JPH0543673A - 脂環式炭化水素基含有ポリマーの製造方法 - Google Patents

脂環式炭化水素基含有ポリマーの製造方法

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JPH0543673A
JPH0543673A JP3229435A JP22943591A JPH0543673A JP H0543673 A JPH0543673 A JP H0543673A JP 3229435 A JP3229435 A JP 3229435A JP 22943591 A JP22943591 A JP 22943591A JP H0543673 A JPH0543673 A JP H0543673A
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JP
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oligomer
hydrocarbon group
polymer
alicyclic hydrocarbon
alicyclic
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JP3229435A
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Masa Miyake
雅 三宅
Mitsuo Matsumoto
光郎 松本
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(II) (式中、Xは2価の脂環式炭化水素基)で示される脂環
式ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートおよび
/または一般式(III) (式中、Lは2価の飽和脂肪族、飽和脂環式または芳香
族炭化水素基、Aはアルキル基またはフェニル基)で示
されるジカルボン酸エステルとから、一般式(I) (式中、XおよびLは上記定義のとおりであり、mおよ
びnはそれぞれ0〜0.5の数を表し、mとnの和を
0.5とする。)で示される構造単位からなる脂環式炭
化水素基含有ポリマーを製造するに際し、数平均分子量
5000以下のオリゴマーを合成し、得られたオリゴマ
ー1重量部に対し0.2〜10.0重量部の溶媒で溶液
とし、次いで孔径1.0ミクロン以下のフィルターによ
りろ過し、ろ液から溶媒を除去した後、オリゴマ−を溶
融重縮合させる製造方法。 【効果】 微小異物含有量が少なく、着色が少ない成形
品を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微小異物含有量が極めて
低い脂環式炭化水素基含有のポリカーボネート、ポリエ
ステルカーボネートまたはポリエステルの製造方法に関
する。本発明によって製造されるポリマーは各種の構造
材料または機能材料として有用であり、とりわけ光学用
透明材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】透明性に優れ、かつ力学物性や熱特性が
優れた成形品を与えるポリマーとして、ビスフェノール
Aポリカーボネートが工業的に大量に製造され、広範囲
の分野で使用されているのは周知のとおりである。しか
しながら、ビスフェノールAポリカーボネートは芳香族
化合物よりなるため、これから得られる成形品は複屈折
が大であり、複屈折が小であることが要求される用途、
例えばレンズや光ディスクの基板材料などの光学用途に
は必ずしも適していない場合がある。
【0003】複屈折の小さい成形物を得るために、種々
の置換基を導入したビスフェノールAのポリカーボネー
トが提案されており、また芳香族基の存在が高複屈折の
成形品を与える原因であることから、芳香族化合物を用
いないポリカーボネートが提案されている。芳香族化合
物を用いないポリカーボネートとしては、脂肪族ジオ−
ルまたは脂環式ジオ−ルを原料とするポリカーボネート
がある。脂肪族ジオ−ルを原料とするポリカーボネート
は通常融点が50〜60℃程度以下であるものが多く、
成形品として使用するには適していない。耐熱性が優
れ、かつ複屈折が小さい成形品を与えるポリカーボネー
トの候補としては脂環式ジオ−ルを原料とするポリカー
ボネートが適当である。
【0004】脂環式ジオ−ルを原料とするポリカーボネ
ートとしては、例えば2,2,4,4−テトラメチルシ
クロブタン−1,3−ジオ−ルからなるポリカーボネー
ト(特公昭38−26798号公報および特開平1−1
34301号公報参照)、ノルボルナン骨格の2,5−
位または2,6−位のジオ−ルとジメタノ−ルとからな
るポリカーボネート(米国特許第3449298号明細
書参照)、ノルボルナン骨格、ジメタノペルヒドロナフ
タレン骨格またはトリメタノペルヒドロアントラセン骨
格の1位および2位にヒドロキシメチル基を有する化合
物からなるポリカーボネート(特開平2−69519号
公報参照)などが知られている。
【0005】これらのポリカーボネートの製造法につい
ては多くの方法が提案されているが、代表的にはホスゲ
ンを用いる溶液重合法と炭酸ジエステルを用いるエステ
ル交換反応による溶融重合法に大別できる。
【0006】工業的な製造法としては、工程はより複雑
であるが、より均質なポリカーボネートを与える溶液重
合法が主流をなしている。しかしながら、溶融重合法は
溶媒の回収、除去工程、ペレット化工程が必要でなく、
工程がより簡単であり、またホスゲンまたは溶媒に起因
するハロゲンのポリカーボネートへの混入の恐れがない
こと等から溶液重合法に比べて有利な点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の溶融重
合法によって光学用材料として充分な程度に微小異物含
有量の低いポリカーボネートを製造するためには、原料
である脂環式ジヒドロキシ化合物およびジフェニルカー
ボネートの精製段階において、それまでの製造操作によ
り混入してくる微小異物を除くか、または生成したポリ
カーボネートに対して溶融状態でろ過操作を行うかのい
ずれかの操作が必要である。前者の方法では、原料がい
ずれも室温では固体であるために、それぞれをまず溶液
状態としてろ過操作を行い、再び濃縮して固体として使
用する必要がある。これら一連の操作は、計量、仕込み
等の操作も含めて全て、例えばクリーンルーム内のよう
に外界からの異物の混入の可能性が排除された環境下で
行う必要があり、操作が極めて煩雑である。後者の方法
ではポリカーボネートの溶融粘度が高いため、1.0ミ
クロン以下の異物を除去するようなろ過操作は現実的で
はない。
【0008】本発明の目的は、ともに固体原料である脂
環式ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートおよ
び/またはジカルボン酸エステルとから溶融重縮合法に
より、極めて簡便な操作で、微小異物含有量の少ない脂
環式炭化水素基含有のポリカーボネート、ポリエステル
カーボネートまたはポリエステルを工業的に有利に製造
する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、下記の一般式(II)
【0010】
【化4】
【0011】(式中、Xは2価の脂環式炭化水素基を表
す。)で示される脂環式ジヒドロキシ化合物とジフェニ
ルカーボネートおよび/または下記一般式(III)
【0012】
【化5】
【0013】(式中、Lは2価の飽和脂肪族炭化水素
基、飽和脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表
し、Aはアルキル基またはフェニル基を表す。)で示さ
れるジカルボン酸エステルとから、下記の一般式(I)
【0014】
【化6】
【0015】(式中、XおよびLは上記定義のとおりで
あり、mおよびnはそれぞれ0〜0.5の数を表し、m
とnの和を0.5とする。)で示される構造単位からな
る脂環式炭化水素基含有ポリマーを製造するに際し、ま
ず該脂環式ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネー
トおよび/または該ジカルボン酸エステルとを反応させ
ることにより、数平均分子量5000以下の上記ポリマ
ーのオリゴマーを合成し、得られたオリゴマーを該オリ
ゴマー1重量部に対し0.2〜10.0重量部の溶媒で
希釈して溶液とし、次いで該溶液を孔径1.0ミクロン
以下のフィルターによりろ過し、ろ液から溶媒を除去し
た後、オリゴマ−を溶融重縮合させることを特徴とする
上記脂環式炭化水素基含有ポリマーの製造方法を提供す
ることによって達成される。
【0016】上記一般式(II)で示される脂環式ジヒド
ロキシ化合物としては、炭素数6〜20の2価の脂環式
炭化水素基をX部分とするものが好ましい。Xが表す2
価の脂環式炭化水素基としては、例えば、次の基を挙げ
ることができる。
【0017】
【化7】
【0018】脂環式ジヒドロキシ化合物としては、2,
3−ジ(ヒドロキシメチル)−ペルヒドロ−1,4:
5,8−ジメタノナフタレンが特に好ましい。
【0019】上記一般式(III)で示されるジカルボン
酸エステルとしては、炭素数1〜20の2価の飽和脂肪
族炭化水素基、飽和脂環式炭化水素基または芳香族炭化
水素基をL部分とするものが好ましい。Lが表す2価の
飽和脂肪族炭化水素基、飽和脂環式炭化水素基または芳
香族炭化水素基としては、例えば、次の基を挙げること
ができる。
【0020】
【化8】
【0021】これらの基の中で、シクロヘキサン−1,
4−ジイル基が特に好ましい。Aとしては炭素数1〜1
0のアルキル基またはフェニル基が好ましく、特にフェ
ニル基が好ましい。
【0022】本発明においては、一般式(II)で示され
る脂環式ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネート
および一般式(III)で示されるジカルボン酸エステル
の合計量との仕込みモル比は通常0.9〜1.1の範囲
内、好ましくは0.95〜1.05の範囲内、より好ま
しくは実質的に1となるように設定される。該モル比が
1に近づくほど得られるポリマーの分子量が大となる。
どちらかの化合物が重縮合反応中に反応系外に飛散する
恐れがある場合には、その飛散する量に相当する過剰量
を反応槽に予め仕込むことが好ましい。光学用透明材料
としてのポリマーを製造するには、一般式(III)で示
されるジカルボン酸エステルをジフェニルカーボネート
に対して30モル%以下の量で使用するのが好ましく、
20モル%以下の量で使用するのがより好ましい。
【0023】本発明における第一段階のオリゴマー合成
反応は窒素、アルゴン、二酸化炭素のような不活性ガス
雰囲気下、通常150〜350℃の範囲の温度で実施す
るのが適当であり、200〜300℃の範囲の温度で実
施するのが好ましい。ジフェニルカーボネートの沸点が
302℃であることから、反応の初期は未反応のジフェ
ニルカーボネートが反応系外に留出しないような反応温
度を選択することが好ましい。
【0024】第一段階のオリゴマー合成反応は、第二段
階のオリゴマーの重縮合反応とは独立した別の反応槽で
行うことができる。オリゴマー合成反応は通常は無触媒
下で行う。また、このオリゴマー合成反応は後で述べる
オリゴマーの重縮合反応に用いられる触媒の存在下にお
いて行うこともできる。オリゴマー合成反応はフェノー
ル留出量が理論量の20〜80%に達した段階で中断す
るのが好ましく、40〜50%になった段階で中断する
のがより好ましい。この場合のオリゴマーの数平均分子
量はポリスチレン換算で5000以下、好ましくは25
00以下、より好ましくは1000以下である。オリゴ
マーの数平均分子量が5000を超える場合には、オリ
ゴマー溶液の後述する希釈溶媒に対する溶解が困難とな
り、またオリゴマー溶液の粘度が大となるのでろ過操作
に長時間を要するようになる。
【0025】得られたオリゴマーを希釈する溶媒として
は、オリゴマーを容易に溶解し、後の濃縮操作を容易に
するため可能な限り低沸点であり、仮に微量残存しても
後の重縮合反応に悪影響を与える可能性の無い任意の有
機溶媒が用いられる。かかる有機溶媒の具体例として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、
クロロホルム、クロロベンゼン、ニトロメタン、ピリジ
ン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、テトラヒ
ドロフラン等を挙げることができる。これらの中でも、
ベンゼンまたは酢酸エチルを使用するのが特に好まし
い。溶媒の使用量は、オリゴマー1重量部に対して、
0.2〜10.0重量部が好ましく、0.3〜5.0重
量部であればより好ましく、0.5〜1.5重量部であ
ればさらに好ましい。溶媒使用量は少ない方が次の溶媒
除去時間を短縮できるが、少な過ぎるとオリゴマー溶液
粘度が高くなるためにろ過操作が困難となる。
【0026】溶媒による希釈操作は、生成したオリゴマ
ーの温度が150℃以下、好ましくは80℃以下、より
好ましくは室温近くにある時に行うことが望まれる。こ
れは温度が高過ぎると、溶媒中の微量不純物によって生
起する副反応の懸念があるためである。
【0027】得られたオリゴマー溶液は、フィルターに
よりろ過した後、そのまま引き続いて第二段階の重合操
作に付することが可能であるが、該オリゴマー溶液は室
温程度の温度下では充分な保存安定性があるため、第一
段階のオリゴマー合成操作と、第二段階の重縮合操作を
独立して行うことも可能である。使用するフィルターと
しては、孔径が1.0ミクロン以下のものを用いる必要
がある。孔径が1.0ミクロンより大きなフィルターを
用いる場合には、光学用材料としての要求物性を満足す
るポリマーを得ることは困難である。ろ過操作は、オリ
ゴマー溶液を、例えばメンブランフィルターを通して直
接、重縮合反応槽中に注入することにより行うのが好ま
しく、かかる操作によりオリゴマー溶液への外部からの
微小異物の混入の可能性を概ね排除することができる。
このろ過操作を必要に応じて複数回行うことにより、オ
リゴマー溶液中の微小異物の含有量をさらに減少させる
ことができる。
【0028】第二段階のオリゴマーの重縮合反応を行う
前に、オリゴマー溶液から溶媒を除去する必要がある。
溶媒が低沸点のものである場合には、重縮合反応温度と
して一般に採用する200℃以上に昇温すれば、溶媒は
常圧下でも留去される。しかし、本発明により充分な重
合度のポリマーを得るためには、この溶媒除去操作をよ
り低温でより完全に行うことが望ましい。かかる溶媒除
去操作は、ろ過操作を完了したオリゴマー溶液を100
〜200℃、より好ましくは120〜150℃の温度に
保ち、減圧下で行われるのが適当である。この減圧加熱
操作は、使用した溶媒が大部分除去され、続いてオリゴ
マー混合物中に含有されているフェノールが主留分とな
るまで行われる。
【0029】本発明における第二段階のオリゴマーの重
縮合反応は、好ましくは減圧下、触媒の存在下に行われ
る。用いられる重縮合触媒としては、一般にポリカーボ
ネート、ポリエステルカーボネートまたはポリエステル
の重縮合触媒として使用されることが知られているアル
カリ金属化合物、チタン化合物等がいずれも使用可能で
あるが、特にポリカーボネートを製造する場合には、下
記一般式(IV)
【0030】R4YBZ4
【0031】(式中、Rはアルキル基またはアリール基
を表し、Yはリン原子または窒素原子を表し、Zは置換
基を有していてもよいフェニル基を表す。)で示される
ホウ素化合物を使用するのが望ましい。一般式(IV)に
おいてRが表すアルキル基としては炭素数1〜4のもの
が好ましく、アリール基としては炭素数6〜12のもの
が好ましい。
【0032】一般式(IV)で示されるホウ素化合物の好
ましい具体例としては、例えばテトラフェニルホウ素酸
テトラメチルアンモニウム、テトラフェニルホウ素酸テ
トラn−ブチルアンモニウム、テトラフェニルホウ素酸
テトラメチルホスホニウム、テトラフェニルホウ素酸テ
トラn−ブチルホスホニウム、テトラフェニルホウ素酸
テトラフェニルホスホニウムなどを挙げることができ
る。これらの中でも、テトラフェニルホウ素酸テトラn
−ブチルアンモニウムが重合速度の点で最も好ましい。
【0033】重縮合触媒の使用量は全原料化合物に対し
て1.0〜0.00001モル%の範囲内が好ましく、
0.1〜0.0001モル%の範囲内がより好ましい。
重縮合触媒は、オリゴマー製造時、またはオリゴマーを
製造した後、希釈溶媒を留去する前、いずれの時期に添
加することも可能である。
【0034】希釈溶媒の充分な除去が行われたのち、反
応槽温度を重縮合可能な温度にまで昇温する。反応温度
は、第一段階のオリゴマー合成反応の場合と同様であ
る。残存するフェノールの大部分が留出したのち、反応
系を減圧にし、フェノールの留出を促進するのが好まし
く、この際の圧力は100〜0.001mmHgの範囲内が
望ましい。
【0035】重縮合反応は撹拌翼を備えた通常の重合槽
で実施することができる。生成するポリマーの溶融粘度
が著しく大である場合には、反応後期を押し出し機タイ
プの重合槽を用いて実施することが望ましい。生成した
ポリマーは通常はストランド状にて反応槽より取り出さ
れ、ペレット化される。
【0036】本発明に従って製造されるポリマーの分子
量は、光学用材料として使用するためには、ゲルパーミ
エイションクロマトグラフィーにより求めた数平均分子
量(ポリスチレン換算)で、10,000〜200,0
00の範囲内であることが好ましく、30,000〜1
00,000であることがより好ましい。
【0037】本発明により製造されるポリマーは熱可塑
性であり、公知の任意の溶融成形方法、例えばプレス成
形、押し出し成形、射出成形、射出圧縮成形等の方法に
より成形される。また、適当な溶媒に溶解させ、キャス
ト法により成形することもできる。溶融成形の場合に
は、樹脂温度を通常150〜350℃の範囲に設定し、
金型温度を40〜150℃の範囲内に設定するのが好ま
しい。
【0038】成形の際には、ポリマーに必要に応じて熱
安定化剤、光安定化剤、帯電防止剤、滑剤、染料、顔料
等を添加することもできる。
【0039】本発明により製造されるポリマーは、微小
異物含有量が極めて少なく、着色の程度が少ない成形品
を与えるので、各種のレンズ、光導波路や回折格子等の
光学素子、光ディスクや光カード等の光記録媒体用基体
などの光学用途に好ましく用いられる。
【0040】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を具体的に説明
する。
【0041】実施例1 <第一段階>撹拌装置、ビグリュー留出管(直径2cm
×長さ80cm)および窒素導入管を備えた内容5リッ
トルの三ツ口フラスコに、2,3−ジ(ヒドロキシメチ
ル)−ペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレ
ン1.33Kg(6.00モル)およびジフェニルカー
ボネート1.29Kg(6.02モル)を仕込み、反応
槽内を減圧/窒素導入法を3回行うことにより、充分に
窒素置換した。窒素を100ミリリットル/分間の速度
で流通させながら、シリコンオイルバスで加熱し、18
0℃まで昇温した時点で撹拌を開始した。さらに250
℃まで昇温後、同温度で保持した。室温から250℃に
達するまでの時間は約30分間であった。250℃に到
達する頃からフェノールが留出し始めた。はじめの10
分間で約150ミリリットルのフェノールが留出した
が、次第に留出速度は低下した。1時間で450〜50
0ミリリットルのフェノールが留出した。ここで、オイ
ルバスを外し、窒素流量を500ミリリットル/分間に
上げ、放冷した。反応液温度が50℃以下になった時点
でY字管を通して、還流コンデンサーと1リットル滴下
ロートを装着し、ベンゼン2リットルを添加し、充分均
一になるように撹拌した。以上の操作により、ゲルパー
ミエイションクロマトグラフィーにより求めた数平均分
子量(ポリスチレン換算)が450のオリゴマーの約4
0%ベンゼン溶液が得られた。
【0042】<第二段階>第一段階で合成したオリゴマ
ーのベンゼン溶液を、内容10リットルのろ過装置(東
洋濾紙株式会社製、同社製0.5ミクロンのメンブラン
フィルターを装着したもの)に入れ、窒素圧力により、
撹拌装置および留出管を備えた内容9リットルのSUS
316L製の反応槽に注入した。ろ過装置洗浄用に0.
5リットルのベンゼンを使用し、同様に反応槽に洗い込
んだ。これにテトラフェニルホウ素酸テトラn−ブチル
アンモニウム67mgの2ミリリットルのベンゼン懸濁
液を仕込み、反応槽内を窒素で置換した。窒素を100
ミリリットル/分間の速度で流通させながら、反応槽を
150℃まで昇温した。その間に約2リットルのベンゼ
ンが留去された。10分間の水道アスピレーター減圧に
よりさらにベンゼンを除去した後、真空ポンプに代え、
さらに30分間同温度に保ち、ベンゼンの徹底的な除去
を行った。留出物のガスクロマトグラフィー分析によ
り、大部分がフェノールになったことを確認したのち、
窒素で常圧に戻し、30分間かけて反応槽温度を250
℃に昇温し、同温度で30分間保持した。この間に理論
留出量の約10%のフェノールが留出した。ついで、同
温度のままで系内を徐々に減圧にし、20分間かけて
0.07mmHgとした。更に同条件下で1時間撹拌を続け
たのち、撹拌を停止し、系内を窒素を導入することによ
り常圧にもどした。ついで、反応槽に付帯したギアーポ
ンプにて生成したポリマーをストランド状に排出し、カ
ッターにて切断することによって1.2Kgのペレット
を得た。
【0043】得られたポリマーは無色透明であり、該ポ
リマーをテトラヒドロフランに溶解させ、ハイアック/
ロイコ(HIAC/ROYCO)社製液体微粒子カウン
ターにより微小異物含有量を測定した結果、粒径0.5
ミクロン以上の微小異物含有量は、ポリマー1グラム当
たり約15万個であった。ゲルパーミエイションクロマ
トグラフィーにより求めた数平均分子量(ポリスチレン
換算)は35,000であり、分子量分布はMw/Mn
=2.0であった。ポリマーの示差走査熱量計の測定に
よるガラス転移温度は126℃であった。
【0044】実施例2 実施例1において、2,3−ジ(ヒドロキシメチル)−
ペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレンに代
えて2,3−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.
2.1]ヘプタンを用いたこと以外は、実施例1と同様
にしてポリマーを得、ペレットを得た。
【0045】得られたポリマーは無色透明であり、実施
例1におけると同様にして測定した微小異物含有量はポ
リマー1グラム当たり16万個であった。数平均分子量
(ポリスチレン換算)は34,000であり、ガラス転
移温度は114℃であった。
【0046】実施例3 実施例1の操作中、オリゴマーのろ過操作をここでは2
回行ったこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーを
得、ペレットを得た。
【0047】得られたポリマーは無色透明であり、実施
例1におけると同様にして測定した微小異物含有量はポ
リマー1グラム当たり10万個に減少していた。数平均
分子量(ポリスチレン換算)は35,000であり、ガ
ラス転移温度は126℃であった。
【0048】実施例4 実施例1において、ジフェニルカーボネート1.29K
g(6.02モル)に代えてジフェニルカーボネート
1.16Kg(5.42モル)とジフェニル 1,4−
シクロヘキサンジカルボキシレート0.19Kg(0.
60モル)を用い、かつ第2段階で添加する触媒をテト
ラフェニルホウ素酸テトラブチルアンモニウムからテト
ライソプロピルチタネ−ト34mg(全仕込み原料の
0.001モル%)に変更したこと以外は、実施例1と
同様にしてポリマーを得、ペレットを得た。
【0049】得られたポリマーは無色透明であり、実施
例1におけると同様にして測定した微小異物含有量はポ
リマー1グラム当たり18万個であった。数平均分子量
(ポリスチレン換算)は36,000であり、ガラス転
移温度は123℃であった。
【0050】比較例1 実施例1と同様な反応槽に、2,3−ジ(ヒドロキシメ
チル)−ペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタ
レン1.33Kg(6.00モル)、ジフェニルカーボ
ネート1.29Kg(6.02モル)およびテトラフェ
ニルホウ素酸テトラn−ブチルアンモニウム70mg
(脂環式ジヒドロキシ化合物の0.002モル%)を仕
込み、反応槽内を窒素で置換した。窒素を30l/時間
の速度で流通させながら180℃まで昇温したのち、撹
拌を開始し、その後30分かけて250℃に昇温し、同
温度で2時間保持した。この間に理論留出量の70%の
フェノールが留出した。ついで、同温度のままで系内を
徐々に減圧にし、1時間かけて0.07mmHgとした。更
に同条件下で45分撹拌を続けたのち、撹拌を停止し、
系内を窒素を導入することにより常圧にもどした。つい
で、反応槽に付帯したギアーポンプにて生成したポリマ
ーをストランド状に排出し、カッターにて切断すること
によって1.2Kgのペレットを得た。
【0051】得られたポリマーの粒径0.5ミクロン以
上の微小異物含有量は、ポリマー1グラム当たり約15
0万個であった。
【0052】比較例2 実施例1において、その第二段階で、フィルターによる
ろ過操作を行わずに重合反応槽にオリゴマー溶液を仕込
み、重合反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にし
てポリマーを得た。
【0053】得られたポリマーの粒径0.5ミクロン以
上の微小異物含有量は、ポリマー1グラム当たり約15
0万個であった。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、一般式(II)で示され
る脂環式ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネート
および/または一般式(III)で示されるジカルボン酸
エステルとから溶融重縮合法により、極めて簡便な操作
で、微小異物含有量の少ないポリマーを工業的に有利に
製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(II) 【化1】 (式中、Xは2価の脂環式炭化水素基を表す。)で示さ
    れる脂環式ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネー
    トおよび/または下記一般式(III) 【化2】 (式中、Lは2価の飽和脂肪族炭化水素基、飽和脂環式
    炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、Aはアルキ
    ル基またはフェニル基を表す。)で示されるジカルボン
    酸エステルとから、下記の一般式(I) 【化3】 (式中、XおよびLは上記定義のとおりであり、mおよ
    びnはそれぞれ0〜0.5の数を表し、mとnの和を
    0.5とする。)で示される構造単位からなる脂環式炭
    化水素基含有ポリマーを製造するに際し、まず該脂環式
    ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートおよび/
    または該ジカルボン酸エステルとを反応させることによ
    り、数平均分子量5000以下の上記ポリマーのオリゴ
    マーを合成し、得られたオリゴマーを該オリゴマー1重
    量部に対し0.2〜10.0重量部の溶媒で希釈して溶
    液とし、次いで該溶液を孔径1.0ミクロン以下のフィ
    ルターによりろ過し、ろ液から溶媒を除去した後、オリ
    ゴマ−を溶融重縮合させることを特徴とする上記脂環式
    炭化水素基含有ポリマーの製造方法。
JP3229435A 1991-08-14 1991-08-14 脂環式炭化水素基含有ポリマーの製造方法 Pending JPH0543673A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008056844A (ja) * 2006-09-01 2008-03-13 Teijin Ltd 植物由来成分を有するポリカーボネートの製造方法

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