られたエポキシ化合物のnの分布は合成例1で得られた式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物であるカーボネートオリゴマーと同じである。原子吸光法により分析した遊離の塩素分の含有率は25重量ppmであった。
上記のエポキシ化合物40g、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸無水物34g、エチレングリコール0.5g、テトラブチルアンモニウムブロミド0.17gを250mlの高密度ポリエチレン製容器に入れ、遊星式撹拌・脱泡装置を使用して混合した。混合物をテフロン(登録商標)製の型に入れ、110℃で2時間、次いで180℃で2時間の条件で硬化させ、硬化物を得た。硬化物の諸物性を評価したところ、曲げ弾性率は2457MPa、曲げ強度は82MPa、波長400nmにおける光線透過率は84%であった。
実施例2
合成例2で合成した式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物であるカーボネートオリゴマー100g(0.56mol)、酢酸エチル100gをジャケット付き1リットルのフラスコに仕込み、毎時1リットルの流量で気相部に窒素を吹き込みながら反応前粗液温度を30℃になるように加温した。製造例1で得られた実質的に水分を含まない過酢酸の酢酸エチル溶液225gを3時間かけて滴下した。過酢酸滴下終了後、40℃を維持したまま3時間撹拌を続け、反応を終了した。反応終了液にイオン交換水400gを加え、過酢酸由来の酢酸を水層に抽出した。WFE型薄膜蒸発器を使用して、酢酸エチルなど、製品よりも低沸点成分を除去して、式(I)で表わされる脂環式オレフィン多価カーボネート化合物であるカーボネートオリゴマーのエポキシ化物[式(III)で表される脂環式エポキシ化合物]89gを得た。得られたエポキシ化合物の性状は、粘度 1761mPa・s/25℃、酸価 0.4KOHmg/g、水分 0.07重量%、APHA 30、エポキシ当量は213であった。得られたエポキシ化物の1H−NMRスペクトルチャートを図10に示す。得られたエポキシ化合物のnの分布は合成例2で得られた式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物であるカーボネートオリゴマーと同じである。原子吸光法により分析した遊離の塩素分の含有率は19重量ppmであった。
上記のエポキシ化合物40g、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸無水物31.5g、エチレングリコール0.5g、テトラブチルアンモニウムブロミド0.16gを250mlの高密度ポリエチレン製容器に入れ、遊星式撹拌・脱泡装置を使用して混合した。混合物をテフロン(登録商標)製の型に入れ、110℃で2時間、次いで180℃で2時間の条件で硬化させ、硬化物を得た。硬化物の諸物性を評価したところ、曲げ弾性率は2510MPa、曲げ強度は87MPa、波長400nmにおける光線透過率は83%であった。
実施例3
合成例3で合成した式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物であるカーボネートオリゴマー100g(0.56mol)、酢酸エチル100gをジャケット付き1リットルのフラスコに仕込み、毎時1リットルの流量で気相部に窒素を吹き込みながら反応前粗液温度を30℃になるように加温した。製造例1で得られた実質的に水分を含まない過酢酸の酢酸エチル溶液225gを3時間かけて滴下した。過酢酸滴下終了後、40℃を維持したまま3時間撹拌を続け、反応を終了した。反応終了液にイオン交換水400gを加え、過酢酸由来の酢酸を水層に抽出した。WFE型薄膜蒸発器を使用して、酢酸エチルなど、製品よりも低沸点成分を除去して、式(I)で表わされる脂環式オレフィン多価カーボネート化合物であるカーボネートオリゴマーのエポキシ化物[式(III)で表される脂環式エポキシ化合物]97gを得た。得られたエポキシ化合物の性状は、粘度 1221mPa・s/25℃、酸価 0.3KOHmg/g、水分 0.08重量%、APHA 20、エポキシ当量は211であった。得られたエポキシ化物の1H−NMRスペクトルチャートを図11に示す。得られたエポキシ化合物のnの分布は合成例4で得られた式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物であるカーボネートオリゴマーと同じである。原子吸光法により分析した遊離の塩素分の含有率は21重量ppmであった。
上記のエポキシ化合物40g、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸無水物32g、エチレングリコール0.5g、テトラブチルアンモニウムブロミド0.16gを250mlの高密度ポリエチレン製容器に入れ、遊星式撹拌・脱泡装置を使用して混合した。混合物をテフロン(登録商標)製の型に入れ、110℃で2時間、次いで180℃で2時間の条件で硬化させ、硬化物を得た。硬化物の諸物性を評価したところ、曲げ弾性率は2420MPa、曲げ強度は99MPa、波長400nmにおける光線透過率は81%であった。
実施例4
合成例4で合成した式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物であるカーボネートオリゴマー100g(0.62mol)、酢酸エチル100gをジャケット付き1リットルのフラスコに仕込み、毎時1リットルの流量で気相部に窒素を吹き込みながら反応前粗液温度を30℃になるように加温した。製造例1で得られた実質的に水分を含まない過酢酸の酢酸エチル溶液225gを3時間かけて滴下した。過酢酸滴下終了後、40℃を維持したまま3時間撹拌を続け、反応を終了した。反応終了液にイオン交換水400gを加え、過酢酸由来の酢酸を水層に抽出した。WFE型薄膜蒸発器を使用して、酢酸エチルなど、製品よりも低沸点成分を除去して、式(I)で表わされる脂環式オレフィン多価カーボネート化合物であるカーボネートオリゴマーのエポキシ化物[式(III)で表される脂環式エポキシ化合物]97gを得た。得られたエポキシ化合物の性状は、粘度 12100mPa・s/25℃、酸価 0.2KOHmg/g、水分 0.05重量%、APHA 10、エポキシ当量は193であった。得られたエポキシ化物の1H−NMRスペクトルチャートを図12に示す。得られたエポキシ化合物のnの分布は合成例3で得られた式(I)で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物であるカーボネートオリゴマーと同じである。原子吸光法により分析した遊離の塩素分の含有率は17重量ppmであった。
上記のエポキシ化合物40g、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸無水物34.9g、エチレングリコール0.5g、テトラブチルアンモニウムブロミド0.17gを250mlの高密度ポリエチレン製容器に入れ、遊星式撹拌・脱泡装置を使用して混合した。混合物をテフロン(登録商標)製の型に入れ、110℃で2時間、次いで180℃で2時間の条件で硬化させ、硬化物を得た。硬化物の諸物性を評価したところ、曲げ弾性率は2450MPa、曲げ強度は91MPa、波長400nmにおける光線透過率は85%であった。
比較例1
3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート40g、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸無水物52g、エチレングリコール0.8g、テトラブチルアンモニウムブロミド0.26gを250mlの高密度ポリエチレン製容器に入れ、遊星式撹拌・脱泡装置を使用して混合した。混合物をテフロン(登録商標)製の型に入れ、110℃で2時間、次いで180℃で2時間の条件で硬化させ、硬化物を得た。硬化物の諸物性を評価したところ、曲げ弾性率は2976MPa、曲げ強度は43MPa、波長400nmにおける光線透過率は87%であった。
比較例2
3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの分子中にε−カプロラクトンを開環挿入したエポキシ樹脂(エポキシ当量180)40g、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸無水物37g、エチレングリコール0.5g、テトラブチルアンモニウムブロミド0.17gを250mlの高密度ポリエチレン製容器に入れ、遊星式撹拌・脱泡装置を使用して混合した。混合物をテフロン(登録商標)製の型に入れ、110℃で2時間、次いで180℃で2時間の条件で硬化させ、硬化物を得た。硬化物の諸物性を評価したところ、曲げ弾性率は2398MPa、曲げ強度は102MPa、波長400nmにおける光線透過率は77%であった。
表1に評価結果をまとめて示す。なお、透明性及び機械物性については、下記の基準で評価した。
(透明性)
○:400nmにおける光線透過率が80%以上である。
×:400nmにおける光線透過率が80%未満である。
(機械物性)
○:曲げ強度80MPa以上、かつ、曲げ弾性率2550MPa以下
×:曲げ強度80MPa未満、もしくは、曲げ弾性率2550MPa超
Figure 0005042491
以上の結果から、本発明の脂環式エポキシ化合物の製造方法と、それによって得られる脂環式エポキシ化合物によって、透明性、機械物性共に優れた硬化物を得ることが可能となった。
合成例1で得られたカーボネートオリゴマーの1H−NMRスペクトルのチャートである。 合成例1で得られたカーボネートオリゴマーのGPC分析のチャートである。 合成例2で得られたカーボネートオリゴマーの1H−NMRスペクトルのチャートである。 合成例2で得られたカーボネートオリゴマーのGPC分析のチャートである。 合成例3で得られたカーボネートオリゴマーの1H−NMRスペクトルのチャートである。 合成例3で得られたカーボネートオリゴマーのGPC分析のチャートである。 合成例4で得られたカーボネートオリゴマーの1H−NMRスペクトルのチャートである。 合成例4で得られたカーボネートオリゴマーのGPC分析のチャートである。 実施例1で得られた脂環式エポキシ化合物の1H−NMRスペクトルのチャートである。 実施例2で得られた脂環式エポキシ化合物の1H−NMRスペクトルのチャートである。 実施例3で得られた脂環式エポキシ化合物の1H−NMRスペクトルのチャートである。 実施例4で得られた脂環式エポキシ化合物の1H−NMRスペクトルのチャートである。

Claims (5)

  1. 下記式(I’)
    Figure 0005042491
    [式中、Rはジオール化合物:HO−R−OH (II)の残基を示す。nは0〜5の整数であり分布を有しており、n=0の化合物の含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して10〜70重量%であり、且つn=2〜5の化合物の総含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して10〜30重量%である]
    で表される脂環式オレフィン多価カーボネート化合物の混合物を有機過カルボン酸によりエポキシ化して、下記式(III’)
    Figure 0005042491
    [式中、Rはジオール化合物:HO−R−OH (II)の残基を示す。nは0〜5の整数であり分布を有しており、n=0の化合物の含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して10〜70重量%であり、且つn=2〜5の化合物の総含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して10〜30重量%である]
    で表される脂環式エポキシ化合物の混合物を得ることを特徴とする脂環式エポキシ化合物の製造方法。
  2. 水分含有率が0.8重量%以下の有機過カルボン酸を用いる請求項1記載の脂環式エポキシ化合物の製造方法。
  3. 式(I’)及び式(III’)中のRが炭素数2〜16のアルカンジオール又は炭素数5〜16の脂環式ジオールの残基である請求項1記載の脂環式エポキシ化合物の製造方法。
  4. 下記式(III’)
    Figure 0005042491
    [式中、Rはジオール化合物:HO−R−OH (II)の残基を示す。nは0〜5の整数であり分布を有しており、n=0の化合物の含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して10〜70重量%であり、且つn=2〜5の化合物の総含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して10〜30重量%である]
    で表される脂環式エポキシ化合物の混合物。
  5. 下記式(III’)
    Figure 0005042491
    [式中、Rはジオール化合物:HO−R−OH (II)の残基を示す。nは0〜5の整数であり分布を有しており、n=0の化合物の含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して10〜70重量%であり、且つn=2〜5の化合物の総含有量がn=0〜5の化合物の総量に対して10〜30重量%である]
    で表され、且つ塩素分含有率が50重量ppm以下である脂環式エポキシ化合物の混合物。
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