JP2007254716A - 液晶性樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】流動性を損なうことなく、エポキシ及びシリコーン接着性を付与し、さらに耐コロナ性、絶縁破壊強さに優れた液晶性樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供する。
【解決手段】(A)液晶性樹脂100重量部に対して、(B)繊維状充填材および(C)数平均粒子径が8μm以上である鱗片状充填材を含有する組成物であって、(B)繊維状充填材の配合量>(C)鱗片状充填材の配合量を満たし、かつ(B)繊維状充填材の配合量と(C)鱗片状充填材の配合量の合計が70〜150重量部である液晶性樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)液晶性樹脂100重量部に対して、(B)繊維状充填材および(C)数平均粒子径が8μm以上である鱗片状充填材を含有する組成物であって、(B)繊維状充填材の配合量>(C)鱗片状充填材の配合量を満たし、かつ(B)繊維状充填材の配合量と(C)鱗片状充填材の配合量の合計が70〜150重量部である液晶性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、流動性、エポキシ接着性、シリコーン接着性、耐コロナ性、絶縁破壊強さに優れた液晶樹脂組成物およびそれからなる成形品に関するものである。
近年、プラスチックの高性能化に対する要求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマが数多く開発され、市場に供されているが、中でも分子鎖の平行な配列を特徴とする光学異方性の液晶性樹脂は、優れた流動性、耐熱性、低ガス性および機械的性質を有する点で注目されている。
また、自動車においても多くのプラスチックが利用されているが、その構成部品の軽量化や電子制御化が進んでいる。さらに、環境問題への取り組みとして鉛はんだによる表面実装技術を全廃する傾向にあり、液晶性樹脂による開発が盛んになってきている。液晶性樹脂は反応性に富むエステル基をもつポリエステル樹脂であるにも拘わらず、耐加水分解性や耐薬品性に優れているため、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂との反応性や接着性が低く、接着部位を有する部品の材料としては利用できないとされてきた。従来、液晶性樹脂のガラス繊維などを充填材として配合することが一般的だが、これは、液晶性樹脂が本来持つ流動性の維持と機械的強度の向上とを同時に考慮して充填材の種類や量を決定するため、エポキシ接着性を向上させる目的に決定されていない。例えば、液晶性樹脂にガラス繊維のみを配合しても液晶性樹脂の流れ方向にガラス繊維も配向して表面が平滑となり、物理的接着性の向上に至らなかった。また、特許文献1には、液晶性樹脂にガラス繊維および平均粒子径が4.3μmのタルクまたは平均粒子径7.1μmのマイカを配合した樹脂組成物が記載されているが、これらの樹脂組成物は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などとの接着性が十分ではなかった。
特開平1−284547号公報(第8ページ)
本発明は、液晶性樹脂の流動性を維持し、かつ優れたエポキシ及びシリコーン接着性、耐コロナ性、絶縁破壊強さを示す材料を含有する液晶樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定範囲の配合比率の充填材を添加することにより、液晶樹脂本来の耐熱性、流動性を維持しながら、エポキシ及びシリコーン接着性、耐コロナ性、絶縁破壊強さを付与した液晶性樹脂成形体として適用できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は
(1)(A)液晶性樹脂100重量部に対して、(B)繊維状充填材および(C)数平均粒子径が8μm以上である鱗片状充填材を含有する組成物であって、(B)繊維状充填材の配合量>(C)鱗片状充填材の配合量を満たし、かつ(B)繊維状充填材の配合量と(C)鱗片状充填材の配合量の合計が70〜150重量部である液晶性樹脂組成物、
(2)(B)繊維状充填材がガラス繊維である(1)記載の液晶性樹脂組成物、
(3)(B)繊維状充填材の配合量が、(A)液晶性樹脂100重量部に対して70〜140重量部である(1)または(2)記載の液晶性樹脂組成物、
(4)(C)鱗片状充填材がタルクおよび/またはマイカである(1)〜(3)のいずれか記載の液晶性樹脂組成物、
(5)(C)鱗片状充填材の配合量が、(A)液晶性樹脂100重量部に対して10重量部以上75重量部未満である(1)〜(4)のいずれか記載の液晶性樹脂組成物、
(6)(1)〜(5)のいずれか記載の液晶性樹脂組成物を成形してなる成形品、および
(7)エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂との接着部位を有する(6)記載の成形品、
である。
(1)(A)液晶性樹脂100重量部に対して、(B)繊維状充填材および(C)数平均粒子径が8μm以上である鱗片状充填材を含有する組成物であって、(B)繊維状充填材の配合量>(C)鱗片状充填材の配合量を満たし、かつ(B)繊維状充填材の配合量と(C)鱗片状充填材の配合量の合計が70〜150重量部である液晶性樹脂組成物、
(2)(B)繊維状充填材がガラス繊維である(1)記載の液晶性樹脂組成物、
(3)(B)繊維状充填材の配合量が、(A)液晶性樹脂100重量部に対して70〜140重量部である(1)または(2)記載の液晶性樹脂組成物、
(4)(C)鱗片状充填材がタルクおよび/またはマイカである(1)〜(3)のいずれか記載の液晶性樹脂組成物、
(5)(C)鱗片状充填材の配合量が、(A)液晶性樹脂100重量部に対して10重量部以上75重量部未満である(1)〜(4)のいずれか記載の液晶性樹脂組成物、
(6)(1)〜(5)のいずれか記載の液晶性樹脂組成物を成形してなる成形品、および
(7)エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂との接着部位を有する(6)記載の成形品、
である。
本発明によれば、以下に説明するとおり、液晶性樹脂元来の耐熱性、流動性を損なうことなく、エポキシ及びシリコーン接着性、耐コロナ性、絶縁破壊強さに優れた液晶性樹脂組成物が得られる。さらに耐薬品性に優れる液晶性樹脂組成物および成形品が得られるため、自動車用途に好適に使用される部品、とりわけ点火系部品の分野に与える効果が大きい。
本発明で用いる(A)液晶性樹脂としては、異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルおよび液晶性ポリエステルアミドなどが挙げられ、その具体例としては、芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジカルボニル単位、エチレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル、および上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミノ単位、芳香族イミノオキシ単位などから選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルアミドが挙げられる。
異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルの例としては、好ましくは下記の(I)、(II)および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、(I)、(II)、(III) および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、および、(I)、(III) および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルなどが挙げられる。
(ただし式中のR1 は、
から選ばれた一種以上の基を示し、R2 は、
から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素原子または塩素原子を示し、構造単位(II)および(III) の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルである。)
上記構造単位(I)は、p−ヒドロキシ安息香酸から生成したポリエステルの構造単位であり、構造単位(II)は、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(III)は、エチレングリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)は、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。これらのうちR1が
であり、R2が
であるものが特に好ましい。
また、液晶性ポリエステルアミドの例としては、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、p−アミノフェノールとテレフタル酸から生成した液晶性ポリエステルアミド、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸、p−アミノ安息香酸およびポリエチレンテレフタレートから生成した液晶性ポリエステルアミド(特開昭64−33123号公報)などが挙げられる。
本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエステルは、上記構造単位(I)、(II)および(IV)からなる共重合体、または、(I)、(II)、(III) および(IV)からなる共重合体であり、上記構造単位(I)、(II)、(III) および(IV)の共重合量は任意である。しかし、流動性の点から次の共重合量であることが好ましい。
すなわち、上記構造単位(III)を含む場合は、耐熱性、難燃性および機械的特性の点から、上記構造単位(I)および(II)の合計は、構造単位(I),(II)および(III)の合計に対して60〜95モル%が好ましく、75〜93モル%がより好ましい。また、構造単位(III)は、構造単位(I),(II)および(III) の合計に対して40〜5モル%が好ましく、25〜7モル%がより好ましい。また、構造単位(I)の構造単位(II)に対するモル比[(I)/(II)]は、耐熱性と流動性のバランスの点から好ましくは75/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)および(III)の合計と実質的に等モルである。
一方、上記構造単位(III)を含まない場合は、流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および(II)の合計に対して40〜90モル%であることが好ましく、60〜88モル%であることが特に好ましい。構造単位(IV)は構造単位(II)と実質的に等モルである。
なお、上記において「実質的に等モル」とは、末端を除くポリマ主鎖を構成するユニットとしてはジオキシ単位とジカルボニル単位が等モルであるが、末端を構成するユニットとしては必ずしも等モルとは限らないことを意味する。
なお、本発明で好ましく使用できる上記液晶性ポリエステルを重縮合する際には、上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンなどの芳香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族、脂環式ジオール、m−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸などを、本発明の目的を損なわない程度の少割合の範囲でさらに共重合せしめることができる。 また、液晶性ポリエステルアミドとしては、上記好ましい液晶性ポリエステルに、さらにp−アミノフェノールおよび/またはp−アミノ安息香酸を共重合したものも好ましく挙げることができる。
本発明における(A)液晶性樹脂の製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造できる。
例えば、上記の好ましく用いられる液晶性ポリエステルの製造において、上記構造単位(III)を含まない場合は下記(1)および(2)の製造方法が、構造単位(III)を含む場合は下記(3)の製造方法が好ましく挙げられる。
(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、4,4’−ジアセトキシベンゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物とテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(3)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルのポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で、(1)または(2)の方法により液晶性ポリエステルを製造する方法。
これらの重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシウムなどの金属化合物を添加した方が好ましいときもある。
本発明における(A)液晶性樹脂は、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定することが可能なものもあり、その際には0.1g/dlの濃度で60℃で測定した値で0.5dl/g以上が好ましく、特に上記構造単位(III)を含む場合は1.0〜3.0dl/gが好ましく、上記構造単位(III)を含まない場合は2.0〜10.0dl/gが好ましい。
また、本発明における(A)液晶性樹脂の溶融粘度は、1〜2,000Pa・sが好ましく、特に2〜1,000Pa・sがより好ましい。
なお、上記の溶融粘度は、液晶性樹脂の融点(Tm)+10℃の条件で、ズリ速度1,000/秒の条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。
ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定によりポリマを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度Tm1の観測後、Tm1+20℃の温度でまで昇温し、同温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度を指す。
本発明で用いる(B)繊維状充填材は、ガラス繊維が好ましく、具体的には例えば、長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。
本発明で用いる(B)繊維状充填材の数平均繊維径は9〜30μmのものが好ましく、10〜15μmのものが特に好ましい。数平均繊維長さが55〜1000μm、さらには55〜700μmがより好ましい。本発明で用いるガラス繊維の数平均繊維径が9μm以上のものを使用することで、成形表面の表面粗さが十分なエポキシ接着性を得るのに十分な表面粗さとなり、ガラス繊維の数平均繊維径が30μm以下のものを使用することで、液晶性樹脂本来の流動性を低下させることがないため好ましい。また、本発明で用いるガラス繊維の数平均繊維長さが1000μm以下のものを使用することで、成形時の流動性が低下することがなく、ガラス繊維の数平均繊維長さが55μm以上のものを使用することで、得られる成形品の剛性および靭性を高くすることができるため好ましい。ここで、ガラス繊維の数平均繊維径および数平均繊維長さの測定方法として、液晶性樹脂および(B)ガラス繊維などを含む組成物からなるペレット10gを空気中において550℃で8時間加熱して樹脂を除去し、光学式顕微鏡を用いて残存した繊維状充填材の任意の500個の長径および繊維長を倍率120倍にて測定したものから数平均繊維径および数平均繊維長さを算出した。
さらに、本発明で用いる(B)繊維状充填材の特性を最大限に発揮するために、(A)液晶性樹脂100重量部に対して、70〜140重量部配合するのが好ましく、さらに好ましくは70〜100重量部用いられる。繊維状充填材を70重量部以上配合することで、成形品の表面の平滑性がエポキシ樹脂などとの接着性を選るのに好ましい状態にすることができる。また、繊維状充填材の配合量を150重量部以下とすることで、薄肉成形性が阻害されることがなく好ましい。
さらに、本発明で用いる(C)鱗片状充填材の「鱗片状」とは、繊維状、針状、粒状以外の形態を示すものであり、マイカやタルクが好ましく、さらにはタルクがより好ましい。鱗片状充填材の特性を最大限発揮するために、(A)液晶性樹脂100重量部に対して、10重量部以上75重量部未満配合するのが好ましく、さらに好ましくは10〜45重量部用いられる。10重量部以上配合することで、耐コロナ性の寿命を向上させることができるので好ましい。さらに75重量部未満の配合量とすることで、剛性と靭性に優れた組成物を得ることができるので好ましい。
さらに、本発明で用いる(B)繊維状充填材および(C)鱗片状充填材の配合比率は(B)>(C)の比率のうち、(B)と全充填材の比、つまり(B)/{(B)+(C)}の値が0.6以上0.95以下であることが好ましく、さらには0.7以上0.9以下であることがより好ましい。
本発明で用いる(C)鱗片状充填材の数平均粒子径は8〜100μmのものが好ましく、10〜100μmのものが特に好ましい。本発明で用いる鱗片状充填材の数平均粒子径が8μm以上のものを使用することで、同時に配合するガラス繊維の配向を十分に乱すことができ、成形表面の表面粗さが十分なエポキシ接着性を得られる程度の表面粗さとすることができるため好ましい。また、鱗片状充填剤の数平均粒子径が100μm以下のものを使用することで、液晶性樹脂本来の流動性を低下させることがないので好ましい。ここで、鱗片状充填剤の数平均粒子径の測定方法として、液晶性樹脂および(C)鱗片状充填材などを含む樹脂組成物からなるペレット10gを空気中において550℃で8時間加熱して樹脂を除去し、光学式顕微鏡を用いて残存した鱗片状充填材の任意の500個の長径を倍率120倍にて測定したものから数平均粒子径を算出して数平均粒子径とした。
また、本発明では、(B)繊維状充填剤および(C)鱗片状充填剤の配合量の合計が液晶性樹脂100重量部に対して70〜150重量部となるように配合することが重要である。(B)繊維状充填剤および(C)鱗片状充填剤の配合量の合計が70重量部未満では十分な接着性が得られず、150重量部を越えると液晶性樹脂組成物の流動性を損なうことがある。
本発明の液晶性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない程度の範囲で、酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、可塑剤、難燃剤、難燃助剤などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂(フッ素樹脂など)を添加して、所定の特性を付与することができる。この場合、帯電しやすいものは好ましくないので、種類および添加量に注意が必要である。
本発明の液晶性樹脂組成物は、溶融混練により製造することが好ましく、溶融混練には公知の方法を用いることができる。例えば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用いることができる。これらのうち、本発明の液晶性樹脂組成物は、強化材を均質に分散性良く混練する必要性から、押出機を用いることが好ましく、二軸押出機を用いることがより好ましく、なかでも中間添加口を有する二軸押出機を用いることが特に好ましい。溶融混練方法は、原料供給口から(A)液晶性樹脂を二軸押出機に供給し、(A)液晶性樹脂を溶融させ、該溶融状態の(A)液晶性樹脂、中間添加口から(B)繊維状充填材および(C)鱗片状充填材を供給するのが好ましい。
かくして得られる成形品は、薄肉構造を有するだけでなく、優れたエポキシ及びシリコーン接着性、耐コロナ性、絶縁破壊強さをも有する。
そして、本発明の液晶性樹脂組成物は、電気、電子、自動車、機械、雑貨などの用途に限定なく使用できるが、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂との接着部位が必要な用途に好ましく使用できる。
また本発明の液晶性樹脂組成物は、その優れた耐コロナ性を活かして、自動車エンジンの点火装置、例えばイグニッションコイルなどの用途により好ましく使用できる。
(A)液晶性樹脂の製造方法
[参考例1]
p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部および無水酢酸960重量部を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら、室温から150℃まで昇温しながら3時間反応させ、150℃から250℃まで2時間で昇温し、250℃から330℃まで1.5時間で昇温させた後、325℃、1.5時間で6.5×10−3Paまで減圧し、さらに約0.25時間撹拌を続けて重縮合を行った芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当量、エチレンジオキシ単位12.5モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量からなる融点314℃、溶融粘度25Pa・s(324℃、オリフィス0.5mm直径×10mm、ズリ速度1,000/秒)の液晶性ポリエステル(A1)を得た。
[参考例1]
p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部および無水酢酸960重量部を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら、室温から150℃まで昇温しながら3時間反応させ、150℃から250℃まで2時間で昇温し、250℃から330℃まで1.5時間で昇温させた後、325℃、1.5時間で6.5×10−3Paまで減圧し、さらに約0.25時間撹拌を続けて重縮合を行った芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当量、エチレンジオキシ単位12.5モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量からなる融点314℃、溶融粘度25Pa・s(324℃、オリフィス0.5mm直径×10mm、ズリ速度1,000/秒)の液晶性ポリエステル(A1)を得た。
[参考例2]
p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル168重量部、テレフタル酸150重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート173重量部および無水酢酸1011重量部を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら室温から150℃まで昇温しながら3時間反応させ、150℃から250℃まで2時間で昇温し、250から335℃まで1.5時間で昇温させた後、335℃、1.5時間で6.5×10−3Paまで減圧し、さらに約0.25時間撹拌を続けて重縮合を行った芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオキシ単位10モル当量、エチレンジオキシ単位10モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量からなる融点328℃、溶融粘度18Pa・s(338℃、オリフィス0.5mm直径×10mm、ズリ速度1,000/秒)の液晶性ポリエステル(A2)を得た。
p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル168重量部、テレフタル酸150重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート173重量部および無水酢酸1011重量部を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら室温から150℃まで昇温しながら3時間反応させ、150℃から250℃まで2時間で昇温し、250から335℃まで1.5時間で昇温させた後、335℃、1.5時間で6.5×10−3Paまで減圧し、さらに約0.25時間撹拌を続けて重縮合を行った芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオキシ単位10モル当量、エチレンジオキシ単位10モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量からなる融点328℃、溶融粘度18Pa・s(338℃、オリフィス0.5mm直径×10mm、ズリ速度1,000/秒)の液晶性ポリエステル(A2)を得た。
[参考例3]
p−ヒドロキシ安息香酸870重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル327重量部、ハイドロキノン89重量部、テレフタル酸292重量部、イソフタル酸157重量部および無水酢酸1367重量部(フェノール性水酸基合計の1.03当量)を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら室温から145℃で昇温しながら2時間反応させ、145℃から320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃、1.0時間で133Paに減圧し、さらに約1.5時間攪拌を続けて重縮合を行ったp−オキシベンゾエート単位がp−オキシベンゾエート単位、4,4’−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル当量、4,4’−ジオキシビフェニル単位が4,4’−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル当量、テレフタレート単位がテレフタレート単位およびイソフタレート単位の合計に対して65モル当量からなる融点314℃、溶融粘度25Pa・s(324℃、オリフィス0.5mm直径×10mm、ズリ速度1,000/秒)の液晶性ポリエステル(A3)を得た。
p−ヒドロキシ安息香酸870重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル327重量部、ハイドロキノン89重量部、テレフタル酸292重量部、イソフタル酸157重量部および無水酢酸1367重量部(フェノール性水酸基合計の1.03当量)を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら室温から145℃で昇温しながら2時間反応させ、145℃から320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃、1.0時間で133Paに減圧し、さらに約1.5時間攪拌を続けて重縮合を行ったp−オキシベンゾエート単位がp−オキシベンゾエート単位、4,4’−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル当量、4,4’−ジオキシビフェニル単位が4,4’−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル当量、テレフタレート単位がテレフタレート単位およびイソフタレート単位の合計に対して65モル当量からなる融点314℃、溶融粘度25Pa・s(324℃、オリフィス0.5mm直径×10mm、ズリ速度1,000/秒)の液晶性ポリエステル(A3)を得た。
[参考例4]
特開昭54−77691号公報に従って、p−アセトキシ安息香酸921重量部と6−アセトキシ−ナフトエ酸435重量部を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重縮合を行った。p−アセトキシ安息香酸から生成した構造単位57モル当量および6−アセトキシ−ナフトエ酸から生成した構造単位22モル当量からなる融点283℃溶融粘度30Pa・s(293℃,オリフィス0.5mm直径×10mm、ズリ速度1,000/秒)の液晶性ポリエステル(A4)を得た。
特開昭54−77691号公報に従って、p−アセトキシ安息香酸921重量部と6−アセトキシ−ナフトエ酸435重量部を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重縮合を行った。p−アセトキシ安息香酸から生成した構造単位57モル当量および6−アセトキシ−ナフトエ酸から生成した構造単位22モル当量からなる融点283℃溶融粘度30Pa・s(293℃,オリフィス0.5mm直径×10mm、ズリ速度1,000/秒)の液晶性ポリエステル(A4)を得た。
[実施例1〜3,比較例1〜4]
以下、実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
シリンダー設定温度を液晶性樹脂の融点+10℃、スクリュウ回転数を250rpmに設定した、44mm直径の中間添加口を有する2軸押出機(日本製鋼所製TEX−44)を用いて、参考例1〜3で得た液晶性樹脂100重量部を原料供給口から添加して溶融状態とし、(B)ガラス繊維および(C)タルクまたはマイカを表1に示す割合で中間添加口から供給し、吐出量40kg/時間で溶融混練してペレットを得た。このペレットを用いて下記の各特性を評価した。尚、実施例中の物性の測定および試験は次の方法で行った。また、溶融混練して得られたペレットを用いて、(B)ガラス繊維の平均繊維長および(C)タルクまたはマイカの数平均粒子径を前述の手法で測定した。その結果を表1に示す。
なお、(B)繊維状充填材、(C)鱗片状充填材としては、それぞれ下記のものを使用した。
B1:チョップドガラス繊維(日本電気硝子製 ECS03T−747H 平均繊維径10.5μm、長さ3mm)
B2:ミルドファイバー(日本電気硝子製 EPG40M−10A 平均繊維径9.6μm、長さ58μm)
B3:チョップドガラス繊維(日本電気硝子製 ECS03T−790DE 平均繊維径6.5μm、長さ3mm)
C1:タルク(富士タルク工業製 NK−64)数平均粒子径10μm
C2:マイカ(山口雲母工業所製 NJ−030)数平均粒子径30μm
C3:マイカ(山口雲母工業所製 A−11)数平均粒子径7μm
C4:タルク(富士タルク工業製 LMS−200)数平均粒子径5μm
B2:ミルドファイバー(日本電気硝子製 EPG40M−10A 平均繊維径9.6μm、長さ58μm)
B3:チョップドガラス繊維(日本電気硝子製 ECS03T−790DE 平均繊維径6.5μm、長さ3mm)
C1:タルク(富士タルク工業製 NK−64)数平均粒子径10μm
C2:マイカ(山口雲母工業所製 NJ−030)数平均粒子径30μm
C3:マイカ(山口雲母工業所製 A−11)数平均粒子径7μm
C4:タルク(富士タルク工業製 LMS−200)数平均粒子径5μm
[特性の測定法]
(1)エポキシ接着性
・引張剪断試験:図1に示した試験片を用い、図1に示すようにa面及びb面にエポキシ樹脂(XNR3646、商標、ナガセケムテックス製)を塗布し、120℃で2時間硬化して接着し(接着面積0.5cm2)、ついで引張試験機(AG500C、商標、島津製作所製)を用いてクロスヘッドスピード1mm/分で引っ張り、該接着面が剥離した時の荷重を測定した。また、接着面が剥離せず、母材が破壊したものについては、そのときの値を測定した。エポキシ接着強度は該荷重を接着面積で除した値として示した。エポキシ接着強度が8MPa以上のものを「優れる」(二重丸)、6.5MPa以上のものを「良好」(丸)、それより小さいものを「劣る」(バツ)とした。
(1)エポキシ接着性
・引張剪断試験:図1に示した試験片を用い、図1に示すようにa面及びb面にエポキシ樹脂(XNR3646、商標、ナガセケムテックス製)を塗布し、120℃で2時間硬化して接着し(接着面積0.5cm2)、ついで引張試験機(AG500C、商標、島津製作所製)を用いてクロスヘッドスピード1mm/分で引っ張り、該接着面が剥離した時の荷重を測定した。また、接着面が剥離せず、母材が破壊したものについては、そのときの値を測定した。エポキシ接着強度は該荷重を接着面積で除した値として示した。エポキシ接着強度が8MPa以上のものを「優れる」(二重丸)、6.5MPa以上のものを「良好」(丸)、それより小さいものを「劣る」(バツ)とした。
(2)シリコーン接着性
・引張剪断試験:図1に示した試験片を用い、図1に示すようにa面及びb面にシリコーン樹脂(X−32−2465、商標、信越化学製)を塗布し、150℃で1時間硬化して接着し(接着面積0.5cm2)、ついで引張試験機(AG500C、商標、島津製作所製)を用いてクロスヘッドスピード1mm/分で引っ張り、該接着面が剥離した時の荷重を測定した。また、接着面が剥離せず、シリコーン樹脂が破壊したものについては、そのときの値を測定した。シリコーン接着強度は該荷重を接着面積で除した値として示した。シリコーン接着強度が4MPa以上のものを「優れる」(二重丸)、2MPa以上のものを「良好」(丸)、それより小さいものを「劣る」(バツ)とした。
・引張剪断試験:図1に示した試験片を用い、図1に示すようにa面及びb面にシリコーン樹脂(X−32−2465、商標、信越化学製)を塗布し、150℃で1時間硬化して接着し(接着面積0.5cm2)、ついで引張試験機(AG500C、商標、島津製作所製)を用いてクロスヘッドスピード1mm/分で引っ張り、該接着面が剥離した時の荷重を測定した。また、接着面が剥離せず、シリコーン樹脂が破壊したものについては、そのときの値を測定した。シリコーン接着強度は該荷重を接着面積で除した値として示した。シリコーン接着強度が4MPa以上のものを「優れる」(二重丸)、2MPa以上のものを「良好」(丸)、それより小さいものを「劣る」(バツ)とした。
(3)流動性
・棒流動長:ペレットをFANUCROBOSHOTα−30i射出成形機(ファナック株式会社製)に供し、射出速度300mm/秒、射出圧力40MPa、シリンダー設定温度は液晶性樹脂の融点の条件で連続成形(射出時間/冷却時間=1.0/10.0秒,スクリュウ回転数100rpm,背圧1MPa,サックバック10mm,金型温度90℃)を行い、棒状成形品(幅12.7mm,厚み0.5mm、サイドゲート0.5mm×5.0mm)を成形し、成形品の長さを棒流動長として測定した。棒流動長が長いほど、薄肉流動性はよい。棒流動長が、60mm以上のものを「優れる」(二重丸)、40mm以上のものを「良好」(丸)、それよりも小さいものを「劣る」(バツ)とした。
・棒流動長:ペレットをFANUCROBOSHOTα−30i射出成形機(ファナック株式会社製)に供し、射出速度300mm/秒、射出圧力40MPa、シリンダー設定温度は液晶性樹脂の融点の条件で連続成形(射出時間/冷却時間=1.0/10.0秒,スクリュウ回転数100rpm,背圧1MPa,サックバック10mm,金型温度90℃)を行い、棒状成形品(幅12.7mm,厚み0.5mm、サイドゲート0.5mm×5.0mm)を成形し、成形品の長さを棒流動長として測定した。棒流動長が長いほど、薄肉流動性はよい。棒流動長が、60mm以上のものを「優れる」(二重丸)、40mm以上のものを「良好」(丸)、それよりも小さいものを「劣る」(バツ)とした。
(4)耐コロナ性
・耐コロナ寿命試験:JIS C3405の耐コロナ放電性試験に準拠して測定した。縦80mm、横80mm、厚み1mmの試験片を丸棒とスリープの間に固定し、周波数60Hz、印加電圧20kVを加え、絶縁破壊が生じるまでの時間を測定した。該時間が8時間以上のものを「優れる」(二重丸)、それ未満のものを「劣る」(バツ)とした。
・耐コロナ寿命試験:JIS C3405の耐コロナ放電性試験に準拠して測定した。縦80mm、横80mm、厚み1mmの試験片を丸棒とスリープの間に固定し、周波数60Hz、印加電圧20kVを加え、絶縁破壊が生じるまでの時間を測定した。該時間が8時間以上のものを「優れる」(二重丸)、それ未満のものを「劣る」(バツ)とした。
(5)絶縁破壊強さ
・絶縁破壊電圧:JIS C2110の短長時間破壊試験法に準拠して測定した。絶縁破壊電圧が35kV以上のものを「優れる」(二重丸)、25kV以上のものを「良好」(丸)、それ未満のものを「劣る」(バツ)とした。
・絶縁破壊電圧:JIS C2110の短長時間破壊試験法に準拠して測定した。絶縁破壊電圧が35kV以上のものを「優れる」(二重丸)、25kV以上のものを「良好」(丸)、それ未満のものを「劣る」(バツ)とした。
以上の結果から、本発明の液晶性樹脂組成物は、比較例の樹脂組成物と比較して、流動性を損なうことなく、エポキシ及びシリコーン接着性を有し、さらに耐コロナ性、絶縁破壊強さに優れた組成物であることがわかる。
本発明の液晶性樹脂組成物およびそれからなる成形品は、液晶性樹脂元来の優れた耐熱性、流動性を損なうことなく、エポキシ及びシリコーン接着性を有し、耐コロナ性、絶縁破壊強さに優れた特性を有するので、高機能製品に好適に使用される部品、とりわけ自動車用部品、具体的には、イグニッションコイルやそのケースになどに好適に使用することができる。
E エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂
Claims (7)
- (A)液晶性樹脂100重量部に対して、(B)繊維状充填材および(C)数平均粒子径が8μm以上である鱗片状充填材を含有する組成物であって、(B)繊維状充填材の配合量>(C)鱗片状充填材の配合量を満たし、かつ(B)繊維状充填材の配合量と(C)鱗片状充填材の配合量の合計が70〜150重量部である液晶性樹脂組成物。
- (B)繊維状充填材がガラス繊維である請求項1記載の液晶性樹脂組成物。
- (B)繊維状充填材の配合量が、(A)液晶性樹脂100重量部に対して70〜140重量部である請求項1または2記載の液晶性樹脂組成物。
- (C)鱗片状充填材がタルクおよび/またはマイカである請求項1〜3のいずれか記載の液晶性樹脂組成物。
- (C)鱗片状充填材の配合量が、(A)液晶性樹脂100重量部に対して10重量部以上75重量部未満である請求項1〜4のいずれか記載の液晶性樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか記載の液晶性樹脂組成物を成形してなる成形品。
- エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂との接着部位を有する請求項6記載の成形品。
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