JP3385685B2 - 液晶ポリエステルの製造方法 - Google Patents

液晶ポリエステルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱時あるいは溶融時
に発生する昇華物および酢酸を抑制した液晶ポリエステ
ルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックの高性能化に対する要
求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマが
数多く開発され、市場に供されているが、中でも分子鎖
の平行な配列を特徴とする光学異方性の液晶ポリエステ
ルが優れた成形性と機械的性質を有する点で注目され、
機械部品、電気・電子部品などに用途が拡大されつつあ
る。これらの液晶ポリエステルは次の二つに大きく分類
される。一つは特開昭54−77691号公報や特開5
9−207924号公報などに見られる全芳香族液晶ポ
リエステルであり、もう一つは特公昭56−18016
号公報や特開昭63−30523号公報などに見られる
主にエチレングリコール残基を含む半芳香族液晶ポリエ
ステルである。いずれの場合も芳香族フェノールを無水
酢酸によりアセチル化させた後、あるいは芳香族フェノ
ール類と酢酸とのエステル化合物を芳香族カルボン酸と
エステル交換反応させ、生成する酢酸を除去しながら溶
融重合する方法が一般的である。
【0003】このうち全芳香族液晶ポリエステルの場合
には重合度が上がりやすいため、溶融加工時に重合度が
上昇し、均質な成形品が得られないという問題がある。
これを解決する方法として特開昭60−40127号公
報では重合度調節のためにジカルボン酸を過剰に加え重
合を行うという方法が提案されている。一方、半芳香族
ポリエステルの場合には脂肪族鎖を含有しているため、
ジカルボン酸を過剰に加えなくても溶融加工時に重合度
が上昇し、均質な成形品が得られないという問題はな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、半芳香
族液晶ポリエステルの場合には全芳香族液晶ポリエステ
ルに比してポリマ中にモノマあるいはオリゴマが残りや
すく、加熱時あるいは溶融時に昇華物が多く発生した
り、分子鎖末端に必ずアセチル基が残るため、加熱時あ
るいは溶融時に酢酸が発生するなどの問題があることが
わかった。これらの問題は電気・電子部品などに用いら
れる成形品では金属性接点を腐食する原因となる。よっ
て本発明は、加熱時あるいは溶融時に発生する昇華物お
よび酢酸を抑制した液晶ポリエステルの製造方法を提供
することにある。
【0005】すなわち、本発明は原料として下記式(i-
1) で表わされるp−ヒドロキシ安息香酸および/また
は下記式(i-2) で表わされるp−アセトキシ安息香酸、
下記式(ii-1)で表わされる芳香族ジオールおよび/また
は下記式(ii-2)で表わされる芳香族ジアセテート、下記
式(iii) で表わされる芳香族ジカルボン酸および下記式
(iv)で表わされる構造単位を有するオリゴエステルおよ
び/又はポリエステルを用いて、必要に応じて系中で無
水酢酸でアセチル化反応を行った後、均一溶融状態にな
るまで溶融重合を行うに際して、原料モノマ化合物(ii-
1)、(ii-2)、(iii) のモル数を各々[ii-1]、[ii-2]、[i
ii] としたとき、1<[iii] /([ii-1]+[ii-2])≦
1.3を満たすように原料を仕込むことを特徴とする下
記構造単位(I) 、(II)、(III) および(IV)からなり、構
造単位(I)および(II)の合計構造単位(I)、(II)および
(III)の合計に対して55〜95モル%、構造単位(III)
構造単位(I)、(II)および(III)の45〜5モル%から
なり、0.1g/dl濃度、60℃のペンタフルロフェ
ノール中での対数粘度が0.5〜5dl/gである液晶
ポリエステルの製造方法である。
【0006】
【化7】 (ただし式中のR1 、R2
【化8】 から選ばれた1種以上の基を示し、R3 、R4
【化9】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
原子または塩素原子を示す。)
【化10】 (ただし式中のR5
【化11】 から選ばれた1種以上の基を示し、R6
【化12】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
原子または塩素原子を示す。)
【0007】上記構造単位(I) はp−ヒドロキシ安息香
酸および/またはp−アセトキシ安息香酸から生成した
ポリエステルの構造単位であり、構造単位(II)は4,4
´−ジヒドロキシビフェニル、3,3´,5,5´−テ
トラメチル−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイ
ドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイ
ドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7
−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンおよび4,4´−ジヒドロキシ
ジフェニルエーテルから選ばれた芳香族ジヒドロキシ化
合物またはそれらのアセチル化合物から生成した構造単
位を、構造単位(III) はエチレングリコールから生成し
た構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタ
ル酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エ
タン−4,4´−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−ク
ロルフェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボン酸およ
びジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた芳香族
ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。これら
のうちR5 が、
【化13】 であるものがR6
【化14】 であるものが特に好ましい。
【0008】また、構造単位(I)および(II)の合計
造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して55〜95
モル%であり、好ましくは77〜95モル%である。構
造単位(III) は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に
対して45〜5モル%、好ましくは23〜5モル%であ
る。構造単位(I)および(II)の合計構造単位(I)、(II)
および(III)の合計に対して95モル%より大きいと流
動性が低下して重合時に固化し、55モル%より小さい
と耐熱性が不良となりる。また、構造単位(I)の(II)に
対するモル比[(I) /(II)]は75/25〜95/5が好
ましく、さらに好ましくは78/22〜93/7であ
る。75/25未満であったり、95/5より大きい場
合には耐熱性、流動性が不良となり好ましくない。
【0009】本発明の液晶ポリエステルの製造方法の特
徴は原料モノマ化合物(ii-1)、(ii-2)、(iii) のモル数
を各々[ii-1]、[ii-2]、[iii] としたとき、1<[iii]
/([ii-1]+[ii-2])≦1.3を満たすように原料を仕
込むことにあり、特に1.01≦[iii] /([ii-1]+[i
i-2])≦1.2が好ましく、さらに好ましくは1.02
≦[iii] /([ii-1]+[ii-2])≦1.15である。[ii
i] /([ii-1]+[ii-2])≦1では加熱時あるいは溶融
時に発生する昇華物あるいは酢酸が多くなり本発明の目
的を達成することができない。一方、[iii] /([ii-1]
+[ii-2])>1.3では重合反応性が大きく低下し、後
述の対数粘度のポリマを得ることが不可能となる。
【0010】また、原料の仕込みは100℃以下で行う
ことが好ましく、必要に応じてアセチル化剤として無水
酢酸を仕込む。このとき使用する無水酢酸の量は出発原
料のヒドロキシ基に対して1.0〜1.5倍モル量であ
ることが好ましく、特に1.05〜1.2倍モル量であ
ることが好ましい。アセチル化を行う場合は50〜20
0℃、好ましくは70〜180℃、さらに好ましくは8
0〜170℃で行われる。アセチル化後200〜350
℃、好ましくは220℃〜330℃に昇温し、さらに減
圧下で脱酢酸重合を行うことによって本発明の液晶ポリ
エステルを得ることができる。また、この常圧下での反
応は酸化分解反応を抑制するため窒素などの不活性ガス
雰囲気下で行うのが好ましい。
【0011】これらの重縮合反応は無触媒でも進行する
が、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウ
ムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグ
ネシウムなどの金属化合物を添加した方が好ましいとき
もある。
【0012】なお、固体の多分散系の状態で一部また
は、すべてが固相になるまで重合を行う方法では均質な
液晶ポリエステルが得られないため、均一溶融状態にな
るまで重合を行うことが必要である。
【0013】本発明で製造する液晶ポリエステルは、ペ
ンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定することが
可能であり、その際には0.1g/dlの濃度で60℃
で測定した値で0.5〜5dl/gである必要があり、
1.0〜3.0dl/gが特に好ましい。
【0014】また、本発明における液晶ポリエステルの
溶融粘度は10〜20,000ポイズが好ましく、特に
20〜10,000ポイズがより好ましい。
【0015】なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10
℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で
高化式フローテスターによって測定した値である。
【0016】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の
昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(T
1)の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持し
た後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した
後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測され
る吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0017】なお、本発明で製造する液晶ポリエステル
を重縮合する際には上記構造単位(I) 〜(IV)を構成する
成分以外に3,3´−ジフェニルジカルボン酸、2,2
´−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、4,4´−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4,4´−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン
等の芳香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4
−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒド
ロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの
芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノー
ル、p−アミノ安息香酸などを本発明の目的を損なわな
い程度の少割合の範囲でさらに共重合せしめることがで
きる。
【0018】また、本発明で製造する液晶ポリエステル
に対して、強化剤、充填剤を添加することにより、機械
的特性、耐熱性をいっそう改善することができる。
【0019】強化剤、充填剤を添加する場合、その添加
量は液晶ポリエステル100重量部に対して200重量
部以下が好ましく、15〜150重量部が特に好まし
い。
【0020】本発明において用いることができる強化
剤、充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポ
リアミド繊維、チタン酸カリウム繊維、石膏繊維、黄銅
繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミック繊
維、ボロンウィスカー繊維、アスベスト繊維、グラファ
イト、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラ
スビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、
クレー、ワラステナイト、酸化チタン、二硫化モリブデ
ン、等の繊維状、粉状、粒状あるいは板状の無機フィラ
ーが挙げられる。又、これらの強化剤、充填剤について
もシラン系、チタネート系などのカップリング剤、その
他の表面処理剤で処理されたものを用いてもよい。
【0021】更に、本発明で製造するする液晶ポリエス
テルに対して、本発明の目的を損なわない程度の範囲
で、酸化防止剤、熱安定剤(たとえばヒンダードフェノ
ール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置
換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、
サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンな
ど)、滑剤、離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエ
ステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、
ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料
(たとえばニトロシンなど)、難燃剤、顔料(たとえば
硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラックな
ど)を含む着色剤、可塑剤、帯電防止剤などの通常の添
加剤や他の熱可塑性樹脂を添加して、所望の特性を付与
することができる。
【0022】これらを添加する方法は溶融混練すること
が好ましく、溶融混練には公知の方法を用いることがで
きる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、
ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、200
〜350℃の温度で溶融混練して組成物とすることがで
きる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。まず、実施例および比較例において行った試験方法
について説明する。
【0024】(1)昇華物の定量 液晶ポリエステルのペレット10gを400mlの試験
管に入れ、窒素雰囲気下で試料部分を320℃で2時間
加熱した。その際、試験管上部に付着した昇華物の重量
を測定した。発生した昇華物量は、ポリマー重量に対す
る重量比(%)で表わした。
【0025】(2)発生酢酸の定量 液晶ポリエステル100mgを25mlの試験管内に密
封し、330℃で15分加熱した。その後、150℃に
加熱しておいたガスタイトシリンジで気相部1.0ml
をサンプリングし、ガスクロマトグラフィーにかけて、
発生酢酸量を定量した。発生酢酸量はポリマー重量に対
する重量比(ppm)で表わした。
【0026】(3)耐腐食試験 液晶ポリエステルのペレット100gを表面を研磨処理
した銅片(10mm×10mm×1mm)と共にガラス
容器内に密封し、150℃×300時間加熱処理して後
の電気抵抗をミリオーム計を用いて測定した。
【0027】実施例1 p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸118
重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテ
レフタレート216重量部及び無水酢酸960重量部を
撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、次の条件で
脱酢酸重合を行った。
【0028】まず、窒素ガス雰囲気下に100〜250
℃で5時間、250〜300℃で1.5時間反応させた
後、315℃、1時間で0.5mmHgに減圧し、更に1.
25時間反応させ、重縮合を完了した。その後重合缶内
を4kg/cm2 に加圧後、口金を経由してポリマをス
トランド状に吐出し、ペレタイザーによりペレット化し
た。得られたペレットは分析評価に供した。
【0029】また、この液晶ポリエステルを偏光顕微鏡
の試料台にのせ、昇温して光学異方性の確認を行った結
果、液晶開始温度は、293℃であり、良好な光学異方
性を示した。また、融点(Tm)は313℃であった。
この液晶ポリエステルの対数粘度(0.1g/dlの濃
度でペンタフルオロフェノール中、60℃で測定)は
2.02dl/gであり、323℃、ずり速度1000
/秒での溶融粘度は800ポイズであった。
【0030】比較例1 p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112
重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテ
レフタレート216重量部及び無水酢酸960重量部を
撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、実施例1と
同様な条件で脱酢酸重合を行った。
【0031】得られたペレットは分析評価に供した。
【0032】また、この液晶ポリエステルを偏光顕微鏡
の試料台にのせ、昇温して光学異方性の確認を行った結
果、液晶開始温度は、293℃であり、良好な光学異方
性を示した。また、融点(Tm)は313℃であった。
この液晶ポリエステルの対数粘度(0.1g/dlの濃
度でペンタフルオロフェノール中、60℃で測定)は
1.98dl/gであり、323℃、ずり速度1000
/秒での溶融粘度は780ポイズであった。
【0033】比較例2 p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸107
重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテ
レフタレート216重量部及び無水酢酸960重量部を
撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、実施例1と
同様な条件で脱酢酸重合を行った。
【0034】得られたペレットは分析評価に供した。
【0035】また、この液晶ポリエステルを偏光顕微鏡
の試料台にのせ、昇温して光学異方性の確認を行った結
果、液晶開始温度は、293℃であり、良好な光学異方
性を示した。また、融点(Tm)は313℃であった。
この液晶ポリエステルの対数粘度(0.1g/dlの濃
度でペンタフルオロフェノール中、60℃で測定)は
1.96dl/gであり、323℃、ずり速度1000
/秒での溶融粘度は770ポイズであった。
【0036】比較例3 p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸151
重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテ
レフタレート216重量部及び無水酢酸960重量部を
撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み(仕込原料中
の[iii]/([ii-1]+[ii-2])の値は1.35である)、
実施例1と同様な条件で脱酢酸重合を行ったが、315
℃、0.5mmHgの減圧下で4時間撹拌してもトルクはほ
とんど上昇しなかった。その後重合缶内を4kg/cm
2 に加圧後、口金を経由してポリマを重合缶より取り出
し固化後、粉砕機にかけた。この液晶ポリエステルの対
数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフルオロフェノ
ール中、60℃で測定)は0.43dl/gであった。
【0037】表1に実施例1および比較例1〜2で得ら
れたポリマの加熱時昇華物量、加熱時発生酢酸量および
耐腐食試験の結果を示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果から明らかなように、本発明の
製造方法により得られた液晶ポリエステルは昇華物量、
発生酢酸量が少なく、耐腐食試験も優れたものが得られ
ることがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば加熱時あるいは溶融時に
発生する昇華物量および酢酸量が少なく、高温下で長時
間使用した際の金属接点腐食防止性にすぐれた成形品を
与えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−275716(JP,A) 特開 平3−250022(JP,A) 特開 平3−243621(JP,A) 特開 昭63−118325(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料として下記式(i-1) で表わされるp−
    ヒドロキシ安息香酸および/または下記式(i-2) で表わ
    されるp−アセトキシ安息香酸、下記式(ii-1)で表わさ
    れる芳香族ジオールおよび/または下記式(ii-2)で表わ
    される芳香族ジアセテート、下記式(iii) で表わされる
    芳香族ジカルボン酸および下記式(iv)で表わされる構造
    単位を有するオリゴエステルおよび/又はポリエステル
    を用いて、必要に応じて系中で無水酢酸でアセチル化反
    応を行った後、均一溶融状態になるまで溶融重合を行う
    に際して、原料モノマ化合物(ii-1)、(ii-2)、(iii) の
    モル数を各々[ii-1]、[ii-2]、[iii] としたとき、1<
    [iii] /([ii-1]+[ii-2])≦1.3を満たすように原
    料を仕込むことを特徴とする下記構造単位(I) 、(II)、
    (III) および(IV)からなり、構造単位(I)および(II)の
    合計構造単位(I)、(II)および(III)]の合計に対して
    55〜95モル%、構造単位(III) が構造単位(I)、(I
    I)および(III)の合計に対して45〜5モル%からな
    り、0.1g/dl濃度、60℃のペンタフルロフェノ
    ール中での対数粘度が0.5〜5dl/gである液晶ポ
    リエステルの製造方法。 【化1】 (ただし式中のR1 、R2 は 【化2】 から選ばれた1種以上の基を示し、R3 、R4 は 【化3】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
    原子または塩素原子を示す。) 【化4】 (ただし式中のR5 は 【化5】 から選ばれた1種以上の基を示し、R6 は 【化6】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
    原子または塩素原子を示す。)
  2. 【請求項2】請求項1において、構造単位(I)および(I
    I)の合計構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対し
    77〜95モル%、構造単位(III)が構造単位(I)、(I
    I)および(III)の合計に対して23〜5モル%であり、
    構造単位(I)の(II)に対するモル比[(I)/(II)]が75/
    25〜95/5である請求項1記載の液晶ポリエステル
    の製造方法。
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