JP3111322B2 - ポリエステル樹脂組成物の射出成形品 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物の射出成形品

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JP3111322B2
JP3111322B2 JP03121467A JP12146791A JP3111322B2 JP 3111322 B2 JP3111322 B2 JP 3111322B2 JP 03121467 A JP03121467 A JP 03121467A JP 12146791 A JP12146791 A JP 12146791A JP 3111322 B2 JP3111322 B2 JP 3111322B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はウエルド強度に優れ、耐
性に優れたポリエステル樹脂組成物の射 出成形品に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックの高性能化に対する要
求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマが
数多く開発され、市場に供されているが、中でも分子鎖
の平行な配列を特徴とする光学異方性のサーモトロピッ
ク液晶ポリエステルが優れた成形性と耐熱性および機械
的性質を有する点で注目されている。しかしながら、こ
の液晶ポリエステルとしてこれまで知られているものは
ウェルド強度が弱いという問題点を有していた。
【0003】一方、ポリシクロヘキサンジメチレンテレ
フタレート系ポリエステル(以下PCTと略記する)
は、ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフ
タレートなどのポリエステルに比べて熱変形温度が高い
点で注目されているが、成形性が不良であり成形時の耐
熱性が不良のため成形時の重合度低下が大きくウェルド
強度が十分とはいえないことがわかった。
【0004】Polymer Engineeing and Science, mid Se
pt. vol.30、 No.17.1041頁、1990には
PCTと、液晶ポリエステルを含む種々のポリマとのブ
レンドについて記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らが、液晶ポ
リエステルとPCTの組成物について検討した結果、こ
の組成物についてもウェルド強度が極めて低いことがわ
かった。
【0006】そこで本発明はウエルド強度に優れたポリ
エステル樹脂組成物の射出成形品を得ることを課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明は、 (A)サーモトロピック液晶ポリエステル1〜99重量
%と (B)シクロヘキサン環のシス構造とトランス構造の比
率であるシス/トランス(モル比)が60/40〜10
/90の範囲にあるポリシクロヘキサンジメチレンテレ
フタレート系ポリエステル99〜1重量%、からなる樹
脂組成物100重量部に対して、 (C)下記構造式(b) で表わされるエポキシ化合物0.
01〜20重量部を含有せしめてなるポリエステル樹脂
組成物を射出成形してなる成形品を提供するものであ
る。 X−C−(R)3 ・・・・・(b)(上記式中、XはHもしくはアルキル−O−、アリール
−O−、アルキル− COO−、アリール−COO−から
選ばれた基を示し、Rは下記構造単位から 選ばれた構造
単位を示す)
【化2】
【0009】本発明においては、サーモトロピック液晶
ポリエステルおよびPCTに対し、エポキシ化合物を配
合することが重要であり、これにより、組成物のウェル
ド強度が著しく改善される。このウェルド強度の改善に
は、組成物の成形性の改善も寄与しているものと考えら
れる。
【0010】本発明で用いるサーモトロピック液晶性ポ
リエステル(A) とは、異方性溶融相を形成するポリエス
テルであり、p−ヒドロキシ安息香酸/ポリエチレンテ
レフタレート系液晶ポリエステル、p−ヒドロキシ安息
香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸系液晶ポリエス
テル、p−ヒドロキシ安息香酸/4,4′−ジヒドロキ
シビフェニル/テレフタル酸/イソフタル酸系液晶ポリ
エステルなどが挙げられるが、中でも下記構造単位(I)
、(II)、(IV)または(I) 、(II)、(III) 、(IV)からな
るサーモトロピック液晶性ポリエステルが好ましく用い
られる。
【0011】
【化1】
【0012】(ただし式中のR1
【0013】
【化2】
【0014】から選ばれた一種以上の基を示し、R2
【0015】
【化3】
【0016】から選ばれた一種以上の基を示す。また式
中xは水素原子または塩素原子を示し、構造単位〔(II)
+(III) 〕と構造単位(IV)は実質的に等モルである。)
上記構造単位(I) はp−ヒドロキシ安息香酸から生成し
たポリエステルの構造単位であり、構造単位(II)は4,
4′−ジヒドロキシビフェニル、3,3′,5,5′−
テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハ
イドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,
7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンおよび4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルエーテルから選ばれた芳香族ジヒドロキシ
化合物から生成した構造単位を、構造単位(III) はエチ
レングリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)
はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4′−ジフェニル
ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,
2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン
酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−
4,4′−ジカルボン酸およびジフェニルエーテルジカ
ルボン酸から選ばれた芳香族ジカルボン酸から生成した
構造単位を各々示す。これらのうち特に構造単位(III)
を含む場合はR1
【0017】
【化4】
【0018】であるものが構造単位(II)の70モル%以
上を、R2
【0019】
【化5】
【0020】であるものが構造単位(IV)の70モル%以
上を占めるものが特に好ましい。
【0021】また、構造単位(III) を含まない場合はR
1
【0022】
【化6】
【0023】がR2
【0024】
【化7】
【0025】であるものが特に好ましい。
【0026】上記構造単位(I) 、(II)、(III) および(I
V)の共重合量は任意である。しかし、流動性の点から次
の共重合量であることが好ましい。
【0027】すなわち、上記構造単位(III) を含む場合
は、耐熱性、難燃性および機械的特性の点から上記構造
単位〔(I) +(II)〕は〔(I) +(II)+(III) 〕の60〜
95モル%が好ましく、82〜93モル%がより好まし
い。また、構造単位(III) は〔(I) +(II)+(III) 〕の
40〜5モル%が好ましく、18〜7モル%がより好ま
しい。
【0028】また、構造単位(I) /(II)のモル比は耐熱
性と流動性のバランスの点から好ましくは75/25〜
95/5であり、より好ましくは78/22〜93/7
である。また、構造単位(IV)は構造単位〔(II)+(III)
〕と実質的に等モルである。一方、上記構造単位(III)
を含まない場合は流動性の点から上記構造単位(I)は
〔(I) +(II)〕の40〜90モル%であることが好まし
く、60〜88モル%であることが特に好ましく、構造
単位(IV)は構造単位(II)と実質的に等モルである。
【0029】なお、上記の好ましいサーモトロピック液
晶ポリエステルを重縮合する際には上記構造単位(I) 〜
(IV)を構成する成分以外に3,3′−ジフェニルジカル
ボン酸、2,2′−ジフェニルジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキ
サヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロ
ルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、4,4′−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロ
キシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシベ
ンゾフェノンなどの芳香族ジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノールなどの脂肪族、脂環式ジオー
ルおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシ
ナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp
−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸などをさらに
共重合せしめてもよい。
【0030】本発明におけるサーモトロピック液晶ポリ
エステル(A) は、荷重たわみ温度が150〜280℃で
あることが好ましく、190〜280℃がより好まし
い。
【0031】ここで荷重たわみ温度はASTM D64
8に基づき、1/8″×1/2″×5″の試験片を1
8.56kgf/cm2 の応力下で測定した値である。
【0032】本発明におけるサーモトロピック液晶ポリ
エステル(A) の製造方法は、特に制限がなく、公知のポ
リエステルの重縮合法に準じて製造できる。
【0033】たとえば、上記構造単位(III) を含まない
場合は(1) 〜(4) 、構造単位(III)を含む場合は(5) の
製造方法が好ましく挙げられる。
【0034】(1) p−アセトキシ安息香酸および4,
4′−ジアセトキシビフェニルなどの芳香族ジヒドロキ
シ化合物のジアシル化物とテレフタル酸のなどの芳香族
ジカルボン酸から脱酢酸重縮合反応によって製造する方
法。
【0035】(2) p−ヒドロキシ安息香酸および4,
4′−ジヒドロキシビフェニルなどの芳香族ジヒドロキ
シ化合物、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無
水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化し
た後、脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。
【0036】(3) p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエ
ステルおよび4,4′−ジヒドロキシビフェニルなどの
芳香族ジヒドロキシ化合物とテレフタル酸などの芳香族
ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール重
縮合反応により製造する方法。
【0037】(4) p−ヒドロキシ安息香酸およびテレフ
タル酸などの芳香族ジカルボン酸に所望量のジフェニル
カーボネートを反応させてそれぞれジフェニルエステル
とした後、4,4′−ジヒドロキシビフェニルなどの芳
香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反
応により製造する方法。
【0038】(5) ポリエチレンテレフタレートなどのポ
リエステルのポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒドロ
キシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸の
ビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)
または(2) の方法により製造する方法。
【0039】重縮合反応に使用する触媒としては、酢酸
第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウム、三酸
化アンチモン、マグネシウム、酢酸ナトリウムなどの金
属化合物が代表的であり、とりわけ脱フェノール重縮合
の際に有効である。
【0040】本発明に使用するサーモトロピック液晶ポ
リエステル(A) は、ペンタフルオロフェノール中で対数
粘度を測定することが可能なものもあり、その際には
0.1g/dlの濃度で60℃で測定した値で0.5以
上が好ましく、特に上記構造単位(III) を含む場合は
1.0〜3.0dl/gが好ましく、上記構造単位(II
I)を含まない場合は2.0〜10.0dl/gが好まし
い。
【0041】また、本発明に使用するサーモトロピック
液晶ポリエステル(A) の溶融粘度は10〜20,000
ポイズが好ましく、特に20〜10,000ポイズがよ
り好ましい。
【0042】なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10
℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で
高化式フローテスターによって測定した値である。
【0043】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の
昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(T
1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持し
た後、20℃/分の昇温条件で室温まで一旦冷却した
後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測され
る吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0044】本発明で使用するポリシクロヘキサンジメ
チレンテレフタレート系ポリエステル(PCT)の1,
4−シクロヘキサンジメタノール残基の一部であるシク
ロヘキサン環は、シス構造とトランス構造の比率である
シス/トランス比(モル比)が60/40〜10/90
の範囲であり、好ましくは50/50〜15/85、特
に好ましくは40/60〜25/75の範囲である。シ
ス/トランス比が60/40以上の場合、ポリエステル
の融点が低くなるため耐熱性の必要な用途に対して適用
することが困難であり、一方10/90未満の場合、ポ
リエステルの融点が高くなりすぎるため分解温度と成形
温度の差が小さくなり、本発明の技術をもってしても成
形時の滞留安定性の改良が困難となる。
【0045】本発明におけるPCTの製造方法は特に限
定されるものではないが、たとえば有機チタン化合物な
どの触媒の存在下もしくは非存在下において、テレフタ
ル酸またはその低級アルキルエステルとシス/トランス
比が60/40〜10/90(モル比)の1,4−シク
ロヘキサンジメタノールを重縮合して得る方法が挙げら
れる。重合条件としてはたとえば米国特許第2,90
1,466号公報に記載された条件などが適用され得
る。
【0046】本発明で使用するPCTは0.5%のo−
クロルフェノール溶液を25℃で測定したときの対数粘
度が好ましくは0.4〜2.0dl/g、より好ましく
は0.5〜1.0dl/gのものが望ましい。
【0047】PCTの対数粘度が0.4dl/g未満の
場合、機械的性質が低く、一方、2.0dl/gを越え
た場合には成形性が不良となる傾向がありいずれも好ま
しくない。
【0048】また、PCTの末端カルボキシル基量は、
好ましくはエポキシ化合物添加後、30当量/106
−ポリマ以下であればよいが、この条件を満足せしめる
ためにはエポキシ化合物添加前の値で100当量/10
6 g−ポリマ以下であることが望ましい。
【0049】PCTの末端カルボキシル基量は、たとえ
ばAnal. Chem.,26.1614−1616(1954)
に記載されているH. A. Pohlの方法を用いて測定するこ
とができる。
【0050】PCTの酸成分またはジオール成分を20
モル%以下、好ましくは10モル%以下の範囲で、イソ
フタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナ
フタレンジカルボン酸、メチルテレフタル酸、4,4′
−ビフェニルジカルボン酸、2,2′−ビフェニルジカ
ルボン酸、1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)
−エタン、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、オクタデカン
ジカルボン酸、ダイマー酸および1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸などの他のジカルボン酸またはエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタ
ンジオール、1,10−デカンジオール、1,3−シク
ロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメ
タノールおよび2,2−ビス(2′−ヒドロキシエトキ
シフェニル)プロパンなどの他のジオールで置換したも
のも用いることができる。
【0051】なお、サーモトロピック液晶ポリエステル
とPCTの割合は、サーモトロピック液晶ポリエステル
1〜99重量%とPCT99〜1重量%であり、好まし
くはサーモトロピック液晶ポリエステル20〜80重量
%とPCT80〜20重量%である。
【0052】本発明の樹脂組成物においてサーモトロピ
ック液晶ポリエステルとPCT(B)の合計100重量部
に対して0.01〜20重量部のエポキシ化合物(C) を
添加することが必要であり、この場合、エポキシ基が
0.001〜0.01g当量含まれるように添加するの
が好ましい。
【0053】このエポキシ化合物としては下記構造式
(a) のエポキシ化合物のように下記構造式(b) で示され
る化合物が挙げられる。
【0054】
【化8】
【0055】(xは水素、アルキル−O−、アリール−
O−、アルキル−CO2 −、アリール−CO2 −などを
示し、Rは
【0056】
【化9】
【0057】などを示す)。
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】また、本発明のポリエステル樹脂組成物に
は、本発明の目的を損なわない程度の範囲で、酸化防止
剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒ
ドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体な
ど)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシ
レート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、
滑剤および離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエス
テル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ス
テアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料
(たとえばニグロシンなど)および顔料(たとえば硫化
カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラックなど)
を含む着色剤、可塑剤、帯電防止剤などの通常の添加剤
や他の熱可塑性樹脂を添加して、所定の特性を付与する
ことができる。 本発明の難燃性樹脂組成物は溶融混練
により製造することが好ましく、溶融混練には公知の方
法を用いることができる。たとえば、バンバリーミキサ
ー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機
などを用い、200〜400℃の温度で溶融混練して組
成物とすることができる。
【0063】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。
【0064】参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸881重量部、4,4′−ジヒ
ドロキシビフェニル158重量部、テレフタル酸141
重量部および固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレ
ンテレフタレート245重量部を撹拌翼、留出管を備え
た反応容器に仕込み、次の条件で脱酢酸重縮合を行っ
た。
【0065】まず、窒素ガス雰囲気下に100〜250
℃で5時間、250〜300℃で1.5時間反応させた
後、300℃、1時間で0.5mmHgに減圧し、さらに
2.25時間反応させ、重縮合を完結させたところ、ほ
ぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構造式を有する樹
脂(a) を得た。
【0066】
【化12】
【0067】 k/l/m/n=75/10/15/25 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、
昇温して、光学異方性の確認を行った結果、液晶開始温
度は264℃であり、良好な光学異方性を示した。ま
た、融点(Tm)は294℃であった。このポリエステ
ルの対数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフルオロ
フェノール中、60℃で測定)は1.98dl/gであ
り、304℃、ずり速度1,000/秒での溶融粘度は
780ポイズであった。このポリマ単独の1/8″厚×
1/2″幅×5″長の1/8″厚の試験片の荷重たわみ
温度(18.56kgf/cm2 )を測定したところ213
℃であった。
【0068】参考例2 p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4′−ジヒ
ドロキシビフェニル222重量部、2,6−ジアセトキ
シナフタレン147重量部、無水酢酸1078重量部お
よびテレフタル酸299重量部を撹拌翼、留出管を備え
た反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下に100/25
0℃で5時間、250〜330℃で2.5時間反応させ
た後、330℃、1.5時間で1.0mmHgに減圧し、さ
らに0.75時間反応させ、重縮合を完結させたとこ
ろ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記構造式を有する樹
脂(b) を得た。
【0069】
【化13】
【0070】 k/l/m/n=80/13.3/6.7/20 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、
昇温して光学異方性の確認を行ったところ、液晶開始温
度は296℃であり、良好な光学異方性を示した。ま
た、Tmは325℃であった。このポリエステルの対数
粘度(参考例1と同一の条件で測定)は4.8であっ
た。また、335℃、ずり速度1,000/秒での溶融
粘度は430ポイズであった。このポリマ単独の1/
8″厚×1/2″幅×5″長の1/8″厚の試験片の荷
重たわみ温度(18.56kgf/cm2 )は239℃であ
った。
【0071】実施例1〜3 参考例1のサーモトロピック液晶ポリエステル(A)(a)2
0〜80重量部と対数粘度0.81dl/gのポリ−
1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート系ポ
リエステル(PCT)(シクロヘキサンジメタノール残
基のシス/トランス比=35/65)(B) 80〜20重
量部および下記エポキシ化合物(C)(a)0.4重量部をリ
ボンブレンダーで混合後、300℃に設定した40nmφ
のベント付押出機を使用し、溶融混練−ペレット化し
た。
【0072】
【化14】
【0073】このペレットを住友ネスタール射出成形機
プロマット40/25(住友重機械工業(株)製)に供
し、シリンダー温度300℃、金型温度90℃の条件で
ASTM No.4ダンベルをゲートがダンベルの一端に
ある通常の金型(ダンベルI)とゲートがダンベルの両
端にあるウェルド金型(ダンベルII)の両者を用いて成
形した。そしてASTM D638規格に従いダンベル
の引張強度を測定し、ダンベルI に対するダンベルIIの
引張強度(ダンベルII/ダンベルI )をウェルド強度保
持率とした。
【0074】結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】実施例4〜6 参考例1のサーモトロピック液晶ポリエステル(a) の代
りに参考例2のサーモトロピック液晶ポリエステル(b)
を使用して実施例1と同様に押出し、射出成形してウェ
ルド強度保持率を測定した。
【0077】結果を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】比較例1〜3 参考例1のサーモトロピック液晶ポリエステル(a) 0〜
100重量部と対数粘度0.81dl/gのポリ−1,
4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート系ポリエ
ステル(シクロヘキサンジメタノール残基のシス/トラ
ンス比=35/65)(b) 100〜0重量部および化合
物(A) のエポキシ化合物0〜0.4重量部をリボンブレ
ンダーで混合後、実施例1と同様に押出、射出成形して
ウェルド強度保持率を測定した。
【0083】結果を表4に示す。
【0084】
【表4】
【0085】エポキシ化合物を添加しない場合、実施例
1〜に比してウエルド強度保持率の低いことがわか
る。
【0086】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂組成物の射出
成形品は、ウエルド強度に優れ、耐熱性に優れたもので
ある。
フロントページの続き (72)発明者 興田 清己 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東レ株式会社名古屋事業場内 (72)発明者 熊木 治郎 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東レ株式会社名古屋事業場内 (56)参考文献 特開 平3−14863(JP,A) 特開 平2−191636(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)サーモトロピック液晶ポリエステル
    1〜99重量%と(B)シクロヘキサン環のシス構造と
    トランス構造の比率であるシス/トランス(モル比)が
    60/40〜10/90の範囲にあるポリシクロヘキサ
    ンジメチレンテレフタレート系ポリエステル99〜1重
    量%、からなる樹脂組成物100重量部に対して、
    (C)下記構造式(b) で表わされるエポキシ化合物0.
    01〜20重量部を含有せしめてなるポリエステル樹脂
    組成物を射出成形してなる成形品。 X−C−(R)3 ・・・・・(b)(上記式中、XはHもしくはアルキル−O−、アリール
    −O−、アルキル− COO−、アリール−COO−から
    選ばれた基を示し、Rは下記構造単位から 選ばれた構造
    単位を示す) 【化1】
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