JP3269219B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性が優れ、かつ良
好な機械的特質および成形品外観を備えた耐熱性の優れ
た難燃性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックの高性能化に対する要
求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマが
数多く開発され、市場に供されているが、中でも分子鎖
の平行な配列を特徴とする光学異方性の液晶ポリマが優
れた成形性と機械的性質を有する点で注目され、機械部
品、電気・電子部品などに用途が拡大されつつある。
【0003】一方、これらの工業材料には、一般の化学
的、物理的諸特性のバランス以外に、火炎に対する安全
性、すなわち難燃性が強く要求されている。
【0004】しかしながら、液晶ポリエステル樹脂とし
て代表的なアルキレングリコールとジカルボン酸から得
られるポリエステルにアシルオキシ芳香族カルボン酸を
共重合した液晶ポリエステル樹脂(例えば特公昭56−
18016号公報記載のポリマ)は薄肉成形品(1/3
2”)での難燃性が不十分であることがわかった。
【0005】特公昭56−18016号公報記載ポリマ
に難燃性を付与する方法としては、有機臭素化合物とア
ンチモン化合物を併用する方法(特開平1−11856
7号公報)などが知られている。しかしながら、この方
法には、燃焼の際の発煙量が非常に多く、成形加工時や
成形品の使用の際にハロゲンが遊離して腐食性のハロゲ
ン化水素ガスが発生し、金型の腐食や金属接点の汚染の
源となる場合がある。また、最近では一部の臭素系難燃
剤を使用した樹脂の成形加工時や燃焼の際に有毒な臭素
化ジベンゾダイオキシンあるいは臭素化ジベンゾフラン
が発生するということが指摘されている。
【0006】そこで、近年これらハロゲン系難燃剤の持
つ欠点を克服するためにハロゲンを全く含まない難燃剤
を用いることが強く望まれるようになった。
【0007】ハロゲン系難燃剤を用いずに前記ポリマを
難燃化する方法としては、リン化合物の共重合(特開平
3−134021号公報)やブレンド(特開平3−13
7154号公報)などが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平3−
134021号公報に記載の方法では十分な耐熱性が得
られず、また、特開平3−137154号公報に記載の
方法では十分な耐加水分解性の得られないことがわかっ
た。よって本発明は、難燃性、耐熱性、機械的性質に優
れると共に、耐加水分解性に優れた難燃性樹脂組成物を
得ることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】異方性溶融相を形成する
液晶ポリエステル樹脂および/または液晶ポリエステル
アミド樹脂(A)100重量部に対して、有機リン化合
物(B)0.2〜30重量部、シアヌル酸化合物および
/またはメラミン系化合物(C)0.2〜30重量部を
配合してなる難燃性樹脂組成物を提供するものである。
【0010】本発明でいう液晶ポリエステル樹脂とは、
芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳
香族ジカルボニル単位、エチレンジオキシ単位などから
選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成するポリ
エステルであり、液晶ポリエステルアミド樹脂とは上記
構造単位と芳香族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミ
ノ単位、芳香族イミノオキシ単位などから選ばれた構造
単位からなる異方性溶融相を形成するポリエステルアミ
ドである。
【0011】本発明に好ましく使用できる液晶ポリエス
テル樹脂は、下記構造単位(I) 、(III) 、(IV)あるいは
(I) 、(II)、(III) 、(IV)の構造単位からなるポリエス
テルである。
【0012】
【化1】 (ただし式中のR1
【化2】 から選ばれた一種以上の基を示し、R2
【化3】 から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素
原子または塩素原子を示し、構造単位(II)および(III)
の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルである。) 上記構造単位(I) はp−ヒドロキシ安息香酸から生成し
たポリエステルの構造単位であり、構造単位(II)は4,
4´−ジヒドロキシビフェニル、3,3´,5,5´−
テトラメチル−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハ
イドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,
7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンおよび4,4´−ジヒドロキ
シジフェニルエーテルから選ばれた芳香族ジヒドロキシ
化合物から生成した構造単位を、構造単位(III) はエチ
レングリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)
はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4´−ジフェニル
ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,
2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボン
酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−
4,4´−ジカルボン酸およびジフェニルエーテルジカ
ルボン酸から選ばれた芳香族ジカルボン酸から生成した
構造単位を各々示す。これらのうちR1
【化4】 であり、R2
【化5】 であるものが特に好ましい。また液晶ポリエステルアミ
ド樹脂としては、上記構造単位(I) 〜(IV)以外にp−ア
ミノフェノ−ルから生成したp−イミノフェノキシ単位
を含有した異方性溶融相を形成するポリエステルアミド
が好ましい。
【0013】本発明に好ましく使用できる液晶ポリエス
テル樹脂は、上記構造単位(I) 、(III) 、(IV)または
(I) 、(II)、(III) 、(IV)からなる共重合体であり、上
記構造単位(I) 、(II)、(III) および(IV)の共重合量は
任意である。しかし、流動性の点から次の共重合量であ
ることが好ましい。
【0014】すなわち、上記構造単位(I) 、(III) 、(I
V)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I) は構造
単位(I)および(III) の合計に対して30〜95モル%
が好ましく、40〜95モル%がより好ましい。また、
構造単位(IV)は構造単位(III) と実質的に等モルであ
る。
【0015】一方、上記構造単位(I) 、(II)、(III) 、
(IV)からなる共重合体の場合は、耐熱性、難燃性および
機械的特性の点から上記構造単位(I)および(II)の合計
構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して60〜
95モル%が好ましく、82〜92モル%がより好まし
い。また、構造単位(III) は構造単位(I)、(II)および
(III)の合計に対して40〜5モル%が好ましく、18
〜8モル%がより好ましい。また、構造単位(I)の(II)
に対するモル比[(I) /(II)]は耐熱性と流動性のバラン
スの点から好ましくは75/25〜95/5であり、よ
り好ましくは78/22〜93/7である。また、構造
単位(IV)は構造単位(II)および(III)の合計と実質的に
等モルである。
【0016】上記構造単位(I) 〜(IV)を構成する成分以
外に3,3´−ジフェニルジカルボン酸、2,2´−ジ
フェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸
などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸
などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、メ
チルハイドロキノン、4,4´−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルフ
ィド、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン等の芳香
族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安
息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−
アミノ安息香酸などを本発明の目的を損なわない程度の
少割合の範囲でさらに共重合せしめることができる。
【0017】本発明において好ましく使用できる上記液
晶ポリエステル樹脂および/または液晶ポリエステルア
ミド樹脂の製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエ
ステルの重縮合法に準じて製造できる。
【0018】例えば、上記好ましく用いられる液晶ポリ
エステル樹脂の製造において、次の製造方法が好ましく
挙げられる。
【0019】(1)p−アセトキシ安息香酸、4,4´
−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなど
の芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物とテレフタ
ル酸などの芳香族ジカルボン酸およびポリエチレンテレ
フタレ―トなどのポリエステルのポリマ、オリゴマまた
はビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳
香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エス
テルから脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。
【0020】(2)p−ヒドロキシ安息香酸、4,4´
−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香
族ジヒドロキシ化合物、無水酢酸、テレフタル酸などの
芳香族ジカルボン酸、ポリエチレンテレフタレ―トなど
のポリエステルのポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒ
ドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン
酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルとを脱酢酸
重縮合反応によって製造する方法。
【0021】これらの重縮合反応は無触媒でも進行する
が、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウ
ムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグ
ネシウムなどの金属化合物を添加した方が好ましいとき
もある。
【0022】本発明に好ましく使用できる上記液晶ポリ
エステル樹脂および/または液晶ポリエステルアミド樹
脂は、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定す
ることが可能であり、その際には0.1g/dlの濃度
で60℃で測定した値で0.3dl/g以上が好まし
く、0.5〜3.0dl/gが特に好ましい。
【0023】また、本発明における液晶ポリエステル樹
脂および/または液晶ポリエステルアミド樹脂の溶融粘
度は10〜20,000ポイズが好ましく、特に20〜
10,000ポイズがより好ましい。
【0024】なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10
℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で
高化式フローテスターによって測定した値である。
【0025】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の
昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(T
1)の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持し
た後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した
後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測され
る吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0026】本発明において(B)成分として用いられ
る有機リン化合物は、分子中にリン原子を有するもので
あり、リン酸化合物およびその誘導体、ホスホン酸化合
物およびその誘導体、ホスフィン酸およびその誘導体、
ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物あるいは
これら化合物を少なくとも一成分として含有するポリマ
ーなどが挙げられ、一部が金属塩であってもよい。な
お、これらの有機リン化合物は2種以上用いてもよい。
【0027】これらのリン化合物のうち好ましいものは
下記構造からなるリン化合物、
【化6】 (ここでR3 〜R6は炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化
水素基および/または炭素数6〜20の1価の芳香族炭
化水素基を示し、R7 は炭素数1〜8の2価の脂肪族炭
化水素基、炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基ま
たは
【化7】 から選ばれた1種以上の基を示す)。
【0028】あるいは下記構造単位からなるポリマであ
る。
【0029】
【化8】 (ここでR8 、R10、R13は炭素数1〜8の1価の脂肪
族炭化水素基および/または炭素数6〜20の1価の芳
香族炭化水素基を示し、Arは炭素数6〜20の3価の
芳香族炭化水素基を示し、R9 、R11、R12、R14は炭
素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20
の2価の芳香族炭化水素基または
【化9】 から選ばれた1種以上の基を示す)。
【0030】これらの有機リン化合物の添加量は、液晶
ポリエステル樹脂および/または液晶ポリエステルアミ
ド樹脂100重量部当り0.2〜30重量部、好ましく
は0.5〜15重量部であり、構造単位(III) の100
重量部に対して2〜150重量部が好ましく、10〜1
10重量部がより好ましい。0.2重量部未満では難燃
効果が不十分であり、30重量部より多いときには機械
的、熱的特性が低下するため好ましくない。
【0031】また、本発明において有機臭素化合物、好
ましくは臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネー
ト、臭素化エポキシポリマー、臭素化ポリフェニレンエ
ーテルを少量併用してもよく、有機リン化合物が下記構
造単位からなるポリマのように臭素原子を含有した有機
リン化合物であってもよい。
【0032】
【化10】 本発明で用いられるシアヌル酸化合物および/またはメ
ラミン系化合物(C)は、2種以上を併用してもよい。
【0033】これらのシアヌル酸化合物および/または
メラミン系化合物のうち好ましいのは下記構造からなる
シアヌル酸化合物、
【化11】 (式中R15は水素原子または相互に異なっていてもよい
低級アルキル基を示す) メラミン、メラミン誘導体、メラミンと類似の構造を有
する化合物、メラミンの縮合物またはメラミンシアヌレ
ートであり、さらに好ましくはシアヌル酸、イソシアヌ
ル酸、メラミン、メラミンシアヌレートである。
【0034】これらのシアヌル酸化合物および/または
メラミン系化合物の添加量は、液晶ポリエステル樹脂お
よび/または液晶ポリエステルアミド樹脂100重量部
当り0.2〜30重量部、好ましくは0.5〜15重量
部であり、構造単位(III) の100重量部に対して2〜
150重量部が好ましく、10〜110重量部がより好
ましい。0.2重量部未満では難燃効果が不十分であ
り、30重量部より多いときには機械的、熱的特性が低
下するため好ましくない。
【0035】また、本発明の液晶ポリエステル樹脂およ
び/または液晶ポリエステルアミド樹脂に対して強化
剤、充填剤を添加することにより、機械的特性、耐熱性
をいっそう改善することができる。
【0036】強化剤、充填剤を添加する場合、その添加
量は液晶ポリエステル樹脂および/または液晶ポリエス
テルアミド樹脂100重量部に対して200重量部以下
が好ましく、15〜150重量部が特に好ましい。
【0037】本発明において用いることができる強化
剤、充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポ
リアミド繊維、チタン酸カリウム繊維、石膏繊維、黄銅
繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミック繊
維、ボロンウィスカー繊維、アスベスト繊維、グラファ
イト、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラ
スビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、
クレー、ワラステナイト、酸化チタン、二硫化モリブデ
ン、等の繊維状、粉状、粒状あるいは板状の無機フィラ
ーが挙げられる。又、これらの強化剤、充填剤について
もシラン系、チタネート系などのカップリング剤、その
他の表面処理剤で処理されたものを用いてもよい。
【0038】更に、本発明の液晶ポリエステル樹脂およ
び/または液晶ポリエステルアミド樹脂には、本発明の
目的を損なわない程度の範囲で、酸化防止剤および熱安
定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、
ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸
収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾ
トリアゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤および離型
剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハー
フエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよ
びポリエチレンワックスなど)、染料(たとえばニトロ
シンなど)および顔料(たとえば硫化カドミウム、フタ
ロシアニン、カーボンブラックなど)を含む着色剤、可
塑剤、帯電防止剤などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹
脂を添加して、所定の特性を付与することができる。
【0039】これらを添加する方法は溶融混練すること
が好ましく、溶融混練には公知の方法を用いることがで
きる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、
ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、200
〜350℃の温度で溶融混練して組成物とすることがで
きる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。
【0041】参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112
重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテ
レフタレ−ト216重量部及び無水酢酸960重量部を
撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、次の条件で
脱酢酸重合を行った。
【0042】まず、窒素ガス雰囲気下に100〜250
℃で5時間、250〜300℃で1.5時間反応させた
後、315℃、1時間で0.5mmHgに減圧し、更に1.
25時間反応させ、重縮合を完結させたところ、ほぼ理
論量の酢酸が留出し、下記の理論構造式を有する液晶ポ
リエステル樹脂を得た。
【0043】
【化12】 k/l/m/n=80/7.5/12.5/20 また、この液晶ポリエステル樹脂を偏光顕微鏡の試料台
にのせ、昇温して光学異方性の確認を行った結果、液晶
開始温度は、293℃であり、良好な光学異方性を示し
た。また、融点(Tm)は314℃であった。この液晶
ポリエステル樹脂の対数粘度(0.1g/dlの濃度で
ペンタフルオロフェノ−ル中、60℃で測定)は1.9
8dl/gであり、324℃、ずり速度1000/秒で
の溶融粘度は780ポイズであった。
【0044】実施例1〜3、比較例1〜3 参考例1の液晶ポリエステル樹脂、表1に示す各種有機
リン化合物およびメラミンシアヌレートをそれぞれ乾燥
し、液晶ポリエステル樹脂100重量部に対して、有機
リン化合物、メラミンシアヌレートを表1に示す量、ま
たガラス繊維(日本電気硝子社製ガラスチョップドスト
ランドECS−03T−790DE/P、繊維長:3.
2mm、単繊維直径:6.6μm)を44重量部ドライ
ブレンドし、30mmφの2軸押出機を用いて310℃
で溶融混練してペレットとした。このペレットを住友ネ
スタール射出成形機プロマット40/25(住友重機械
工業(株)製)に供し、シリンダー温度310℃、金型
温度90℃の条件で燃焼試験片(1/32”×1/2”
×5”)およびASTM1号ダンベル試験片を成形し
た。これらの試験片について外観観察を行うと共に、U
L94規格にしたがい垂直型燃焼テストを、ASTM
D638規格にしたがい引張試験の測定をおこなった。
また耐加水分解性はASTM1号ダンベルを小型耐圧容
器に入れ純水を満たした後、90℃のギヤオーブンに入
れ3日および5日間熱処理し、引張強度保持率(処理後
の引張強度/処理前の引張強度×100)を測定するこ
とによって調べた。これらの結果を表1に示した。
【0045】本発明すなわち有機リン化合物およびメラ
ミンシアヌレートを添加した場合には機械特性、耐加水
分解性、難燃性に優れた成形品が得られるが、メラミン
シアヌレートを添加しない場合には難燃化の効果が低
く、成形品の耐加水分解性が不良であることがわかっ
た。
【0046】有機リン化合物(A)
【化13】 有機リン化合物(B)
【化14】 有機リン化合物(C)
【化15】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の難燃性樹脂組成物は耐熱性、機
械的性質、耐加水分解性および難燃性が優れた樹脂組成
物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 C08L 77/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異方性溶融相を形成する液晶ポリエステ
    ル樹脂および/または液晶ポリエステルアミド樹脂
    (A)100重量部に対して、有機リン化合物(B)
    0.2〜30重量部、シアヌル酸化合物および/または
    メラミン系化合物(C)0.2〜30重量部を配合して
    なる難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 液晶ポリエステル樹脂および/または液
    晶ポリエステルアミド樹脂(A)がエチレンジオキシ単
    位を必須成分として含有する請求項1記載の難燃性樹脂
    組成物。
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