JP2001240662A - 機能性ポリエステル重合体とその製造法 - Google Patents

機能性ポリエステル重合体とその製造法

Info

Publication number
JP2001240662A
JP2001240662A JP2000055060A JP2000055060A JP2001240662A JP 2001240662 A JP2001240662 A JP 2001240662A JP 2000055060 A JP2000055060 A JP 2000055060A JP 2000055060 A JP2000055060 A JP 2000055060A JP 2001240662 A JP2001240662 A JP 2001240662A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tricyclo
polyester polymer
ring
acid
dicarboxylic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000055060A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuko Ka
守鋼 何
Tadashi Teranishi
直史 寺西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP2000055060A priority Critical patent/JP2001240662A/ja
Priority to US09/794,341 priority patent/US6344534B2/en
Publication of JP2001240662A publication Critical patent/JP2001240662A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、低吸水性、光学的特性に優れ、しか
も成形性に優れたポリエステル重合体を得る。 【解決手段】 ジオール成分と、下記式(1) 【化1】 (式中、2つのカルボキシル基はトリシクロ[5.2.
1.02,6]デカン環を構成する炭素原子に結合してい
る。環を構成する炭素原子は他の置換基を有していても
よい)で表される少なくとも1種のトリシクロ[5.
2.1.02,6]デカンジカルボン酸類を含むジカルボ
ン酸成分との縮合により得られるポリエステル重合体。
ポリエステル重合体の数平均分子量は、例えば1,00
0〜150,000、好ましくは3,000〜100,
000程度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリエステ
ル重合体及びその製造法に関し、さらに詳細には、耐熱
性、低吸水性を有し、光学的異方性が小さく、成形性に
優れたポリエステル重合体及びその製造法に関する。こ
のポリエステル重合体は、光学材料、電子情報材料、医
療器具材料などとして有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、光学材料、電子情報材料、医療器
具材料などにプラスチックを用いる研究や開発が精力的
に行われている。光学材料や電子情報材料においては、
透明性、低吸水性及び耐熱性のほか、光学的異方性の小
さいことが要求される。また、医療器具材料では、血液
適合性、機械的強度、耐加水分解性等が要求される。
【0003】光学材料としては、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリカーボネート、非晶性ポリオレフィンなどが
使用されている。しかし、ポリメチルメタクリレートは
透明性に優れ光学異方性が小さいものの、吸湿性が高い
ため、反り等の変形を起こしやすく、また耐熱性も十分
とは言えない。ポリカーボネートは耐熱性に優れるもの
の、光学的異方性が大きい。また、非晶性ポリオレフィ
ンは光学的異方性が小さく、耐熱性にも優れるが、成形
性、接着性などに問題がある。
【0004】一方、ポリエステルを光学材料や電子情報
材料として応用する試みもなされている。例えば、特開
平1−138225号公報には、側鎖に芳香環を有する
ジオール又はジカルボン酸を用いたポリエステル樹脂が
開示されている。特開平2−38428号公報には、ジ
カルボン酸成分としてジフェニルジカルボン酸を用いた
ポリエステル共重合体が開示されている。また、特開平
11−35665号公報には、2,2−ノルボルナンジ
メタノール誘導体とテレフタル酸などとからなるポリエ
ステルが開示されている。しかし、これらの樹脂は耐熱
性、低吸水性、光学的特性の点で必ずしも十分であると
は言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、耐熱性、低吸水性、光学的特性に優れ、しかも成形
性に優れた新規なポリエステル重合体及びその製造法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定の構造を有する
ポリエステル樹脂が、耐熱性、低吸水性、光学的特性及
び成形性に優れることを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、ジオール成分と、下
記式(1)
【化5】 (式中、2つのカルボキシル基はトリシクロ[5.2.
1.02,6]デカン環を構成する炭素原子に結合してい
る。環を構成する炭素原子は他の置換基を有していても
よい)で表される少なくとも1種のトリシクロ[5.
2.1.02,6]デカンジカルボン酸類を含むジカルボ
ン酸成分との縮合により得られるポリエステル重合体を
提供する。
【0008】本発明は、また、ジオール成分と、前記式
(1)で表される少なくとも1種のトリシクロ[5.
2.1.02,6]デカンジカルボン酸類を含むジカルボ
ン酸成分又はその反応性誘導体とを重縮合させることを
特徴とするポリエステル重合体の製造法を提供する。
【0009】前記ジカルボン酸成分として、下記式(1
a)〜(1c)
【化6】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デ
カン−3,8−、3,9−及び4,8−ジカルボン酸類
から選択された少なくとも1種のトリシクロ[5.2.
1.02,6]デカンジカルボン酸類を含むジカルボン酸
成分を使用できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル重合体を構
成するジオール成分としては、一般のポリエステルの原
料として使用されるものであれば特に限定されず、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオ
ペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール;1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジ
メタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、
1,1−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−
1,1−シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノール
A、2,2−ノルボルナンジメタノール、3−メチル−
2,2−ノルボルナンジメタノール、2,3−ノルボル
ナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノー
ル、2,6−ノルボルナンジメタノール、パーヒドロ−
1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタ
ノール、アダマンタンジメタノール、1,3−ジメチル
−5,7−アダマンタンジメタノール、1,3−アダマ
ンタンジオール、1,3−ジメチル−5,7−アダマン
タンジオールなどの脂環式ジオール;ヒドロキノン、カ
テコール、レゾルシン、ナフタレンジオール、キシリレ
ンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエ
チレンオキシド付加物、ビスフェノールS、ビスフェノ
ールSのエチレンオキシド付加物などの芳香族ジオー
ル;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなど
のエーテルグリコールなどが挙げられる。上記ジオール
成分は1種又は2種以上混合して使用できる。
【0011】本発明のポリエステル重合体を構成するジ
カルボン酸成分には、前記式(1)で表される少なくと
も1種のトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジカ
ルボン酸類が含まれている。
【0012】式中に示される2つのカルボキシル基はト
リシクロ[5.2.1.02,6]デカン環を構成する何
れの炭素原子(橋頭位又は非橋頭位の炭素原子)に結合
していてもよい。例えば、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン環をノルボルナン環とシクロペンタン環と
に分けた場合、2つのカルボキシル基がともにノルボル
ナン環側の炭素原子に結合していてもよく、2つのカル
ボキシル基がともにシクロペンタン環側の炭素原子に結
合していてもよい。また、一方のカルボキシル基がノル
ボルナン環側の炭素原子に結合し、他方のカルボキシル
基がシクロペンタン環側の炭素原子に結合していてもよ
い。これらの位置異性体は単独で又は2種以上を組み合
わせて使用できる。また、式(1)で表されるトリシク
ロ[5.2.1.02,6]デカンジカルボン酸類にはエ
ンド体とエキソ体とが存在し得るが、本発明ではこれら
の一方又は混合物の何れをも使用できる。
【0013】式(1)において、環を構成する炭素原子
(橋頭位又は非橋頭位の炭素原子)は、前記2つのカル
ボキシル基に加えて、他の置換基を有していてもよい。
このような置換基としては、例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、デシル基などのアルキル基(例えば、C1-10アルキ
ル基、好ましくはC1-4アルキル基);シクロペンチ
ル、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニ
ル、ナフチル基などのアリール基;メトキシ、エトキ
シ、イソプロポキシ基などのアルコキシ基(例えば、C
1-4アルコキシ基);メトキシカルボニル、エトキシカ
ルボニル、イソプロポキシカルボニル基などのアルコキ
シカルボニル基(例えば、C1-4アルコキシ−カルボニ
ル基);アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイ
ル基などのアシル基;ヒドロキシル基;カルボキシル
基;ニトロ基;置換又は無置換アミノ基;ハロゲン原
子;オキソ基などが挙げられる。
【0014】式(1)で表されるトリシクロ[5.2.
1.02,6]デカンジカルボン酸類の中でも、前記式(1
a)〜(1c)で表されるトリシクロ[5.2.1.
2,6]デカン−3,8−ジカルボン酸類、トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン−3,9−ジカルボン酸
類及びトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−4,
8−ジカルボン酸類が好ましい。なお、式(1a)〜(1
c)において、環を構成する炭素原子が有していてもよ
い置換基は前記と同様である。
【0015】式(1)で表されるトリシクロ[5.2.
1.02,6]デカンジカルボン酸類は公知乃至慣用の方
法又はそれらの方法に準じて製造することができる。例
えば、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタ
ノール類を硝酸酸化し、得られた反応混合液から対応す
る粗トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジカルボ
ン酸類を濾取して乾燥した後、アセトンなどの適当な溶
媒より再結晶することにより、製品トリシクロ[5.
2.1.02,6]デカンジカルボン酸類を得ることがで
きる。
【0016】本発明では、式(1)で表されるトリシク
ロ[5.2.1.02,6]デカンジカルボン酸類から1
種の化合物のみを選択して使用してもよく、複数の化合
物を併用してもよい。
【0017】本発明のポリエステル重合体を構成するジ
カルボン酸成分として、前記式(2)で表されるトリシ
クロ[5.2.1.02,6]デカンジカルボン酸類とと
もに、他のジカルボン酸成分を併用することもできる。
このようなジカルボン酸成分としては、ポリエステルの
原料として一般に使用されるものであれば特に制限され
ず、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニ
ルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカル
ボン酸、4,4′−ジフェニルメタンジカルボン酸、
4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4′
−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−
ジフェノキシエタン−4′,4′′−ジカルボン酸、ア
ントラセンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン
酸、ジフェニルケトンジカルボン酸などの芳香族ジカル
ボン酸;シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン
酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シ
クロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸、2,3−ノルボルナンジカルボン酸、2,
5−ノルボルナンジカルボン酸、2,6−ノルボルナン
ジカルボン酸、パーピドロ−1,4:5,8−ジメタノ
ナフタレン−2,3−ジカルボン酸、アダマンタンジカ
ルボン酸、1,3−ジメチル−5,7−アダマンタンジ
カルボン酸などの脂環式ジカルボン酸などが挙げられ
る。これらの中でも脂環式ジカルボン酸などが好まし
い。これらのジカルボン酸成分は1種又は2種以上組み
合わせて使用できる。
【0018】本発明のポリエステル重合体を構成する全
ジカルボン酸成分中の前記式(1)で表されるトリシク
ロ[5.2.1.02,6]デカンジカルボン酸類の割合
は任意に変えることができるが、通常1〜100モル
%、好ましくは5〜100モル%、さらに好ましくは1
0〜100モル%程度である。
【0019】本発明のポリエステル重合体は、ジカルボ
ン酸成分として重合性二重結合を有する成分を含まない
ポリエステル重合体であることが好ましく、特に、重合
性二重結合を有しないジカルボン酸成分及びジオール成
分からなる飽和ポリエステル(熱可塑性ポリエステル)
であるのが好ましい。
【0020】ポリエステル重合体の数平均分子量は、例
えば1,000〜150,000程度、好ましくは3,
000〜100,000程度である。本発明のポリエス
テル重合体の還元粘度は、成形物としたときの機械特性
の点から、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロ
エタン混合溶液(重量比4/6)中、濃度1.2g/d
l、温度35℃の条件での測定値として、0.5程度以
上であることが好ましい。
【0021】本発明のポリエステル重合体は、ジオール
成分と、前記式(1)で表されるトリシクロ[5.2.
1.02,6]デカンジカルボン酸類から選択された少な
くとも1種の成分を含むジカルボン酸成分又はその反応
性誘導体とを重縮合させることにより製造できる。
【0022】上記ジカルボン酸成分の反応性誘導体とし
ては、例えば、ジカルボン酸エステル、ジカルボン酸無
水物、ジカルボン酸ハロゲン化物(ジカルボン酸塩化物
等)などを使用できる。ジカルボン酸エステル、ジカル
ボン酸無水物、ジカルボン酸ハロゲン化物は、対応する
ジカルボン酸から慣用の方法により誘導できる。
【0023】本発明のポリエステル重合体の製造の実施
形態としては、一般的なポリエステルの製造法を適用す
ることができる。例えば、遊離のジカルボン酸又はジカ
ルボン酸無水物を原料として使用する場合には、ジオー
ル成分とジカルボン酸又はジカルボン酸無水物とを反応
器に入れて加熱し、反応により生成する水を系外に留去
させることによりポリエステル重合体を製造できる。こ
の反応は必ずしも触媒を必要としないが、触媒を用いる
ことにより反応を促進させることができる。触媒として
は、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、
チタン、コバルト、マンガンなどの金属の酢酸塩、炭酸
塩、水酸化物、アルコキシドなどが挙げられる。反応温
度は120〜300℃程度、好ましくは160〜300
℃程度である。反応圧力は、通常常圧であるが、水及び
過剰のジオール成分の留去を促進させるため減圧下でエ
ステル化反応を行ってもよい。ジオール成分とジカルボ
ン酸又はジカルボン酸無水物とのモル比は約1であって
もよいが、高分子量のポリエステルを得るため、ジオー
ル成分を過剰量用いてもよい。
【0024】またジカルボン酸エステルを原料として用
いる場合には、ジオール成分とジカルボン酸エステルと
触媒とを反応器に仕込み、反応で生成するアルコールを
系外に留去させることによりポリエステル重合体を製造
できる。ジカルボン酸エステルとしては、ジカルボン酸
のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステ
ル、ブチルエステルなどを使用できるが、反応の容易さ
及びコストの点でメチルエステルが特に好ましい。前記
触媒としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、亜鉛、鉛、チタン、コバルト、マンガン、スズ、ア
ンチモン、ゲルマニウムなどの金属のカルボン酸塩、炭
酸塩、水酸化物、アルコキシド、酸化物などが挙げられ
る。反応温度は120〜300℃程度、好ましくは16
0〜300℃程度である。反応圧力は、常圧であっても
よいが、アルコールの留去を促進させるため減圧下でエ
ステル化反応を行ってもよい。また、ジオール成分とジ
カルボン酸エステルとのモル比は約1であってもよい
が、高分子量のポリエステルを得るため、ジオール成分
を過剰量用いてもよい。
【0025】ジカルボン酸塩化物などのジカルボン酸ハ
ロゲン化物を原料に用いてポリエステル重合体を得る方
法としては、(i)ジオール成分とジカルボン酸ハロゲ
ン化物とを高温無溶媒下で反応させ、生成するハロゲン
化水素を留去する方法、(ii)ジオール成分とジカルボ
ン酸ハロゲン化物とを溶媒中低温で反応させ、生成する
ハロゲン化水素を留去するか又は塩基性物質により中和
する方法などが挙げられる。反応温度は0〜280℃程
度の範囲から適宜選択できる。
【0026】前記(ii)の方法において用いる溶媒とし
ては、反応に不活性であれば特に限定されず、例えば、
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタ
ン、モノクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハ
ロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ジメトキシエタンなどのエーテル類;アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエ
ステル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類;ジメ
チルスルホキシドなどのスルホキシド;1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリンなどのイミダゾリン類;ヘキサン
メチルホスホルアミドなどが例示できる。また、前記塩
基性物質としては、例えば、トリエチルアミン、トリブ
チルアミン、N,N−ジメチルアニリンなどの第3級ア
ミン;ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピ
コリン、キノリンなどの塩基性含窒素複素環化合物;水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水
酸化物;酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ
金属塩などが挙げられる。なお、前記N−メチル−2−
ピロリドンなどの溶媒は塩基性物質としても機能する。
【0027】重合により生成したポリエステル重合体
は、濾過、濃縮、沈殿、晶析、冷却固化などの慣用の方
法により単離できる。
【0028】
【発明の効果】本発明のポリエステル重合体は、かさ高
い脂環構造があり、耐熱性、低吸水性、光学的特性及び
成形性に優れている。そのため、光ディスク、レンズ、
光コネクターなどの各種光学・電子情報材料、輸液キッ
ト、カテーテル、シリンジ、真空採血管などの医療器具
材料などとして有用である。
【0029】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0030】実施例1 50mlのフラスコに、乾燥窒素下で、トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカンジカルボン酸クロライド
2.61g、及び乾燥したモノクロロベンゼン10ml
を仕込み、これに撹拌しながら、室温でノルボルナンジ
メタノール(2,5−ノルボルナンジメタノールと2,
6−ノルボルナンジメタノールの混合物)1.56gと
乾燥ピリジン5mlの混合溶液を10分間で滴下した。
滴下終了後、混合溶液を80℃で2時間反応させた。重
合終了後、反応混合液を500mlのメタノール中に少
量ずつ滴下し、生成したポリマーを沈殿させた。このポ
リマーを濾過して洗浄した後、真空乾燥して、白色のポ
リエステル重合体を3.44g得た。得られたポリマー
の数平均分子量と分子量分布(Mw/Mn)をGPCで
測定した結果、それぞれ9,790と2.24であっ
た。また、このポリマーのTg(ガラス転移温度)及び
窒素中5%熱重量減少温度を、DSC(示差走査熱量測
定装置)とTG−DTA(熱天秤)で測定した結果、そ
れぞれ86.4℃と390.6℃であった。なお、原料
として用いたトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
ジカルボン酸クロライドは、トリシクロ[5.2.1.
2,6]デカンジカルボン酸(トリシクロ[5.2.
1.02,6]デカン−3,8−ジカルボン酸40重量
%、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3,9
−ジカルボン酸14重量%、及びトリシクロ[5.2.
1.02,6]デカン−4,8−ジカルボン酸42重量%
を含む混合物)と塩化チオニル(SOCl2)とを反応さ
せ、得られた反応混合物を常圧蒸留、減圧蒸留及び精留
により精製して得た。
【0031】実施例2 50mlのフラスコに、乾燥窒素下で、乾燥1,3−ジ
メチル−5,7−アダマンタンジメタノール1.96
g、乾燥モノクロロベンゼン5ml、及び乾燥ピリジン
5mlの混合溶液を仕込み、これに撹拌しながら、室温
でトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジカルボン
酸クロライド2.61gと乾燥したモノクロロベンゼン
5mlを10分間で滴下した。滴下終了後、混合溶液を
80℃で2時間反応させた。重合終了後、反応混合液を
500mlのメタノール中に少量ずつ滴下し、生成した
ポリマーを沈殿させた。このポリマーを濾過して洗浄し
た後、真空乾燥して、白色のポリエステル重合体を3.
85g得た。得られたポリマーの数平均分子量と分子量
分布(Mw/Mn)をGPCで測定した結果、それぞれ
6,900と2.76であった。また、このポリマーの
Tg及び窒素中5%熱重量減少温度を、DSCとTG−
DTAで測定した結果、それぞれ143.5℃と39
6.4℃であった。なお、原料として用いたトリシクロ
[5.2.1.02,6]デカンジカルボン酸クロライド
は実施例1と同様にして得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA03 AB01 AB04 AC01 AC02 AD01 AE04 AE05 AE06 BA02 BA03 BA05 BA08 BA10 BB05A BB13A BD03A BD03C BD06A BD07A BD10 BF09 BF10 BF18 BH02 CD07 DB13 HA01 HB01 KE09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジオール成分と、下記式(1) 【化1】 (式中、2つのカルボキシル基はトリシクロ[5.2.
    1.02,6]デカン環を構成する炭素原子に結合してい
    る。環を構成する炭素原子は他の置換基を有していても
    よい)で表される少なくとも1種のトリシクロ[5.
    2.1.02,6]デカンジカルボン酸類を含むジカルボ
    ン酸成分との縮合により得られるポリエステル重合体。
  2. 【請求項2】 ジオール成分と、下記式(1a)〜(1c) 【化2】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
    よい)で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デ
    カン−3,8−、3,9−及び4,8−ジカルボン酸類
    から選択された少なくとも1種のトリシクロ[5.2.
    1.02,6]デカンジカルボン酸類を含むジカルボン酸
    成分との縮合により得られる請求項1記載のポリエステ
    ル重合体。
  3. 【請求項3】 数平均分子量が1,000〜150,0
    00である請求項1又は2記載のポリエステル重合体。
  4. 【請求項4】 数平均分子量が3,000〜100,0
    00である請求項1又は2記載のポリエステル重合体。
  5. 【請求項5】 ジオール成分と、下記式(1) 【化3】 (式中、2つのカルボキシル基はトリシクロ[5.2.
    1.02,6]デカン環を構成する炭素原子に結合してい
    る。環を構成する炭素原子は他の置換基を有していても
    よい)で表される少なくとも1種のトリシクロ[5.
    2.1.02,6]デカンジカルボン酸類を含むジカルボ
    ン酸成分又はその反応性誘導体とを重縮合させることを
    特徴とするポリエステル重合体の製造法。
  6. 【請求項6】 ジオール成分と、下記式(1a)〜(1c) 【化4】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
    よい)で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デ
    カン−3,8−、3,9−及び4,8−ジカルボン酸類
    から選択された少なくとも1種のトリシクロ[5.2.
    1.02,6]デカンジカルボン酸類を含むジカルボン酸
    成分又はその反応性誘導体とを重縮合させる請求項5記
    載のポリエステル重合体の製造法。
JP2000055060A 2000-02-29 2000-02-29 機能性ポリエステル重合体とその製造法 Pending JP2001240662A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000055060A JP2001240662A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 機能性ポリエステル重合体とその製造法
US09/794,341 US6344534B2 (en) 2000-02-29 2001-02-28 Functional polyester polymer and production process thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000055060A JP2001240662A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 機能性ポリエステル重合体とその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001240662A true JP2001240662A (ja) 2001-09-04

Family

ID=18576244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000055060A Pending JP2001240662A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 機能性ポリエステル重合体とその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001240662A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012035875A1 (ja) * 2010-09-14 2012-03-22 日立化成工業株式会社 脂環式ポリエステル及びその製造方法
US8797237B2 (en) 2001-08-08 2014-08-05 Hitachi Maxell, Ltd. Plasma display apparatus and method of driving the plasma display apparatus

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8797237B2 (en) 2001-08-08 2014-08-05 Hitachi Maxell, Ltd. Plasma display apparatus and method of driving the plasma display apparatus
WO2012035875A1 (ja) * 2010-09-14 2012-03-22 日立化成工業株式会社 脂環式ポリエステル及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3448158B2 (ja) コポリエステル組成物
US5298593A (en) Method of producing thermotropic liquid crystalline polyester
JP3862538B2 (ja) 新規なポリエステル重合体とその製造法
JP2001240661A (ja) 機能性ポリエステル重合体とその製造法
JP2001240662A (ja) 機能性ポリエステル重合体とその製造法
JP4420513B2 (ja) 新規なポリエステル重合体とその製造法
US6344534B2 (en) Functional polyester polymer and production process thereof
US6455666B1 (en) Polyesters and production process thereof
JP2001064374A (ja) 新規なポリエステル重合体とその製造法
JP3509322B2 (ja) ポリエステル樹脂およびそれを含有するフィルム
JP2001072746A (ja) 新規なポリエステル重合体とその製造法
JP2001064372A (ja) 機能性ポリエステル重合体とその製造法
JP3291795B2 (ja) ポリエステルおよびフィルム
JP2001064373A (ja) 機能性ポリエステル重合体とその製造法
JP3741331B2 (ja) 新規なポリエステル及びその製造方法
JPS61246229A (ja) 芳香族ポリエステル及びその製造法
JPS61143425A (ja) 芳香族ポリエステル及びその製造法
JP3120413B2 (ja) 新規ポリヒドロキシ化合物およびそれを用いて得られたポリエステル
JP2702334B2 (ja) 芳香族ポリエステル及びその製造法
JP2003064170A (ja) 芳香族ポリエステルの製造方法
JP3440168B2 (ja) ポリエステル重合体
JPH051137A (ja) サーモトロピツク液晶性ポリエステルの製造方法
JPH09132640A (ja) 硬化性ポリエステルおよびその製造方法
JP3304349B2 (ja) 新規ポリヒドロキシ化合物およびそれを用いて得られたポリエステル
JP2820574B2 (ja) 新規ポリエステル