JP3413279B2 - フェノール性水酸基含有ラクトン開環重合体およびその製造方法 - Google Patents

フェノール性水酸基含有ラクトン開環重合体およびその製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノール性水酸基含
有ラクトン開環重合体およびその製造方法に関する。よ
り詳細には、既存のポリカーボネート樹脂には見られな
い、優れた樹脂の流れ性や成形物の表面平滑性、さらに
は優れた可撓性を有するポリカーボネート樹脂の製造原
料となるフェノール性水酸基含有ラクトン開環重合体お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノー
ルAなどのジオキシ化合物、ホスゲンや炭酸ジアリル等
を原料として合成される高分子化合物であり、透明な難
燃性熱可塑性樹脂としての性質を有する。かかるポリカ
ーボネート樹脂は、ナイロン、ポリエステル、フッ素樹
脂の中間的性質を有しており、優れた成形加工性を有す
ると同時に、耐熱性、耐老化性および耐衝撃性を有し、
極めて強靭である。よって、ポリカーボネート樹脂は成
形品(家庭用品、建築材料、自動車部品、工具類、機械
部品、電気器具、電気絶縁材料等)、ラミネート用、コ
ーティング用、フィルム、シート品等の用途に広く用い
られている。
【0003】しかし、現在汎用されているポリカーボネ
ート樹脂においても、樹脂の流れ性や成形物の表面平滑
性が強く要求される分野では、上記性質を有するだけで
は十分とはいえない。さらに、ポリカーボネート樹脂の
可撓性についても種々の要求があるが、現状のポリカー
ボネート樹脂ではこのような要求を満足するには至って
いない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、既存
のポリカーボネート樹脂には見られない、優れた樹脂の
流れ性や成形物の表面平滑性、さらには優れた可撓性を
有するポリカーボネート樹脂の製造原料の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のフェノール
性水酸基含有ラクトン開環重合体が新規重合体であり、
これが優れた性質を有するポリカーボネート樹脂の製造
原料として極めて有用であることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、下記一般式[1]で表
されるフェノール性水酸基含有ラクトン開環重合体に関
する。
【0007】
【化5】
【0008】また本発明は、下記一般式[2]で表され
るフェノール化合物、下記一般式[3]で表されるラク
トンおよび活性水素を有する化合物を、触媒の存在下で
100〜230℃において反応させることを特徴とす
る、前記フェノール性水酸基含有ラクトン開環重合体の
製造方法に関する。以下、本発明について詳細に説明す
る。
【0009】
【化6】
【0010】
【化7】
【0011】本発明の一般式[1]で表されるフェノー
ル性水酸基含有ラクトン開環重合体において、R1およ
びR3は炭素数1〜10の二価の炭化水素残基であり、
工業的に入手しやすいという点で炭素数が1〜4の飽和
炭化水素残基であることが好ましく、特に好ましくは炭
素数1〜2の飽和炭化水素残基である。当該飽和炭化水
素残基としては、直鎖状または分岐状のいずれでもよい
が、好ましくは直鎖状である。具体的にはメチレン基、
エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペン
タメチレン基、ヘキサメチレン基、ペプタメチレン基、
オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等
の直鎖状メチレン鎖を有するもの、エチリデン基、イソ
プロピリデン基、プロピレン基、エチルエチレン基等の
分岐状アルキレン基を挙げることができる。なお、R1
およびR3は、各々本発明の重合体[1]中に必ず存在
している必要はない。すなわち、本発明の重合体[1]
においては、式中R1およびR3に隣接するエステル結合
のカルボニル基がベンゼン環に直接結合し得る。
【0012】また、R2は炭素数1〜10の二価の化合
物残基であり、工業的に入手しやすいという点で炭素数
が1〜8の化合物残基であることが好ましく、特に好ま
しくは炭素数2〜6の化合物残基である。当該化合物残
基としては、直鎖状または分岐状のいずれでもよいが、
好ましくは直鎖状である。具体的にはメチレン基、エチ
レン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメ
チレン基、ヘキサメチレン基、ペプタメチレン基、オク
タメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の直
鎖状メチレン鎖を有するもの、エチリデン基、イソプロ
ピリデン基、プロピレン基、エチルエチレン基等の分岐
状アルキレン基を挙げることができる。さらに、−CH
2OCH2−、−CH2OCH2CH2−、−CH2CH2
CH2CH2−、−CH2CH2CH2OCH2CH2CH2
等の酸素を含む二価の基を挙げることができる。
【0013】一般式[1]中、二つのフェノール性水酸
基の位置は、各々、炭化水素残基R1およびR3または直
接結合に対してオルト位、メタ位、パラ位のいずれの位
置でもよいが、そのフェノール性水酸基含有ラクトン開
環重合体の重合反応性という点からパラ位あるいはメタ
が好ましい。
【0014】sは後記のように使用するラクトンの種類
により決まる整数であり、2〜5の整数、好ましくは3
〜5の整数であり、特に5であることが好ましい。
【0015】mとnはラクトンの開環付加重合モル数で
あって、各々0であるか、または1〜100の整数であ
り、好ましくは1〜50の整数、特には1〜20の整数
であることが好ましい。なお、m+n=1〜100の整
数であり、またnおよびmが各々2以上の整数である場
合、式中の各sは通常単一の整数であるが、2種以上の
整数の混合ラクトン鎖であってもよい。
【0016】一般式[1]で表されるフェノール性水酸
基含有ラクトン開環重合体の好ましいものとしては、下
記式の通りである。なお、下記式中、mおよびnはそれ
ぞれ0であるか、または1〜100であり、但し、m+
n=1〜100になるように選ばれる。
【0017】
【化8】
【0018】次に、前記一般式[1]で表されるフェノ
ール性水酸基含有ラクトン開環重合体の製造方法を説明
する。一般式[1]で表されるフェノール性水酸基含有
ラクトン開環重合体は、下記一般式[2]で表されるフ
ェノール化合物、下記一般式[3]で表されるラクトン
および活性水素を有する化合物を、触媒の存在下で10
0〜230℃において反応させることにより製造するこ
とができる。
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
【0021】一般式[2]および[3]において、
1、R2、s、更にはこれらの好ましいものは、一般式
[1]において説明したことがそのまま適用できる。
【0022】前記一般式[2]で表されるフェノール化
合物は、下記一般式[4]および一般式[5]で表され
るフェノール化合物と一般式[6]で表される二価のア
ルコール類のエステル化反応またはエステル交換反応に
より得ることが出来る。一般式[4]と一般式[5]は
同じフェノール化合物であってもよく、異なる化合物で
あってもよい。
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】一般式[4]および一般式[5]における
1およびR3は一般式[1]で説明したものと同じであ
る。またRの低級アルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i
−ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基等を例示
することができる。またフェノール性水酸基の位置は、
1または直接結合に対してオルト位、メタ位、パラ位
のいずれの位置でもよい。一般式[4]および[5]で
表される好ましいフェノール化合物としては、次のもの
が例示できる。
【0026】
【化13】
【0027】一般式[6]で表される二価のアルコール
類のR2としては、一般式[1]で説明した通りであ
り、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、プロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール等を好ましいものとして例示することができ
る。
【0028】両者の反応は、通常のエステル化反応ある
いはエステル交換反応であり、生成するアルコールある
いは水を留去等により除くことにより、進行する。
【0029】もう一つの原料である一般式[3]で表さ
れるラクトンとしては、sが2であるβ−プロピオラク
トン、sが3であるγ−ブチロラクトン、sが4である
δ−バレロラクトン、sが5であるε−カプロラクトン
等が挙げられる。これらの内、特に好ましいε−カプロ
ラクトンは、通常の公知の手法、例えばシクロヘキサノ
ンの過酸によるバイヤービリガー反応によって工業的に
安価に製造されている。
【0030】また、重合開始剤として作用する活性水素
を有する化合物としては、前記一般式[3]で表される
ラクトンの重合開始剤として用いることが可能な化合物
である限り、特に限定されない。すなわち、水;エチレ
ングリコール,ジエチレングリコール,1,4−ブタン
ジオール,1,3−ブタンジオール,シクロヘキサンジ
メタノール,プロピレングリコール,ポリプロピレング
リコール,ポリテトラメチレングリコール等のアルコー
ル類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸等の
カルボン酸類;メチルアミン、エチルアミン、プロピル
アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルア
ニリン等のアミン類;エチルチオアルコール、プロピル
チオアルコール等のチオアルコール類等を広く用いるこ
とができる。なお、本発明においては上記の活性水素を
有する化合物のうちでアルコール類を用いることが好ま
しい。そして、前記活性水素を有する化合物の添加量
は、前記ラクトンの重合を開始するのに十分であり、か
つ可能な限り少量であるのが好ましい。活性水素を有す
る化合物の添加量が必要以上に多いと、製品の水酸基含
量が高くなり、その結果最終製品であるポリカーボネー
ト樹脂が分子量低下を起こすので好ましくない。具体的
には、その添加量は反応原料化合物の全仕込量に対して
0.01〜10重量%の範囲、さらに好ましくは0.1
〜5重量%の範囲、特には0.2〜4重量%の範囲であ
ることが好ましい。さらに具体的には、例えば市販のε
−カプロラクトン中に微量含まれている不純物としての
水、または一般式[2]で表されるフェノール化合物中
に含まれる未反応の二価アルコール成分を、当該活性水
素を有する化合物として本発明の製造方法に用いること
も可能である。
【0031】また、前記反応において用いる触媒として
は、一般式[3]のラクトンの重合とエステル交換反応
とを同時に進行させ得る触媒を用いるのが好ましい。前
記触媒として、上記機能を有する通常公知の触媒を用い
ることができる。具体的には、例えばテトラメチルチタ
ネート、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタ
ネート、テトラブチルチタネート等の有機チタン化合
物;例えばオクチル酸スズ、ジブチルスズオキサイド、
ジブチルスズアセテート等の有機スズ化合物;種々の金
属のアセチルアセトナート化合物、例えば銅あるいはア
ルミニウムのアセチルアセトナート等を例示することが
できる。なお、上記のうち好ましい触媒としてはテトラ
メチルチタネート、テトラブチルチタネート、ジブチル
スズオキサイドを挙げることができる。そして、さらに
好ましいものとしてはテトラブチルチタネート、ジブチ
ルスズオキサイドを挙げることができる。
【0032】上記触媒は、触媒量、具体的には1〜10
00ppm、好ましくは1〜500ppm、さらに好ま
しくは1〜100ppm添加することができる。添加量
が上記触媒量を越えると最終製品が着色する傾向があ
り、好ましくない。
【0033】上記反応は不活性溶媒中でも無溶媒でも行
うことができる。そして、工業的に安価に製造するとい
う点から無溶媒で行うのが好ましい。前記不活性溶媒と
しては、シクロヘキサノン、流動パラフィン、ソルベッ
ソ−100等を例示することができる。また反応は、不
活性ガス雰囲気下、例えば窒素雰囲気で上記反応を行う
のが酸化による着色防止という点で好ましい。
【0034】さらに反応温度100〜230℃で上記反
応を進行させることができる。反応温度が100℃より
低いと反応速度が遅くなり好ましくなく、また230℃
より高いと分解反応が生じるので好ましくない。なお、
上記反応において好ましい反応温度は反応速度、反応の
安定性の点から150〜220℃であり、さらに特に好
ましい反応温度は工業上有利であることから180〜2
20℃の範囲である。
【0035】反応させる一般式[2]で表されるフェノ
ール化合物と一般式[3]で表されるラクトンの量比は
一般式[1]のフェノール性水酸基含有ラクトン開環重
合体の分子量に影響し、それを用いて得られるポリカー
ボネート樹脂の可撓性および流動性の観点から、前者の
1モルに対して、後者1〜100モル、好ましくは1〜
50モル、特に好ましくは1〜20モルの範囲である。
【0036】上記の方法により製造された一般式[1]
で表されるフェノール性水酸基含有ラクトン開環重合体
は、ポリカーボネート樹脂の製造に使用することができ
る。本発明で提供されるフェノール性水酸基含有ラクト
ン開環重合体は2官能性であり、二価のフェノール類と
して単独で使用することができるほか、従来から使用さ
れている二価フェノールと共に使用することができる。
これにより、一般式[1]の構造式中のフェノール性水
酸基から水素を除いた構造単位を分子鎖中に有するポリ
カーボネート樹脂を製造することができる。この場合の
製造方法としては、例えば、一般式[1]で表されるフ
ェノール性水酸基含有ラクトン開環重合体、ビスフェノ
ールAのような芳香族二価フェノール類及びホスゲンを
公知の方法により反応させればよく、その際の条件など
については、特に制限はない。このようにして得られた
ポリカーボネート樹脂は、流れ性や成形物の表面平滑
性、さらには優れた可撓性を有する。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。しかしながら、これら実施例により本発明の技術的
範囲が限定されるものではない。
【0038】〔合成例1〕撹拌器、減圧装置、窒素導入
管、温度計を備えた1リットル容のフラスコにp−ヒド
ロキシフェニル酢酸メチルエステル664g、ジエチレ
ングリコール106g、およびテトラブトキシチタン
0.02gを添加した。反応温度を2時間かけて190
℃とした。反応の進行と共にメタノールが留出し、約8
時間でメタノールの留出は止まった。留出したメタノー
ル量より計算した理論反応量は74%であった。次に
1.9Torrで150℃に加熱して未反応物を除き、
さらに170℃にまで昇温して、副生産物を留去してp
−ヒドロキシフェニル酢酸とジエチレングリコールの下
記構造を有するフェノール化合物(9)を得た。
【0039】
【化14】
【0040】〔実施例1〕前記合成例1により合成した
フェノール化合物(9)160.0g、ε−カプロラク
トン712.87g、およびジエチレングリコール3.
87gを1リットル容三つ口フラスコに仕込んだ。窒素
を流しながら昇温し、220℃で12時間反応を行っ
た。反応終了後、系を冷却して1H−NMR及びIRに
より反応物の分析を行った。その結果を以下に、また1
H−NMRのチャートを図1に、IRのチャートを図2
に示す。この結果により、合成物が下記構造式(10)
を有することが明らかである。
【0041】1H-NMR(δppm):(6.8-7.2,8H,芳香族プロ
トン),(6.2,2H,(フェノール性プロトン),(4.2-4.3,4H,
ジエチレングリコールに由来するプロトン),(3.6-3.8,4
H,ジエチレングリコールに由来するプロトン),(4.O-4.
2,40H,ε-カプロラクトンに由来するプロトン),(3.5,4
H,p−ヒドロキシフェニル酢酸のメチレンに由来するプ
ロトン),(2.2-2.4,40H,ε-カプロラクトンに由来するプ
ロトン),(1.6-1.8,80H,ε-カプロラクトンに由来するプ
ロトン),(1.3-1.5,40H,ε-カプロラクトンに由来するプ
ロトン). IR(cm-1):1724(カルボニル),3437(水酸基).
【0042】
【化15】
【0043】〔実施例2〕用いたε-カプロラクトンが
3.56gと前記実施例1のほぼ半量である以外は、実
施例1と同様の方法で反応を行った。反応終了後、系を
冷却して1H−NMR及びIRにより反応物の分析を行
い、前記構造式(但し、m+n=10)であることを確
認した。
【0044】〔参考例1〕内容量1リットルの攪拌器付
き反応器にビスフェノールA44g、2.0N水酸化ナ
トリウム溶液0.27g、および塩化メチレン160g
を入れて攪拌し、次いでホスゲンを70分間吹き込んだ
後、水相と有機相を分離した。この溶液中のクロロホル
メート濃度は0.7モル/リットルであった。得られた
ポリカーボネートオリゴマーの塩化メチレン溶液0.1
リットルと実施例1で得たフェノール性水酸基含有ラク
トン開環重合体26.54g(0.01モル)、ビスフ
ェノールA5.05g、p−tert−ブチルフェノー
ル0.88g(5.88ミリモル)、7.25重量%水
酸化ナトリウム水溶液50g、および塩化メチレン75
mlを加え、エマルジョン界面面積が90〜100m2
/リットルとなるように攪拌して反応させた。60分
後、得られた反応混合物を水相と生成ポリマーを含有す
る塩化メチレン相とに分離し、塩化メチレン相を水、
0.1N塩酸の順で洗浄した。この塩化メチレン相から
塩化メチレンを40℃で減圧除去し、白色ポリカーボネ
ート樹脂粉末を得た。このポリカーボネート樹脂の重量
平均分子量は67,100、溶融粘度は14,100ポ
イズ、溶融張力は10.0gであった。
【0045】
【発明の効果】本発明により、フェノール性水酸基含有
ラクトン開環重合体およびその製造方法が提供される。
本発明により提供されるフェノール性水酸基含有ラクト
ン開環重合体をポリカーボネート樹脂の製造に使用する
ことにより、既存のポリカーボネート樹脂には見られな
い、優れた樹脂の流れ性や成形物の表面平滑性、さらに
は優れた可撓性を有するポリカーボネート樹脂が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたフェノール性水酸基含有ラ
クトン開環重合体の1H−NMRチャート
【図2】実施例1で得られたフェノール性水酸基含有ラ
クトン開環重合体のIRのチャート

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1]で表されるフェノール
    性水酸基含有ラクトン開環重合体。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記のいずれかの構造式で表されるフェ
    ノール性水酸基含有ラクトン開環重合体。 【化2】
  3. 【請求項3】 下記一般式[2]で表されるフェノール
    化合物、下記一般式[3]で表されるラクトンおよび活
    性水素を有する化合物を、触媒の存在下で100〜23
    0℃において反応させることを特徴とする、請求項1記
    載のフェノール性水酸基含有ラクトン開環重合体の製造
    方法。 【化3】 【化4】
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