JP2001064374A - 新規なポリエステル重合体とその製造法 - Google Patents

新規なポリエステル重合体とその製造法

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JP2001064374A
JP2001064374A JP2000188356A JP2000188356A JP2001064374A JP 2001064374 A JP2001064374 A JP 2001064374A JP 2000188356 A JP2000188356 A JP 2000188356A JP 2000188356 A JP2000188356 A JP 2000188356A JP 2001064374 A JP2001064374 A JP 2001064374A
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JP2000188356A
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Tatsuya Sugano
龍也 菅野
Shuko Ka
守鋼 何
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、低吸水性、光学的特性に優れ、しか
も成形性に優れたポリエステル重合体を得る。 【解決手段】 ポリエステル重合体は、2,5−ノルボ
ルナンジメタノール類及び2,6−ノルボルナンジメタ
ノール類から選択された少なくとも1種の化合物を含む
ジオール成分と、2,5−ノルボルナンジカルボン酸類
及び2,6−ノルボルナンジカルボン酸類から選択され
た少なくとも1種の化合物を含むジカルボン酸成分との
縮合により得られる。全ジオール成分中の2,5−ノル
ボルナンジメタノール類及び2,6−ノルボルナンジメ
タノール類から選択された化合物の割合は、例えば5〜
100モル%程度であり、全ジカルボン酸成分中の2,
5−ノルボルナンジカルボン酸類及び2,6−ノルボル
ナンジカルボン酸類から選択された化合物の割合は、例
えば5〜100モル%程度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリエステ
ル重合体及びその製造法に関し、さらに詳細には、耐熱
性、低吸水性を有し、光学的異方性が小さく、成形性に
優れたポリエステル重合体及びその製造法に関する。こ
のポリエステル重合体は、光学材料、電子情報材料、医
療器具材料などとして有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、光学材料、電子情報材料、医療器
具材料などにプラスチックを用いる研究や開発が精力的
に行われている。光学材料や電子情報材料においては、
透明性、低吸水性及び耐熱性のほか、光学的異方性の小
さいことが要求される。また、医療器具材料では、血液
適合性、機械的強度、耐加水分解性等が要求される。
【0003】光学材料としては、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリカーボネート、非晶性ポリオレフィンなどが
使用されている。しかし、ポリメチルメタクリレートは
透明性に優れ光学異方性が小さいものの、吸湿性が高い
ため、反り等の変形を起こしやすく、また耐熱性も十分
とは言えない。ポリカーボネートは耐熱性に優れるもの
の、光学的異方性が大きい。また、非晶性ポリオレフィ
ンは光学的異方性が小さく、耐熱性にも優れるが、成形
性、接着性などに問題がある。
【0004】一方、ポリエステルを光学材料や電子情報
材料として応用する試みもなされている。例えば、特開
平1−138225号公報には、側鎖に芳香環を有する
ジオール又はジカルボン酸を用いたポリエステル樹脂が
開示されている。特開平2−38428号公報には、ジ
カルボン酸成分としてジフェニルジカルボン酸を用いた
ポリエステル共重合体が開示されている。また、特開平
11−35665号公報には、2,2−ノルボルナンジ
メタノール誘導体とテレフタル酸などとからなるポリエ
ステルが開示されている。しかし、これらの樹脂は耐熱
性、低吸水性、光学的特性の点で必ずしも十分であると
は言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、耐熱性、低吸水性、光学的特性に優れ、しかも成形
性に優れた新規なポリエステル重合体及びその製造法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定の構造を有する
ポリエステル樹脂が、耐熱性、低吸水性、光学的特性及
び成形性に優れることを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、下記式(1a)
【化9】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表される2,5−ノルボルナンジメタノール類
及び下記式(1b)
【化10】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表される2,6−ノルボルナンジメタノール類
から選択された少なくとも1種の化合物を含むジオール
成分と、下記式(2a)
【化11】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表される2,5−ノルボルナンジカルボン酸類
及び下記式(2b)
【化12】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表される2,6−ノルボルナンジカルボン酸類
から選択された少なくとも1種の化合物を含むジカルボ
ン酸成分との縮合により得られるポリエステル重合体を
提供する。
【0008】本発明は、また、前記式(1a)で表される
2,5−ノルボルナンジメタノール類及び前記式(1b)
で表される2,6−ノルボルナンジメタノール類から選
択された少なくとも1種の化合物を含むジオール成分
と、前記式(2a)で表される2,5−ノルボルナンジカ
ルボン酸類及び前記式(2b)で表される2,6−ノルボ
ルナンジカルボン酸類から選択された少なくとも1種の
化合物を含むジカルボン酸成分又はその反応性誘導体と
を重縮合させることを特徴とするポリエステル重合体の
製造法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル重合体を構
成するジオール成分には、前記式(1a)で表される2,
5−ノルボルナンジメタノール類及び前記式(1b)で表
される2,6−ノルボルナンジメタノール類から選択さ
れた少なくとも1種の化合物が含まれている。
【0010】前記式(1a)、(1b)において、環を構成
する炭素原子(橋頭位又は非橋頭位の炭素原子)が有し
ていてもよい置換基としては、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s
−ブチル、t−ブチル基などのアルキル基(例えば、C
1-4アルキル基);メトキシ、エトキシ、イソプロポキ
シ基などのアルコキシ基(例えば、C1-4アルコキシ
基);メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソ
プロポキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基
(例えば、C1-4アルコキシ−カルボニル基);アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル基などのアシ
ル基;ヒドロキシル基;カルボキシル基;ニトロ基;ア
ミノ基;置換アミノ基;ハロゲン原子などが挙げられ
る。
【0011】2,5−ノルボルナンジメタノール及び
2,6−ノルボルナンジメタノールは、下記式に従って
得ることができる。
【化13】
【0012】すなわち、式(3)で表されるシクロペン
タジエンと式(4)で表されるアクロレインとをディー
ルスアルダー反応により付加環化させて、式(5)で表
される2−ノルボルネン−5−カルバルデヒド(ビシク
ロ[2.2.1]−2−ヘプテン−5−カルバルデヒ
ド)を合成し、これをオキソ反応に付して、式(6a)で
表される2,5−ノルボルナンジカルバルデヒド及び式
(6b)で表される2,6−ノルボルナンジカルバルデヒ
ドを得、これをさらに水素添加することにより式(1a-
1)で表される2,5−ノルボルナンジメタノール及び
式(1b-1)で表される2,6−ノルボルナンジメタノー
ルを得ることができる。
【0013】シクロペンタジエン(3)とアクロレイン
(4)との反応は、通常のディールスアルダー反応の条
件で行うことができる。また、2−ノルボルネン−5−
カルバルデヒド(5)のオキソ反応は、例えば、Co
(CO)8などのコバルト触媒や、HRh(CO)(P
Ph33(Phはフェニル基を示す)、Rh2(CO)1
6、RhCl(PPh33、Rh23などのロジウム触
媒(特に、トリフェニルホスフィンなどのトリアリール
ホスフィンを配位子とするロジウム錯体触媒)の存在
下、ベンゼン、トルエンなどの適当な溶媒中、2−ノル
ボルネン−5−カルバルデヒド(5)と一酸化炭素及び
水素とを接触させることにより行われる。反応温度は5
0〜200℃程度であり、反応圧力は30〜200気圧
程度である。一酸化炭素と水素の割合は、例えば、CO
/H2(モル比)=1/10〜10/1程度(好ましく
は、1/2〜2/1程度)である。触媒の種類、反応温
度等の反応条件により、式(6a)で表される2,5−ノ
ルボルナンジカルバルデヒドと式(6b)で表される2,
6−ノルボルナンジカルバルデヒドの生成比率をコント
ロールすることができる。
【0014】式(6a)で表される2,5−ノルボルナン
ジカルバルデヒド及び式(6b)で表される2,6−ノル
ボルナンジカルバルデヒドの水素添加は、例えば、Ru
−C、Rh−C、Pd−C、Pt2O、ラネーニッケル
などの慣用の水素化触媒の存在下、メタノールなどの適
当な溶媒中、前記アルデヒド(6a)又は(6b)を水素と
接触させることにより行うことができる。反応温度は0
〜100℃程度、反応圧力は1〜20気圧程度である。
【0015】上記各工程での生成物の分離、精製は、例
えば、濃縮、抽出、蒸留、晶析、再結晶、カラムクロマ
トグラフィーなどの慣用の分離精製手段により行うこと
ができる。
【0016】また、環を構成する炭素原子が式中に示さ
れる2つのヒドロキシメチル基に加えて他の置換基を有
する2,5−ノルボルナンジメタノール誘導体又は2,
6−ノルボルナンジメタノール誘導体は、前記方法にお
いて、シクロペンタジエン(3)に代えて置換基を有す
るシクロペンタジエン誘導体(例えば、メチルシクロペ
ンタジエン等)を用いたり、アクロレイン(4)に代え
て置換基を有するアクロレイン誘導体(例えば、3−メ
チルアクロレイン、メタクロレインなど)を用いること
により製造することができる。また、そのような置換基
を有する化合物は、上記方法において、式(5)、(6
a)、(6b)、(1a-1)又は(1b-1)の化合物に、公知
乃至慣用の方法(例えば、酸化、カルボキシル化、ニト
ロ化、ハロゲン化、アシル化、アルキル化、還元又はこ
れらの組み合わせ等)を利用して所望の置換基を導入す
るか、又はその後、次工程に移行することにより得るこ
ともできる。
【0017】本発明では、2,5−ノルボルナンジメタ
ノール類及び2,6−ノルボルナンジメタノール類から
1種の化合物のみを選択して使用してもよく、複数の化
合物を併用してもよい。また、2,5−ノルボルナンジ
メタノール類及び2,6−ノルボルナンジメタノール類
には、それぞれエンド体とエキソ体が存在するが、これ
らの異性体のうち一方のみを用いてもよく、混合物を用
いてもよい。
【0018】本発明のポリエステル重合体を構成するジ
オール成分として、前記2,5−ノルボルナンジメタノ
ール類及び/又は2,6−ノルボルナンジメタノール類
とともに、他のジオール成分を併用することもできる。
このようなジオール成分としては、一般のポリエステル
の原料として使用されるジオール、例えば、エチレング
リコール、プロピレングリコール、トリメチルレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コールなどの脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、
1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,1−シクロ
ヘキサンジオール、2−メチル−1,1−シクロヘキサ
ンジオール、水添ビスフェノールA、トリシクロデカン
ジメタノール、1,3−アダマンタンジオール、2,2
−ノルボルナンジメタノール、3−メチル−2,2−ノ
ルボルナンジメタノール、2,3−ノルボルナンジメタ
ノール、パーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタ
レン−2,3−ジメタノールなどの脂環式ジオール;ヒ
ドロキノン、カテコール、レゾルシン、ナフタレンジオ
ール、キシリレンジオール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールAのエチレンオキシド付加物、ビスフェノール
S、ビスフェノールSのエチレンオキシド付加物などの
芳香族ジオール;ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレング
リコールなどのエーテルグリコールなどが挙げられる。
これらのジオール成分は1種又は2種以上混合して使用
できる。
【0019】本発明のポリエステル重合体を構成する全
ジオール成分中の2,5−ノルボルナンジメタノール類
及び2,6−ノルボルナンジメタノール類から選択され
た化合物の割合は任意に変えることができるが、通常5
〜100モル%、好ましくは10〜100モル%、さら
に好ましくは15〜100モル%程度である。
【0020】本発明のポリエステル重合体を構成するジ
カルボン酸成分には、前記式(2a)で表される2,5−
ノルボルナンジカルボン酸類及び前記式(2b)で表され
る2,6−ノルボルナンジカルボン酸類から選択された
少なくとも1種の化合物が含まれている。
【0021】前記式(2a)、(2b)において、環を構成
する炭素原子(橋頭位又は非橋頭位の炭素原子)が有し
ていてもよい置換基としては、前記式(1a)、(1b)に
おいて、環を構成する炭素原子が有していてもよい置換
基として例示したものと同様のものが挙げられる。
【0022】2,5−ノルボルナンジカルボン酸類及び
2,6−ノルボルナンジカルボン酸類は、公知乃至慣用
の方法、例えば、それぞれ、2,5−ノルボルナンジカ
ルボニトリル類及び2,6−ノルボルナンジカルボニト
リル類を、酸又はアルカリを用いて、通常の条件下で加
水分解することにより得ることができる。また、前記
2,5−ノルボルナンジメタノール類及び2,6−ノル
ボルナンジメタノール類(又は、前記2,5−ノルボル
ナンジカルバルデヒド類及び2,6−ノルボルナンジカ
ルバルデヒド類)を、慣用の酸化方法(例えば、酸素酸
化、過マンガン酸塩酸化など)を用いて酸化することに
より、それぞれ、対応する2,5−ノルボルナンジカル
ボン酸類及び2,6−ノルボルナンジカルボン酸類に変
換することもできる。
【0023】本発明では、2,5−ノルボルナンジカル
ボン酸類及び2,6−ノルボルナンジカルボン酸類から
1種の化合物のみを選択して使用してもよく、複数の化
合物を併用してもよい。また、2,5−ノルボルナンジ
カルボン酸類及び2,6−ノルボルナンジカルボン酸類
には、それぞれエンド体とエキソ体が存在するが、これ
らの異性体のうち一方のみを用いてもよく、混合物を用
いてもよい。
【0024】本発明のポリエステル重合体を構成するジ
カルボン酸成分として、前記2,5−ノルボルナンジカ
ルボン酸類及び/又は2,6−ノルボルナンジカルボン
酸類とともに、他のジカルボン酸成分を併用することも
できる。このようなジカルボン酸成分としては、ポリエ
ステルの原料として一般に使用されるジカルボン酸、例
えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカ
ルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン
酸、4,4′−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,
4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4′−ジ
フェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ジフ
ェノキシエタン−4′,4′′−ジカルボン酸、アント
ラセンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、
ジフェニルケトンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸;シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸;
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル
酸、2,3−ノルボルナンジカルボン酸、パーヒドロ−
1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジカル
ボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、1,3−アダ
マンタンジカルボン酸、1,3−ジメチル−5,7−ア
ダマンタンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸など
が挙げられる。これらのジカルボン酸成分は1種又は2
種以上組み合わせて使用できる。
【0025】本発明のポリエステル重合体を構成する全
ジカルボン酸成分中の2,5−ノルボルナンジカルボン
酸及び2,6−ノルボルナンジカルボン酸から選択され
た化合物の割合は任意に変えることができるが、通常5
〜100モル%、好ましくは10〜100モル%、さら
に好ましくは15〜100モル%程度である。
【0026】本発明のポリエステル重合体の還元粘度
は、成形物としたときの機械特性の点から、フェノール
/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶液(重量
比4/6)中、濃度1.2g/dl、温度35℃の条件
での測定値として、0.5程度以上(例えば、0.5〜
1.5程度)であることが好ましい。
【0027】本発明のポリエステル重合体は、前記式
(1a)で表される2,5−ノルボルナンジメタノール類
及び前記式(1b)で表される2,6−ノルボルナンジメ
タノール類から選択された少なくとも1種の化合物を含
むジオール成分と、前記式(2a)で表される2,5−ノ
ルボルナンジカルボン酸類及び前記式(2b)で表される
2,6−ノルボルナンジカルボン酸類から選択された少
なくとも1種の化合物を含むジカルボン酸成分又はその
反応性誘導体とを重縮合させることにより製造できる。
【0028】上記ジカルボン酸成分の反応性誘導体とし
ては、例えば、ジカルボン酸エステル、ジカルボン酸無
水物、ジカルボン酸ハロゲン化物(ジカルボン酸塩化物
等)などを使用できる。ジカルボン酸エステル、ジカル
ボン酸無水物、ジカルボン酸ハロゲン化物は、対応する
ジカルボン酸から慣用の方法により誘導できる。
【0029】本発明のポリエステル重合体の製造の実施
形態としては、一般的なポリエステルの製造法を適用す
ることができる。例えば、遊離のジカルボン酸又はジカ
ルボン酸無水物を原料として使用する場合には、ジオー
ル成分とジカルボン酸又はジカルボン酸無水物とを反応
器に入れて加熱し、反応により生成する水を系外に留去
させることによりポリエステル重合体を製造できる。こ
の反応は、必ずしも触媒を必要としないが、触媒を用い
ることにより反応を促進させることができる。触媒とし
ては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜
鉛、チタン、コバルト、マンガンなどの金属の酢酸塩、
炭酸塩、水酸化物、アルコキシドなどが挙げられる。反
応温度は120〜300℃程度、好ましくは160〜3
00℃程度である。反応圧力は、通常常圧であるが、水
の留去を促進させるため減圧下でエステル化反応を行っ
てもよい。ジオール成分とジカルボン酸又はジカルボン
酸無水物とのモル比は約1であってもよいが、高分子量
のポリエステルを得るため、ジオール成分を過剰量用い
てもよい。
【0030】また、ジカルボン酸エステルを原料として
用いる場合には、ジオール成分とジカルボン酸エステル
と触媒とを反応器に仕込み、反応で生成するアルコール
を系外に留去させることによりポリエステル重合体を製
造できる。ジカルボン酸エステルとしては、ジカルボン
酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステ
ル、ブチルエステルなどを使用できるが、反応の容易さ
及びコストの点でメチルエステルが特に好ましい。前記
触媒としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、亜鉛、鉛、チタン、コバルト、マンガン、スズ、ア
ンチモン、ゲルマニウムなどの金属のカルボン酸塩、炭
酸塩、水酸化物、アルコキシド、酸化物などが挙げられ
る。反応温度は120〜300℃程度、好ましくは16
0〜300℃程度である。反応圧力は、常圧であっても
よいが、アルコールの留去を促進させるため減圧下でエ
ステル化反応を行ってもよい。また、ジオール成分とジ
カルボン酸エステルとのモル比は約1であってもよい
が、高分子量のポリエステルを得るため、ジオール成分
を過剰量用いてもよい。
【0031】ジカルボン酸塩化物などのジカルボン酸ハ
ロゲン化物を原料に用いてポリエステル重合体を得る方
法としては、(i)ジオール成分とジカルボン酸ハロゲ
ン化物とを高温無溶媒下で反応させ、生成するハロゲン
化水素を留去する方法、(ii)ジオール成分とジカルボ
ン酸ハロゲン化物とを溶媒中低温で反応させ、生成する
ハロゲン化水素を留去するか又は塩基性物質により中和
する方法などが挙げられる。反応温度は0〜280℃程
度の範囲から適宜選択できる。
【0032】前記(ii)の方法において用いる溶媒とし
ては、反応に不活性であれば特に限定されず、例えば、
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタ
ンなどのハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなどのエステル類;アセトニトリルなどのニトリル
類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミ
ド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;1,
3−ジメチル−2−イミダゾリンなどのイミダゾリン
類;ヘキサメチルホスホルアミドなどが例示できる。ま
た、前記塩基性物質としては、例えば、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリンなど
の第3級アミン;ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリ
ン、γ−ピコリン、キノリンなどの塩基性含窒素複素環
化合物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアル
カリ金属水酸化物;酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸水素ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウムなど
のアルカリ金属塩などが挙げられる。なお、前記N−メ
チル−2−ピロリドンなどの溶媒は塩基性物質としても
機能する。
【0033】重合により生成したポリエステル重合体
は、濾過、濃縮、沈殿、晶析、冷却固化などの慣用の方
法により単離できる。
【0034】
【発明の効果】本発明のポリエステル重合体は、耐熱
性、低吸水性、光学的特性及び成形性に優れている。そ
のため、光ディスク、レンズ、光コネクターなどの各種
光学・電子情報材料、輸液キット、カテーテル、シリン
ジ、真空採血管などの医療器具材料などとして有用であ
る。
【0035】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。なお、重量平均分子量は、ポリマーを
クロロホルムに溶解した試料を用い、標準ポリスチレン
で較正した通常のGPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー)装置で測定した。ガラス転移温度は、D
SC(示差走査熱量測定)により、窒素雰囲気下、昇温
速度20℃/分の条件で測定した。5%熱重量減少温度
は、TGA(熱重量分析)により、窒素雰囲気下、昇温
速度20℃/分の条件で測定した。
【0036】実施例1 30mlのフラスコに、2,5−ノルボルナンジメタノ
ール1.6g(2,5−ノルボルナンジカルバルデヒド
を常法により水素添加することにより合成)、及び乾燥
したN−メチル−2−ピロリドン5mlを仕込み、これ
に、室温で2,5−ノルボルナンジカルボン酸クロリド
2.21gと乾燥N−メチル−2−ピロリドン5mlの
混合溶液を添加し、40分間攪拌した後、202℃の温
度で2時間反応させた。反応混合液を、激しく攪拌した
メタノール1l中に少量ずつ滴下し、生成したポリマー
を沈殿させた。このポリマーを濾過し、メタノールで洗
浄した後、真空乾燥して、無色透明のポリエステル重合
体を2.1g得た。
【0037】実施例2 30mlのフラスコに、2,5−ノルボルナンジメタノ
ールと2,6−ノルボルナンジメタノールの混合物[前
者/後者(重量比)=60/40]1.6g、および乾
燥したN−メチル−2−ピロリドン5mlを仕込み、こ
れに、室温で2,5−ノルボルナンジカルボン酸ジクロ
リドと2,6−ノルボルナンジカルボン酸ジクロリドの
混合物[前者/後者(重量比)=60/40]2.21
gと乾燥N−メチル−2−ピロリドン5mlの混合溶液
を添加し、40分間攪拌した後、202℃の温度で2時
間反応させた。反応混合液を、激しく攪拌したメタノー
ル1l中に少しずつ滴下し、生成したポリマーを沈殿さ
せた。このポリマーを濾過し、メタノールで洗浄した
後、真空乾燥して、無色透明のポリエステル重合体を
2.1g得た。得られたポリマーの重量平均分子量は4
8000、ガラス転移温度は88℃、5%熱重量減少温
度は420℃であった。
【0038】実施例3 300mlのフラスコに、2,5−ノルボルナンジメタ
ノールと2,6−ノルボルナンジメタノールの混合物
[前者/後者(重量比)=60/40]を32.7g、
2,5−ノルボルナンジカルボン酸と2,6−ノルボル
ナンジカルボン酸の混合物[前者/後者(重量比)=6
0/40]を36.8g仕込み、触媒として酢酸亜鉛を
0.0044g添加した後、フラスコ内を窒素置換し、
攪拌しながら180℃まで徐々に昇温した。生成する水
を系外に留去しながら180℃で2時間反応を継続した
後、徐々に昇温しながら反応系内を減圧した。250
℃、0.5mmHgで3時間縮合反応を継続し、無色透
明のポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子
量は72000、ガラス転移温度は86℃、5%熱重量
減少温度は412℃であった。
【0039】実施例4 実施例3の2,5−ノルボルナンジメタノールと2,6
−ノルボルナンジメタノールの混合物にかえて、2,5
−ノルボルナンジメタノール9.84gと2,6−ノル
ボルナンジメタノール6.56gとtrans−1,4
−シクロヘキサンジメタノール1.626gの混合物を
用いた以外は、実施例3と同様の操作を行い、無色透明
のポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子量
は53000、ガラス転移温度は75℃、5%熱重量減
少温度は416℃であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1a) 【化1】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
    よい)で表される2,5−ノルボルナンジメタノール類
    及び下記式(1b) 【化2】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
    よい)で表される2,6−ノルボルナンジメタノール類
    から選択された少なくとも1種の化合物を含むジオール
    成分と、下記式(2a) 【化3】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
    よい)で表される2,5−ノルボルナンジカルボン酸類
    及び下記式(2b) 【化4】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
    よい)で表される2,6−ノルボルナンジカルボン酸類
    から選択された少なくとも1種の化合物を含むジカルボ
    ン酸成分との縮合により得られるポリエステル重合体。
  2. 【請求項2】 下記式(1a) 【化5】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
    よい)で表される2,5−ノルボルナンジメタノール類
    及び下記式(1b) 【化6】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
    よい)で表される2,6−ノルボルナンジメタノール類
    から選択された少なくとも1種の化合物を含むジオール
    成分と、下記式(2a) 【化7】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
    よい)で表される2,5−ノルボルナンジカルボン酸類
    及び下記式(2b) 【化8】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
    よい)で表される2,6−ノルボルナンジカルボン酸類
    から選択された少なくとも1種の化合物を含むジカルボ
    ン酸成分又はその反応性誘導体とを重縮合させることを
    特徴とするポリエステル重合体の製造法。
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