JP3082223B2 - 液晶ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

液晶ポリエステル樹脂組成物

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、耐熱性、成形性、流動性に優れ、機械的性
質、特にウェルド強度が高く、機械的異方性に優れた液
晶ポリエステル樹脂組成物およびそれからなるウエルド
部を有する成形品に関するものである。
<従来の技術> 近年プラスチックの高性能化に対する要求がますます
高まり、種々の新規性能を有するポリマが数多く開発さ
れ、市場に供されているが、なかでも特に分子鎖の平行
な配列を特徴とする光学異方性の液晶ポリマが優れた機
械的性質を有する点で注目されている。
異方性溶融相を形成するポリマとしてはたとえばp−
ヒドロキシ安息香酸にポリエチレンテレフタレートを共
重合した液晶ポリマ(特開昭49−72393号公報)、p−
ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
を共重合した液晶ポリマ(特開昭54−77691号公報)、
またp−ヒドロキシ安息香酸に4,4′−ジヒドロキシビ
フェニルとテレフタル酸、イソフタル酸を共重合した液
晶ポリマ(特公昭57−24407号公報)などが知られてい
る。
また、液晶ポリマの耐熱性とウェルド強度および機械
的異方性を向上させる目的でガラス繊維を配合すること
が知られている。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、この液晶ポリマとして、これまで知ら
れているものは、熱変形温度が190℃未満と低く、耐熱
性が不十分であったり、熱変形温度は190℃以上と耐熱
性は良好であるが、液晶開始温度が高すぎて400℃以上
でないと成形できず、溶融粘度も高いなど耐熱性と成形
性、流動性のバランスを有した液晶ポリマを得ることは
困難であった。
また、液晶ポリマの成形品のウェルド強度および機械
的異方性を向上するためにガラス繊維の配合が試みられ
ているが、ウェルド強度および機械的異方性向上効果は
必ずしも大きくなく、流動性の低下が大きいという問題
があった。
よって、本発明は、上述の問題を解決し、耐熱性、成
形性、流動性に優れ、機械的性質、特に成形品のウェル
ド強度および機械的異方性の高い液晶ポリエステル樹脂
組成物を得ることを課題とする。
<課題を解決するための手段> すなわち本発明は下記構造単位(I)、(II)、(I
V)または(I)、(II)、(III)、(IV)からなり、
液晶開始温度が330℃以下、液晶開始温度+40℃、ずり
速度1,000/秒の条件下で測定した溶融粘度が10,000ポイ
ズ以下の異方性溶融相を形成する液晶ポリエステル
(A)99〜20重量%、断面形状がまゆ形構造であり、平
均繊維長さが0.5〜10mm、断面最長径5〜20μmで異径
比1.5〜4である異径構造ガラス繊維(B)1〜80重量
%からなる液晶ポリエステル樹脂組成物に関するもので
ある。
(ただし式中のR1から選ばれた1種以上の基を示し、R2から選ばれた基を示す。Xは塩素または水素である。ま
た、構造単位(IV)は実質的に構造単位(II)および
(III)の合計と等モルである。) 本発明はまた、上記液晶性ポリエステル樹脂組成物か
らなるウエルド部を有する成形品を提供するものであ
る。
本発明における液晶ポリエステル(A)の上記構造単
位(I)は、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造
単位を、上記構造単位(II)は4,4′−ジヒドロキシビ
フェニル、3,3′,5,5′−テトラメチル−4、4′−ジ
ヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハ
イドロキノン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジヒド
ロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,
4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルから生成した構
造単位を、構造単位(III)はエチレングリコールから
生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、
イソフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エ
タン−4,4′−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフ
ェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸から選ばれた
一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を
各々示す。
構造単位(III)を含むときには、構造単位(II)と
して4,4′−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造
単位が、構造単位(III)を含まないときは、構造単位
(II)として、4,4′−ジヒドロキシビフェニルおよび
2,6−ジヒドロキシナフタレンから生成した構造単位が
好ましく、構造単位(IV)としてはテレフタル酸から生
成した構造単位が好ましい。
本発明における液晶ポリエステル(A)は上記構造単
位(I)、(II)および(IV)または(I)、(II)、
(III)および(IV)からなる共重合体である。
上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)
の共重合量は任意である。しかし流動性の点から次の共
重合量であることが好ましい。すなわち、上記構造単位
(III)を含む場合は上記構造単位(I)および(II)
の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合計
に対して60〜95モル%であることが好ましく、80〜92モ
ル%であることが特に好ましい。また、構造単位(II
I)は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対
して40〜5モル%が好ましく、20〜8モル%であること
が特に好ましい。また、構造単位(I)と(II)のモル
比[(I)/(II)]は75/25〜95/5が好ましく、構造
単位(IV)は実質的に構造単位(II)および(III)の
合計と等モルである。一方、上記構造単位(III)を含
まない場合は構造単位(I)は構造単位(I)および
(II)の合計に対して40〜90%モル%が好ましく、60〜
88モル%が特に好ましく、構造単位(IV)は構造単位
(II)と実質的に等モルである。
また、液晶ポリエステル(A)の液晶開始温度は、33
0℃以下であることが必須であり、流動性と耐熱性の点
から240〜330℃であることが好ましい。
液晶開始温度が330℃を超えると成形温度を高くする
必要が生じるので成形性の点から実用的でない。
また、溶融粘度は10,000ポイズ以下であることが必須
であり、6,000ポイズ以下が好ましく、特に4,000ポイズ
以下がより好ましい。
なお、この溶融粘度は(液晶開始温度+40℃)でずり
速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターに
よって測定した値である。
本発明における液晶ポリエステル(A)の製造方法
は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に
準じて製造できる。
たとえば上記構造単位(III)を含まない場合は下記
(1)、(2)、上記構造単位(III)を含む場合は
(5)の製造方法が好ましく用いられる。
(1)p−アセトキシ安息香酸、4,4′−ジアセトキシ
ビフェニル、2,6−ジアセトキシナフタレンなどの芳香
族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物とテレフタル酸な
どの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸重縮合反応によって
製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸、4,4′−ジヒドロキシ
ビフェニルなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ジ
アセトキシナフタレンおよびテレフタル酸などの芳香族
ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水
酸基をアシル化したのち、脱酢酸重縮合反応によって製
造する方法。
(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステル、4,
4′−ジヒドロキシビフェニル、2,6−ジヒドロキシナフ
タレンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とテレフタル酸
などの芳香族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱
フェノール重縮合反応により製造する方法。
(4)p−ヒドロキシ安息香酸およびテレフタル酸など
の芳香族ジカルボン酸に所望量のジフェニルカーボネー
トを反応させてそれぞれジフェニルエステルとしたの
ち、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、2,6−ジヒドロキ
シナフタレンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、
脱フェノール重縮合反応により製造する方法。
(5)エチレングリコールと芳香族ジカルボン酸からな
るオリゴマあるいはポリマまたは芳香族ジカルボン酸の
ビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で
(1)または(2)の方法で製造する方法。
(5)の製造方法により、エチレングリコールと芳香
族ジカルボン酸からなるオリゴマあるいはポリマは、エ
ステル交換反応により分子鎖中にランダムに取り込ま
れ、上記構造単位(III)を含む液晶ポリエステルが得
られるものと考えられる。
重合反応時、必要に応じて触媒を使用してもよい。重
縮合反応に使用する触媒としては、酢酸第一錫、テトラ
ブチルチタネート、酢酸カリウム、三酸化アンチモン、
マグネシウム、酢酸ナトリウム、酢酸亜鉛などの金属化
合物が代表的であり、とりわけ脱フェノール重縮合の際
に有効である。
本発明における液晶ポリエステル(A)は、ペンタフ
ルオロフェノール中で固有粘度を測定することが可能な
ものもあり、その際には0.1g/dlの濃度で60℃で測定し
た値で0.5dl/g以上が好ましく、構造単位(III)を含む
場合は0.5〜3.0dl/g、構造単位(III)を含まない場合
は1.0〜15.0dl/gが特に好ましい。
なお、本発明で用いる液晶ポリエステル(A)を重縮
合する際には上記(I)、(II)、(III)および(I
V)を構成する成分以外に、3,3′−ジフェニルジカルボ
ン酸、3,4′−ジフェニルジカルボン酸、2,2′−ジフェ
ニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、レゾルシ
ン、クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどの芳香族ジ
ヒドロキシ化合物およびこれらのエチレンオキサイド付
加物、1,4−ブタジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族、
脂環式ジオールおよびm−オキシ安息香酸、6−ヒドロ
キシ−2−ナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン
酸およびp−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸な
どを本発明の目的を損わない程度の少割合の範囲でさら
に共重合せしめることができる。
本発明に使用する異径構造ガラス繊維(B)は汎用の
ガラス繊維と異なり、繊維断面形状がまゆ形構造の形状
をしているものをさす。
該ガラス繊維の一本の平均繊維長さは0.5〜10mm、断
面最長径5〜20μmで異径比1.5〜4が好ましく、平均
繊維長さ2〜4mm、断面最長径10〜14μmで異径比2.0〜
2.6が特に好ましい。
また、異径構造ガラス繊維(B)はその表面をカップ
リング剤、例えばγ−(2−アミノエチル)アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、γ−アニリノプ
ロピルトリメトキシシラン、、ヒドロキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシ
ラン、ビニルアセトキシシランなどのシランカップリン
グ剤、またイソプロピルトリスイソステアロイルチタネ
ート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェ
ート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチ
ル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス
(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオ
クチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソ
プロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、イ
ソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート
などのチタネート系カップリング剤、また、アセトアル
コキシアルミニウムジイソプロピレートなどのアルミニ
ウム系カップリング剤およびジルコアルミネート系カッ
プリング剤などでカップリング処理して用いてもよい。
本発明の組成物においてはさらに汎用ガラス繊維を添
加してもよい。汎用ガラス繊維の好ましい具体例として
は、通常の強化樹脂用の直径5〜15μmのチョップドス
トランド、ロービングタイプの汎用ガラス繊維が挙げら
れる。
取扱性、成形品の表面光沢性付与などの点から1〜6m
m長のチョップドストランドが特に好ましく用いられ
る。
汎用ガラス繊維はシラン系、チタン系など通常のカッ
プリング剤処理を施してあるものが好ましく用いられ、
エポキシ樹脂、酢酸ビニルなどの通常の収束剤により処
理されていてもよい。
本発明において、液晶ポリエステル(A)の配合量
は、99〜20重量%、好ましくは95〜30重量%、異径構造
ガラス繊維(B)の配合量は、1〜80重量%、好ましく
は5〜70重量%、また、汎用ガラス繊維を添加する際の
配合量は、液晶ポリエステル(A)と異径構造ガラス繊
維(B)の合計100重量部に対して、200重量部未満が好
ましく、5〜150重量部が特に好ましい。液晶ポリエス
テル(A)の配合量が99重量%を超えると耐熱性、機械
的性質の改良効果が不十分であり、20重量%未満では成
形性、流動性の低下が著しく実用的でない。
また、本発明の樹脂組成物にエポキシ化合物を0.005
〜20重量部、好ましくは0.1〜5重量部含有せしめるこ
とが機械的強度と、機械的異方性の点で好ましい。
このエポキシ化合物としては、ビスフェノールAジグ
リシジルやオルトフェニルフェノールグリシジルエーテ
ルや下記構造式(1)のビスフェノールA型のエポキシ
化合物などのグリシジルエーテル類、ヘキサヒドロフタ
ル酸、ジグリシジルエステルやテトラヒドロフタル酸、
ジグリシジルエステルなどのグリシジルエステル類、下
記構造式(2)のグリシジルエーテル・エステル類、メ
タクリル酸グリシジルを1〜30重量%含有するエチレン
/メタクリル酸グリシジル共重合体やエチレン/メタク
リル酸グリシジル/酢酸ビニル共重合体などのエポキシ
基含有共重合体、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランやγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シランや2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシランなどのエポキシシラン類などが挙げ
られ、これらのうちエポキシシラン類が最も好ましい。
(Arは1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、2,6−ナフ
チレンなどを示し、nは0〜20である。) また、本発明において、有機難燃剤、臭素化ポリスチ
レン、臭素化エポキシ化合物、臭素化ポリカーボネート
および臭素化ポリフェニレンエーテルなどを充填させる
ことも機械的異方性を減少させる点で好ましい。
本発明の組成物には、本発明の目的を損なわない程度
の範囲で、酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダ
ードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類および
これらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾル
シノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾ
フェノンなど)、滑剤および離型剤(モンタン酸および
その塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリ
ルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワック
スなど)、染料(たとえばニグロシンなど)および顔料
(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボン
ブラックなど)を含む着色剤、可塑剤、帯電防止剤、他
の充填剤、ガラス繊維以外の強化剤などの通常の添加剤
や他の熱可塑性樹脂を添加して、所定の特性を付与する
ことができる。
本発明の樹脂組成物は溶融混練することが好ましく、
溶融混練には公知の方法を用いることができる。たとえ
ば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単
軸もしくは2軸押出機などを用い、200〜400℃の温度で
溶融混練して組成物とすることができる。
かくしてなる本発明の樹脂組成物は射出成形などの方
法で成形品とすることが可能であり、その優れたウエル
ド強度をいかしてウエルド部を有する成形品として特に
有用である。
<実施例> 以下、実施例により本発明を詳述する。
参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸466重量部、4,4′−ジヒドロ
キシビフェニル84重量部、無水酢酸480重量部、テレフ
タル酸75重量部および固有粘度が約0.6dl/gのポリエチ
レンテレフタレート130重量部を攪拌翼、留出管を備え
た反応容器に仕込み、次の条件で脱酢酸重縮合を行っ
た。
まず窒素ガス雰囲気下に100〜250℃で5時間、250〜3
00℃で1.5時間反応させたのち、300℃、1時間で0.5mmH
gに減圧し、さらに2.25時間反応させ、重縮合を完結さ
せたところ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構
造式を有する樹脂を得た。
k//m/n=75/10/15/25 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にの
せ、昇温して、光学異方性の確認を行った結果、液晶開
始温度は264℃であり、良好な光学異方性を示した。こ
のポリエステルの対数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフ
ルオロフェノール中、60℃で測定)は1.96dl/gであり、
304℃、ずり速度1,000/秒での溶融粘度は910ポイズであ
った。
参考例2 撹拌機、留出管を備えた反応容器にp−ヒドロキシ安
息香酸994重量部、4,4′−ジヒドロキシビフェニル223
重量部、2,6−ジアセトキシナフタレン147重量部、テレ
フタル酸299重量部および無水酢酸1,077重量部を仕込
み、次の条件で脱酢酸重縮合を行った。
まず窒素ガス雰囲気下に100〜250℃で5時間、250〜3
30℃で1.5時間反応させた後、330℃、1.5時間で0.5mmHg
に減圧し、さらに1.0時間反応させ、重縮合を完結させ
たところ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構造
式を有する液晶ポリエステル(a)を得た。
k//m/n=80/13.3/6.7/20 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にの
せ、昇温して光学異方性の確認を行った結果、液晶開始
温度は296℃であり、良好な光学異方性を示した。
実施例1〜5,比較例1,2 液晶ポリエステル(A)と異径構造ガラス繊維
(B)、汎用ガラス繊維(C)を用いて表に示す割合で
300〜340℃に設定した40mmφの単軸押出機により溶融混
合し、樹脂組成物とした。なお、汎用ガラス繊維(C)
としては、直径9μm、長さ3mmのチョップトストラン
ドであるEガラス繊維を使用した。
得られた樹脂組成物を住友ネスタール射出成形機プロ
マット40/25(住友重機械工業(株)製)に供し、シリ
ンダー温度300〜340℃、金型温度100℃の条件で、1/8″
×1/2″×5″のテストピースとASTM No.4ダンベルおよ
び70×70×2mmの角板を成形した。1/8″×1/2″×5″
のテストピースはASTM D648規格に従い、1/8″厚の荷
重たわみ温度(18.6kgf/cm2)を測定した。ASTM No.4ダ
ンベルは、ゲートがダンベルの一端にある通常の金型
(ダンベルI)とゲートがダンベルの両端にあるウェル
ド金型(ダンベルII)の両者を用いて成形し、ASTM D6
38規格に従い、ダンベルの破断強度を測定し、ダンベル
Iに対するダンベルIIの破断強度の比率をウェルド強度
保持率とした。
また70×70×2mm角板から樹脂の流動方向(MD)及び
直角方向(TD)に各々1/2″幅に切り出しASTM D790に
従って曲げ弾性率を測定し、MD/TDの曲げ弾性率の比を
機械的異方性比として求めた。
実施例6,7 実施例1,2の配合組成にエポキシシラン(γ−プロピ
ドキシトリメトキシシラン)を表に示す割合で加えたこ
と以外は実施例1〜5、比較例1,2と同様にシリンダー
温度300〜350℃、金型温度100℃の条件で1/8″×1/2″
×5″のテストピースとASTM No.4ダンベルおよび70×7
0×2mmの角板を成形した。
そして、荷重たわみ温度および破断強度と曲げ弾性
率、溶融粘度を測定し、ウェルド強度保持率および機械
的異方性比を計算した。これらの結果を合わせて表に示
す。
比較例3,4 参考例1および2の液晶ポリエステル(A)を用い、
実施例1〜5、比較例1,2と同様にシリンダー温度300〜
340℃、金型温度100℃の条件で1/8″×1/2″×5″のテ
ストピースとASTM No.4ダンベルおよび70×70×2mmの角
板を成形した。
そして、荷重たわみ温度および破断強度と曲げ弾性
率、溶融粘度を測定し、ウェルド強度保持率および機械
的異方性比を計算した。これらの結果を合わせて表に示
す。
比較例5 下記の理論構造式を有し、液晶開始温度359℃で399
℃、ずり速度1,000/秒での溶融粘度が8,800ポイズの液
晶ポリエステルを用い、実施例1〜5と同様に表に示す
割合で異径構造ガラス繊維(B)を溶融混合(設定温度
400℃)、成形(シリンダー温度400℃、金型温度210
℃)、評価した。これらの結果をあわせて表に示す。
/m/n=67/33/33 比較例1〜5に対して本発明の実施例1〜7の樹脂組
成物は、荷重たわみ温度と溶融粘度のバランスがとれ、
耐熱性と流動性に優れている。またウェルド強度保持率
が25%以上と高く、機械的異方性比も2.4〜2.9と優れて
いる。
比較例5の樹脂組成物は、荷重たわみ温度は高いもの
の、押出、成形温度の400℃での溶融粘度が16000ポイズ
と高く、流動性が低い。成形温度が400℃を超えると熱
分解ガスの発生が観察された。また、ウェルド強度保持
率も8%と低く、機械的異方性も3.5と大きいものであ
った。
<発明の効果> 本発明は、限定された構造式からなる特定の液晶ポリ
エステルに、異径構成ガラス繊維および必要に応じガラ
ス繊維を添加することにより、耐熱性、成形性、流動性
に優れ、機械的性質、特にウェルド強度が高く機械的異
方性が低い樹脂組成物およびウエルド部を有する成形品
が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造単位(I)、(II)、(IV)また
    は(I)、(II)、(III)、(IV)からなり、液晶開
    始温度が330℃以下、液晶開始温度+40℃、ずり速度1,0
    00/秒の条件下で測定した溶融粘度が10,000ポイズ以下
    の異方性溶融相を形成する液晶ポリエステル(A)99〜
    20重量%、断面形状がまゆ形構造であり、平均繊維長さ
    が0.5〜10mm、断面最長径5〜20μmで異径比1.5〜4で
    ある異径構造ガラス繊維(B)1〜80重量%からなる液
    晶ポリエステル樹脂組成物。 (ただし式中のR1から選ばれた1種以上の基を示し、R2から選ばれた基を示す。Xは塩素または水素である。ま
    た、構造単位(IV)は実質的に構造単位(II)および
    (III)の合計と等モルである)
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の液晶性ポリエステル樹
    脂組成物からなるウエルド部を有する成形品。
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