JP2629265B2 - 液晶ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

液晶ポリエステル系樹脂組成物

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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、耐熱性、成形性、流動性に優れ、機械的性
質、特にウェルド強度の高い液晶ポリエステル系樹脂組
成物およびそれからなるウエルド部を有する成形品に関
するものである。
〈従来の技術〉 近年プラスチックの高性能化に対する要求がますます
高まり、種々の新規性能を有するポリマが数多く開発さ
れ、市場に供されているが、なかでも特に分子鎖の平行
な配列を特徴とする光学異方性の液晶ポリマが優れた機
械的性質を有する点で注目されている。
異方性溶融相を形成するポリマとしてはたとえばp−
ヒドロキシ安息香酸にポリエチレンテレフタレートを共
重合した液晶ポリマ(特開昭49-72393号公報)、p−ヒ
ドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を
共重合した液晶ポリマ(特開昭54-77691号公報)、また
p−ヒドロキシ安息香酸に4,4′−ジヒドロキシビフェ
ニルとテレフタル酸、イソフタル酸を共重合した液晶ポ
リマ(特公昭57-24407号公報)などが知られている。
また、液晶ポリマの耐熱性とウェルド強度を向上させ
る目的でガラス繊維を配合することが知られている。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、この液晶ポリマとして、これまで知ら
れているものは、熱変形温度が190℃未満と低く、耐熱
性が不十分であったり、熱変形温度は190℃以上と耐熱
性は良好であるが、液晶開始温度が高すぎて400℃以上
でないと成形できず、溶融粘度も高いなど耐熱性と成形
性、流動性のバランスを有した液晶ポリマを得ることは
困難であった。
また、液晶ポリマは成形品のウェルド強度が低く、こ
れを解決するためガラス繊維を配合すると、流動性の低
下が大きいという問題があった。
よって、本発明は、上述の問題を解決し、耐熱性、成
形性、流動性に優れ、機械的性質、特に成形品のウェル
ド強度の高い液晶ポリエステル樹脂組成物およびそれか
らなるウエルド部を有する成形品を得ることを課題とす
る。
〈課題を解決するための手段〉 すなわち本発明は下記構造単位からなる熱変形温度が
190〜280℃、液晶開始温度が330℃以下、溶融粘度が10,
000ポイズ以下の異方性溶融相を形成する液晶ポリエス
テル(A)98〜20重量%、板状または粒状の充填材
(B)1〜79重量%とガラス繊維(C)1〜79重量%か
らなる液晶ポリエステル系樹脂組成物からなるウエルド
部を有する成形品、およびそれからなるウエルド部を有
する成形品である。
O−X−O …(III) −CH2CH2−から選ばれた1種以上の基を示し、構造単位
(IV)のカルボニル基は互いにパラあるいはメタ位の関
係にあり、その50モル%以上がパラ位である) 本発明における液晶ポリエステル(A)の前記構造単
位(I)は、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造
単位を、前記構造単位(II)は4,4′−ジシドロキシビ
フェニルから生成した構造単位を、前記構造単位(II
I)はハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フ
ェニルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレ
ン、エチレングリコールから選ばれた1種以上のジヒド
ロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(IV)
はテレフタル酸および/またはイソフタル酸から生成し
た構造単位を各々示す。
本発明の液晶ポリエステル(A)は前記構造単位
(I)、(II)、(III)および(IV)からなる共重合
体である。
前記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)
の共重合量は任意である。流動性の点から次の共重合量
であることが好ましい。すなわち、前記構造単位(I)
は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対し
て40〜90モル%であることが好ましい。また、前記構造
単位(II)と(III)のモル比[(II)/(III)]は90
/10〜10/90が好ましく、前記構造単位(III)において
−X−が−CH2CH2−以外の場合は75/25〜25/75が好まし
く、75/25〜40/60が特に好ましい。
一方、(III)において−X−が−CH2CH2−の場合は
構造単位(III)は構造単位(I)、(II)および(II
I)の合計に対して23〜5モル%であることが好まし
く、構造単位(I)と(II)のモル比[(I)/(I
I)]は75/25〜95/5が好ましい。
また、前記構造単位(IV)は構造単位(II)および
(III)の合計と実質的に等モルである。
本発明で用いる液晶ポリエステル(A)は、充填材を
配合しないときの熱変形温度が190〜280℃であることが
必須である。
熱変形温度が190℃未満では耐熱性が不十分であり、2
80℃を超えると得られた樹脂組成物の成形温度が高くな
るという問題が発生する。
ここで熱変形温度はASTM D648に基づき、1/8″厚の試
験片を18.6kg/cm2の応力で測定した値である。
また、液晶ポリエステル(A)の液晶開始温度は、33
0℃以下であることが必須であり、流動性と耐熱性の点
から260〜330℃であることが好ましい。
液晶開始温度が330℃を超えると成形温度を高くする
必要が生じるので成形性の点から実用的でない。
また、溶融粘度は10,000ポイズ以下であることが必須
であり、5,000ポイズ以下が好ましく、特に2,000ポイズ
以下がより好ましい。
なお、この溶融粘度は(液晶開始温度+40℃)でずり
速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターに
よって測定した値である。
本発明における液晶ポリエステル(A)の製造方法
は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に
準じて製造できる。
たとえば、前期構造単位(III)で、−X−が−CH2CH
2−以外の場合は下記(1)〜(4)、−X−が−CH2CH
2−の場合は(5)の製造方法が好ましく挙げられる。
(1)p−アセトキシ安息香酸、4,4′−ジアセトキシ
ビフェニル、パラアセトキシベンゼンなどの芳香族ジヒ
ドロキシ化合物のジアシル化物とテレフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸から脱酢酸重縮合反応によって製造す
る方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸、4,4′−ジヒドロキシ
ビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ
化合物、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水
酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した
のち、脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。
(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステル、4,
4′−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの
芳香族ジヒドロキシ化合物とテレフタル酸などの芳香族
ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール重
縮合反応により製造する方法。
(4)p−ヒドロキシ安息香酸およびテレフタル酸など
の芳香族ジカルボン酸に所望量のジフェニルカーボネー
トを反応させてそれぞれジフェニルエステルとしたの
ち、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン
などの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール
重縮合反応により製造する方法。
(5)ポリエチレンテレフタレート存在下で(1)また
は(2)の方法で製造する方法。
高重合度の液晶ポリエステル(A)が得られるため、
(2)の方法を用いることがさらに好ましい。
重縮合反応に使用する触媒としては、酢酸第一錫、テ
トラブチルチタネート、酢酸カリウム、三酸化アンチモ
ン、マグネシウム、酢酸ナトリウム、酢酸亜鉛などの金
属化合物が代表的であり、とりわけ脱フェノール重縮合
の際に有効である。
本発明の液晶ポリエステル(A)は、ペンタフルオロ
フェノール中で固有粘度を測定することが可能なものも
あり、その際には0.1g/dlの濃度で60℃で測定した値で
0.5dl/g以上が好ましく、特に1.0〜15.0dl/gが好まし
い。
なお、本発明で用いる液晶ポリエステル(A)を重縮
合する際には上記(I)、(II)、(III)および(I
V)を構成する成分以外に、4,4′−ジフェニルジカルボ
ン酸、3,3′−ジフェニルジカルボン酸、3,4′−ジフェ
ニルジカルボン酸、2,2′−ジフェニルジカルボン酸、
1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン
酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′
−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒド
ロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、レゾルシ
ン、クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,
7−ジヒドロキシナフタレンなどの芳香族ジヒドロキシ
化合物、m−オキシ安息香酸、2,6−オキシナフトエ酸
などの芳香族オキシカルボン酸およびp−アミノフェノ
ール、p−アミノ安息香酸などを本発明の目的を損わな
い程度の少割合の範囲でさらに共重合せしめることがで
きる。
本発明における板状または粒状の充填材(B)は特に
限定されるものではなく、公知のものが使用できる。例
えば、ケイ酸カルシウム、(ワラステナイト)、リン酸
カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ケイ酸、酸化
鉄、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、二酸化モリ
ブデン、二硫化モリブデン、マイカ、セリサイト、タル
ク、カリオン、クレー、長石、蛭石、シリカ、ガラス粉
末、ガラスマイクロバルーン、カーボンブラック、グラ
ファイト、樹脂粉末、エボナイト粉末などが好ましく使
用できる。
また、充填材(B)にはその表面をカップリング剤、
例えばγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリ
メトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニル
アセトキシシランなどのシランカップリング剤、また、
イソプロピルトリスイソステアロイルチタネート、イソ
プロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタ
ネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノ
エチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシ
ルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロ
ホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリ
デシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルト
リ(ジオクチルホスフェート)チタネートなどのチタネ
ート系カップリング剤、また、アセトアルコキシアルミ
ニウムジイソプロピレートなどのアルミニウム系カップ
リング剤およびジルコアルミネート系カップリング剤な
どでカップリング処理して用いることが、液晶ポリエス
テル樹脂組成物の耐熱性と機械的性質が向上するため好
ましい。
本発明で用いるガラス繊維(C)の好ましい具体例と
しては、通常の強化樹脂用の直径5〜15μmのチョップ
ドストランド、ロービングタイプのガラス繊維が挙げら
れる。
取扱性、成形品の表面光沢性付与などの点から1〜6m
m長のチョップドストランドが特に好ましく用いられ
る。
ガラス繊維はシラン系、チタン系など通常のカップリ
ング剤処理を施してあるものが好ましく用いられ、エポ
キシ樹脂、酢酸ビニルなどの通常の収束剤により処理さ
れていてもよい。
本発明において、液晶ポリエステル(A)の配合量
は、98〜20重量%、好ましくは90〜30重量%、特に好ま
しくは75〜40重量%、板状または粒状の充填剤(B)の
配合量は、1〜79重量%、好ましくは2〜68重量%、特
に好ましくは5〜55重量%、ガラス繊維(C)の配合量
は、1〜79重量%、好ましくは2〜68重量%、特に好ま
しくは5〜55重量%である。液晶ポリエステル(A)の
配合量が98重量%を超えると耐熱性、機械的性質の改良
効果が不十分であり、20重量%未満では成形性、流動性
の低下が著しく実用的でない。
本発明の組成物には、本発明の目的を損なわない程度
の範囲で、酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダ
ードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類および
これらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾル
シノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾ
フェノンなど)、滑剤および離型剤(モンタン酸および
その塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリ
ルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワック
スなど)、染料(たとえばニトロシンなど)および顔料
(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボン
ブラックなど)を含む着色剤、難燃剤、可塑剤、帯電防
止剤、強化剤などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂を
添加して、所定の特性を付与することができる。
本発明の樹脂組成物は溶融混練することが好ましく、
溶融混練には公知の方法を用いることができる。たとえ
ば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単
軸もしくは二軸押出機などを用い、200〜400℃の温度で
溶融混練して組成物とすることができる。
かくして得られた樹脂組成物は射出成形などの方法に
より成形することができ、その優れたウエルド強度をい
かしてウエルド部を有する成形品とすることができる。
〈実施例〉 以下、実施例により本発明を詳述する。
参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸466重量部、4,4′−ジヒドロ
キシビフェニル84重量部、無水酢酸480重量部、テレフ
タル酸75重量部および固有粘度が約0.6dl/gのポリエチ
レンテレフタレート130重量部を撹拌翼、留出管を備え
た反応容器に仕込み、次の条件で脱酢酸重縮合を行っ
た。
まず窒素ガス雰囲気下に100〜250℃で5時間、250〜3
00℃で1.5時間反応させたのち、300℃、1時間で0.5mmH
gに減圧し、さらに2.25時間反応させ、重縮合を完結さ
せたところ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構
造式を有する樹脂を得た。
l/m/n/o=75/10/15/25 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にの
せ、昇温して、光学異方性の確認を行った結果、液晶開
始温度は264℃であり、良好な光学異方性を示した。こ
のポリエステルの対数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフ
ルオロフェノール中、60℃で測定)は1.96dl/gであり、
304℃、ずり速度1,000/秒での溶融粘度は910ポイズであ
った。
参考例2 p−アセトキシ安息香酸519重量部、4,4′−ジアセト
キシビフェニル184重量部、t−ブチルハイドロキノン
ジアセテート85重量部、ハイドロキノンジアセテート1
9.4重量部およびテレフタル酸186重量部を撹拌翼、留出
管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下に250
〜340℃で3.0時間反応させたのち、350℃に昇温後1.5mm
Hgに系内を減圧し、さらに1.0時間加熱し、重縮合反応
を行い下記の理論構造式を有する樹脂(b)を得た。
l/m/n/o/p=72/17/8.5/2.5/28 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にの
せ、昇温して光学異方性の確認を行ったところ、液晶開
始温度は307℃であり、良好な光学異方性を示した。こ
のポリエステルの対数粘度(参考例1と同一の条件で測
定)は4.3dl/gであり、347℃、ずり速度1,000/秒での溶
融粘度は4,300ポイズであった。
参考例3 p−アセトキシ安息香酸541重量部、4,4′−ジアセト
キシビフェニル184重量部、ハイドロキノンジアセテー
ト62重量部およびテレフタル酸124重量部、イソフタル
酸42重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込
み、窒素ガス雰囲気下に250〜360℃で3時間反応させた
のち、1mmHgに減圧し、さらに1時間加熱し、重縮合を
完結させ、下記の理論構造式を有する樹脂(c)を得
た。
l/m/n/o/p=72/17/8/18.75/6.25 このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、昇温
して光学異方性の確認を行ったところ、液晶開始温度は
305℃であり、良好な光学異方性を示した。このポリエ
ステルの対数粘度(参考例1と同一条件で測定)は4.1d
l/gであり、345℃、ずり速度1,000/秒での溶融粘度は3,
500ポイズであった。
実施例1〜19 比較例2〜4,6〜8,10〜12 液晶ポリエステル(A)と板状または粒状の充填材
(B)、ガラス繊維(C)を用いて表に示す割合で300
〜360℃に設定した40mmφの単軸押出機により溶融混合
し、樹脂組成物とした。充填材(B)はあらかじめ、0.
1〜0.5重量部(対充填材100重量部)のγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランで処理し、これを充填材
(B)として使用した。
得られた樹脂組成物を住友ネスタール射出成形機プロ
マット40/25(住友重機械工業(株)製)に供し、シリ
ンダー温度300〜360℃、金型温度100℃の条件で、1/8″
×1/2″×5″のテストピースおよびASTMNo.1ダンベル
を成形した。ASTMNo.1ダンベルは、ゲートがダンベルの
一端にある通常の金型(ダンベルI)とゲートがダンベ
ルの両端にあるウェルド金型(ダンベルII)の両者を用
いて成形した。そしてASTM D648規格に従い、1/8″厚の
テストピースの熱変形温度(18.6kg/cm2)を測定した。
また、ASTM D638規格に従い、ASTMNo.1ダンベルの破断
強度を測定し、ダンベルIに対するダンベルIIの破断強
度の比率をウェルド強度保持率とした。
さらに、樹脂組成物の成形時のシリンダー温度、ずり
速度1,000/秒における溶融粘度を高化式フローテスター
で測定した。これらの結果を合わせて表に示す。
比較例1,5,9 参考例1〜3の液晶ポリエステル(A)を用い、実施
例1〜19、比較例2〜4,6〜8,10〜12と同様にシリンダ
ー温度300〜350℃、金型温度100℃の条件で1/8″×1/
2″×5″のテストピースおよびASTMNo.1ダンベルを成
形した。
そして、熱変形温度および破断強度、溶融粘度を測定
し、ウェルド強度保持率を計算した。これらの結果を合
わせて表に示す。
比較例13 下記の理論構造式を有し、液晶開始温度359℃で399
℃、ずり速度1,000/秒での溶融粘度が8,800ポイズの液
晶ポリエステル(X)を用い、実施例1〜19,比較例2
〜4,6〜8,10〜12と同様に表に示す割合で充填材(B)
およびガラス繊維(C)を溶融混合(設定温度400
℃)、成形(シリンダー温度400℃、金型温度210℃)、
評価した。これらの結果をあわせて表に示す。
l/m=67/33 比較例1〜12に対して本発明の実施例1〜19の樹脂組
成物は、熱変形温度と溶融粘度のバランスがとれ、耐熱
性と流動性に優れている。また、ウェルド強度保持率が
78%以上し高く、機械的性質に優れている。
比較例13の樹脂組成物は、熱変形温度は高いものの、
成形温度の400℃での溶融粘度が16,000ポイズと高く、
流動性が低い。成形温度が400℃を超えると熱分解ガス
の発生が観察された。また、ウェルド強度保持率も32%
と低いものであった。
〈発明の効果〉 本発明は、限定された構造式からなる特定の液晶ポリ
エステルに、板状または粒状の充填材およびガラス繊維
を添加することにより、耐熱性、成形性、流動性に優
れ、機械的性質、特にウェルド強度の高い樹脂組成物お
よびそれからなるウエルド部を有する成形品が得られ
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造単位からなる熱変形温度が190〜2
    80℃、液晶開始温度が330℃以下、溶融粘度が10,000ポ
    イズ以下の異方性溶融相を形成する液晶ポリエステル
    (A)98〜20重量%、板状または粒状の充填材(B)1
    〜79重量%とガラス繊維(C)1〜79重量%からなる液
    晶ポリエステル系樹脂組成物。 O−X−O …(III) (ただし式中のXは −CH2CH2−から選ばれた1種以上の基を示し、構造単位
    (IV)のカルボニル基は互いにパラあるいはメタ位の関
    係にあり、その50モル%以上がパラ位である)
  2. 【請求項2】請求項1記載の液晶ポリエステル系樹脂組
    成物からなるウエルド部を有する成形品。
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