JPH1135665A - 新規なポリエステル及びその製造方法 - Google Patents
新規なポリエステル及びその製造方法Info
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- JPH1135665A JPH1135665A JP21577897A JP21577897A JPH1135665A JP H1135665 A JPH1135665 A JP H1135665A JP 21577897 A JP21577897 A JP 21577897A JP 21577897 A JP21577897 A JP 21577897A JP H1135665 A JPH1135665 A JP H1135665A
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Abstract
ポリエステルの有する耐熱性、特にガラス転移点が高
く、かつ透明性、耐加水分解性の高い新規なポリエステ
ル並びにその製造方法の提供。 【解決手段】 下記一般式(1)または一般式(2) (ただし、式中、R1 は炭素数が1から4までのアルキ
ル基、R2 は水素原子またはメチル基を表す。)で表さ
れるジオール化合物またはこのジオール化合物を含有す
るジオール化合物の混合物とラジカル重合性の官能基を
有しないジカルボン酸またはジカルボン酸混合物との縮
合によって得られるポリエステル化合物。
Description
化合物およびその製造方法に関するものであり、更に詳
しくは耐熱性、耐水性、耐食性に優れ、かつ透明性の高
い新規なポリエステル化合物及びその製造法に関するも
のである。
化合物とジカルボン酸またはジカルボン酸エステル、ジ
カルボン酸塩化物、ジカルボン酸無水物等との重縮合反
応によって製造される。成形材料としてのポリエステル
化合物は、一般にその構造中に芳香環が導入された、例
えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチ
レンテレフタレート(PBT)等が使用されている。こ
れらのポリエステル化合物は、その優れた機械特性及び
化学的特性のため、繊維、フィルム、シート、その他成
形材料等として広く用いられている。しかしながら、こ
のような通常の芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジオー
ル成分とからなるポリエステル化合物は、耐熱性に優れ
ているものの、その結晶性のため、例えばプラスチック
ス等として利用するには透明性が不十分であるという問
題点があった。また、PETはエステルの官能基濃度が
比較的高く、耐加水分解性に劣るという問題点もあっ
た。
テルのテレフタル酸成分の全て、または一部を他のジカ
ルボン酸成分、例えばイソフタル酸、アジピン酸等のジ
カルボン酸に置き換えたり、ジオール成分の全て、また
は一部を他のジオール例えば1,6−ヘキサンジオール
等の脂肪族ジオールやポリエチレングリコール等のポリ
エーテルジオール等に置き換えることで結晶性を低下さ
せ、上記問題を解決することは可能である。しかしなが
らこれらの成分を用いたポリエステルのガラス転移温度
Tgは、例えばPETのTg69℃と比較すると、通常
かなり低いものである。即ちこれらの成分を共重合させ
ることは、結晶性の低下とともに耐熱性を大幅に低下さ
せる結果となり、成形材料としては性能が低いものしか
得られないという欠点があった。このような欠点を解消
する方法として、特開昭50−27892、特開昭50
−28595に1,1−シクロヘキサンジメタノールを
ジオール原料として用いたポリエステルが提案されてい
るが、耐熱性、透明性が不十分である。
T、PBTなど芳香環が導入されている結晶性の高いポ
リエステルの有する耐熱性、特にガラス転移点が高く、
かつ透明性、耐加水分解性の高い新規なポリエステル並
びにその製造方法の開発を目的とする。
一般式(1)
ル基、R2 は水素原子またはメチル基を表す。)または
一般式(2)
ール化合物またはこのジオール化合物を含有するジオー
ル化合物の混合物とラジカル重合性の官能基を有しない
ジカルボン酸またはジカルボン酸混合物との縮合によっ
て得られるポリエステル化合物、(2) 一般式(1)
または一般式(2)のジオール化合物において、R1 が
メチル基である上記(1)記載のポリエステル化合物、
(3) ラジカル重合性の官能基を有しないジカルボン
酸が、テレフタル酸、イソフタル酸またはナフタレンジ
カルボン酸のうちの少なくとも一つである上記(1)ま
たは(2)記載のポリエステル化合物、
ル基、R2 は水素原子またはメチル基を表す。)または
一般式(2)
ール化合物またはこのジオールを含有するジオール化合
物の混合物と、ジカルボン酸、ジカルボン酸エステル、
ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸塩化物から選ばれる
少なくとも一つを含むジカルボン酸誘導体とを重縮合反
応させるポリエステル化合物の製造法、(5) 一般式
(1)または一般式(2)において、R1 がメチル基で
あるジオール化合物を用いる前記(4)記載のポリエス
テル化合物の製造法、及び(6) ポリエステル化合物
の製造法において、ジカルボン酸誘導体がテレフタル
酸、イソフタル酸またはナフタレンジカルボン酸の誘導
体から選ばれる少なくとも一つのジカルボン酸である前
記(4)または(5)記載のポリエステルの製造法を開
発することにより上記の目的を達成した。
発明の一般式(1)で示される化合物は、シクロヘキサ
ン環の2−位が炭素数1〜4のアルキル基で置換された
1,1−シクロヘキサンジメタノール骨格を有する化合
物である。具体的には2−メチル−1,1−シクロヘキ
サンジメタノール、2−エチル−1,1−シクロヘキサ
ンジメタノール、2−プロピル−1,1−シクロヘキサ
ンジメタノール、2−ブチル−1,1−シクロヘキサン
ジメタノール、2,3−ジメチル−1,1−シクロヘキ
サンジメタノール、2,4−ジメチルシクロヘキサンジ
メタノール、2,5−ジメチル−1,1−シクロヘキサ
ンジメタノール、2,6−ジメチル−1,1−シクロヘ
キサンジメタノール等が挙げられる。
合物は、ノルボルナン環の3−位が炭素数1〜4のアル
キル基で置換された2,2−ノルボルナンジメタノール
骨格を有する化合物であり、例えば、3−メチル−2,
2−ノルボルナンジメタノール、3−エチル−2,2−
ノルボルナンジメタノール、3−プロピル−2,2−ノ
ルボルナンジメタノール、3−ブチル−2,2−ノルボ
ルナンジメタノール等があげられる。
として使用されるジオール化合物は一般式(1)または
(2)で示されるジオール化合物を単独で用いる以外
に、これらの混合物、あるいは他のジオール化合物との
混合物として用いることが可能である。全ジオール成分
中の一般式(1)及び(2)で示されるジオール化合物
の割合は任意に変えることができるが、本発明のポリエ
ステル化合物としての効果を発現するには、通常5〜1
00モル%、好ましくは20モル%以上の割合で使用す
ることが必要である。
ール化合物と併用可能な他のジオール化合物としては、
一般のポリエステル製造に使用できるものであれば特に
制限はなく、具体的にはエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、ネオペンチルグリコール等の直鎖脂肪族
ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添
ビスフェノールA、トリシクロデカンジメタノール等の
脂環式ジオール、ビスフェノールA、キシリレンジオー
ル等の芳香族ジオール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール等のエーテルグリコール等が挙げられる
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(1)または(2)で示されるジオール化合物を
含有するジオール化合物とジカルボン酸またはジカルボ
ン酸誘導体との縮合によって得られる。本発明のポリエ
ステル化合物は、次の一般式(3)で示される構造単位
からなり、
は1であり、Bはジカルボン酸残基である。] また一般式(1)または一般式(2)以外のジオール化
合物が使用される場合は更に次の一般式(4)で示す構
造単位が含まれる。 −C(=O)−O−A−O−C(=O)−B− ・・・・(4) [式中、Aは一般式(1)または(2)以外のジオール
化合物のジオール残基である。
用されるジカルボン酸の種類は、通常のポリエステル合
成に使用できるものであれば特に制限はない。具体的に
はテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2.6−ナ
フタレンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン
酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テ
トラヒドロフタル酸等の脂環式ジカルボン酸等が挙げら
れるが、テレフタル酸、イソフタル酸、2.6−ナフタ
レンジカルボン酸が特に好ましい。
上記ジカルボン酸とジオール化合物の縮合反応により達
成されるが、この場合用いるジカルボン酸としては、フ
リーなジカルボン酸の形態で使用できるのはもちろん、
それ以外にジカルボン酸エステル、ジカルボン酸無水
物、ジカルボン酸塩化物等のジカルボン酸誘導体の形態
でも使用することができる。
施形態としては、一般的なポリエステルの製造方法をそ
のまま適用することが可能である。即ち、フリーなジカ
ルボン酸やジカルボン酸無水物を原料として使用する場
合は、ジオール化合物とジカルボン酸またはジカルボン
酸無水物を反応器に入れ、加熱して反応により生成する
水を系外に留出させる直接エステル化の方法をとる。該
反応は、触媒が存在しなくても進行するが、触媒を用い
て反応を促進させることもできる。エステル化反応は1
50℃〜300℃、好ましくは180℃〜300℃で水
を留去しながら実施するのが好ましい。エステル化反応
の触媒としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜
鉛、チタン、コバルトまたはマンガン等の酢酸塩、炭酸
塩、水酸化物、アルコキシド化合物等が用いられる。反
応圧力は、通常常圧で行うが、場合によっては減圧と
し、水の留去を進めることもできる。また、高分子量の
ポリエステルを得るために、ジオール化合物の仕込み比
をジカルボン酸に対して過剰に用い、水留去の後に過剰
のジオールを高温減圧下で更に留去させる方法が有効で
ある。
促進させるために、触媒を用いることが好ましい。高分
子化のためのエステル交換反応触媒は、ポリエステル合
成における重縮合反応で用いられる触媒が使用可能であ
り、チタンアルコキシド等のチタン化合物、酸化スズ等
の錫化合物、酸化アンチモン等のアンチモン化合物、亜
鉛、鉛、セリウム、コバルト、マンガン等のカルボン酸
塩等を用いることができる。ジオール留去による重縮合
反応は、150〜350℃、好ましくは200〜300
℃で実施するのが好ましい。反応圧力は常圧でも進行可
能であるが、ジオールの留去を効率的に行うために減圧
下で行うことが好ましく、特に反応の進行とともに減圧
度を上げていく方法が有効である。
ル交換によるポリエステル合成は、ジカルボン酸エステ
ル、ジオール及び触媒を反応器に仕込み、反応で生成す
るアルコールを高温において系外に留去することで行う
ことができる。用いられるジカルボン酸エステルは、ジ
カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピ
ルエステル、ブチルエステル等が使用できるが、反応の
容易さと価格から、メチルエステルが特に好ましい。こ
の場合の反応に用いられる触媒としては、アルカリ、ア
ルカリ土類、亜鉛、鉛、マンガン、コバルト、錫、アン
チモン、ゲルマニウム等の金属のカルボン酸塩、炭酸
塩、水酸化物、酸化物、アルコラート等が使用できる。
反応は120〜300℃、好ましくは160℃〜300
℃で行われる。反応圧は常圧で進行できるが、アルコー
ルの留出を進めるために減圧下で反応を行うこともでき
る。
に、直接エステル化反応の場合と同様、ジオール化合物
の仕込み比をジカルボン酸に対して過剰に用い、アルコ
ール留去の後に過剰のジオールを高温減圧下で更に留去
させる方法が有効である。ジカルボン酸塩化物とジオー
ルの反応によりポリエステルを製造する場合、反応は高
温無溶媒で生成する塩酸を留去する方法、または低温で
溶媒存在下生成する塩酸を留去または塩基性化合物で中
和する方法などをとることができる。この場合の反応温
度は、室温〜280℃、好ましくは室温〜250℃で行
われる。溶媒を用いる場合、用いられる溶媒は基質と反
応しないものであればどの様なものでも使用でき、ジク
ロロメタン、クロロホルム、テトラクロロエタン等のハ
ロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエス
テル類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N-ジメチル
アセトアミド、N-メチル-2- ピロリドン等のアミド類等
が使用可能である。
してくる塩酸を中和するために塩基性化合物を系内に添
加し、反応を促進させることが好ましい。 このような
塩基性化合物としては、トリエチルアミン等の3級アミ
ン類、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金
属塩等があげられる。また、N,N-ジメチルアセトアミ
ド、N-メチルピロリドン等の塩基性溶媒では塩基性化合
物と溶媒を兼用させることも可能である。PETは元来
結晶性を有するので、一度溶融したものを徐冷したり、
Tg以上の高温下におけば結晶化による白濁が見られ
る。このため透明性を保持させるためには結晶化を抑制
する条件、手段により処置することを必要としている。
これに対し本発明のポリエステル化合物は結晶化がほと
んど見られないので、Tg以上の高温下に放置しても白
濁することはない。本発明のポリエステル化合物は、分
子構造から推定するとPETよりは分子鎖が多少リジッ
トであり、結晶性がかなり低いが、従来のPETなどの
ポリエステルの物性をあまり変えることなく透明性、耐
熱性、耐水性などを大幅に向上したものである。
するが、本発明はこれらに限定されない。 (GPCによる分子量測定)GPCによる分子量測定は
以下の条件で実施した。 カラム:昭和電工(株)製 SHODEX K−806
M2本及びK−807。 溶媒 :クロロホルム 1.2ml/min。 温度 :40℃。 検出器:UV検出器。 ( 1H−NMR,13C−NMRスペクトル測定条件)日
本電子(株)製 JNM−EX400型(400MH
z)を用いて、溶媒とし てCDCl3 、標準物質とし
てテトラメチルシランを用いて測定した。13C− NM
Rは、1 Hでデカップルした条件で測定した。 (IRスペクトル測定)日本分光(株)製FT/IR7
300赤外分光装置を用いて、KBr錠剤法で測定 し
た。 (DSC測定)パーキンエルマー製DSC7により測定
した。温度は30℃から、10℃/minの昇温速度で
300℃まで昇温し、次に30℃まで10℃/minの
割合で降温、その後再び10℃/min昇温速度で30
0℃まで昇温し、熱量測定を行った。ポリマーのガラス
転移温度(Tg)は、2回目の昇温時の熱量変化に基づ
いて求めた。
メタノールとのポリエステル:30mlフラスコに、2
−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール1.5
82g(10.0mmol)、乾燥したN−メチル−2
−ピロリドン5mlを仕込み、室温でテレフタル酸クロ
リド2.030g(10.0mmol)の乾燥N−メチ
ルピロリドン5ml溶液を添加した。この溶液を室温で
マグネチックスターラーにより撹拌した。発熱がおさま
り、内容物が固化してきたところでフラスコをオイルバ
スに浸けて加熱しながら撹拌し、180℃で2時間反応
させた。反応後、溶液を1リットルの激しく撹拌された
メタノール中に少量ずつ滴下し、ポリマーを沈殿させ
た。得られた白色ポリマーは、一晩放置した後、ろ過
し、メタノールで洗浄、真空乾燥した。得られたポリマ
ーの 1H−NMR、13C−NMRスペクトル、IRスペ
クトルを測定した。スペクトルデータと帰属は以下のよ
うである。
1.05(d,3H,-CH(CH 3)-) 1.41-1.88(m,9H,C(cyclohexane)-H) 4.37-4.56(m,4H,-CH2O-) 8.01-8.07(m,4H,C(arom.)-H)13 C−NMR(δ, ppm, CDCl3 ): 16.1(-CH(C
H3)-) 21.3,24.6,29.6,30.3,34.4,40.1(C(cyclohexane)) 64.9,68.5(-CH2O-) 129.6,133.9(C(arom.)) 165.6(-OC(O)-) IR(cm-1,KBr錠剤法): 1724( νc=0) 1270(νc(O)-0) 1119,1101( νc-0) 1018,730(δ(arom.)) 以上の結果から、得られた化合物はテレフタル酸と2−
メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールとのポリ
エステルであることが確認された。このポリマーのGP
Cによる分子量測定、DSC測定の結果、分子量Mnは
2430、Mn8720であり、Tgは95℃であっ
た。
タノールとのポリエステル:実施例1の2−メチル−
1,1−シクロヘキサンジメタノールの代わりに、3−
メチル−2,2−ノルボルナンジメタノール1.703
g(10mmol)を用いた以外は実施例1と同様に処
理して、白色ポリマーを得た。得られた化合物の 1H−
NMR、13C−NMR、IRスペクトルデータと帰属は
以下のようである。
3 ): 1.05(d,3H,-CH(CH 3)-) 1.24-1.97m,2.30s(9H,C(norbornane)-H) 4.34-4.50(m,4H,-CH2O-) 8.04(s,4H,C(arom.)-H)13 C−NMR(δ, ppm, CDCl3 ): 15.8(-CH(C
H3)-) 23.8,29.2,35.2,42.4,45.2,45.3,47.1(C(norbornane)) 65.2,68.1(-CH2O-) 129.6,134.0(C(arom.)) 165.6(-OC(O)-) IR(cm-1,KBr錠剤法): 1721( νc=0) 1270(νc(O)-0) 1119,1102( νc-0) 1018,730(δ(arom.)) 以上の結果から、得られた化合物はテレフタル酸と3−
メチル−2,2−ノルボルナンジメタノールとのポリエ
ステルであることが確認された。このポリマーのGPC
による分子量測定、DSC測定の結果、分子量Mnは2
830、Mn10190であり、Tgは118℃であっ
た。
サンジメタノールとのポリエステル:実施例1における
2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールの代
わりに、2,4−ジメチル−1,1−シクロヘキサンジ
メタノール1.723g(10mmol)を用いた以外
は実施例1と同様に処理して、白色ポリマーを得た。得
られた化合物の 1H−NMR、13C−NMR、IRスペ
クトルデータと帰属は以下のようである。
0.94d,1.03d(6H,-CH(CH3 )-) 1.01-1.17m,1.51-1.63m,1.88-1.97m(8H,C(cyclohexane)
-H) 4.43-4.59(m,4H,-CH2O-) 8.05-8.06(m,4H,C(arom.)-H)13 C−NMR(δ, ppm, CDCl3 ): 16.6,22.3
(-CH(CH 3)-) 30.0,31.4,32.8,36.0,39.7,39.9(C(cyclohexane)) 63.9,69.6(-CH2O-) 129.6,133.9(C(arom.)) 165.6(-OC(O)-) IR(cm-1,KBr錠剤法): 1724( νc=0) 1267(νc(O)-0) 1117,1101( νc-0) 1018,729(δ(arom.)) 以上の結果から、得られた化合物はテレフタル酸と2,
4−ジメチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールと
のポリエステルであることが確認された。このポリマー
のGPCによる分子量測定、DSC測定の結果、分子量
Mnは2350、Mn5870であり、Tgは104℃
であった。
メタノールとのポリエステル:実施例1におけるテレフ
タル酸クロリドの代わりに、イソフタル酸クロリド2.
030g(10mmol)を用いた以外は実施例1と同
様に処理して、白色ポリマーを得た。得られた化合物の
1H−NMR、13C−NMR、IRスペクトルデータと
帰属は以下のようである。
1.06(d,3H,-CH(CH 3)-) 1.39-1.89(m,9H,C(cyclohexane)-H) 4.37-4.56(m,4H,-CH2O-) 7.46t,8.15-8.18m,8.62d(4H,C(arom.)-H)13 C−NMR(δ, ppm, CDCl3 ): 16.1(-CH(C
H3)-) 21.3,24.5,29.4,30.2,34.3,40.1(C(cyclohexane)) 65.0,68.4(-CH2O-) 128.8,130.6,133.8(C(arom.)) 165.5(-OC(O)-) IR(cm-1,KBr錠剤法): 1726( νc=0) 1304,1231( νc(O)-0) 1134,1075( νc-0) 1000,977,728(δ(arom.)) 以上の結果から、得られた化合物はイソフタル酸と2−
メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールとのポリ
エステルであることが確認された。このポリマーのGP
Cによる分子量測定、DSC測定の結果、分子量Mnは
3770、Mn11130であり、Tgは90℃であっ
た。
メタノール、及びエチレングリコールとのポリエステ
ル:撹拌機、分留器のついた2リットルセパラブルフラ
スコにテレフタル酸ジメチル776.7g(4.0mo
l)、2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノー
ル506.4g(3.2mol)、エチレングリコール
422.1g(6.8mol)及び酢酸亜鉛175mg
(0.8mmol)を仕込み、内容を窒素置換した。フ
ラスコを100℃に加温、撹拌して内容物を全て溶解さ
せた後、温度を180℃に上げ、生成したメタノールを
留去した。 メタノールの留出が緩やかになったところ
で反応温度を200℃に上げ、メタノールの留出が無く
なるまで反応させた。その後、反応液を一旦室温まで冷
却し、ジブチル錫オキシド199mg(0.8mmo
l)を添加、窒素置換後、温度を230℃に上げ、エチ
レングリコールを常圧で留出させた。 留出が少なくな
ったところで系内を徐々に減圧にし、また、それに伴い
反応温度も徐々に上昇させてエチレングリコールの留去
を促進させた。反応は最終的に反応温度270−80
℃、0.4mmHgで約1時間反応を行い、留出物がも
はやみられなくなったところで終了した。 これにより
淡褐色の透明固形物が得られた。得られた化合物の 1H
−NMR、13C−NMR、IRスペクトルデータと帰属
は以下のようである。
1.06(d,-CH(CH3 )-) 1.41-1.89(m,C(cyclohexane)-H) 4.38-4.57(m,C(cyclohexane)-CH2O-) 4.70(s,-O-CH2-CH2O-) 8.05-8.12(m,C(arom.)-H)13 C−NMR(δ, ppm, CDCl3 ): 16.1(-CH(C
H3)-) 21.3,24.5,29.5,30.3,34.4,40.1(C(cyclohexane)) 63.0(-O-CH2-CH2O-) 65.0,68.5,68.6(C(cyclohexane)-CH2O-) 129.6,129.7,133.6-134.1(C(arom.)) 165.5-165.6(-OC(O)-) IR(cm-1,KBr錠剤法): 1722( νc=0) 1270(νc(O)-0) 1119,1098( νc-0) 1017,727(δ(arom.)) 以上の結果から、得られた化合物はテレフタル酸と2−
メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、及びエ
チレングリコールとのポリエステルであることが確認さ
れた。また、 1H−NMRの積分比からポリマー中の2
−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールとエチ
レングリコールのモル比は74:26であることが判明
した。このポリマーのGPCによる分子量測定、DSC
測定の結果、分子量Mnは6940、Mn24170で
あり、Tgは93℃であった。
メタノール及びエチレングリコールとのポリエステル:
実施例5におけるテレフタル酸ジメチルの代わりにイソ
フタル酸ジメチル776.7g(4.0mol)を用い
た他は実施例5と同様に反応を行い、淡褐色の透明固形
物を得た。得られた化合物の 1H−NMR、13C−NM
R、IRスペクトルデータと帰属は以下のようである。
1.06(d,-CH(CH3 )-) 1.39-1.83(m,C(cyclohexane)-H) 4.36-4.56(m,C(cyclohexane)-CH2O-) 4.70(s,-O-CH2-CH2O-) 7.45-7.50m,8.17-8.23m,8.62-8.67m(C(arom.)-H)13 C−NMR(δ, ppm, CDCl3 ): 16.1(-CH(C
H3)-) 21.3,24.5,29.6,30.2,34.5,40.1(C(cyclohexane)) 63.0(-O-CH2-CH2O-) 65.0,68.4(C(cyclohexane)-CH2O-) 128.8,130.3-131.0,133.8-134.1(C(arom.)) 165.4,165.5(-OC(O)-) IR(cm-1,KBr錠剤法): 1726( νc=0) 1307,1219( νc(O)-0) 1131,1073( νc-0) 995,972,725( δ(arom.)) 以上の結果から、得られた化合物はイソフタル酸と2−
メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、及びエ
チレングリコールとのポリエステルであることが確認さ
れた。また、 1H−NMRの積分比からポリマー中の2
−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールとエチ
レングリコールのモル比は72:28であることが判明
した。このポリマーのGPCによる分子量測定、DSC
測定の結果、分子量Mnは6890、Mn33600で
あり、Tgは82℃であった。
(PET) 実施例5における2−メチル−1,1−シクロヘキサン
ジメタノール及びエチレングリコールに代えて、エチレ
ングリコール単独で620.7g(10mol)を用い
たほかは実施例5と同様に反応を行い、淡白褐色のポリ
マーを得た。得られたポリマーのGPCによる分子量測
定の結果、数平均分子量は8120、数平均分子量37
200であった。
例6及び比較例1で得られたポリマーを粉砕し、それら
の粉末を厚さ3mmのスペーサーを挟んだ2枚のガラス
板の間にいれ、窒素雰囲気下で260℃で融解した。こ
れを約10℃/minの割合で冷却し、ポリマーを固化
させた。得られたポリマー板を50mm角に切り出し、
サンプルピースとした。このサンプルピースについて、
外観、全光線透過率(JIS K−7105)及び95
℃の1%NaOH水溶液中での加熱減量(24時間)を
調べた。結果を表1に示す。
びその製造法に関するものであり、本発明のポリエステ
ル樹脂は従来のポリエステル樹脂と比較した時に機械的
物性をあまり変えることなく透明性、耐食性、耐水性に
優れ、耐熱性の高い、特にTgよりも高温における高温
透明性が必要な時に効果のあるポリエステル化合物であ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (ただし、式中、R1 は炭素数が1から4までのアルキ
ル基、R2 は水素原子またはメチル基を表す。)または
一般式(2) 【化2】 (ただし、R1 、R2 は上記と同じ。)で表されるジオ
ール化合物またはこのジオール化合物を含有するジオー
ル化合物の混合物とラジカル重合性の官能基を有しない
ジカルボン酸またはジカルボン酸混合物との縮合によっ
て得られるポリエステル化合物。 - 【請求項2】 一般式(1)または一般式(2)のジオ
ール化合物において、R1 がメチル基である請求項1記
載のポリエステル化合物。 - 【請求項3】 ラジカル重合性の官能基を有しないジカ
ルボン酸が、テレフタル酸、イソフタル酸またはナフタ
レンジカルボン酸のうちの少なくとも一つである請求項
1または2記載のポリエステル化合物 - 【請求項4】下記一般式(1) 【化3】 (ただし、式中、R1 は炭素数が1から4までのアルキ
ル基、R2 は水素原子またはメチル基を表す。)または
一般式(2) 【化4】 (ただし、R1 、R2 は上記と同じ。)で表されるジオ
ール化合物またはこのジオールを含有するジオール化合
物の混合物と、ジカルボン酸、ジカルボン酸エステル、
ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸塩化物から選ばれる
少なくとも一つを含むジカルボン酸誘導体とを重縮合反
応させることを特徴とするにポリエステル化合物の製造
法。 - 【請求項5】 一般式(1)または一般式(2)におい
て、R1 がメチル基であるジオール化合物を用いる請求
項4記載のポリエステル化合物の製造法。 - 【請求項6】 ポリエステル化合物の製造法において、
ジカルボン酸誘導体がテレフタル酸、イソフタル酸また
はナフタレンジカルボン酸の誘導体から選ばれる少なく
とも一つのジカルボン酸である請求項4または5記載の
ポリエステルの製造法。
Priority Applications (5)
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JP21577897A JP3741331B2 (ja) | 1997-07-24 | 1997-07-24 | 新規なポリエステル及びその製造方法 |
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DE69827081T DE69827081T2 (de) | 1997-07-24 | 1998-07-22 | Von alizyklischen Diolen abgeleitete Polyester und Polyurethane |
AT98113697T ATE280191T1 (de) | 1997-07-24 | 1998-07-22 | Von alizyklischen diolen abgeleitete polyester und polyurethane |
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JPH1135665A true JPH1135665A (ja) | 1999-02-09 |
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JP (1) | JP3741331B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6410809B1 (en) | 1999-07-14 | 2002-06-25 | Showa Denko K.K. | Cyclohexanedimethanol compound and process of producing productive intermediates therefor |
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KR20210037260A (ko) * | 2019-09-27 | 2021-04-06 | 코오롱플라스틱 주식회사 | 광학용 폴리에스테르 수지 및 이로부터 제조된 성형품 |
-
1997
- 1997-07-24 JP JP21577897A patent/JP3741331B2/ja not_active Expired - Fee Related
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