JP2002187939A - 新規なポリエステル重合体とその製造法 - Google Patents
新規なポリエステル重合体とその製造法Info
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Abstract
も成形性に優れたポリエステル重合体を得る。 【解決手段】 ジオール成分(i)とジカルボン酸成分
(ii)との縮合により得られるポリエステル重合体であ
って、ジオール成分(i)が下記式(1) 【化1】 (式中、nは0又は正の整数である。環を構成する炭素
原子は置換基を有していてもよい)で表されるトリシク
ロ[3.3.1.13,7]デカンジオール類を含むジオ
ール成分であるか、又はジカルボン酸成分(ii)が下記
式(2) 【化2】 (式中、mは0又は正の整数である。環を構成する炭素
原子は置換基を有していてもよい)で表されるトリシク
ロ[3.3.1.13,7]デカンジカルボン酸類を含む
ジカルボン酸成分であるポリエステル重合体。
Description
ル重合体及びその製造法に関し、さらに詳細には、耐熱
性、低吸水性を有し、光学的異方性が小さく、成形性に
優れたポリエステル重合体及びその製造法に関する。こ
のポリエステル重合体は、光学材料、電子情報材料、医
療器具材料などとして有用である。
具材料などにプラスチックを用いる研究や開発が精力的
に行われている。光学材料や電子情報材料においては、
透明性、低吸水性及び耐熱性のほか、光学的異方性の小
さいことが要求される。また、医療器具材料では、血液
適合性、機械的強度、耐加水分解性等が要求される。
ート、ポリカーボネート、非晶性ポリオレフィンなどが
使用されている。しかし、ポリメチルメタクリレートは
透明性に優れ光学異方性が小さいものの、吸湿性が高い
ため、反り等の変形を起こしやすく、また耐熱性も十分
とは言えない。ポリカーボネートは耐熱性に優れるもの
の、光学的異方性が大きい。また、非晶性ポリオレフィ
ンは光学的異方性が小さく、耐熱性にも優れるが、成形
性、接着性などに問題がある。
材料として応用する試みもなされている。例えば、特開
平1−138225号公報には、側鎖に芳香環を有する
ジオール又はジカルボン酸を用いたポリエステル樹脂が
開示されている。特開平2−38428号公報には、ジ
カルボン酸成分としてジフェニルジカルボン酸を用いた
ポリエステル共重合体が開示されている。また、特開平
11−35665号公報には、2,2−ノルボルナンジ
メタノール誘導体とテレフタル酸などとからなるポリエ
ステルが開示されている。しかし、これらの樹脂は耐熱
性、低吸水性、光学的特性の点で必ずしも十分であると
は言えない。
テルも知られている。例えば、特公昭46−34628
号公報には、アダマンタンジオールを含むジオール成分
と不飽和カルボン酸の無水物を含むジカルボン酸無水物
成分とを反応させる線状ポリエステルの製法が開示され
ている。しかし、この方法により得られる樹脂は硬化さ
せることによって加水分解安定性と溶媒安定性とを付与
できるものの、耐熱性や透明性が不十分である。特開昭
50−21090号公報には、ジヒドロキシアダマンタ
ン類と芳香族ジカルボン酸類などとを縮重合させてポリ
エステル重合体を得る方法が開示されている。しかし、
前記ポリエステル重合体は成形性に優れるものの、低吸
水性、光学的特性の点で必ずしも十分とは言えない。
は、耐熱性、低吸水性、光学的特性に優れ、しかも成形
性に優れた新規なポリエステル重合体及びその製造法を
提供することにある。
を達成するため鋭意検討した結果、特定の構造を有する
ポリエステル樹脂が、耐熱性、低吸水性、光学的特性及
び成形性に優れることを見出し、本発明を完成した。
と(ii)ジカルボン酸成分との縮合により得られるポリ
エステル重合体であって、ジオール成分(i)が下記式
(1)
原子は置換基を有していてもよい)で表されるトリシク
ロ[3.3.1.13,7]デカンジオール類を含むジオ
ール成分であるか、又はジカルボン酸成分(ii)が下記
式(2)
原子は置換基を有していてもよい)で表されるトリシク
ロ[3.3.1.13,7]デカンジカルボン酸類を含む
ジカルボン酸成分であるポリエステル重合体を提供す
る。
分(i)が前記式(1)で表されるトリシクロ[3.
3.1.13,7]デカンジオール類を含むジオール成分
であり、且つジカルボン酸成分(ii)が前記式(2)で
表されるトリシクロ[3.3.1.13,7]デカンジカ
ルボン酸類を含むジカルボン酸成分であるポリエステル
重合体も含まれる。
ジカルボン酸成分(ii)又はその反応性誘導体とを重縮
合させてポリエステル重合体を製造する方法であって、
ジオール成分(i)として前記式(1)で表されるトリ
シクロ[3.3.1.13,7]デカンジオール類を含む
ジオール成分を用いるか、又はジカルボン酸成分(ii)
として前記式(2)で表されるトリシクロ[3.3.
1.13,7]デカンジカルボン酸類を含むジカルボン酸
成分を用いることを特徴とするポリエステル重合体の製
造法を提供する。
成分(i)として前記式(1)で表されるトリシクロ
[3.3.1.13,7]デカンジオール類を含むジオー
ル成分を用い、且つジカルボン酸成分(ii)として前記
式(2)で表されるトリシクロ[3.3.1.13,7]
デカンジカルボン酸類を含むジカルボン酸成分を用いる
ことができる。
a)
よい)で表されるトリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カンジオール類を含むジオール成分を、ジカルボン酸成
分(ii)として下記式(2a)
よい)で表されるトリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カンジカルボン酸類を含むジカルボン酸成分を使用でき
る。
ポリエステル重合体を構成するジオール成分(i)とし
て、前記式(1)で表されるトリシクロ[3.3.1.
13,7]デカンジオール類(アダマンタンジオール類)
を含むジオール成分を用いることができる。
数である。nとしては、例えば、10以下の正の整数又
は0、好ましくは5以下の正の整数又は0である。特に
nは0又は1が最適である。
能基は、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシル基であ
る。該官能基は、アダマンタン骨格の橋頭位に結合して
いることが好ましい。
原子(橋頭位又は非橋頭位の炭素原子、特に橋頭位の炭
素原子)が有していてもよい置換基としては、例えば、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペ
ンチル、ヘキシル、デシル基などのアルキル基(例え
ば、C1-10アルキル基、好ましくはC1-4アルキル
基);シクロペンチル、シクロヘキシル基などのシクロ
アルキル基;フェニル、ナフチル基などのアリール基;
メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ基などのアルコキ
シ基(例えば、C1-4アルコキシ基);メトキシカルボ
ニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル
基などのアルコキシカルボニル基(例えば、C 1-4アル
コキシ−カルボニル基);アセチル、プロピオニル、ブ
チリル、ベンゾイル基などのアシル基;ヒドロキシル
基;カルボキシル基;ニトロ基;置換又は無置換アミノ
基;ハロゲン原子;オキソ基などが挙げられる。
ール類のなかでも、トリシクロ[3.3.1.13,7]
デカン−1,3−ジオール(1,3−アダマンタンジオ
ール)、5,7−ジメチル−トリシクロ[3.3.1.
13,7]デカン−1,3−ジオール(1,3−ジヒドロ
キシ−5,7−ジメチルアダマンタン)などの前記式
(1a)で表されるトリシクロ[3.3.1.13,7]
デカンジオール類(置換基を有していてもよい1,3−
アダマンタンジオール類)が好ましく、特に、5,7−
ジメチル−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−
1,3−ジオールが最適である。
ール類において、nが正の整数であるアダマンタンジオ
ール類としては、例えば、1,3−アダマンタンジメタ
ノール(1,3−ビス(ヒドロキシメチル)アダマンタ
ン)、1,3−ジメチル−5,7−アダマンタンジメタ
ノール(1,3−ジメチル−5,7−ビス(ヒドロキシ
メチル)アダマンタン)などが挙げられる。
類は、例えば、アダマンタン環の橋頭位に2つのヒドロ
キシル基を有するアダマンタンジオール類の場合、対応
するアダマンタン類(少なくとも2つの橋頭位の炭素原
子に水素原子が結合しているアダマンタン化合物)を酸
化してアダマンタン環の橋頭位に2つのヒドロキシル基
を導入することにより製造できる。
が1であるアダマンタンジオール類(1,3−アダマン
タンジメタノールなど)の場合、対応するアダマンタン
類(少なくとも2つの橋頭位の炭素原子にカルボキシル
基が結合しているアダマンタン化合物)を還元して、該
アダマンタン環に導入されたカルボキシル基をヒドロキ
シル基に還元することにより製造できる。なお、この少
なくとも2つの橋頭位の炭素原子にカルボキシル基が結
合しているアダマンタン化合物は、対応するアダマンタ
ン類(少なくとも2つの橋頭位の炭素原子に水素原子が
結合しているアダマンタン化合物)をカルボキシル化す
ることにより、アダマンタン環の橋頭位に2つのカルボ
キシル基を導入して得ることができる。
ジオール類を調製する酸化方法としては公知乃至慣用の
酸化方法を使用できるが、反応収率及び操作性などの点
から、N−ヒドロキシイミド系化合物を触媒として分子
状酸素により酸化する方法が好ましい(特開平9−32
7626号公報参照)。
−ヒドロキシフタルイミド等のN−ヒドロキシイミド系
触媒と、必要に応じてコバルト化合物(例えば、酢酸コ
バルト、コバルトアセチルアセトナト等)などの金属系
助触媒の存在下、酸素と接触させることにより、アダマ
ンタン環の橋頭位に2つのヒドロキシル基を導入でき
る。この方法において、N−ヒドロキシイミド系触媒の
使用量は、アダマンタン類1モルに対して、例えば0.
000001〜1モル、好ましくは0.00001〜
0.5モル程度である。また、金属系助触媒の使用量
は、アダマンタン類1モルに対して、例えば0.000
1〜0.7モル、好ましくは0.001〜0.5モル程
度である。酸素としては、純粋な酸素を用いてもよく、
また不活性ガスで希釈した酸素や空気を用いてもよい。
酸素はアダマンタン類に対して過剰量用いる場合が多
い。反応は、例えば、酢酸などの有機酸、アセトニトリ
ルなどのニトリル類、ジクロロエタンなどのハロゲン化
炭化水素などの溶媒中、常圧又は加圧下、0〜200℃
程度、好ましくは30〜150℃程度の温度で行うこと
ができる。生成したアダマンタンジオール類は、濃縮、
濾過、抽出、晶析、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラ
フィー等の慣用の分離精製手段を用いて分離精製でき
る。
タンジオール類から1種の化合物のみを選択して使用し
てもよく、複数の化合物を併用してもよい。また、本発
明のポリエステル重合体を構成するジオール成分(i)
として、前記式(1)で表されるアダマンタンジオール
類とともに、又は式(1)で表されるアダマンタンジオ
ール類の代わりに、他のジオール成分を使用することが
できる。このようなジオール成分としては、一般のポリ
エステルの原料として使用されるジオール、例えば、エ
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2
−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオールなどの脂肪族ジオール;1,4−シクロヘ
キサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、
1,2−シクロヘキサンジオール、2−メチル−1,1
−シクロヘキサンジオール、1,1´−ビシクロヘキシ
ル−4,4´−ジオール、4,4´−イソプロピリデン
シクロヘキサノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン
−2,3−ジオール、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン
−2,5−ジオール、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン
−2,6−ジオール、ビシクロ[4.4.0]デカン−
1,6−ジオール、ビシクロ[4.4.0]デカン−
2,7−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シ
クロヘキサンジメタノール、3−メチル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプタン−2,2−ジメタノール、ビシ
クロ[2.2.1]ヘプタン−2,5−ジメタノール、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,6−ジメタノー
ル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−4,8
−ジメタノールなどの脂環式ジオール;ヒドロキノン、
カテコール、レゾルシン、ナフタレンジオール、キシリ
レンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールAの
エチレンオキシド付加物、ビスフェノールS、ビスフェ
ノールSのエチレンオキシド付加物などの芳香族ジオー
ル;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなど
のエーテルグリコールなどが挙げられる。これらの中で
も、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式
ジオール類などが好ましい。上記ジオール成分は1種又
は2種以上混合して使用できる。
ジオール成分中の前記式(1)で表されるアダマンタン
ジオール類の割合は任意に変えることができるが、通常
1〜100モル%、好ましくは5〜100モル%、さら
に好ましくは10〜100モル%程度である。ジカルボ
ン酸成分(ii)として式(2)で表されるトリシクロ
[3.3.1.13,7]デカンジカルボン酸類を含むジ
カルボン酸成分を用いる場合には、ジオール成分(i)
中に式(1)で表されるダマンタンジオール類は含まれ
ていなくてもよい。
のポリエステル重合体を構成するジカルボン酸成分(i
i)として、前記式(2)で表されるトリシクロ[3.
3.1.13,7]デカンジカルボン酸類(アダマンタン
ジカルボン酸類)を含むジカルボン酸成分を用いること
ができる。
数である。mとしては、例えば、10以下の正の整数又
は0、好ましくは5以下の正の整数又は0である。特に
mは0又は1が最適である。
能基は、カルボキシアルキル基又はカルボキシル基であ
る。該官能基は、アダマンタン骨格の橋頭位に結合して
いることが好ましい。
原子(橋頭位又は非橋頭位の炭素原子、特に橋頭位の炭
素原子)が有していてもよい置換基としては、前記式
(1)で表される化合物において、アダマンタン環を構
成する炭素原子が有していてもよい置換基と同様のもの
が挙げられる。
ルボン酸類のなかでも、トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1,3−ジカルボン酸(1,3−アダマ
ンタンジカルボン酸)、5,7−ジメチル−トリシクロ
[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジカルボン酸
(1,3−ジカルボキシ−5,7−ジメチルアダマンタ
ン)などの前記式(2a)で表されるトリシクロ[3.
3.1.13,7]デカンジカルボン酸類(置換基を有し
ていてもよい1,3−アダマンタンジカルボン酸類)が
好ましく、特に、5,7−ジメチル−トリシクロ[3.
3.1.13,7]デカン−1,3−ジカルボン酸が最適
である。
ルボン酸類において、mが正の整数であるアダマンタン
ジカルボン酸類としては、例えば、1,3−ビス(カル
ボキシメチル)アダマンタン、1,3−ジメチル−5,
7−ビス(カルボキシメチル)アダマンタンなどが挙げ
られる。
ン酸類は、例えば、アダマンタン環の橋頭位に2つのカ
ルボキシル基を有するアダマンタンジカルボン酸類の場
合、対応するアダマンタン類(少なくとも2つの橋頭位
の炭素原子に水素原子が結合しているアダマンタン化合
物)をカルボキシル化してアダマンタン環の橋頭位に2
つのカルボキシル基を導入することにより製造できる。
また、少なくとも2つの橋頭位の炭素原子にヒドロキシ
メチル基が結合しているアダマンタン化合物を酸化する
ことによっても製造できる。
て、mが1であるアダマンタンジカルボン酸類(1,3
−ビス(カルボキシメチル)アダマンタンなど)の場
合、少なくとも2つの橋頭位の炭素原子にヒドロキシエ
チル基が結合しているアダマンタン化合物を酸化するこ
とにより製造できる。
ジカルボン酸類を調製する酸化方法としては公知乃至慣
用の酸化方法を使用できるが、反応収率及び操作性など
の点から、N−ヒドロキシイミド系化合物を触媒として
分子状酸素により、必要に応じて一酸化炭素を用いて酸
化する方法が好ましい(特開平9−327626号公報
参照)。
法としては、公知乃至慣用のカルボキシル化方法を使用
することができるが、N−ヒドロキシイミド系化合物を
触媒として、酸素とともに一酸化炭素を用いてカルボキ
シル化反応を行うカルボキシル化方法を好適に採用する
ことができる(特開平11−239730公報参照)。
該公報記載のカルボキシル化方法を用いると、効率よく
カルボキシル基をアダマンタン環に導入して、アダマン
タンジカルボン酸類を得ることができる。
−ヒドロキシフタルイミド等のN−ヒドロキシイミド系
触媒と、必要に応じてコバルト化合物(例えば、酢酸コ
バルト、コバルトアセチルアセトナト等)などの金属系
助触媒の存在下、酸素及び一酸化炭素と接触させること
により、アダマンタン環の橋頭位に2つのカルボキシル
基を導入できる。このカルボキシル化方法において、N
−ヒドロキシイミド系触媒の使用量は、アダマンタン類
1モルに対して、例えば0.000001〜1モル、好
ましくは0.00001〜0.5モル程度である。ま
た、金属系助触媒の使用量は、アダマンタン類1モルに
対して、例えば0.0001〜0.7モル、好ましくは
0.001〜0.5モル程度である。酸素や一酸化炭素
としては、純粋な酸素や一酸化炭素を用いてもよく、ま
た不活性ガスで希釈した酸素や一酸化炭素を用いてもよ
い。なお、酸素源は空気であってもよい。酸素や一酸化
炭素の使用量又はこれらの割合は特に制限されず、基質
に対して過剰に用いることができる。酸素に対して一酸
化炭素を多く用いる方が有利である。反応は、例えば、
酢酸などの有機酸、アセトニトリルなどのニトリル類、
ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素などの溶媒
中、常圧又は加圧下、0〜200℃程度、好ましくは3
0〜150℃程度の温度で行うことができる。生成した
アダマンタンジカルボン酸は、濃縮、濾過、抽出、晶
析、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の慣用
の分離精製手段を用いて分離精製できる。
タンジカルボン酸類から1種の化合物のみを選択して使
用してもよく、複数の化合物を併用してもよい。また、
本発明のポリエステル重合体を構成するジカルボン酸成
分(ii)として、前記式(2)で表されるアダマンタン
ジカルボン酸類とともに、又は式(2)で表されるアダ
マンタンジカルボン酸類の代わりに、他のジカルボン酸
成分を使用することができる。このようなジカルボン酸
成分としては、一般のポリエステルの原料として使用さ
れるジカルボン酸、例えば、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,
4′−ビフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニル
エーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルメタンジ
カルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン
酸、4,4′−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン
酸、1,2−ジフェノキシエタン−4′,4′′−ジカ
ルボン酸、アントラセンジカルボン酸、2,5−ピリジ
ンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸などの
芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪
族ジカルボン酸;1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸等のシクロヘキサンジカルボ
ン酸類や、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−
ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,
5−ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−
2,6−ジカルボン酸、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−4,8−ジカルボン酸などの脂環式ジカ
ルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、脂環式ジ
カルボン酸類などが好ましい。上記のジカルボン酸成分
は1種又は2種以上組み合わせて使用できる。なお、シ
クロヘキサンジカルボン酸類には、cis体とtran
s体とが存在しうるが、これらの異性体のうち一方のみ
を用いてもよく、混合物を用いてもよい。cis体とt
rans体との比率は、前者/後者(モル比)=0/1
00〜100/0の範囲から選択することができる。
ジカルボン酸成分中の前記式(2)で表されるアダマン
タンジカルボン酸類の割合は任意に変えることができる
が、通常1〜100モル%、好ましくは5〜100モル
%、さらに好ましくは10〜100モル%程度である。
ジオール成分(i)として式(1)で表されるトリシク
ロ[3.3.1.13,7]デカンジオール類を含むジオ
ール成分を用いる場合には、ジカルボン酸成分(ii)中
に式(2)で表されるアダマンタンジカルボン酸類が含
まれていなくてもよい。
ン酸成分として重合性二重結合を有する成分を含まない
ポリエステル重合体であることが好ましく、特に、重合
性二重結合を有しないジカルボン酸成分及びジオール成
分からなる飽和ポリエステル(熱可塑性ポリエステル)
であるのが好ましい。
えば1,000〜150,000程度、好ましくは3,
000〜100,000程度である。
粘度は、成形物としたときの機械特性の点から、フェノ
ール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶液
(重量比4/6)中、濃度1.2g/dl、温度35℃
の条件での測定値として、0.5程度以上であることが
好ましい。
(1)で表されるアダマンタンジオール類を含むジオー
ル成分と、ジカルボン酸成分(式(2)で表されるアダ
マンタンジカルボン酸類を含んでいてもよい)又はその
反応性誘導体とを重縮合させるか、又はジオール成分
(式(1)で表されるアダマンタンジオール類を含んで
いてもよい)と、前記式(2)で表されるアダマンタン
ジカルボン酸類を含むジカルボン酸成分又はその反応性
誘導体とを重縮合させることにより製造できる。
ては、例えば、ジカルボン酸エステル、ジカルボン酸無
水物、ジカルボン酸ハロゲン化物(ジカルボン酸塩化物
等)などを使用できる。ジカルボン酸エステル、ジカル
ボン酸無水物、ジカルボン酸ハロゲン化物は、対応する
ジカルボン酸から慣用の方法により誘導できる。
形態としては、一般的なポリエステルの製造法を適用す
ることができる。例えば、遊離のジカルボン酸又はジカ
ルボン酸無水物を原料として使用する場合には、ジオー
ル成分とジカルボン酸又はジカルボン酸無水物とを反応
器に入れて加熱し、反応により生成する水を系外に留去
させることによりポリエステル重合体を製造できる。こ
の反応は、必ずしも触媒を必要としないが、触媒を用い
ることにより反応を促進させることができる。触媒とし
ては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜
鉛、チタン、コバルト、マンガンなどの金属の酢酸塩、
炭酸塩、水酸化物、アルコキシドなどが挙げられる。反
応温度は120〜300℃程度、好ましくは160〜3
00℃程度である。反応圧力は、通常常圧であるが、水
及び過剰のジオール成分の留去を促進させるため減圧下
でエステル化反応を行ってもよい。ジオール成分とジカ
ルボン酸又はジカルボン酸無水物とのモル比は約1であ
ってもよいが、高分子量のポリエステルを得るため、ジ
オール成分を過剰量用いてもよい。
用いる場合には、ジオール成分とジカルボン酸エステル
と触媒とを反応器に仕込み、反応で生成するアルコール
を系外に留去させることによりポリエステル重合体を製
造できる。ジカルボン酸エステルとしては、ジカルボン
酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステ
ル、ブチルエステルなどを使用できるが、反応の容易さ
及びコストの点でメチルエステルが特に好ましい。前記
触媒としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、亜鉛、鉛、チタン、コバルト、マンガン、スズ、ア
ンチモン、ゲルマニウムなどの金属のカルボン酸塩、炭
酸塩、水酸化物、アルコキシド、酸化物などが挙げられ
る。反応温度は120〜300℃程度、好ましくは16
0〜300℃程度である。反応圧力は、常圧であっても
よいが、アルコールの留去を促進させるため減圧下でエ
ステル化反応を行ってもよい。また、ジオール成分とジ
カルボン酸エステルとのモル比は約1であってもよい
が、高分子量のポリエステルを得るため、ジオール成分
を過剰量用いてもよい。
ロゲン化物を原料に用いてポリエステル重合体を得る方
法としては、(A)ジオール成分とジカルボン酸ハロゲ
ン化物とを高温無溶媒下で反応させ、生成するハロゲン
化水素を留去する方法、(B)ジオール成分とジカルボ
ン酸ハロゲン化物とを溶媒中低温で反応させ、生成する
ハロゲン化水素を留去するか又は塩基性物質により中和
する方法などが挙げられる。反応温度は0〜280℃程
度の範囲から適宜選択できる。
ては、反応に不活性であれば特に限定されず、例えば、
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタ
ン、モノクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハ
ロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ジメトキシエタンなどのエーテル類;アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエ
ステル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類;ジメ
チルスルホキシドなどのスルホキシド;1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリンなどのイミダゾリン類;ヘキサメ
チルホスホルアミドなどが例示できる。また、前記塩基
性物質としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチ
ルアミン、N,N−ジメチルアニリンなどの第3級アミ
ン;ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコ
リン、キノリンなどの塩基性含窒素複素環化合物;水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸
化物;酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、酢酸カリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金
属塩などが挙げられる。なお、前記N−メチル−2−ピ
ロリドンなどの溶媒は塩基性物質としても機能する。
は、濾過、濃縮、沈殿、晶析、冷却固化などの慣用の方
法により単離できる。
ジオールや1,3−ジヒドロキシ−5,7−ジメチルア
ダマンタンなどの置換基を有していてもよい1,3−ア
ダマンタンジオール類と、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸や1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸などの置換基を有して
いてもよいシクロヘキサンジカルボン酸類との縮合によ
り得られるポリエステル重合体が除かれる場合がある。
い脂環構造を有しており、耐熱性、低吸水性、光学的特
性及び成形性に優れている。そのため、光ディスク、レ
ンズ、光コネクターなどの各種光学・電子情報材料、輸
液キット、カテーテル、シリンジ、真空採血管などの医
療器具材料などとして有用である。
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
ヘキサンジカルボン酸クロライド:2.09g[1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸と塩化チオニルとの反応
で合成し、蒸留により精製した]、および乾燥したモノ
クロロベンゼン:10mLを仕込み、これに攪拌しなが
ら、室温でトリシクロ[3.3.1.1 3,7]デカン−
1,3−ジオール:1.68gと、乾燥したピリジン:
5mLの混合溶液を5分間で滴下した。滴下終了後、混
合溶液を80℃で2時間反応させた。重合終了後、反応
混合液を500mlのメタノール中に少量ずつ滴下し、
生成したポリマーを濾過し、メタノールで洗浄した後、
真空乾燥して、白色のポリエステル重合体を得た。得ら
れたポリマーの数平均分子量(Mn)と分子量分布(M
w/Mn)をGPC装置で測定した結果、それぞれ1
6,000と2.5であった。また、このポリマーのT
g(ガラス転移温度)、窒素中Td5(5%熱重量減少
温度)をそれぞれDSC(示差走査熱量測定装置)、T
G−DTA(熱天秤)で測定した結果、それぞれ105
℃、385℃であった。
シクロ[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジオー
ル:1.96gを用いたこと以外は実施例1と同様に反
応を行い、ポリエステル重合体を得た。得られたポリマ
ーのMnとMw/Mnは、それぞれ、17,000、
2.5であった。また、該ポリマーのTgとTd5は、
それぞれ、170℃、430℃であった。
3gを用い、アダマンタンジオール類として5,7−ジ
メチル−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−
1,3−ジオール:1.96gを用いたこと以外は実施
例1と同様に反応を行い、ポリエステル重合体を得た。
得られたポリマーのMnとMw/Mnは、それぞれ、1
0,000、2.5であった。また、該ポリマーのTg
とTd5は、それぞれ、44℃、410℃であった。
ン−2,5−ジカルボン酸クロライド:2.21gを用
い、アダマンタンジオール類として5,7−ジメチル−
トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジ
オール:1.96gを用いたこと以外は実施例1と同様
に反応を行い、ポリエステル重合体を得た。得られたポ
リマーのMnとMw/Mnは、それぞれ、6,000、
2.2であった。また、該ポリマーのTgとTd5は、
それぞれ、172℃、420℃であった。
2,6]デカン−4,8−ジカルボン酸クロライド:2.
61gを用い、アダマンタンジオール類として5,7−
ジメチル−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−
1,3−ジオール:1.96gを用いたこと以外は実施
例1と同様に反応を行い、ポリエステル重合体を得た。
得られたポリマーのMnとMw/Mnは、それぞれ、
5,000、2.2であった。また、該ポリマーのTg
とTd5は、それぞれ、135℃、360℃であった。
[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジカルボン酸
クロライド:2.61g[トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1,3−ジカルボン酸と塩化チオニルと
の反応で合成し、蒸留により精製した]、および乾燥し
たモノクロロベンゼン:10mLを仕込み、これに攪拌
しながら、室温で1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル:1.44gと、乾燥したピリジン:5mLの混合溶
液を5分間で滴下した。滴下終了後、混合溶液を80℃
で2時間反応させた。重合終了後、反応混合液を500
mlのメタノール中に少量ずつ滴下し、生成したポリマ
ーを濾過し、メタノールで洗浄した後、真空乾燥して、
白色のポリエステル重合体を得た。得られたポリマーの
数平均分子量(Mn)と分子量分布(Mw/Mn)をG
PC装置で測定した結果、それぞれ29,000と2.
5であった。また、このポリマーのTg(ガラス転移温
度)、窒素中Td5(5%熱重量減少温度)をそれぞれ
DSC(示差走査熱量測定装置)、TG−DTA(熱天
秤)で測定した結果、それぞれ74℃、410℃であっ
た。
1.16gを用いたこと以外は実施例6と同様に反応を
行い、ポリエステル重合体を得た。得られたポリマーの
MnとMw/Mnは、それぞれ、5,000、2.3で
あった。また、該ポリマーのTgとTd5は、それぞ
れ、49℃、340℃であった。
1.16gを用いたこと以外は実施例6と同様に反応を
行い、ポリエステル重合体を得た。得られたポリマーの
MnとMw/Mnは、それぞれ、5,000、2.2で
あった。また、該ポリマーのTgとTd5は、それぞ
れ、114℃、350℃であった。
2,5−ジメタノール:1.56gを用いたこと以外は
実施例6と同様に反応を行い、ポリエステル重合体を得
た。得られたポリマーのMnとMw/Mnは、それぞ
れ、20,000、2.6であった。また、該ポリマー
のTgとTd5は、それぞれ、91℃、420℃であっ
た。
デカン−4,8−ジメタノール:1.96gを用いたこ
と以外は実施例6と同様に反応を行い、ポリエステル重
合体を得た。得られたポリマーのMnとMw/Mnは、
それぞれ、5,000、2.4であった。また、該ポリ
マーのTgとTd5は、それぞれ、88℃、390℃で
あった。
3,7]デカン−1,3−ジカルボン酸:4.49gと、
1,4−シクロヘキサンジメタノール:3.46gとを
仕込み、乾燥窒素気流下で、チタン酸テトライソプロピ
ル:0.011gを加えた。これを徐々に200℃まで
加熱し、約1時間攪拌した。その後、系を真空にし、攪
拌しながら徐々に280℃まで昇温して8時間重合反応
を行った。重合終了後、クロロホルム:100mlを加
えて溶解させ、反応混合液を1500mlのメタノール
中に少量ずつ滴下し、生成したポリマーを濾過し、メタ
ノールで洗浄した後、真空乾燥して、ポリエステル重合
体を得た。得られたポリマーのMnとMw/MnをGP
C装置で測定した結果、それぞれ49,000と2.5
であった。また、このポリマーのTg、Td5はそれぞ
れ77℃、410℃であった。
クロ[3.3.1.1 3,7]デカン−1,3−ジカルボ
ン酸:4.49gと、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール:3.46gとを仕込み、乾燥窒素気流下で、1−
クロロ−3−ヒドロキシ−1,1,3,3−テトラ−n
−ブチルジスタノキサン:0.021gを加えた。これ
を200℃まで加熱し、約1時間攪拌して均一状態とし
た。さらに、デカリン:30mlを加えて2相状態とな
るようにし、デカリンの還流下、60時間攪拌して重縮
合反応を行った。反応終了後、デカリンを流出させて除
去し、続いてクロロホルム:100mlを加えて溶解さ
せ、反応混合液を1500mlのメタノール中に少量ず
つ滴下し、生成したポリマーを濾過し、メタノールで洗
浄した後、真空乾燥して、白色のポリエステル重合体を
得た。メタノールを加え12時間攪拌した。得られた白
色粉末状ポリマーを濾別後、60℃にて減圧乾燥するこ
とにより、ポリエステルを得た。得られたポリマーのM
nとMw/MnをGPC装置で測定した結果、それぞれ
14,000と2.3であった。また、このポリマーの
Tg、Td5はそれぞれ73℃、410℃であった。
2,6−ジオール:1.70gを用いたこと以外は実施
例6と同様に反応を行い、ポリエステル重合体を得た。
得られたポリマーのMnとMw/Mnは、それぞれ、1
2,000、2.6であった。また、該ポリマーのTg
とTd5は、それぞれ、130℃、400℃であった。
[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジカルボン
酸:5.05gを用いたこと以外は実施例11と同様に
反応を行い、ポリエステル重合体を得た。得られたポリ
マーのMnとMw/Mnは、それぞれ、26,000、
2.5であった。また、該ポリマーのTgとTd5は、
それぞれ、77℃、410℃であった。
1,6−ジオール:4.09gを用いたこと、およびジ
カルボン酸成分として5,7−ジメチルトリシクロ
[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジカルボン
酸:5.05gを用いたこと以外は実施例11と同様に
反応を行い、ポリエステル重合体を得た。得られたポリ
マーのMnとMw/Mnは、それぞれ、5,000、
2.6であった。また、該ポリマーのTgとTd5は、
それぞれ、162℃、380℃であった。
[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジカルボン酸
クロライド:2.61g[トリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン−1,3−ジカルボン酸と塩化チオニルと
の反応で合成し、蒸留により精製した]、および乾燥し
たモノクロロベンゼン:10mLを仕込み、これに攪拌
しながら、室温でトリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カン−1,3−ジオール:1.68gと、乾燥したピリ
ジン:5mLの混合溶液を5分間で滴下した。滴下終了
後、混合溶液を80℃で2時間反応させた。重合終了
後、反応混合液を500mlのメタノール中に少量ずつ
滴下し、生成したポリマーを濾過し、メタノールで洗浄
した後、真空乾燥して、白色のポリエステル重合体を得
た。得られたポリマーの数平均分子量(Mn)と分子量
分布(Mw/Mn)をGPC装置で測定した結果、それ
ぞれ12,000と2.5であった。また、このポリマ
ーのTg(ガラス転移温度)、窒素中Td5(5%熱重
量減少温度)をそれぞれDSC(示差走査熱量測定装
置)、TG−DTA(熱天秤)で測定した結果、それぞ
れ131℃、400℃であった。
シクロ[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジオー
ル:1.96gを用いたこと以外は実施例16と同様に
反応を行い、ポリエステル重合体を得た。得られたポリ
マーのMnとMw/Mnは、それぞれ、9,000、
2.3であった。また、該ポリマーのTgとTd5は、
それぞれ、188℃、405℃であった。
[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジカルボン酸
クロライド:2.89g[5,7−ジメチルトリシクロ
[3.3.1.13,7]デカン−1,3−ジカルボン酸
と塩化チオニルとの反応で合成し、蒸留により精製し
た]を用いたこと、およびジオール成分として5,7−
ジメチルトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−
1,3−ジオール:1.96gを用いたこと以外は実施
例16と同様に反応を行い、ポリエステル重合体を得
た。得られたポリマーのMnとMw/Mnは、それぞ
れ、6,000、2.3であった。また、該ポリマーの
TgとTd5は、それぞれ、200℃、415℃であっ
た。
Claims (14)
- 【請求項1】 (i)ジオール成分と(ii)ジカルボン
酸成分との縮合により得られるポリエステル重合体であ
って、ジオール成分(i)が下記式(1) 【化1】 (式中、nは0又は正の整数である。環を構成する炭素
原子は置換基を有していてもよい)で表されるトリシク
ロ[3.3.1.13,7]デカンジオール類を含むジオ
ール成分であるか、又はジカルボン酸成分(ii)が下記
式(2) 【化2】 (式中、mは0又は正の整数である。環を構成する炭素
原子は置換基を有していてもよい)で表されるトリシク
ロ[3.3.1.13,7]デカンジカルボン酸類を含む
ジカルボン酸成分であるポリエステル重合体。 - 【請求項2】 ジオール成分(i)が下記式(1) 【化3】 (式中、nは0又は正の整数である。環を構成する炭素
原子は置換基を有していてもよい)で表されるトリシク
ロ[3.3.1.13,7]デカンジオール類を含むジオ
ール成分であり、且つジカルボン酸成分(ii)が下記式
(2) 【化4】 (式中、mは0又は正の整数である。環を構成する炭素
原子は置換基を有していてもよい)で表されるトリシク
ロ[3.3.1.13,7]デカンジカルボン酸類を含む
ジカルボン酸成分である請求項1記載のポリエステル重
合体。 - 【請求項3】 ジオール成分(i)が、式(1)におい
て、nが0又は1で表されるトリシクロ[3.3.1.
13,7]デカンジオール類を含むジオール成分である
か、又はジカルボン酸成分(ii)が、式(2)におい
て、mが0又は1で表されるトリシクロ[3.3.1.
13,7]デカンジカルボン酸類を含むジカルボン酸成分
である請求項1記載のポリエステル重合体。 - 【請求項4】 ジオール成分(i)が、式(1)におい
て、nが0又は1で表されるトリシクロ[3.3.1.
13,7]デカンジオール類を含むジオール成分であり、
且つジカルボン酸成分(ii)が、式(2)において、m
が0又は1で表されるトリシクロ[3.3.1.
13,7]デカンジカルボン酸類を含むジカルボン酸成分
である請求項1記載のポリエステル重合体。 - 【請求項5】 ジオール成分(i)が、式(1)におい
て、nが0で表されるトリシクロ[3.3.1.
13,7]デカンジオール類を含むジオール成分である
か、又はジカルボン酸成分(ii)が、式(2)におい
て、mが0で表されるトリシクロ[3.3.1.
13,7]デカンジカルボン酸類を含むジカルボン酸成分
である請求項1記載のポリエステル重合体。 - 【請求項6】 ジオール成分(i)が、式(1)におい
て、nが0で表されるトリシクロ[3.3.1.
13,7]デカンジオール類を含むジオール成分であり、
且つジカルボン酸成分(ii)が、式(2)において、m
が0で表されるトリシクロ[3.3.1.13,7]デカ
ンジカルボン酸類を含むジカルボン酸成分である請求項
1記載のポリエステル重合体。 - 【請求項7】 ジオール成分(i)が下記式(1a) 【化5】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるトリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カンジオール類を含むジオール成分であるか、又はジカ
ルボン酸成分(ii)が下記式(2a) 【化6】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるトリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カンジカルボン酸類を含むジカルボン酸成分である請求
項1記載のポリエステル重合体。 - 【請求項8】 ジオール成分(i)が下記式(1a) 【化7】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるトリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カンジオール類を含むジオール成分であり、且つジカル
ボン酸成分(ii)が下記式(2a) 【化8】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるトリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カンジカルボン酸類を含むジカルボン酸成分である請求
項1記載のポリエステル重合体。 - 【請求項9】 数平均分子量が1,000〜150,0
00である請求項1〜8の何れかの項に記載のポリエス
テル重合体。 - 【請求項10】 数平均分子量が3,000〜100,
000である請求項1〜8の何れかの項に記載のポリエ
ステル重合体。 - 【請求項11】 ジオール成分(i)と、ジカルボン酸
成分(ii)又はその反応性誘導体とを重縮合させてポリ
エステル重合体を製造する方法であって、ジオール成分
(i)として下記式(1) 【化9】 (式中、nは0又は正の整数である。環を構成する炭素
原子は置換基を有していてもよい)で表されるトリシク
ロ[3.3.1.13,7]デカンジオール類を含むジオ
ール成分を用いるか、又はジカルボン酸成分(ii)とし
て下記式(2) 【化10】 (式中、mは0又は正の整数である。環を構成する炭素
原子は置換基を有していてもよい)で表されるトリシク
ロ[3.3.1.13,7]デカンジカルボン酸類を含む
ジカルボン酸成分を用いることを特徴とするポリエステ
ル重合体の製造法。 - 【請求項12】 ジオール成分(i)として、下記式
(1) 【化11】 (式中、nは0又は正の整数である。環を構成する炭素
原子は置換基を有していてもよい)で表されるトリシク
ロ[3.3.1.13,7]デカンジオール類を含むジオ
ール成分を用い、且つジカルボン酸成分(ii)として下
記式(2) 【化12】 (式中、mは0又は正の整数である。環を構成する炭素
原子は置換基を有していてもよい)で表されるトリシク
ロ[3.3.1.13,7]デカンジカルボン酸類を含む
ジカルボン酸成分を用いる請求項11記載のポリエステ
ル重合体の製造法。 - 【請求項13】 ジオール成分(i)として下記式(1
a) 【化13】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるトリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カンジオール類を含むジオール成分を用いるか、又はジ
カルボン酸成分(ii)として、下記式(2a) 【化14】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるトリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カンジカルボン酸類を含むジカルボン酸成分を用いる請
求項11記載のポリエステル重合体の製造法。 - 【請求項14】 ジオール成分(i)として下記式(1
a) 【化15】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるトリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カンジオール類を含むジオール成分を用い、且つジカル
ボン酸成分(ii)として、下記式(2a) 【化16】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるトリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カンジカルボン酸類を含むジカルボン酸成分を用いる請
求項11記載のポリエステル重合体の製造法。
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