JP5054342B2 - 植物由来成分を有するポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

植物由来成分を有するポリカーボネートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は植物由来成分を含有し、さらに高度な耐熱性と機械物性を有するポリカーボネートの製造方法に関する。さらに詳しくは、二槽式反応装置を用いて植物由来のジオール成分を有するポリカーボネートを炭酸ジエステルを用いて製造する際に、重縮合生成物である炭酸ジエステル由来のモノヒドロキシ化合物の第一反応槽での留出量が基準の範囲内に到達した時点で反応液を第二反応槽へと送液することにより高度な耐熱性と機械物性を有するポリカーボネートを製造する方法に関する。
ポリカーボネート樹脂は透明性、耐熱性、耐衝撃性に優れており、現在、電気・電子分野、自動車分野、光学部品分野、その他の工業分野で広く使用されている。しかしながら一般的に用いられている芳香族ポリカーボネート樹脂は石油資源から得られる原料を用いて製造されているため、石油資源の枯渇や廃棄物の焼却処理に伴い発生する二酸化炭素による地球温暖化が懸念されている昨今においては好ましい材料とは言えず、より環境負荷が小さく、リサイクル性に優れた材料が待たれる。
このような問題に対処するために植物由来原料からなるポリカーボネートの研究も行われている(特許文献1)。かかる樹脂の製造方法としては、植物由来エーテルジオールおよび脂肪族ジオールと炭酸ジエステルとのエステル交換反応(溶融重縮合法)が用いられており、溶融重縮合法はジヒドロキシ化合物にホスゲンを直接反応させる方法(界面重縮合)に比べて有毒なホスゲンや、メチレンクロリド等のハロゲン化合物を溶媒として使用する問題が無く、安価にポリカーボネートを製造できる。
しかしながらこのようなポリカーボネートの製造においてはフラスコ等を用いた比較的小スケールでの重合方法が開示されているのみであり、実用に際してのスケールアップ時に用いられる二槽またはそれ以上の多槽式の反応装置での重合方法については述べられていない。
国際公開第2004/111106号パンフレット
本発明の目的は、上記従来技術のこれらの問題点を解決し、二槽式反応装置を用いて高度な耐熱性と機械物性を有する植物由来成分を有するポリカーボネートを製造する方法を提供することである。本発明者らは鋭意研究の結果、炭酸ジエステル由来の重縮合生成物であるモノヒドロキシ化合物の第一反応槽での留出量が基準の範囲内に到達した時点で反応液を第二反応槽へと送液することにより上記目的が達成されることを発見し本発明を完成するに至った。
空冷または水冷還流カラムよりなる蒸留塔、撹拌装置および水冷コンデンサを備えた第一反応槽と、還流機能を有さない留出管、撹拌装置、ポリマー吐出口を備えた第二反応槽からなる二槽式の反応装置を用いて下記式(1)
Figure 0005054342
(R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基)
で表されるエーテルジオール残基を含んで成り、全ジオール残基中式(1)で表されるエーテルジオール残基が40〜100モル%を占めるポリカーボネートを炭酸ジエステルを重合原料として用いて溶融重縮合法により製造する際に、反応過程で生成した炭酸ジエステル由来のモノヒドロキシ化合物について、第一反応槽での当該モノヒドロキシ化合物留出量が理論留出量の60〜93%の範囲に達した後に第二反応層へと反応液を送液することを特徴とするポリカーボネートの製造方法である。
本発明によれば、二槽式反応装置を用いて高度な耐熱性と機械物性を有する植物由来成分を有するポリカーボネートを製造することができる。
以下に、本発明を実施するための形態につき詳細に説明する。尚、これらの実施例および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
本発明にかかる製造方法は、空冷または水冷還流カラムよりなる蒸留塔、撹拌装置および水冷コンデンサを備えた第一反応槽と、還流機能を有さない留出管、撹拌装置、ポリマー吐出口を備えた第二反応槽からなる二槽式の反応装置を用いて下記式(1)
Figure 0005054342
(R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基)
で表されるエーテルジオール残基を含んで成り、全ジオール残基中式(1)で表されるエーテルジオール残基が40〜100モル%を占めるポリカーボネートを炭酸ジエステルを重合原料として溶融重縮合法により製造する際に、反応過程で生成した炭酸ジエステル由来のモノヒドロキシ化合物について、第一反応槽での当該モノヒドロキシ化合物留出量が理論留出量の60〜93%の範囲に達した後、第二反応へと反応液を送液することを特徴とするポリカーボネートの製造方法である。
ポリカーボネート樹脂の公知の製造方法としては、主としてジヒドロキシ化合物のアルカリ水溶液とホスゲンを有機溶媒の存在下反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルをエステル交換触媒の存在下高温・高真空下で溶融重縮合反応させる溶融重縮合法が挙げられる。このうち溶融重縮合法は、エステル交換触媒と高温・高真空を必要とするプロセスであるが、ホスゲン法に比較して経済的であり、更に塩素原子を実質的に含まないポリカーボネート樹脂が得られる利点がある。本発明においても溶融重縮合法により上記ポリカーボネートを製造するのが好ましい。
本発明の製造方法では、好ましくは重合触媒の存在下、原料であるジオールと炭酸ジエステルとを不活性ガス気流下で溶融させた後減圧下で280℃以下の温度で加熱しながら撹拌して、生成するフェノール等の芳香族モノヒドロキシ化合物または脂肪族モノヒドロキシ化合物を留出させる。反応系は窒素など、原料、反応混合物に対し不活性なガスの雰囲気に保つことが好ましい。窒素以外の不活性ガスとしては、アルゴンなどを挙げることができる。
反応初期に常圧で加熱反応させることが好ましい。これはオリゴマー化反応を進行させ、反応後期に減圧してフェノール等の芳香族モノヒドロキシ化合物または脂肪族モノヒドロキシ化合物を留去する際、未反応のモノマーが留出してモルバランスが崩れ、重合度が低下することを防ぐためである。本発明にかかる製造方法においては芳香族モノヒドロキシ化合物または脂肪族モノヒドロキシ化合物を適宜系(反応器)から除去することにより反応を進めることができる。そのためには、反応後期には減圧することが効果的であり、好ましい。
本発明の製造方法において、ジオールの分解を抑え、着色が少なく高粘度の樹脂を得るために、できるだけ低温の条件を用いることが好ましいが、重合反応を適切に進めるためには重合温度は180℃以上280℃以下の範囲であることが好ましく、反応後期の重合温度はより好ましくは230〜260℃の範囲である。
本発明にかかる反応装置は第一および第二の反応槽よりなり、このうち第一反応槽は空冷または水冷還流カラムよりなる蒸留塔、撹拌装置および水冷コンデンサを具備していることが好ましい。蒸留塔およびコンデンサに冷却機能が付与されていない場合はポリカーボネートの溶融重縮合の際に副生物として生じるモノヒドロキシ化合物のみでなく、モノマーが初期反応中に揮発し、モノマーのモルバランスが崩れ、得られるポリマーの重合度が上がらず、実用に十分な耐熱性と機械物性が得られないため好ましくない。
この反応装置を用いて上記のポリカーボネートを製造する際には、第一反応槽でのフェノール留出量が理論留出量の60〜93%の範囲に達した後に第二反応層へと反応液を送液することが好ましい。第一反応槽でのモノヒドロキシ化合物留出量の理論留出量に対する値がこの範囲よりも小さい時点で第二反応槽へと反応液を送液すると、還流機能を有していない第二反応槽において未反応のモノマーやオリゴマーが揮発し、得られるポリマーの重合度が上がらず、実用に十分な耐熱性と機械物性が得られないため好ましくない。また、第一反応槽でのモノヒドロキシ化合物留出量の理論留出量に対する値がこの範囲よりも大きい時点で第二反応槽へと反応液を送液すると、第一反応槽で反応液の粘度が上昇し、第二反応槽へと送液される反応液量および結果的に得られるポリマー量が少なくなり、製造効率が低くなるため好ましくない。本発明の製造方法により得られるポリカーボネート量の理論量に対する収率は35%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。
本発明の製造方法により得られるポリカーボネートは、還元粘度が0.40dl/g以上であることが好ましく、より好ましくは0.50dl/g以上であり、さらには0.60dl/g以上であることが好ましい。この範囲内にあるときには良好な溶融流動性を有し、さらには十分な機械強度を有する。
本発明で用いるポリカーボネートのガラス転移温度は90℃以上であり、より好ましくは100℃以上である。ガラス転移温度が90℃よりも低くなると実用的に十分な耐熱性と成形性が得られない場合がある。
本発明により製造されるポリカーボネート中の全ジオール残基中、式(1)で表されるエーテルジオール残基は40〜100モル%である。式(1)で表されるエーテルジオール残基の割合がこの範囲よりも小さくなると、得られる樹脂のガラス転移温度が低くなり耐熱性が低くなり好ましくない。またエーテルジオール残基の割合がこの範囲よりも大きくなると溶融粘度が高くなり高い重合度のポリマーが得られず、また成型加工も困難になるため好ましくない。式(1)で表されるエーテルジオール残基の割合は全ジオール残基中より好ましくは60モル%以上90モル%以下である。
また、ジオール成分としてエーテルジオール(下記式(2))と脂肪族ジオール(下記式(3))以外のジオール成分を含んでも良い。その他のジオール成分として、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式アルキレンジオール類、ジメタノールベンセン、ジエタノールベンゼンなどの芳香族ジオール、ビスフェノール類などが挙げることができる。
さらに、本発明の製造方法では、好ましくは下記式(2)で表されるジオール、下記式(3)で表されるジオール、および炭酸ジエステルとから溶融重縮合法によりポリカーボネートを製造する。
Figure 0005054342
Figure 0005054342
(Rは炭素数が2から12である脂肪族基)
ここで上記式(1)および(3)におけるRは炭素数が2から12である脂肪族基である。つまり、式(3)で表されるジオール成分としては、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。この中でもポリマーの合成において重合度が上がりやすく、またポリマーの物性においても高いガラス転移点を示すといった点で1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールが好ましく、1,3-プロパンジオールと1,6-ヘキサンジオールがより好ましい。
本発明にかかる製造方法では触媒を用いることが好ましい。使用できる触媒は(i)含窒素塩基性化合物、(ii)アルカリ金属化合物および(iii)アルカリ土類金属化合物である。これらは一種類を単独で使用しても、二種類以上を併用してもよいが、(i)と(ii)、(i)と(iii)、(i)と(ii)と(iii)の組み合わせで併用することが好ましい場合が多い。
(i)については好ましくはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、(ii)については、重縮合反応を速やかに進行するという点でナトリウム塩類を重合触媒として用いることが好ましく、2,2-ビス(4-ヒドロキシルフェニル)プロパン二ナトリウム塩を用いることがさらに好ましい。
本発明のポリカーボネートの製造方法に用いる炭酸ジエステルとしては、たとえばジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネートなどの芳香族系炭酸ジエステルや、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等の脂肪族系炭酸ジエステルが挙げられる。このような化合物のうち反応性、コスト面から芳香族系炭酸ジエステルを用いることが好ましく、ジフェニルカーボネートを用いることがさらに好ましい。
上記式(1)で表されるエーテルジオール残基を構成するエーテルジオールとしては、具体的には下記式(4)、(5)および(6)で表されるイソソルビド、イソマンニド、イソイディッドなどが挙げられる。これら糖質由来のエーテルジオールは、自然界のバイオマスからも得られる物質で、再生可能資源と呼ばれるものの一つである。イソソルビドはでんぷんから得られるD-グルコースに水添した後、脱水を受けさせることにより得られる。その他のエーテルジオールについても、出発物質を除いて同様の反応により得られる。
Figure 0005054342
Figure 0005054342
Figure 0005054342
特に、エーテルジオール残基としてイソソルビドの残基を含んでなるポリカーボネートが好ましい。イソソルビドはでんぷんなどから簡単に作ることがエーテルジオールであり資源として豊富に入手することができる上、イソマンニドやイソイディッドと比べても製造の容易さ、性質、用途の幅広さの全てにおいて優れている。上記式(1)で表されるエーテルジオール残基のうち、イソソルビドの残基は60〜100重量%であることが好ましい。
本発明にかかる製造方法で得られたポリカーボネートは単独で用いてもよく、また本発明の目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂(例えば、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂など)、充填剤(ガラス繊維、炭素繊維、天然繊維、有機繊維、セラミックスファイバー、セラミックビーズ、タルク、クレーおよびマイカなど)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系化合物、イオウ系酸化防止剤など)、難燃添加剤(リン系、ブロモ系など)、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系など)、流動改質剤、着色剤、光拡散剤、赤外線吸収剤、有機顔料、無機顔料、離形剤、可塑剤などを添加することができる。
また、本発明の樹脂組成物は射出成型や押出成型、ブロー成型などの方法によって、各種成型品(射出成型品、押出成型品、ブロー成型品、フィルム、繊維、シートなど)に加工し利用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、各ポリカーボネートの物性値は以下の手法により評価した。
[還元粘度] フェノール/テトラクロロエタン(体積比50/50)の混合溶媒10mlに対してポリカーボネート120 mgを溶解して得た溶液の35℃における粘度をウデローベ粘度計で測定した。単位はdl(リットル)/gである。
[ガラス転移温度(Tg)] TA instruments社製DSC2920を用いて窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分の条件で測定した。
[フェノール留出比率] モノマー仕込み量より算出されるフェノールの理論留出量に対する実際のフェノール留出量の割合を百分率[%]で表記した。
[ポリマー収率] モノマー仕込み量より算出される生成ポリマー量に対する回収ポリマー量の割合を百分率[%]で表記した。
[実施例1]
イソソルビド(1240g, 8.50モル)、1,6−ヘキサンジオール(HD,186g, 1.58モル)およびジフェニルカーボネート(2140g, 10.0モル)とを空冷還流カラムよりなる蒸留塔、撹拌装置および水冷コンデンサを備えたSUS316製第一反応槽に入れ、また重合触媒として2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン二ナトリウム塩(0.681mg, 2.50×10-6モル)およびテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(91.2mg, 1.00×10-3モル)を加え窒素雰囲気下180℃で溶融した。攪拌下、反応槽内を100mmHgに減圧し、生成するフェノールを留去しながら約20分間反応させた。次に200℃に昇温した後、フェノールを留去しながら30mmHgまで減圧し、さらに約20分間反応させた。この時点でフェノールの留出量は1.48kg、フェノール理論留出量に対する割合は79%であった。ついで、反応液を還流機能を有さない留出管、撹拌装置、ポリマー吐出口を備えたSUS316製第二反応槽へと送液し、反応槽内を徐々に30mmHgに減圧した後、250℃に昇温した。さらに反応槽内を1.8 mmHgへと到達せしめた。重合の進行は反応液の撹拌に要する電力値の上昇によって確認し、この値が一定になった時点で反応を停止した。得られたポリカーボネートの還元粘度は0.64、回収量は897g、収率は59%であった。結果を表1に示す。
[実施例2]
モノマー仕込み量をイソソルビド(1280g, 8.75モル)、1,6−ヘキサンジオール(155g, 1.31モル)およびジフェニルカーボネート(2140g, 10.0モル)とし、第一反応槽でのフェノールの留出量1.60kg、フェノール理論留出量に対する割合が85%となった時点で反応液を第二反応槽へと送液し、最終的な反応槽内圧力が0.6 mmHgである以外は実施例1と同様の操作でポリカーボネートを製造した。得られたポリカーボネートの還元粘度は0.60、回収量は930g、収率は55%であった。結果を表1に示す。
[実施例3]
モノマーおよび重合触媒仕込み量をイソソルビド(1020g, 7.00モル)、1,3−プロパンジオール(240g, 3.15モル)、ジフェニルカーボネート(2140g, 10.0モル)、2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン二ナトリウム塩(0.681mg, 2.50×10-6モル)およびテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(18.2mg, 2.00×10-4モル)とし、第一反応槽でのフェノールの留出量1.70kg、フェノール理論留出量に対する割合が90%となった時点で反応液を第二反応槽へと送液し、最終的な反応槽内圧力が0.6 mmHgである以外は実施例1と同様の操作でポリカーボネートを製造した。得られたポリカーボネートの還元粘度は0.70、回収量は670g、収率は44%であった。結果を表1に示す。
[実施例4]
モノマーおよび重合触媒の仕込み量をイソソルビド(1280g, 8.75モル)、1,3−プロパンジオール(285g, 3.75モル)、ジフェニルカーボネート(2700g, 12.6モル)、2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン二ナトリウム塩(5.11mg, 1.88×10-5モル)およびテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(114mg, 1.25×10-3モル)とし、第一反応槽でのフェノールの留出量2.13kg、フェノール理論留出量に対する割合が91%となった時点で反応液を第二反応槽へと送液し、最終的な反応槽内圧力が0.45 mmHgである以外は実施例1と同様の操作でポリカーボネートを製造した。得られたポリカーボネートの還元粘度は0.57、回収量は1060g、収率は55%であった。結果を表1に示す。
[比較例1]
モノマーおよび重合触媒の仕込み量をイソソルビド(1280g, 8.75モル)、1,3−プロパンジオール(300g, 3.94モル)、ジフェニルカーボネート(2680g, 12.5モル)、2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン二ナトリウム塩(0.851mg, 3.13×10-6モル)およびテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(22.8mg, 2.50×10-4モル)とし、第一反応槽でのフェノールの留出量1.29kg、フェノール理論留出量に対する割合が55%となった時点で反応液を第二反応槽へと送液し、最終的な反応槽内圧力が0.6 mmHgである以外は実施例1と同様の操作でポリカーボネートを製造した。得られたポリカーボネートの還元粘度は0.21、回収量は1140g、収率は60%であった。結果を表1に示す。
[比較例2]
第一反応槽でのフェノールの留出量2.23kg、フェノール理論留出量に対する割合が95%となった時点で反応液を第二反応槽へと送液する以外は比較例1と同様の操作でポリカーボネートを製造した。得られたポリカーボネートの還元粘度は0.60、回収量は572g、収率は30%であった。結果を表1に示す。
表1中の実施例1〜3からわかるように二槽式反応装置を用いて植物由来成分を有するポリカーボネートを製造する際に、重縮合生成物であるフェノールの第一反応槽での留出量が基準の範囲内に到達した時点で反応液を第二反応槽へと送液することにより高重合度のポリカーボネートを高収率で得ることができる。
Figure 0005054342

Claims (7)

  1. 空冷または水冷還流カラムよりなる蒸留塔、撹拌装置および水冷コンデンサを備えた第一反応槽と、還流機能を有さない留出管、撹拌装置、ポリマー吐出口を備えた第二反応槽からなる二槽式反応装置を用いて下記式(1)
    Figure 0005054342
    (R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基)
    で表されるエーテルジオール残基を含んで成り、全ジオール残基中式(1)で表されるエーテルジオール残基が40〜100モル%を占めるポリカーボネートを炭酸ジエステルを重合原料として用いて溶融重縮合法により製造する際に、第一反応槽で生成した炭酸ジエステル由来のモノヒドロキシ化合物の留出量が理論留出量の60〜93%に達した後、第二反応へと反応液を送液することを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
  2. 下記式(2)で表されるエーテルジオール、下記式(3)で表される脂肪族ジオール、および炭酸ジエステルとから溶融重縮合法により製造される請求項1に記載のポリカーボネートの製造方法。
    Figure 0005054342
    (R 〜R はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基)
    Figure 0005054342
    (Rは炭素数が2から12である脂肪族基)
  3. エーテルジオールがイソソルビド、イソマンニド、またはイソイディッドであり、脂肪族ジオールがエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、または1,4-シクロヘキサンジメタノールである請求項2に記載のポリカーボネートの製造方法
  4. 重合触媒として2,2-ビス(4-ヒドロキシルフェニル)プロパン二ナトリウム塩を使用することを特徴とする、請求項2または3に記載のポリカーボネートの製造方法。
  5. 炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネートを使用する請求項1〜4のいずれか1項記載のポリカーボネートの製造方法
  6. 上記式(2)で表されるエーテルジオールとしてイソソルビドを使用する請求項2〜5のいずれかに記載のポリカーボネートの製造方法。
  7. 上記式(3)で表される脂肪族ジオールとして1,3−プロパンジオールまたは1,6−ヘキサンジオールを使用する請求項2〜6のいずれかに記載のポリカーボネートの製造方法。
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