JP3048234B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP3048234B2 JP01232614A JP23261489A JP3048234B2 JP 3048234 B2 JP3048234 B2 JP 3048234B2 JP 01232614 A JP01232614 A JP 01232614A JP 23261489 A JP23261489 A JP 23261489A JP 3048234 B2 JP3048234 B2 JP 3048234B2
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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は優れた耐熱性、難燃性および機械的性質を有
する成形品を与え得る難燃性樹脂組成物に関するもので
ある。
〈従来の技術〉 近年プラスチックの高性能化に対する要求がますます
高まり、種々の新規性能を有するポリマが数多く開発さ
れ、市場に供されているが、中でも分子鎖の平行な配列
を特徴とする光学異方性の液晶ポリマが優れた流動性と
機械的性質を有する点で注目されている。しかしなが
ら、この液晶ポリマとしてこれまで知られているものは
荷重たわみ温度が低く、耐熱性が必ずしも十分でなかっ
たり、耐熱性は良好であるが、融点が高すぎて400℃以
上でないと成形できなかったりして耐熱性と成形性のバ
ランスを有したポリマを得ることは困難であった。
一方、多くの熱可塑性ポリマは液晶ポリマに比して、
成形時の流動性と機械的性質に劣り、耐熱性も必ずしも
十分でないことが知られている。
このため、熱可塑性ポリマの成形時の流動性や機械的
性質を向上させるために、種々の液晶ポリマを添加し、
組成物とすることが提案されている(特開昭56-115357
号公報、特開昭57-51739号公報など)。
また、一般に液晶ポリエステルは耐燃焼性を持ってお
り、直接火炎にさらされると自己発泡的に炭化層を形成
する性質がある事が(Materials Engineering誌1980年
2月号「発泡防火塗料:火災に対する最も重要な防御法
について」)等で知られている。しかしながら、液晶ポ
リエステルと熱可塑性樹脂を配合した場合、熱可塑性樹
脂の比率が多くなってくると、難燃性(特に薄肉成形
品)が十分でない事がわかった。
〈発明が解決しようとする課題〉 そこで、特公昭56-18016号公報記載液晶ポリマーや特
公昭47-47870号公報記載液晶ポリマーと熱可塑性ポリマ
ーからなる組成物に有機臭素化合物系難燃剤及びアンチ
モン化合物を添加した結果、耐熱性の向上効果が不十分
であったり、配合時の加工温度が高すぎて熱可塑性ポリ
マや難燃剤自身が分解し、実用的な組成物が得られない
事や、機械的性質が劣るなどの問題がある事がわかっ
た。
本発明は上述の問題を解消し、耐熱性、難燃性および
機械的性質にすぐれ、難燃性の改良された樹脂組成物を
得ることを課題とする。
〈課題を解決するための手段〉 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結
果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、 (A)下記(I)、(II)、(III)、(IV)および
(V)の構造単位および/または下記(I)、(II)、
(IV)および(V)の構造単位からなる荷重たわみ温度
が150〜280℃のサーモトロピック液晶ポリエステル1〜
99重量%と、 (B)ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリレンオ
キサイド、半芳香族ポリエステル、ポリアリレンスルフ
ィドから選ばれた一種以上の熱可塑性樹脂99〜1重量% からなる樹脂組成物100重量部に対して、 O−X−O …(III) O−CH2CH2−O− …(IV) から選ばれた一種以上の基を示し、構造単位(V)のカ
ルボニル基は互いにパラあるいはメタ位の関係にあり、
その65モル%以上がパラ位である。また構造単位(V)
は構造単位[(II)、(III)および(IV)の合計]と
実質的に等モルである。) (C)充填剤0〜200重量部、 (D)臭素化ポリスチレンおよび/または臭素化ポリフ
ェニレンエーテル0.5〜50重量部、 (E)アンチモン化合物0〜30重量部 を含有せしめてなることを特徴とする難燃性樹脂組成物
を提供するものである。
本発明におけるサーモトロピック液晶ポリエステル
(A)の上記構造単位(I)は、p−ヒドロキシ安息香
酸から生成したポリエステルの構造単位を、上記構造単
位(II)は4,4′−ジヒドロキシビフェニルから生成し
た構造単位を、上記構造単位(III)はハイドロキノ
ン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノ
ン、2,6−ジヒドロキシナフタレンから選ばれた一種以
上のジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、(I
V)はエチレングリコールから生成した構造単位を、
(V)はテレフタル酸および/またはイソフタル酸から
生成した構造単位を各々示す。
本発明のサーモトロピック液晶ポリエステル(A)は
上記(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)の
構造単位および/または上記(I)、(II)、(IV)お
よび(V)の構造単位からなる共重合体である。
一方、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(I
V)および(V)の共重合量は次の割合であることが好
ましい。
すなわち、耐熱性、難燃性および機械的性質の点か
ら、上記構造単位(I)、(II)および(III)の合計
量は、構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)
の合計量に対して77〜95モル%が好ましく、82〜92モル
%がさらに好ましい。また構造単位(IV)は構造単位
(I)、(II)、(III)および(IV)の合計量に対し
て23〜5モル%が好ましく、18〜8モル%がさらに好ま
しい。また、構造単位(I)と構造単位(II)および
(III)の合計のモル比[(I)/[(II)+(II
I)]]は、耐熱性と流動性の点から、好ましくは75/25
〜95/5であり、より好ましくは78/22〜93/7である。ま
た、構造単位(V)は構造単位(II)、(III)および
(IV)の合計と実質的に等モルである。
本発明におけるサーモトロピック液晶ポリエステル
(A)は、荷重たわみ温度が150〜280℃であることが必
須であり、190〜280℃が好ましい。
荷重たわみ温度が150℃未満では耐熱性の向上効果が
不十分であり、280℃を越えると配合時に熱可塑性ポリ
マが熱分解したり、得られた樹脂組成物の成形温度が高
くなるという問題が発生する。
ここで荷重たわみ温度はASTM D648に基づき、1/8″×
1/2″×5″の試験片を18.6kg/cm2の応力で測定した値
である。
本発明におけるサーモトロピック液晶ポリエステル
(A)の製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエス
テルの重縮合法に準じて製造できる。
具体的には、エチレングリコールとテレフタル酸およ
び/またはイソフタル酸からなるポリエステルやオリゴ
マあるいはテレフタル酸および/またはイソフタル酸の
ビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で、p
−アセトキシ安息香酸、4,4′ジヒドロキシビフェニル
などの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化合物とテ
レフタル酸などの芳香族ジカルボン酸を脱酢酸重縮合反
応する方法、およびエチレングリコールと、テレフタル
酸および/またはイソフタル酸からなるポリエステルや
オリゴマあるいはテレフタル酸および/またはイソフタ
ル酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下
で、p−アセトキシ安息香酸、4,4′ジヒドロキシビフ
ェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合
物と、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸とに無水
酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した
後、脱酢酸重縮合反応する方法などが挙げられる。
重縮合反応に使用する触媒としては、酢酸第一錫、テ
トラブチルチタネート、酢酸カリウム、三酸化アンチモ
ン、マグネシウム、酢酸ナトリウムなどの金属化合物が
代表的であり、とりわけ脱フェノール重縮合の際に有効
である。
本発明のサーモトロピック液晶ポリエステル(A)
は、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定する
ことが可能なものであり、その際には0.1g/dlの濃度で6
0℃で測定した値で0.5dl/g以上が好ましく、特に上記構
造単位(IV)を含む場合は1.0〜3.0dl/gが好ましく、上
記構造単位(IV)を含まない場合は2.0〜10.0dl/gが好
ましい。
また、本発明の芳香族ポリエステルの溶融粘度は10〜
20,000ポイズが好ましく、特に20〜10,000ポイズがより
好ましい。
なお、この溶融粘度は(液晶開始温度+40℃)でずり
速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターに
よって測定した値である。
なお、本発明の芳香族ポリエステルを重縮合する際に
は上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)およ
び(V)を構成する成分以外に、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、3,3′−ジ
フェニルジカルボン酸、3,4′−ジフェニルジカルボン
酸、2,2′−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェ
ノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、1,2−ビス(2
−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、
4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸などの芳香族
ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式
ジカルボン酸、レゾルシン、クロルハイドロキノン、メ
チルハイドロキノン、2,7−ジヒドロキシナフタレンな
どの芳香族ジヒドロキシ化合物、m−オキシ安息香酸、
2,6−オキシナフトエ酸などの芳香族オキシカルボン酸
およびp−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸など
を本発明の目的を損なわない程度の少割合の範囲でさら
に共重合せしめることができる。
本発明の樹脂組成物においては、ポリアミド、ポリカ
ーボネート、ポリアリレンオキサイド、半芳香族ポリエ
ステル、ポリアリレンスルフィドから選ばれた一種以上
の熱可塑性樹脂(B)が必須成分であり、荷重たわみ温
度190℃未満が好ましい。
熱可塑性樹脂(B)の好ましい具体例としては下記の
ものが挙げられる。
ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン46、ナイ
ロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12などお
よびこれらの共重合体などが挙げられる。ポリカーボネ
ートとしては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)、ビス
(3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニル)または
ビス(3,5−ジハロ−4−ヒドロキシフェニル)置換を
含有する炭化水素誘導体をベースとするポリカーボネー
トが好ましく、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(ビスフェノールA)をベースとするポリカー
ボネートが特に好ましい。ポリアリレンオキサイドとし
ては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテ
ル、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェ
ノール共重合体、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−ト
リエチルフェノール共重合体などが挙げられる。
ポリアリレンオキサイドにはポリスチレン、耐衝撃ポ
リスチレンなどのスチレン系樹脂を添加することができ
る。
半芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアル
キレンテレフタレートなどが挙げられる。
ポリアリレンスルフィドとしては、ポリパラフェニレ
ンスルフィドなどが挙げられる。
本発明に用いる熱可塑性樹脂(B)として、上記のう
ちポリアミド、ポリカーボネート、半芳香族ポリエステ
ル、ポリアリレンスルフィドが特に好ましく使用でき
る。
本発明において、サーモトロピック液晶ポリエステル
(A)の配合量は1〜99重量%、好ましくは5〜95重量
%に、熱可塑性樹脂(B)の配合量は99〜1重量%、好
ましくは95〜5重量%にする必要がある。サーモトロピ
ック液晶ポリエステル(A)が1重量%未満では耐熱
性、流動性および機械的性質が不十分であり、99重量%
を越えると機械的性質の異方性が大きくなる。
本発明において用いることができる(C)成分の充填
剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド
繊維、チタン酸カリウム繊維、石コウ繊維、黄銅繊維、
ステンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、ボ
ロンウイスカ繊維、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カル
シウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイク
ロバルーン、クレー、ワラステナイト、酸化チタン等の
繊維状、粉状、粒状あるいは板状の無機フィラーが挙げ
られる。
上記充填剤中、ガラス繊維が好ましく使用される。ガ
ラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものな
ら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプ
のチョップトストランド、ミルドファイバーなどから選
択して用いることができる。また、ガラス繊維はエチレ
ン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ
樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていて
も良く、またシラン系、チタネート系などのカップリン
グ剤、その他の表面処理剤で処理されていても良い。
充填剤を添加する場合の量は、サーモトロピック液晶
ポリエステルと熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物100重
量部当り、200重量部以下であり、より好ましくは100重
量部以下である。
本発明において難燃剤として用いられる(D)成分
は、臭素化ポリスチレンおよび/または臭素化ポリフェ
ニレンエーテル(以下、有機臭素化合物と総称する)で
ある。臭素化ポリスチレンとしては、下記(ii)式で表
されるものが好ましい。
また、架橋臭素化ポリスチレンとしては、ジビニルベ
ンゼンで架橋された多孔質ポリスチレンを臭素化したポ
リスチレンが好ましい。
これらの有機臭素化合物(D)の添加量は、液晶ポリ
エステル100重量部当り、0.5〜50重量部、好ましくは1
〜40重量部である。添加量が0.5重量部未満では、難燃
性が十分でなく、50重量部を越えると組成物の物性が低
下するので好ましくない。
本発明においては成分(E)としてアンチモン化合物
を使用することができる。アンチモン化合物としては通
常ポリエステルの難燃助剤として用いられるものなら、
特に制約はないが、アンチモン酸ソーダが好ましい。ま
た、アンチモン化合物と共に酸化ジルコニウム、硫化亜
鉛、硫酸バリウム等を併用してもよい。このアンチモン
酸ソーダは、550℃以上の高温で熱処理した実質的に無
水のアンチモン酸ソーダが好ましく、1〜30μmの平均
粒子径のものが好ましい。
本発明においてアンチモン化合物の添加量は液晶ポリ
エステル100重量部当り、0〜30重量部であるが、アン
チモン化合物の添加により組成物成形品の機械的物性が
低下する傾向が見られる場合があるため、アンチモン化
合物の添加量は難燃性を得るために必要な最低量にする
のが好ましい。例えば液晶ポリエステルとポリカーボネ
ート、ポリアリレンオキサイド、ポリアリレンスルフィ
ドなどの熱可塑性樹脂の組成物の場合には、有機臭素化
合物(D)のみで難燃化が可能である。
本発明の組成物には、本発明の目的を損なわない程度
の範囲で、酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダ
ードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類および
これらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾル
シノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾ
フェノンなど)、滑剤および離型剤(モンタン酸および
その塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリ
ルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワック
スなど)、染料(たとえばニトロシンなど)および顔料
(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボン
ブラックなど)を含む着色剤、可塑剤、帯電防止剤、 などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂を添加して、
所定の特性を付与することができる。
本発明の樹脂組成物は溶融混練することが好ましく、
溶融混練には公知の方法を用いることができる。たとえ
ば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単
軸もしくは二軸押出機などを用い、200〜400℃の温度で
溶融混練して組成物とすることができる。
〈実施例〉 以下、実施例により本発明を詳述する。
参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸881重量部、4,4′−ジヒドロ
キシビフェニル158重量部、無水酢酸907重量部、テレフ
タル酸141重量部および固有粘度が約0.6dl/gのポリエチ
レンテレフタレート245重量部を攪拌翼、留出管を備え
た反応容器に仕込み、次の条件で脱酢酸重縮合を行っ
た。
まず窒素ガス雰囲気下に100〜250℃で5時間、250〜3
00℃で1.5時間反応させたのち、300℃、1時間で0.5mmH
gに減圧し、さらに2.25時間反応させ、重縮合を完結さ
せたところ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構
造式を有する樹脂(a)を得た。
k/l/m/n=75/10/15/25 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にの
せ、昇温して、光学異方性の確認を行った結果、液晶開
始温度は264℃であり、良好な光学異方性を示した。こ
のポリエステルの対数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフ
ルオロフェノール中、60℃で測定)は1.96dl/gであり、
304℃、ずり速度1,000/秒での溶融粘度は810ポイズであ
った。
参考例2 p−アセトキシ安息香酸757重量部、固有粘度が約0.6
dl/gのポリエチレンテレフタレート538重量部を攪拌
翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、次の条件で脱酢
酸重合を行った。
まず窒素ガス雰囲気下に250〜280℃で3時間反応させ
た後、1mmHgに減圧し、さらに5時間加熱し、重縮合を
完結させ、下記の理論構造式を有する樹脂(d)を得
た。
k/l/m=69/40/40 このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、昇温
して光学異方性の確認を行ったところ、液晶開始温度は
174℃であった。このポリエステルの対数粘度(参考例
1と同一条件で測定)は0.65であり、214℃、ずり速度
1,000/秒での溶融粘度は3,200ポイズであった。
実施例1 参考例1の液晶ポリエステル(a)85重量部と対数粘
度0.65(オルトクロロフェノール中0.5g/dl、25℃で測
定)のポリエチレンテレフタレート15重量部、臭素化ポ
リスチレン(日産フェロー(株)製“パイロチェック"6
8PB)8重量部、アンチモン酸ソーダ(日産化学社製品N
A-1070)4重量部をリボンブレンダーで混合後、300℃
に設定した30mmφの2軸押出機により溶融混練−ペレッ
ト化した。
このポリマを住友ネスタール射出成形機プロマット40
/25(住友重機械工業(株)製)に供し、シリンダー温
度300℃、金型温度90℃の条件で1/8″×1/2″×5″の
テストピース、ASTMNo.1ダンベルおよび燃焼試験片(1/
32″厚×1/2″幅×5″長)を成形した。
これらの試験片について外観観察を行うと共に、UL94
規格に従い垂直燃焼テストを行った。そして荷重たわみ
温度は東洋精機製の荷重たわみ温度測定装置を用いて1/
8″×1/2″×5″の試験片の荷重たわみ温度(18.6kg/c
m2)を測定した。またASTM D638規格に従い引張テスト
を行った。
その結果、難燃性の燃焼試験で1/32″V-Oをクリアー
し、荷重たわみ温度は197℃であった。また引張強度は1
300kg/cm2であり、機械的性質が優れると共に良好な成
形品外観を有することがわかった。
実施例2〜9 参考例1および2のサーモトロピック液晶ポリエステ
ル(A)[(a)、(d)]90重量部と第1表に示す熱
可塑性樹脂(B)10重量部(合計100重量部)に対し
て、有機臭素化合物(D)、アンチモン化合物(E)を
第1表に示す割合で配合し、リボンブレンダーで混合
後、260〜350℃に設定した30mmφの2軸押出機で溶融混
練−ペレット化した。
このポリマを住友ネスタール射出成形機プロマット40
/25(住友重機械工業(株)製)に供し、シリンダー温
度260〜350℃、金型温度40〜90℃の条件で実施例1と同
様のテストピースを成形し、テストピースの外観観察を
行った。そして、UL-94規格に従い垂直燃焼テスト、荷
重たわみ温度、引張強度を測定した。これらの結果を併
せて第1表に示す。
比較例1〜8 参考例1および2のサーモトロピック液晶ポリエステ
ル(A)[(a)、(d)]と、第1表に示す熱可塑性
樹脂(B)(注:対数粘度はオルトルトクロロフェノー
ル中0.5g/dl、25℃で測定)とを第2表に示す割合で合
計100重量部になるように配合し、さらに比較例6、8
では有機臭素化合物(D)およびアンチモン化合物
(E)を第1表に示した割合で配合して、リボンブレン
ダーで混合後、260〜300℃に設定した30mmφの2軸押出
機で溶融混練−ペレット化した。
このポリマをシリンダー温度260〜300℃、金型温度40
〜90℃の条件で実施例1〜9、比較例6,8と同様のテス
トピースを成形し、テストピースの外観観察を行った。
そしてUL94規格に従い垂直燃焼テスト、荷重たわみ温
度、引張強度を測定した。これらの結果を併せて第1表
に示す。
第1表の結果により、比較例1〜5に比較し、少量の
難燃剤で燃焼性が1/32″厚V-Oと向上するが、本発明以
外のサーモトロピック液晶ポリエステルを用いた場合
(比較例8)は、燃焼性が1/32″厚でV-Oをクリアーす
ることが出来ず、成形品外観も不良で荷重たわみ温度も
低い。
実施例10、11、比較例9、10 参考例1、2のサーモトロピック液晶ポリエステル
(A)[(a)、(d)]、対数粘度0.89(オルトクロ
ロフェノール中0.5g/dl、25℃で測定)のポリブチレン
テレフタレート、有機臭素化合物、アンチモン化合物、
ガラス繊維(3mm長、10μm径チョップドストランド)
を第2表に示す割合で実施例1〜9と比較例1〜8と同
様に設定温度260〜300℃で溶融混合、ペレタイズした後
シリンダー温度260〜300℃、金型温度40〜90℃の条件で
実施例1〜9、比較例1〜8と同様のテストピースを成
形し、テストピースの外観観察を行った。そしてUL94規
格に従い垂直燃焼テスト、荷重たわみ温度、引張強度を
測定した。これらの結果を併せて第2表に示す。
第2表の結果から、本発明の限定された構造式からな
る荷重たわみ温度150〜280℃のサーモトロピック液晶ポ
リエステルに荷重たわみ温度が190℃未満の熱可塑性樹
脂を添加して得られるポリマに対して、有機臭素化合
物、アンチモン化合物からなる組成物は、充填剤を含む
場合においても難燃性、機械的性質に加え、成形品外観
もすぐれている。
〈発明の効果〉 本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃性、機械的性質、
成形品外観および耐熱性の優れた樹脂組成物が得られ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 69/00 C08L 69/00 71/10 71/10 77/00 77/00 81/02 81/02 81/06 81/06 合議体 審判長 井出 隆一 審判官 石井 あき子 審判官 中島 次一 (56)参考文献 特開 平1−190750(JP,A) 特開 昭63−101450(JP,A) 特開 平1−118567(JP,A) 特開 平1−115956(JP,A) 特開 昭64−16859(JP,A) 特開 昭50−53435(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08K 3/00,3/22,5/02 C08L 59/00,67/00,69/00 C08L 71/00,77/00 C08L 81/02,81/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記(I)、(II)、(III)、(I
    V)および(V)の構造単位および/または下記
    (I)、(II)、(IV)および(V)の構造単位からな
    る荷重たわみ温度が150〜280℃のサーモトロピック液晶
    ポリエステル1〜99重量%と、 (B)ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリレンオ
    キサイド、半芳香族ポリエステル、ポリアリレンスルフ
    ィドから選ばれた一種以上の熱可塑性樹脂99〜1重量% からなる樹脂組成物100重量部に対して、 O−X−O …(III) O−CH2CH2−O …(IV) から選ばれた一種以上の基を示し、構造単位(V)のカ
    ルボニル基は互いにパラあるいはメタ位の関係にあり、
    その65モル%以上がパラ位である。また構造単位(V)
    は構造単位(II)、(III)および(IV)の合計と実質
    的に等モルである。) (C)充填剤0〜200重量部、 (D)臭素化ポリスチレンおよび/または臭素化ポリフ
    ェニレンエーテル0.5〜50重量部、 (E)アンチモン化合物0〜30重量部 を含有せしめてなることを特徴とする難燃性樹脂組成
    物。
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