JP3741331B2 - 新規なポリエステル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なポリエステル化合物およびその製造方法に関するものであり、更に詳しくは耐熱性、耐水性、耐食性に優れ、かつ透明性の高い新規なポリエステル化合物及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル化合物は、一般にジオール化合物とジカルボン酸またはジカルボン酸エステル、ジカルボン酸塩化物、ジカルボン酸無水物等との重縮合反応によって製造される。
成形材料としてのポリエステル化合物は、一般にその構造中に芳香環が導入された、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等が使用されている。これらのポリエステル化合物は、その優れた機械特性及び化学的特性のため、繊維、フィルム、シート、その他成形材料等として広く用いられている。しかしながら、このような通常の芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジオール成分とからなるポリエステル化合物は、耐熱性に優れているものの、その結晶性のため、例えばプラスチックス等として利用するには透明性が不十分であるという問題点があった。また、PETはエステルの官能基濃度が比較的高く、耐加水分解性に劣るという問題点もあった。
【0003】
PET、PBT等の結晶性の高いポリエステルのテレフタル酸成分の全て、または一部を他のジカルボン酸成分、例えばイソフタル酸、アジピン酸等のジカルボン酸に置き換えたり、ジオール成分の全て、または一部を他のジオール例えば1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族ジオールやポリエチレングリコール等のポリエーテルジオール等に置き換えることで結晶性を低下させ、上記問題を解決することは可能である。しかしながらこれらの成分を用いたポリエステルのガラス転移温度Tgは、例えばPETのTg69℃と比較すると、通常かなり低いものである。
即ちこれらの成分を共重合させることは、結晶性の低下とともに耐熱性を大幅に低下させる結果となり、成形材料としては性能が低いものしか得られないという欠点があった。このような欠点を解消する方法として、特開昭50−27892、特開昭50−28595に1,1−シクロヘキサンジメタノールをジオール原料として用いたポリエステルが提案されているが、耐熱性、透明性が不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のPET、PBTなど芳香環が導入されている結晶性の高いポリエステルの有する耐熱性、特にガラス転移点が高く、かつ透明性、耐加水分解性の高い新規なポリエステル並びにその製造方法の開発を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1) 下記一般式(1)
【化5】
Figure 0003741331
(ただし、式中、R1 は炭素数が1から4までのアルキル基、R2 は水素原子またはメチル基を表す。)
または一般式(2)
【化6】
Figure 0003741331
(ただし、R1 、R2 は上記と同じ。)
で表されるジオール化合物またはこのジオール化合物を含有するジオール化合物の混合物とラジカル重合性の官能基を有しないジカルボン酸またはジカルボン酸混合物との縮合によって得られるポリエステル化合物、
(2) 一般式(1)または一般式(2)のジオール化合物において、R1 がメチル基である上記(1)記載のポリエステル化合物、
(3) ラジカル重合性の官能基を有しないジカルボン酸が、テレフタル酸、イソフタル酸またはナフタレンジカルボン酸のうちの少なくとも一つである上記(1)または(2)記載のポリエステル化合物、
【0006】
(4)下記一般式(1)
【化7】
Figure 0003741331
(ただし、式中、R1 は炭素数が1から4までのアルキル基、R2 は水素原子またはメチル基を表す。)
または一般式(2)
【化8】
Figure 0003741331
(ただし、R1 、R2 は上記と同じ。)
で表されるジオール化合物またはこのジオールを含有するジオール化合物の混合物と、ジカルボン酸、ジカルボン酸エステル、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸塩化物から選ばれる少なくとも一つを含むジカルボン酸誘導体とを重縮合反応させるポリエステル化合物の製造法、
(5) 一般式(1)または一般式(2)において、R1 がメチル基であるジオール化合物を用いる前記(4)記載のポリエステル化合物の製造法、及び
(6) ポリエステル化合物の製造法において、ジカルボン酸誘導体がテレフタル酸、イソフタル酸またはナフタレンジカルボン酸の誘導体から選ばれる少なくとも一つのジカルボン酸である前記(4)または(5)記載のポリエステルの製造法を開発することにより上記の目的を達成した。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明を更に詳しく説明する。
本発明の一般式(1)で示される化合物は、シクロヘキサン環の2−位が炭素数1〜4のアルキル基で置換された1,1−シクロヘキサンジメタノール骨格を有する化合物である。
具体的には2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2−エチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2−プロピル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2−ブチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2,3−ジメチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2,4−ジメチルシクロヘキサンジメタノール、2,5−ジメチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2,6−ジメチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0008】
また、一般式(2)で示されるジオール化合物は、ノルボルナン環の3−位が炭素数1〜4のアルキル基で置換された2,2−ノルボルナンジメタノール骨格を有する化合物であり、例えば、3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノール、3−エチル−2,2−ノルボルナンジメタノール、3−プロピル−2,2−ノルボルナンジメタノール、3−ブチル−2,2−ノルボルナンジメタノール等があげられる。
【0009】
本発明に示されるポリエステル化合物原料として使用されるジオール化合物は一般式(1)または(2)で示されるジオール化合物を単独で用いる以外に、これらの混合物、あるいは他のジオール化合物との混合物として用いることが可能である。
全ジオール成分中の一般式(1)及び(2)で示されるジオール化合物の割合は任意に変えることができるが、本発明のポリエステル化合物としての効果を発現するには、通常5〜100モル%、好ましくは20モル%以上の割合で使用することが必要である。
【0010】
一般式(1)または(2)で示されるジオール化合物と併用可能な他のジオール化合物としては、一般のポリエステル製造に使用できるものであれば特に制限はなく、具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の直鎖脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、トリシクロデカンジメタノール等の脂環式ジオール、ビスフェノールA、キシリレンジオール等の芳香族ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のエーテルグリコール等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0011】
本発明に示されるポリエステル化合物は、一般式(1)または(2)で示されるジオール化合物を含有するジオール化合物とジカルボン酸またはジカルボン酸誘導体との縮合によって得られる。
本発明のポリエステル化合物は、次の一般式(3)で示される構造単位からなり、
【化9】
Figure 0003741331
[式中、R1 、R2 は前記のとおりであり、nは0または1であり、Bはジカルボン酸残基である。]
また一般式(1)または一般式(2)以外のジオール化合物が使用される場合は更に次の一般式(4)で示す構造単位が含まれる。
−C(=O)−O−A−O−C(=O)−B− ・・・・(4)
[式中、Aは一般式(1)または(2)以外のジオール化合物のジオール残基である。
【0012】
本発明に示されるポリエステル化合物に使用されるジカルボン酸の種類は、通常のポリエステル合成に使用できるものであれば特に制限はない。
具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2.6−ナフタレンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の脂環式ジカルボン酸等が挙げられるが、テレフタル酸、イソフタル酸、2.6−ナフタレンジカルボン酸が特に好ましい。
【0013】
本発明に示されるポリエステルの製造は、上記ジカルボン酸とジオール化合物の縮合反応により達成されるが、この場合用いるジカルボン酸としては、フリーなジカルボン酸の形態で使用できるのはもちろん、それ以外にジカルボン酸エステル、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸塩化物等のジカルボン酸誘導体の形態でも使用することができる。
【0014】
本発明におけるポリエステル合成反応の実施形態としては、一般的なポリエステルの製造方法をそのまま適用することが可能である。
即ち、フリーなジカルボン酸やジカルボン酸無水物を原料として使用する場合は、ジオール化合物とジカルボン酸またはジカルボン酸無水物を反応器に入れ、加熱して反応により生成する水を系外に留出させる直接エステル化の方法をとる。該反応は、触媒が存在しなくても進行するが、触媒を用いて反応を促進させることもできる。エステル化反応は150℃〜300℃、好ましくは180℃〜300℃で水を留去しながら実施するのが好ましい。
エステル化反応の触媒としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、チタン、コバルトまたはマンガン等の酢酸塩、炭酸塩、水酸化物、アルコキシド化合物等が用いられる。
反応圧力は、通常常圧で行うが、場合によっては減圧とし、水の留去を進めることもできる。また、高分子量のポリエステルを得るために、ジオール化合物の仕込み比をジカルボン酸に対して過剰に用い、水留去の後に過剰のジオールを高温減圧下で更に留去させる方法が有効である。
【0015】
この時、ジオール留去による重縮合反応を促進させるために、触媒を用いることが好ましい。高分子化のためのエステル交換反応触媒は、ポリエステル合成における重縮合反応で用いられる触媒が使用可能であり、チタンアルコキシド等のチタン化合物、酸化スズ等の錫化合物、酸化アンチモン等のアンチモン化合物、亜鉛、鉛、セリウム、コバルト、マンガン等のカルボン酸塩等を用いることができる。
ジオール留去による重縮合反応は、150〜350℃、好ましくは200〜300℃で実施するのが好ましい。反応圧力は常圧でも進行可能であるが、ジオールの留去を効率的に行うために減圧下で行うことが好ましく、特に反応の進行とともに減圧度を上げていく方法が有効である。
【0016】
ジカルボン酸エステルとジオールのエステル交換によるポリエステル合成は、ジカルボン酸エステル、ジオール及び触媒を反応器に仕込み、反応で生成するアルコールを高温において系外に留去することで行うことができる。
用いられるジカルボン酸エステルは、ジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル等が使用できるが、反応の容易さと価格から、メチルエステルが特に好ましい。
この場合の反応に用いられる触媒としては、アルカリ、アルカリ土類、亜鉛、鉛、マンガン、コバルト、錫、アンチモン、ゲルマニウム等の金属のカルボン酸塩、炭酸塩、水酸化物、酸化物、アルコラート等が使用できる。反応は120〜300℃、好ましくは160℃〜300℃で行われる。反応圧は常圧で進行できるが、アルコールの留出を進めるために減圧下で反応を行うこともできる。
【0017】
また、ポリエステルを高分子量とするために、直接エステル化反応の場合と同様、ジオール化合物の仕込み比をジカルボン酸に対して過剰に用い、アルコール留去の後に過剰のジオールを高温減圧下で更に留去させる方法が有効である。
ジカルボン酸塩化物とジオールの反応によりポリエステルを製造する場合、反応は高温無溶媒で生成する塩酸を留去する方法、または低温で溶媒存在下生成する塩酸を留去または塩基性化合物で中和する方法などをとることができる。
この場合の反応温度は、室温〜280℃、好ましくは室温〜250℃で行われる。溶媒を用いる場合、用いられる溶媒は基質と反応しないものであればどの様なものでも使用でき、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2- ピロリドン等のアミド類等が使用可能である。
【0018】
また、低温で反応させる場合は反応で生成してくる塩酸を中和するために塩基性化合物を系内に添加し、反応を促進させることが好ましい。 このような塩基性化合物としては、トリエチルアミン等の3級アミン類、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩等があげられる。また、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等の塩基性溶媒では塩基性化合物と溶媒を兼用させることも可能である。
PETは元来結晶性を有するので、一度溶融したものを徐冷したり、Tg以上の高温下におけば結晶化による白濁が見られる。このため透明性を保持させるためには結晶化を抑制する条件、手段により処置することを必要としている。
これに対し本発明のポリエステル化合物は結晶化がほとんど見られないので、Tg以上の高温下に放置しても白濁することはない。
本発明のポリエステル化合物は、分子構造から推定するとPETよりは分子鎖が多少リジットであり、結晶性がかなり低いが、従来のPETなどのポリエステルの物性をあまり変えることなく透明性、耐熱性、耐水性などを大幅に向上したものである。
【0019】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(GPCによる分子量測定)
GPCによる分子量測定は以下の条件で実施した。
カラム:昭和電工(株)製 SHODEX K−806M2本及びK−807。
溶媒 :クロロホルム 1.2ml/min。
温度 :40℃。
検出器:UV検出器。
1H−NMR,13C−NMRスペクトル測定条件)
日本電子(株)製 JNM−EX400型(400MHz)を用いて、溶媒とし てCDCl3 、標準物質としてテトラメチルシランを用いて測定した。13C− NMRは、1 Hでデカップルした条件で測定した。
(IRスペクトル測定)
日本分光(株)製FT/IR7300赤外分光装置を用いて、KBr錠剤法で測定 した。
(DSC測定)
パーキンエルマー製DSC7により測定した。
温度は30℃から、10℃/minの昇温速度で300℃まで昇温し、次に30℃まで10℃/minの割合で降温、その後再び10℃/min昇温速度で300℃まで昇温し、熱量測定を行った。ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、2回目の昇温時の熱量変化に基づいて求めた。
【0020】
(実施例1)
テレフタル酸と2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールとのポリエステル:
30mlフラスコに、2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール1.582g(10.0mmol)、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン5mlを仕込み、室温でテレフタル酸クロリド2.030g(10.0mmol)の乾燥N−メチルピロリドン5ml溶液を添加した。この溶液を室温でマグネチックスターラーにより撹拌した。
発熱がおさまり、内容物が固化してきたところでフラスコをオイルバスに浸けて加熱しながら撹拌し、180℃で2時間反応させた。
反応後、溶液を1リットルの激しく撹拌されたメタノール中に少量ずつ滴下し、ポリマーを沈殿させた。得られた白色ポリマーは、一晩放置した後、ろ過し、メタノールで洗浄、真空乾燥した。
得られたポリマーの 1H−NMR、13C−NMRスペクトル、IRスペクトルを測定した。スペクトルデータと帰属は以下のようである。
【0021】
1H−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 1.05(d,3H,-CH(CH 3)-)
1.41-1.88(m,9H,C(cyclohexane)-H)
4.37-4.56(m,4H,-CH2O-)
8.01-8.07(m,4H,C(arom.)-H)
13C−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 16.1(-CH(CH3)-)
21.3,24.6,29.6,30.3,34.4,40.1(C(cyclohexane))
64.9,68.5(-CH2O-)
129.6,133.9(C(arom.))
165.6(-OC(O)-)
IR(cm-1,KBr錠剤法)
: 1724( νc=0)
1270(νc(O)-0)
1119,1101( νc-0)
1018,730(δ(arom.))
以上の結果から、得られた化合物はテレフタル酸と2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールとのポリエステルであることが確認された。
このポリマーのGPCによる分子量測定、DSC測定の結果、分子量Mnは2430、Mn8720であり、Tgは95℃であった。
【0022】
(実施例2)
テレフタル酸と3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノールとのポリエステル:
実施例1の2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールの代わりに、3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノール1.703g(10mmol)を用いた以外は実施例1と同様に処理して、白色ポリマーを得た。
得られた化合物の 1H−NMR、13C−NMR、IRスペクトルデータと帰属は以下のようである。
【0023】
1 H−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 1.05(d,3H,-CH(CH 3)-)
1.24-1.97m,2.30s(9H,C(norbornane)-H)
4.34-4.50(m,4H,-CH2O-)
8.04(s,4H,C(arom.)-H)
13C−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 15.8(-CH(CH3)-)
23.8,29.2,35.2,42.4,45.2,45.3,47.1(C(norbornane))
65.2,68.1(-CH2O-)
129.6,134.0(C(arom.))
165.6(-OC(O)-)
IR(cm-1,KBr錠剤法)
: 1721( νc=0)
1270(νc(O)-0)
1119,1102( νc-0)
1018,730(δ(arom.))
以上の結果から、得られた化合物はテレフタル酸と3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノールとのポリエステルであることが確認された。
このポリマーのGPCによる分子量測定、DSC測定の結果、分子量Mnは2830、Mn10190であり、Tgは118℃であった。
【0024】
(実施例3)
テレフタル酸と2,4−ジメチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールとのポリエステル:
実施例1における2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールの代わりに、2,4−ジメチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール1.723g(10mmol)を用いた以外は実施例1と同様に処理して、白色ポリマーを得た。得られた化合物の 1H−NMR、13C−NMR、IRスペクトルデータと帰属は以下のようである。
【0025】
1H−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 0.94d,1.03d(6H,-CH(CH 3 )-)
1.01-1.17m,1.51-1.63m,1.88-1.97m(8H,C(cyclohexane)-H)
4.43-4.59(m,4H,-CH2O-)
8.05-8.06(m,4H,C(arom.)-H)
13C−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 16.6,22.3(-CH(CH 3)-)
30.0,31.4,32.8,36.0,39.7,39.9(C(cyclohexane))
63.9,69.6(-CH2O-)
129.6,133.9(C(arom.))
165.6(-OC(O)-)
IR(cm-1,KBr錠剤法)
: 1724( νc=0)
1267(νc(O)-0)
1117,1101( νc-0)
1018,729(δ(arom.))
以上の結果から、得られた化合物はテレフタル酸と2,4−ジメチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールとのポリエステルであることが確認された。
このポリマーのGPCによる分子量測定、DSC測定の結果、分子量Mnは2350、Mn5870であり、Tgは104℃であった。
【0026】
(実施例4)
イソフタル酸と2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールとのポリエステル:
実施例1におけるテレフタル酸クロリドの代わりに、イソフタル酸クロリド2.030g(10mmol)を用いた以外は実施例1と同様に処理して、白色ポリマーを得た。
得られた化合物の 1H−NMR、13C−NMR、IRスペクトルデータと帰属は以下のようである。
【0027】
1H−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 1.06(d,3H,-CH(CH 3)-)
1.39-1.89(m,9H,C(cyclohexane)-H)
4.37-4.56(m,4H,-CH2O-)
7.46t,8.15-8.18m,8.62d(4H,C(arom.)-H)
13C−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 16.1(-CH(CH3)-)
21.3,24.5,29.4,30.2,34.3,40.1(C(cyclohexane))
65.0,68.4(-CH2O-)
128.8,130.6,133.8(C(arom.))
165.5(-OC(O)-)
IR(cm-1,KBr錠剤法)
: 1726( νc=0)
1304,1231( νc(O)-0)
1134,1075( νc-0)
1000,977,728(δ(arom.))
以上の結果から、得られた化合物はイソフタル酸と2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールとのポリエステルであることが確認された。
このポリマーのGPCによる分子量測定、DSC測定の結果、分子量Mnは3770、Mn11130であり、Tgは90℃であった。
【0028】
(実施例5)
テレフタル酸と2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、及びエチレングリコールとのポリエステル:
撹拌機、分留器のついた2リットルセパラブルフラスコにテレフタル酸ジメチル776.7g(4.0mol)、2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール506.4g(3.2mol)、エチレングリコール422.1g(6.8mol)及び酢酸亜鉛175mg(0.8mmol)を仕込み、内容を窒素置換した。
フラスコを100℃に加温、撹拌して内容物を全て溶解させた後、温度を180℃に上げ、生成したメタノールを留去した。 メタノールの留出が緩やかになったところで反応温度を200℃に上げ、メタノールの留出が無くなるまで反応させた。
その後、反応液を一旦室温まで冷却し、ジブチル錫オキシド199mg(0.8mmol)を添加、窒素置換後、温度を230℃に上げ、エチレングリコールを常圧で留出させた。 留出が少なくなったところで系内を徐々に減圧にし、また、それに伴い反応温度も徐々に上昇させてエチレングリコールの留去を促進させた。反応は最終的に反応温度270−80℃、0.4mmHgで約1時間反応を行い、留出物がもはやみられなくなったところで終了した。 これにより淡褐色の透明固形物が得られた。
得られた化合物の 1H−NMR、13C−NMR、IRスペクトルデータと帰属は以下のようである。
【0029】
1H−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 1.06(d,-CH(CH 3 )-)
1.41-1.89(m,C(cyclohexane)-H)
4.38-4.57(m,C(cyclohexane)-CH2O-)
4.70(s,-O-CH2-CH2O-)
8.05-8.12(m,C(arom.)-H)
13C−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 16.1(-CH(CH3)-)
21.3,24.5,29.5,30.3,34.4,40.1(C(cyclohexane))
63.0(-O-CH2-CH2O-)
65.0,68.5,68.6(C(cyclohexane)-CH2O-)
129.6,129.7,133.6-134.1(C(arom.))
165.5-165.6(-OC(O)-)
IR(cm-1,KBr錠剤法)
: 1722( νc=0)
1270(νc(O)-0)
1119,1098( νc-0)
1017,727(δ(arom.))
以上の結果から、得られた化合物はテレフタル酸と2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、及びエチレングリコールとのポリエステルであることが確認された。また、 1H−NMRの積分比からポリマー中の2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールとエチレングリコールのモル比は74:26であることが判明した。
このポリマーのGPCによる分子量測定、DSC測定の結果、分子量Mnは6940、Mn24170であり、Tgは93℃であった。
【0030】
(実施例6)
イソフタル酸と2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール及びエチレ
ングリコールとのポリエステル:
実施例5におけるテレフタル酸ジメチルの代わりにイソフタル酸ジメチル776.7g(4.0mol)を用いた他は実施例5と同様に反応を行い、淡褐色の透明固形物を得た。
得られた化合物の 1H−NMR、13C−NMR、IRスペクトルデータと帰属は以下のようである。
【0031】
1H−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 1.06(d,-CH(CH 3 )-)
1.39-1.83(m,C(cyclohexane)-H)
4.36-4.56(m,C(cyclohexane)-CH2O-)
4.70(s,-O-CH2-CH2O-)
7.45-7.50m,8.17-8.23m,8.62-8.67m(C(arom.)-H)
13C−NMR(δ, ppm, CDCl3
: 16.1(-CH(CH3)-)
21.3,24.5,29.6,30.2,34.5,40.1(C(cyclohexane))
63.0(-O-CH2-CH2O-)
65.0,68.4(C(cyclohexane)-CH2O-)
128.8,130.3-131.0,133.8-134.1(C(arom.))
165.4,165.5(-OC(O)-)
IR(cm-1,KBr錠剤法)
: 1726( νc=0)
1307,1219( νc(O)-0)
1131,1073( νc-0)
995,972,725( δ(arom.))
以上の結果から、得られた化合物はイソフタル酸と2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、及びエチレングリコールとのポリエステルであることが確認された。また、 1H−NMRの積分比からポリマー中の2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールとエチレングリコールのモル比は72:28であることが判明した。
このポリマーのGPCによる分子量測定、DSC測定の結果、分子量Mnは6890、Mn33600であり、Tgは82℃であった。
【0032】
(比較例1)
テレフタール酸とエチレングリコールとのポリエステル(PET)
実施例5における2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール及びエチレングリコールに代えて、エチレングリコール単独で620.7g(10mol)を用いたほかは実施例5と同様に反応を行い、淡白褐色のポリマーを得た。
得られたポリマーのGPCによる分子量測定の結果、数平均分子量は8120、数平均分子量37200であった。
【0033】
(光線透過率及び耐熱性)
実施例5、実施例6及び比較例1で得られたポリマーを粉砕し、それらの粉末を厚さ3mmのスペーサーを挟んだ2枚のガラス板の間にいれ、窒素雰囲気下で260℃で融解した。これを約10℃/minの割合で冷却し、ポリマーを固化させた。得られたポリマー板を50mm角に切り出し、サンプルピースとした。
このサンプルピースについて、外観、全光線透過率(JIS K−7105)及び95℃の1%NaOH水溶液中での加熱減量(24時間)を調べた。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003741331
【0035】
【発明の効果】
本発明は新規なポリエステル化合物およびその製造法に関するものであり、本発明のポリエステル樹脂は従来のポリエステル樹脂と比較した時に機械的物性をあまり変えることなく透明性、耐食性、耐水性に優れ、耐熱性の高い、特にTgよりも高温における高温透明性が必要な時に効果のあるポリエステル化合物である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0003741331
    (ただし、式中、R1 は炭素数が1から4までのアルキル基、R2 は水素原子またはメチル基を表す。)
    または一般式(2)
    Figure 0003741331
    (ただし、R1 、R2 は上記と同じ。)
    で表されるジオール化合物またはこのジオール化合物を含有するジオール化合物の混合物とラジカル重合性の官能基を有しないジカルボン酸またはジカルボン酸混合物との縮合によって得られるポリエステル化合物。
  2. 一般式(1)または一般式(2)のジオール化合物において、R1 がメチル基である請求項1記載のポリエステル化合物。
  3. ラジカル重合性の官能基を有しないジカルボン酸が、テレフタル酸、イソフタル酸またはナフタレンジカルボン酸のうちの少なくとも一つである請求項1または2記載のポリエステル化合物
  4. 下記一般式(1)
    Figure 0003741331
    (ただし、式中、R1 は炭素数が1から4までのアルキル基、R2 は水素原子またはメチル基を表す。)
    または一般式(2)
    Figure 0003741331
    (ただし、R1 、R2 は上記と同じ。)
    で表されるジオール化合物またはこのジオールを含有するジオール化合物の混合物と、ジカルボン酸、ジカルボン酸エステル、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸塩化物から選ばれる少なくとも一つを含むジカルボン酸誘導体とを重縮合反応させることを特徴とするにポリエステル化合物の製造法。
  5. 一般式(1)または一般式(2)において、R1 がメチル基であるジオール化合物を用いる請求項4記載のポリエステル化合物の製造法。
  6. ポリエステル化合物の製造法において、ジカルボン酸誘導体がテレフタル酸、イソフタル酸またはナフタレンジカルボン酸の誘導体から選ばれる少なくとも一つのジカルボン酸である請求項4または5記載のポリエステルの製造法。
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