JP2505590B2 - 難燃性液晶ポリエステル組成物 - Google Patents

難燃性液晶ポリエステル組成物

Info

Publication number
JP2505590B2
JP2505590B2 JP1217807A JP21780789A JP2505590B2 JP 2505590 B2 JP2505590 B2 JP 2505590B2 JP 1217807 A JP1217807 A JP 1217807A JP 21780789 A JP21780789 A JP 21780789A JP 2505590 B2 JP2505590 B2 JP 2505590B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iii
weight
liquid crystal
parts
structural unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1217807A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03103462A (ja
Inventor
勝 岡本
保則 市川
俊英 井上
亨 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Publication of JPH03103462A publication Critical patent/JPH03103462A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2505590B2 publication Critical patent/JP2505590B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、難燃性、特に燃焼時の顆粒落下抵抗性がす
ぐれ、かつ良好な耐熱性、機械的性質および成形品外観
を備えた難燃性液晶ポリエステル組成物に関するもので
ある。
<従来の技術> 近年プラスチックの高性能化に対する要求がますます
高まり、種々の新規性能を有するポリマが数多く開発さ
れ、市場に供されているが、中でも分子鎖の平行な配列
を特徴とする光学異方性の液晶ポリマが優れた流動性と
機械的性質を有する点で注目され、機械部品、電気・電
子部品などに用途が拡大されつつある。
一方、これらの工業材料には、一般の化学的、物理的
諸特性のバランス以外に、火炎に対する安全性、すなわ
ち難燃性が強く要求されている。
一般に液晶ポリマは、耐燃焼性を持っており、直接火
炎にさらされると自己発泡的に炭化層を形成する性質が
ある事が(Materials Engineering誌1980年2月号「発
泡防火塗料:火炎に対する最も重要な防御法につい
て」)に記載されている。
しかしながら、アルキレングリコールとジカルボン酸
から得られるポリエステルにアシルオキシ芳香族カルボ
ン酸を共重合した液晶ポリエステル(例えば特公昭56−
18016号記載ポリマ)は、脂肪族成分を含有するために
薄肉成形品(1/32″)での難燃性が、全芳香族液晶ポリ
エステル(例えば“Vectra"A−130:ポリプラスチックス
社製)に比べ不十分であることがわかった。
<発明が解決しようとする課題> そこで、特公昭56−18016号記載ポリマに種々の難燃
剤を添加した結果、薄肉成形品(1/32″)の難燃性は向
上するが、良好な耐熱性、機械物性および成形品外観を
有する成形品が得られないなどの問題がある事がわかっ
た。よって本発明は、難燃性、耐熱性、機械的性質に優
れると共に、良好な成形品外観を有する難燃性液晶ポリ
エステル組成物を得ることを課題とする。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結
果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、 (A)下記構造単位(I)、(II)、(III)および(I
V)からなり、構造単位[(I)+(II)]が[(I)
+(II)+(III)]の77〜95モル%、構造単位(III)
が[(I)+(II)+(III)]の23〜5モル%であ
り、構造単位(I)/(II)のモル比が75/25〜95/5で
ある液晶ポリエステル100重量部に対して、 (B)エチレンビス−(テトラブロモフタルイミド)、
臭素化エポキシオリゴマーまたはポリマー、臭素化ポリ
スチレン、架橋臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニ
レンエーテルおよび臭素化ポリカーボネートから選ばれ
た有機臭素化合物0.5〜30重量部を含有せしめるか、あ
るいは更に充填剤を200重量部以下含有せしめてなり、U
L94規格での難燃性が厚み1/32″の成形品でV−0の性
能を与えることを特徴とする難燃性液晶ポリエステル組
成物を提供するものである。
O−R1−O …(II) O−CH2CH2−O …(III) CO−R2−CO …(IV) (ただし式中のR1 から選ばれた1種以上の基を示を、R2 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
原子または塩素原子を示す。また、構造単位(IV)は構
造単位[(II)+(III)]と実質的に等モルであ
る。) 本発明において用いる(A)成分の液晶ポリエステル
の上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生
成したポリエステルの構造単位であり、構造単位(II)
は4,4′−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、
2,6−ジヒドロキシナフタレン、t−ブチルハイドロキ
ノン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキ
シビフェニルおよびフェニルハイドロキノンから選ばれ
た芳香族ジオールから生成した構造単位を、構造単位
(III)はエチレングリコールから生成した構造単位
を、構造単位(IV)はテレフタル酸、4,4′−ジフェニ
ルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−
ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、1,2
−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカ
ルボン酸から選ばれた芳香族カルボン酸から生成した構
造単位を示す。これらのうちR1としては R2としては が最も好ましい。
一方、上記構造単位(I)〜(IV)のうち、構造単位
[(I)+(II)]は[(I)+(II)+(III)]の7
7〜95モル%であり、好ましくは82〜92モル%、さらに
好ましくは85〜90モル%である。また、構造単位(II
I)は[(I)+(II)+(III)]の23〜5モル%、好
ましくは18〜8モル%、さらに好ましくは15〜10モル%
である。構造単位[(I)+(II)]が[(I)+(I
I)+(III)]の95モル%より大きいと溶融流動性が低
下して重合時に固化し、77モル%より小さいと耐熱性が
不良となり好ましくない。また構造単位(I)/(II)
のモル比は75/25〜95/5であり、好ましくは78/22〜93/7
である。75/25未満であったり、95/5より大きい場合に
は耐熱性、流動性が不良となり、本発明の目的を達成す
ることができない。
本発明で用いるサーモトロピック液晶ポリエステルの
代表的な製造法としては次の方法が挙げられるが、
(2)の方法が特に好ましい。
(1)p−アセトキシ安息香酸などのヒドロキシ安息香
酸のアシル化物、4,4′−ジアセトキシビフェニル等の
芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物とテレフタル
酸などの芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールと芳
香族ジカルボン酸からのポリエステルやオリゴマあるい
は芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)
エステルとを脱酢酸重合によって製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸、4,4′−ジヒドロキシ
ビフェニル等の芳香族ジヒドロキシ化合物と無水酢酸お
よびテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸とエチレン
グリコールと芳香族ジカルボン酸からのポリエステルや
オリゴマあるいは芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒド
ロキシエチル)エステルとを脱酢酸重合によって製造す
る方法。
これらの重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸第
1錫、テトラブチルチタネート、酢酸ナトリウムおよび
酢酸カリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシウム等
の金属化合物を添加した方が好ましいときもある。
また本発明で用いるサーモトロピック液晶ポリエステ
ルの溶融粘度は10〜15,000ポイズが好ましく、特に20〜
5,000ポイズがより好ましい。
なお、この溶融粘度は(液晶開始温度+40℃)でずり
速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターに
よって測定した値である。
一方、このサーモトロピック液晶ポリエステルの対数
粘度は0.1g/dl濃度、60℃のペンタフルオロフェノール
中で測定した値が、0.5〜5dl/gであることが好ましく、
1.0〜3.0dl/gが特に好ましい。
なお、本発明で用いるサーモトロピック液晶ポリエス
テルを重縮合する際には上記構造単位(I)〜(IV)を
構成する成分以外にイソフタル酸、3,3′−ジフェニル
ジカルボン酸、2,2′−ジフェニルジカルボン酸などの
芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、
ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、
クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、4,4′
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロ
キシジフェニルプロパン、4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル等の芳香
族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサン
ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪
族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2,
6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカル
ボン酸などを本発明の目的を損なわない程度の少割合の
範囲でさらに共重合せしめることができる。
本発明において(B)成分として用いられる有機臭素
化合物は、下記から選ばれたものであり、特に臭素含有
量20重量%以上のものが好ましい。本発明で用いる有機
臭素化合物はエチレンビス−(テトラブロモフタルイミ
ド)、臭素化エポキシオリゴマーまたはポリマー、臭素
化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレン、臭素化ポリ
フェニレンエーテルおよび臭素化ポリカーボネートから
選ばれたものであり、エチレンビス−(テトラブロモフ
タルイミド)、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリス
チレン、臭素化ポリカーボネートが特に好ましく使用で
きる。
上記の好ましい有機臭素化合物についてさらに詳しく
述べると、臭素化エポキシポリマーとしては下記一般式
(i)で表されるものが好ましい。
上記一般式(i)中の重合度nは好ましくは15以上、
さらに好ましくは50〜80である。
また、臭素化ポリスチレンとしては下記(ii)式で表
されるものが好ましい。
また、架橋臭素化ポリスチレンとしては、ジビニルベ
ンゼンで架橋された多孔質ポリスチレンを臭素化したポ
リスチレンが好ましい。
臭素化ポリカーボネートとしては、下記一般式(ii
i)で表されるものが好ましい。
(R1、R2は置換あるいは無置換のアリール基を示し、p
−t−ブチルフェニル基が最も好ましい。) 上記一般式(iii)中の重合度nとしては4以上のも
のが好ましく、8以上のもの、とりわけ8〜25がより好
ましく使用できる。
これらの有機臭素化合物(B)の添加量は、液晶ポリ
エステル100重量部当り、0.5〜30重量部、好ましくは1
〜20重量部であるが、難燃性は液晶ポリエステルの前記
構造単位(III)の共重合量と密接な関係があるため、
次のような添加量にするのが好ましい。すなわち有機臭
素化合物の添加量は液晶ポリエステル100重量部に対し
て臭素原子として0.5y〜1.5y重量部含まれる量が好まし
く、より好ましくは0.8y〜1.2y重量部含まれる量であ
る。
ここでいうyとは下記(a)に示す実験式示された本
発明における液晶ポリエステル100重量部当りの臭素原
子の重量部であり、xは構造単位(III)の構造単位
[(I)+(II)+(III)]に対するモル%である。
y=0.34x …(a) 最も好ましい臭素化合物の一つである臭素化ポリスチ
レン(臭素含量68重量%)の添加量は、液晶ポリエステ
ル100重量部に対して(0.25x〜0.75x)重量部、より好
ましくは(0.4x〜0.6x)重量部である。
従って本発明のx=5〜23モル%の液晶ポリエステル
100重量部に対しては、(1.25〜3.75)から(5.75〜17.
25)重量部であり、より好ましくは(2〜3)から(9.
2〜13.8)重量部である。そして、好ましいx=8〜18
モル%の液晶ポリエステル100重量部に対しては、(2
〜6)から(4.5〜13.5)重量部、より好ましくは(3.2
〜4.8)から(7.2〜10.8)重量部であり、最も好ましい
x=10〜15モル%の液晶ポリエステル100重量部に対し
ては、(2.5〜7.5)から(3.75〜11.25)重量部、より
好ましくは(4〜6)から(6〜9)重量部である。
本発明の液晶ポリエステルは構造単位(III)が構造
単位[(I)+(II)+(III)]の5〜23モル%であ
るため、前記の添加量でUL94規格の垂直型燃焼テスト
(ASTM D790規格)で1/32″厚みでV−0にすることが
できる。構造単位(III)が5モル%未満では、液晶ポ
リエステルの融点が高くなるため難燃剤によって溶融時
に液晶ポリエステルが分解し重合度低下が起こり、充填
剤を添加しても機械物性が低下したり、燃焼時に成形品
がドリップしたりして好ましくない。一方、構造単位
(III)が23モル%より多いと荷重たわみ温度などの耐
熱性が大きく低下するのみならず、難燃性を付与するに
は多量の有機臭素化合物を添加する必要があったり、ア
ンチモン化合物などの難燃助剤を多量に添加する必要が
あるため機械的特性が大きく低下するため好ましくな
い。
従って本発明の最も好ましい組成物は、構造単位(II
I)が構造単位[(I)+(II)+(III)]の10〜15モ
ル%である液晶ポリエステル100重量部に対して充填剤1
5〜100重量部と臭素化ポリスチレン4〜9重量部であ
る。
本発明において用いることができる充填剤としては、
ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン
酸カリウム繊維、石コウ繊維、黄銅繊維、ステンレス繊
維、スチール繊維、セラミックス繊維、ボロンウイスカ
繊維、マイカ、タルク、シリカ炭酸カルシウム、ガラス
ビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、ク
レー、ワラステナイト、酸化チタン等の繊維状、粉状、
粒状あるいは板状の無機フィラーが挙げられる。
上記充填剤中、ガラス繊維が好ましく使用される。ガ
ラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものな
ら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや単繊維タイプ
のチョップトストランド、ミルドファイバーなどから選
択して用いることができる。また、ガラス繊維はエチレ
ン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ
樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていて
も良く、またシラン系、チタネート系などのカップリン
グ剤、その他の表面処理剤で処理されていても良い。
充填剤を添加する場合の量は、サーモトロピック液晶
ポリエステル100重量部当り、200重量部以下であり、こ
の組成物から得られる成形品の異方性を減少したり燃焼
時のドリップを抑制するためには15〜100重量部が好ま
しい。
更に、本発明の組成物には、本発明の目的を損なわな
い程度の範囲で、酸化防止剤および熱安定剤(たとえば
ヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類
およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえば
レゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、
ベンゾフェノンなど)、滑剤および離型剤(モンタン酸
およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ス
テアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレン
ワックスなど)、染料(たとえばニトロシンなど)およ
び顔料(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニン、カ
ーボンブラックなど)を含む着色剤、可塑剤、帯電防止
剤などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂を添加して、
所定の特性を付与することができる。
本発明の樹脂組成物は溶融混練することが好ましく、
溶融混練には公知の方法を用いることができる。たとえ
ば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単
軸もしくは二軸押出機などを用い、200〜350℃の温度で
溶融混練して組成物とすることができる。
<実施例> 以下、実施例により本発明を詳述する。
参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸881重量部、4,4′−ジヒドロ
キシビフェニル158重量部、無水酢酸907重量部、テレフ
タル酸141重量部および固有粘度が約0.6dl/gのポリエチ
レンテレフタレート245重量部を撹拌翼、留出管を備え
た反応容器に仕込み、次の条件で脱酢酸重縮合を行っ
た。
まず窒素ガス雰囲気下に100〜250℃で5時間、250〜3
00℃で1.5時間反応させたのち、300℃、1時間で0.5mmH
gに減圧し、さらに2.25時間反応させ、重縮合を完結さ
せたところ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構
造式を有する樹脂(a)を得た。
k/l/m/n=75/10/15/25 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にの
せ、昇温して、光学異方性の確認を行った結果、液晶開
始温度は264℃であり、良好な光学異方性を示した。こ
のポリエステルの対数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフ
ルオロフェノール中、60℃で測定)は1.96dl/gであり、
304℃、ずり速度1000(1/秒)での溶融粘度は910ポイズ
であった。
参考例2 p−アセトキシ安息香酸757重量部、固有粘度が約0.6
dl/gのポリエチレンテレフタレート538重量部を撹拌
翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、次の条件で脱酢
酸重合を行った。
まず窒素ガス雰囲気下に250〜280℃で3時間反応させ
た後、1mmHgに減圧し、さらに5時間加熱し、重縮合を
完結させ、下記の理論構造式を有する樹脂(b)を得
た。
このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、昇温
して光学異方性の確認を行ったところ、液晶開始温度は
174℃であった。このポリエステルの対数粘度(参考例
1と同一条件で測定)は0.65であり、214℃、ずり速度
1,000/秒での溶融粘度は3,200ポイズであった。
実施例1 参考例1の液晶ポリエステル(a)100重量部に対し
て、臭素化ポリスチレン(日産フェロー(株)製“パイ
ロチェック"68PB)8.5重量部をリボンブレンダーで混合
後、40mmφベント付押出機を使用し、300℃で溶融混練
−ペレット化した。次に得られたペレットを住友ネスタ
ール射出成形機プロマット40/25(住友重機械工業
(株)製)に供し、シリンダー温度300℃、金型温度90
℃の条件で燃焼試験片(1/32″および1/8″×1/2″×
5″)、曲げ試験および荷重たわみ温度(HDT)測定用
試験片(1/8″×1/2″×5″)を成形した。これらの試
験片について外観観察を行うと共に、UL94規格にしたが
い垂直型燃焼テストを、ASTM D790規格にしたがい曲げ
テストを、ASTM D648にしたがいHDT(18.56kgf/cm2
の測定を行った。
その結果、本発明の有機臭素化合物を配合した液晶ポ
リエステルは、難燃性が1/32″V−0、曲げ強度は1420
kgf/cm2、HDT212℃であり、機械的、熱的性質がすぐれ
ると共に、良好な成形品外観を有することがわかった。
実施例2〜6,比較例1〜4 参考例1,2の液晶ポリエステル(A)、有機臭素化合
物(B)、充填剤(C)を表1に示した割合で添加し、
リボンブレンダーで混合後、40mmφベント付押出機を使
用し、260〜300℃で溶融混練−ペレット化した。次に得
られたペレットを住友ネスタール射出成形機プロマット
40/25(住友重機械工業(株)製)に供し、シリンダー
温度260〜300℃、金型温度40〜90℃の条件で実施例1と
同様の成形品を得た。これらの成形品について実施例1
と同様の評価を行った。
これらの結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の液晶ポリエステル
組成物からなる成形品は比較実施例1〜4に比して難燃
性が優れ1/32″V−0、ノンドリップであった。しかも
曲げ強度、耐熱性(HDT)および成形品外観の優れてい
ることがわかる。
<発明の効果> 本発明の難燃性液晶ポリエステル組成物は、耐熱性、
機械的性質、成形品外観および薄肉成形品の難燃性がす
ぐれた樹脂組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−139715(JP,A) 特開 昭63−118325(JP,A) 特開 昭63−30523(JP,A) 特開 平1−118567(JP,A) 特開 平1−287135(JP,A) 特公 昭56−18016(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記構造単位(I)、(II)、(II
    I)および(IV)からなり、構造単位[(I)+(I
    I)]が[(I)+(II)+(III)]の77〜95モル%、
    構造単位(III)が[(I)+(II)+(III)]の23〜
    5モル%であり、構造単位(I)/(II)のモル比が75
    /25〜95/5である液晶ポリエステル100重量部に対して、 (B)エチレンビス−(テトラブロモフタルイミド)、
    臭素化エポキシオリゴマーまたはポリマー、臭素化ポリ
    スチレン、架橋臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニ
    レンエーテルおよび臭素化ポリカーボネートから選ばれ
    た有機臭素化合物0.5〜30重量部を含有せしめてなり、U
    L94規格での難燃性が厚み1/32″の成形品でV−0の性
    能を与えることを特徴とする難燃性液晶ポリエステル組
    成物。 O−R1−O (II) O−CH2CH2−O (III) CO−R2−CO (IV) (ただし、式中のR1 から選ばれた1種以上の基を示し、R2 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
    原子または塩素原子を示す。また、構造単位(IV)は構
    造単位[(II)+(III)]と実質的に等モルであ
    る。)
  2. 【請求項2】さらに充填剤200重量部以下を含有せしめ
    てなることを特徴とする請求項(1)記載の難燃性液晶
    ポリエステル組成物。
JP1217807A 1989-05-15 1989-08-24 難燃性液晶ポリエステル組成物 Expired - Fee Related JP2505590B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1-122050 1989-05-15
JP12205089 1989-05-15

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03103462A JPH03103462A (ja) 1991-04-30
JP2505590B2 true JP2505590B2 (ja) 1996-06-12

Family

ID=14826369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1217807A Expired - Fee Related JP2505590B2 (ja) 1989-05-15 1989-08-24 難燃性液晶ポリエステル組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2505590B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3875743B2 (ja) * 1996-01-09 2007-01-31 株式会社リコー 現像装置及びトナーボトル

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0717741B2 (ja) * 1986-07-25 1995-03-01 東レ株式会社 共重合ポリエステル
JPS63118325A (ja) * 1987-10-23 1988-05-23 Toray Ind Inc 共重合ポリエステルの製造方法
JPS63139715A (ja) * 1987-10-23 1988-06-11 Toray Ind Inc 共重合ポリエステル射出成形品
JPH01118567A (ja) * 1987-11-02 1989-05-11 Idemitsu Petrochem Co Ltd 難燃性ポリエステル組成物
JPH01287135A (ja) * 1988-05-13 1989-11-17 Kawasaki Steel Corp 異方性の改良された共重合ポリエステル

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03103462A (ja) 1991-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0171195B1 (ko) 난연성 액정 폴리에스테르 조성물, 이의 제조방법 및 이로 이루어진 사출 성형품
JP2830124B2 (ja) 光学異方性ポリエステル樹脂組成物
JP3269207B2 (ja) ガラス繊維強化液晶性樹脂組成物
JP3111471B2 (ja) 液晶性ポリマ樹脂組成物
JP3353478B2 (ja) 樹脂組成物およびその製造方法
JP2505590B2 (ja) 難燃性液晶ポリエステル組成物
JP3036450B2 (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物
JP3082223B2 (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物
JP3269218B2 (ja) 難燃化液晶ポリエステル組成物
JP2629265B2 (ja) 液晶ポリエステル系樹脂組成物
JP2870051B2 (ja) 難燃性液晶ポリエステル
JP3111322B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物の射出成形品
JP3269219B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JP2979646B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JP3048234B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JP2982212B2 (ja) 難燃性組成物
JPH04213354A (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物
JP2845444B2 (ja) ウエルド部を有する成形品
JP3147364B2 (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物
JP3118842B2 (ja) 液晶ポリマ樹脂組成物
JP2581242B2 (ja) 共重合ポリエステルおよびその組成物
JP2550800B2 (ja) 難燃ポリエステル組成物
JP3033226B2 (ja) 難燃性耐熱樹脂組成物
JP3134404B2 (ja) 液晶ポリエステル組成物
JP3021504B2 (ja) 液晶性ポリエステル樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080402

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090402

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees