JP2001106882A - 液晶性ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いた成形体 - Google Patents

液晶性ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いた成形体

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JP2001106882A
JP2001106882A JP28560199A JP28560199A JP2001106882A JP 2001106882 A JP2001106882 A JP 2001106882A JP 28560199 A JP28560199 A JP 28560199A JP 28560199 A JP28560199 A JP 28560199A JP 2001106882 A JP2001106882 A JP 2001106882A
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crystalline polyester
structural formula
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Yukihiko Yamashita
幸彦 山下
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れ、強度、弾性率、低線膨張性の
異方性が低減された液晶性ポリエステル樹脂組成物並び
にこの樹脂組成物から得られるフィルム、シート等の成
形体を提供すること。 【解決手段】 下記液晶性ポリエステル樹脂(I)とポ
リエステル樹脂(II)とのブレンド又は、液晶性ポリエ
ステル樹脂(III)とポリエステル樹脂(IV)とのブレ
ンドからなる液晶性ポリエステル樹脂組成物とする。 (I)分子末端にカルボキシル基を有し、特定のジヒド
ロキシル体、ジカルボン酸、ヒドロキシ酸及びアミノア
ルコールからなる群から選ばれる化合物からなる液晶性
ポリエステル樹脂。 (II)特定の置換アミン又はヘテロ環骨格を分子骨格中
に有するポリエステル樹脂。 (III)特定の置換アミン又はヘテロ環骨格を分子末端
に有し、特定のジヒドロキシル体、ジカルボン酸、ヒド
ロキシ酸及びアミノアルコールからなる群から選ばれる
化合物からなる液晶性ポリエステル樹脂。 (IV)分子骨格中にカルボキシル基を有するポリエステ
ル樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶性ポリエステ
ル樹脂組成物及びそれを用いた成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶性ポリエステルは、溶融状態におい
て液晶状態を呈するために配向方向には高い弾性率と強
度、更には低い線膨張係数を有していることが知られて
いる。しかし、液晶ポリエステルに共通する問題点とし
て、配向方向と直角方向の上記の性能が著しく低いこと
及び射出成形によって成形品を得た場合に発生するウエ
ルドと呼ばれる溶融樹脂の合流部分の強度が著しく低い
こと更には、成形品表面が層状に剥離する欠点等が挙げ
られる。しかし、現在この問題点を解決する方法は知ら
れていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性に優
れ、強度、弾性率、低線膨張性の異方性が低減された液
晶性ポリエステル樹脂組成物並びにこの樹脂組成物から
得られるフィルム、シート等の成形体を提供することを
課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、液晶性ポリエ
ステルとポリエステルとの分子間に水素結合を導入する
ことにより、液晶性おポリエステルの高次構造や物性制
御が可能であることを見いだし、本発明を完成するに至
った。
【0005】即ち、本発明は、以下の通りである。 (1)下記液晶性ポリエステル樹脂(I)とポリエステ
ル樹脂(II)とのブレンド又は、液晶性ポリエステル樹
脂(III)とポリエステル樹脂(IV)とのブレンドから
なる液晶性ポリエステル樹脂組成物。 (I)分子末端に少なくとも1つ以上のカルボキシル基
を有し、化7で示される構造式A群のジヒドロキシル
体、化8で示される構造式B群のジカルボン酸、化9で
示される構造式C群のヒドロキシ酸及び化10で示され
る構造式D群のアミノアルコールからなる群から選ばれ
る化合物の少なくとも1種からなる液晶性ポリエステル
樹脂。 (II)化11で示される構造式E群から選ばれる置換さ
れていても良いアミン又は化12で示される及び構造式
F群から選ばれる少なくとも1つ以上のN原子を有する
ヘテロ環骨格の少なくとも1つを分子骨格中に有するポ
リエステル樹脂。 (III)上記構造式E群から選ばれる置換されていても
良いアミン又は構造式F群から選ばれる少なくとも1つ
以上のN原子を有するヘテロ環骨格の少なくとも1種を
分子末端に有し、上記構造式A群のジヒドロキシル体、
上記構造式B群のジカルボン酸体、上記構造式C群のヒ
ドロキシ酸及び上記構造式D群のアミノアルコールから
なる群から選ばれる化合物の少なくとも1種からなる液
晶性ポリエステル樹脂。 (IV)分子骨格中に少なくとも1つ以上のカルボキシル
基を有するポリエステル樹脂。
【0006】
【化7】
【0007】[式中、Xは水素原子、ハロゲン原子又は
アルキル基を、Yはハロゲン原子又はアルキル基を、R
はアルキレン基を示す。]
【0008】
【化8】
【0009】[式中、Yはハロゲン原子又はアルキル基
を、Rはアルキレン基を示す。]
【0010】
【化9】
【0011】[式中、Yはハロゲン原子又はアルキル基
を、Rはアルキレン基を示す。]
【0012】
【化10】
【0013】
【化11】
【0014】[式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞ
れ脂肪族系炭化水素基を示す。]
【0015】
【化12】
【0016】(2)上記液晶性ポリエステル樹脂(I)
と前記ポリエステル樹脂(II)とのブレンドからなる
(1)記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物。 (3)上記液晶性ポリエステル樹脂(III)と前記ポリ
エステル樹脂(IV)とのブレンドからなる(1)記載の
液晶性ポリエステル樹脂組成物。 (4)液晶性ポリエステル樹脂(I)又は(III)の液晶
相が、ネマチック又はスメクチックである(1)〜
(3)の何れか1つに記載の液晶性ポリエステル樹脂組
成物。 (5)ポリエステル樹脂組成物中の上記構造式D群から
選ばれる置換されていても良いアミン又は上記構造式E
群から選ばれる少なくとも1つ以上のN原子を有するヘ
テロ環骨格と、カルボキシル基とのモル量に換算した比
率が、0.1〜10.0である(1)〜(4)の何れか
1つに記載のポリエステル樹脂組成物。 (6)(1)〜(5)の何れか1つに記載のポリエステ
ル樹脂組成物からなる成形体。 (7)成形体がフィルムである(6)記載の成形体。 (8)成形体がシートである(6)記載の成形体。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。 <1>本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物に用いら
れる液晶性ポリエステル樹脂とポリエステル樹脂 (i)液晶性ポリエステル樹脂(I) 本発明における液晶性ポリエステル樹脂(I)は、分子
末端に少なくとも1つ以上のカルボキシル基を有し、上
記構造式A群のジヒドロキシル体、上記構造式B群のジ
カルボン酸、上記構造式C群のヒドロキシ酸及び上記構
造式D群のアミノアルコールからなる群から選ばれる化
合物の少なくとも1種からなる液晶性ポリエステル樹脂
(I)である。
【0018】構造式A群に示されるジヒドロキシル体化
合物として、より具体的には、ヒドロキノン、レソルシ
ノール、フェニルハイドロキノン、ナフタレンジオー
ル、ビフェニルジオール、アントラキノンジオール等の
芳香族ジオール;ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(ヒドロキシフェニル)エチル等のビス(ヒドロキ
シフェニル)アルキル;R(OH)2で表されるエチレ
ングリコール、プロパンジオール等の脂肪族ジオール化
合物[Rは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、
テトラメチレン基、オクチレン基等のC1〜C8アルキ
レン基を示す。];R(C64OH)2で表されるジオ
ール化合物[Rは、メチレン基、エチレン基、プロピレ
ン基、テトラメチレン基、オクチレン基等のC1〜C8
アルキレン基を示す。]及びこれらのハロゲン又はアル
キル置換誘導体(式中XまたはYで示す。)が挙げられ
る。
【0019】X及びYのハロゲン原子としては、フッ
素、塩素、臭素、沃素等が挙げられる。また、Xまたは
Yで表されるアルキル基としては、C2〜C8のアルキ
ル基が挙げられ、好ましくは、エチル基、プロピル基で
ある。
【0020】構造式B群に示されるジカルボン酸化合物
として、より具体的には、テレフタル酸、イソフタル
酸、オキシビス(安息香酸)、ホモフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ジフェノキ
シエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等;R
(COOH)2で表されるマロン酸、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸[Rは、メチ
レン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン
基、オクチレン基等のC1〜C8のアルキレン基を示
す。];ベンゼントリカルボン酸無水物;及びこれらの
ハロゲン又はアルキル置換誘導体(式中Yで示す。)が
挙げられる。
【0021】Yのハロゲン原子としては、フッ素、塩
素、臭素、沃素等が挙げらる。また、Yで表されるアル
キル基としては、C2〜C8のアルキル基が挙げられ、
好ましくは、エチル基、プロピル基である。
【0022】構造式C群に示されるヒドロキシ酸化合物
として、より具体的には、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロ
キシナフトエ酸、ヒドロキシケイ皮酸等の芳香族ヒドロ
キシカルボン酸類;ROH(COOH)で表されるグリ
コール酸、エチレン乳酸等の脂肪族ヒドロキシ酸[R
は、メチレン基、エチレン基、オクチレン基等のC1〜
C8のアルキル基を示す。];及びこれらのハロゲン又
はアルキル置換誘導体(式中Yで示す。)が挙げられ
る。
【0023】Yのハロゲン原子としては、フッ素、塩
素、臭素、沃素等が挙げられる。また、Yで表されるア
ルキル基としては、C2〜C8のアルキル基が挙げら
れ、好ましくは、エチル基、プロピル基である。
【0024】構造式D群に示されるアミノアルコール化
合物としては、p-アミノフェノール、m-アミノフェノー
ル等及びこれらのアルキル基又はハロゲン置換体が挙げ
られる。
【0025】構造式A〜D群に示される上記化合物の少
なくとも1種からなり、分子末端にカルボキシル基を有
する液晶性ポリエステル(I)の製造方法は、まず、構
造式A〜D群に示される化合物を任意に選択し、通常の
液晶性ポリエステルと同様に、例えば、以下に説明する
溶融重縮合、溶液重縮合、界面重縮合等の合成方法で反
応させ、分子末端にカルボキシル基を導入するための液
晶性ポリエステルを得た後に、分子末端にカルボキシル
基を導入する。
【0026】溶融重縮合では、例えば、構造式A群から
選ばれるジオール化合物を通常の方法でアセチル化した
後、構造式B群から選ばれるジカルボン酸と触媒を用い
て、加熱しながら脱酢酸反応させることが好ましい。こ
のとき用いることができる触媒としては、酢酸亜鉛、ト
リブチル錫等を挙げることができるが、これらに制限さ
れるものではない。
【0027】溶液重縮合では、例えば、構造式A群から
選ばれるジオール化合物を溶媒に溶解させた後、構造式
B群から選ばれるジカルボン酸化合物を通常の方法で酸
クロライド化合物としたものを添加し、塩酸捕捉剤を用
いて、脱塩酸反応させることが好ましい。このとき用い
ることができる溶媒としては、N,N-ジメチルアセトアミ
ド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルアセトア
ミド、N,N-ジメチルメトキシアセトアミド、N-メチル-2
-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-メ
チルカプロラクタム、1,2-ジメトキシエタン、ビス(2-
メトキシエチル)エーテル、1,2-ビス(2-メトキシエト
キシ)エタン、ビス(2-(2-メトキシエトキシ)エチル)
エーテル、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,4-
ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチ
ルホスホルアミド等を挙げることができるが、これらに
制限されるものではなく、これらの単独又は2種以上を
併用してもよい。塩酸捕捉剤としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、カリウム-ter
t-ブトキシド、ナトリウム-tert-ブトキシド、ピリジ
ン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチ
ルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-エチルアニリ
ン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が挙げら
れる。
【0028】界面重縮合では、例えば、水中に水酸化ナ
トリウム等のアルカリ及び構造式A群から選ばれるジオ
ール化合物を溶解させ、更に、相間移動触媒を添加した
後、水に難溶である有機溶媒に、構造式B群から選ばれ
るジカルボン酸化合物の酸クロライド化合物を溶解さ
せ、この溶液を投入して脱塩酸反応によって製造するこ
とができる。用いることのできる相間移動触媒には、ベ
ンジルテトラエチルアンモニウムクロライドを挙げるこ
とができる。用いることができる有機溶媒としては、ト
ルエン、キシレン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、塩化
メチレン、テトラクロロエタン、イソブチルメチルケト
ン、ジブチルケトン、ジブチルエーテル等を挙げること
ができるが、これらに制限されるものではない。また、
これらは併用して用いることもできる。
【0029】また、上記構造式A群から選ばれるジオー
ル化合物の代わりに構造式D群から選ばれるアミノアル
コール化合物を用いることも可能である。または、上記
ジカルボン酸化合物とジオール化合物の代わりに構造式
C群から選ばれるヒドロキシ酸を上記方法に用いること
も可能である。
【0030】上記方法で分子末端にカルボキシル基を導
入するための液晶性ポリエステルの原料である単量体が
消費された後、カルボキシル基を1分子中に2個以上有
する酸成分を反応系に添加することによって製造するこ
とができる。分子末端にカルボキシル基を導入するため
に用いる酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、3,4,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸、3,4,3',
4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、琥珀酸等及びこ
れらの酢酸エステルを挙げることができるが、これらに
制限されるものではない。また、これらを2種以上併用
することもできる。分子末端にカルボキシル基を導入す
るために用いられる酸成分の使用量としては、液晶性ポ
リエステルに対し、0.05〜20モル%が好ましい。 (ii)ポリエステル樹脂(II) 本発明におけるポリエステル樹脂(II)は、上記構造式
E群から選ばれる置換されていても良いアミン(以下、
「置換アミン」ともいう。)又は上記構造式F群から選
ばれる少なくとも1つ以上のN原子を有するヘテロ環骨
格を少なくとも1つ分子骨格中に有するポリエステル樹
脂である。
【0031】ポリエステル樹脂(II)は、上記構造式E
群から選ばれる置換アミンもしくは上記構造式F群から
選ばれる少なくとも一つ以上のN原子を有するヘテロ環
骨格を有しているジカルボン酸化合物と通常のポリエス
テル樹脂の製造に用いられるジオール化合物を反応させ
るか、又は上記構造式E群から選ばれる置換アミンもし
くは上記構造式F群から選ばれる少なくとも一つ以上の
N原子を有するヘテロ環骨格を有しているジオール化合
物と通常のポリエステル樹脂の製造に用いられるジカル
ボン酸化合物を反応させることによって、製造すること
ができる。また、ジカルボン酸化合物とジオール化合物
の両方が、上記構造式E群から選ばれる置換アミンもし
くは上記構造式F群から選ばれる少なくとも一つ以上の
N原子を有するヘテロ環骨格を有していても良い。
【0032】置換されていても良いアミンは、特に制限
されないが、構造式E群から選ばれるアミンが挙げら
れ、置換基としては、R1、R2、R3、R4やフェニル基
が挙げられる。式中のR1、R2、R3は、同一であって
も異なっていても良い1価の脂肪族系炭化水素基であ
り、C1〜C8のアルキル基、C2〜C8のアルケニル
基、C2〜C8のアルキニル基が挙げられ、これらは、
フェニル基、ベンジル基、アルキルエーテル基等の置換
基を有していても良い。R4はC1〜C8のアルキレン
基、C2〜C8のアルケニレン基等の2価の脂肪族系炭
化水素基が挙げられる。
【0033】このような置換アミンとして具体的には、
メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチル
アミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族系アミン、フ
ェニルアミン、ベンジルアミン等の芳香族系アミン、
(アミノフェニル)エタン、(アミノフェニル)エチレン、
(アミノフェニル)エチン、(アミノベンジル)エタン、
(アミノベンジル)エチレン、(アミノベンジル)エチン等
の脂肪族置換芳香族系アミン、(フェニルエチル)アミ
ン、(フェノキシエチル)アミン、(ベンジルエチル)アミ
ン等の芳香族置換脂肪族系アミン、ジメチルアミン、ジ
エチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ
シクロヘキシルアミン等の脂肪族の2級アミン、ジフェ
ニルアミン、ジベンジルアミン等の芳香族の2級アミ
ン、メチルフェニルアミン、エチルフェニルアミン、プ
ロピルフェニルアミン、ブチルフェニルアミン等を、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、ジ
メチルエチルアミン等の脂肪族アミン、ジメチルフェニ
ルアミン、ジエチルフェニルアミン、ジプロピルフェニ
ルアミン、ジブチルフェニルアミン等の芳香族置換脂肪
族系アミン等が挙げられる。
【0034】また、上記ヘテロ環骨格は、少なくとも一
つ以上のN原子を有するヘテロ環骨格であれば、特に制
限されないが、構造式F群から選ばれる基本骨格を有す
る原子団が挙げられる。具体的には、イミダゾール、ピ
ラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジ
ン、ピラジン、ピリミジン、イソドリジン、3H-インド
ール、1H-インダゾール、プリン、4H-キノリジン、キノ
リン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナ
ゾリン、シンノリン、プテリジン、4aH-カルバゾール、
β-カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ペリ
ミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジ
ン、フラザン、ベンズ[h]イソキノリン、7H-ピラジノ
[2,3-c]カルバゾール、5H-ピリド[2,3-d]O-オキサジ
ン、1H-ピラゾロ[4,3-d]オキサゾール、4H-イミダゾロ
[4,5-d]イミアゾール、セレナゾロ[5,4-f]ベンゾチアゾ
ール、ピラジノ[2,3-d]ピリダジン、イミダゾロ[2,1-b]
チアゾール、フロ[3,4-c]シンノリン、4H-ピリド[2,3-
c]カルバゾール、4H[1,3]オキサチオロ[5,4-b]ピロー
ル、イミダゾロ[1,2-b][1,2,4]トリアジン、ピリド[1',
2':1,2]イミダゾロ[4,5-b]キノキサリン、4H-1,3ジオキ
ソロ[4,5-d]イミダゾール等が挙げられる。
【0035】上記構造式E群から選ばれる置換アミン又
は上記構造式F群から選ばれるヘテロ環骨格を有するジ
カルボン酸化合物には、例えば、上記構造式E群又は上
記構造式F群から選ばれる基本骨格の構造の一部にジカ
ルボキシル基を有する化合物を用いることができるが、
これらは、市販されているものを使用するか、又は上記
構造式E群から選ばれる適当な置換アミン又は上記構造
式F群から選ばれる適当なヘテロ環を有する化合物を通
常知られている方法、例えば、これらに紫外光または鉄
等の触媒を用いて臭素化合物を合成する。これにシアン
化ナトリウムを加え、臭素をシアノ基に置換した後、硫
酸等の触媒存在下に加水分解することによってカルボキ
シル基に変換することにより得ることができる。
【0036】これらの単独又は2種以上を併用すること
もでき、また1つのジカルボン酸化合物に上記構造式E
群又は上記構造式F群から選ばれる2個以上の基本骨格
を有しているものを使用することもできるが、これらに
制限されるものではない。
【0037】上記構造式E群から選ばれる置換アミン又
は上記構造式F群から選ばれるヘテロ環骨格を有するジ
オール化合物としては、例えば、上記構造式E群又は上
記構造式F群から選ばれる構造の一部にジオール基を有
する化合物を用いることができるが、これらは、市販さ
れているものを使用するか、又は上記構造式E群から選
ばれる適当な置換アミン又は上記構造式F群から選ばれ
る適当なヘテロ環を有する化合物を通常知られている方
法、例えば、プロペンを硫酸触媒下に付加させた後、ベ
ンゾイルパーオキシドと酸素で処理することによって、
クメンヒドロペルオキシドを発生させた後、硫酸を加え
ることによりジオール化合物を得ることができる。
【0038】これらの単独又は2種以上を併用すること
もでき、また1つのジオール化合物に上記構造式E群又
は上記構造式F群から選ばれる2個以上の基本骨格を有
しているものを使用することもできるが、これらに制限
されるものではない。
【0039】通常のポリエステル樹脂の製造に用いられ
るジカルボン酸化合物としては、特に制限はないが、例
えば、構造式B群から選ばれるジカルボン酸が挙げら
れ、これらを2種以上併用することもできる。
【0040】また、通常のポリエステル樹脂の製造に用
いられるジオール化合物としては、特に制限はないが、
構造式A群から選ばれるジオールが挙げられ、これらを
2種以上併用することもできる。
【0041】本発明におけるポリエステル樹脂の合成方
法には特に制限はないが、溶融重縮合、溶液重縮合、界
面重縮合が好ましい。溶融重縮合では、上記の適当なジ
オール化合物をアセチル化した後、触媒を用いて、加熱
しながら脱酢酸反応させることが好ましい。このとき用
いる触媒としては、(i)に例示したものが挙げられ
る。
【0042】溶液重縮合では、上記適当なジオール化合
物を溶媒に溶解させた後、上記適当なジカルボン酸化合
物の酸クロライド化合物を添加し、塩酸捕捉剤を用い
て、脱塩酸反応させることが好ましい。用いることがで
きる塩酸捕捉剤及び溶媒としては、(i)に例示したも
のが挙げられる。
【0043】界面重縮合では、水中に水酸化ナトリウム
等のアルカリ及び上記適当なジオール化合物を溶解さ
せ、更に、相間移動触媒を添加した後、水に難溶である
有機溶媒に、上記適当なジカルボン酸化合物の酸クロラ
イド化合物を溶解させ、この溶液を投入して脱塩酸反応
によって製造することができる。用いることのできる相
間移動触媒としては、(i)に例示したものが挙げられ
る。 (iii)液晶性ポリエステル樹脂(III) 本発明における液晶性ポリエステル樹脂(III)は、上
記構造式E群から選ばれる置換アミン又は構造式F群か
ら選ばれる少なくとも1つ以上のN原子を有するヘテロ
環骨格の少なくとも1種を分子末端に有し、上記構造式
A群のジヒドロキシル体、上記構造式B群のジカルボン
酸、上記構造式C群のヒドロキシ酸及び上記構造式D群
のアミノアルコールからなる群から選ばれる化合物の少
なくとも1種からなる液晶性ポリエステル樹脂である。
【0044】液晶性ポリエステル樹脂(III)は、ま
ず、構造式A〜D群に示される化合物を任意に選択し、
通常の液晶性ポリエステルと同様に反応させ、分子末端
に置換アミン又はヘテロ環骨格を有する化合物を導入す
るための液晶性ポリエステルを得た後に、分子末端に置
換アミン又はヘテロ環骨格を導入することにより得られ
る。
【0045】分子末端に上記置換アミン又は上記ヘテロ
環骨格を有する化合物を導入するための液晶性ポリエス
テルは、上記(i)記載の液晶性ポリエステル(I)の分
子末端にカルボキシル基を導入する前の液晶性ポリエス
テルと同様に得ることができる。
【0046】即ち、液晶性ポリエステル樹脂(III)
は、(i)の液晶性ポリエステルと同様に適当な単量体
を、例えば、溶融重縮合、溶液重縮合、界面重縮合等の
合成方法で反応させ、単量体が消費した後、上記置換ア
ミン又は上記ヘテロ環骨格を有するカルボン酸化合物を
添加することにより、得ることができる。
【0047】上記置換アミン又は上記ヘテロ環骨格を有
するカルボン酸化合物は、上記構造式E群又は上記構造
式F群から選ばれる基本骨格の構造の一部にカルボキシ
ル基を有する化合物又はこれらの酢酸エステルを用いる
ことができるが、これらは、市販されているものを使用
するか、又は上記構造式E群から選ばれる適当な置換ア
ミン又は上記構造式F群から選ばれる適当なヘテロ環を
有する化合物を通常知られている方法、例えば、これら
に紫外光または鉄等の触媒を用いて、臭素化合物を合成
する。これにシアン化ナトリウムを加えシアノ基に置換
した後、硫酸等の触媒存在下で加水分解することによっ
てカルボキシル基に変換することにより得ることができ
る。 (iv)ポリエステル樹脂(IV) 本発明におけるポリエステル樹脂(IV)は、分子骨格中
に少なくとも1つ以上のカルボキシル基を有するポリエ
ステル樹脂である。
【0048】分子骨格中に少なくとも一つ以上のカルボ
キシル基を有するポリエステル樹脂(IV)の製造は、例
えば、トリカルボン酸無水物もしくはテトラカルボン酸
無水物とジオール化合物を反応させるか、又はカルボキ
シル基を有するジオール化合物とジカルボン酸ジクロラ
イドを反応させること等によって製造することができ
る。
【0049】用いることができるトリカルボン酸無水物
又はテトラカルボン酸無水物には、トリメリット酸無水
物、ピロメリット酸無水物、3,4,3',4'-ビフェニルテト
ラカルボン酸無水物、3,4,3',4'-ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸無水物等を挙げることができるが、これらに
制限されるものではない。また、これらを2種以上併用
することもできる。
【0050】用いることができるカルボキシル基を有す
るジオール化合物には、ジヒドロキシ安息香酸を挙げる
ことができるが、これに制限されるものではない。用い
ることができるジカルボン酸ジクロライドは、例えば、
構造式B群から選ばれるジカルボン酸を通常の方法で酸
クロライド化した化合物を挙げることができるが、これ
らに制限されるものではない。また、これらを2種以上
併用することもできる。
【0051】本発明におけるポリエステル樹脂(IV)の
合成方法には特に制限はなく、通常のポリエステル樹脂
の合成法により実施することができるが、上記溶融重縮
合、溶液重縮合、界面重縮合が好ましい。 <2>本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物及びその
製造方法 本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物は、上記液晶性
ポリエステル樹脂(I)及び上記ポリエステル樹脂(I
I)とをブレンド、又は上記液晶性ポリエステル樹脂(I
II)及び上記ポリエステル樹脂(IV)とをブレンドする
ことによって製造することができる。
【0052】本発明における液晶ポリエステル樹脂
(I)は、上記(i)記載の液晶ポリエステル樹脂(I)
から選ばれる任意の1種又は2種以上の混合物を用いる
ことができる。液晶ポリエステル(III)及びポリエス
テル樹脂(II)、(IV)も同様に、上記(ii)、(ii
i)、(iv)それぞれに記載のものから選ばれる、任意
の1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
【0053】また、本発明においては、ポリエステル樹
脂組成物中の上記構造式E群から選ばれる置換されてい
ても良いアミン又は構造式F群から選ばれる少なくとも
1つ以上の窒素原子を有するヘテロ環骨格と、カルボキ
シル基のモル量に換算した比率が、1:0.1〜1:1
0.0であることが好ましく、1:0.5〜1:3.0
であることがより好ましい。ヘテロ環骨格とカルボキシ
ル基の量関係はいずれが多くなってもかまわないが、そ
の比率が0.1%未満であるか10.0を越えると本発
明の効果が失われる傾向がある。
【0054】本発明における液晶性ポリエステル樹脂
(I)及び(III)の液晶相は、ネマチック又はスメクチ
ックであることが好ましい。また、これらのポリエステ
ル樹脂は、サーモトロピック液晶であることが特に好ま
しい。液晶相を発現する温度域には、特に制限はない。
液晶相が、ネマチック又はスメクチック以外の相である
と、本発明の効果が失われる傾向がある。
【0055】本発明における、液晶性ポリエステル樹脂
(I)及びポリエステル樹脂(II)、又は液晶性ポリエ
ステル樹脂(III)及びポリエステル樹脂(IV)のブレ
ンド方法には特に制限はないが、例えば、これらを粉体
状で混合し、加熱溶融しながら、溶融混練することで均
一に混合することができる。
【0056】加熱溶融の温度としては、混合するための
液晶性ポリエステル樹脂及びポリエステル樹脂にもよる
が、100〜400℃が好ましい。また、有機溶媒にこ
れらの樹脂を溶解した後、溶媒を除去することによっ
て、混合することもできる。樹脂組成物の製造に用いる
有機溶媒としては、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジ
メチルホルムアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-
ジメチルメトキシアセトアミド、N-メチル-2-ピロリド
ン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-メチルカプ
ロラクタム、1,2-ジメトキシエタン、ビス(2-メトキシ
エチル)エーテル、1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エ
タン、ビス(2-(2-メトキシエトキシ)エチル)エーテ
ル、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキ
サン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジ
メチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホス
ホルアミド等を挙げることができるが、これらに制限さ
れるものではなく、これらの単独又は2種以上を併用し
てもよい。
【0057】混合に用いる溶媒量は、上記2種の樹脂成
分が均一に溶解すれば、特に制限はないが、溶媒に対す
る上記2種の樹脂量が、1〜50重量%が好ましい。上
記溶液をガラス板等上に流延し、溶媒をホットプレート
又は恒温槽等を用いて加熱除去することにより得ること
が出来る。溶媒除去のための加熱温度と加熱時間として
は、用いる溶媒によっても異なるが、加熱温度は、80
〜350℃であり、加熱時間としては、1〜12時間が
挙げられる。
【0058】本発明における液晶性ポリエステル樹脂組
成物には、熱硬化性樹脂、、充填材を発明の目的を損な
わない程度に添加することができる。熱硬化性樹脂とし
ては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂等を挙げることができる。充填材としては、ケ
イ石粉、二硫化モリブデン、フッ素樹脂、炭素繊維、ガ
ラス繊維、炭化ケイソ繊維、チタン酸カリウムウイスカ
ー、芳香族ポリアラミド繊維、アルミナ繊維、硼酸アル
ミニウムウイスカー、カーボンウイスカー、金属繊維、
セラミック繊維、三酸化アンチモン、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ、硫酸バ
リウム、メタケイ酸カルシウム、鉄粉、亜鉛粉、アルミ
ニウム粉、銅粉、ポリベンゾイミダゾール樹脂、シリコ
ーン樹脂、ガラスビーズ、タルク、ケイ藻土、アルミ
ナ、シラスバルーン、水和アルミナ、各種金属酸化物、
着色剤、離型剤、各種安定剤、各種可塑剤等を挙げるこ
とができる。 <3>本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物の成形体 本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物は、成形材、フ
ィルム及びシートに加工することがでる。本発明におい
て、フィルムとは厚さ0.1mm未満のシート状成形体をい
い、シートとは厚さ0.1〜2mm程度のシート状成形体をい
う。本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物は、耐熱性
に優れ、強度、弾性率、低線膨張性等の異方性が低減さ
れ、半導体関連材料、又は、塗料、感光性樹脂、接着
剤、医用材料、固体燃料バインダー、2時電池固体電解
質バインダー、耐熱構造材料、自動車用耐熱成形材料等
への適用が可能である。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて更に具体的に
説明する。なお、実施例は本発明の具体的態様を例示す
るものであり、本発明の範囲はこれらに限定されるもの
ではない。なお、実施例にて用いた評価法は以下の通り
である。 1)ガラス転移温度(Tg) 岩本製作所製動的粘弾性スペクトロメーター、VES-F型
を用いた。試料は、溶融プレスによって得た厚さ約2mm
のシートを、幅20mm、長さ20mmの試験片を切り出し、こ
のシートを融点にて約30%延伸したシートを試験片とし
て測定に用いた。測定は30℃〜300℃にかけて、昇温速
度3℃/分、チャック間距離10mm、周波数10Hz、変位2μm
にて行い、tanδがピークトップを示した温度をTgと
した。 2)引張り特性 島津製作所製AGS-1000Gオートグラフを用いて測定し
た。試料は、溶融プレスによって得た厚さ約2mmのシー
トを、幅20mm、長さ20mmの試験片を切り出し、このシー
トを融点にて約30%延伸したシートを試験片として測定
に用いた。この試験片を用いて初期チャック間距離20m
m、引張り速度1.0mm/分で25℃にて引張り試験を行い、
引張り強度、引張り弾性率を算出した。 3)線膨張係数 SEIKO電子製 SSC/5200を用いて測定した。試料は、溶
融プレスによって得た厚さ約2mmのシートを、幅20mm、
長さ20mmの試験片を切り出し、このシートを融点にて約
30%延伸したシートを試験片として測定に用いた。加熱
速度は5℃/minで行った。測定温度は100℃〜200℃の
範囲で測定した。 4)層状剥離の観察 溶融プレスによって得た厚さ約2mmのシートを、幅20m
m、長さ20mmの試験片を切り出し、このシートを融点に
て約30%延伸したシートを試験片として、表層剥離のし
やすさを目視にて観察した。
【0060】
【実施例1】<1>液晶性ポリエステル(I)の合成 200ml四口フラスコにジムロート、窒素導入官、撹拌翼
を取り付け、エチレングリコールジアセテート14.6g(0.
1mol)、テレフタル酸17.4g(0.105mol)、酢酸亜鉛3.3gを
秤取し、減圧下に徐々に加熱しながら攪拌した。エチレ
ングリコールジアセテートを環流させながら約195℃に
て3時間攪拌した。その後、温度を280℃まで昇温し、ア
セトキシ安息香酸68.5g(0.38mol)を添加し、280℃にて
約5時間攪拌し、目的の液晶性ポリエステル(I)を得
た。 <2>ポリエステル(II)の合成 200ml四口フラスコにジムロート、窒素導入官、撹拌翼
を取り付け、1,1,2,2,-テトラクロロエタン100g、2,6-
ジメチロールピリジン14.1g(0.1mol)及びトリエチルア
ミン25.3g(0.25mol)を加えて溶解した。その後、室温に
て、テレフタル酸クロライド20.3g(0.1mol)を1,1,2,2,-
テトラクロロエタン20gに溶解させた溶液を添加した。
攪拌しながら30分間室温を維持した後、60℃まで昇温
し、同温度を保持したまま2時間攪拌した。この溶液を1
000mlのメタノール中に投入し、固体を析出させた。得
られた固体をメタノール500mlで3回洗浄し、減圧下に乾
燥して目的のポリエステル(II)を得た。 <3>液晶性ポリエステル樹脂組成物シートの作製 上記<1>及び<2>で得られた液晶性ポリエステル
(I)9.0g及びポリエステル(II)1.0gを約260℃にて溶
融混練したものを260℃にて加熱プレスし、シート状に
加工した。このシートを240℃にて30%延伸し、試験片と
した。この試験片の物性を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【実施例2】<1>液晶性ポリエステル(III)の合成 200ml四口フラスコにジムロート、窒素導入官、撹拌翼
を取り付け、エチレングリコールジアセテート14.6g(0.
1mol)、テレフタル酸33.2g(0.2mol)、フェニルハイドロ
キノンジアセテート29.7g(0.11mol)、酢酸亜鉛3.3gを秤
取し、減圧下に徐々に加熱しながら攪拌した。エチレン
グリコールジアセテートを環流させながら約195℃に
て3時間攪拌した。その後、温度を280℃まで昇温し、
ピリジルアセチックアシッド0.57g(0.004mol)を添加
し、280℃にて約5時間攪拌し、目的の液晶性ポリエステ
ル(III)を得た。 <2>ポリエステル(IV)の合成 200ml四口フラスコにジムロート、窒素導入官、撹拌翼
を取り付け、1M水酸化ナトリウム水溶液80g、3,5-ジ
ヒドロキシ安息香酸5.4g(0.035mol)を投入し、これに、
テレフタル酸クロライド5.8g(0.035mol)を1,1,2,2,-テ
トラクロロエタン80gに溶解した溶液を、室温にて一度
に加え30分間攪拌した。この反応混合物を静置し、油層
と水層に分離した。油層を1000mlのメタノールに投入
し、固体を析出させた。得られた固体をメタノール500m
lで3回洗浄し、減圧下に乾燥して目的のポリエステル
(IV)を得た。 <3>液晶性ポリエステル樹脂組成物シートの作製 上記<1>及び<2>で得られた液晶性ポリエステル
(III)9.0g及びポリエステル(IV)1.0gを約260℃にて
溶融混練したものを260℃にて加熱プレスし、シート状
に加工した。このシートを240℃にて30%延伸し、試験片
とした。この試験片の物性を表1に示す。
【0063】
【比較例1】<1>液晶性ポリエステル(I)の合成 200ml四口フラスコにジムロート、窒素導入官、撹拌翼
を取り付け、エチレングリコールジアセテート14.6g(0.
1mol)、テレフタル酸17.4g(0.105mol)、酢酸亜鉛3.3gを
秤取し、減圧下に徐々に加熱しながら攪拌した。エチレ
ングリコールジアセテートを環流させながら約195℃に
て3時間攪拌した。その後、温度を280℃まで昇温し、ア
セトキシ安息香酸68.5g(0.38mol)を添加し、280℃にて
約5時間攪拌し、目的の液晶性ポリエステル(I)を得
た。 <3>液晶性ポリエステル樹脂組成物シートの作製 上記<1>で得られた液晶性ポリエステル(I)10.0gを
約260℃にて溶融混練したものを260℃にて加熱プレス
し、シート状に加工した。このシートを240℃にて30%延
伸し、試験片とした。この試験片の物性を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
【比較例2】<1>液晶性ポリエステル(I)の合成 200ml四口フラスコにジムロート、窒素導入官、撹拌翼
を取り付け、エチレングリコールジアセテート14.6g(0.
1mol)、テレフタル酸17.4g(0.105mol)、酢酸亜鉛3.3gを
秤取し、減圧下に徐々に加熱しながら攪拌した。エチレ
ングリコールジアセテートを環流させながら約195℃に
て3時間攪拌した。その後、温度を280℃まで昇温し、ア
セトキシ安息香酸68.5g(0.38mol)を添加し、280℃にて
約5時間攪拌し、目的の液晶性ポリエステル(I)を得
た。 <2>ポリエステル(A)の合成 200ml四口フラスコにジムロート、窒素導入官、撹拌翼
を取り付け、1M水酸化ナトリウム水溶液80g、3,5-ジ
ヒドロキシベンゼン3.9g(0.035mol)を投入し、これに、
テレフタル酸クロライド5.8g(0.035mol)を1,1,2,2,-テ
トラクロロエタン80gに溶解した溶液を室温にて一度に
加え30分間攪拌した。この反応混合物を静置し、油層と
水層に分離した。油層を1000mlのメタノールに投入し、
固体を析出させた。得られた固体をメタノール500mlで3
回洗浄し、減圧下に乾燥して目的のポリエステル(A)
を得た。
【0066】得られた液晶性ポリエステル(I)9.0gと
ポリエステル(A)1.0gを約260℃にて溶融混練したものを
260℃にて加熱プレスし、シート状に加工した。このシ
ートを240℃にて30%延伸し、試験片とした。この試験片
の物性を表2に示す。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性に優れ、強度、
弾性率、低線膨張性の異方性が低減された液晶性ポリエ
ステル樹脂組成物並びにこの樹脂組成物から得られるフ
ィルム、シート等の成形体を提供することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記液晶性ポリエステル樹脂(I)とポ
    リエステル樹脂(II)とのブレンド又は、液晶性ポリエ
    ステル樹脂(III)とポリエステル樹脂(IV)とのブレ
    ンドからなる液晶性ポリエステル樹脂組成物。 (I)分子末端に少なくとも1つ以上のカルボキシル基
    を有し、化1で示される構造式A群のジヒドロキシル
    体、化2で示される構造式B群のジカルボン酸、化3で
    示される構造式C群のヒドロキシ酸及び化4で示される
    構造式D群のアミノアルコールからなる群から選ばれる
    化合物の少なくとも1種からなる液晶性ポリエステル樹
    脂。 (II)化5で示される構造式E群から選ばれる置換され
    ていても良いアミン又は化6で示される及び構造式F群
    から選ばれる少なくとも1つ以上のN原子を有するヘテ
    ロ環骨格の少なくとも1つを分子骨格中に有するポリエ
    ステル樹脂。 (III)前記構造式E群から選ばれる置換されていても
    良いアミン又は構造式F群から選ばれる少なくとも1つ
    以上のN原子を有するヘテロ環骨格の少なくとも1種を
    分子末端に有し、前記構造式A群のジヒドロキシル体、
    前記構造式B群のジカルボン酸、前記構造式C群のヒド
    ロキシ酸及び前記構造式D群のアミノアルコールからな
    る群から選ばれる化合物の少なくとも1種からなる液晶
    性ポリエステル樹脂。 (IV)分子骨格中に少なくとも1つ以上のカルボキシル
    基を有するポリエステル樹脂。 【化1】 [式中、Xは水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基
    を、Yはハロゲン原子又はアルキル基を、Rはアルキレ
    ン基を示す。] 【化2】 [式中、Yはハロゲン原子又はアルキル基を、Rはアル
    キレン基を示す。] 【化3】 [式中、Yはハロゲン原子又はアルキル基を、Rはアル
    キレン基を示す。] 【化4】 【化5】 [式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ脂肪族系炭
    化水素基を示す。] 【化6】
  2. 【請求項2】 前記液晶性ポリエステル樹脂(I)と前
    記ポリエステル樹脂(II)とのブレンドからなる請求項
    1記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記液晶性ポリエステル樹脂(III)と
    前記ポリエステル樹脂(IV)とのブレンドからなる請求
    項1記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 液晶性ポリエステル樹脂(I)又は(II
    I)の液晶相が、ネマチック又はスメクチックである請
    求項1〜3の何れか1項に記載の液晶性ポリエステル樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 ポリエステル樹脂組成物中の上記構造式
    D群から選ばれる置換されていても良いアミン又は上記
    構造式E群から選ばれる少なくとも1つ以上のN原子を
    有するヘテロ環骨格と、カルボキシル基とのモル量に換
    算した比率が、0.1〜10.0である請求項1〜4の
    何れか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項に記載のポリ
    エステル樹脂組成物からなる成形体。
  7. 【請求項7】 成形体がフィルムである請求項6記載の
    成形体。
  8. 【請求項8】 成形体がシートである請求項6記載の成
    形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001261946A (ja) * 2000-03-14 2001-09-26 Polyplastics Co 液晶性ポリマー組成物および成形方法
JP2003109700A (ja) * 2001-09-28 2003-04-11 Sumitomo Chem Co Ltd コネクター用液晶性ポリエステル樹脂組成物、およびコネクター
CN110181829A (zh) * 2019-05-27 2019-08-30 陈祚 一种液晶聚酯薄膜工业生产工艺

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