JPH04249528A - 溶融安定性に優れた液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミドおよびそれらの製造方法 - Google Patents

溶融安定性に優れた液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミドおよびそれらの製造方法

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JPH04249528A
JPH04249528A JP41631490A JP41631490A JPH04249528A JP H04249528 A JPH04249528 A JP H04249528A JP 41631490 A JP41631490 A JP 41631490A JP 41631490 A JP41631490 A JP 41631490A JP H04249528 A JPH04249528 A JP H04249528A
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JP41631490A
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Kenji Yoshino
吉 野 健 司
Masahiro Wakui
涌 井 正 浩
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ポリエステルまた
は液晶ポリエステルアミドおよびそれらの製造方法に関
し、特に分子鎖の両末端が安定な芳香族基で封止されて
いるため、溶融時に、酢酸などの脂肪酸の発生がなく、
加水分解による粘度低下・重合の進行による粘度上昇の
溶融粘度変化がなく、かつ溶融時の熱劣化が少い、湿熱
安定性と溶融安定性に優れた液晶ポリエステルまたは液
晶ポリエステルアミドおよびそれらの製造方法に関する
【0002】
【従来の技術】液晶ポリエステルおよび液晶ポリエステ
ルアミド(以下、両者をまとめてLCPと略す)は、成
形性、寸法安定性、耐熱性、機械的強度、耐薬品性、振
動減衰性に優れるため、これらの特長を生かした分野に
利用されている。このLCPは溶融粘度が極めて低く、
攪拌が容易かつ低分子化合物の除去が容易であるため、
溶融重合により製造できる。
【0003】しかし、この溶融重合によっても、芳香族
フェノール類は熱に対して不安定で、熱劣化を起こしや
すいため、直接重合あるいはカルボン酸のエステル化合
物と芳香族フェノール類との重縮合は難しい。そこで、
現在、LCPの製造は、芳香族フェノール類と脂肪酸と
のエステル化合物を芳香族カルボン酸とエステル交換反
応させ、生成する脂肪酸を除去しながら溶融重合する方
法によって行われるのが一般的である。
【0004】しかし、このエステル交換反応による方法
は、得られるLCPの分子鎖末端に必ず反応性基が残る
ため、以下に示すような溶融安定性に劣る欠点があった
。 (1)押出混練や射出成形などの溶融時に重合が進行し
てしまい、生成する脂肪酸が、ボイド、フラッシュ、シ
ルバーストリークなどの成形品の外観不良、金型腐食を
起こす原因となる。また、電気・電子部品に使われるL
CP成形品では、高熱にさらされると固相重合を起こし
、発生する脂肪酸で回路が損傷を受ける。
【0005】(2)押出混練や射出成形などの溶融時ま
たはLCP成形品が湿熱環境下に置かれると、加水分解
を起こし、機械的強度、耐熱性などの物性が著しく低下
する。 (3)溶融時に分子鎖末端にある不安定な基が、脱離反
応、転位反応などの複雑な反応を起こし、熱劣化・着色
を引き起こす。
【0006】LCPの溶融安定性を改善するためには、
原因となる不安定な末端基を減少もしくは失くすことが
必要である。そこで、例えば分子量を増大させて、ポリ
マーの単位重量当りの末端基数を無視できるほどに減ず
ればよいが、この場合溶融温度と溶融粘度が著しく増加
するため、溶融重合が困難になるうえ、成形性が悪化す
るので実用的でない。従って、溶融安定性の向上のため
に、末端基を何らかの方法で処理することが試みられた
【0007】(1)の欠点の対策として、重合反応にお
いてジカルボン酸を化学量論量よりも過剰に加え、得ら
れるLCP分子鎖の両末端をカルボキシル基にすること
により、それ以上の重合を抑制する方法(特開昭60−
40127号公報、米国特許明細書第4562244号
)、ジオール、ジアミン、ヒドロキシアミンおよびそれ
らの誘導体を過剰に加え、LCP分子鎖の両末端をヒド
ロキシ基、アミノ基にすることにより重合を抑制する方
法(特開昭60−245631号公報)等が提案され、
これらの方法によって溶融加工時の揮発性副生成物の発
生と溶融粘度の著しい変化を改良することができた。
【0008】(2)の欠点の対策として、加水分解を促
進する酸触媒として働く、分子鎖末端のフェノール性水
酸基やカルボキシル基を封止する方法があり、これは公
知である(Journal of Applied P
olymer Science, Vol.25, P
.2573〜2587(1980)、Polymer 
Engineering and Science, 
Vol.20,No.10,P680〜683(198
0))。この方法をLCPに適用した例が、特開昭63
−125521号公報、特開昭60−212424号公
報に記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭60−
40127号公報および米国特許明細書第456224
4号に記載の方法によっては、重合は停止するものの、
得られるLCPはその両末端にカルボキシル基が残存し
ているため、加水分解を起こしやすい。さらにこのLC
Pはカルボキシル基の脱炭酸反応が引き金となって熱劣
化を起こしやすい。特開昭60−245631号公報に
記載の方法によって得られるLCPもその末端が熱劣化
・加水分解の原因となるフェノール性水酸基やアミノ基
となっている。水酸基やアミノ基を脂肪酸と反応させた
形のエステル結合、アミド結合にする方法もある。しか
し、脂肪酸とフェノール性水酸基とのエステル結合は不
安定であり、湿熱雰囲気下で容易に加水分解され、加水
分解促進の原因となる脂肪酸とフェノール性水酸基とな
るため、耐加水分解性に劣る。またアルキルアミド基は
酸化劣化を非常に起こしやすく、やはり熱劣化の原因と
なる。
【0010】特開昭63−125521号公報に記載の
方法は、水酸基、カルボキシル基およびアミノ基を封止
する方法であり、脂肪酸とフェノール性水酸基との不安
定なエステル結合末端基については留意していない。こ
のため、得られるLCPは耐加水分解性がまだ不十分の
うえ、加水分解で生じたカルボキシル基や封止し切れな
いカルボキシル基と末端エステル結合が反応し、脂肪酸
が生成する問題がある。
【0011】特開昭60−212424号公報に記載の
方法は、LCPの末端を汎用的でないイミド化合物で封
止しているうえ、充填材との溶融混練や再生材利用時の
溶融熱履歴を受ける場合に、イミド環の開環が起こり、
溶融粘度が変化したり液晶性が低下するため強度低下を
引き起こす問題がある。
【0012】そこで本発明の目的は、溶融時に、酢酸な
どの脂肪酸の発生がなく、加水分解による粘度低下・重
合の進行による粘度上昇の溶融粘度変化がなく、かつ溶
融時の熱劣化が少い、湿熱安定性と溶融安定性に優れた
液晶ポリエステルまたは液晶ポリエステルアミドおよび
それらの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、LCPの
不安定な分子鎖末端を安定な封止基に変換すれば前記課
題を解決できると考え、種々の封止化合物、封止方法を
検討したところ、LCPの両末端を芳香族エステル基に
した場合に、きわめて溶融安定性に優れた液晶ポリエス
テルまたは液晶ポリエステルアミドを得ることができる
ことを見出し、本発明に至った。
【0014】すなわち、本発明の第1の態様は、下記式
(I)で表される繰り返し構造単位(i)を必須単位と
し、かつ式(I)〜(V)で表される繰り返し構造単位
(i)〜(v)から選ばれる1種以上の繰り返し構造単
位の組み合わせからなり、かつ分子鎖の片末端が下記式
(VI)で表される単位で封止され、もう一方の片末端
が下記式(VII)で表される単位で封止されているこ
とを特徴とする液晶ポリエステルまたは液晶ポリエステ
ルアミドを提供するものである。
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】また、本発明の第2の態様は下記式(II
)〜(V)で表される繰り返し構造単位(ii)〜(v
)から選ばれる2種以上の繰り返し構造単位の組み合わ
せからなり、かつ分子鎖の片末端が下記式(VI)で表
される単位で封止され、もう一方の片末端が下記式(V
II)で表される単位で封止されていることを特徴とす
る液晶ポリエステルまたは液晶ポリエステルアミドを提
供するものである。
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】さらに、本発明は、下記式(I−1)で表
される化合物を必須成分としかつ式(I−1)〜(V−
1)で表される化合物(i−1)〜(v−1)から選ば
れる1種以上、ならびに式(VI−1)で表される化合
物(vi−1)および式(VII−1)で表される化合
物(vii−1)を反応器に同時に仕込んで、150〜
400℃の温度で加熱し、生成する脂肪酸を除去しなが
ら溶融重合させることを特徴とする、前記第1の態様の
液晶ポリエステルまたは液晶ポリエステルアミドの製造
方法を提供するものである。
【0021】
【化11】
【0022】〔式中、R1 〜R7 、Ar およびX
は前記式(I)〜(V)について定義したとおりであり
、R8 は−OHまたは式(V−2):       −O−R10             
                   (V−2)(
R10は炭素数1〜5のアルキル基である)で表される
基であり、R9 は水素原子または式(V−3):       −CO−R10            
                  (V−3)(R
10は前記のとおりである) で表される基であり、R10は前記のとおりであり、n
は2〜1000の整数を示す〕
【0023】さらにまた、本発明は、下記式(II−1
)〜(V−1)で表される化合物(ii−1)〜(v−
1)から選ばれる2種以上、ならびに式(VI−1)で
表される化合物(vi−1)および式(VII−1)で
表される化合物(vii−1)を反応器に同時に仕込ん
で、150〜400℃の温度で加熱し、生成する脂肪酸
を除去しながら溶融重合させることを特徴とする、前記
第2の態様の液晶ポリエステルまたは液晶ポリエステル
アミドの製造方法を提供するものである。
【0024】
【化12】
【0025】〔式中、R2 〜R7 、Ar およびX
は前記式(I)〜(V)について定義したとおりであり
、R8 は−OHまたは式(V−2):       −O−R10             
                   (V−2)(
R10は炭素数1〜5のアルキル基である)で表される
基であり、R9 は水素原子または式(V−3):  
    −CO−R10              
                (V−3)(R10
は前記のとおりである)で表される基であり、R10は
前記のとおりであり、nは2〜1000の整数を示す〕
【0026】以下、本発明について詳細に説明する。
【0027】本発明の液晶ポリエステルまたは液晶ポリ
エステルアミドの構成単位を表す前記式(I)〜(VI
I)において、R1 〜R5 は
【0028】
【化13】
【0029】さらに、前記式(I)〜(VII)の芳香
環上の水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数
1〜6のアルコキシ基またはハロゲン原子で置換されて
いてもよい。このアルキル基としては、例えば、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等が挙げ
られ、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エ
トキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基等が挙げ
られ、ハロゲン原子としては、例えば、塩素、臭素、フ
ッ素等が挙げられる。
【0030】本発明の第2の態様の液晶ポリエステルま
たは液晶ポリエステルアミドの構成単位を表す前記式(
I)〜(VII)において、R2 〜R5 、Y、R6
 、R7 およびXは前記第1の態様と同様である。
【0031】本発明の液晶ポリエステルおよび液晶ポリ
エステルアミドの末端基を除いた分子鎖骨格は、単位(
I)を必須単位とし、かつ単位(II)〜(V)から選
ばれた1種以上の組み合わせ、または単位(II)〜(
V)から選ばれた2種以上の組みみ合わせから成る。
【0032】これらの単位の好ましい組み合わせの代表
例を以下にあげる。
【0033】
【化14】
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】
【化17】
【0037】
【化18】
【0038】
【化19】
【0039】本発明の液晶ポリエステルおよび液晶ポリ
エステルアミドは、溶融時に光学的異方性、すなわち異
方性溶融相を示す。異方性溶融相の確認は、ホットステ
ージ付偏光顕微鏡を用いて、溶融状態の試料を観察した
時、暗視野とならずに虹色に見え、溶融状態でも結晶部
分が存在、すなわち液晶状態であることから簡単に判別
できる。
【0040】本発明のLCP分子の末端封止率は、大き
ければ大きいほど、溶融安定性が向上するが、100%
近く封止しようとすると、長い重合時間が必要となり、
溶融温度が高いLCPの場合、かえって熱劣化を起こす
場合がある。溶融安定性向上のプラス面と熱劣化のマイ
ナス面とのかねあいから、封止率は50〜90%が適当
である。
【0041】本発明の第1および第2の態様の液晶ポリ
エステルまたは液晶ポリエステルアミドは、前記に示し
た構成成分からなるものであれば、いずれの原料を使用
して製造されたものでもよい。
【0042】かかる原料の具体例として、前記第3の態
様に示す本発明の液晶ポリエステルおよび液晶ポリエス
テルアミドの製造方法に使用する、前記式(I−1)〜
(VII−1)で表される化合物(i−1)〜(vii
−1)から選ばれる原料を挙げることができる。
【0043】原料(i−1)は前記式(I−1)で表わ
され、R1 およびXは前記と同じものを示し、R10
は炭素数1〜5のアルキル基であり、例えば、メチル基
、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。 この原料(i−1)の好ましい例としては、p−アセト
キシ安息香酸、m−アセトキシ安息香酸、4−アセトキ
シ−3−メトキシ安息香酸、4−アセトキシ−3−クロ
ロ安息香酸、2−アセトキシ−6−ナフトエ酸、2−ア
セトキシ−7−ナフトエ酸、4−アセトキシ−4′−カ
ルボキシルビフェニル、p−アセトアミド安息香酸、m
−アセトアミド安息香酸、p−(4−アセトアミドベン
ジル)安息香酸、2−アセトアミド−6−ナフトエ酸、
2−アセトアミド−7−ナフトエ酸などが挙げられる。
【0044】原料(ii−1)は前記式(II−1)で
表わされ、R2 は前記と同じである。この原料(ii
−1)の好ましい例としては、テレフタル酸、ジクロロ
テレフタル酸、イソフタル酸、4−メチルイソフタル酸
、tert−ブチルイソフタル酸、4,4′−ジフェニ
ルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2
,7−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノ
キシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、1,2−ビス
(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボ
ン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、1
,4−シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。
【0045】原料(iii−1)は前記式(III−1
)で表わされ、式中のR3 ,R10は前記とと同じで
ある。この原料(iii−1)の好ましい例としては、
ハイドロキノンジアセテート、フェニルハイドロキノン
ジアセテート、クロロハイドロキノンジアセテート、メ
チルハイドロキノンジアセテート、2,6−ジメチルハ
イドロキノンジアセテート、tert−ブチルハイドロ
キノンジアセテート、レゾルシノールジアセテート、4
,4′−ジアセトキシビフェニル、3,3′,5,5′
−テトラメチル−4,4′−ジアセトキシビフェニル、
4,4′−ジアセトキシジフェニルエーテル、4,4′
−ジアセトキシベンゾフェノン、ビス(4−アセトキシ
フェニル)サルファイド、ビス(4−アセトキシフェニ
ル)スルホン、2,2−ビス(4−アセトキシフェニル
)プロパン、2,6−ジアセトキシナフタレン、2,7
−ジアセトキシナフタレンなどが挙げられる。
【0046】原料(iv−1)は前記式(IV−1)で
表わされ、式中のR4 ,R7 ,R10およびXは前
記と同じである。この原料(iv−1)の好ましい例と
しては、N,N′−ジアセチル−p−フェニレンジアミ
ン、N,N′−ジアセチル−m−フェニレンジアミン、
2,6−ジアセトアミドナフタレン、2,7−ジアセト
アミドナフタレン、4,4′−ジアセトアミドビフェニ
ル、p−アセトアミドフェニルアセテート、m−アセト
アミドフェニルアセテート、2−アセトキシ−6−アセ
トアミドナフタレン、2−アセトキシ−7−アセトアミ
ドナフタレン、4−アセトキシ−4′−アセトアミドビ
フェニルなどが挙げられる。
【0047】原料(v−1)は前記式(V−1)で表わ
されるポリエステルで、式中のR5 、R6 ,R8 
,R9 ,nは前記と同じものを示す。この原料(v−
1)の好ましい例としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフトエート、ポリ−1,
4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートが挙げら
れる。原料(v)はn=2〜1000の広い範囲の分子
量のものを用いることができるが、n>1000の高分
子量のものは、生成LCP中に均一とならず異物として
残るため好ましくない。
【0048】原料(vi−1)は、前記式(VI−1)
で表される芳香族カルボン酸であり、式中、Arは前記
と同様である。このArの芳香環上の水素原子は、炭素
数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、
ハロゲン原子で置換されていてもよい。この原料(vi
−1)の芳香族カルボン酸の好ましい例としては、安息
香酸、p−メチル安息香酸、p−クロロ安息香酸、p−
フェニル安息香酸、α−ナフトエ酸、β−ナフトエ酸な
どが挙げられる。
【0049】原料(vii−1)は、前記式(VII−
1)で表される化合物であり、式中、ArおよびXは前
記と同様であり、Arの芳香環上の水素原子は、炭素数
1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハ
ロゲン原子で置換されていてもよい。この原料(vii
−1)の好ましい例としては、酢酸フェニル、p−アセ
トキシクロロフェニル、1−アセトキシ−4−t−Bu
−フェニレン、4−アセトキシビフェニル、1−アセト
キシナフタレン、2−アセトキシナフタレンなどが挙げ
られる。
【0050】原料(vi−1)と(vii−1)の各々
の有する基Arの炭素数が15を越えると、原料の入手
が困難となるうえ、生成LCPの液晶性がくずれ、機械
的強度が低下するので好ましくない。
【0051】次に、本発明の液晶ポリエステルまたは液
晶ポリエステルアミドの製造方法における重合方法につ
いて述べる。反応は、必要な諸原料と、必要に応じて触
媒とを重合容器内に入れ、加熱することにより開始され
る。ここで、原料(i−1)、(iii−1)、(iv
−1)および(vii−1)は、対応するフェノール化
合物をアシル化剤と反応させ、原料のアシル化反応後に
、重縮合反応を連続して行なう方法をとってもよい。
【0052】原料の水酸基のアシル化剤として、酸クロ
ライドや酸無水物が挙げられるが、カルボン酸の酸無水
物を例に挙げると、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水
モノクロル酢酸、無水ジクロル酢酸、無水トリクロル酢
酸、無水モノブロム酢酸、無水ジブロム酢酸、無水トリ
ブロム酢酸、無水モノフルオロ酢酸、無水ジフルオロ酢
酸、無水トリフルオロ酢酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、
無水吉草酸、無水ピバリン酸、無水カプロン酸などが挙
げられるが、なかでも無水酢酸が好ましい。
【0053】さらに、アシル化反応は、反応速度の増大
に必要な量のアシル化触媒の共存下で実施することもで
きる。
【0054】アシル化触媒としては、例えば、酸化ゲル
マニウムのようなゲルマニウム化合物、蓚酸第一スズ、
酢酸第一スズ、ジアルキルスズ酸化物、ジアリールスズ
酸化物のようなスズ化合物、二酸化チタン、チタンアル
コオキシド類、アルコオキシチタンケイ酸塩類のような
チタン化合物、三酸化アンチモンのようなアンチモン化
合物、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム
、酢酸亜鉛、酢酸第一鉄のような有機酸の金属塩、BF
3 やAlCl3 のようなルイス酸類、アミン類、ア
ミド類、塩酸、硫酸などの無機酸などが挙げられる。
【0055】本発明における溶融重合法の重合温度は、
用いる原料の種類や量によって異なるが、150〜40
0℃の間で行なうべきである。重合温度が150℃より
低い温度であると反応が遅く、また400℃を越えると
ポリマーの分解や着色が起こるので好ましくない。好ま
しい重合温度は、200〜380℃の範囲内である。
【0056】本発明の液晶ポリエステルまたは液晶ポリ
エステルアミドの製造方法において、原料(vi−1)
と(vii−1)の仕込み時期は、末端基を決める上で
重要であり、以下の方法がある。 A)原料(i−1)〜(v−1)から選ばれた原料を(
水酸基+アシロキシ基)とカルボキシル基が等モルにな
るように仕込み、さらに原料(vi−1)と原料(vi
i−1)を同時に仕込む。原料(vi−1)と原料(v
ii−1)は、目的とするLCPの分子量に応じて適宜
使用量が決められる。原料(vi−1)および/または
原料(vii−1)の添加量を多くすると生成LCPの
分子量は小さく、添加量を少くすると分子量は大きくな
る。そして、生成LCPの分子量は原料(vi−1)ま
たは原料(vii−1)のどちらか添加量の多い方で決
定されるため、添加量の少ない原料による末端封止が不
十分となる。このため、原料(vi−1)と原料(vi
i−1)は等モル用いるのが適当である。例えば、実用
的な強度、耐熱性、成形性を有するLCPを得るために
は、原料(vi−1)と(vii−1)は、各々原料(
i−1)〜(v−1)のカルボキシル基総量に対して、
約0.2〜2モル%、さらに好ましくは0.5〜1.0
モル%の添加が適当である。
【0057】この同時仕込みの方法は、操作が簡単であ
るばかりでなく、重合時間が短かい、高温での滞留時間
が短かいため熱劣化・着色が少ない長所があり、最適で
ある。 B)原料(i)〜(v)から選ばれた原料を(水酸基+
アシロキシ基)とカルボキシル基が等モルになるように
仕込み、さらに原料(vi−1)または原料(vii−
1)を仕込む。
【0058】重合終了後に、原料(vi−1)と(vi
i−1)のうち、最初に仕込まなかった方の原料を、大
過剰に加え、十分反応させた後に、過剰分を減圧または
溶剤による洗浄で除去する。 C)原料(i)〜(v)から選ばれた原料を、モル比で
、 (水酸基+アシロキシ基)/カルボキシル基>1.0と
なるように仕込み、重合が停止するまで反応を行なう。 この時の生成LCPの両末端は、水酸基またはアシロキ
シ基になっている。その後、過剰の原料(vi−1)を
加え、十分に反応させた後、未反応の原料(vi−1)
を除去する。 D)原料(i)〜(v)から選ばれた原料を、モル比で
、 カルボキシル基/(水酸基+アシロキシ基)>1.0と
なるように仕込み、重合が停止するまで反応を行なう。 この時の生成LCPの両末端は、カルボキシル基になっ
ている。その後、過剰の原料(vii−1)を加え、十
分に反応させた後、未反応の原料(vii−1)を除去
する。 E)原料(i)〜(v)から選ばれた原料を(水酸基+
アシロキシ基)とカルボキシル基が等モルになるように
仕込む。重合して、目標の分子量まで達した後、過剰の
原料(vi−1)または(vii−1)を加え、十分反
応後、未反応分を除去する。次に原料(vi−1)と(
vii−1)のうち、まだ用いてない方の原料を過剰に
加えて十分反応後、未反応分を除去する。
【0059】上記のB)〜E)の方法は、すでに粘度が
大きくなっているポリマー中に、低分子量の末端封止剤
を入れるため、均一な混合が困難となり、末端封止反応
に時間がかかる。従って、高温での滞留時間が長くなり
、熱劣化・着色の原因となる。また未反応の末端封止剤
が残留するため、機械的強度低下、耐熱性低下、揮発分
の増加が起こり好ましくない。また、末端封止剤の残留
を防ごうとすれば、洗浄または除去工程が必要になる欠
点がある。以上、B)〜E)の方法は、操作が複雑であ
るうえ、トータルの製造時間が長くなる、生成LCPの
品質が低下する理由で好ましくない。
【0060】従って、A)の方法による末端封止では、
必然的に、LCP分子の片末端がAr−CO−と、もう
一方の末端がAr−X−(Ar、Xは前記と同じ)で封
止されているものがほとんどとなる。もちろん、確率的
には両末端が同じ基で封止されているLCP分子もわず
かに存在するが、本発明の効果には悪影響を与えない。
【0061】本発明における溶融重合法の反応時の圧力
も特に限定されないが、反応初期は大気圧近辺で行い、
重合の進行につれて徐々に減圧にするのが好ましい。
【0062】さらに、局所加熱によるポリマーの分解防
止および生成脂肪酸の除去を容易にするために、反応を
攪拌しながら行わせることが望ましく、また酸素による
ポリマーの酸化分解を防ぐために、原料のアシル化反応
の段階も含めて反応系の雰囲気は窒素やアルゴン等の不
活性ガス雰囲気であることが望ましい。重合反応は触媒
を使わずに行うこともできるが、重合反応を促進させる
ために触媒を用いてもよい。この触媒は、出発原料中に
混入してもよいし、新たに重合段階で加えてもよい。ま
た、触媒は前述のアシル化触媒と同様のものを使用する
ことができる。
【0063】本発明のLCPには、重合段階あるいは成
型段階において、種々の添加剤、充填剤、他の樹脂を加
えることもできる。
【0064】これら添加剤としては、滑剤、紫外線吸収
剤、顔料、染料、難燃化剤、可塑剤、帯電防止剤、摺動
剤、離型剤、発泡剤、酸化防止剤、安定剤等が挙げられ
る。
【0065】充填剤としては、例えば、タルク、炭酸カ
ルシウム、マイカ、ウォラストナイト、ガラス繊維、炭
素繊維、有機繊維、金属繊維、セラミック繊維、ボロン
繊維、アスベスト、アルミナ、水酸化アルミニウム、ガ
ラスフレーク、ガラスビーズ、金属粉末、硫酸バリウム
、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、チタン酸カリ
ウムウィスカー、シリカ粉末、フェライト粉末、希土類
磁石粉末等が挙げられる。
【0066】また、他の樹脂としては、例えば、ポリカ
ーボネート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェ
ニレンエーテル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ABS樹脂、ゴム、ポリメチルメタクリレート
等が挙げられる。
【0067】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。まず実施例および比較例において行った試験の方法
について説明する。
【0068】(1)射出成形 LCPを、(株)山城精機製作所製SAV−60−52
型射出成形機に供給して、金型温度100℃、射出圧力
250kg/cm2 、シリンダー温度はこの射出圧力
で金型内にLCPが十分満たされる温度に設定して、1
2.7×1.27×0.32cm(5×1/2×1/8
インチ)の試験片を作製した。
【0069】(2)熱水(加水分解)試験上記に得られ
た12.7×1.27×0.32cm(5×1/2×1
/8インチ)の試験片を96℃の蒸留水中に所定時間浸
漬した後、120℃で4時間乾燥させ、その後、温度:
23℃、相対湿度(RH):50%にて48時間状態調
節し、物性評価を行った。
【0070】(3)熱老化試験 12.7×1.27×0.32cm(5×1/2×1/
8インチ)の試験片を、(株)吉田製作所製ギヤー式老
化試験機にて200℃の空気中に所定時間さらした後、
温度:23℃、相対湿度(RH):50%にて48時間
状態調節し、物性評価を行った。
【0071】(4)溶融時の生成酢酸の定量粉砕したL
CPをふるいにかけ、粒径をφ2〜3mmに揃え、12
0℃で4時間乾燥させた。得られた粉末LCP10gを
ガラス容器内に入れ、十分にアルゴン置換した後、溶融
するまで加熱した。30分間加熱後、冷却して、アセト
ン20mlを加え、生成酢酸を溶解した。得られた生成
酢酸のアセトン溶液をガスクロマトグラフィーにかけて
、生成酢酸を定量した。生成酢酸量は、ポリマー重量に
対する比(ppm) で表わした。
【0072】(5)物性評価 熱水および熱劣化試験に供した12.7×1.27×0
.32cm(5×1/2×1/8インチ)の試験片を用
いて、ASTM−D−256に準じてアイゾット衝撃強
度(ノッチ付)を測定した。
【0073】(6)着色具合 LCPの色を評価する手段として、以下の方法で白色度
を測定した。スガ試験機(株)製SMカラーコンピュー
ターSM−3型測定器を用い、直径10mmの測定面積
でハンター方式にて白色度を算出した。この白色度の値
が小さい程、着色が激しいことを示す。
【0074】(7)末端基の定量 得られたLCPを微粉化し、ソックスレー抽出器を用い
て、低分子量物を8時間かけてアセトン抽出した。抽出
終了後のLCP微粉を120℃にて8時間真空乾燥した
。乾燥後、微粉をFT−IRを用いて、3450cm−
1の末端カルボキシル基の−OH基に由来するピークと
、1340cm−1の末端アセトキシ基の−CH3 基
に由来するピークを測定した。各組成のLCPの末端基
の封止率は、末端封止をしていないLCPについての各
ピーク強度を基準にして求めた。
【0075】(実施例1)トルクメーター、回転計付攪
拌装置、アルゴン導入管、温度計および蒸留装置を備え
た重合容器に、フェニルハイドロキノンジアセテート1
282.5g(4.75モル)、テレフタル酸788.
5g(4.75モル)、4−アセトキシビフェニル12
.7g(0.06モル)および安息香酸7.3g(0.
06モル)を仕込んだ。重合容器内を十分にアルゴンガ
スで置換した後、約30分かけて内温を280℃まで昇
温した。重合容器から酢酸を留出させながら、280℃
で1時間、300℃で1時間、さらに320℃で1時間
重合を行なった後、徐々に圧力を減じ、最終的に350
℃、0.5mmHgでトルク上昇が緩慢になるまで重合
させた。重合によって得られたLCPを取り出し固化後
、粉砕機にかけ、分析および物性測定に供した。
【0076】(実施例2)実施例1で使用したものと同
じ重合容器に、2−アセトキシ−6−ナフトエ酸765
.9g(3.33モル)、p−アセトキシ安息香酸14
00.4g(7.78モル)、4−アセトキシビフェニ
ル10.6g(0.05モル)および安息香酸6.1g
(0.05モル)を加え、最終重合温度を320℃にし
た以外は実施例1と同様の操作手順で重合を行ない、得
られたLCPを分析および物性評価に供した。
【0077】(実施例3)実施例1で使用したものと同
じ重合容器に、4,4′−ジアセトキシビフェニル21
6g(0.8モル)、テレフタル酸132.8g(0.
8モル)、p−アセトキシ安息香酸1278g(7.1
モル)、ポリエチレンテレフタレート〔フェノール/テ
トラクロロエタン=150/50(重量比)溶媒中0.
5g/dlの濃度で30℃で測定した対数粘度が0.7
2〕249.6g(1.3モル)、4−アセトキシビフ
ェニル17.0g(0.08モル)および安息香酸13
.3g(0.08モル)を仕込み、最終重合温度を32
0℃にした以外は実施例1と同様の操作手順で重合を行
ない、得られたLCPを分析および物性評価に供した。
【0078】(実施例4)実施例1で使用したものと同
じ重合容器に、4,4′−ジアセトキシビフェニル43
2g(1.6モル)、テレフタル酸132.8g(0.
8モル)、イソフタル酸33.2g(0.2モル)、 
 2,6−ナフタレンジカルボン酸129.6g(0.
6モル)、p−アセトキシ安息香酸1224g(6.8
モル)、4−アセトキシビフェニル10.6g(0.0
5モル)および安息香酸6.1g(0.05モル)を仕
込み、実施例1と同様の操作手順で重合を行ない、得ら
れたLCPを分析および物性評価に供した。
【0079】(比較例1〜4)各例において、前記実施
例1〜4に示す原料中、4−アセトキシビフェニルを使
用しない以外は、実施例1〜4と同様に同トルクに達す
るまで重合を行ない、得られたLCPを分析および物性
評価に供した。
【0080】(比較例5〜8)各例において、前記実施
例1〜4に示す原料中、安息香酸を使用しない以外は、
実施例1〜4と同様に同トルクに達するまで重合を行な
い、得られたLCPを分析および物性評価に供した。
【0081】(比較例9〜12)前記実施例1〜4に示
す出発原料中、4−アセトキシビフェニルと安息香酸の
いずれも使用しない以外は実施例1〜4と同様に、同ト
ルクに達するまで重合を行ない、得られたLCPを分析
および物性評価に供した。
【0082】(実施例5)実施例1で使用したものと同
じ重合容器に、実施例3で用いたポリエチレンテレフタ
レート249.6g(1.3モル)、4,4′−ビフェ
ノール148.8g(0.8モル)、テレフタル酸13
2.8g(0.8モル)、p−ヒドロキシ安息香酸93
8.4g(6.8モル)、p−アミノ安息香酸41.1
g(0.3g)、β−ナフトール7.2g(0.05モ
ル)、p−フェニル安息香酸9.9g(0.05モル)
、無水酢酸976.1g(9.57モル)および触媒と
して酢酸カリウム0.5gを仕込んだ。重合容器内を十
分にアルゴンガスで置換した後、加熱を始めた。還流下
で2時間アセチル化反応を行なった後、重合容器から酢
酸を留出させながら2℃/分で昇温した。300℃に達
した時点で、30分間温度を保持して重合を続け、次に
徐々に圧力を減じ、0.5mmHg−300℃の重合条
件で、トルク上昇が緩慢になるまで重合し、液晶ポリエ
ステルアミドを得た。得られた液晶ポリエステルアミド
を、重合容器から取り出し固化後、粉砕機にかけ、分析
および物性測定に供した。
【0083】(実施例6)実施例1で使用したものと同
じ重合容器に、p−ヒドロキシ安息香酸828.0g(
6.0モル)、テレフタル酸282.2g(1.7モル
)、イソフタル酸49.8g(0.3モル)、2,6−
ナフタレンジオール240g(1.5モル)、4,4′
−ビフェノール93g(0.5モル)、β−ナフトエ酸
10.3g(0.06モル)、p−t−Bu−フェノー
ル9g(0.06モル)、無水酢酸1122g(11モ
ル)および触媒として酢酸ナトリウム0.5gを仕込ん
だ。重合容器内を十分にアルゴンガスで置換した後、加
熱を始めた。還流下で2時間アセチル化反応を行なった
後、重合容器から酢酸を留出させながら、2℃/分で昇
温した。340℃に達した時点で、徐々に圧力を減じ、
0.5mmHg−340℃で、トルク上昇が緩慢になる
まで重合し、液晶ポリエステルを得た。生成液晶ポリエ
ステルを、重合容器から取り出し固化後、粉砕機にかけ
、分析および物性測定に供した。
【0084】(比較例13)β−ナフトエ酸を使用しな
い以外は実施例6と同様に重合し、同トルクまで重合し
た。アルゴンガスを導入して減圧解除した後、β−ナフ
トエ酸51.5g(0.6モル)を加え、340℃の溶
融状態で3時間攪拌を続けた。再び減圧を開始し、0.
5mmHgで1時間反応を続け、重合を終了した。この
時、過剰のβ−ナフトエ酸が反応系外に昇華・析出した
【0085】(比較例14)p−−t−Bu−フェノー
ルを使用しない以外は実施例6と同様に重合を行い、重
合後、1−t−Bu−4−アセトキシフェニレン115
.2g(0.6モル)を加え、比較例13と同様に常圧
で340℃−3時間、さらに減圧下で1時間重合を行な
った。過剰の1−t−Bu−4−アセトキシフェニレン
は、反応系外に除去された。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】
【発明の効果】本発明の液晶ポリエステルまたは液晶ポ
リエステルアミドは、熱劣化、加水分解、溶融時のガス
発生の原因となる分子鎖末端のカルボキシル基およびア
シロキシ基を、安定な芳香族化合物で封止したことによ
り、溶融安定性、耐熱劣化性、耐加水分解性に優れたも
のである。
【0092】また、従来のポリエステルの重合反応では
、2官能モノマーを化学量論量を正確に管理しながら重
合することが常識であったが、本発明では、2官能原料
以外に、芳香族モノカルボン酸と芳香族モノアシロキシ
化合物を同時に仕込む、独特の重合法を用いることによ
り、非常に簡単に、分子鎖両末端が安定な基で封止され
た、前記液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミドを
得ることができる。
【0093】本発明の液晶ポリエステルまたは液晶ポリ
エステルアミドは、耐熱劣化性、耐加水分解性に優れる
ので、高温・高湿状態で使われる部品に、腐食性ガス発
生が少ないので、電気・電子部品分野での各種の用途等
に有効に利用することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記式(I)で表される繰り返し構造
    単位(i)を必須単位とし、かつ式(I)〜(V)で表
    される繰り返し構造単位(i)〜(v)から選ばれる1
    種以上の繰り返し構造単位の組み合わせからなり、かつ
    分子鎖の片末端が下記式(VI)で表される単位で封止
    され、もう一方の片末端が下記式(VII)で表される
    単位で封止されていることを特徴とする液晶ポリエステ
    ルまたは液晶ポリエステルアミド。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】  下記式(II)〜(V)で表される繰
    り返し構造単位(ii)〜(v)から選ばれる2種以上
    の繰り返し構造単位の組み合わせからなり、かつ分子鎖
    の片末端が下記式(VI)で表される単位で封止され、
    もう一方の片末端が下記式(VII)で表される単位で
    封止されていることを特徴とする液晶ポリエステルまた
    は液晶ポリエステルアミド。 【化3】 【化4】
  3. 【請求項3】  下記式(I−1)で表される化合物を
    必須成分としかつ式(I−1)〜(V−1)で表される
    化合物(i−1)〜(v−1)から選ばれる1種以上、
    ならびに式(VI−1)で表される化合物(vi−1)
    および式(VII−1)で表される化合物(vii−1
    )を反応器に同時に仕込んで、150〜400℃の温度
    で加熱し、生成する脂肪酸を除去しながら溶融重合させ
    ることを特徴とする、請求項1記載の液晶ポリエステル
    または液晶ポリエステルアミドの製造方法。 【化5】 〔式中、R1 〜R7 、Ar およびXは前記式(I
    )〜(V)について定義したとおりであり、R8 は−
    OHまたは式(V−2):       −O−R10             
                       (V−2)(
    R10は炭素数1〜5のアルキル基である)で表される
    基であり、R9 は水素原子または式(V−3):       −CO−R10            
                      (V−3)(R
    10は前記のとおりである) で表される基であり、R10は前記のとおりであり、n
    は2〜1000の整数を示す〕
  4. 【請求項4】  下記式(II−1)〜(V−1)で表
    される化合物(ii−1)〜(v−1)から選ばれる2
    種以上、ならびに式(VI−1)で表される化合物(v
    i−1)および式(VII−1)で表される化合物(v
    ii−1)を反応器に同時に仕込んで、150〜400
    ℃の温度で加熱し、生成する脂肪酸を除去しながら溶融
    重合させることを特徴とする、請求項2記載の液晶ポリ
    エステルまたは液晶ポリエステルアミドの製造方法。 【化6】 〔式中、R2 〜R7 、Ar およびXは前記式(I
    )〜(V)について定義したとおりであり、R8 は−
    OHまたは式(V−2):       −O−R10             
                       (V−2)(
    R10は炭素数1〜5のアルキル基である)で表される
    基であり、R9 は水素原子または式(V−3):       −CO−R10            
                      (V−3)(R
    10は前記のとおりである) で表される基であり、R10は前記のとおりであり、n
    は2〜1000の整数を示す〕
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