JPH0570584A - 脂環式ポリカーボネートおよびその製造方法 - Google Patents

脂環式ポリカーボネートおよびその製造方法

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JPH0570584A
JPH0570584A JP3261062A JP26106291A JPH0570584A JP H0570584 A JPH0570584 A JP H0570584A JP 3261062 A JP3261062 A JP 3261062A JP 26106291 A JP26106291 A JP 26106291A JP H0570584 A JPH0570584 A JP H0570584A
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JP
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alicyclic
polymer
polycarbonate
epoxy
compound
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JP3261062A
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English (en)
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Masa Miyake
雅 三宅
Mitsuo Matsumoto
光郎 松本
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式 【化1】 (式中、Xは2価の脂環式炭化水素基を表す。)で示さ
れる脂環式ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネー
トとを式 【化2】 で表されるエポキシ基を分子内に少なくとも1つ有する
エポキシ化合物の少なくとも1種の存在下に溶融重縮合
させることよりなる脂環式ポリカーボネートの製造方
法。 【化3】 (式中、Xは2価の脂環式炭化水素基を表す。)で示さ
れる脂環式ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネー
トとから製造される脂環式ポリカーボネートであって、
下式 【化4】 で表されるエポキシ基を分子内に少なくとも1つ有する
エポキシ化合物の少なくとも1種にて架橋されてなる脂
環式ポリカーボネート。 【効果】 着色が著しく少なく熱安定性の良い成形品を
与える新規ポリカーボネートが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な脂環式ポリカーボ
ネートおよびその製造方法に関する。本発明によって提
供される脂環式ポリカーボネートは、着色が少なく熱安
定性に優れているので各種の構造材料、機能材料とし
て、とりわけ光学用透明材料として極めて有用である。
【0002】
【従来技術】透明性に優れ、力学物性や熱特性が優れた
成形品を与えるポリマーとしてビスフェノールAポリカ
ーボネートが知られており、工業的にも大量に製造さ
れ、広範囲の分野で使用されていることは周知のとおり
である。しかしながら、ビスフェノールAポリカーボネ
ートは芳香族化合物よりなるため、該ポリマーから得ら
れる成形品は複屈折が大きく、複屈折が小であることが
要求される用途、たとえばレンズや光ディスクの基板材
料などの光学用途には必ずしも適していない場合があ
る。
【0003】複屈折の小さい成形品を得るためにビスフ
ェノールAに種々の置換基を導入する試みが提案されて
いる。また、芳香族基の存在が高複屈折の成形品を与え
る原因であることから、芳香族基を有しないポリカーボ
ネートから複屈折の小さい成形品を得る試みがなされて
いる。芳香族基を有しないポリカーボネートとしては、
脂肪族ジオールまたは脂環式ジオールを原料とするポリ
カーボネートがある。ところが、脂肪族ジオールを原料
とするポリカーボネートは、融点が50〜60℃程度以
下であるものが多く、成形品用として使用するには適し
ていない。したがって、耐熱性に優れ、かつ複屈折の小
さい成形品を与えるポリカーボネートの原料としては脂
環式ジオールを用いるのが適当であると考えられる。
【0004】脂環式ジオールを原料とするポリカーボネ
ートとしては、たとえば2,2,4,4−テトラメチル
シクロブタン−1,3−ジオールを原料とするポリカー
ボネート(特公昭38−26798号公報、特開平1−
134301号公報参照)、ノルボルナン骨格の2,5
−位または2,6−位のジオールとジメタノールからな
るポリカーボネート(米国特許第3449298号明細
書参照)、ノルボルナン骨格、ジメタノペルヒドロナフ
タレン骨格またはトリメタノペルヒドロアントラセン骨
格の1位および2位にヒドロキシメチル基を有する化合
物を原料とするポリカーボネート(特開平2−6951
9号公報参照)などが知られている。
【0005】これらのポリカーボネートの製造法につい
ては多くの方法が提案されているが、代表的にはホスゲ
ンを用いる溶液重合法と炭酸ジエステルを用いるエステ
ル交換反応による溶融重合法に大別することができる。
【0006】溶融重合法は、溶媒の回収・除去工程、ペ
レット化工程が必要でないので製造工程が簡単であり、
またホスゲンあるいは溶媒に起因するハロゲンのポリカ
ーボネートへの混入の恐れがないことなどから溶液重合
法に比べて有利な点を有している。
【0007】脂環式ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルのエステル交換によるポリカーボネートの製造方法で
は、反応速度を速めるために、通常は触媒の存在下で重
宿合反応が実施される。触媒としては、アルカリ金属系
化合物やチタン系化合物のような金属化合物が一般に使
用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの検討によ
ると上記の金属化合物は確かに優れた触媒能を有してお
り、該触媒の使用により重合速度は速くなるが、得られ
たポリマーは着色することが多く、特に射出成形のよう
な高温での溶融成形時には、一部ポリマーが分解し、成
形物が黄色に着色することが判明した。光学用途の透明
性樹脂における、このような成形物の着色は商品価値を
著しく低下させるものである。また、ポリマーの分解に
伴って発生するガスにより、成形品に傷が発生する場合
がある。さらに、触媒として用いた上記の金属化合物あ
るいは該化合物の分解物が異物となって成形物中に残留
し、光学的なノイズの原因となることがあることも判明
した。すなわち、このような障害の原因となる金属系触
媒はその使用を最小限に抑えるか、理想的には使用しな
いことが好ましい。
【0009】本発明の目的は、脂環式ジヒドロキシ化合
物とジフェニルカーボネートとのエステル交換による溶
融重縮合反応により、熱的に安定であって着色の程度の
少ない成形物を与えるポリカーボネートを、前記の如き
金属系触媒を使用することなく、速い重合速度の下に工
業的に有利に製造する方法を提供することにある。
【0010】上記目的を達成するために、本発明者らは
鋭意検討を重ねた結果、特定のエポキシ化合物を、脂環
式ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートとの反
応時に共存させることにより、全く金属系触媒を使用す
ること無しに充分な分子量をもつ新規ポリカーボネート
が製造できることを見出した。しかも、エポキシ化合物
を適当な範囲内の量で使用した場合には、製造されたポ
リカーボネートは熱可塑性であり、その他諸物性も概ね
エポキシ化合物を用いることなく製造されたポリカーボ
ネートと同様なものであることが見出された。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる新知見に
基づいて完成されたものであり、その要旨とするところ
は、式(I)
【化5】 (式中、Xは2価の脂環式炭化水素基を表す。)で示さ
れる脂環式ジヒドロキシ化合物〔以下、脂環式ジヒドロ
キシ化合物(I)という〕とジフェニルカーボネートと
を、下式(II)
【化6】 で表されるエポキシ基を分子内に少なくとも1つ有する
エポキシ化合物〔以下、エポキシ化合物(III )とい
う〕の少なくとも1種の存在下に溶融重縮合させること
による脂環式ポリカーボネートの製造方法である。
【0012】また、本発明は下式
【化7】 (式中、Xは2価の脂環式炭化水素基を表す。)で示さ
れる脂環式ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネー
トとから製造される脂環式ポリカーボネートであって、
下式
【化8】 で表されるエポキシ基を分子内に少なくとも1つ有する
エポキシ化合物の少なくとも1種にて架橋されてなる脂
環式ポリカーボネートである。
【0013】式(I)に関して、Xが表す2価の脂環式
炭化水素基は、炭素数6〜20を有するものが好まし
く、単環状、縮合環状のいずれでもよい。その具体例と
しては以下の構造の基を挙げることができる。
【化9】
【0014】本発明の製造法においては、脂環式ジヒド
ロキシ化合物(I)とジフェニルカーボネートとの配合
割合はモル比として、通常0.9〜1.1、好ましくは
0.9〜1.05、より好ましくは実質的に等モルとな
る割合である。該比が1に近づくほど得られるポリマー
の分子量が大となる。どちらかの化合物が重合中に反応
系外に飛散する恐れがある場合には飛散する量だけ過剰
に反応槽に仕込むことも好ましい。
【0015】本発明で用いられるエポキシ化合物(III
)は、式(II)で表されるエポキシ基を一分子内に少
なくとも一個含有する脂肪族、脂環式または芳香族の単
官能または多官能のエポキシ化合物である。エポキシ化
合物(III )中でも下式
【化10】 〔式中、Rは水素原子または、たとえばメチル、エチル
などの炭素数1〜4の低級アルキルである。〕に列挙さ
れるような脂環式エポキシ化合物が、生成したポリカー
ボネートの光学特性という点から好ましく用いられる。
【0016】また、エポキシ化合物(III )の具体例と
して、たとえば、エチレンオキサイド、1,2−プロピ
レンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、スチレ
ンオキサイド、エピクロルヒドリン、グリシドール、メ
チルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、
ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテ
ル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、2−メチ
ルオクチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエ
ーテル、sec−ブチルグリシジルエーテル、グリシジ
ルメタクリレート、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマ
ニ油、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテ
ル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパントリグリシジルエーテル、1,2−エポキ
シシクロドデカン、2−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルメトキシシラン、2,6−ジグリシジルフ
ェニルグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリ
シジルエーテルなどで代表されるエポキシ樹脂等を挙げ
ることができる。
【0017】上記に構造式にて列挙された脂環式エポキ
シ化合物中でも、その粘度、反応性等の取扱い易さか
ら、脂環式エポキシ樹脂モノマーである3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキ
サンカルボキシレート(エポキシ化合物中、R=Hの
化合物)が特に好ましく用いられる。
【0018】本発明におけるエポキシ化合物(III )の
使用量は、脂環式ジヒドロキシ化合物(I)1モルに対
して、0.1〜0.00001モルが好ましく、0.0
1〜0.0001モルがより好ましい。エポキシ化合物
(III )はその使用量が多いほどポリカーボネートの重
合度が増大するので、要求される重合度は、重縮合反応
の時間、温度などを調整することの他に、該化合物の使
用量を加減することにより調節することもできる。エポ
キシ化合物(III )の使用量が上記0.1モル以内の場
合には、エポキシ化合物(III )による3次元架橋によ
り生成したポリマーの粘度が過度に上昇して溶融重合、
溶融成形が著しく困難になる恐れが少ない。また、エポ
キシ化合物(III )の使用量が上記0.00001モル
以上の場合には、高重合度のポリマーが得られ易い。
【0019】エポキシ化合物(III )は、脂環式ジヒド
ロキシ化合物(I)とジフェニルカーボネートとの反応
初期から存在させることが好ましい。エポキシ化合物
(III )は、高温条件下ではヒドロキシ化合物と反応す
ることが知られているが、本発明における反応条件下で
は大部分の脂環式ジヒドロキシ化合物(I)は、まずジ
フェニルカーボネートとエステル交換反応を起こし、エ
ポキシ化合物(III )の消費は比較的ゆるやかなもので
あることがガスクロマトグラフィー分析により判明して
いる。さらに本発明者らの検討によると、使用したエポ
キシ化合物(III )の少なくとも一部はポリマー主鎖中
に含まれている。
【0020】本発明における重合反応は、窒素、アルゴ
ン、二酸化炭素のような不活性ガス雰囲気下、通常15
0〜350℃、好ましくは150〜300℃の温度範囲
内で実施するのが適当である。ジフェニルカーボネート
の沸点が302℃であるので、重合の初期は未反応のジ
フェニルカーボネートが反応系外に留出しないような反
応温度を選択するか、反応槽に精留装置を設置すること
が好ましい。
【0021】重合の進行に伴ってフェノールが系外に留
出する。ある程度のフェノールが系外に留出したのち、
たとえば理論留出量の60%程度以上が留出したのち、
反応系を減圧にし、フェノールの留出を促進することが
望ましい。この際の圧力は100〜0.001mmHgの範
囲内が望ましい。また、重合の初期は加圧条件下で行う
こともできる。
【0022】重合は攪拌翼を備えた通常の重合槽で実施
することができる。生成するポリマーの溶融粘度が著し
く大である場合には、反応後期を押し出し機タイプの重
合槽を用いて実施することもできる。生成したポリマー
は通常はストランド状にて反応槽より取り出されペレッ
ト化される。
【0023】また、本発明によって製造されるポリカー
ボネートから効率的に微小異物を取り除くために、重合
反応の初期、すなわちカーボネートオリゴマーが生成し
た段階で一度重合反応を中断し、ベンゼンなどの反応を
阻害しない有機溶媒で希釈し、メンブランフィルターな
どの有効なろ過装置でろ過後、溶媒を留去して重合反応
を継続するという操作を行ってもよい。この手法は、原
料がいずれも常温常圧で固体であり、含有微小異物の除
去操作が煩雑である場合に有効である。
【0024】本発明方法に従って製造されるポリマーの
分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィーに
よる数平均分子量(ポリスチレン換算)で、通常10,
000〜300,000の範囲内である。
【0025】本発明方法により製造されるポリマーは熱
可塑性であるので、公知の任意の溶融成形方法、たとえ
ばプレス成形、押し出し成形、射出成形、射出圧縮成形
などの方法により成形し、実用に供される。また、適当
な溶媒に溶解させ、キャスト法により成形することもで
きる。溶融成形の場合には樹脂温度は通常150〜35
0℃、金型温度は40〜150℃の範囲内に設定され
る。
【0026】成形の際には必要に応じて熱安定化剤、光
安定化剤、帯電防止剤、滑剤、染料、顔料などを添加す
ることもできる。
【0027】本発明方法により製造されるポリマーに
は、原理的にイオン性の含有物が存在しないため、極め
て電気的特性の優れた成形物を与えるための材料として
好ましく用いられる。また、本発明方法により製造され
るポリマーは、当該反応で用いたエポキシ化合物(III
)が熱硬化性の化合物であること、および解重合反応
を触媒する可能性のあるイオン性含有物が存在しないこ
とから、極めて熱安定性の良いポリマーとして好ましく
用いられる。
【0028】本発明の方法により製造されるポリマーか
らは、特に着色の程度が著しく少ない成形品が得られる
ので、当該ポリマーは各種のレンズ、光導波路や回折格
子などの光学素子、光ディスクや光カードなどの光記録
媒体用基体などの光学用途に好適に用いられる。
【0029】
【実施例】以下、実施例に従って本発明をより具体的に
説明する。
【0030】実施例1 攪拌装置、留出管を備えた内容9リットルのSUS31
6L製の反応槽に、2,3−ジ(ヒドロキシメチル)−
ペルヒドロ−1,4;5,8−ジメタノナフタレン1.
33Kg、ジフェニルカーボネート1.29Kgおよび
脂環式エポキシ化合物(III )として3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサ
ンカルボキシレート(エポキシ化合物中、R=Hの化
合物)4.55g〔脂環式ジヒドロキシ化合物(I)に
対して0.3モル%〕を仕込み、反応槽内を窒素で置換
した。窒素を30リットル/時間の速度で流通させなが
ら、180℃まで昇温したのち、攪拌を開始し、その後
30分間かけて250℃に昇温し、同温度で2時間保持
した。この間に理論留出量の70%のフェノールが留出
した。次いで、同温度のままで系内を徐々に減圧にし、
1時間かけて0.07mmHgとした。さらに同条件下で4
5分間攪拌を続けたのち、攪拌を停止し、系内を窒素を
導入することにより常圧にもどした。ついで、反応槽に
付帯したギアーポンプにて生成したポリマーをストラン
ド状に排出し、カッターにて切断して1.2Kgのペレ
ットを得た。
【0031】得られたポリマーは無色透明であった。ゲ
ルパーミエイションクロマトグラフィーによる数平均分
子量(ポリスチレン換算)は38,000であり、分子
量分布はMw/Mn=2.4であった。該ポリマーの示
差走査熱量計の測定によるガラス転移温度は126℃で
あった。
【0032】得られたポリマーを小型射出成形機(田端
機械製TK−14−1AP型)にて、樹脂温度250
℃、金型温度80℃で成形し、厚さ2mmの試験片を得
た。該試験片は完全に無色透明であり、全く傷も認めら
れなかった。該試験片についてオートグラフによりJI
S K7203に規定された方法に従って測定した曲げ
強度は800kg/cm2 であり、曲げ弾性率は35000
0kg/cm2 であった。
【0033】実施例2 実施例1におけるエポキシ化合物(R=H)に代えて
エポキシ化合物(R=メチル)を用いたこと以外は実
施例1と同様にして重合操作を行い、ポリマーを得、ペ
レットを得た。
【0034】得られたポリマーは無色透明であり、数平
均分子量(ポリスチレン換算)は38,000、分子量
分布はMw/Mn=2.5であり、ガラス転移温度は1
25℃であった。
【0035】得られたペレットを用いて実施例1と同様
にして射出成形することにより試験片を得た。得られた
試験片は完全に無色透明であり、傷も認められなかっ
た。
【0036】実施例3 実施例1において、2,3−ジ(ヒドロキシメチル)−
ペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレンに代
えて、2,3−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ〔2.
2.1〕ヘプタンを用いたこと以外は実施例1と同様に
してポリマーを得、ペレットを得た。
【0037】得られたポリマーは無色透明であり、数平
均分子量(ポリスチレン換算)は34,000、分子量
分布はMw/Mn=2.6であり、ガラス転移温度は1
14℃であった。
【0038】得られたペレットを用いて実施例1と同様
にして射出成形することにより試験片を得た。ただし、
この場合には金型の温度を60℃とした。得られた試験
片は完全に無色透明であり、傷も認められなかった。
【0039】実施例4 実施例2において、2,3−ジ(ヒドロキシメチル)−
ペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレンに代
えて、2,3−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ〔2.
2.1〕ヘプタンを用いたこと以外は実施例2と同様に
してポリマーを得、ペレットを得た。
【0040】得られたポリマーは無色透明であり、数平
均分子量(ポリスチレン換算)は34,000、分子量
分布はMw/Mn=2.5であり、ガラス転移温度は1
14℃であった。
【0041】得られたペレットを用いて実施例1と同様
にして射出成形することにより試験片を得た。ただし、
この場合には金型の温度を60℃とした。得られた試験
片は完全に無色透明であり、傷も認められなかった。
【0042】実施例5 実施例1におけるエポキシ化合物(R=H)に代え
て、ビスフェノールA系エポキシ樹脂(液状、分子量約
380)を脂環式ジヒドロキシ化合物(I)に対して
0.3モル%用いたこと以外は実施例1と同様にしてポ
リマーを得、ペレットを得た。
【0043】得られたポリマーは無色透明であり、数平
均分子量(ポリスチレン換算)は36,000、分子量
分布はMw/Mn=2.5であり、ガラス転移温度は1
26℃であった。また、このポリマーを重クロロホルム
溶液とし、500MHzプロトンNMRスペクトル測定
により微量成分を拡大分析したところ、添加したエポキ
シ化合物の芳香環プロトンに対応するピークが化学シフ
ト(テトラメチルシラン基準)6.8〜7.2ppmに
観測された。
【0044】得られたペレットを用いて実施例1と同様
にして射出成形することにより試験片を得た。ただし、
この場合には金型の温度を60℃とした。得られた試験
片は完全に無色透明であり、傷も認められなかった。
【0045】実施例6 (第一段階)攪拌装置、ビグリュー留出管(直径2cm×
長さ80cm)および窒素導入管を備えた内容5リットル
の三ツ口フラスコに、2,3−ジ(ヒドロキシメチル)
−ペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン
1.33Kg(6.00モル)、ジフェニルカーボネー
ト1.29Kg(6.02モル)および脂環式エポキシ
化合物(III )として3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレ
ート(エポキシ化合物、R=H)4.55g〔脂環式
ジヒドロキシ化合物(I)に対して0.3モル%〕を仕
込み、反応槽内を減圧/窒素導入法を3回行なうことに
より、充分に窒素置換した。窒素を100ミリリットル
/分間の速度で流通させながら、シリコンオイルバスで
加熱し、180℃まで昇温した時点で攪拌を開始した。
さらに250℃まで昇温後、同温度で保持した。室温か
ら250℃に達するまでの時間は約30分間であった。
250℃に到達する頃からフェノールが留出し始めた。
はじめの10分間で約150ミリリットルのフェノール
が留出したが、次第に留出速度は低下した。一時間で4
50〜500ミリリットルのフェノールが留出した。こ
こでオイルバスを外し、窒素流量を500ミリリットル
/分間に上げ、放冷した。反応液温度が50℃以下にな
った時点でY字管を通して、還流コンデンサーと1リッ
トル滴下ロートを装着し、ベンゼン2リットルを添加
し、充分均一になるように攪拌した。以上の操作によ
り、ゲルパーミエイションクロマトグラフィーにより求
めた数平均分子量(ポリスチレン換算)が450のオリ
ゴマーの約40%ベンゼン溶液が得られた。
【0046】(第二段階)第一段階で合成したオリゴマ
ーのベンゼン溶液を、東洋濾紙株式会社製の内容10リ
ットルのろ過装置(同社製0.5ミクロンのメンブラン
フィルターを装着したもの)に入れ、窒素圧力により、
攪拌装置および留出管を備えた内容9リットルのSUS
316L製の反応槽に注入した。ろ過装置洗浄用に0.
5リットルのベンゼンを使用し、同様に反応槽に洗い込
んだ。反応槽内を窒素で置換後、窒素を100ミリリッ
トル/分間の速度で流通させながら、反応槽を150℃
まで昇温した。その間に約2リットルのベンゼンが留出
された。10分間の水道アスピレーター減圧によりさら
にベンゼンを除去した後、真空ポンプに代え、さらに3
0分間同温度に保ち、ベンゼンの徹底的な除去を行っ
た。留出物のガスクロマトグラフィー分析により、大部
分がフェノールになったことを確認したのち、窒素で常
圧に戻し、30分間かけて反応槽温度を250℃に昇温
し、同温度で30分間保持した。この間に理論留出量の
約10%のフェノールが留出した。ついで同温度のまま
で系内を徐々に減圧にし20分間かけて0.07mmHgと
した。更に同条件下で1時間攪拌を続けたのち、攪拌を
停止し、系内を窒素を導入することにより常圧にもどし
た。ついで、反応槽に付帯したギアーポンプにて生成し
たポリマーをストランド状に排出し、カッターにて切断
することによって1.2Kgのペレットを得た。
【0047】得られたポリマーは無色透明であり、該ポ
リマーをテトラヒドロフランに溶解させ、ハイアック/
ロイコ(HIAC/ROYCO)社製液体微粒子カウン
ターにより微小異物含有量を測定した結果、粒径0.5
ミクロン以上の微小異物含有量は、ポリマー1グラム当
たり約14万個であった。ゲルパーミエイションクロマ
トグラフィーにより求めた数平均分子量(ポリスチレン
換算)は34,000であり、分子量分布はMw/Mn
=2.4であった。ポリマーの示差走査熱量計の測定に
よるガラス転移温度は125℃であった。
【0048】比較例1 実施例1において、エポキシ化合物(III )を添加せず
に重合反応を行なったこと以外は実施例1と同様にして
操作を行った。しかし、ペレット化できる程度の重合度
を有するポリマーを得ることはできなかった。得られた
生成物の、数平均分子量(ポリスチレン換算)は500
0であった。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、脂環式ジヒドロキシ化
合物(I)とジフェニルカーボネートから溶融重縮合反
応により脂環式ポリカーボネートを製造する方法におい
て、エポキシ化合物(III )の共存下重合を行なうこと
によって、従来提案されている触媒を用いる方法に比べ
て、着色が少なく熱安定性の良い成形物を与えるポリマ
ーが得られる。そのため、本発明の方法により得られる
ポリマーは特に光学用途等に適している。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式 【化1】 (式中、Xは2価の脂環式炭化水素基を表す。)で示さ
    れる脂環式ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネー
    トとを下式 【化2】 で表されるエポキシ基を分子内に少なくとも1つ有する
    エポキシ化合物の少なくとも1種の存在下に溶融重縮合
    反応させることを特徴とする脂環式ポリカーボネートの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 脂環式ジヒドロキシ化合物1モルに対し
    てエポキシ化合物を0.5〜0.00001モルの割合
    で用いることを特徴とする請求項1記載の脂環式ポリカ
    ーボネートの製造方法。
  3. 【請求項3】 下式 【化3】 (式中、Xは2価の脂環式炭化水素基を表す。)で示さ
    れる脂環式ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネー
    トとから製造される脂環式ポリカーボネートであって、
    下式 【化4】 で表されるエポキシ基を分子内に少なくとも1つ有する
    エポキシ化合物の少なくとも1種にて架橋されてなる脂
    環式ポリカーボネート。
  4. 【請求項4】 脂環式ジヒドロキシ化合物1モルに対し
    てエポキシ化合物を0.5〜0.00001モルの割合
    で反応させて製造されてなる請求項3記載の脂環式ポリ
    カーボネート。
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