JP2870051B2 - 難燃性液晶ポリエステル - Google Patents

難燃性液晶ポリエステル

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JP2870051B2 JP27270789A JP27270789A JP2870051B2 JP 2870051 B2 JP2870051 B2 JP 2870051B2 JP 27270789 A JP27270789 A JP 27270789A JP 27270789 A JP27270789 A JP 27270789A JP 2870051 B2 JP2870051 B2 JP 2870051B2
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は難燃性に優れ、かつ良好な機械的性質および
成形品外観を備えた難燃性液晶ポリエステルに関するも
のである。
<従来の技術> 近年プラスチックの高性能化に対する要求がますます
高まり、種々の新規性能を有するポリマが数多く開発さ
れ、市場に供されているが、中でも分子鎖の平行な配列
を特徴とする光学異方性の液晶ポリマが優れた流動性と
機械的性質を有する点で注目され、機械部品、電気・電
子部品などに用途が拡大されつつある。
一方、これらの工業材料には、一般の化学的、物理的
諸特性のバランス以外に、火災に対する安全性、すなわ
ち難燃性が強く要求されている。
一般に液晶ポリマは、耐燃焼性を持っており、直接火
災にさらされると自己発泡的に炭化層を形成する性質が
あることが(Materials Engineering誌1980年2月号
「発泡防火塗料:火災に対する最も重要な防御法につい
て」)に記載されている。
しかしながら、アルキレングリコールとジカルボン酸
から得られるポリエステルにアシルオキシ芳香族カルボ
ン酸を共重合した液晶ポリエステル(例えば特公昭56−
18016号記載ポリマ)は、脂肪族成分を含有するために
薄肉成形品(1/32″)での難燃性が、全芳香族液晶ポリ
エステル(例えば“Vectra"A−130:ポリプラスチックス
社製)に比べ不十分であることがわかった。
<発明が解決しようとする課題> そこで、特公昭56−18016号記載ポリマに種々の難燃
剤を添加した結果、薄肉成形品(1/32″)の難燃性は向
上するが、良好な機械物性および成形品外観を有する成
形品が得られないなどの問題があることがわかった。
さらに、樹脂の難燃化に有機臭素化合物などのハロゲ
ン系化合物を難燃剤として使用することは当業界におい
ては公知の技術であるが、近年ハロゲン系難燃剤を使用
した樹脂の燃焼時に発生するハロゲン化ベンゾダイオキ
シン、ハロゲン化ジベンゾフランなどの有害性が問題に
なっている(ポリマーダイジェスト(12)、61(198
8))。
よって本発明は、ハロゲン系難燃剤を使用することな
く、難燃性、機械的性質に優れると共に、良好な成形品
外観を有する難燃性液晶ポリエステルを得ることを課題
とする。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結
果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記構造単位(I)〜(IV)と
下記構造単位(V−1)〜(V−4)から選ばれる少く
とも1種の有機リン含有構造単位とからなり、構造単位
(I)および(II)の合計が構造単位(I)、(II)お
よび(III)の合計に対して77〜95モル%、構造単位(I
II)が構造単位(I)、(II)および(III)の合計に
対して23〜5モル%、構造単位(I)と(II)のモル比
[(I)/(II)]が75/25〜95/5、構造単位(V−
1)、(V−2)、(V−3)および(V−4)の合計
が構造単位(III)に対して0.3〜45モル%であり、対数
粘度が0.5〜5dl/gであることを特徴とする難燃性液晶ポ
リエステルを提供するものである。
(ただし式中のR1 から選ばれた1種以上の基を、R2 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
原子または塩素原子を示す。
また、R3、R5、R7は炭素数1〜6のアルキル基、アリ
ール基を示し、R4、R6は鎖状または環状アルキレン残
基、アリーレン残基を各々示す。そしてAr1、Ar2はアリ
ーレン基であり、Ar1、Ar2が互いに結合していてもよ
く、Z1、Z2は直接結合、または酸素を示す。さらにAr3
は3価の芳香族残基を示す。前記構造単位(IV)の共重
合量に関しては、構造単位(IV)、(V−1)、(V−
3)および(V−5)の合計と構造単位(II)および
(III)の合計が実質的に等モルである。なお、対数粘
度は、0.1dl/g濃度、60℃のペンタフルオロフェノール
中で測定した値である。) 本発明はまた、p−ヒドロキシ安息香酸、 4,4′−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、2,6
−ジヒドロキシナフタレン、t−ブチルハイドロキノ
ン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシ
ビフェニルおよびフェニルハイドロキノンから選ばれた
1種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物、 (V−1)〜(V−4)から選ばれた1種以上の構造
単位を与えるエステル形成能を有した有機リン含有化合
物、 無水酢酸、 テレフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)
エタン−4,4′−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロロ
フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸および4,4′
ジフェニルエーテルから選ばれた1種以上の芳香族ジカ
ルボン酸およびエチレングリコールとテレフタル酸、4,
4′−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカ
ルボン酸、1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン
−4,4′−ジカルボン酸および4,4′ジフェニルエーテル
から選ばれた1種以上の芳香族ジカルボン酸とからなる
ポリマ、オリゴマまたは芳香族ジカルボン酸のビス(β
−ヒドロキシエチル)エステルから脱酢酸重合により請
求項1記載の難燃性液晶ポリエステルを製造することを
特徴とする難燃性液晶ポリエステルの製造方法である。
本発明の難燃性液晶ポリエステルの上記構造単位
(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位
を、構造単位(II)は4,4′−ジヒドロキシビフェニ
ル、ハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、
t−ブチルハイドロキノン、3,3′,5,5′−テトラメチ
ル−4,4′−ジヒドロキシビフェニルおよびフェニルハ
イドロキノンから選ばれた芳香族ジヒドロキシ化合物か
ら生成した構造単位を、構造単位(III)はエチレング
リコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテ
レフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタ
ン−4,4′−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェ
ノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、4,4′−ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸から選ばれた芳香族カルボン
酸から生成した構造単位を各々示す。これらのうちR1
しては が最も好ましい。
さらに上記構造単位(I)〜(IV)に加えて、本発明
の難燃性液晶ポリエステルを構成する必須成分は(V−
1)〜(V−5)から選ばれた少くとも1種の有機リン
を含有する構造単位である。
構造単位(V−1)、(V−2)中のR3、R5、R7は各
々炭素数1〜6のアルキル基、アリール基を示し、−CH
3基が特に好ましい。R4、R6は炭素数1〜15の鎖状または
環状アルキレン残基、アリーレン残基を各々示す。R4
R6として−CH2CH2−、 基が特に好ましい。構造単位(V−1)の特に好ましい
具体例としては が、構造単位(V−2)の特に好ましい具体例としては が挙げられる。
構造単位(V−3)において、Ar1、Ar2は各々アリー
レン基を示し、Ar1とAr2が互いに結合していてもよい。
Z1、Z2は直接結合または−O−を示す。構造単位(V−
3)の好ましい具体例としては などが挙げられる。
構造単位(V−4)においてR7は炭素数1〜6のアル
キル基、アリール基を示す。構造単位(V−5)の好ま
しい具体例としては などが挙げられる。
上記構造単位(V−1)〜(V−4)の中で特に、 が好ましい例として挙げられる。
本発明の難燃性液晶ポリエステルの上記構造単位
(I)〜(IV)のうち、構造単位(I)および(II)の
合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に
対して77〜95モル%であり、好ましくは82〜92モル%で
ある。また、構造単位(III)は構造単位(I)、(I
I)および(III)の合計に対して23〜5モル%であり、
18〜8モル%が好ましい。構造単位(I)および(II)
の合計が構造単位(I)、(II)および(III)の合計
に対して95モル%よりも大きいと溶融流動性が低下して
重合時に固化し、77モル%より小さいと耐熱性が不良と
なり、いずれの場合も好ましくない。また構造単位
(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]は75/25〜9
5/5であり、好ましくは78/22〜92/8である。75/25未満
であったり、95/5より大きい場合には耐熱性、流動性が
不良となり、本発明の目的を達成することができない。
本発明の難燃性液晶ポリエステルの必須成分である構
造単位(V−1)〜(V−4)から選ばれた少くとも1
種の有機リン含有構造単位の共重合量は、構造単位(V
−1)、(V−2)、(V−3)およ(V−4)の合計
が構造単位(III)に対して0.3〜45モル%であり1〜30
モル%が好ましい。構造単位(III)に対して0.3モル%
未満では難燃性が十分ではなく、45モル%を越えると成
形品表面の光沢や機械的特性にかえって悪影響をおよぼ
すためいずれの場合も好ましくない。
さらに本発明の難燃性液晶ポリエステルを構成する構
造単位は互いにエステル結合で連鎖を形成するため、構
造単位(IV)の共重合量に関しては構造単位(IV)、
(V−1)、(V−3)および(V−5)の合計と構造
単位(II)および(III)の合計が実質的に等モルであ
る必要がある。
一方、この難燃性液晶ポリエステルの対数粘度は0.1g
/dl濃度、60℃のペンタフルオロフェノール中で測定し
た値が、0.5〜5dl/gであることが必要であり、1.0〜3.0
dl/gが特に好ましい。
本発明の難燃性液晶ポリエステルはその製造法を特に
限定するものではないが、代表的な製造方法としては次
の方法が挙げられる。
(1)p−アセトキシ安息香酸などのヒドロキシ安息香
酸のアシル化物、4,4′−ジアセトキシビフェニルなど
の芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物および上記
(V−1)〜(V−4)の構造単位を与えるエステル形
成能を有した有機リン含有化合物とテレフタル酸などの
芳香族ジカルボン酸、エチレングリコールとテレフタル
酸などの芳香族ジカルボン酸からなるポリマ、オリゴマ
または芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチ
ル)エステルから脱酢酸重合によって製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸、4,4′−ジヒドロキシ
ビフェニルなどの芳香族ジヒドロキシ化合物、上記(V
−1)〜(V−4)の構造単位を与えるエステル形成能
を有した有機リン含有化合物と無水酢酸およびテレフタ
ル酸などの芳香族ジカルボン酸、エチレングリコールと
テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸からなるポリ
マ、オリゴマまたは芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒ
ドロキシエチル)エステルから脱酢酸重合により製造す
る方法。
(3)上記(V−1)〜(V−4)の構造単位を与える
エステル形成能を有した有機リン含有化合物とエチレン
グリコールおよびテレフタル酸などの芳香族ジカルボン
酸などの芳香族ジカルボン酸からなるポリエステルの存
在下で、p−アセトキシ安息香酸などのヒドロキシ安息
香酸のアシル化物、4,4′−ジアセトキシビフェニルな
どの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物およびテ
レフタル酸などの芳香族ジカルボン酸を脱酢酸重合によ
り重合し製造する方法。
(4)上記(V−1)〜(V−4)の構造単位を与える
エステル形成能を有した有機リン含有化合物とエチレン
グリコールおよびテレフタル酸などの芳香族ジカルボン
酸などの芳香族ジカルボン酸からなるポリエステルの存
在下でp−ヒドロキシ安息香酸、4,4′−ジヒドロキシ
ビフェニルなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と無水酢酸
およびテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸を脱酢酸
重合により重合し製造する方法。
上記の製造方法の中では特に(3)、(4)の方法が
好ましい。
これらの重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸第
一錫、テトラブチルチタネート、酢酸ナトリウムおよび
酢酸カリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシウムな
どの金属化合物を添加した方が好ましいときもある。
本発明の難燃性液晶ポリエステルの溶融粘度は10〜1
5,000ポイズが好ましく、特に20〜5,000ポイズがより好
ましい。
なお、この溶融粘度は(液晶開始温度+40℃)でずり
速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターに
よって測定した値である。
なお、本発明の難燃性液晶ポリエステルを重縮合する
際には上記構造単位(I)〜(III)を構成する成分以
外にイソフタル酸、3,3′−ジフェニルジカルボン酸、
2,2′−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボ
ン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ
ンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテ
レフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロ
キノン、メチルハイドロキノン、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル
プロパン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテルなどの芳香族ジオール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族、脂環式ジオ
ールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシ
ナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸などを本
発明の目的を損なわない程度の小割合の範囲でさらに共
重合せしめることができる。
さらに、本発明の難燃性液晶ポリエステルに上記の成
分以外に、例えば次式により表される芳香族イミドジカ
ルボン酸、芳香族イミドヒドロキシカルボン酸および芳
香族イミドジヒドロキシ化合物など、ポリエステルを形
成することが可能な芳香族イミド化合物を本発明の目的
を損わない範囲で共重合してもよい。
また、本発明の難燃性液晶ポリエステルに対しては充
填剤を添加して使用してもよい。充填剤の好ましい例と
しては、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊
維、チタン酸カリウム繊維、石コウ繊維、黄銅繊維、ス
テンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、ボロ
ンウイスカ繊維、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシ
ウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロ
バルーン、クレー、ワラステナイト、酸化チタンなどの
繊維状、粉状、粒状あるいは板状の無機フィラーが挙げ
られる。
さらに、本発明の難燃性液晶ポリエステルには、本発
明の目的を損なわない程度の範囲で、酸化防止剤および
熱安定剤(例えばヒンダードフェノール、ヒドロキノ
ン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外
線吸収剤(例えばレゾルシノール、サリシレート、ベン
ゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤および離
型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハ
ーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドお
よびポリエチレンワックスなど)、染料(例えばニトロ
シンなど)および顔料(例えば硫化カドミウム、フタロ
シアニン、カーボンブロックなど)を含む着色剤、可塑
剤、帯電防止剤などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂
を添加して、所定の特性を付与することができる。その
際には溶融混練することが好ましく、溶融混練には公知
の方法を用いることができる。例えば、バンバリーミキ
サー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出
機などを用い、200〜350℃の温度で溶融混練して組成物
とすることができる。
<実施例> 以下、実施例により本発明を詳述する。
実施例1 ジメチルテレフタレート1,000g、エチレングリコール
720gおよび触媒として酢酸マンガン4H2O 230mgを窒素
雰囲気下170〜220℃の温度でエステル交換反応を行っ
た。メタノールが留出した後、220℃で下記構造式
(a)の化合物60gを加え、エステル化を行った。
重合触媒として三酸化アンチモン350mgを添加し、さ
らに徐々に減圧しながら昇温し、250℃、1mmHg、さらに
275℃、0.2mmHgとし重縮合を行い、ポリエステル(A)
を得た。このポリエステルのリン原子の含量はポリマに
対し1.2重量%、ポリエチレンテレフタレートユニット
に対して7.6モル%である。
p−ヒドロキシ安息香酸881重量部、4,4′−ジヒドロ
キシビフェニル158重量部、無水酢酸907重量部、テレフ
タル酸141重量部および上記ポリエステル(A)258重量
部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、次の条
件で脱酢酸重縮合を行った。
まず窒素ガス雰囲気下に100〜250℃で5時間、250〜3
00℃で1.5時間反応させた後、300℃、1時間で0.5mmHg
に減圧し、さらに2.25時間反応させ、重縮合を完結させ
たところ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構造
式を有する樹脂(a)を得た。
k/l/m/n/o=75/10/15/25/1.14 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にの
せ、昇温して、光学異方性の確認を行った結果、液晶開
始温度は262℃であり、良好な光学異方性を示した。こ
のポリエステルの対数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフ
ルオロフェノール中、60℃で測定)は1.38dl/gであっ
た。
このポリマを住友ネスタール射出成形機プロマット40
/25(住友重機械工業(株)製)に供し、シリンダー温
度300℃、金型温度90℃の条件で燃焼試験片(1/32″厚
×1/2″幅×5″長)および1/8″×1/2″×5″の試験
片の成形を行った。
この試験片の外観観察を行ったところ良好であった。
さらにUL−94規格にしたがい垂直型燃焼テストを行った
結果、難燃性は1/32″、V−0であった。また、荷重た
わみ温度の測定を行った結果207℃であった。
実施例2 p−ヒドロキシ安息香酸881重量部、4,4′−ジヒドロ
キシビフェニル158重量部、下記構造式(c)の化合物1
2.1重量部、無水酢酸956重量部、テレフタル酸143重量
部および対数粘度が約0.6のポリエチレンテレフタレー
ト245重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込
み、次の条件で脱酢酸重縮合を行った。
まず窒素ガス雰囲気下に100〜250℃で5時間、250〜3
00℃で1.5時間反応させた後、300℃、1時間で0.5mmHg
に減圧し、さらに2.0時間反応させ、重縮合を完結させ
たところ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構造
式を有する樹脂を得た。
k/l/m/n/o=75/10/15/24.1/0.9 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にの
せ、昇温して、光学異方性の確認を行った結果、液晶開
始温度は261℃であり、良好な光学異方性を示した。こ
のポリエステルの対数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフ
ルオロフェノール中、60℃で測定)は1.33dl/gであっ
た。
このポリマを住友ネスタール射出成形機プロマット40
/25(住友重機械工業(株)製)に供し、シリンダー温
度300℃、金型温度90℃の条件で燃焼試験片(1/32″厚
×1/2″幅×5″長)を成形した。
この試験片の外観は良好であり、UL−94規格垂直型燃
焼テストの結果は1/32″V−0であった。
比較例1 実施例と同様の方法により、実施例1記載のポリエス
テル(A)を重合した。
p−アセトキシ安息香酸108重量部およびポリエステ
ル(A)10.8重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器
に仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
窒素ガス雰囲気下250℃まで1時間かけて昇温し、250
℃で3時間、さらに280℃に昇温し1.5時間反応させた
後、1時間で0.5mmHgに減圧し、1.25時間反応させ、下
記の理論構造式を有する樹脂を得た。
k/l/m/n=60/40/40/3.1 この樹脂の液晶開始温度は168℃であった。
この樹脂を実施例1と同じ成形機、金型を使用し、シ
リンダー温度260℃、金型温度50℃で試験片を成形し
た。実施例1と同様、垂直型燃焼テストを行った結果は
1/32″V−0であったが、荷重たわみ温度は53℃と実施
例1に比べきわめて耐熱性が劣っていることがわかっ
た。
<発明の効果> 本発明の難燃性液晶ポリエステルは、難燃性、機械的
性質、成形品外観および耐熱性に優れているので、エン
ジニアリングプラスチックとして電気・電子部品など種
々の用途に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 63/60 C08G 63/692 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造単位(I)〜(IV)と下記構造単
    位(V−1)〜(V−4)から選ばれる少なくとも1種
    の有機リン含有構造単位とからなり、構造単位(I)お
    よび(II)の合計が構造単位(I)、(II)および(II
    I)の合計に対して77〜95モル%、構造単位(III)が構
    造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して23
    〜5モル%、構造単位(I)と(II)のモル比[(I)
    /(II)]が75/25〜95/5、構造単位(V−1)、(V
    −2)、(V−3)および(V−4)の合計が構造単位
    (III)に対して0.3〜45モル%であり、対数粘度が0.5
    〜5dl/gであることを特徴とする難燃性液晶ポリエステ
    ル。 から選ばれた1種以上の基を、R2 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは、水
    素原子または塩素原子を示す。 また、R3、R5、R7は炭素数1〜6のアルキル基、アリー
    ル基を示し、R4、R6は炭素数1〜15の鎖状、または環状
    アルキレン残基、アリーレン残基を各々示す。そしてAr
    1、Ar2はアリーレン基であり、Ar1、Ar2が互いに結合し
    ていてもよく、Z1、Z2は直接結合、または酸素を示す。
    さらにAr3は3価の芳香族残基を示す。前記構造単位(I
    V)の共重合量に関して、構造単位(IV)、(V−
    1)、(V−3)および(V−5)の合計と構造単位
    (II)および(III)の合計が実質的に等モルである。
    なお、対数粘度は、0.1g/dl濃度、60℃のペンタフルオ
    ロフェノール中で測定した値である。
  2. 【請求項2】p−ヒドロキシ安息香酸、 4,4′−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、2,6
    −ジヒドロキシナフタレン、t−ブチルハイドロキノ
    ン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシ
    ビフェニルおよびフェニルハイドロキノンから選ばれた
    1種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物、 (V−1)〜(V−4)から選ばれた1種以上の構造単
    位を与えるエステル形成能を有した有機リン含有化合
    物、 無水酢酸、 テレフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、2,6−
    ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エ
    タン−4,4′−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロロフ
    ェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸および4,4′ジ
    フェニルエーテルから選ばれた1種以上の芳香族ジカル
    ボン酸およびエチレングリコールとテレフタル酸、4,
    4′−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカル
    ボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカ
    ルボン酸、1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン
    −4,4′−ジカルボン酸および4,4′ジフェニルエーテル
    から選ばれた1種以上の芳香族ジカルボン酸とからなる
    ポリマ、オリゴマまたは芳香族ジカルボン酸のビス(β
    −ヒドロキシエチル)エステルから脱酢酸重合により請
    求項1記載の難燃性液晶ポリエステルを製造することを
    特徴とする難燃性液晶ポリエステルの製造方法。
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