JP3106616B2 - 高衝撃ポリエステル組成物 - Google Patents

高衝撃ポリエステル組成物

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JP3106616B2 JP03301920A JP30192091A JP3106616B2 JP 3106616 B2 JP3106616 B2 JP 3106616B2 JP 03301920 A JP03301920 A JP 03301920A JP 30192091 A JP30192091 A JP 30192091A JP 3106616 B2 JP3106616 B2 JP 3106616B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高弾性率で高衝撃、かつ
低異方性の高衝撃ポリエステル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】サーモトロピック液晶ポリエステルは高
弾性率をはじめとして良流動性、低成形収縮性、低線膨
張性など非液晶性ポリマが有していない種々の優れた特
性を有しているが、異方性が大きく、ウエルド強度が低
いという欠点を有している。この異方性やウエルド強度
を改善する方法としては、液晶ポリエステルにガラス繊
維などの充填剤を添加する方法 (特開平1-284547号) 、
非液晶性のポリマーをブレンドする方法 (特開平1-2526
57号) が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前者の方
法では、ガラス繊維が表面に現われて表面平滑性の問題
が生じ、後者の方法では衝撃強度の低下という問題のあ
ることがわかった。そこで本発明は高弾性率で高衝撃、
かつ低異方性の高衝撃ポリエステル組成物を得ることを
課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、(A)
サーモトロピック液晶ポリエステル1〜99重量%と
(B) ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネ
ート、ポリアリーレンオキサイド、芳香族ポリエステ
ル、ポリアリーレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエ
ーテルスルホン、非晶性ポリアリレートから選ばれた1
種以上の熱可塑性樹脂99〜1重量%からなる樹脂組成物
100重量部に対して(C) ポリエステルエラストマー1
〜100重量部を配合せしめてなることを特徴とする高衝
撃ポリエステル組成物に関するものである。
【0005】本発明で使用するサーモトロピック液晶ポ
リエステル (A) とは、芳香族ヒドロキシカルボン酸、
芳香族ジヒドロキシ化合物、芳香族ジカルボン酸、脂肪
族ジオール、脂肪族ジカルボン酸などから合成される任
意の液晶ポリエステルであるが、とりわけ下記構造単位
(I)、 (II)、 (IV) または (I)、 (II)、 (III)、 (IV)か
らなるものが好ましく挙げられる。
【0006】
【0007】(ただし式中、R1 から選ばれた一種以上の基を示しR2
【0008】
【0009】から選ばれた一種以上の基を示す。また、
式中Xは水素原子または塩素原子を示し、構造単位(I
I)および(III)の合計と構造単位(IV)は実質
的に等モルである。)上記構造単位(I)はp−ヒドロ
キシ安息香酸から生成したポリエステルの構造単位であ
り、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロキシビフェ
ニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−
ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチル
ハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジ
ヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
および4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから
選ばれた芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単
位を、構造単位(III)はエチレングリコールから生
成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、
イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェ
ノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビ
ス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカル
ボン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン
酸から選ばれた芳香族ジカルボン酸から生成した構造単
位を各々示す。これらのうち特に構造単位(III)を
含む場合は、R
【0010】 であるものが構造単位 (II) の70モル%以上を占め、R
2
【0011】 であるものが構造単位 (IV) の70モル%以上を占めるも
のが特に好ましい。
【0012】また構造単位 (III) を含まない場合は、
1であり、
【0013】R2 であるものが特に好ましい。
【0014】上記構造単位(I)、(II)、(II
I)および(IV)の共重合量は任意である。しかし、
流動性の点から次の共重合量であることが好ましい。す
なわち、上記構造単位(III)を含む場合は、耐熱
性、難燃性および機械特性の点から上記構造単位(I)
および(II)の合計は構造単位(I)、(II)およ
び(III)の合計に対して35〜95モル%が好まし
く、35〜85モル%がより好ましい。また、構造単位
(III)は構造単位(I)、(II)および(II
I)の合計に対して65〜5モル%が好ましく、65〜
15モル%がより好ましい。
【0015】また、構造単位(I)(II)のモル比
〔(I)/(II)〕は耐熱性と流動性のバランスの点
から好ましくは75/25〜95/5であり、より好ま
しくは78/22〜93/7である。また、構造単位
(IV)は構造単位(II)および(III)の合計
実質的に等モルである。一方、上記構造単位(III)
を含まない場合は、流動性の点から上記構造単位(I)
構造単位(I)および(II)の合計に対して40〜
90モル%であることが好ましく、60〜88モル%で
あることが特に好ましい。また、上記構造単位(II)
(III)のモル比〔(II)/(III)〕は90
/10〜10/90が好ましく、75/25〜40/6
0がより好ましい。構造単位(IV)は構造単位(I
I)と実質的に等モルである。
【0016】なお、上記の好ましいサーモトロピック液
晶ポリエステルを重縮合する際には、上記構造単位
(I) 〜 (IV) を構成する成分以外に3, 3'−ジフェニ
ルジカルボン酸、2, 2'−ジフェニルジカルボン酸など
の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン
酸、クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、
4, 4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4, 4'−ジ
ヒドロキシジフェニルスルフィド、4, 4'−ジヒドロキ
シベンゾフェノンなどの芳香族ジオール、1, 4−ブタ
ンジオール、1, 6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、1, 4−シクロヘキサンジオール、1, 4
−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオ
ールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキ
シナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸および
p−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸などをさら
に共重合せしめてもよい。
【0017】本発明におけるサーモトロピック液晶ポリ
エステル (A)の製造方法は特に制限がなく、公知のポ
リエステルの重縮合法に準じて製造できる。たとえば、
上記構造単位 (III)を含まない場合は下記 (1) 〜
(4) 、構造単位 (III)を含む場合は下記 (5) の製造
方法が好ましく挙げられる。 (1) p−アセトキシ安息香酸および4, 4'−ジアセト
キシビフェニルなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジア
シル化物とテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から
脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。
【0018】(2) p−ヒドロキシ安息香酸および4,
4'−ジヒドロキシビフェニルなどの芳香族ジヒドロキシ
化合物、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水
酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した
後、脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。 (3) p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよ
び4, 4'−ジヒドロキシビフェニルなどの芳香族ジヒド
ロキシ化合物とテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸
のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合反応によ
り製造する方法。
【0019】(4) p−ヒドロキシ安息香酸およびテレ
フタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニ
ルカーボネートを反応させてそれぞれジフェニルエステ
ルとした後、4, 4'−ジヒドロキシビフェニルなどの芳
香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反
応により製造する方法。 (5) ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
のポリマ、オリゴマまたはビス (β−ヒドロキシエチ
ル) テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β
−ヒドロキシエチル) エステルの存在化で (1) または
(2) の方法により製造する方法。
【0020】重縮合反応に使用する触媒としては、酢酸
第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウム、三酸
化アンチモン、マグネシウム、酢酸ナトリウムなどの金
属化合物が代表的であり、とりわけ脱フェノール重縮合
の際に有効である。本発明に使用するサーモトロピック
液晶ポリエステル (A)は、ペンタフルオロフェノール
中で対数粘度を測定することが可能なものもあり、その
際には0.1g/dlの濃度で60℃で測定した値が0.5以上が
好ましく、特に上記構造単位 (III)を含む場合は、1.0
〜3.0dl/g が好ましく、上記構造単位 (III)を含まな
い場合は2.0〜10.0dl/gが好ましい。
【0021】また、本発明に使用するサーモトロピック
液晶ポリエステル(A) の溶融粘度は10〜20,000ポイズ
が好ましく、特に20〜10,000ポイズがより好ましい。な
お、この溶融粘度は液晶開始温度+10℃の条件で、ずり
速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターに
よって測定した値である。本発明に使用するポリアミ
ド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリアリ
ーレンオキサイド、半芳香族ポリエステル、ポリアリー
レンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、非晶性ポリアリレートから選ばれた一種以上の熱可
塑性樹脂 (B) の好ましい具体例としては下記のものが
挙げられるが280℃以下で溶融押出、成形可能なものが
好ましい。
【0022】ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロ
ン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロ
ン12などおよびこれらの共重合体などが挙げられる。ポ
リオキシメチレンとしては、ポリオキシメチレンホモポ
リマおよび主鎖の大部分がオキシメチレン連鎖よりなる
コポリマが挙げられる。ポリカーボネートとしては、ビ
ス (4−ヒドロキシフェニル) 、ビス (3, 5−ジアル
キル−4−ヒドロキシフェニル) またはビス (3, 5−
ジハロ−4−ヒドロキシフェニル) 置換を含有する炭化
水素誘導体をベースとするポリカーボネートが好まし
く、2, 2−ビス(4−ヒドロキシフェニル) プロパン
(ビスフェノールA) をベースとするポリカーボネート
が特に好ましい。ポリアリーレンオキサイドとしては、
ポリ (2,6−ジメチル−1, 4−フェニレン) エーテ
ル、2, 6−ジメチルフェノール/2, 3, 6−トリメ
チルフェノール共重合体、2, 6−ジメチルフェノール
/2, 3, 6−トリエチルフェノール共重合体などが挙
げられる。
【0023】ポリアリーレンオキサイドにはポリフェニ
レンオキサイドが挙げられ、これにはポリスチレン、耐
衝撃ポリスチレンなどのスチレン系樹脂を添加すること
ができる。半芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが
挙げられる。ポリアリーレンスルフィドとしては、ポリ
フェニレンスルフィドなどが挙げられる。
【0024】ポリスルホンとしては構造式 で表されるものなどが挙げられる。
【0025】ポリエーテルスルホンとしては構造式 で表わされるものなどが挙げられる。
【0026】非晶性ポリアリレートとしては、構造式
【0027】または
【0028】で表わされるものなどが挙げられる。これ
らサーモトロピック液晶ポリエステル(A) と熱可塑性
樹脂 (B) の割合 (A/B) は1/99〜99/1 (重量
比) であり、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましく
は10/90〜35/65である。一方、本発明に使用するポリ
エテスルエラストマー (C) は、ポリアルキレンフタレ
ートのハードセグメントとポリアルキレングリコールま
たはポリラクトンのソフトセグメントを有するポリエス
テルエラストマーである。ポリアルキレンフタレートセ
グメントとしては、テレフタル酸が70モル%以上を占め
るジカルボン酸成分とテトラメチレングリコールが70モ
ル%以上を占める低分子量グリコールからなる、たとえ
ばポリブチレンテレフタレートのようなポリアルキレン
フタレートセグメントが好ましい。
【0029】前記テレフタル酸以外のジカルボン酸とし
ては、分子量が300以下の脂肪族、脂環式及び芳香族の
ジカルボン酸、例えばアジピン酸、セバシン酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、2, 6−ナフタ
レンジカルボン酸、4, 4'−ジフェニルジカルボン酸な
どが好ましく挙げられるがイソフタル酸が特に好まし
い。
【0030】また、テトラメチレングリコール以外の低
分子量グリコールとしてはエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ハイド
ロキノン、ビス (β−ヒドロキシフェニル) プロパンな
どが好ましく挙げられるがテトラメチレングリコール1
00モル%が最も好ましい。
【0031】また、ソフトセグメントを構成するポリア
ルキレングリコールとしては平均分子量500以上5000未
満のポリアルキレングリコールであり、ポリテトラメチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコールなどが好ましく、中でもポリテトラメチ
レングリコールが最も好ましい。また、ポリラクトンと
してはε−カプロラクトン、エナントラクトン、カプリ
ルラクトンなどから得られるポリラクトンが好ましく、
中でもポリカプロラクトンが最も好ましい。
【0032】これらポリエステルエラストマーの還元粘
度は0.5〜5.0dl/gの還元粘度が好ましく0.7〜4dl
/gが最も好ましい。但し、ここでいう還元粘度とはポ
リマをオルトクロルフェノール中35℃で1.2g/dl濃度
で、測定した値である。また、ポリエステルエラストマ
ー中のハードセグメント対ソフトセグメントの占める割
合 (重量比) は、85/15〜15/85とすることが好まし
い。
【0033】これらポリエステルエラストマーの配合量
は前記樹脂組成物100重量部に対して1〜100重量部で
あり、好ましくは10〜50重量部、更に好ましくは10〜45
重量部である。なお、本発明の液晶ポリエステル組成物
にエポキシ化合物を添加すれば、更に靱性を向上するこ
とができる。
【0034】このエポキシ化合物としては、ビスフェノ
ールAジグリシジルやオルトフェニルフェノールグリシ
ジルエーテルやビスフェノールA型のエポキシ化合物な
どのグリシジルエーテル類、ヘキサヒドロフタル酸ジグ
リシジルエステルやテトラヒドロフタル酸ジグリシジル
エステルなどのグリシジルエステル類のグリシジルエー
テル・エステル類、メタクリル酸グリシジル1〜30重量
%含有するエチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体
やエチレン/メタクリル酸グリシジル/酢酸ビニル共重
合体などのエポキシ基含有共重合体、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、2− (3,4−エポキシシ
クロヘキシル) エチルトリメトキシシランなどのエポキ
シシラン類などが挙げられる。
【0035】エポキシ化合物の好ましい添加量は液晶ポ
リエステル組成物100重量部に対して、0.01〜20重量部
である。本発明において液晶ポリエステル組成物100重
量部に対して200重量部以下の充填剤を添加することも
可能であり、充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、
芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリウム繊維、石コウ
繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラ
ミックス繊維、ボロンウイスカ繊維、マイカ、タルク、
シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレー
ク、ガラスマイクロバルーン、クレー、ワラステナイ
ト、酸化チタンなどの繊維状、粉状、粒状あるいは板状
の無機フィラーが挙げられる。
【0036】上記充填剤中、ガラス繊維が好ましく使用
される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用
いるものなら特に限定はなく、たとえば長繊維タイプや
短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバ
ーなどから選択して用いることができる。また、ガラス
繊維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹
脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集
束されていてもよく、またシラン系、チタネート系など
のカップリング剤で表面処理されていてもよい。
【0037】また、本発明の樹脂組成物には、本発明の
目的を損なわない程度の範囲で、酸化防止剤および熱安
定剤 (たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、
ホスファイト類およびこれらの置換体など) 、紫外線吸
収剤 (たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾ
トリアゾール、ベンゾフェノンなど) 、難燃剤、滑剤お
よび離型剤 (モンタン酸およびその塩、そのエステル、
そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラ
ミドおよびポリエチレンワックスなど) 、染料(たとえ
ばニグロシンなど) および顔料 (たとえば硫化カドミウ
ム、フタロシアニン、カーボンブラックなど) を含む着
色剤、可塑剤、帯電防止剤などの通常の添加剤や他の熱
可塑性樹脂を添加して、所定の特性を付与することがで
きる。
【0038】本発明の高衝撃ポリエステル組成物はサー
モトロピック液晶ポリエステル、熱可塑性樹脂およびポ
リエステルエラストマーを溶融混練することが好まし
く、溶融混練には公知の方法を用いることができ、たと
えば、バンバリーミキサー、ゴムロール類、ニーダー、
単軸もしくは2軸押出機などを用い、200〜400℃の温
度で溶融混練して組成物とすることができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述する。 参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸 190重量部、4,4'−ジヒドロ
キシビフェニル47重量部、無水酢酸 191重量部、テレフ
タル酸42重量部および固有粘度が約0.6dl/gのポリエ
チレンテレフタレート 168重量部を攪拌翼、留出管を備
えた反応容器に仕込み、次の条件で脱酢酸重縮合を行っ
た。まず、窒素ガス雰囲気下に 100〜250℃で5時間 25
0〜280℃で1.5時間反応させたのち、 280℃、1.5時間
で0.5mmHgに減圧し、さらに1.0時間反応させ、重縮合
を完結させたところ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記
の理論構造式を有する樹脂 (A) を得た。
【0040】
【0041】k/l/m/n=55/10/35/45 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、
昇温し、光学異方性の確認を行った結果、液晶開始温度
は 188℃であり、良好な光学異方性を示した。このポリ
エステルの対数粘度 (0.1g/dlの濃度でペンタフルオ
ロフェノール中、60℃で測定) は1.96dl/gであり、 2
18℃、ズリ速度 1,000/秒での溶融粘度は720ポイズで
あった。 実施例1〜4,比較例1 参考例1の液晶ポリエステル (A) とポリブチレンテレ
フタレート (対数粘度0.89)(B) およびテレフタル酸と
テトラメチレングリコールからなるハードセグメントと
ポリテトラメチレングリコールからなるソフトセグメン
トをそれぞれ30, 50重量%含む還元粘度2.2dl/g, 2.
4dl/gのポリエステルエラストマー (それぞれC−
1, C−2) を表1の組成でリボンブレンダーで混合後
200〜220℃に設定した40mmφのベント付押出機を使用
し、溶融混練・ペレット化した。
【0042】このペレットを住友ネスタール射出成形機
プロマット40/25 (住友重機工業 (株) 製) に供し、シ
リンダー温度 200〜220℃で2mm厚×70mm×70mmの角板1
/8"厚みの1号ダンペル及び1/8"×2・1/2"の衝撃試験
片を作成した。そして角板は流動方向 (MD) と直角方
向 (TD) に14mm幅に切り出し、曲げ弾性率を測定し、
その比を異方性とした。結果を表1に示す。
【0043】
【0044】本発明の組成物に比して比較例1は破断伸
び、アイゾット衝撃強度とも低いことがわかる。 実施例5〜9 実施例4のポリブチレンテレフタレートの代りに表2に
示す各種熱可塑性樹脂を用いて、押出、成形した。
【0045】
【0046】いずれも本発明品はアイゾット衝撃強度の
高いことがわかる。これに対してポリエステルエラスト
マーC−1を含まない成形品はいずれもアイゾット衝撃
強度の低いことがわかる。 比較例2 実施例5〜9のC−1を含まない時のアイゾット衝撃強
度を測定したところいずれも15kgf・cm/cm2 以下と小さ
な値であった。
【0047】
【発明の効果】本発明の高衝撃ポリエステル組成物は、
高弾性率で高衝撃、かつ低異方性のポリエステルであ
り、成形収縮率や線膨張係数が小さく、エンジニアリン
グプラスチックとしてOA・AV部品などに有用な材料
である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) サーモトロピック液晶ポリエステル
    1〜99重量%と (B) ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネ
    ート、ポリアリーレンオキサイド、芳香族ポリエステ
    ル、ポリアリーレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエ
    ーテルスルホン、非晶性ポリアリレートから選ばれた1
    種以上の熱可塑性樹脂99〜1重量%からなる樹脂組成物
    100重量部に対して (C) ポリエステルエラストマー1〜100重量部を配合
    せしめてなることを特徴とする高衝撃ポリエステル組成
    物。
  2. 【請求項2】(A)サーモトロピック液晶ポリエステル
    が下記構造単位(I)、(II)、(IV)または
    (I)、(II)、(III)、(IV)からなるサー
    モトロピック液晶ポリエステルであり、 (C)ポリエステルエラストマーがポリアルキレンフタ
    レートのハードセグメントとポリアルキレングリコール
    またはポリラクトンのソフトセグメントを有するポリエ
    ステルエラストマーである請求項1記載の高衝撃ポリエ
    ステル組成物。 (ただし、式中Rから選ばれた一種以上の基を示し、Rから選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素
    原子または塩素原子を示し、構造単位(II)および
    (III)の合計と構造単位(IV)は実質的に等モル
    である。)
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